説明

塗装用刷毛

【課題】 柄と毛束構成部とが、塗装時には外れにくく、廃棄処理するときにはそれらが外れやすい刷毛を提供することである。
【解決手段】 先端に挟持部3aを有する一対の挟持片3を、その基端側で一体化して二股状にした樹脂製の柄1Aと、上記一対の挟持片間に挟持される毛束構成部2とからなる塗装用刷毛であって、上記一対の挟持部が毛束構成部2を挟持している状態で、上記一対の挟持部3aが開くことを規制する挟持力保持手段6と、上記挟持部3aあるいは毛束構成部2のいずれか一方に設けた凸部5aと、上記挟持部3aあるいは毛束構成部2のいずれか他方に設け、上記凸部に嵌まる凹部3bとを備え、上記凹部3bに上記凸部5aを嵌合したとき、上記柄1Aと毛束構成部2とが連結状態となり、上記凹部3bから凸部5aを外したとき、上記柄1Aと毛束構成部2とが分離する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、柄と毛束構成部とを分離可能にした塗装用刷毛に関する。
【背景技術】
【0002】
柄と毛束構成部とを分離可能にした刷毛として特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この従来の刷毛は、毛を断面長円の筒部材で束ねて毛束構成部を形成し、柄の先端側に形成した凹部に、上記筒部材を嵌め込むようにしたものである。そして、毛束構成部の上記筒部材の外周に嵌合用の線状凸部を形成し、柄の先端側における上記凹部の内壁には、上記線状凸部と一致する線状溝を形成している。そして、毛束構成部の筒部材外周の線状凸部を、柄の先端側の線状溝にスライドさせて嵌め合わせて、両者を結合するようにしている。このような構造により、柄への毛束構成部の取り付けが簡単にできるようにしている。また、一旦、取り付けた毛束構成部を柄の先端部に対してスライドさせることによって取り外すことも可能である。
【0003】
また、上記のようにした刷毛では、塗装中に、線状凸部および線状溝方向すなわち組み付け時のスライド方向に移動する力を作用させると、柄と毛束構成部とが相対移動し、それらがずれたり、あるいは分離したりするおそれがある。そこで、その相対移動を防止するために、線状凸部と線状溝との嵌め合わせをきつめにしなければならない。
【特許文献1】特開平7−108010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにした従来の刷毛では、柄と毛束構成部とが相対移動しないようにするために、線状凸部と線状溝との嵌め合わせをきつめにする必要があった。そのために、柄と毛束構成部とを積極的に分離しようとしたときには、線状凸部と線状溝とが外れにくくなるという問題があった。特に、永年使用していると、これら線状凸部と線状溝との間に塗料がしみこんで、その塗料が接着剤のような機能を果たしてしまい、ますます線状凸部と線状溝とが外れにくくなり、柄と毛束構成部とを分離できなくなるという問題があった。
【0005】
特に、近年は、自然環境の保護の観点から、塗料が付いた毛束あるいは毛束構成部を、産業廃棄物として処分することが求められている。なぜなら、樹脂製の塗料をたくさん含んだ毛束構成部は、それを焼却すると有毒ガスを発生したりして、自然環境を汚染することになるからである。つまり、塗装時に毛束構成部に樹脂製の塗料を含ませると、その毛束構成部に樹脂製塗料がこびりついてしまうので、使用後に毛束構成部から樹脂製塗料を完全に洗い落とすことはほとんど不可能になる。しかも、当該刷毛を永年使用していれば、毛束構成部にこびりついた樹脂製塗料の残存量も多くなるので、毛束構成部には、ますます環境汚染要素が多くなってしまう。そのために、柄が自然環境を損なわない素材例えば生分解性樹脂で形成されていたとしても、その柄から毛束構成部を外せない限り、上記生分解性樹脂の柄も含めて産業破棄物として処理しなければならない。
【0006】
従って、自然環境の保護を目的にして柄を、生分解性樹脂などで形成しても、柄と毛束構成部とを分離できない限り、環境保護という所期の目的を達成できないといった問題があった。
この発明の目的は、柄と毛束構成部とが、塗装時には外れにくく、廃棄処理するときにはそれらが外れやすいという二律背反的な問題を同時に解決できる塗装用刷毛を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、先端に挟持部を有する一対の挟持片を、その基端側で一体化して二股状にした樹脂製の柄と、上記一対の挟持片間に挟持される毛束構成部とからなる塗装用刷毛であって、上記一対の挟持部が毛束構成部を挟持している状態で、上記一対の挟持部が開くことを規制する挟持力保持手段と、上記挟持部あるいは毛束構成部のいずれか一方に設けた凸部と、上記挟持部あるいは毛束構成部のいずれか他方に設け、上記凸部に嵌まる凹部とを備え、上記凹部に上記凸部を嵌合したとき、上記柄と毛束構成部とが連結状態となり、上記凹部から凸部を外したとき、上記柄と毛束構成部とが分離する構成にした点に特徴を有する。
