説明

塵埃吸着片、それを用いた電気掃除機、塵埃フィルタ及び清掃方法

【目的】細かな塵埃を確実に吸着、回収して、再び放散することがなく、しかもアレルゲンの不活化を、既成の掃除機において実現できる塵埃吸着片、それを用いた電気掃除機、塵埃フィルタ及び清掃方法を提供することを目的とする。
【構成】サイクロン式掃除機において、少なくとも油剤を担持した多数枚の塵埃吸着片1が吸引部3内に収容される。掃除機を稼動すると、吸込口12から吸い込んだ気流は吸引部3内で旋回される。このとき、吸引空気中に含まれる塵埃が分離されとき、塵埃吸着片1が空気流により浮遊撹乱される。この攪拌によって塵埃吸着片1の吸着が盛んになり、微細な塵埃を回収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用塵埃吸着片、それを用いた電気掃除機、塵埃フィルタ及びアレルゲン回収清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
箒や電気掃除機を用いた清掃では、排気エアーなどにより細かな塵や埃が回収されずに室内に撒き散らされるという問題点があった。このような問題を解決する手段として、特開2005−110964号公報(特許文献1)では、掃除機の集塵室内に貯留している塵埃に流動性半固定形のスライム状物質を投入、混合させ、スライム状物質にダニ等を含んだ塵埃を取り込んでスライム状物質ごと捨てることが記載されている。また、特開昭63−23631号公報(特許文献2)には、集塵バッグの網目を空気とともに細かい塵埃が通過して清掃作業中に再飛散させること防ぐために、吸気口より吸引した塵埃を集塵室に溜めた水に吹き当てて捕集することが記載されている。
【0003】
また、塵埃には微細なダニやその死骸等が含まれており、ダニアレルギーは、アトピー性皮膚炎や気管支ぜん息などに関与する(非特許文献1参照)ことが知られている。即ち、清掃時にダニアレルゲンなどを含む細かな塵埃をより確実に除去・回収することが求められていた。一般的なダニアレルギー対策としては、掃除機内でアレルゲンを不活性化する方法があり、特開平10−75924号公報(特許文献3)には、掃除用具の表面や内部に吸着保持されたダニの増殖を抑制するため、吸着剤処理が施された掃除用具が記載されている。また、本件出願人は、ダニ糞及び/又はダニ死骸に由来するアレルゲンを不活化する界面活性剤を既に開示している(特許文献4)。
【特許文献1】特開2005−110964号公報
【特許文献2】特開昭63−23631号公報
【特許文献3】特開平10−75924号公報
【特許文献4】特開2007−77372号公報
【非特許文献1】著者:眞弓光文ら、「1−3 気管支ぜん息発症に関わる因子の検索と検査手法の開発に関する研究成果集」独立行政法人環境保全機構ホームページ、第4期の調査研究(http://www.erca.go.jp/asthma2/library/investigate/index.html)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の掃除機では、集塵室内でスライム状物質を渦流旋回させて微細ごみ等をスライム状物質の表面に吸着して捕集するだけであるので、スライム状物質の内部に塵埃が浸透することがなく、表面吸着だけでは塵埃捕集量が少ないという問題があった。更に、スライム状物質が集塵室内の壁面に接着して、次第に旋回するスライム状物質の量が減少することにより捕集効果が低下し、長時間の使用が困難であった。また、前述のように、特許文献2には、集塵室に溜めた水に吸引エアーを吹き当て、エアー中の塵埃を捕集することが記載されている。しかし、空気流が水面に衝突するとき、水滴が掃除機内で飛散してしまい、掃除機内部が水滴に晒されるため、防水構造の必要性から製造コストを増大させるという問題があった。
【0005】
特許文献3には、掃除用具に対して吸着剤処理を施すことが記載されている。しかしながら、塵埃の吸着量は、掃除用具の表面や集塵袋内面に吸着させる場合、それらの大きさや表面構造に依存するが、それらの材質や大きさは、使用する場所や要求される強度などに応じて選択される。従って、吸着剤処理を行っても従来の掃除用具に吸着させる塵埃量は限界にきていた。
【0006】
また、吸着剤処理を掃除用具自体に施した場合、清掃時に塵埃や汚れが不均一に付着することも多く、局所的に多量の塵埃が付着した箇所からは、塵埃が脱離して散乱する。掃除機の集塵袋やフィルタなどの場合、外部に塵埃が排気されていた。従って、塵埃中に含まれるダニの死骸及び糞等に含まれるアレルゲンも脱離することになり、アレルゲンとして人間に作用する虞があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、細かな塵埃をより確実に吸着、回収して、微細な塵埃が再び放散することがなく、既成の掃除機に用いることが可能な塵埃吸着片、それを用いた電気掃除機、塵埃フィルタ及び清掃方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の形態は、少なくとも油剤からなる塵埃吸着剤を小片に担持させた塵埃吸着片である。
