説明

塗装用器具

【課題】塗料圧送用チューブが把持する手の甲の上側を通るため、垂直な壁を塗布しても、壁面と塗料圧送用チューブとの間隔が絶えず開き、加えて、遠位に位置する脚部はブラシ基板の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させていることから、柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の塗布部の遠位端近傍では、塗布作業の微妙なクッション性を補え、容易に美装な塗布ができる。
【解決手段】柔軟性と弾性とを有した塗布部1と、積層させたブラシ基板2と、立設した脚部3A.3Bと把持部3とを備え、把持部3に塗料自動ポンプ圧送装置の駆動源のオンオフスイッチ4を付設すると共に、脚部3Aとブラシ基板2と塗布部1とを貫通する塗料供給孔5を設け、塗料供給孔5と塗料自動ポンプ圧送装置とを連通させた塗料圧送用チューブ6の一端を接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗装用器具に関するものであり、更に、詳細には、遠位に位置する一方の脚部とブラシ基板と塗布部とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔を設け、塗料供給孔の上方と塗料自動ポンプ圧送装置とに連通させた塗料圧送用チューブを接続したことにより、塗装作業中に壁等の塗装面に塗料圧送用チューブが接触することなく作業ができる塗装用器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の塗装用器具の把持部は短片側が立設され、長片側を把持する略L字状のものが多く、長片側の端部に塗料圧送用チューブを接続させており、垂直な壁を塗装する際に塗料圧送用チューブが塗装面と接触することが屡々発生しており、又、自動ポンプ圧送装置の駆動源をオンオフするスイッチはブラシ基板と別に備えられており、こまめにオンオフするのに時間が掛かり、更には、遠位端の近傍にスペースが無く柔軟性と弾性を利用できず、角部や複雑な形状の部位での塗装が上手く出来ないことが屡々であった。
【0003】
例えば、先に開示されている、こて刷毛、毛刷毛の一部分を塗装不可部分専用部分とし、斜めに取り付けたガード板と塗装不可部分専用部を使って塗装することにより不可部分に塗料が付着せず養生が不要となる。又こて刷毛の上部に塗料タンクを取付け塗装作業においての刷毛の動き、及び塗装液面の波状現象を考慮した最適の位置に塗料排出穴を設け、フォーム(スポンジ)へ塗料を最適に浸透させる。浸透したフォームに切り込みを入れその部分をシールする事により塗料が下部に集中せず必要な部分に必要なだけ浸透し簡単に早い塗装作業が可能となるもの(特許文献1参照)や、背面に背負う形の塗料用加圧タンク1を用い、手元のローラーハンドル5の開閉レバー6を操作してローラー9内に溶液を流し、連続して大面積の塗装を行うもの(特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開2004−298858号公報
【特許文献2】特開2009−279533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然し乍ら、前述の開示されている特許文献1に記載のものは、ブラシ部(フォーム)がスポンジであり、フォームの外周シール部分が設けられ、また、ガード板が斜めに取り付けられているもので、塗装部位と非塗装部位との境界線にガード板の先端辺を当接して塗装しても、境界線近傍にムラができ安定した美塗装はできないものであり、特許文献2では、塗料用加圧タンク1を背面に背負い、ローラーハンドル5に開閉レバー6を有するものであり、開閉レバーが手元に有るものであるが、塗布部はローラーであり、大面積の塗装には向いていても角部や複雑な形状の塗布は不向きなものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、これらの課題を解決するもので、柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の板状の塗布部と、塗布部を下面の全面に積層させた矩形平板状のブラシ基板と、ブラシ基板の上面の近位端と遠位端とを結ぶ中心線上に夫々間隔を有して立設した2つの脚部と、2つの脚部の上方に掛け渡した把持部とを備え、把持部に塗料自動ポンプ圧送装置の駆動源と電気的に接続されたオンオフスイッチを付設すると共に、2つの脚部の内遠位に位置する脚部とブラシ基板と塗布部とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔を設け、塗料供給孔の上方