なお、上記凹部には、貫通孔も含むものとする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明を前提とし、上記毛束構成部は、熱可塑性樹脂で形成した毛の基端側に溶着部を有する毛束を備えるとともに、上記毛束における溶着部の断面積を溶着部以外の毛束断面積よりも大きくして毛束の基端に、毛束の長さ方向に直交する方向に突出した凸部を形成した点に特徴を有する。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明を前提とし、上記毛束構成部を、溶着部を有する毛束と、この毛束の側面を囲み、毛束から着脱可能にした保持部材とで構成し、上記保持部材には、上記挟持片に設けた凸部または凹部に嵌まる凹部または凸部を備えた点に特徴を有する。
【0010】
第4の発明は、第3の発明を前提とし、上記保持部材は、両端を開口し、一端から溶着部を露出させて毛束を囲む筒部材からなるとともに、上記挟持片または保持部材には、保持部材の上記開口の一部または全部を覆い、溶着部を押さえるための押さえ部を設け、上記柄と毛束構成部とが連結状態のとき、上記押さえ部によって上記溶着部を押さえ、毛束の軸方向の移動を規制する構成にした点に特徴を有する。
なお、上記筒状の保持部材には、1部品で筒を構成するもののほか、複数の部品によって筒を構成するものも含むものとする。
【0011】
第5の発明は、第1〜4の発明を前提とし、上記挟持力保持手段は、上記一対の挟持片の全周または外周の一部を囲んで、両挟持片を閉じ方向へ押圧する帯状部材あるいは線状部材で構成した点に特徴を有する。
【0012】
第6の発明は、第1〜5の発明を前提とし、上記柄を、ポリ乳酸などの生分解性樹脂で形成した点に特徴を有する。
第7の発明は、第1〜5の発明を前提とし、上記柄は、50%超の紙を混合した樹脂からなる点に特徴を有する。
【0013】
第8の発明は、第1〜5発明を前提とし、上記柄は、セルロースを主成分とする樹脂からなる点に特徴を有する。
なお、上記セルロースを主成分とする樹脂とは、セルロースの含有量が全体の50%超である樹脂のことである。
【発明の効果】
【0014】
第1〜第8の発明によれば、柄を二股状にした一対の挟持片によって毛束構成部を挟持して連結するようにしているので、柄から毛束構成部を分離する際には、一対の挟持片が互いに離れる方向に力を作用させればよい。そのため、使用済みの刷毛から毛束構成部を分離する際に大きな力を必要とせず、しかも塗料が付いている毛束構成部に手を触れなくてもよいので、手を汚さずに毛束構成部を分離することができる。
【0015】
そのため、例えば、柄の材質を、燃焼時や自然界に放置している間に有害物質の発生がない材質や、ポリ乳酸などの生分解性樹脂などで形成すれば、毛束構成部だけを産業廃棄物として分別処理することが可能になる。このように分別すれば、刷毛全体を産業廃棄物として廃棄する場合と比べて廃棄物処理の負荷を小さくできる。
また、挟持片が毛束構成部を保持している状態で挟持片が開くことを規制する挟持力保持手段を備えているので、塗装時に毛束構成部に力が作用しても、挟持片が容易に開くことがない。そのため、塗装作業中には毛束構成部を確実に保持することができ、塗装作業中に、毛束構成部がぐらついたり、外れたりすることがない。従って、この発明の刷毛は、毛束構成部を容易に分離できる構造であっても、塗装作業の作業性が悪くなることはない。
【0016】
また、第2〜第4の発明によれば、接着剤や、束ね部材などを用いないで毛束をまとめることができる。
さらに、毛束よりも外側に突出した溶着部を利用して、毛束を、保持部材に連結したり、直接、柄に連結したりすることもできる。
例えば、溶着部を有する毛束のみで毛束構成部を構成した場合、溶着部の凸部に対応する凹部を挟持部に設ければ、溶着部の凸部を直接、挟持部の凹部に嵌めて、柄に毛束構成部を取り付けることができる。このようにすれば、部品点数を少なくできるとともに、柄から分離して、産業廃棄物として廃棄すべき毛束構成部の構成部材を最小限にすることができる。
【0017】
第3、第4の発明では、毛束構成部を毛束と毛束を囲む保持部材とで構成し、保持部材から毛束を外すことができるようにしたので、柄から毛束構成部を簡単に分離できるとともに、分離した毛束構成部から、さらに毛束を分離して、分別廃棄することもできる。例えば、保持部材が、可燃物で形成され、塗料の付着もない場合には、毛束のみを産業廃棄物として廃棄することができる。
【0018】
第5の発明によれば、帯状部材や線状部材を切断することにより、挟持力保持機構挟持力保持手段を容易に解除することができる。
さらに、第6〜第8の発明によれば、使用済み刷毛の柄を、焼却したり、放置したりしても、有害物質が発生しないので、柄を産業廃棄物として処理する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図4にこの発明の第1実施形態を示す。
図1に示すこの第1実施形態の刷毛は、柄1Aに毛束構成部2を取り付けるとともに、この柄1Aは、図2に示すように、その先端を二股状にした一対の板状の挟持片3,3を備え、全体的には、樹脂材料を用いて一体成形している。そして、型成形時には、上記一対の挟持片3,3をほぼ平行に形成し、その間隔を、後で説明する毛束構成部2の束ね部材5(図3参照)の幅Wよりも小さくしている。ただし、両挟持片3,3には、それらを破損させることなく押し広げることができる弾性を保持させている。
