説明

塩被覆パネル、その製造方法および塩製室

【課題】 塩の有する各種の効果を積極的に得られる室内空間を、簡便かつ安価に形成できる塩被覆パネルを提供すること。
【解決手段】 塩被覆パネル1は、基板2上に設けられた一または複数の繋ぎ材3層を介して、固形化塩4層が形成されていることを主たる構成とする。基板2としては杉板等の木材、繋ぎ材3としては不織布、固形化塩4用の塩としては自然塩を用い、またそれぞれの層間の接着には、塩、米粉および水の配合によりなる塩糊を用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩被覆パネル、その製造方法および塩製室に係り、特に、塩の有する各種の効果を積極的に得られる室内空間を形成するための塩被覆パネルおよびその製造方法、さらに、それにより形成可能な塩製室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、海水・海藻・海泥など海洋由来の成分が有するとされる一定の効果を生かして、身体機能回復・健康回復に役立てるとする「タラソテラピー」が、我が国でも知られてきている。フランスの厚生省がタラソテラピーについて、「海水・海藻・海洋性気候の持つ医学的な治療効果を目的として利用する自然療法である」と定義するなど、ヨーロッパ諸国においては広く認められている一種の伝統的自然療法であり、肥満や生活習慣病、アトピー等の皮膚疾患にも効果的であるともいわれている。最近では、ストレス解消、美容、生活習慣病予防、ダイエット、スポーツ選手のコンディショニングなど、治療やリハビリテーション目的を超えた幅広い目的で親しまれつつある。
【0003】
これとは別に、ポーランド、チェコといった東欧諸国においては、塩を用いた健康法が従来から知られ、行われている。たとえば、床・壁・天井の室内各表面を塩によって覆った室内空間を設け、そこに一定時間滞在することによって、塩から気化してくるヨウ素その他の有用物質を吸収するという「療法」は、老若男女を問わず一般的なものである。これにより、気管系、あるいは皮膚系疾患の症状に改善が認められるともいわれている。
【0004】
さて、このような効果が期待できる「塩を用いた室内空間」については、我が国においてもこれまで、若干の技術的提案がなされている。たとえば後掲特許文献1に開示の技術は、広大な設置面積不要かつエネルギー消費量が少ない濃塩水生成装置および簡易な岩塩ルーム施工方法を課題として、濃塩水タンクに海水を貯留し、これを加熱するとともに濃塩水タンクと膜蒸留膜モジュールとの間で循環させ、同時に非加熱海水を膜蒸留膜モジュール内に通すことで膜蒸留膜モジュールでは循環されている海水から淡水のみを抽出・排出し、一方循環海水は塩分濃度が15%に達した時点で循環停止し、この濃塩水を熱源稼動により濃度約18%とし、吹付器を介して岩塩ルームの内壁に濃塩水を吹き付ける、というもので、そもそも塩田法を技術的背景とするだけに大がかりなものである。
【0005】
また、特許文献2に開示の技術は、壁面に沿って床面より上部付近まで複数の塊状岩塩を積み上げ接着材で突出状に固定した岩塩壁面と、内部に熱媒体を供給し放熱する放熱管を備えた床面上に、破砕した岩塩を敷き詰めた岩塩床とからなるサウナ浴室を提供するという考案であり、これにより温浴者は加熱雰囲気下、岩塩に含まれる成分の発散を受けつつ温浴できるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開平11−244670「濃塩水生成装置及び岩塩ルーム施工方法」
【特許文献2】特開2005−270344「サウナ浴室」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の技術は、実際に塩による空間を得るとしても、通常の居住空間やそれに類する規模の空間として形成するには、あまりに大がかり過ぎ、施工過程も重厚であり、高コストとなることは否めない。また特許文献2の技術は、特定仕様の温浴施設の施工法といえ、これも通常の居住空間やそれに類する規模の空間として形成するには、量産性に乏しく、汎用性もない。
【0008】
しかしながら、塩により形成される室内空間が、上述のような各種の効果を奏し、またマイナスイオン発生効率も高いといわれることも併せ考えると、心身の健康増進、健康回復、ストレス解消、心身の癒しといった広い範囲での有用性が期待される「塩による空間」が、より簡便に、より安価に、より汎用性の高いものとして提供できることが、大いに望まれる。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を踏まえ、塩の有する各種の効果を積極的に得られる室内空間を、より簡便に、より安価に、より汎用性の高いものとして形成することができる、塩被覆パネルおよびその製造方法、さらにそれにより形成可能な塩製室を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は上記課題について検討した結果、表面に塩の層が固定化された一種の建材を提供することによって、かかる課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0011】
