説明

報知用通信装置及び報知用通信システム

【課題】安価な構成で、停電時であっても遠隔地で発生した事象を報知するような報知用通信装置及び報知用通信システムを提供する。
【解決手段】事象検出装置200からの検出信号を入力して有線通信・無線通信する入力用の報知用通信装置100Aと、有線通信・無線通信された信号を中継するする2個の中継用の報知用通信装置100B,100Cと、中継された信号を受信して報知信号を出力する出力用の報知用通信装置100Dと、報知信号を入力して報知する報知装置300と、を備え、UPS電源装置により電源が供給された入力用、中継用および出力用の報知用通信装置100A〜100Dにより、停電時であっても遠隔地で発生した事象を報知するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時に遠隔地で発生した事象を報知するための報知用通信装置及び報知用通信システムに関する。
【0002】
各種の工場においては、生産規模の大小を問わず、電力供給の停止(停電)は許されない事態である。具体例を挙げると、熱硬化性樹脂で絶縁材料を形成したり外箱の塗装処理を施すというように、一定時間にわたり冷温又は高温を厳格に維持する温度管理を必要とする電気機器等の生産設備に対し、万が一停電が発生すれば、材料、部品、作業工数が全て無駄になるばかりか、不具合品の後処理費用も嵩む等甚大な損害が伴う。そこで、停電が発生した場合には速やかに停電復旧手当を施す必要がある。
【0003】
停電が一旦発生すれば、電気主任技術者や電気設備保守担当者でなければ、復旧作業ができない。緊急連絡網の電話連絡体制をしいていても時間帯によっては数時間も要することもあり、たとえ休日や深夜であっても、停電復旧や損害を最低限に抑えるためには、速やかに電気主任技術者や電気設備保守担当者への停電通報する必要があり、そのためにはまず停電を迅速に検出しなければならない。
【0004】
このような停電発生時に停電通報する装置として、例えば、特許文献1(特開2004−110114号,発明の名称「監視装置」)が開示されている。特許文献1の発明では、停電検出から警報、通知手段を備え、更に、負荷に対するきめ細かい制御を可能とする装置や自家発電切替装置、或いは専門保守員を配置する等、優れた装置やシステムが構築出来る。
【0005】
また、停電発生時に停電通報する他の装置として、例えば、特許文献2(特開2002−140779号,発明の名称「遠隔統合監視システム」)が開示されている。特許文献2の発明では、全くの無人施設に対し、防災、防犯等監視項目が多く、遠隔に通報するシステムである。
【0006】
【特許文献1】特開2004−110114号公報(段落番号[0010]、[0011],図1)
【特許文献2】特開2002−140779号公報(段落番号[0009]〜[0030],図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の監視装置や特許文献2の遠隔統合監視システムは、大規模事業所や重要プラント等に限定される大規模システムであり、同様に設置工事や運用保守等に多大な費用を要するというものであり、一般的に普及し難いという問題があった。
電力会社からの商用電源は頻繁に停電発生することもなく、事業主も稀にしか起きない停電に対処するために高価な装置やシステムを設置することをためらうきらいがあった。さらに停電のみならず、火災など各種の事象に対処できることが好ましいという事情もあった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、安価な構成で、停電時であっても遠隔地で発生した事象を報知するような報知用通信装置及び報知用通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る報知用通信装置は、
検出信号を入力する入力ドライバと、
報知信号を出力する出力ドライバと、
無線通信を行う無線通信装置と、
有線通信を行う有線通信装置と、
入力ドライバ、出力ドライバ、無線通信装置、および、有線通信装置と接続され、信号処理を行う制御演算部と、
入力ドライバ、出力ドライバ、無線通信装置、有線通信装置、および、制御演算部と接続され、停電時でも電力を供給するUPS電源装置と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る報知用通信システムは、
請求項1に記載の報知用通信装置を複数台備えるシステムであって、
事象を検出して検出信号を出力する事象検出装置と、
事象検出装置からの検出信号を入力して通信信号を生成して有線通信または無線通信する入力用の報知用通信装置と、
有線通信または無線通信された通信信号を受信して他の箇所へ有線通信または無線通信する1または複数の中継用の報知用通信装置と、
