説明

塗布材押出容器

【課題】移動体の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減する。
【解決手段】容器100では、本体筒2と操作筒3とを繰出し方向に相対回転し、及び繰戻し方向に相対回転すると、雌螺子部材5と移動体4とが相対回転し、螺合部8の螺合作用で移動体4が前進、及び後退すると共に、クリック歯54,64も同期して相対回転する。ここで、弾性体61は、クリック歯64をクリック歯54に向けて付勢しているため、移動体4の前進及び後退の際にクリック感が付与される。加えて、この弾性体61にあっては、相対回転で移動体4が後退し螺合部8の螺合作用が開放されたとき、それとは反対方向の相対回転で螺合復帰するよう螺合部8を付勢する。つまり、弾性体61を共用して、移動体4の移動によるクリック感の付与と螺合部8の螺合復帰とを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布材を押し出して使用するための塗布材押出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の塗布材押出容器としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この塗布材押出容器では、本体筒(容器前部)と操作筒(容器後部)とが一方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が前進し、塗布用充填物(塗布材)が容器先端の開口から押し出される一方、本体筒と操作筒が他方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が後退する。また、この塗布材押出容器は、クリック歯及び圧縮バネ部(弾性体)を備えており、移動体の前進時及び後退時において圧縮バネ部でクリック歯の一方が他方に向けて付勢される。よって、移動体の移動に伴ってクリック感が生じ、移動体の前進具合や戻し具合を使用者に感知させることが可能である。
【0003】
また、従来の塗布材押出容器としては、例えば特許文献2に記載されているものも知られている。この塗布材押出容器では、芯保持軸(移動体)の後端に設けられた芯保持軸突起(螺合部の雄螺子)がラセン筒に設けられたラセン溝(螺合部の雌螺子)に螺合されており、先筒(容器前部)と回し筒(容器後部)とが一の方向に相対回転されると、ラセン筒のラセン溝と保持軸突起との螺合作用が働き芯保持軸が前進し、容器の先端から化粧料芯(塗布材)が押し出される一方、先筒と回し筒とが他方向に相対回転されると、ラセン溝と保持軸突起との螺合作用が働き芯保持軸が後退する。そして、この塗布材押出容器では、他方向の相対回転で芯保持軸が後退し保持軸突起がラセン溝の後端から外れたとき、保持軸突起がラセン筒の後端と弾力性部材(弾性体)の前端との間に入り込み、弾力性部材が後方へ押しやられて弾力性部材が圧縮され、保持軸突起が前方へ押し戻される。よって、保持軸突起がラセン溝の後端から外れた後に先筒と回し筒とを一方向に相対回転させると、ラセン溝と保持軸突起とを螺合復帰させることが可能である。
【特許文献1】特開2006−150098号公報
【特許文献2】実公平3−17787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述したような塗布材押出容器において、移動体の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部の螺合作用が開放された際に該螺合部を螺合復帰可能とする場合、次の問題がある。すなわち、クリック歯の一方を他方に付勢する弾性体と、螺合作用が開放された際に螺合部を付勢する弾性体とがそれぞれ別部品で設けられることになるため、部品点数が多くなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、移動体の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減することができる塗布材押出容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る塗布材押出容器は、容器内に移動体及び螺合部を具備し、容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部とが一方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が前進し、容器先端の開口から塗布材が押し出され、容器前部と容器後部とが一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が後退する塗布材押出容器であって、相対回転に従う移動体の移動に伴いクリック感を付与するためのクリック歯と、所定の弾性力を有する弾性体と、を備え、弾性体は、クリック歯の一方をクリック歯の他方に向けて付勢すると共に、他方向の相対回転で移動