と他端を塗料自動ポンプ圧送装置に連通させた塗料圧送用チューブの一端とを接続したものであり、更に、遠位に位置する一方の脚部はブラシ基板の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の塗装用器具は、把持部に塗料自動ポンプ圧送装置の駆動源と電気的に接続されたオンオフスイッチを付設したことによって、塗装作業中に塗料自動ポンプ圧送装置を自在にコントロールでき、更に、遠位に位置する脚部とブラシ基板と塗布部とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔を貫設し、塗料供給孔の上方と他端を塗料の自動ポンプ圧送装置と連通させ塗料圧送用チューブの一端とを接続したことにより、塗料圧送用チューブが把持部を把持する手の甲の上側を通るため、垂直な壁を塗布しても、壁面と塗料圧送用チューブとの間隔が絶えず開いており、接触することも無く成り、加えて、遠位に位置する脚部はブラシ基板の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させていることから、柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の塗布部の遠位端近傍では、塗布作業の微妙なクッション性を補えるもので容易に美装な塗布ができ、画期的で実用性の高い有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の塗装用器具の実施の形態を図面によって具体的に説明すると、図1は本発明の塗装用器具の実施例の側面説明図である。
【0008】
本発明は塗装用器具に関するものであり、更に、詳細には、遠位に位置する一方の脚部とブラシ基板と塗布部とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔を設け、塗料供給孔の上方と塗料自動ポンプ圧送装置とに連通させた塗料圧送用チューブを接続したことにより、塗装作業中に壁等の塗装面に塗料圧送用チューブが接触することなく作業ができる塗装用器具に関するものであり、請求項1に記載の塗装用器具は、柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の板状の塗布部1と、該塗布部1を下面の全面に積層させた矩形平板状のブラシ基板2と、該ブラシ基板2の上面の近位端と遠位端とを結ぶ中心線上に夫々間隔を有して立設した2つの脚部3A.3Bと、該2つの脚部3A.3Bの上方に掛け渡した把持部3とを備え、前記把持部3に塗料自動ポンプ圧送装置(図示しない)の駆動源と電気的に接続されたオンオフスイッチ4を付設すると共に、前記2つの脚部3A.3Bの内遠位に位置する脚部3Aと前記ブラシ基板2と前記塗布部1とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔5を設け、前記塗料供給孔5の上方と他端を前記塗料自動ポンプ圧送装置に連通させた塗料圧送用チューブ6の一端とを接続したことを特徴とするものである。
【0009】
更に、請求項2に記載の塗装用器具は、請求項1に記載の塗装用器具において、前記遠位に位置する一方の脚部3Aは前記ブラシ基板2の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させたことを特徴とするものである。
【実施例】
【0010】
即ち、本発明の塗装用器具の塗布部1は、スポンジ状の柔軟性と弾性とを有した多孔質部材で有り、下面の先端側には後述する塗料供給孔5の塗料吹き出し口5aが開口しているものであり、塗料吹き出し口5aから供給される塗料はスポンジ状の柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の塗布部1に含浸及び付着すると共に、塗布部1の全体に塗料を供給して塗布するものである。
【0011】
そして、ブラシ基板2は、矩形平板状のプラスチック等の板であり、下面の全面には塗布部1を貼設等の手段により積層させているもので、上面には後述する2つの脚部3A.3Bを立設しているものである。
【0012】
次に、2つの脚部3A.3Bは、ブラシ基板2の上面の近位端と遠位端とを結ぶ側の中心線上に、夫々間隔を有して立設させているもので、つまり、2つの脚部3A.3Bの間と、近位端側、遠位端側とに間隔を有しているもので、2つの脚部3A.3Bの間は後述する把持部3を把持して塗布する際に手の指が通るようにしており、遠位端辺は柔軟性と弾性とを有した塗布部1の塗布を好適にするように適度なクッション性を付与するものである。
【0013】