有線通信または無線通信された通信信号を受信して報知信号生成して、この報知信号を出力する出力用の報知用通信装置と、
出力用の報知用通信装置からの報知信号を入力して報知する報知装置と、
を備え、UPS電源装置により電源が供給された入力用、中継用および出力用の報知用通信装置により、停電時であっても遠隔地で発生した事象を報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、安価な構成で、停電時であっても遠隔地で発生した事象を報知するような報知用通信装置及び報知用通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態の報知用通信装置及び報知用通信システムについて一括して説明する。図1は本形態の報知用通信装置の構成図である。
報知用通信装置100は、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、有線通信装置40、制御演算部50、UPS電源装置60を備える。
【0013】
入力ドライバ10は、制御演算部50と図示しない事象検出装置とに接続され、外部の事象検出装置から出力された検出信号を入力し、検出信号を制御演算部50へ出力する。この検出信号は、各種事象を検出するものであり、例えばアナログ信号である。入力ドライバ10はアナログ信号の検出信号をデジタルの検出信号に変換して制御演算部50へ出力する、というものである。なお、複数の事象検出装置からそれぞれ検出信号を入力したり、一台の事象検出装置から多数の検出信号を入力したりできるようにしても良い。なお、入力ドライバ10に外部の事象検出装置が接続された場合に、接続線を介して入力ドライバ10から事象検出装置へUPS電源装置60からの電源を供給しても良い。また、事象検出装置に直接UPS電源装置60の電源線を接続して電源を供給しても良い。なお事象検出装置が電源不要のセンサなどの場合には電力供給はされないこととなる。
【0014】
出力ドライバ20は、制御演算部50と図示しない報知装置とに接続され、制御演算部50から出力された報知信号を入力し、報知信号を外部の報知装置に適した報知信号として出力する。この報知信号は、報知装置に音声報知や表示報知を行わせるように駆動するための信号であり、例えばアナログ信号である。出力ドライバ20は、制御演算部50からのデジタル信号の報知信号をアナログの報知信号に変換して出力する、というものである。なお、複数の報知装置へそれぞれ報知信号を出力できるようにしたり、一台の報知装置へ多数の報知信号を出力できるようにしたりしても良い。なお、出力ドライバ20に外部の報知装置が接続された場合に、接続線を介して出力ドライバ20から報知装置へUPS電源装置60からの電源を供給しても良い。また、報知装置に直接UPS電源装置60の電源線を接続して電源を供給しても良い。
【0015】
無線通信装置30は、制御演算部50に接続され、無線通信を行う。この無線通信は、他の報知用通信装置100の無線通信装置30と通信するように構成されている。無線通信方式は特に限定されるものではなく、種々の方式(FM通信・赤外線通信・無線LAN通信)を採用することができる。
【0016】
有線通信装置40は、制御演算部50に接続され、有線通信を行う。この有線通信は、他の報知用通信装置100の有線通信装置40と通信するように構成されている。有線通信方式は特に限定されるものではなく、種々の方式を採用することができる。例えばRS232Cや光ファイバ、ケーブルによるLAN等、種々の通信回線を利用することができる。
【0017】
制御演算部50は、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、および、有線通信装置40と接続され、これらを統括して信号処理する。例えば入力ドライバ10、無線通信装置30、および、有線通信装置40から信号が入力されていないか否かを監視する。なお、信号処理の詳細については後述する。
【0018】
UPS電源装置60は、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、有線通信装置40、および、制御演算部50と接続され、停電時には内蔵するバックアップ電源から電力を供給する。
【0019】
続いて報知用通信システムについて説明する。図2は本形態の報知用通信システムの構成例を示す図、図3は入力用の報知用通信装置のブロック図、図4,図5は中継用の報知用通信装置のブロック図、図6は出力用の報知用通信装置のブロック図である。この報知用通信システムは、図2で示すように、4台の報知用通信装置100A,100B,100C,100D、事象検出装置200、報知装置300を備える。事象検出装置200は、例えば、図2で示すように検出信号1,2,3の全て、これらのうちの2つの信号、または、何れかの信号を出力できるようになされている。これに応じて報知用通信装置100A,100B,100Cが上記の信号を中継していき、最終的に報知用通信装置100Dが、検出信号に対応する報知信号1,2,3の全て、これらのうちの2つの信号、または、何れかの信号を出力して報知装置に入力された信号に応じた報知をさせる、というものである。これら検出信号の数、報知信号の数は実情に併せて増減させることができるものであるが、以下、説明の簡略化のため、単に、検出信号、報知信号として説明する。
