説明

境界ブロック及び舗装構成体

【課題】境界ブロックと舗装部との間に雑草を生育させにくい境界ブロック及びこの境界ブロックを用いて形成される舗装構成体を提供する。
【解決手段】本発明の境界ブロックは、下面4と、上面5と、下面4の一側縁6と上面5の一側縁7とを繋ぐ一側面(車道側側面8)と、一側面と向かい合う他側面(歩道側側面9)とを備えた境界ブロック1において、上面5における他側面よりも一側面側に位置する他側縁36より立ち下がる凹部上壁面37と、他側面における上面よりも下面側に位置する上端縁31から一側面の方向に延長して終端縁33が凹部上壁面37の下端縁よりも一側面に近い位置に設けられた凹部底面32と、凹部底面32の終端縁33と凹部上壁面37の下端縁35とを繋ぐ凹部下壁面(折り返し面34)とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、境界ブロックと舗装部との間に雑草を生育させにくい境界ブロック及びこの境界ブロックを用いて形成される舗装構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
歩道側側面の上端縁部に凹部を備えた歩車道境界ブロックが知られている(例えば、特許文献1参照)。つまり、下面と、上面と、下面の一側縁と上面の一側縁とを繋ぐ車道側側面と、車道側側面と向かい合う他側面とを備えた歩車道境界ブロックにおいて、上記凹部が、上面における歩道側側面よりも車道側側面側に位置する他側縁より立ち下がる平面により形成された凹部壁面と、歩道側側面における上面よりも下面側に位置する上端縁と凹部壁面の下端縁とを繋ぐ平面により形成された凹部底面とにより形成された構成である。この歩車道境界ブロックを歩車道境界地に設置し、歩車道境界地に設置された歩車道境界ブロックの歩道側側面の所定高さ位置まで路盤を形成し、この路盤の上にアスファルトやコンクリートのような舗装材によって舗装部を形成することによって、歩道が形成される。この歩道は、歩車道境界ブロックと舗装材との間を経由して歩道面と路盤との間を繋ぐ隙間経路がL字状となる。よって、歩車道境界ブロックの歩道側側面と舗装部との間に入り込んだ雑草の種子が発芽した場合において、根が歩車道境界ブロックの凹部壁面に沿って下方に伸びても凹部底面に衝突するため、根が路盤や路床土まで伸びにくくなる。また、路盤や路床土に混じった雑草の種子が発芽した場合において、芽が歩車道境界ブロックの凹部底面に沿って伸びても歩車道境界ブロックの凹部壁面に衝突するため、芽が地上まで伸びにくくなる。
【特許文献1】特開平10−82012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記歩車道境界ブロックの凹部は、凹部底面と凹部壁面との境界に形成された凹部角を備えるが、この凹部角の角度が90°以上の角度を有した鈍角に形成され、また、凹部が凹部角を1箇所備えただけの構成である。このため、歩車道境界ブロックの凹部と舗装部との間に形成される隙間経路が全体的に一方向に沿った経路となり、隙間経路が折り返し経路とならない。隙間経路が全体的に一方向に沿った経路である場合、雑草の根や芽が当該隙間経路を辿って伸びやすい。従って、上記車道境界ブロックの凹部と舗装部との間に入り込んだ雑草の種子が発芽した場合に、発芽した雑草の根が、全体的に一方向に沿った隙間経路を辿って路盤の方まで下方に伸びやすくなって、根を張ってしまったり、また、路盤や路盤の下の路床で発芽した雑草の芽が、全体的に一方向に沿った隙間経路を辿って地上まで伸びてきてしまうことがあり、境界ブロックと舗装材との間の雑草の生育を効果的に防止できなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、境界ブロックと舗装材との間に雑草を生育させにくい構造を備えた境界ブロック及び舗装構成体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の境界ブロックは、下面と、上面と、下面の一側縁と上面の一側縁とを繋ぐ一側面と、一側面と向かい合う他側面とを備えた境界ブロックにおいて、上面における他側面よりも一側面側に位置する他側縁より立ち下がる凹部上壁面と、他側面における上面よりも下面側に位置する上端縁から一側面の方向に延長して終端縁が凹部上壁面の下端縁よりも一側面に近い位置に設けられた凹部底面と、凹部底面の終端縁と凹部上壁面の下端縁とを繋ぐ凹部下壁面とを備えたことを特徴とする。