体が後退し螺合部の螺合作用が開放されたとき、一方向の相対回転で螺合部が螺合復帰するように螺合部を付勢することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る塗布材押出容器は、容器内に移動体及び螺合部を具備し、容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部とが一方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が前進し、容器先端の開口から塗布材が押し出され、容器前部と容器後部とが一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が後退する塗布材押出容器であって、相対回転に従う移動体の移動に伴いクリック感を付与するためのクリック歯と、所定の弾性力を有する弾性体と、を備え、弾性体は、クリック歯の一方をクリック歯の他方に向けて付勢すると共に、一方向の相対回転で移動体が前進し螺合部の螺合作用が開放されたとき、他方向の相対回転で螺合部が螺合復帰するように螺合部を付勢することを特徴とする。
【0008】
このような塗布材押出容器では、弾性体は、クリック歯の一方を他方に向けて付勢し、移動体の移動に伴うクリック感を生じさせる。加えて、この弾性体にあっては、他方向の相対回転で移動体が後退し螺合部の螺合作用が開放されたとき、又は一方向の相対回転で移動体が前進し螺合部の螺合作用が開放されたとき、それとは反対方向の相対回転で螺合部が螺合復帰するように螺合部を付勢する。すなわち、本発明によれば、一の弾性体を共用して、移動体の移動によるクリック感の付与と螺合作用が開放された螺合部の螺合復帰との双方を実現することができる。従って、移動体の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減することができる。
【0009】
また、本発明に係る塗布材押出容器は、容器内に移動体及び螺合部を具備し、容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部とが一方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が前進し、容器先端の開口から塗布材が押し出され、容器前部と容器後部とが一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、螺合部の螺合作用が働き移動体が後退する塗布材押出容器であって、相対回転に従う移動体の移動に伴いクリック感を付与するためのクリック歯と、所定の弾性力を有する弾性体と、を備え、弾性体は、クリック歯の一方をクリック歯の他方に向けて付勢すると共に、他方向の相対回転で移動体が後退し螺合部の螺合作用が開放されたとき、一方向の相対回転で螺合部が螺合復帰するように螺合部を付勢し、一方向の相対回転で移動体が前進し螺合部の螺合作用が開放されたとき、他方向の相対回転で螺合部が螺合復帰するように螺合部を付勢することを特徴とする。
【0010】
この塗布材押出容器においても、上記作用効果、すなわち、移動体の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減することができるという効果を奏する。特に、この塗布材押出容器では、移動体が後退して螺合部の螺合作用が開放された際と、移動体が前進して螺合部の螺合作用が開放された際との双方において螺合復帰可能となる。
【0011】
また、螺合部の一方を構成する雄螺子は、移動体に設けられており、移動体は、移動方向と交差する方向に突出する突起を有し、他方向の相対回転で移動体が後退し螺合部の螺合作用が開放された状態において突起で弾性体を圧縮させることにより、移動体が前方に付勢されることが好ましい。この場合、他方向の相対回転で移動体が後退し、突起で弾性体が圧縮される。そして、螺合作用が開放された状態において、弾性体の圧縮弾性力が移動体に付与されて該移動体が前方に付勢される。よって、その後の一方向の相対回転で、螺合部を螺合復帰させることが可能となる。
【0012】
このとき、弾性体は、移動体に外挿され、移動体は、棒状を呈し、弾性体に対し軸線方向移動可能とされ、他方向の相対回転で移動体が後退し螺合部の螺合作用が開放された状態において、弾性体の後退を阻止するように弾性体を容器に係止しつつ、突起で弾性体を後方に押し付けることにより、弾性体を圧縮させる場合がある。
【0013】
また、螺合部の他方を構成する雌螺子は、円筒状の雌螺子部材に設けられており、一方向の相対回転で移動体が前進し螺合部の螺合作用が開放された状態において雌螺子部材を軸線方向に移動させて弾性体を圧縮させることにより、雌螺子部材が前方に付勢されることが好ましい。この場合、一方向の相対回転で移動体が前進し、例えば、かかる前進に伴う反作用よって雌螺子部材が後方に移動されて弾性体が圧縮される。そして、螺合作用が開放された状態において、弾性体の圧縮弾性力が雌螺子部材に付与されて該雌螺子部材が前方に付勢される。よって、その後の他方向の相対回転で、螺合部を螺合復帰させることが可能となる。