【0020】
事象検出装置200は、各種の事象を検出して検出信号を出力する。
報知用通信装置100Aは、入力用の報知用通信装置であり、詳しくは図3で示すように構成される。事象検出装置200からの検出信号を入力ドライバ10が入力して制御演算部50で処理しやすいデジタル信号に変換の上で検出信号を制御演算部50へ出力する。制御演算部50は、検出信号が入力されたときに無線通信装置30へ検出信号を出力する。無線通信装置30は、検出信号を無線通信に適した通信信号に変換して無線通信によりこの通信信号を報知用通信装置100Bへ送信する。
【0021】
この報知用通信装置100Aでは、入力ドライバ10および無線通信装置30が使用されるが、例えば、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、および、有線通信装置40にはディップスイッチが設けられ、この報知用通信装置100Aでは、入力ドライバ10を入力装置と設定し、無線通信装置30を出力装置と設定し、出力ドライバ20および有線通信装置40を不使用装置と設定すれば良い。この場合に制御演算部50は入力ドライバ10のみ入力を監視し、また、無線通信装置30へのみ出力を制御することとなる。
【0022】
報知用通信装置100Bは、中継用の報知用通信装置であり、詳しくは図4で示すように構成される。無線通信された通信信号を無線通信装置30が入力して制御演算部50で処理しやすいデジタル信号の検出信号に変換してこの検出信号を制御演算部50へ出力する。制御演算部50は、有線通信装置40へそのまま検出信号を出力する。有線通信装置40は、信号ケーブル400と接続されており、検出信号を有線通信に適した通信信号に変換して有線通信によりこの通信信号を報知用通信装置100Cへ送信する。
【0023】
この報知用通信装置100Bでは、無線通信装置30および有線通信装置40が選択されるが、例えば、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、および、有線通信装置40にはディップスイッチが設けられ、この報知用通信装置100Bでは、無線通信装置30を入力装置と設定し、有線通信装置40を出力装置と設定し、入力ドライバ10および出力ドライバ20を不使用装置と設定すれば良い。この場合に制御演算部50は無線通信装置30のみ入力を監視し、また、有線通信装置40へのみ出力を制御することとなる。
【0024】
報知用通信装置100Cは、中継用の報知用通信装置であり、詳しくは図5で示すように構成される。信号ケーブル400を介して有線通信された通信信号を有線通信装置40が入力して制御演算部50で処理しやすい検出信号に変換してこの検出信号を制御演算部50へ出力する。制御演算部50は、無線通信装置30へ検出信号を出力する。無線通信装置30は、検出信号を無線通信に適した通信信号に変換して無線通信によりこの通信信号を報知用通信装置100Dへ送信する。
【0025】
この報知用通信装置100Cでは、無線通信装置30および有線通信装置40が選択されるが、例えば、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、および、有線通信装置40にはディップスイッチが設けられ、この報知用通信装置100Cでは、有線通信装置40を入力装置と設定し、無線通信装置30を出力装置と設定し、入力ドライバ10および出力ドライバ20を不使用装置と設定すれば良い。この場合に制御演算部50は有線通信装置40のみ入力を監視し、また、無線通信装置30へのみ出力を制御することとなる。
【0026】
報知用通信装置100Dは、出力用の報知用通信装置であり、詳しくは図6で示すように構成される。無線通信された通信信号を無線通信装置30が入力して制御演算部50で処理しやすい検出信号に変換してこの検出信号を制御演算部50へ出力する。制御演算部50は、検出信号に対応した報知信号を選択し、出力ドライバ20へこの報知信号を出力する。出力ドライバ20は、報知装置300と接続されており、報知信号を報知装置300へ送信する。
【0027】