【0009】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、少なくとも前記小片の表面がその表面積を増大させる立体的な吸着構造から形成される塵埃吸着片である。
【0010】
本発明の第3の形態は、第1又は2の形態において、前記小片の形状が、粒状、球状、線状、紐状、シート状又は多面体状である塵埃吸着片である。
【0011】
本発明の第4の形態は、第1、2又は3の形態において、前記小片が素材を凝集又は結合させて形成される不規則構造からなる塵埃吸着片である。
【0012】
本発明の第5の形態は、第1又は2の形態において、前記小片が線状又は紐状の素材を前記小片の中心部から放射状に配列して形成される塵埃吸着片である。
【0013】
本発明の第6の形態は、第2又は3の形態において、前記吸着構造が粗面、多孔質構造、格子状構造又はブラシ状構造からなる塵埃吸着片である。
【0014】
本発明の第7の形態は、第1〜6のいずれかの形態において、前記小片の素材が、繊維材、樹脂材又はゴム材である塵埃吸着片である。
【0015】
本発明の第8の形態は、第1〜7のいずれかの形態において、前記小片が少なくとも繊維材から形成され、前記塵埃吸着剤を前記繊維材に含浸させて前記小片に担持する塵埃吸着片である。
【0016】
本発明の第9の形態は、第7の形態において、前記小片が前記繊維材の不織布から形成される塵埃吸着片である。
【0017】
本発明の第10の形態は、第7の形態において、前記繊維材が、糸、パイル、布、紙及び綿から選ばれた1つ以上の素材である塵埃吸着片である。
【0018】
本発明の第11の形態は、第7〜10のいずれかの形態において、前記繊維材の比表面積が0.05〜3000m/gの範囲にある塵埃吸着片である。
【0019】
本発明の第12の形態は、第9の形態において、前記樹脂材が、スポンジ、ペレット、フィルムから選択された1つ以上の素材である塵埃吸着片である。
【0020】
本発明の第13の形態は、第1〜12のいずれかの形態において、前記油剤に抗アレルゲン作用を有する1種以上の界面活性剤が添加される塵埃吸着片である。
【0021】
本発明の第14の形態は、第1〜13のいずれかの形態において、前記塵埃吸着剤の担持量が0.5〜40質量%である塵埃吸着剤である。
【0022】
本発明の第15の形態は、第1〜14のいずれかの形態において、塵埃を外部から吸引部に吸引して塵埃を本体内に収容する電気掃除機に使用され、前記小片のサイズと重量は、前記吸引部内に配置されたとき、空気流により浮遊撹乱されるように設計される塵埃吸着片である。
【0023】
本発明の第16の形態は、第15の形態において、前記小片の質量は0.01〜10gであり、そのサイズは最大長において1mm〜5cmである塵埃吸着片である。
【0024】
本発明の第17の形態は、第1〜14のいずれかの形態において、塵埃を外部から吸引部に吸引して塵埃を本体内に収容する電気掃除機に使用され、前記小片は前記吸引部内に塵埃フィルタとして配置される塵埃吸着片である。
【0025】
本発明の第18の形態は、塵埃を外部から吸引部に吸引して、塵埃を本体内に収容する電気掃除機において、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片を前記吸引部内に複数収容し、吸引した塵埃前記塵埃吸着片に吸着させる電気掃除機である。
【0026】
本発明の第19の形態は、第17の形態において、前記吸引部に吸引した塵埃を空気とともに旋回させるサイクロン式掃除機である電気掃除機である。
【0027】
本発明の第20の形態は、塵埃を外部から吸引部に吸引して、塵埃を本体内に収容する電気掃除機において、前記吸引部に装着される塵埃フィルタであって、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片によりフィルタ部が形成された塵埃フィルタである。
【0028】
本発明の第21の形態は、塵埃を含む被清掃場所に、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片を複数片散布し、清掃具により塵埃とともに前記塵埃吸着片を回収して、前記塵埃を前記塵埃吸着片により吸着して回収、除去する清掃方法である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第1の形態によれば、少なくとも油剤からなる塵埃吸着剤を小片に担持させるから、複数の前記小片を電気掃除機の吸引部に投入して使用すると、前記小片を攪拌させながら塵埃を確実に吸着できる。表面吸着だけでなく、前記塵埃吸着材の内部にも塵埃が浸透しさせれば、塵埃捕集量を増大させることができる。前記小片は、前記塵埃吸着剤が担持可能であれば、種々の材質及び形状の材料を用いることができる。比較的軽い材質からなる小片を用いる場合、小片の軽量化されて掃除機の集塵室内の壁面に接着することもなく、前記小片が旋廻して攪拌することにより捕集効果を向上させることができる。