次いで、把持部3は2つの脚部3A.3Bの上方に固着等の手段により掛け渡した棒状のもので、又は、把持部3と2つの脚部3A.3Bと一体に形成した略コ字状に形成したものでも良く、ブラシ基板2の上面との把持部3との間には指が挿通できるスペースを有しているものである。
【0014】
更に、オンオフスイッチ4は、汎用のスイッチで、把持部3に付設しているもので、塗料自動ポンプ圧送装置の駆動源とコード等によって電気的に接続させており、塗布の状態に合わせて塗布者がオンオフさせ塗料の量をコントロールするものである。
【0015】
更には、塗料供給孔5は、2つの脚部3A.3Bの内、遠位に位置する脚部3A.3Bとブラシ基板2と塗布部1とを上下方向に真っ直ぐに貫通させているもので、塗布部1に塗料を供給するための開口、つまり、塗料吹き出し口5aを形成すると共に、上方の塗料供給孔5には塗料用パイプ5bを埋め込んでいるものである。
【0016】
加えて、塗料圧送用チューブ6は、塗料自動ポンプ圧送装置からの塗料を塗装用器具に圧送するもので、他端を塗料自動ポンプ圧送装置に接続させ一端を塗料供給孔5の上方に接続させたものであり、塗料圧送用チューブ6が塗布面から離間した状態で塗布することとになり、塗布中に塗布面である壁面に塗料圧送用チューブ6が接触することがないものである。
【0017】
また、2つの脚部3A.3Bの内、遠位に位置する脚部3Aはブラシ基板2の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させたものであり、つまり、塗装用器具の遠位端辺の柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の塗布部1に塗装作業に有効な適宜なクッション性を付与するものである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の塗装用器具は、把持部に塗料自動ポンプ圧送装置の駆動源と電気的に接続されたオンオフスイッチを付設したことによって、塗装作業位置で塗料自動ポンプ圧送装置を自在にコントロールでき、更に、遠位に位置する脚部とブラシ基板と塗布部とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔を貫設し、塗料供給孔の上方と他端を塗料自動ポンプ圧送装置と連通させ塗料圧送用チューブの一端とを接続したことにより、垂直な壁を塗布しても、壁面と塗料圧送用チューブとの間隔が絶えず開いており、接触することも無く成り、加えて、遠位に位置する脚部はブラシ基板の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させていることから、柔軟性と弾性を有した多孔質部材の塗布部は、塗布作業の微妙な感覚を補えるもので美装な塗布ができる塗装用器具を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の塗装用器具の実施例の側面説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 塗布部
2 ブラシ基板
3 把持部
3A 脚部
3B 脚部
4 オンオフスイッチ
5 塗料供給孔
5a 塗料吹き出し口
5b 塗料用パイプ
6 塗料圧送用チューブ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性と弾性とを有した多孔質部材の板状の塗布部と、該塗布部を下面の全面に積層させた矩形平板状のブラシ基板と、該ブラシ基板の上面の近位端と遠位端とを結ぶ中心線上に夫々間隔を有して立設した2つの脚部と、該2つの脚部の上方に掛け渡した把持部とを備え、前記把持部に塗料自動ポンプ圧送装置の駆動源と電気的に接続されたオンオフスイッチを付設すると共に、前記2つの脚部の内遠位に位置する脚部と前記ブラシ基板と前記塗布部とを真っ直ぐに貫通する塗料供給孔を設け、前記塗料供給孔の上方と他端を前記塗料自動ポンプ圧送装置に連通させた塗料圧送用チューブの一端とを接続したことを特徴とする塗装用器具。
【請求項2】
前記遠位に位置する一方の脚部は前記ブラシ基板の遠位端から少なくとも5cmのスペースを有して立設させたことを特徴とする請求項1に記載の塗装用器具。



【図1】
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【公開番号】特開2012−200720(P2012−200720A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70729(P2011−70729)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(505307002)株式会社壁紙革命 (3)
【Fターム(参考)】