【0014】
このとき、移動体は、棒状を呈し、その外周面に螺合部の一方を構成する雄螺子が設けられており、一方向の相対回転で移動体が前進し螺合部の螺合作用が開放された状態において、弾性体の後退を阻止するように該弾性体を容器に係止しつつ、移動体の前進に伴う反作用で雌螺子部材を後方に移動させ該雌螺子部材で弾性体を後方に押し付けることにより、弾性体を圧縮させる場合がある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動体の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1,2は本発明の第1実施形態に係る塗布材押出容器の初期状態を示す縦断面図、図3は操作筒を示す断面斜視図、図4は移動体を示す斜視図、図5はクリック雌螺子部材を示す断面斜視図、図6はバネ部材を示す斜視図である。本実施形態の塗布材押出容器は、塗布材を収容すると共に使用者の操作で押し出し及び引き戻し可能とするものである。
【0018】
塗布材としては、例えば、リップグロス、リップ、アイカラー、アイライナー、美容液、洗浄液、ネールエナメル、ネールケア溶液、ネールリムーバー、マスカラ、アンチエイジング、ヘアーカラー、頭髪用化粧料、オーラルケア、マッサージオイル、角栓ゆるめ液、ファンデーション、コンシーラー、スキンクリーム、マーキングペン等の筆記用具等のインク、液状の医薬品、泥状物等を始めとした液状や、ゼリー状、ゲル状、ペースト状を含む練り状等の半固体や軟固形状等を用いることが可能である。
【0019】
図1に示すように、塗布材押出容器100は、塗布材Mが充填される充填領域2xを内部に備えた円筒状の本体筒2と、本体筒2の前端部に装着され充填領域2xから押し出される塗布材Mを皮膚に塗布するための塗布具(容器先端)7と、本体筒2の後端部に相対回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結された有底円筒状の操作筒3と、を外形構成として具備し、本体筒2及び塗布具7により容器前部を構成すると共に、操作筒3により容器後部を構成している。そして、本体筒2の前端側には、保護部材としてのキャップ10が塗布具7を覆うように着脱可能に装着されている。なお、「軸線」とは、塗布材押出容器100の前後に延びる中心線を意味する(以下、同じ)。
【0020】
また、この塗布材押出容器100の内部には、先端部にピストン9を備え塗布材Mを押し出すための棒状の移動体4と、移動体4に螺合部8を介して螺合され且つクリック感を付与するためのクリック雌螺子部材5と、クリック雌螺子部材5と協働してクリック感を付与し且つ螺合部8の螺合復帰を可能にするバネ部材6とが配設されている。
【0021】
図3に示すように、操作筒3は、段付き円筒状に構成され、後側の外径大径部3xと、段差部3pを介してこれより前側の外径小径部3yとを備えている。操作筒3の内周面3aにおいて前端部には、周方向に多数の凹凸部が並設されて当該凹凸部が軸線方向に所定長延びるローレット31が設けられている。また、ローレット31の後側から後端部に亘る内周面3aにおいて周方向に沿う六等配の位置には、移動体4と回転方向に係合するためのものとして、軸線方向に延びる突条32が設けられている。外径小径部3yの外周面には、本体筒2に軸線方向に係合するための環状凸部33が設けられている。
【0022】
この操作筒3は、図1に示すように、その外径小径部3yが本体筒2に内挿され、その環状凸部33が本体筒2に軸線方向に係合することで、本体筒2に対し回転可能且つ軸線方向離脱不能に装着されている。
【0023】
図4に示すように、移動体4は、円柱形状の外周に二平面部41a,41aを対向して設けた形状をなす軸体41を備えている。換言すると、移動体4は、円柱形状の一部をカットするように形成されたカット面としての二平面部41a,41aが軸線方向と直交する方向に対向して配設された軸体41を備えている。
【0024】
軸体41の二平面部41a,41aを除く外周面41bには、操作筒3の対向する突条32が係合するものとして、軸線方向の略全長に亘って延在する溝部44が対向して設けられている。この外周面41bは、軸線方向に段付き状に構成され、後側の大径外周面41bxと、これより前側の小径外周面41byとを有している。小径外周面41byにおいて前端部及び後端部を除く領域には、螺合部8の一方を構成する雄螺子8aが軸線方向に沿って設けられている。ここでは、好ましいとして、螺合部8を一条螺子としている。
【0025】
各二平面部41a,41aの先端側には、バネ部材6を圧縮させるためのものとして、軸線方向視において半月状に突出する突起43がそれぞれ設けられている。ここでの突起43は、螺合部8の螺合作用が開放された状態でバネ部材6に当接可能な軸線方向の位置に設けられている(詳しくは後述)。
【0026】