前記油剤としては、鉱物油・植物油・合成油・その他の油剤が利用できる。鉱物油として、パラフィン系・ナフテン系・芳香族炭化水素系・これらの混合物系があり、具体的には流動パラフィン・スピンドル油・マシン油・冷凍油・その他の石油系潤滑油が利用できる。合成油として、ポリオレフィン油・ポリグリコール油・ポリプラン油・アルキルベンゼン油・その他の合成油がある。更に、テトラ(2−エチルヘキシル)シリケート・テトラ(トリデシル)シリケートのようなケイ酸エステル油・スクアラン油・リン酸エステル油・シリコン油などを前記塵埃吸着剤として用いることができる。
前記小片には、更に、抗菌剤、防カビ剤、香料、防炎剤、難燃剤又は各種安定剤の1種又は2種以上を担持させてもよい。抗菌剤、防カビ剤を併用すると、カビや菌の増殖を抑制することができる。抗菌剤・防カビ剤には物品表面に抗菌・防カビ特性を付与するために使用され、オルトフェニルフェノール・パラオキシ安息香酸エステル・パラオキシ安息香酸ブチルエステル・亜鉛ピリチオン・銅ピリチオン・ナトリウムピリチオン・亜鉛オマダイン(C10Zn)などがある。また、抗菌剤、防カビ剤によりアレルゲンを放出し得るカビ及び/又は菌の増殖を抑制すれば、アレルギーの予防効果が本発明に係る塵埃吸着片に付与される。
更に、抗アレルゲン剤を添加しても良く、天然物に含有される物質を利用すれば、人体に害を及ぼす可能性が低く、抗アレルゲン剤による人体への副作用等を低減ないし防止でき、好ましい。例えば、ツバキ科の茶、ウルシ科のヌルデ、ユリ科のハスナゲ、イネ科タケ亜科の竹や笹、モクセイ科オリーブ属のオリーブ、モクセイ科イボタノキ属のイボタ、ミヤマイボタ、オオバイボタ、サイコクイボタ、ネズミモチ、トウネズミモチなど、ハーブ(シソ科のローズマリーなど)などから抽出した成分が天然性抗アレルゲン剤として用いられ、生葉、果実又は葉や果実の乾燥粉末などから抗アレルゲン剤となる成分を抽出し、前記塵埃吸着剤に担持することができる。例えば、茶の場合、市販の緑茶用の茶葉からカテキン等の抗アレルゲン剤を抽出することができ、茶葉、オリーブ、ハーブ、竹、笹などは、人間が長年に亘り種々の目的に使用してきたものであり、人体への高い安全性が確保されている。
【0030】
本発明の第2の形態によれば、少なくとも前記小片の表面がその表面積を増大させる立体的な吸着構造から形成されるから、前記塵埃吸着剤の担持量が増加すると共に、塵埃の吸着面積が増大することにより、塵埃の捕集量を格段に向上させることができる。前記吸着構造は、前記塵埃吸着片から脱離しない程度の耐久性が保持される形状であれば、種々の形状の小片を用いることができ、好適な素材を選択すれば、より表面積が大きく、塵埃の吸着面を増大させた塵埃吸着片を提供することができる。
【0031】
本発明の第3の形態によれば、前記小片の形状が、粒状、球状、線状、紐状、シート状又は多面体状であるから、清掃する場所や掃除用具に応じて、小片の素材とその素材に適した形状を選択することができる。従って、市販される素材の形状や特性に応じて、使用条件から選択された素材を適当な大きさに加工するだけで、本発明に係る塵埃吸着片を比較的簡単に製造することができる。例えば、前記小片の素材として繊維材を用いる場合、紐状や線状の小片を用いることにより、既成の材料や装置を用いて本発明に係る塵埃吸着片を簡単に製造することができる。
【0032】
本発明の第4の形態によれば、前記小片が素材を凝集又は結合させて形成されるから、表面積が比較的大きく、前記塵埃吸着剤の担持量が増強された、吸着表面が大きな捕集効率が高い塵埃吸着片を提供することができる。また、前記素材を凝集又は結合させて形成される不規則構造であるから、比較的大きな表面積を有し、塵埃の捕集量が増強された塵埃吸着片を簡単に製造することができる。
【0033】
本発明の第5の形態によれば、前記小片が線状又は紐状の素材を前記小片の中心部から放射状に配列して形成されるから、比較的大きな表面積を有すると共に、球対称に近い構造を有するから、本発明に係る塵埃吸着片の拡散と回収を容易に行うことができる。
【0034】
本発明の第6の形態によれば、前記吸着構造が粗面、多孔質構造、格子状構造又はブラシ状構造からなる塵埃吸着片であるから、粗面や多孔質構造を有する既成の素材や紐状又は線状の素材を束ねたり、格子状に結合させることにより、表面積が大きな小片を形成することができる。従って、これらの小片には、好適な量の塵埃吸着剤を担持することができると共に、吸着可能な塵埃の量を増強させることができる。
【0035】
本発明の第7の形態によれば、前記小片の素材が、繊維材、樹脂材又はゴム材であるから、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維、天然樹脂、合成樹脂などの素材を用いて前記小片を形成することができる。天然樹脂としては、天然ゴムなどを用い、前記合成樹脂としては、種々の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。より具体的には、熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などを用い、熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルなどを用いることができる。
【0036】