【0020】
また、各挟持片3,3の先端側を他の部分より面積が大きな平板状の挟持部3a,3aとし、これら挟持部3a,3aで毛束構成部2を挟持するようにしている。さらに、この挟持部3a,3aには、この発明の凹部となる一対の止め孔3b,3bを貫通させているが、これら止め孔3b,3bは、挟持部3a,3aのほぼ対角線上において互いの間隔を保って形成している。
なお、図1、2では、一方の挟持片3の止め孔3b,3bしか表していないが、他方の挟持片3にも、全く同様に止め孔3b,3bを備えている。
【0021】
上記のようにした柄1Aは、ポリ乳酸などの生分解性樹脂、セルロースや紙など熱分解時に有害物質を発生させない物質を主成分とする樹脂などからなる。従って、この柄1Aを焼却したり、自然に放置したりしても、有害物質を発生させず、自然環境を損なうことはない。
【0022】
一方、図3に示す毛束構成部2は、毛束4の基端側を、筒状の束ね部材5で束ねて構成している。この毛束構成部2は、必要な大きさの毛束4を束ね部材5に挿入してから、その毛束4と束ね部材5とを接着剤で接着している。なお、束ね部材5及び毛束4の毛を樹脂製にし、熱溶着によって毛束4を束ね部材5に接着してもよい。
また、上記束ね部材5の側面には、上記挟持部3aに設けた止め孔3b,3bに対応する位置に、この止め孔3b,3bにぴったりと嵌まる円柱状の凸部5a,5aを形成している。このようにした束ね部材5は、樹脂の型成形によって容易に形成することができる。上記円柱状の凸部5aが、この発明の毛束構成部に設けた凸部である。
【0023】
そして、上記毛束構成部2を柄1Aに取り付けるためには、図2に示す柄1Aの挟持部3a,3aを広げて、その間に毛束構成部2の束ね部材5を挟み込み、上記凸部5a,5aを挟持部3a,3aの止め孔3bに嵌め込めば、図4に示すように、両挟持部3a,3aで束ね部材5を挟持して柄1Aに毛束構成部2を取り付けることができる。
このように束ね部材5の凸部5a,5aが、挟持部3a,3aの止め孔3b,3bに嵌め込まれることによって、毛束構成部2が柄1Aにしっかりと止められているので、毛束構成部2が柄1Aから脱落することはない。
また、この凸部5a,5aと止め孔3b,3bとを嵌め合せることによって、刷毛の製造過程で、柄1Aと毛束構成部2とを仮止めすることもできるので、刷毛製造時の作業性も向上する。
【0024】
さらに、図4に示すように挟持部3a,3a間に上記束ね部材5を挟持した状態では、柄1Aの両挟持片3,3の対抗間隔は、初期状態より広げられる。そのため、両挟持片3,3には、それらに閉じ方向の弾性力が作用し、その弾性力が挟持力となって束ね部材5に作用する。
また、柄1Aにはリング6を嵌めて、挟持片3,3が開くことを規制するようにしているが、このリング6は柄1Aに合う内周形状を備えている。このリング6を挟持片3,3に嵌めることにより、塗装作業中に、挟持片3,3に開き方向の力が作用しても、挟持部3a,3aが開くことを防止し、毛束構成部2が柄1Aからずれたり、外れたりしないようにしている。すなわち、この第1実施形態では、上記リング6がこの発明の挟持力保持手段であり、挟持力保持手段を構成する線状部材である。
【0025】
以上のように構成した第1実施形態の刷毛は、毛束構成部2の凸部5a,5aが、挟持部3a,3aの止め孔3b,3bにぴったりと嵌め込まれ、しかも、リング6で挟持片3,3が開くのを阻止されているので、当該刷毛の使用時に、柄1Aに対して毛束構成部2ががたついたり、外れたりするおそれは全くない。
【0026】
また、柄1Aから毛束構成部2を外すときには、先ず、上記リング6を柄1Aからはずし、各挟持片3,3のそれぞれを図4の矢印x、x方向へ広げれば、挟持部3a,3aが開いて上記凸部5aが止め孔3bから抜ける。従って、毛束構成部2を柄1Aから簡単に外すことができる。しかも、上記のように、挟持片3,3を開く際には、両挟持片3,3だけを持てばよいので、塗料が付いた毛束構成部2に手を触れる必要がない。従って、手を汚さず、簡単に毛束構成部2を取り外すことができる。
【0027】
上記のようにした第1実施形態では、柄1Aをポリ乳酸などの生分解性樹脂や、焼却したり、自然に放置したりしても有害物質を発生させない材質で形成しているので、分離した毛束構成部2だけを産業廃棄物として処理し、柄1Aは通常の焼却処分をすることができる。このように、毛束構成部2を分別処理できれば、刷毛全体を産業廃棄物として処理する場合と比べて廃棄物処理の負荷を小さくできる。
【0028】
なお、この第1実施形態では、挟持力保持手段として樹脂製のリング6を用いているが、挟持力保持手段はこれに限らない。例えば、両挟持片3,3の外周に設けるこの発明の線状部材または帯状部材として、ゴムなどの弾性リングや、図5に示すU字状の、弾性を有するUピン7などを用いて両挟持片3,3を押さえつけるようにしても良い。そして、これらの挟持力保持手段としての弾性リングやUピンは、刷毛の使用後に、柄1Aから抜き取ってはずすことができる。
【0029】