また、移動体4は、ピストン9を軸線方向に係合するためのものとして、軸体41の先端側に設けられ横断面円形状の鍔部42を備えている。
【0027】
この移動体4は、図1に示すように、操作筒3に内挿されると共に、その溝部44が操作筒3の突条32に係合することで、操作筒3に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に装着されている。また、移動体4は、その鍔部42にピストン9が係合することで、該ビストン9を所定長の隙間S1(いわゆる遊び:図7参照)だけ軸線方向移動可能にして装着している。
【0028】
図5に示すように、クリック雌螺子部材5は、外筒51と、この外筒51と同軸で内側に配置された内筒52と、外筒51の軸線方向略中央及び内筒52の後端に連設されてこれらを連結する円環状の連結部53と、を備えている。
【0029】
外筒51の外周面には、本体筒1に係合するものとして、軸線方向に所定長延びる突条51dが周方向に沿って複数設けられている。内筒52の内周面の略全域には、螺合部8の他方を構成する雌螺子8bが軸線方向に沿って設けられている。なお、この雌螺子8bの軸線方向長さに対応するようにして、移動体4の軸体41の小径外周面41byにおいて雄螺子8aが設けられていない前端部及び後端部の軸線方向長さが設定されている。
【0030】
連結部53は、その後面に周方向に沿って複数設けられ、後方に突出するクリック歯54を有している。クリック歯54は、移動体4の移動に伴うクリック感を付与するためのものであり、周方向の一方側に傾斜する鋸歯状に構成されている。ここでのクリック歯54は、周方向に沿う8等配の位置(すなわち、円周方向45°ごと)に設けられている。
【0031】
このクリック雌螺子部材5は、図1に示すように、その前側から本体筒2に内挿されると共に、その外筒51の突条51dが、本体筒1に軸線周り回転方向に係合することにより、本体筒1に対して同期回転可能とされている。そして、クリック雌螺子部材5は、その雌螺子8bが移動体4の雄螺子8aに螺合した状態とされている。また、クリック雌螺子部材5は、本体筒2の内周面の傾斜面2bによって該傾斜面2bよりも前方への移動が阻止されていると共に、操作筒3の前端面によって該前端面よりも後方への移動が阻止されており、塗布材押出容器100内の本体筒2の傾斜面2bと操作筒3の前端面との間において、所定長の隙間S2(いわゆる遊び)だけ軸線方向移動可能に配設されている。
【0032】
図6に示すように、バネ部材6は、後側に開口する有底円筒状に構成され、バネ部61と、このバネ部61の前端側の円板部62と、を備えている。バネ部61は、外周面に沿って螺旋状に延び内外を連通するスリット61aを有している。このスリット61aにより、バネ部61は、軸線方向に伸縮可能な樹脂バネとされ、軸線方向に所定の弾性力を有する弾性体を構成する(以下、弾性体61と称す)。なお、ここでの弾性体61の弾性力は、後述のクラッチ作用を好適に機能させるために好ましいとして、移動体4の前進に伴う反作用よりも小さいものとされている。
【0033】
円板部62には、軸体41の外形形状に対応する形状の貫通孔63が形成されている。つまり、円板部62における貫通孔63の内面は、曲面部63a,63a及び二平面部63b,63bを有するような断面非円形形状とされている。これにより、バネ部材6は、移動体4の軸体41に回転方向に係合可能とされている。加えて、その貫通孔63内に、軸体41の雄螺子8aが軸線方向に通過可能とされる一方で軸体41の突起43が通過不能とされ、よって、突起43と軸線方向に係合可能とされている。
【0034】
また、円板部62は、その前面に周方向に沿って複数設けられ前方に突出するクリック歯64を備えている。クリック歯64は、上記クリック歯54と協働して移動体4の移動に伴うクリック感を付与するためのものであり、周方向に沿って登り傾斜と下り傾斜を半々に有する山型に構成されている。このクリック歯64は、円周非等分の8箇所に設けられている。具体的には、クリック歯64は、円周方向90°ごとの4箇所と、この4箇所のうちの対向する2箇所から時計回り、反時計回りに各々22.5°回転した4箇所とに設けられている。このように、一方のクリック歯54を鋸歯状に構成し、他方のクリック歯64を山型に構成することにより、繰出し時のクリック感と繰戻し時のクリック感とを互いに変化させることができる。
【0035】
このバネ部材6は、図1に示すように、クリック雌螺子部材5の連結部53と操作筒3の突条32との間において、その弾性体61が軸線方向に所定量圧縮した状態となるように連結部53と突条32との間に挟み付けられて配置されている。具体的には、バネ部材6は、その前側からクリック雌螺子部材5の外筒51に内挿されると共に、その後側から操作筒3の外径小径部3yに内挿され、その後面が突条32に突き当てられる。これにより、図2に示すように、バネ部材6では、その円板部62のクリック歯64が弾性体61の圧縮でクリック雌螺子部材5のクリック歯54に向けて付勢され、クリック歯64がクリック歯54に軸線周り回転方向に係合可能(噛合可能)とされている。また、円板部62の貫通孔63が非円形とされ、その前側から移動体4の軸体41に嵌め合うよう外挿されることで、バネ部材6が移動体4に同期回転可能、且つその円板部62が軸線方向移動可能に装着されている。