この報知用通信装置100Dでは、出力ドライバ20および無線通信装置30が選択されるが、例えば、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、および、有線通信装置40にはディップスイッチが設けられ、この報知用通信装置100Dでは、無線通信装置30を入力装置と設定し、出力ドライバ20を出力装置と設定し、入力ドライバ10および有線通信装置40を不使用装置と設定すれば良い。この場合に制御演算部50は無線通信装置30のみ入力を監視し、また、出力ドライバ20へのみ出力を制御することとなる。
【0028】
以上、本形態の報知用通信装置100の報知用通信システムの構築例について説明した。この例では、特に中継用に報知用通信装置100B,100Cを採用した構成について説明したが、多数の報知用通信装置100により無線・有線により中継を行っても良い。
例えば、無線→有線→無線→無線と中継する場合、入力→無線通信の報知用通信装置100A、無線→有線通信の報知用通信装置100B、有線→無線通信の報知用通信装置100C、無線→無線通信の報知用通信装置100E、無線→出力の報知用通信装置100Dを設置する。
【0029】
ここに無線から無線へ通信する報知用通信装置100Eでは、無線通信装置30のみが選択されるが、例えば、入力ドライバ10、出力ドライバ20、無線通信装置30、および、有線通信装置40にはディップスイッチが設けられ、この報知用通信装置100Eでは、無線通信装置30を入出力兼用装置と設定し、入力ドライバ10,出力ドライバ20および有線通信装置40を不使用装置と設定すれば良い。この場合に制御演算部50は無線通信装置30のみ入出力を監視することとなる。
【0030】
なお、報知用通信装置100A〜100Fではディップスイッチにより入出力を選択できるとしたが、特に入出力設定がなくとも入力、中継、出力の設定が可能である。例えば入力ドライバ10が事象検出装置200と接続されれば入力用と、出力ドライバ20が報知装置300と接続されれば出力用と、また、入力ドライバ10と出力ドライバ20との何れにも接続がなければ中継用と、それぞれ判定できるため、制御演算部50は入力ドライバ10や出力ドライバ20での接続の有無に応じて判定するように処理しても良い。さらに有線通信を選択するか無線通信を選択するかも有線通信装置40に信号線が接続されれば有線通信と、接続されなければ無線通信であると判定でき、制御演算部50は有線通信装置40での接続の有無に応じて判定するように処理しても良い。
【0031】
さらに中継用の報知用通信装置100で有線通信装置40に信号ケーブルが接続された場合、無線通信装置30、および、有線通信装置40の両者の入力を確認し、有線側から入力された場合には無線で出力し、また、無線線側から入力された場合には有線で出力するようにすれば良い。
さらに、中継用の報知用通信装置100で有線通信装置40に信号ケーブルが接続されていない場合、無線専用とし、無線通信装置30の入力を確認し、無線側から入力された場合には無線通信装置30を介して無線で出力するようにすれば良い。
本形態では有線で入力して有線で出力する形態は採用できないこととなるが、必要であれば、入力用と出力用の有線通信装置40を2個設置すれば対応できる。このような構成としても良い。
このように中継用の報知用通信装置の設置は各種採用することができる。
【0032】
このような報知用通信システムでは、報知用通信装置100を入力用、中継用および出力用として複数個配置するだけで構成できるシステムとしたため、安価な構成で、停電時に遠隔地で発生した事象を報知するための報知用通信システムを提供することができる。また、通信事情に応じて有線通信のみ、無線通信のみ、または、有線・無線の併用が可能であるため、設置箇所の実情に応じた報知用通信システムの構築が可能である。
【実施例1】
【0033】
続いて本発明の報知用通信装置100を工場がある事業所に複数個設置して構築する報知用通信システムについて説明する。図7は事業所に構築した報知用通信システムのシステム図である。この構築例では、主変電所に事象検出装置200を設置し、工場棟の各種生産設備で停電が発生した場合、受電している主変電所の事象検出装置200が直接検出信号を出力させてすばやく守衛所の警報装置300へ通報するシステムである。
特に事務棟の存在により主変電所と守衛所との間は無線通信だけでは対処できないが、事務棟では報知用通信装置100Bは主変電所と、また、報知用通信装置100Cは守衛所と無線通信しやすい箇所に設置され、報知用通信装置100B,100Cの間のみ有線通信することで、無線通信の障害物となる事務棟を迂回するような通信経路とするシステムを採用している。
【0034】
報知用通信装置100Aは、入力用の報知用通信装置であり、主変電所に設置される。事象検出装置200は例えば変流器など停電を検出できる各種の装置であり、報知用通信装置100Aは、事象検出装置200からの検出信号を通信信号に変換し、無線通信により通信信号を事務棟に設置されている報知用通信装置100Bへ送信する。
【0035】