凹部下壁面と凹部底面とのなす角度が鋭角に形成されたことも特徴とする。
下面が水平面により形成され、凹部底面が水平面に対して傾斜する傾斜面により形成され、傾斜面が、凹部底面の終端縁から他側面の上端縁にかけて下る傾斜面により形成されたことも特徴とする。
凹部下壁面が、凹部底面側に弧の中心を持つ弧面により形成されたことも特徴とする。
本発明の舗装構成体は、上記境界ブロックの下面が設置面に設置され、地盤が設置面に設置された境界ブロックの他側面の上端縁まで形成され、舗装材が、地盤の上に設けられるとともに凹部底面と凹部下壁面と凹部上壁面とで形成された凹部内に充填されて形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の境界ブロックによれば、凹部上壁面と凹部下壁面と凹部底面とで形成された凹部を備え、舗装構成体を形成した場合に、凹部下壁面と凹部底面とによって舗装部と凹部との間に折り返し経路が形成されるために、境界ブロック舗装部との間に雑草を生育させにくくできる。
凹部下壁面と凹部底面とのなす角度が鋭角に形成された境界ブロックによれば、舗装構成体を形成した場合に、折り返し経路の折り返し部を鋭角にでき、雑草の芽や根の伸びが折り返し部により阻害されるので、境界ブロックと舗装部との間に雑草を生育させにくくできる。
凹部底面が傾斜面により形成された境界ブロックによれば、舗装部と凹部との間に水が滞留するのを防止でき、水の凍結が原因となって舗装部と凹部を形成する面との間の隙間が大きくなることを防止できるので、舗装部と凹部を形成する面との間の隙間に雑草の種子が入り込みにくくなり、雑草生育防止効果を向上できる。
凹部下壁面が、凹部底面側に弧の中心を持つ弧面により形成された境界ブロックによれば、当該弧面が、雑草の芽の下から上方向への伸びを妨害するため、雑草生育防止効果を向上できる。
本発明の舗装構成体によれば、雑草が、境界ブロックの凹部と舗装との間に生育しにくい舗装構成体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
最良の形態1
図1乃至図4は本発明の最良の形態1を示す。図1は歩車道境界ブロックの外観を示し、図2は歩車道境界ブロックを他端面から見て示し、図3は歩車道境界ブロックの凹部を拡大して示し、図4(a)は歩車道境界ブロックにより形成された歩道の構成を断面で示し、図4(b)は折り返し経路を拡大して示す。
【0007】
最良の形態1の境界ブロックとしての歩車道境界ブロック1は、互いに向かい合う一端面2と他端面3、互いに向かい合う下面4と上面5、下面4の一側縁6と上面5の一側縁7とを繋ぐ面により形成された一側面としての車道側側面8、車道側側面8と互いに向かい合う他側面としての歩道側側面9、凹部10を備え、一端面2から他端面3に向かう一方向に長い形状に形成される。
【0008】
歩車道境界ブロック1は、一端面2、他端面3、および、一方向と直交する断面の特徴形状が全て同じ形状である。即ち、この特徴形状が一端面2から他端面3まで連続した構成である。この特徴形状は、図2;図3に示すように、台形の上の2つの角部のうちの1つの角部が切り欠かれた凹部11を備えた台形類似形状である。台形類似形状は、台形の下辺12が下面4により形成され、台形の上辺13が上面5により形成され、台形の一側辺14が車道側側面8により形成され、台形の他側辺15が歩道側側面9により形成され、台形の他側辺15の上端側の角部が切り欠かれて形成された凹部11を備える。
【0009】
凹部11は、上辺5における他側辺15よりも一側辺14側に位置する他側縁21より立ち下がる凹部上壁辺22と、他側辺15における上辺5よりも下辺4側に位置する上端16から一側辺14の方向に延長して終端縁18が凹部上壁辺22の下端20よりも一側辺14に近い位置に設けられた凹部底辺17と、凹部底辺17の終端縁18と凹部上壁辺22の下端20とを繋ぐ凹部上壁辺としての折り返し辺19とにより形成される。凹部底辺17の凹部上壁辺22よりも終端縁18側に位置する凹部底辺17により小凹部底辺23が形成される。小凹部底辺23と折り返し辺19とによって小凹部25が形成される。