【0036】
なお、本実施形態では、本体筒2、操作筒3、移動体4、クリック雌螺子部材5及びバネ部材6等の塗布材押出容器100を構成する各部品は、樹脂による射出成形品とされている。
【0037】
以上のように構成された塗布材押出容器100にあっては、本体筒2と操作筒3とが繰出し方向(一方向)に相対回転されると、クリック雌螺子部材5と移動体4とが相対回転すると共に、クリック歯54,64も同期して相対回転する。これにより、螺合部8の螺合作用が作動して移動体4及びピストン9が前進し、塗布具7の先端の開口から塗布材Mが押し出される。加えて、弾性体61がクリック歯64をクリック歯54に付勢することから、移動体4の前進の際、クリック歯54,64同士の係合及び係合解除が繰り返され、かかる係合及び係合解除の度に使用者にクリック感(抵抗感)が付与されることになり、塗布材Mの吐出量を調整することが容易になる。
【0038】
また、本体筒2と操作筒3とが繰戻し方向(他方向)に相対回転されると、クリック雌螺子部材5と移動体4とが相対回転すると共に、クリック歯54,64も同期して相対回転する。これにより、螺合部8の螺合作用が作動して移動体4及びピストン9が後退する。加えて、弾性体61がクリック歯64をクリック歯54に付勢することから、移動体4の後退の際、クリック歯54,64同士の係合及び係合解除が繰り返され、かかる係合及び係合解除の度に使用者にクリック感が付与されることになり、ピストン9の後退による本体筒2及び塗布具7内の減圧作用で出過ぎた塗布材Mを引き戻すことになる。
【0039】
ここで、図7に示すように、移動体4が初期状態である後退限に位置する場合において、本体筒2と操作筒3とが繰戻し方向に相対回転されると、移動体4の後退に伴って該移動体4の雄螺子8aがクリック雌螺子部材5の雌螺子8bの後端から外れ、螺合部8の螺合作用が開放される(つまり、クラッチ作用が機能する)。これと共に、バネ部材6の後退が阻止されるように該バネ部材6が操作筒3の突条32に係止されつつ、移動体4の突起43がバネ部材6の前面に当接され、突起43によってバネ部材6が後方(後退方向)に押し付けられ、バネ部材6の弾性体61が圧縮される。よって、この螺合作用が開放された状態においては、弾性体61の圧縮弾性力が移動体4の突起43に付与され、移動体4が螺進方向である前方(前進方向)に付勢されることとなる。従って、移動体4が後退して螺合作用が開放された後、本体筒2と操作筒3とを繰出し方向に相対回転すると、移動体4の雄螺子8aがクリック雌螺子部材5の雌螺子8bの後端に螺合されて螺合部8が螺合復帰される。
【0040】
一方、図8に示すように、初期状態から本体筒2と操作筒3とが繰出し方向に相対回転され、螺合部8の螺合作用が所定量働いて移動体4が前進すると、移動体4の前進に伴う反作用(例えば、ピストン9の摺動抵抗、塗布材Mを押し出すことによる抵抗力や移動体4の前進に対する反力等の影響による力)によってクリック雌螺子部材5が後方に隙間S2(図7参照)だけ移動される。そして、バネ部材6の後退が阻止されるように該バネ部材6が操作筒3の突条32に係止されつつ、移動されたクリック雌螺子部材5によってバネ部材6が後方に押し付けられ、バネ部材6の弾性体61が圧縮される。
【0041】
そして、図9に示すように、本体筒2と操作筒3との繰出し方向への相対回転が続けられて移動体4が前進限に位置する場合において、本体筒2と操作筒3とが繰出し方向にさらに相対回転されると、移動体4の前進に伴って該移動体4の雄螺子8aがクリック雌螺子部材5の雌螺子8bの前端から外れ、螺合部8の螺合作用が開放される(つまり、クラッチ作用が機能する)。ここで、この螺合作用が開放された状態においては、上述したように、移動されたクリック雌螺子部材5で弾性体61が圧縮されていることから、弾性体61の圧縮弾性力がクリック雌螺子部材5に付与され、該クリック雌螺子部材5が螺進方向である前方に付勢される。従って、移動体4が前進して螺合作用が開放された後、本体筒2と操作筒3とを繰戻し方向に相対回転すると、移動体4の雄螺子8aがクリック雌螺子部材5の雌螺子8bの前端に螺合されて螺合部8が螺合復帰される。
【0042】
以上、本実施形態によれば、弾性体61は、クリック歯64をクリック歯54に向けて付勢する。これにより、移動体4の移動に伴ってクリック歯54,64同士が係合及び係合解除を繰り返し実施され、常時、クリック感を生じさせることができる。加えて、この弾性体61にあっては、繰戻し方向の相対回転で移動体4が後退し螺合部8の螺合作用が開放されたとき、及び繰出し方向の相対回転で移動体4が前進し螺合部8の螺合作用が開放されたとき、それとは反対方向の相対回転で螺合部8が螺合復帰するように螺合部8を付勢する。これにより、移動体4が移動して螺合作用が開放された後、螺合部8を螺合復帰させることが可能となる。