報知用通信装置100Bは、中継用の報知用通信装置であり、事務棟の屋上であって報知用通信装置100Aと無線通信可能な箇所に設置される。報知用通信装置100Bは送信された通信信号から有線通信用の通信信号を生成し、信号ケーブル400を介して有線通信により通信信号を同じく事務棟の屋上に設置されている報知用通信装置100Cへ送信する。
【0036】
報知用通信装置100Cは、中継用の報知用通信装置であり、事務棟の屋上であって報知用通信装置100Dと無線通信可能な箇所に設置される。報知用通信装置100Cは、信号ケーブル400を介して有線通信された通信信号から無線通信用の通信信号を生成し、無線通信により通信信号を報知用通信装置100Dへ送信する。
【0037】
報知用通信装置100Dは、出力用の報知用通信装置であり、守衛所に設置される。報知用通信装置100Dは、無線通信された通信信号を入力して報知信号を報知装置300へ送信する。
【0038】
このような報知用通信システム1000により、工場などの事業所内の主変電所で停電が発生した場合、主変電所内から通知される停電異常を検出し、検出信号を有線および無線により中継して守衛所へ通報することが可能となる。守衛所内では警報装置300のブザーおよびLED表示により停電が発生したことを確認し、休日や深夜であっても速やかに電気主任技術者や電気設備保守担当者への停電通報することができ、停電復旧や損害を最低限に抑えることが可能となる。
【0039】
なお、先に説明した最良の形態や実施例1では、事象として特に停電を考慮したものであったが、停電のみに限定する趣旨でないのはいうまでもなく、例えば、停電と同時に発生することが予想される火災・漏水・侵入・煙など、各種の事象も対象とすることができる。停電に加えこれら事象を検出するようにすれば、より確実に停電を検知できる。
【0040】
以上説明した報知用通信装置および報知用通信システムでは、既存設備に低コストで簡易な工事を施す(ACコンセントを差し込んで通信可能な位置に設置する)だけで敷設可能であり、事業所構内で発生した停電に対し、通報を迅速徹底することが可能となる。特に、設置が容易でコストが少ないため、特に比較的小規模事業者を対象とした報知用通信装置および報知用通信システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の報知用通信装置の構成図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の報知用通信システムの構成例を示す図である。
【図3】入力用の報知用通信装置のブロック図である。
【図4】中継用の報知用通信装置のブロック図である。
【図5】中継用の報知用通信装置のブロック図である。
【図6】出力用の報知用通信装置のブロック図である。
【図7】事業所に構築した報知用通信システムのシステム図である。
【符号の説明】
【0042】
100,100A,100B,100C,100D:報知用通信装置
10:入力ドライバ
20:出力ドライバ
30:無線通信装置
40:有線通信装置
50:制御演算部
60:UPS電源装置
200:事象検出装置
300:報知装置
400:信号ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出信号を入力する入力ドライバと、
報知信号を出力する出力ドライバと、
無線通信を行う無線通信装置と、
有線通信を行う有線通信装置と、
入力ドライバ、出力ドライバ、無線通信装置、および、有線通信装置と接続され、信号処理を行う制御演算部と、
入力ドライバ、出力ドライバ、無線通信装置、有線通信装置、および、制御演算部と接続され、停電時でも電力を供給するUPS電源装置と、
を備えることを特徴とする報知用通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の報知用通信装置を複数台備えるシステムであって、
事象を検出して検出信号を出力する事象検出装置と、
事象検出装置からの検出信号を入力して通信信号を生成して有線通信または無線通信する入力用の報知用通信装置と、
有線通信または無線通信された通信信号を受信して他の箇所へ有線通信または無線通信する1または複数の中継用の報知用通信装置と、
有線通信または無線通信された通信信号を受信して報知信号生成して、この報知信号を出力する出力用の報知用通信装置と、
出力用の報知用通信装置からの報知信号を入力して報知する報知装置と、
を備え、UPS電源装置により電源が供給された入力用、中継用および出力用の報知用通信装置により、停電時であっても遠隔地で発生した事象を報知することを特徴とする報知用通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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