(1) 基板上に設けられた一または複数の繋ぎ材層を介して固形化塩層が形成されていることを特徴とする、塩被覆パネル。
(2) 前記固形化塩層は、前記繋ぎ材の上にもしくはこれが複数の場合はそのうち最上部の繋ぎ材の上に形成された塩堆積物の表面が接着剤により固形化されてなるものであることを特徴とする、(1)に記載の塩被覆パネル。
(3) 前記繋ぎ材は不織布であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の塩被覆パネル。
(4) 前記基板−繋ぎ材間の接着、および前記繋ぎ材−固形化塩層間の接着は、塩を含有する接着剤である塩糊によりなされていることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載の塩被覆パネル。
(5) 前記繋ぎ材層は複数設けられ、少なくとも一の繋ぎ材−繋ぎ材間には、セラミックス粉層が設けられていることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の塩被覆パネル。
【0012】
(6) 前記基板は木材であることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の塩被覆パネル。
(7) 基板上に一または複数の繋ぎ材層を接着し、その最上部に塩を堆積させ、その堆積物を表面から接着剤により固形化させて固形化塩層を形成することを特徴とする、塩被覆パネルの製造方法。
(8) 前記基板−繋ぎ材間の接着、および前記繋ぎ材−固形化塩層間の接着には、塩を含有する接着剤である塩糊を用いることを特徴とする、(7)に記載の塩被覆パネルの製造方法。
(9) 前記固形化塩層形成における固形化のための接着剤としては、前記塩糊と塩水を混合してなる塩糊噴霧コート液を用いることを特徴とする、(7)または(8)に記載の塩被覆パネルの製造方法。
(10) 前記繋ぎ材層は複数設けられ、少なくとも一の繋ぎ材−繋ぎ材間には、セラミックス粉層を設けることを特徴とする、(7)ないし(9)のいずれかに記載の塩被覆パネルの製造方法。
(11) (1)ないし(6)のいずれかに記載の塩被覆パネルを用いて形成される、塩製室。
【発明の効果】
【0013】
本発明の塩被覆パネルおよびその製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、塩の有する各種の効果を積極的に得られる室内空間すなわち塩製室を、簡便に、安価に、かつ汎用性の高いものとして形成することができる。
【0014】
さらに、本発明塩被覆パネルを内装材として用いることによって、マイナスイオン発生効果に優れた塩製室を実現することができる。また、内側にセラミックス粉層を有する本発明塩被覆パネルでは、該層による遠赤外線発生効果といった補助的効果も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の塩被覆パネルの基本的な断面構成を示す概念的な説明図である。図示するように本塩被覆パネル1は、基板2上に設けられた一または複数の繋ぎ材3層を介して、固形化塩4層が形成されていることを、主たる構成とする。図では繋ぎ材3層は一層のみ設けられる例を示しているが、後述するようにこれは、二層以上としてもよい。またその場合、二の繋ぎ材3の間に特定の異種材料を挟み込んだ構成としてもよいし、あるいはそのようにせず単に繋ぎ材3を重ねた構成であっても、本発明の範囲内である。
【0016】
図1において、本塩被覆パネル1における層構造構成は、随所に接着剤を用いた接着作用によりなされる。
図1−2は、図1に示した本発明塩被覆パネルの接着構造を示す概念的説明図である。図示するように、基板2上に、一の繋ぎ材3層が接着剤7により接着され、すなわち基板2−繋ぎ3材間の接着が接着剤を用いてなされ、また、本塩被覆パネル1の最上部においては塩を堆積させた塩堆積物5が形成されるのであるが、この塩堆積物5の形成にあたっては、その直下にある繋ぎ材3層との間で接着剤7を用いた接着がなされて、固形化塩4層の形成を基礎づける。
【0017】
図示はしないが、繋ぎ材3を複数用いる場合は、各繋ぎ材−繋ぎ材間、あるいは繋ぎ材−他の特定の異種材料間 における各接着も、同様に接着剤を用いてなされる。本塩被覆パネル1の製造におけるすべての接着には、同じ接着剤もしくはそれに適宜他の材料を加えたものを用いるものとすることができる。