本発明の第8の形態によれば、前記小片が少なくとも繊維材から形成されるから、前記塵埃吸着剤を十分に含浸させ、吸着可能な塵埃の量を増強させることができる。本発明に係る小片を形成する繊維材として、天然繊維・再生繊維・半合成繊維・合成繊維・無機繊維を用いることができる。合成繊維としては、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、塩化ビニル繊維などを用いることができる。天然繊維としては、木綿・マーセル化木綿・ポリノジック繊維などのセルロース繊維、羊毛などの動物繊維がある。無機繊維としては、ガラス繊維・金属繊維・セラミック繊維などを用いることができる。
【0037】
本発明の第9の形態によれば、前記小片が前記繊維材の不織布から形成されるから、比較的安価に表面積の大きな塵埃吸着片を製造することができる。不織布は、繊維材を機械的、熱的又は科学的な作用によって接着もしくは絡み合わせたものであり、安価に大量生産することができる。更に、繊維廃棄物などを再利用して製造することができるから、経済的で資源を有効利用することができる素材である。更に、不織布を炭化・賦活処理を行うことにより不織布活性炭を形成することから、本発明に係る不織布として、不織布活性炭を用いることができる。
【0038】
本発明の第10の形態によれば、前記繊維材が、糸、パイル、布、紙及び綿から選ばれた1つ以上の素材を用いて前記小片を形成するから、所望量の塵埃吸着剤を含浸させることができる。前記糸素材としては、フィラメント糸・紡績糸などの糸製品と共に、タオル地やモップの素材となるパイルを用いることができる。前記布素材としては、織物・編物などの布帛製品、クロス・布巾・ナプキン・敷布・カバー・カーテン・かや等の平面状繊維製品、被服製品、清掃用繊維製品などを用いることができる。前記紙素材としては、和紙なども用いることができ、前記綿素材としては、超長・長繊維綿(28.6〜38.1mm)、中繊維(22.2〜27.8mm)、短繊維(20.6mm以下)のいずれを用いても良い。
【0039】
本発明の第11の形態によれば、前記繊維材の比表面積が0.05〜3000m/gの範囲に設定されるから、所望量の塵埃をより確実に吸着させることができる。批表面積が0.05m/gより小さい場合、極めて微細な塵埃を吸着させることが困難となり、比表面積が3000m/g以上の繊維材を利用することは、前記小片の製造コストを増大させる。例えば、不織布活性炭を用いる場合、比表面積が3000m/gを越えるためには、高温で長時間の賦活時間が必要となる。従って、比表面積が0.05〜3000m/gの範囲に設定される繊維材を用いることにより、塵埃の捕集量が多く、比較的低コストで製造可能な塵埃吸着片を提供することができる。
【0040】
本発明の第12の形態によれば、前記塵埃吸着材の素材が、布、紙又はスポンジ状樹脂材であるから、前記塵埃吸着剤を十分に浸透させ、前記塵埃吸着剤を十分に担持させることができる。また、前記小片を軽量化することができ、電気掃除機の吸引部内に配置される場合、攪拌効果を高めることができる。前記スポンジ状樹脂材には、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の化学発泡樹脂ないしフォーム材、あるいはシリコーンスポンジ材等を使用できる。
【0041】
本発明の第13の形態によれば、前記油剤に抗アレルゲン作用を有する1種以上の界面活性剤が添加されるから、前記塵埃吸着剤によりアレルゲンやアレルゲン含有物を塵埃とともに前記小片を攪拌させながら確実に吸着でき、前記抗アレルゲン剤の作用により前記アレルゲン及び/又はアレルゲン含有物のアレルゲン性を高効率に低減させることができる。
前記油剤とともに界面活性剤を混合して、油剤が界面活性剤によりエマルジョン化された塵埃吸着剤を前記小片に担持させることができる。前記塵埃吸着剤が前記小片から脱離することがなく、アレルゲン及び/又はアレルゲン含有物を確実に吸着して、これらのアレルゲン性を高効率に低減することができる。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤のうち、1種以上の界面活性剤を用いることができる。
本件出願人は、主としてダニ糞及び/又はダニ死骸に由来するアレルゲンを不活化する界面活性剤として、構造式中にOCO基、CON基又はイミダゾリン基を有する以下の抗アレルゲン性界面活性剤を既に開示している(特許文献4)。構造式中にOCO基を有する抗アレルゲン性界面活性剤としては、RCH(SONa)OCOCH、RCR(SONa)OCOCH、RCH(SONa)OCOCH、これら分子の誘導体・会合分子・ポリマーなどがある。ここで、R、R、Rはアルキル基・アリル基・フェニル基などの炭化水素基であり、以下においても同様である。前記構造式中にCON基を有する抗アレルゲン性界面活性剤としては、RCONCHCHCCOOH、RCONCHCHCCOOH、RCONHCNHCO(CO)nH、これら分子の誘導体・会合分子・ポリマーなどがある。構造式中にイミダゾリン基を有する抗アレルゲン性界面活性剤としては、RCNCRHCRHNCOH(CO)nH、RCNCHCHNCHOH(CO)nH、これら分子の誘導体・会合分子・ポリマーなどがある。ここでイミダゾリン基とは、CNCCNが形成する五員環を意味する。
【0042】