【0043】
すなわち、本実施形態の塗布材押出容器100では、一の弾性体61を共用して、移動体4の移動によるクリック感の付与と螺合作用が開放された螺合部8の螺合復帰との双方を実現することが可能となる。従って、移動体4の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部8の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減することができる。特に、本実施形態においては、移動体4が後退して螺合部8の螺合作用が開放された際と、移動体4が前進して螺合部8の螺合作用が開放された際との双方において螺合復帰可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、上述したように、螺合部8が一条螺子とされている。よって、繰戻し方向の相対回転で移動体4が後退し螺合部8の螺合作用が開放されたとき、及び繰出し方向の相対回転で移動体4が前進し螺合部8の螺合作用が開放されたとき、同方向にさらに相対回転すると、螺合部8の雄螺子8a及び雌螺子8bの当接によって相対回転1回転当り1回のクリック感が生じる。つまり、本実施形態によれば、移動体4の移動に伴って常時生じるクリック感と、螺合部8の螺合作用が開放された際のクリック感との2タイプのクリック感を発生させることができ、使用者が前進限又は後退限を感知することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、上述したように、移動体4の後退限時及び前進限時において、螺合部8の螺合作用を開放することから、本体筒2と操作筒3との相対回転が続けられても螺合部8に負荷がかからないため、螺合部8の破損を抑制することができ、ひいては、塗布材押出容器100の各部品の破損を抑制することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、上述したように、雄螺子8aが、移動体4の軸体41の小径外周面41byにおいて前端部及び後端部以外の領域に設けられている。よって、例えば図9に示すように、雄螺子8aが設けられていない軸体41の領域にクリック雌螺子部材5を位置させて移動体4とクリック雌螺子部材5とを互いに組み付け、この状態で塗布材押出容器100を組み立てることで、移動体4の雄螺子8aとクリック雌螺子部材5の雌螺子8bとの螺込みを事前に行うことが不要になる。その結果、塗布材押出容器100の組立を容易化することが可能となる。
【0047】
なお、本実施形態では、前述のように、弾性体51の弾性力によって螺合部8が螺合復帰するように付勢されたが、塗布材押出容器100の各部品自体が弾性変形(樹脂変形)して歪む(撓む)ことによる弾性力によって螺合部8が螺合復帰するように付勢されてもよい。例えば、前進限で螺合作用が開放された際、ピストン9変形の復帰力を弾性力とすることができる。
【0048】
また、上記クラッチ作用及び螺合部8の螺合復帰を好適に実現すべく、クリック雌螺子部材5が本体筒1内で隙間S2だけ軸線方向移動可能に配設されると共に、移動体4がビストン9に対し隙間S1だけ軸線方向移動可能に装着されているが、塗布材押出容器100の各部品自体が変形することを考慮すると、場合によっては、隙間S1,S2を設けなくともよい。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態に係る塗布材押出容器について説明する。
【0050】
図10は本発明の第2実施形態に係る塗布材押出容器の初期状態を示す断面図、図11はバネ部材のバネ受けを示す断面斜視図である。図10に示すように、本実施形態の塗布材押出容器200が上記塗布材押出容器100(図1参照)と異なる点は、樹脂により一体形成されたバネ部材6に代えて、バネ部材71を備えた点である。
【0051】
バネ部材71は、金属コイルバネであるコイルバネ72を有している。コイルバネ72は、軸線方向に所定の弾性力を有する弾性体を構成する(以下、弾性体72と称す)。また、バネ部材71は、図11に示すように、コイルバネ72による付勢力を受けるバネ受け73を有している。バネ受け73は、樹脂による射出成形品とされており、後側に開口する有底円筒状に構成されている。このバネ受け73は、円筒部74と、円筒部74の前端側の円板部62と、を備えている。円筒部74は、その軸線方向の長さが弾性体72の軸線方向長さよりも短くされている。
【0052】
このバネ部材71では、図10に示すように、コイルバネ72がバネ受け73に同軸に内挿され、弾性体72がバネ受け73の円板部62の後面に突き当てられることで、弾性体72の前端部がバネ受け73内に収容されている。そして、バネ部材71は、クリック雌螺子部材5の連結部53と操作筒3の突条32との間において、その弾性体72が軸線方向に所定量圧縮した状態となるように連結部53と突条32との間に挟み付けられて配置されている。