また、挟持力保持手段として、糸や針金などを、挟持部3a,3aの外側に巻きつけて、挟持片3,3が開かないようにすることもできる。いずれにしてもこの第1実施形態の刷毛は、挟持片3,3の弾性力に基づく挟持力が毛束構成部2に作用するとともに、凸部5aと止め孔3bによって毛束構成部2が止められているので、塗装時に柄1Aと毛束構成部2とががたついたり、外れたりしない。しかも挟持部3a,3aの外側に巻きつけた糸や針金は、はさみやニッパーを用いて切断すれば、簡単にはずすことができる。
【0030】
さらに、挟持力保持手段は、挟持片3,3の外周に設ける帯状部材や線状部材に限らない。
例えば、上記束ね部材5に設けた凸部5a,5aを、挟持力保持手段として利用することもできる。具体的には、上記凸部5a,5aを長くして、その先端を上記止め孔3b,3bから突出させるとともに、その突出部分を止め孔3b,3bの内径よりわずかに大きくしておく。そして、挟持部3a,3aに毛束構成部2を取り付ける際には、凸部5aを止め孔3bに強引に押し込んでスナップのようにしてとめる。このようにすれば、上記凸部5aの先端部によって挟持部3a,3aの開きを抑えることができる。そして、使用後に毛束構成部2を取り外す際には、挟持片3,3を少し強く引っ張る必要があるが、挟持片3,3が開けば、凸部5a,5aが止め孔3b,3bから抜けるので、手を汚さずに毛束構成部2を分離することができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、上記挟持部3a,3aにこの発明の凹部としての止め穴3bを形成し、束ね部材5に凸部5aを設けているが、凹部と凸部との位置関係は反対でもよい。すなわち、挟持部3a,3aに凸部を設け、毛束構成部の束ね部材5に凹部を設けてもよい。
また、凸部および凹部の形状も、上記実施形態に限らず、例えば、線状凹部とそれに嵌まる線状凸部などでもよい。
【0032】
図6〜図10に示す第2実施形態は、図6に示す毛束構成部8を、図9で示す柄1Bで挟持して構成する刷毛である。
毛束構成部8は、筒状の保持部材10と、毛束9とからなるが、毛束9は、樹脂製の毛の基端を熱で溶融させながら押しつぶして、毛束9の他の部分よりも面積を大きくした溶着部9aを形成している。この溶着部9aによって、毛束9は、基端の断面積が他の部分と比べて大きくなり、外周方向に突出したフランジ部9bが形成される。
【0033】
また、上記保持部材10は、上記第1実施形態の束ね部材5と同様の部材で、その内周の形状を、上記毛束9の外形状に合わせ、外周には複数の円柱状の凸部10aを設けた樹脂製の筒状部材である。
そして、保持部材10の開口を上記フランジ部9bの外周よりも小さくし、保持部材10の端部外周をフランジ部9bの外周と一致させている。そのため、保持部材10に毛束9を挿入したとき、図8に示すように、溶着部9aのフランジ部9bが、保持部材10の端部に引っ掛かるようになる。
【0034】
さらに、この第2実施形態では、毛束構成部8は、上記毛束9を保持部材10に挿入するだけで構成し、第1実施形態のように接着材などで、毛束9を保持部材10に固定しない。毛束9は、フランジ部9bが保持部材10の端部に引っ掛かっているので、図8の下方へ抜けることがないが、図中の上方へ移動させれば、保持部材10から毛束9を抜き取ることができる。
つまり、第2実施形態の毛束構成部8では、毛束9を保持部材10から分離することができる。
【0035】
一方、図9に示す柄1Bは、第1実施形態と同様に、一対の挟持片3,3からなり、先端側の挟持部3a,3aで、上記毛束構成部8を挟持するようにしている。また、挟持部3a,3aに、上記毛束構成部8に設けた凸部10a,10aに位置する止め孔3b,3bを備えている点は、上記第1実施形態と同じである。
ただし、第2実施形態の柄1Bは、挟持部3aの内面に、内側に向かって突出した板状の押さえ部3cを一体的に形成している。図9では、一方の挟持部3aのみを示しているが、図示しない方の挟持部3aにも、押さえ部3cを同様に形成している。
そして、この押さえ部3cは、上記挟持部3a,3aによって毛束構成部8を挟持したとき、保持部材10の端部から突出している毛束9の溶着部9aに接触する位置に形成している。
【0036】
そこで、挟持片3,3の間に、毛束構成部8を挟み込み、保持部材10に形成した複数の凸部10aを、それぞれ対応する止め穴3bに嵌めたとき、図10に示すように、上記押さえ部3cが、保持部材10の端部に突出している毛束9の溶着部9aを押さえるようにしている。このように構成したので、上記押さえ部3cと保持部材10との間に溶着部9aが挟み込まれ、毛束9が軸方向へ移動しない。
さらに、この第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、柄1Bに図1に示すリング6を嵌めて、挟持片3,3が開くことを防止する。ただし、第2実施形態においても、リング以外の線状部材を用いたり、上記凸部10aの先端を太くして、止め穴に圧入したりして、挟持力保持手段を構成してもかまわない。
【0037】
この第2実施形態の刷毛も、挟持力保持手段によって挟持片3,3が開くのを阻止しているので、刷毛の使用時に、柄1Bに対して毛束構成部8ががたついたり、外れたりするおそれは全くない。さらに、挟持部3a,3aに設けた押さえ部3c,3cによって、保持部材10に対する毛束9の軸方向の移動も規制されているので、塗装作業中に、毛束9ががたつくこともない。