【0018】
接着剤としては、原則として、従来公知のものを適宜用いてもよい。しかしながら、本発明塩被覆パネルの用途が、塩の有する各種の効果を積極的に得られる室内空間を形成することに鑑み、使用する人間の心身に対して有害な影響を及ぼす物質が発生する可能性を排除する観点、および感覚的に快適な居住空間を提供する観点、特に嗅覚上の観点から、具体的な接着剤の種類や組成を限定することができる。
【0019】
特に上記各観点から、接着剤として、塩を含有する接着剤である塩糊を、好適に用いることができる。塩糊は、米粉、塩、水を主要な構成要素としてこれを配合して練り、糊とする構成を主とものである。しかし配合にあたっては、たとえば、米粉に替えて小麦粉や、あるいはツノマタなどの海藻粉末なども、使用可能である等、適宜配合を変更することができる。要するに、塩を含有する接着剤であればよい。しかしながら、上記各観点からは、これら代替材料よりも米粉が適していることが、本発明では確認されている。
【0020】
たとえば塩としては、「天日塩」を好適に用いることができるが、用いる塩の組成、製法、由来、性状等によって、本発明が限定されるものでもない。要するに、最終的に形成する室内空間において要求される「塩」としての効果如何によって、適宜の「塩」を用いることができる。上述したタラソテラピーの観点からは、岩塩や天日塩といった自然塩を、好適に用いることができる。
【0021】
また塩糊の配合は、配合時における温度、湿度の如何によって、接着剤としてより適切な配合となるよう適宜変化させてもよい。また、塩被覆パネルが最終的に用いられる室内空間において形成されるべき雰囲気、あるいはその室内空間設計において予定される、調節される室内温度、湿度等に応じて、配合を変えることも可能である。
【0022】
本塩被覆パネル1の最上部に形成する固形化塩4層は、繋ぎ材3層の上に施された接着剤7を介してその上に形成される塩堆積物5に対して、塩堆積物5の表面から、所定の接着剤による固形化処理がなされる過程を経て、形成される。ここでも原則として、接着剤は適宜のものを用いてよいのであるが、上述の各観点、および固形化処理により得られるべき固形化塩4層の強度、処理作業の容易性に鑑み、上述した塩糊を用いた接着剤を、好適に用いることができる。
【0023】
たとえば接着剤6として用いることのできる塩糊噴霧コート液は、固形化塩層形成における固形化のための接着剤として、上述の塩糊と、塩水を混合してなるものである。もちろんこれは、本発明として良好な結果を得られる一例であり、本発明は他の配合・組成を排除するものではない。
【0024】
図1−2に示すように、塩堆積物5の表面に対して塩糊噴霧コート液のような接着剤6を吹き付けて、塩堆積物5をいわば塗り込めるようにして固形化し、固形化塩4層とする。これにより、本発明塩被覆パネル1は基本的に製造完了することができる。
【0025】
たとえば、塩分数%程度の塩水を用いて調製した塩糊噴霧コート液を用いて製造した本発明塩被覆パネルは、その固形化による強度の点でも、また形成する室内空間における快適性・安全性においても、充分満足できるものであった。なお、ここで用いた塩は天日塩である。
【0026】
また、本例の塩糊噴霧コート液に準じる場合であっても、塩分濃度を適宜変えたり、あるいは塩の種類等を変更してもよい。
【0027】
また、塩糊噴霧コート液の配合は、配合時における温度、湿度の如何によって、接着剤としてより適切な配合となるよう適宜変化させてもよい。また、塩被覆パネルが最終的に用いられる室内空間において形成されるべき雰囲気、あるいはその室内空間設計において予定される、調節される室内温度、湿度等に応じて、配合を変えることも可能である。
【0028】
図1、図1−2において、本発明塩被覆パネル1に用いる繋ぎ材3としては、不織布を好適に用いることができる。不織布の表面はある程度の不規則性を有する凹凸表面となっており、基板2との間の接着においても、塩堆積物5との間の接着においても、また異種材料との間の接着においても、たとえば織布を用いる場合と比較して、不織布の内部構造に入り込んだ接着が可能となる。したがって、本塩被覆パネル1における層構造の安定的な形成、強度維持に適しており、ひいては、最終的に形成される室内空間の壁面や床面、天井面としての堅牢性を確かなものとすることができるものである。
【0029】
図2は、繋ぎ材層が複数設けられた本発明塩被覆パネルの断面構成を示す、概念的説明図である。図示するように本塩被覆パネル21は、繋ぎ材23層が複数設けられ、少なくとも一の繋ぎ材23−繋ぎ材23間に、セラミックス粉28層を設ける構成とすることができる。
【0030】
ここで、二の繋ぎ材23間に挟み込まれて形成されるセラミックス粉28層により、遠赤外線発生による温熱効果、室温維持効果が期待できる。用いるセラミックスの種類は適宜選択することができ、また粒度、使用量などの設計も適宜行える。