【0010】
よって、凹部11が一方向に連続してなる凹部10は、上面5における歩道側側面9よりも車道側側面8側に位置する他側縁36より立ち下がる凹部上壁面37と、歩道側側面9における上面5よりも下面4側に位置する上端縁31から車道側側面8の方向に延長して終端縁33が凹部上壁面37の下端縁35よりも車道側側面8に近い位置に設けられた凹部底面32と、凹部底面の終端縁33と凹部上壁面37の下端縁35とを繋ぐ平面により形成された凹部下壁面としての折り返し面34とにより形成される。凹部底面32の凹部上壁面37の下端縁35よりも車道側側面8に位置する凹部底面32により小凹部底面39が形成される。小凹部底面39と折り返し面34とによって小凹部40が形成される。つまり、凹部10が、凹部底面32と凹部上壁面37との境界部分に、小凹部底面39と折り返し面34とによって形成された小凹部40を備える。
【0011】
即ち、歩車道境界ブロック1は、図1に示すように、水平面により形成された下面4と、上面5と、車道側側面8と、歩道側側面9と、凹部10とを備え、凹部10が、凹部上壁面37と、凹部底面32と、凹部下壁面としての折り返し面34とにより形成された構成を備える。
【0012】
凹部10は、少なくとも2つの角、即ち、凹部10の凹部底面32と折り返し面34との境界部に形成された凹部角41と、凹部10の凹部上壁面37と折り返し面34との境界部に形成された凸部角42とを備える。凹部角41は、凹部底面32と折り返し面34とのなす角度αが90°よりも小さい角度、つまり、鋭角に形成される。この凹部角41の角度αは例えば60度程度に形成される。凸部角42は、凹部上壁面37と折り返し面34とのなす角度βが150度程度に形成される。凹部底面32は水平面により形成される。
【0013】
歩車道境界ブロック1は、一端面2と他端面3との間の長さをa、下面4と上面5との間の上下間長さをb、車道側側面8の下端と歩道側側面9の下端との間の幅長さをc1、上面の幅長さをc2、凹部底面32の始端縁となる歩道側側面9の上端縁31と終端縁33との間の長さをd、凹部上壁面37の上端縁となる上面5の他側縁36と凹部上壁面37の下端縁35との間の長さをe、凹部上壁面37の下端縁35と凹部底面32との間の長さをf、凹部上壁面37の下端縁35から垂直に降ろした線と交差する凹部底面32の位置である小凹部底面39の始端縁と終端縁33との間の長さをgとした場合、例えば、a=2000mm、b=250mm、c1=210mm、c2=130mm、d=60mm、e=25mm、f=15mm、g=10mmに形成される。
【0014】
図4を参照し、歩車道境界ブロック1を用いた舗装構成体としての歩道50の形成方法を説明する。歩道50と車道60とを区切る歩車道境界ブロック1を設置する部分の地面を掘削して基礎51を形成し、基礎51の上にコンクリート52を打設し、コンクリート52の上にモルタル53を敷設することによって、歩道と車道とを区切る境界地54を形成する。この境界地54のモルタル53の上に歩車道境界ブロック1の下面4を設置する。例えば、歩道50を形成する歩道形成予定部を取り囲む境界地54に、凹部10が歩道形成予定部側を向くように設置された複数の歩車道境界ブロック1の歩道側側面9に接する側において路床土55の上に路盤56を形成する。この路盤56は、歩車道境界ブロック1の歩道側側面9の上端縁31まで形成する。そして、路盤56の上にアスファルトやコンクリートのような舗装材を載せて舗装材を歩車道境界ブロック1の凹部10内に充填して、路盤56の上に舗装部57を形成する。舗装部57は、歩車道境界ブロック1の凹部上壁面37の上端縁(上面5の他側縁36)の高さ位置まで形成されることで、上面5と面一となるように形成される。
【0015】
即ち、歩道50は、図4に示すように、路盤56が歩車道境界ブロック1の他側面9の上端縁31の位置まで形成され、舗装材が凹部底面32と折り返し面34と凹部上壁面37とで形成された歩車道境界ブロック1の凹部10内に充填されて路盤56の上に舗装部57が形成された構成を備える。