【0038】
また、柄1Bから毛束構成部8を外すときには、上記第1実施形態と同様に、上記リング6を柄1Bからはずし、各挟持片3,3のそれぞれを図10の矢印x、x方向へ広げれば、挟持部3a,3aが開いて上記凸部10aが止め孔3bから抜ける。従って、毛束構成部8を柄1Bから簡単に外すことができる。しかも、上記のように、挟持片3,3を開く際には、両挟持片3,3だけを持てばよいので、塗料が付いた毛束構成部8に手を触れる必要がない。従って、手を汚さず、簡単に毛束構成部8を取り外すことができる。
さらに、この第2実施形態では、毛束構成部8の保持部材10から毛束9を分離することもできる。従って、保持部材10には、塗料が付いていないような場合、塗料が付いている毛束9のみを産業廃棄物として、廃棄することもできる。
【0039】
なお、上記第2実施形態では、毛束9の溶着部9aに形成されたフランジ部9bの外周と、保持部材10の外周とを一致させているが、フランジ部9bの外周を大きくして、フランジ部9bが、保持部材10より外側へはみ出すようにしてもよい。このようにフランジ部9bを大きくした第3実施形態を図11に示す。
図11のように、毛束9のフランジ部9bの幅をL1、保持部材10の幅をL2とし、L1>L2とすると、フランジ部9bの両脇に挟持部3a,3aの挟持力が直接作用することになる。挟持部3a,3aによるフランジ部9bへの挟持力は、毛束9に、保持部材10から抜ける方向の力が作用した場合、押さえ部3cによる押圧力とともに、毛束の抜けを防止するための力として作用する。つまり、刷毛として使用時に、保持部材10に対する毛束9のがたつきをより確実に防止することができる。
【0040】
図12、図13に示す第4実施形態は、上記第2実施形態の保持部材10の外周を囲む一対のカバー11,11を用いるものであるが、それ以外の構成は、上記第2実施形態と同じである。
一対のカバー11,11は、それぞれ、図12に示すように、上記筒状の保持部材10を軸線に沿って二分割したような形状の側壁11aに、上板11bと、この上板11bに対向し、内側に突出した顎部11cとを備えている。
また、側壁11aには、上記保持部材10に形成した柱状の凸部10aを貫通させるための貫通孔11dを形成している。
【0041】
この第4実施形態では、上記第2実施形態と同様の保持部材10に、毛束9を嵌めてから、保持部材10を上記カバー11,11で囲む。そして、カバー11,11の貫通孔11dからは保持部材10の凸部10aを突出させ、さらに、カバー11から突出させた凸部10aを、挟持部3aの止め孔3bに嵌め込んで、図13に示すように、カバー11を挟持部3a,3aで挟持する。
【0042】
この第4実施形態においては、上記毛束9、保持部材10およびカバー11,11によってこの発明の毛束構成部を形成しているが、毛束構成部を挟持部3a,3aによって挟持して刷毛を構成している点は他の実施形態と同じである。さらに、図1に示すリング6などを用いて、挟持片3,3の開きを防止することができる。
なお、この第4実施形態の刷毛では、図13に示すように、保持部材10を囲んだカバー11の上板11bが、毛束9の溶着部9aを押さえつけ、毛束9の軸方向の移動を規制するようにしている。上記上板11bが、保持部材に設けたこの発明の押さえ部にあたる。
【0043】
従って、この実施形態の塗装用刷毛も、使用時には毛束構成部のがたつきがなく、使用後には、毛束構成部を挟持部3a,3aから簡単に分離することができる。また、カバー11,11を保持部材10からはずし、さらに、保持部材10から毛束9を分離することもできる。
【0044】
図14、図15に示す第5実施形態は、上記第2〜第4実施形態の保持部材10に替えて、本体13とキャップ14とからなる保持部材12を用いるとともに、図2に示す柄1Aを用いたものである。
上記保持部材の本体13は、筒状の部材であり、図7に示す第2実施形態と同様の毛束9を挿入するため、毛束9の外周に一致した内周を備えるとともに、外側面には、上記挟持部3a,3aに形成した止め孔3bに嵌め合わせる凸部13aを設けている。また、外側面の上端付近には、線状凹部13bを形成している。
一方、キャップ14は、上記本体13の断面に一致する上板14aと、この上板14aの外周に沿った側壁14bと、側壁14bから内側に突出した顎部14cとを備えた部材である。さらに、側壁14bには、側壁14bの一部を切り欠いた開口14dを形成している。
【0045】
上記保持部材12を用いたこの第5実施形態の刷毛は、以下のようにして形成する。
まず、保持部材12における本体の、図14の上側の開口から毛束9を挿入し、本体13の上端に毛束9のフランジ部9bを引っ掛ける。次に、溶着部9a上にキャップ14を被せる。図14では、毛束9を示していないが、本体13に毛束9をセットした状態で、キャップ14を、開口14dから矢印方向へ移動し、顎部14cを本体13の線状凹部13bにはめ込んで、上板14aで溶着部9aの表面を覆うようにする。これにより、図15に示すように、キャップ14の上板14aと顎部14cとの間に、保持部材の本体13の上端と毛束9の溶着部9aとが挟み込まれて一体化し、この発明の毛束構成部が形成される。