【0031】
なお図示されるものは、繋ぎ材23は二層、その間にセラミックス粉28層を設けた例であるが、繋ぎ材23を三層以上とし、それらの間にセラミックス粉28に限らない材料を適宜挟み込んだ構成としたり、あるいは挟み込む材料を特に設けずに繋ぎ材23を重畳する構成としてもよい。
【0032】
各図において、本発明塩被覆パネルの基板2、22としては、木材を好適に用いることができる。木材はその表面に微細な凹凸構造があり、特に繋ぎ材3、23として上述の不織布を用いる場合には、両者がそれぞれ備える表面構造により、接着剤による接着層形成をし易い。
【0033】
また、最終的な用途である室内空間形成において、本パネル1、21の基板2、22の材料として植物性天然素材を用いることは、使用する者の心身に及ぼす影響・効果の点でも好ましい。特に杉材などの良好な香気成分を含有する木材の使用は、本発明塩被覆パネルの製造において勧められるものである。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
図3は、本発明実施例の塩被覆パネルの構造を示す分解斜視説明図である。
<1 塩被覆パネル製造の材料>
図示するように、本パネル作製に用いた材料は、下記の通りである。
【0035】
基板:杉板
基板や繋ぎ材に用いる接着剤:塩糊
繋ぎ材:不織布 本例では、ポリエステル繊維製不織布(商品名:パスライト(登録商標) ユニチカ製)
セラミックス粉:セラミックス廃材
固形化塩層用の塩:天日塩 メキシコ産を使用 塩化ナトリウム約97%
塩糊噴霧コート液:塩糊と塩水による
【0036】
<2 塩被覆パネル作製方法>
〈1〉杉板に塩糊を塗布した。
〈2〉塩糊の上に不織布を貼付した。
〈3〉不織布の上に塩糊を塗布した。
〈4〉塩糊の上にセラミックス粉を散布した。
〈5〉セラミックス粉の上から不織布を貼付した。
〈6〉不織布の上に塩糊を塗布した。
〈7〉塩糊の上に天日塩を散布した。
〈8〉天日塩の上から、塩糊噴霧コート液を適量吹き付け、天日塩を固形化、固定化し、塩被覆パネルとした。
【0037】
図4は、本実施例塩被覆パネルの側面視の写真図である。また、
図4−2は、本実施例塩被覆パネルの斜視の写真図である。作製された塩被覆パネルは表面の固形化塩層が充分な強度をもって固形化しており、また充分な強度をもって基板上に固定化された。
【0038】
<3 塩製室の施工>
塩被覆パネルを必要数用いて、これを内装材とし、塩製室を施工した。
図5は、本実施例の塩製室の内部構成を示す写真図であり、床面から壁面にかけての構造を撮影したものである。また、
図5−2は同じく本実施例の塩製室の内部構成を示す写真図であり、壁面から天井面にかけての構造を撮影したものである。下記の実験条件により、完成した塩製室内に人間を滞在させる試験を行ったところ、特に問題なく滞在することができ、壁・床・天井各面における室内空間内装用として、充分に使用できるものであることが示された。
【0039】
滞在試験の実験条件
室内容積:間口4.316m、 奥行き2.569m、 高さ2.4m 容積26.6m
換気、芳香剤使用:特になし
室内温度:25℃
室内相対湿度:50%
滞在姿勢:椅子に腰掛ける
滞在時間:1時間
その他:室内照明は300lx(目隠しあり)、室内音響はなし
【0040】
また、本例塩製室内におけるマイナスイオン発生程度を、下記測定器を用いて試験した。
測定器:空気イオンカウンター(アンデス電気(株)製 ITC−201A)
その結果、本例塩製室内では、1200〜1300個/ccという高い測定結果が得られた(単位は、空気1cc当たりのマイナスイオン個数を示す)。都市部や通常の室内においては0〜300個/ccであり、森林では500〜3000個/ccであることから、本発明に係る塩製室では、森林内と同程度のマイナスイオン発生効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の塩被覆パネルおよびその製造方法によれば、塩の有する各種の効果を積極的に得られる室内空間すなわち塩製室を、簡便に、安価に、かつ汎用性の高いものとして形成することができる。さらに、本発明塩被覆パネルを内装材として用いることによって、マイナスイオン発生効果に優れた塩製室を実現することができる。したがって、心身の健康増進、健康回復、ストレス解消、心身の癒しといった広い範囲での有用性が期待される「塩による空間」を、より簡便に、より安価に、より汎用性高く提供できることができ、建設、建築各分野を始めとして、健康福祉・医療分野など、広い産業分野に亘って利用価値が高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の塩被覆パネルの基本的な断面構成を示す概念的な説明図である。