【0053】
図12は、図10に示す塗布材押出容器の図7に対応する拡大断面斜視図であり、図13は、図10に示す塗布材押出容器の図9に対応する拡大断面斜視図である。図12,13に示すように、本実施形態の塗布材押出容器200においても、上記塗布材押出容器100と同様な作用が発揮される。
【0054】
以上、本実施形態によれば、上記効果と同様な効果、すなわち、移動体4の移動でクリック感を生じさせると共に螺合部8の螺合作用が開放された際に螺合復帰可能とし、且つ部品点数を低減するという効果が奏される。また、本実施形態では、上述したように、金属コイルバネが弾性体72として用いられているため、例えば高温条件での放置等によって弾性体72が塑性変形するのを抑制することができる。
【0055】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限
定されるものではない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、バネ部材6,71を後方に押し付けて弾性体61,72を圧縮するため、移動体4の前進に伴う反作用によってクリック雌螺子部材5を後方に隙間S2だけ移動させたが、例えば、次に示すようにしてクリック雌螺子部材71を後方に移動させてもよい。すなわち、本体筒2と操作筒3とが繰出し方向に相対回転されて螺合部8の螺合作用が開放される前に、ピストン9を本体筒2内で軸線方向に係合し、このピストン9に移動体4を軸線方向に当接させることで、移動体4の前進を阻止した状態とする。そして、この状態で本体筒2と操作筒3とを繰出し方向にさらに相対回転し、移動体4を前進させずに螺合部8の螺合作用を働かせることで、クリック雌螺子部材5を後方に移動させてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、移動体が前進及び後退して螺合部の螺合作用が開放されたときの双方において螺合復帰するように弾性体が螺合部を付勢するが、移動体が前進又は後退して螺合部の螺合作用が開放されたときの何れかにおいて螺合復帰するように弾性体が螺合部を付勢してもよい。
【0058】
なお、雄螺子又は雌螺子は、間欠的に配される突起群又は螺旋状且つ間欠的に配される突起群のように螺子山と同様な働きをするものであってもよい。また、クリック歯54,56を設けずに塗布材押出容器100,200を構成してもよく、この場合、弾性体61,72によって適度且つ安定した回転抵抗を常時付与することができる。
【0059】
また、本発明は、塗布材として、例えば、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイカラー、アイブロー、リップライナー、チークカラー、コンシーラー、美容スティック、ヘアーカラー等を始めとした種々の棒状化粧料、筆記用具等の棒状の芯等を押し出す棒状物押出容器に用いることも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態に係る塗布材押出容器の初期状態を示す縦断面図である。
【図2】図1の縦断面位置を90°異なる位置とした縦断面図である。
【図3】図1の塗布材押出容器における操作筒を示す断面斜視図である。
【図4】図1の塗布材押出容器における移動体を示す斜視図である。
【図5】図1の塗布材押出容器におけるクリック雌螺子部材を示す断面斜視図である。
【図6】図1の塗布材押出容器におけるバネ部材を示す斜視図である。
【図7】図1の塗布材押出容器の拡大断面斜視図である。
【図8】図7の状態から移動体が所定量前進したときにおける塗布材押出容器の拡大断面斜視図である。
【図9】図8の状態から移動体が前進して前進限に達したときにおける塗布材押出容器の拡大断面斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る塗布材押出容器の初期状態を示す縦断面図である。
【図11】図10の塗布材押出容器におけるバネ部材のバネ受けを示す断面斜視図である。
【図12】図10に示す塗布材押出容器の図7に対応する拡大断面斜視図である。
【図13】図10に示す塗布材押出容器の図9に対応する拡大断面斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
2…本体筒(容器前部)、3…操作筒(容器後部)、4…移動体、5…クリック雌螺子部材(雌螺子部材)、7…塗布具(容器前部,容器先端)、8…螺合部、8a…雄螺子、8b…雌螺子、43…突起、54…クリック歯(クリック歯の他方)、61,72…弾性体、64…クリック歯(クリック歯の一方)、100,200…塗布材押出容器、M…塗布材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に移動体及び螺合部を具備し、