【0046】
このように、毛束構成部が形成されたら、図2に示す第1実施形態の柄1Aの挟持部3a,3a間に、上記毛束構成部を挟みこんで、毛束構成部と柄1Aとを連結する。また、リング6を嵌めて、挟持力を保持する。
このようにして完成した刷毛は、使用時には毛束9のがたつきがなく、使用後には、柄1Aから簡単に保持部材12を外すことができるし、保持部材12から毛束9を外すこともできる。
【0047】
図16、図17に示す第6実施形態は、図7に示す毛束9を保持する保持部材15を、本体16とキャップ17とで構成した点が、上記第5実施形態と異なるが、その他は、第5実施形態と同じである。
保持部材15の本体16の外見は、図6に示す第2実施形態の保持部材10と似ていて、外側面に、挟持部3a,3aに形成した止め孔3b(図2参照)に嵌まる凸部16aを備えているが、幅が広い方の端部の上端近くに、端面と平行な線状の開口16dを形成している。
【0048】
また、本体16の内側には、図16、図17に示すように、環状の段部16bと環状の凹部16cとを備えている。上記凹部16cは、上記線状の開口16dに連続し、段部16bの上方に位置するように形成している。
一方、キャップ17は、本体16の開口を覆う形状の板部材で、幅が広い方の端部から少し内側には、外周に沿った線状の止め凸部17aを形成している。この止め凸部17aの、その高さを、開口16dの高さhより僅かに高くしている。
【0049】
この第6実施形態では、上記保持部材15の本体16に、上記毛束9をセットしてから、本体16の開口16dから、キャップ17を図示の矢印のように挿入すると、図17に示すように、キャップ17が、本体の段部16bとの間に溶着部9aを挟みこんで、毛束9の軸方向の移動を規制する。また、このように、キャップ17を挿入した状態で、キャップ17に形成した止め凸部17aが、上記開口16dより、本体16の内周側に入り込み、キャップ17が開口16dから抜け出ることがないようにしている。
つまり、上記毛束9と保持部材15とで、この発明の毛束構成部を構成するとともに、キャップ17が、この発明の押さえ部を構成している。
【0050】
そして、上記保持部材15における本体16を、上記柄1Aの挟持部3a,3aで挟持し、挟持部3aの止め孔3bに、上記凸部16aを嵌めて、柄1Aと毛束構成部とを連結する。また、この実施形態でも、リング6を嵌めて、挟持力を保持する。
この第6実施形態の刷毛も、使用時には毛束9のがたつきがなく、使用後には、柄1Aから簡単に保持部材15を外すことができるし、保持部材15から毛束9を外すこともできる。
【0051】
図18、図19に示す第7実施形態は、筒部材を二分割したような第1部材19と第2部材20とからなる保持部材18を用いた点が上記第5実施形態と異なるが、その他の構成は、上記第5実施形態と同じである。つまり、この第7実施形態の刷毛も、上記保持部材18と、図7に示す毛束9と、図2に示す柄1Aと、リング6などの挟持力保持手段とによって構成される。
上記第1部材19は、曲面を有する側壁19aと、この側壁19aに一体的に設けた上板19bとを備えるとともに、側壁19aの内側であって、上記上板19bの下側に沿った線状凹部19cを形成している。この線状凹部19cの幅は、上記毛束9の溶着部9aで形成されたフランジ部9bの厚みに相当する。
【0052】
また、上記第2部材20は、曲面を有し、上記第1部材19の側壁19aに連続する側壁20aを備えている。そして、側壁20aの外面には図2に示す柄1Aの挟持部3a,3aに形成した止め孔3bに嵌まる凸部20bを備えるとともに、内側には、上記第1部材19の線状凹部19cに連続するとともに、この線状凹部19cよりも上記上板19bの厚み分だけ幅を広くした線状凹部20cを形成している。
【0053】
この第7実施形態では、毛束9の溶着部9aからなるフランジ部9bを、第1部材19の線状凹部19cに嵌めてから、溶着部9aと第1部材19の上板19bとを重ね合わせた状態で、図18の矢印のように、第1部材19の上板19bおよび溶着部9aとを第2部材20の線状凹部20cに挿入すると、第1部材19と第2部材20とが一体化して、保持部材18が形成される。このとき、上記線状凹部20cには、上板19bと毛束9のフランジ部9bとがぴったりはまるようにしている。
その結果、図19に示すように、毛束9の溶着部9aが上板19bで押さえられ、保持部材18に固定され、毛束9の軸方向の移動が規制される。つまり、この実施形態では、上板19bが、この発明の押さえ部にあたり、上記保持部材18と毛束9とで毛束構成部を構成している。
【0054】
そして、上記保持部材18を、上記柄1A(図2参照)の挟持部3a,3aで挟持し、挟持部3aの止め孔3bに、上記保持部材18における第2部材20の凸部20bを嵌めて、柄1Aと毛束構成部とを連結する。また、この実施形態でも、リング6を嵌めて、挟持力を保持するようにする。
この第7実施形態の刷毛も、他の実施形態と同様に、使用時には毛束9のがたつきがなく、使用後には、柄1Aから簡単に保持部材18を外すことができる。また、保持部材18への塗料の付着がなければ、保持部材18から毛束9を外すこともできる。