本発明の第14の形態によれば、前記塵埃吸着剤の担持量が0.5〜40質量%の範囲に設定されるから、塵埃を前記小片に吸着できると共に、塵埃吸着片の質量を好適な値に設定することができる。即ち、前記担持量%が0.5より小さくなると、塵埃を吸着させることが困難になり、40質量%を越えると塵埃吸着片の質量が大きくなり過ぎるか、余分な吸着剤が前記小片の上に残留し、塵埃吸着片から、それらが収容箇所や清掃される対象物などに付着する惧れがあった。更に、前記担持量が40質量%以下であれば、前記塵埃吸着片の質量を所定値に設定することにより、掃除機内で攪拌させる場合においても空気流により浮遊撹乱させることができる。
【0043】
本発明の第15の形態によれば、塵埃を外部から吸引部に吸引して塵埃を本体内に収容する電気掃除機に使用され、前記小片のサイズと重量は、前記吸引部内に配置されたとき、空気流により浮遊撹乱されるように設計されるから、電気掃除機の吸引力を利用して、塵埃吸引時に前記小片を十分に攪拌させて、前記塵埃吸着剤によりアレルゲンやアレルゲン含有物を塵埃とともに前記小片に確実に吸着させることができる。
【0044】
本発明の第16の形態によれば、前記小片は0.1〜10gの軽重量であり、そのサイズは最大長において1mm〜5cmであるから、電気掃除機の吸引部に投入して、塵埃吸引時に前記小片を十分に攪拌させることができ、微細塵埃の捕集効果を向上させることができる。
【0045】
本発明の第17の形態によれば、塵埃を外部から吸引部に吸引して塵埃を本体内に収容する電気掃除機に使用され、前記小片は前記吸引部内に塵埃フィルタとして配置することができる。即ち、前記塵埃吸着剤により微細な塵埃を前記小片に確実に吸着させるフィルタ効果を得ることができる。
【0046】
本発明の第18の形態によれば、塵埃を外部から吸引部に吸引して、塵埃を本体内に収容する電気掃除機において、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片を前記吸引部内に複数収容し、吸引した塵埃前記塵埃吸着片に吸着させて微細な塵埃を捕集することができる。前記吸引部内に複数の前記塵埃吸着片を収容するだけであるため、既成の掃除機に簡単に適用でき、低コストで塵埃の捕集・回収能力を向上させることができる。前記塵埃吸着片のサイズを小さくすれば、その収容数を自在に増加させることができ、塵埃との接触面積をより増大させることができ、微細な塵埃の捕集・回収能力より向上させることができる。
【0047】
本発明の第19の形態によれば、前記吸引部に吸引した塵埃を空気とともに旋回させるサイクロン式掃除機に適用することにより、サイクロン旋回作用により前記小片を十分に攪拌させることができ、微細な塵埃と共にダニやその死骸の回収・除去効率が向上させることができる。サイクロン式掃除機は回転により遠心力を利用して塵埃物を吸引エアーから分離して集塵する電気掃除機であり、塵埃回収力として、例えば400〜700Wのものを使用できる。
【0048】
本発明の第20の形態によれば、塵埃吸着材からなる小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片によりフィルタ部が形成されるから、この塵埃フィルタを電気掃除機に使用することにより、表面吸着による微細な塵埃除去だけでなく、前記フィルタ部の前記塵埃吸着材の内部にも塵埃が浸透し、排気エアーからのより確実な塵埃除去を実現することができる。
【0049】
本発明の第21の形態によれば、塵埃を含む被清掃場所に、塵埃吸着材からなる小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片を、畳、カーペット、フローリング床面などに複数片散布し、清掃具により塵埃が吸着する前記塵埃吸着片を回収、除去することができる。即ち、電気掃除機による清掃だけでなく、清掃用具による清掃においても、前記小片により微細な塵埃を回収、清掃しながらアレルゲン不活化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明の実施形態として、塵埃を外部から吸引部に吸引して、塵埃を本体内に収容するサイクロン式電気掃除機を図面により説明する。
図1はサイクロン式電気掃除機の構成概略図であり、図2はこの掃除機の吸引部を示す断面概略図である。図3には、この掃除機に用いられる本発明に係る塵埃吸着片1を示す。
【0051】
塵埃吸着片1は、塵埃吸着用繊維小片からなる。小片は1辺Aのサイズの最大長さが約3cmの矩形形状を有する。小片の形状は矩形に限らず、長方形や不定形であってもよい。各小片には塵埃吸着剤が担持処理されている。塵埃吸着片1の繊維素材には、紙、天然繊維、合成繊維を用いて、織布、編布、不織布、その他の繊維成形体が含まれる。
【0052】
塵埃吸着片1の繊維小片には塵埃吸着剤(油剤)が含浸されている。抗アレルゲン剤の担持処理は、油剤に界面活性剤を添加し、油剤のエマルジョン液を生成し、繊維材を含浸させて行われる。更に、pH調整剤によりエマルジョン液は酸性側に調整され、繊維材にエマルジョン粒子を吸着させて含油処理が施され、その処理繊細材を洗濯機で脱水し、乾燥後、小片のサイズに裁断されて、塵埃吸着片1が製作される。
【0053】