【図1−2】図1に示した本発明塩被覆パネルの接着構造を示す概念的説明図である。
【図2】繋ぎ材層が複数設けられた本発明塩被覆パネルの断面構成を示す、概念的説明図である。
【図3】本発明実施例の塩被覆パネルの構造を示す分解斜視説明図である。
【図4】本実施例塩被覆パネルの側面視の写真図である。
【図4−2】本実施例塩被覆パネルの斜視の写真図である。
【図5】本実施例の塩製室の内部構成を示す写真図であり、床面から壁面にかけての構造を撮影したものである。
【図5−2】本実施例の塩製室の内部構成を示す写真図であり、壁面から天井面にかけての構造を撮影したものである。
【符号の説明】
【0043】
1、21…塩被覆パネル
2、22…基板
3、23…繋ぎ材
4、24…固形化塩
5…塩堆積物
6、7…接着剤
28…セラミックス粉


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた一または複数の繋ぎ材層を介して固形化塩層が形成されていることを特徴とする、塩被覆パネル。
【請求項2】
前記固形化塩層は、前記繋ぎ材の上にもしくはこれが複数の場合はそのうち最上部の繋ぎ材の上に形成された塩堆積物の表面が接着剤により固形化されてなるものであることを特徴とする、請求項1に記載の塩被覆パネル。
【請求項3】
前記繋ぎ材は不織布であることを特徴とする、請求項1または2に記載の塩被覆パネル。
【請求項4】
前記基板−繋ぎ材間の接着、および前記繋ぎ材−固形化塩層間の接着は、塩を含有する接着剤である塩糊によりなされていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の塩被覆パネル。
【請求項5】
前記繋ぎ材層は複数設けられ、少なくとも一の繋ぎ材−繋ぎ材間には、セラミックス粉層が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の塩被覆パネル。
【請求項6】
前記基板は木材であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の塩被覆パネル。
【請求項7】
基板上に一または複数の繋ぎ材層を接着し、その最上部に塩を堆積させ、その堆積物を表面から接着剤により固形化させて固形化塩層を形成することを特徴とする、塩被覆パネルの製造方法。
【請求項8】
前記基板−繋ぎ材間の接着、および前記繋ぎ材−固形化塩層間の接着には、塩を含有する接着剤である塩糊を用いることを特徴とする、請求項7に記載の塩被覆パネルの製造方法。
【請求項9】
前記固形化塩層形成における固形化のための接着剤としては、前記塩糊と塩水を混合してなる塩糊噴霧コート液を用いることを特徴とする、請求項7または8に記載の塩被覆パネルの製造方法。
【請求項10】
前記繋ぎ材層は複数設けられ、少なくとも一の繋ぎ材−繋ぎ材間には、セラミックス粉層を設けることを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載の塩被覆パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項1ないし6のいずれかに記載の塩被覆パネルを用いて形成される、塩製室。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図1−2】
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【図4】
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【図4−2】
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【図5】
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【図5−2】
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【公開番号】特開2008−253305(P2008−253305A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95780(P2007−95780)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【特許番号】特許第4056016号(P4056016)
【特許公報発行日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(507104810)鈴木建設工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】