なお、上記第5、第6実施形態において、保持部材12,15を組み立てる際の、本体とキャップとの摺動部分や、第7実施形態の上板19bと線状凹部20cとの摺動部分は、直線状にする必要がある。
【0055】
図20、図21に示す第8実施形態は、上面を閉じた筒部材を、筒の軸線を含む平面で二分割したような一対の第1部材22と第2部材23とからなる保持部材21を用いるものである。そして、これらの部材22,23からなる保持部材21で、図7に示す毛束9を保持して毛束構成部を構成し、その毛束構成部を柄の一対の挟持片3,3(図21参照)で保持するものである。なお、この第8実施形態では、図2に示す第1実施形態と同様の柄1Aの挟持片3に、後で説明する棒部材24を挿入するための貫通孔3dを形成したものを用いる。
【0056】
上記第1、第2部材22,23は、それぞれ側壁22a,23aと、上板22b、23bとで囲まれた部材で、側壁22a、23aの外周には、挟持部3aに形成した止め孔3bに嵌めこむための円柱状の凸部22c、23cを設けている。
また、上板22b、23b上には、肉厚部22d、23dを形成し、それぞれに貫通孔22e、23eを貫通させている。
【0057】
さらに、第1部材22の側壁22aの両端外側には、止め孔22fを形成し、第2部材23の側壁23a端部であって、上記止め孔22fに対応する位置に止め凸部23fを形成している。上記止め孔22fに止め凸部23fを嵌め合わせることによって、両部材22,23が一体となり、保持部材21を構成するようにしている。
さらにまた、第1部材22には、側壁22aの内周に、上板22bに沿った線状凹部22gを形成し、同様に第2部材23にも、図20では図示していないが、側壁23aの内周に、上板23bに沿った線状凹部23gを形成している。これら線状凹部22gと23gとは、保持部材21を構成したとき、その内部で連続して環状凹部を構成する。
【0058】
上記のような保持部材21で毛束9(図7参照)を保持する際には、毛束9のフランジ部9bが、第1部材22の線状凹部22gと、第2部材23の線状凹部23gとに嵌め込まれた状態で、毛束9が、第1、第2部材22,23で囲まれるように、両部材22,23を合わせ、止め孔22fに止め凸部23fを嵌めこむ。これにより、保持部材21が形成されるとともに、保持部材21と毛束9とによって毛束構成部が形成される。
このようにして毛束構成部が形成されたら、上記保持部材21を挟持片3,3間に挿入し、挟持部3a,3aで挟持する。このとき、挟持部3a,3aの止め孔3bに、対応する凸部22c、23cを嵌め込んで、柄と毛束構成部とを連結する。
【0059】
さらに、一方の挟持片3に形成した貫通孔3dから、第2部材23の貫通穴23e、第1部材の貫通孔22e、他方の挟持片3の貫通孔3dの順に、棒部材24を圧入して、両挟持片3,3が開くのを防止する。つまり、上記の貫通孔3d,3d,22e,23eおよび棒部材24とで、この発明の挟持力保持手段を構成している。ただし、挟持力保持手段は、これに限らず、例えば、他の実施形態のようにリング6(図1参照)などでもかまわない。
また、保持部材21の上板22bおよび23bとによってこの発明の押さえ部を構成し、毛束9の溶着部9aを押さえて、毛束9の軸方向の移動を規制している。
【0060】
この第8実施形態の刷毛も、他の実施形態の刷毛と同様に、使用時には、毛束9ががたつくことがなく、使用後には、上記棒部材24を引き抜いて、両挟持片3,3を開くことによって、柄から毛束構成部を簡単に分離することができる。従って、柄と毛束構成部とを分別廃棄することができる。
さらに、保持部材21に塗料がこびりついていなければ、第1、第2部材22,23を分離して、毛束9のみを簡単に分離することもできる。
【0061】
図22、図23に示す第9実施形態は、図7に示す毛束9を、保持部材を用いないで、柄に取り付ける点が、他の実施形態と異なる。
この第9実施形態の刷毛の柄は、図示していないが、他の実施形態の柄と同様に、一対の挟持片からなり二股状にした柄である。図22には、柄を構成する一方の挟持片25における先端側の断面図を示している。他方の挟持片25は、図示しないが、図22に示したものと線対称の形状である。
そして、挟持片25の先端の挟持部25aには、毛束9の溶着部9aのフランジ部9bをはめ込むための線状凹部25bを形成するとともに、この線状凹部25bの上縁に沿って、挟持部25a,25a間に突出する板状の押さえ部25cを挟持部25aに一体的に形成している。さらに、この押さえ部25cには、肉厚部25dを設け、そこに貫通孔25eを形成している。
【0062】
上記のような挟持片25の線状凹部25bに、毛束9のフランジ部9bをはめ込むとともに、一対の挟持部25a,25aで溶着部9aを挟み込んで保持し、図23に示すように、毛束9と柄とを連結する。さらに、両挟持片25に形成した上記貫通孔25eに、樹脂製の棒部材24を圧入して、挟持片25,25の開きを防止する。この実施形態では、棒部材24と貫通孔25eとによって、この発明の挟持力保持手段を構成しているが、挟持力保持手段は、これに限らず、例えば、他の実施形態のようにリング6(図1参照)などでもかまわない。
【0063】