前記油剤として用いられる鉱物油には、パラフィン系・ナフテン系・芳香族炭化水素系や混合物系の油剤があり、この混合物系の鉱物油としては、流動パラフィン、スピンドル油、マシン油や冷凍油が用いられる。合成油として、ポリオレフィン油・ポリグリコール油・ポリプラン油・アルキルベンゼン油・その他の合成油がある。更に、テトラ(2−エチルヘキシル)シリケート・テトラ(トリデシル)シリケートのようなケイ酸エステル油・スクアラン油・リン酸エステル油・シリコン油などを塵埃吸着剤として用いることができる。
【0054】
前記小片には、更に、抗菌剤、防カビ剤、香料、防炎剤及び難燃剤から選択される1種以上を担持させてもよい。抗菌剤、防カビ剤を併用すると、カビや菌の増殖を抑制することができる。抗菌剤・防カビ剤には物品表面に抗菌・防カビ特性を付与するために使用され、オルトフェニルフェノール・パラオキシ安息香酸エステル・パラオキシ安息香酸ブチルエステル・亜鉛ピリチオン・銅ピリチオン・ナトリウムピリチオン・亜鉛オマダイン(C10Zn)などがある。
【0055】
図1に示すように、このサイクロン式掃除機は、電動送風機5の稼動によって発生する気流により塵埃を吸込口12から吸い込み、吸い込んだ気流を旋回させて吸引空気中に含まれる塵埃を分離するサイクロン集塵機能を備える。電気掃除機本体4は、電動送風機5を内蔵し、ホース6及び接続パイプ10を介して吸込口体11が接続されている。吸込口体11は床面2に対向する吸込口12を有している。ホース6と接続パイプ10の間には、ダストカップ9を備え、サイクロン集塵機能を有する吸引部3が配設されている。
【0056】
吸引部3の入口部は接続パイプ10に接続し、出口部はホース6に接続している。吸込口12から吸引されたエアーは接続パイプ10、吸引部3、ホース6を経て電動送風機5に至る吸気経路が形成される。吸引部3の上部には、操作取手7が設けられており、操作取手7の根元部には、稼動状況表示部や操作スイッチ等からなる操作部8が配置されている。本実施形態においては、サイクロン式電気掃除機の清掃能力、つまり、旋回気流の速度が30〜45m/s、吸引容量が1〜2m/min、吸引パワーが400〜700Wに設定される。
【0057】
図2により、図1に示される吸引部3の構造を説明する。吸引部3の上部28には接続パイプ10に連結する連結管29が設けられ、また、横方向に塵埃分離室25が形成されている。塵埃分離室25の水平断面形状は略円形である。塵埃分離室25の内側の一部に、連結管29からの空気の流入口13が開口形成されている。空気流入口13は、空気の流入方向が塵埃分離室25の内壁に対し接線方向となる位置に設けられている。塵埃分離室25の中心部に排気筒15が配設されている。排気筒15は底面が閉塞され、上面が開口した円筒部材からなる。排気筒15の外周には複数個の排気口16が穿設されている。排気筒15の開口部には連結管14が設けられ、ホース6が接続される。塵埃分離室25の下端の開口部24にダストカップ9の上端の開口部17が嵌着される。
【0058】
ダストカップ9の側面の下方にフック26が設けられ、フック26を接続パイプ10の側面のフック27に係合させて、ダストカップ9を保持している。この保持状態を維持するために、ダストカップ9の上端に装着部材21が取り付けられている。装着部材21は軸20を介して回動可能に設けられている。装着部材21は、吸引部3の上部12の突起22に係合する係止爪23を備え、装着部材21の下部には、指押圧部19が形成されている。ダストカップ9と指押圧部19との間にはコイルバネ18が挿入され、コイルバネ18の弾性作用により係止爪23を突起22に係合させるように付勢している。係止爪23が突起22に係合した係合状態はコイルバネ18によって維持され、ダストカップ9を吸引部3の上部28から引き抜くことができないようになる。指押圧部19を指で押下げると、その係合を解除でき、ダストカップ9は取り外し可能な状態になる。
吸引部3に吸引空気流が吸込まれる場合、気流は接続パイプ10から空気流入口13を通って塵埃分離室25内に、内壁に沿って接線方向に流入して、排気筒15の周囲に高速の旋回気流が形成される。この高速旋回による遠心力により、吸引空気流に含まれていた塵埃は気流から分離され、ダストカップ9の中に落下し集塵されて行く。旋回した気流は排気口16から排気筒15の中に入り、ホース6側に吸込まれ、排気される。
【0059】
上記サイクロン式掃除機において、図3に示した塵埃吸着片1が多数枚(数10枚)吸引部3内に収容される。電動送風機5を稼動すると、発生する気流により塵埃を吸込口12から吸い込み、吸い込んだ気流は吸引部3内で旋回される。このとき、吸引空気中に含まれる塵埃が分離される。この分離時には、塵埃吸着片1が空気流により浮遊撹乱される。この攪拌によって塵埃吸着片1の吸着が盛んになり、吸引した微細な塵埃を回収することができる。更に、抗アレルゲン性界面活性剤が塵埃吸着剤に添加されている場合、吸引した塵埃に含まれるアレルゲンを微細な塵埃を回収するとともに塵埃吸着片1に吸着して不活化することができる。塵埃吸着片の小片サイズは約3cm角であるが、このサイズは少なくとも排気口16の(直径:約5mm)から吸い込まれない大きさであれば、約3cm角より小さいものでも使用できる。
