説明

塗料

【課題】顕著な抗菌作用を有し、成分の配合量(成分量)が明記されており、成分に銀を含まず安価な塗料を提供する。
【解決手段】水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2が1〜20重量%の割合で(水性アクリルカチオン系塗料1が100gに対し、銅粉体2が1〜20gの割合で)分散されている塗料。さらに、銅粉体2の沈澱を防止するためにベントナイトやアルステなどの沈澱防止剤が含まれていることを特徴とする塗料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金属系混合物混入の抗菌性性能を表記している塗料が製品化され、市販されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような現在製品化されている塗料(金属系混合物混入の抗菌性性能を表記している塗料)は、成分の配合量(成分量)が明記されておらず、成分的に銀を使用しているため、顕著な抗菌作用が発揮されていないものが多い。また、銀を使用しているため、高価であるという問題があった。
【0004】
本発明は、顕著な抗菌作用を有し、成分の配合量(成分量)が明記されている安価な塗料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、水性アクリルカチオン系塗料に1〜15μmの粒径の銅粉体が1〜20重量%の割合で分散されていることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の塗料において、さらに、銅粉体の沈澱を防止するための沈澱防止剤が含まれていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、水性アクリルカチオン系塗料に1〜15μmの粒径の銅粉体が1〜20重量%の割合で分散されているので、顕著な抗菌作用を有し、成分の配合量(成分量)が明確な安価な塗料を提供することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の塗料において、さらに、銅粉体の沈澱を防止するための沈澱防止剤が含まれているので、水性アクリルカチオン系塗料に銅粉体をより容易に均一分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の塗料の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の塗料の一例を示す図である。図1の例では、本発明の塗料は、水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2が1〜20重量%の割合で(水性アクリルカチオン系塗料1が100gに対し、銅粉体2が1〜20gの割合で)分散されている。
【0012】
このような塗料は、例えば、次のように作製される。
【0013】
すなわち、水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2を1〜20重量%の割合で混入し、銅粉体2が沈澱しにくい状態にするために、12〜24時間かけて一定低速回転で、銅粉体2を水性アクリルカチオン系塗料1に混合し、乳化状態のものにする。これにより、水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2を1〜20重量%の割合で均一に分散させることができ、銅粉体2が沈澱しにくい状態にすることができる。
【0014】
このような本発明の塗料は、銅粉体(銅イオン)2を用いているので、顕著な抗菌、除菌作用を有している液体(塗布剤)となっている。また、成分の配合量(成分量)が明確なものとなっており、また、銅は、例えば銀と違い(銀は酸化すると(酸化銀となると)毒性をもつ)、酸化しても毒性をもつことはないので(すなわち、緑青にしても毒ではないことは既存の事実であるので)、安全なものとなっている。また、銅は、銀と違い、安価である。また、水性アクリルカチオン系塗料1は、これに導電性があるので、銅イオンを封じ込めることのないバインダとして機能している。すなわち、水性アクリルカチオン系塗料1以外のものを用いると、銅イオンを封じ込めてしまい、抗菌、除菌効果を発揮させることができないので、水性アクリルカチオン系塗料1を用いることが重要である。
【0015】
本発明の塗料は、風呂場内、キッチン、排水溝、ドアノブ、スリッパ、バスマット等の抗菌、除菌を付加したい箇所に、噴霧、刷毛、ローラーなどにて簡単に付着させ、簡単に抗菌、除菌効果を発揮させることができる。この場合、10分〜1時間で自然乾燥するので、後加工に最適である。なお、より効果的には、1回塗布した後、ある程度の期間を置き、繰り返し塗布することで、より一層の効果を得ることができる。
【0016】
また、上述の例では、本発明の塗料は、水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2が1〜20重量%の割合で(水性アクリルカチオン系塗料1が100gに対し、銅粉体2が1〜20gの割合で)分散されたものとなっているが、これに、さらに、銅粉体の沈澱を防止するための沈澱防止剤を含ませても良い。
【0017】
この場合には、水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2を1〜20重量%の割合で混入し、さらに、これに、ベントナイトやアルステなどの沈澱防止剤を配合する。そして、12〜24時間かけて一定低速回転で、銅粉体2を水性アクリルカチオン系塗料1に混合し、乳化状態のものにする。これにより、水性アクリルカチオン系塗料1に1〜15μmの粒径の銅粉体2を1〜20重量%の割合でより一層均一に分散させることができ、銅粉体2がより一層沈澱しにくい状態にすることができる。
【0018】
沈澱防止剤を含ませる場合も、前述と同様に、安全性を確保でき、また、安価である。
【符号の説明】
【0019】
1 水性アクリルカチオン系塗料
2 銅粉体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性アクリルカチオン系塗料に1〜15μmの粒径の銅粉体が1〜20重量%の割合で分散されていることを特徴とする塗料。
【請求項2】
請求項1記載の塗料において、さらに、銅粉体の沈澱を防止するための沈澱防止剤が含まれていることを特徴とする塗料。

【図1】
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【公開番号】特開2010−270226(P2010−270226A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123424(P2009−123424)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(390026952)藤野金属株式会社 (2)
【出願人】(301018795)
【Fターム(参考)】