この第9実施形態の刷毛は、毛束9が、挟持部25a,25aで挟持されるとともに、挟持力が保持され、押さえ部25cによって、毛束9の軸方向の移動も規制されるので、使用時に毛束9ががたつくことはない。また、使用後には、上記棒部材24を貫通孔25eから引き抜けば、挟持片25,25を開いて、簡単に毛束9を柄から分離することができる。なお、この第9実施形態では、毛束9のみで毛束構成部を構成し、フランジ部9bが、この発明の毛束構成部が備える凸部にあたる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施形態の刷毛の正面図である。
【図2】第1実施形態の柄の斜視図である。
【図3】第1実施形態の毛束構成部の斜視図である。
【図4】第1実施形態の刷毛の側面における部分拡大図である。
【図5】挟持力保持手段の例である。
【図6】第2実施形態の毛束構成部の斜視図である。
【図7】第2実施形態の毛束の斜視図である。
【図8】第2実施形態の毛束構成部の断面図である。
【図9】第2実施形態の柄の斜視図である。
【図10】第2実施形態の刷毛の側面における部分拡大図である。
【図11】第3実施形態の刷毛の側面における部分拡大図である。
【図12】第4実施形態のカバーの斜視図である。
【図13】第4実施形態の刷毛の部分断面図である。
【図14】第5実施形態の保持部材の斜視図である。
【図15】第5実施形態の毛束構成部の断面図である。
【図16】第6実施形態の保持部材の斜視図である。
【図17】第6実施形態の毛束構成部の断面図である。
【図18】第7実施形態の保持部材の斜視図である。
【図19】第7実施形態の毛束構成部の断面図である。
【図20】第8実施形態の保持部材の斜視図である。
【図21】第8実施形態の刷毛の部分断面図である。
【図22】第9実施形態の挟持片の部分断面図である。
【図23】第9実施形態の刷毛の側面における部分拡大図である。
【符号の説明】
【0065】
1A、1B 柄
2 毛束構成部
3 挟持片
3a 挟持部
3b 止め孔
4 毛束
5 束ね部材
5a 凸部
6 リング
7 Uピン
3c 押さえ部
8 毛束構成部
9 毛束
9a 溶着部
9b フランジ部
10 保持部材
10a 凸部
11b 上板
12 保持部材
13a 凸部
14 キャップ
14a 上板
15 保持部材
16a 凸部
17 キャップ
18 保持部材
19b 上板
20b 凸部
21 保持部材
22b,23b 上板
22c、23c 凸部
22e,23e 貫通孔
3d 貫通孔
24 棒部材
25 挟持片
25a 挟持部
25b 線状凹部
25c 押さえ部
25e 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に挟持部を有する一対の挟持片を、その基端側で一体化して二股状にした樹脂製の柄と、上記一対の挟持片間に挟持される毛束構成部とからなる塗装用刷毛であって、上記一対の挟持部が毛束構成部を挟持している状態で、上記一対の挟持部が開くことを規制する挟持力保持手段と、上記挟持部あるいは毛束構成部のいずれか一方に設けた凸部と、上記挟持部あるいは毛束構成部のいずれか他方に設け、上記凸部に嵌まる凹部とを備え、上記凹部に上記凸部を嵌合したとき、上記柄と毛束構成部とが連結状態となり、上記凹部から凸部を外したとき、上記柄と毛束構成部とが分離する構成にした塗装用刷毛。
【請求項2】
上記毛束構成部は、熱可塑性樹脂で形成した毛の基端側に溶着部を有する毛束を備えるとともに、上記毛束における溶着部の断面積を溶着部以外の毛束断面積よりも大きくして毛束の基端に、毛束の長さ方向に直交する方向に突出した凸部を形成した請求項1に記載の塗装用刷毛。
【請求項3】
上記毛束構成部を、溶着部を有する毛束と、この毛束の側面を囲み、毛束から着脱可能にした保持部材とで構成し、上記保持部材には、上記挟持片に設けた凸部または凹部に嵌まる凹部または凸部を備えた請求項2に記載の塗装用刷毛。
【請求項4】
上記保持部材は、両端を開口し、一端から溶着部を露出させて毛束を囲む筒部材からなるとともに、上記挟持片または保持部材には、保持部材の上記開口の一部または全部を覆い、溶着部を押さえるための押さえ部を設け、上記柄と毛束構成部とが連結状態のとき、上記押さえ部によって上記溶着部を押さえ、毛束の軸方向の移動を規制する構成にした請求項3に記載の塗装用刷毛。
【請求項5】
上記挟持力保持手段は、上記一対の挟持片の全周または外周の一部を囲んで、両挟持片を閉じ方向へ押圧する帯状部材あるいは線状部材で構成した請求項1〜4のいずれか1に記載の塗装用刷毛。
【請求項6】
上記柄を、ポリ乳酸などの生分解性樹脂で形成した請求項1〜5のいずれか1に記載の塗装用刷毛。
【請求項7】
上記柄は、50%超の紙を混合した樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1に記載の塗装用刷毛。
【請求項8】
上記柄は、セルロースを主成分とする樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1に記載の塗装用刷毛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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