なお、電気掃除機本体4の排気口に設けられる塵埃フィルタを、複数個の塵埃吸着片1で集積して形成すれば、アレルゲンやアレルゲン含有物を微細な塵埃とともに前記小片に確実に吸着させるフィルタ効果を得ることができる。
【0060】
図4は、本発明に係る塵埃吸着片の他の形態を示す構成概略図である。図の塵埃吸着片31は、多層構造を有し、各部材は不織布から形成されている。最下面部34の上に中間部36が波状に接着され、更にその上に上面部38が接着され、1つの層を形成している。波状に形成された中間部36により、塵埃吸着片31の不織布素材の表面を有効に利用できると共に、弾力性が付与されている。更に、下面部33と中間部35が接着され、次の層が形成され、最上面部32まで積層されている。このような立体構造を塵埃吸着片として用いることにより、塵埃を付着させる表面積を格段に向上させることができる。
【0061】
下記表1には、本発明に係る塵埃吸着片の素材として球状のコットンを用いた実施例1及び2と比較例1〜3の評価を示す。下記の評価は、実施例と比較例に示した複数枚の塵埃吸着片をサイクロン式掃除機のダストカップ内に同重量入れ、床に撒いたJIS試験用ダスト(綿粉)を吸引し、ダストカップ内の塵埃吸着片への「付着程度(綿分付着)」を比較している。ここで、サイクロン式掃除機には、スタンド式・キャニスター式の両方が用いられている。
更に、上記付着程度(綿分付着)と共に、「カップの汚れ具合のなさ」と「フィルタ汚れのなさ」も評価している。全ての評価は、「非常に良好」を「◎」で、「良好」を「○」で、「やや劣るが利用可能」を「△」で、「不良」を「×」で示している。実施例1及び2は、それぞれ、塵埃吸着剤として5wt%と10wt%の油剤が担持されており、吸着剤として水を用いた比較例1及び2や吸着剤が担持されていない場合と比較して、カップ汚れがないことが解る。油剤を用いることにより、細かな塵埃が吸着され、フィルタの汚れも低減化されている。これは、油剤の場合、吸着しなかった綿粉が互いに吸着し、飛散することが防止されることに起因しており、フィルタの目詰まりなどが防止される。
但し、球状のコットンに油剤を担持させても、綿粉付着に関しては、視認により明確に判別できる程度に水を吸着剤として用いた場合との違いが見られなかった。
【0062】
【表1】

【0063】
図5は、本発明にかかるアクリル繊維を用いて形成された球状の塵埃吸着片41を示した構成概略図である。この塵埃吸着片41は、アクリル繊維からなる紐状部材42を結束部材43により中心部で結束し、紐状部材42が放射状に突出するように形成されている。下記の表2は、図5の塵埃吸着片41を用いて、表1と同じ方法により評価を行った試験結果である。
表2に示すように、表1のコットンに比べ、塵埃吸着剤として油剤を用いた場合、全ての評価において非常に良好な結果が得られている。また、吸着剤として水を用いた場合に比べ、カップ汚れのなさが向上している。
【0064】
【表2】

【0065】
表3は、表1と表2と同様の方法で不織布(不織布活性炭を含む)又はパイルからなる塵埃吸着片の評価を行ったものである。また、図6には、本発明に係るモップパイルからなる塵埃吸着変に付着したダストの状態を示す。表3に示すように、塵埃吸着剤を担持した不織布(実施例5、6)、パイル(実施例7、8)では、全ての評価において良好もしくは非常に良好な結果が得られている。更に、詳細には、実施例6の不織布(大)は、実施例5に示した1/8サイズの不織布(小)に比べ、フィルタ汚れのなさが向上している。ここで、実施例6の不織布(大)は、最大長が20mm程度である。即ち、所定の大きさ以上の場合、塵埃吸着片の機能が発揮されている。
【0066】
【表3】

【0067】
表4は、図5に示したアクリル繊維からなる球状の塵埃吸着片を複数用いて、掃除機内での攪拌状態の評価したものである。塵埃吸着片の攪拌状態を互いに密着することなく均一に攪拌されるものを「非常に良好な場合」とし「◎」で、「良好」を「○」で、「やや劣るが利用可能」を「△」で、「不良」を「×」で示している。表4に示すように、球状の塵埃吸着片の質量が0.01g〜10g、最大長が1mm〜50mmの場合に好適な攪拌状態が実現されており、塵埃をより確実に吸着することができる。
【0068】
【表4】

【0069】
本発明は、上記実施形態や実施例及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。例えば、上記サイクロン式掃除機においては吸引部3を接続パイプ10に装着しているが、電気掃除機本体4側に吸引部3を設けた掃除機にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る塵埃吸着片を用いて、アレルゲンなどを含む細かな塵埃をより確実に吸着、回収して、微細な塵埃が再び放散することがなく、既成の掃除機に用いることが可能な塵埃吸着片、それを用いた電気掃除機、塵埃フィルタ及び清掃方法を提供することである。また、抗アレルゲン対策機能を具備した電気掃除機を実現できる。この塵埃吸着片を用いた清掃作業を行うことにより、アトピー性皮膚炎、ぜん息、発熱、湿疹、じんま疹等のアレルギー性疾患など、長年に亘り人々を苦しめてきたアレルゲンのアレルゲン活性を有効に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係るサイクロン式電気掃除機の構成図である。