容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部とが一方向に相対回転されると、前記螺合部の螺合作用が働き前記移動体が前進し、容器先端の開口から塗布材が押し出され、前記容器前部と前記容器後部とが前記一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、前記螺合部の螺合作用が働き前記移動体が後退する塗布材押出容器であって、
前記相対回転に従う前記移動体の移動に伴いクリック感を付与するためのクリック歯と、所定の弾性力を有する弾性体と、を備え、
前記弾性体は、
前記クリック歯の一方を前記クリック歯の他方に向けて付勢すると共に、
前記他方向の前記相対回転で前記移動体が後退し前記螺合部の螺合作用が開放されたとき、前記一方向の前記相対回転で前記螺合部が螺合復帰するように前記螺合部を付勢することを特徴とする塗布材押出容器。
【請求項2】
容器内に移動体及び螺合部を具備し、
容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部とが一方向に相対回転されると、前記螺合部の螺合作用が働き前記移動体が前進し、容器先端の開口から塗布材が押し出され、前記容器前部と前記容器後部とが前記一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、前記螺合部の螺合作用が働き前記移動体が後退する塗布材押出容器であって、
前記相対回転に従う前記移動体の移動に伴いクリック感を付与するためのクリック歯と、所定の弾性力を有する弾性体と、を備え、
前記弾性体は、
前記クリック歯の一方を前記クリック歯の他方に向けて付勢すると共に、
前記一方向の前記相対回転で前記移動体が前進し前記螺合部の螺合作用が開放されたとき、前記他方向の前記相対回転で前記螺合部が螺合復帰するように前記螺合部を付勢することを特徴とする塗布材押出容器。
【請求項3】
容器内に移動体及び螺合部を具備し、
容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部とが一方向に相対回転されると、前記螺合部の螺合作用が働き前記移動体が前進し、容器先端の開口から塗布材が押し出され、前記容器前部と前記容器後部とが前記一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、前記螺合部の螺合作用が働き前記移動体が後退する塗布材押出容器であって、
前記相対回転に従う前記移動体の移動に伴いクリック感を付与するためのクリック歯と、所定の弾性力を有する弾性体と、を備え、
前記弾性体は、
前記クリック歯の一方を前記クリック歯の他方に向けて付勢すると共に、
前記他方向の前記相対回転で前記移動体が後退し前記螺合部の螺合作用が開放されたとき、前記一方向の前記相対回転で前記螺合部が螺合復帰するように前記螺合部を付勢し、
前記一方向の前記相対回転で前記移動体が前進し前記螺合部の螺合作用が開放されたとき、前記他方向の前記相対回転で前記螺合部が螺合復帰するように前記螺合部を付勢することを特徴とする塗布材押出容器。
【請求項4】
前記螺合部の一方を構成する雄螺子は、前記移動体に設けられており、
前記移動体は、移動方向と交差する方向に突出する突起を有し、
前記他方向の前記相対回転で前記移動体が後退し前記螺合部の螺合作用が開放された状態において前記突起で前記弾性体を圧縮させることにより、前記移動体が前方に付勢されることを特徴とする請求項1又は3記載の塗布材押出容器。
【請求項5】
前記弾性体は、前記移動体に外挿され、
前記移動体は、棒状を呈し、前記弾性体に対し軸線方向移動可能とされ、
前記他方向の前記相対回転で前記移動体が後退し前記螺合部の螺合作用が開放された状態において、前記弾性体の後退を阻止するように前記弾性体を前記容器に係止しつつ、前記突起で前記弾性体を後方に押し付けることにより、前記弾性体を圧縮させることを特徴とする請求項4記載の塗布材押出容器。
【請求項6】
前記螺合部の他方を構成する雌螺子は、円筒状の雌螺子部材に設けられており、
前記一方向の前記相対回転で前記移動体が前進し前記螺合部の螺合作用が開放された状態において前記雌螺子部材を軸線方向に移動させて前記弾性体を圧縮させることにより、前記雌螺子部材が前方に付勢されることを特徴とする請求項2又は3記載の塗布材押出容器。
【請求項7】
前記移動体は、棒状を呈し、その外周面に前記螺合部の一方を構成する雄螺子が設けられており、
前記一方向の前記相対回転で前記移動体が前進し前記螺合部の螺合作用が開放された状態において、前記弾性体の後退を阻止するように該弾性体を前記容器に係止しつつ、前記移動体の前進に伴う反作用で前記雌螺子部材を後方に移動させ該雌螺子部材で前記弾性体を後方に押し付けることにより、前記弾性体を圧縮させることを特徴とする請求項6記載の塗布材押出容器。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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