【図2】前記サイクロン式電気掃除機の吸引部3の断面構成図である。
【図3】本実施形態に用いる塵埃吸着片1の平面図である。
【図4】本発明に係る塵埃吸着片の他の形態を示す構成概略図である。
【図5】本発明に係るアクリル繊維を用いて形成された球状の塵埃吸着片を示す構成概略図である。
【図6】本発明に係るモップパイルからなる塵埃吸着変に付着したダストの状態を示す。
【符号の説明】
【0072】
1 塵埃吸着片
2 清掃床面
3 吸引部
4 清掃床面
5 電動送風機
6 ホース
7 操作取手
8 操作部
9 ダストカップ
10 接続パイプ
11 吸込口体
12 吸込口
13 流入口
14 連結管
15 排気筒
16 排気口
17 開口部
18 コイルバネ
19 指押圧部
20 軸
21 装着部材
22 突起
23 係止爪
24 開口部
25 塵埃分離室
26 フック
27 フック
28 (吸引部3の)上部
29 連結管
31 塵埃吸着片
32 最上面部
33 下面部
34 最下面部
35 中間部
36 中間部
38 上面部
41 塵埃吸着片
42 紐状部材
43 結束部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも油剤からなる塵埃吸着剤を小片に担持させたことを特徴とする塵埃吸着片。
【請求項2】
少なくとも前記小片の表面がその表面積を増大させる立体的な吸着構造から形成される請求項1に記載の塵埃吸着片。
【請求項3】
前記小片の形状が、粒状、球状、線状、紐状、シート状又は多面体状である請求項1又は2に記載の塵埃吸着片。
【請求項4】
前記小片が素材を凝集又は結合させて形成される不規則構造からなる請求項1、2又は3に記載の塵埃吸着片。
【請求項5】
前記小片が線状又は紐状の素材を前記小片の中心部から放射状に配列して形成される請求項1又は2に記載の塵埃吸着片。
【請求項6】
前記吸着構造が粗面、多孔質構造、格子状構造又はブラシ状構造からなる請求項2又は3に記載の塵埃吸着片。
【請求項7】
前記小片の素材が、繊維材、樹脂材又はゴム材である請求項1〜6のいずれかに記載の塵埃吸着片。
【請求項8】
前記小片が少なくとも繊維材から形成され、前記塵埃吸着剤を前記繊維材に含浸させて前記小片に担持する請求項1〜7のいずれかに記載の塵埃吸着片。
【請求項9】
前記小片が前記繊維材の不織布から形成される請求項8に記載の塵埃吸着片。
【請求項10】
前記繊維材が、糸、パイル、布、紙及び綿から選ばれた1つ以上の素材である請求項7に記載の塵埃吸着片。
【請求項11】
前記繊維材の比表面積が0.05〜3000m/gの範囲にある請求項7〜10のいずれかに記載の塵埃吸着片。
【請求項12】
前記樹脂材が、スポンジ、ペレット、フィルムから選択された1つ以上の素材である請求項7に記載の塵埃吸着片。
【請求項13】
前記油剤に抗アレルゲン作用を有する1種以上の界面活性剤が添加される請求項1〜12に記載の塵埃吸着片。
【請求項14】
前記塵埃吸着剤の担持量が0.5〜40質量%である請求項1〜13のいずれかに記載の塵埃吸着剤。
【請求項15】
塵埃を外部から吸引部に吸引して塵埃を本体内に収容する電気掃除機に使用され、前記小片のサイズと重量は、前記吸引部内に配置されたとき、空気流により浮遊撹乱されるように設計される請求項1〜14のいずれかに記載の塵埃吸着片。
【請求項16】
前記小片の質量は0.01〜10gであり、そのサイズは最大長において1mm〜5cmである請求項15に記載の塵埃吸着片。
【請求項17】
塵埃を外部から吸引部に吸引して塵埃を本体内に収容する電気掃除機に使用され、前記小片は前記吸引部内に塵埃フィルタとして配置される請求項1〜14のいずれかに記載の塵埃吸着片。
【請求項18】
塵埃を外部から吸引部に吸引して、塵埃を本体内に収容する電気掃除機において、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片を前記吸引部内に複数収容し、吸引した塵埃を前記塵埃吸着片に吸着させることを特徴とする電気掃除機。
【請求項19】
前記吸引部に吸引した塵埃を空気とともに旋回させるサイクロン式掃除機である請求項18に記載の電気掃除機。
【請求項20】
塵埃を外部から吸引部に吸引して、塵埃を本体内に収容する電気掃除機において、前記吸引部に装着される塵埃フィルタであって、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片によりフィルタ部が形成されたことを特徴とする塵埃フィルタ。
【請求項21】
塵埃を含む被清掃場所に、小片に油剤からなる塵埃吸着剤を少なくとも担持させた塵埃吸着片を複数片散布し、清掃具により塵埃とともに前記塵埃吸着片を回収して、前記塵埃を前記塵埃吸着片により吸着して回収、除去することを特徴とする清掃方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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