【0016】
最良の形態1の歩車道境界ブロック1によれば、凹部10が、凹部底面32と折り返し面34とを備えたので、歩車道境界ブロック1の凹部10と舗装部57との間に形成される隙間経路は、折り返し面34と凹部底面32との境界部で折り返し部46が形成された折り返し経路45となり(図4(b)参照)、雑草の根や芽の伸びが当該折り返し経路45によって阻害される。即ち、歩車道境界ブロック1の凹部10と舗装部57との間に入り込んだ雑草の種子が発芽した場合に、根が路盤56まで伸びるためには折り返し経路45を経由しなければならないので、根が折り返し経路45を経由して路盤56やその下の路床土まで伸びにくくなり、雑草の根の成長を抑止できる。また、路盤56や路床土に混じった雑草の種子が発芽した場合に、芽が地上まで伸びるためには折り返し経路45を経由しなければならないので、芽が折り返し経路45を経由して地上まで伸びにくくなり、雑草の芽の成長を抑止できる。
【0017】
また、折り返し部46を形成する凹部角41が鋭角に形成されたので、根が折り返し部46を経由するためには根が折り返し部46で屈曲状態となって根に負担がかかるので、根が折り返し部46を経由して路盤56やその下の路床土まで伸びにくくなり、雑草の根の成長を抑止できる。また、芽が折り返し部46を経由するためには芽が折り返し部46で屈曲状態となって芽に負担がかかるので、雑草の芽の成長を抑止できる。
【0018】
また、最良の形態1の歩車道境界ブロック1は、凹部10が凸部角42も備える。即ち、凹部が、凹部角41と凸部角42とからなる複数の角を備え、複数の角が成長(伸び)を阻害する部分となるので、根や芽の成長防止効果をより向上できる。
また、凹部底面32を備えたので、凹部底面32に載置した舗装材を押圧することによって舗装材が小凹部40内に充填される。即ち、舗装材を小凹部40内に充填しやすい凹部底面32を備えた歩車道境界ブロック1を提供できる。
また、例えば、上面の他側縁36と凹部底面の終端縁33とを繋ぐ凹部壁を形成した場合、上面5の他側縁36付近が鋭角部となって強度が弱くなるため壊れ易くなる。一方、最良の形態1によれば、凹部上壁面37を備えたので、上面5の他側縁36付近に鋭角部が形成されず、小凹部40の上部に位置する部分の強度を損なわない。尚、歩車道境界ブロック1の小凹部40の上部に位置する部分の強度を担保するために、寸法e>寸法gとするとともに、寸法eを15mm〜100mm程度とすることが好ましい。例えば、アスファルト舗装の歩道に使用する歩車道境界ブロック1の場合には寸法eを15mmとし、コンクリート舗装の中央分離帯に使用する歩車道境界ブロック1の場合には寸法eを35mm〜85mmとする。
【0019】
最良の形態2
最良の形態2の歩車道境界ブロック1は、凹部10の凹部底面32が、水平面により形成された下面4に対して傾斜する傾斜面に形成された構成を備える。即ち、図5に示すように、凹部10の凹部底面32が、終端縁18から歩道側側面9の上端縁31にかけて傾斜して下る傾斜面により形成された構成とした。よって、歩車道境界ブロック1の水平な下面4を水平な境界地54に設置して、最良の形態1と同様の歩道50を形成することにより、凹部10の凹部底面32が、終端縁18から上端縁31にかけて傾斜して下る傾斜面により形成された歩道50を施工できる。
冬季に舗装部57と凹部10との間に水が滞留してしまうと、水が氷結して膨張することによって、舗装部57と凹部10を形成する面との間の隙間が大きくなったり、歩車道境界ブロック1にクラックを生じさせる可能性がある。
最良の形態2によれば、歩道50の舗装部57と凹部上壁面37との間から浸入した水が傾斜面である凹部底面32上を通過して地中に流下するので、舗装部57と凹部10との間に水が滞留するのを防止できる。このため、舗装部57と凹部10を形成する面との間の隙間を大きくしたり、歩車道境界ブロック1にクラックを生じさせる原因を防止できる。そして、舗装部57と凹部10を形成する面との間の隙間を大きくする原因を防止できるので、舗装部57と凹部10を形成する面との間の隙間に雑草の種子が入り込みにくくなり、雑草生育防止効果を向上できる。
【0020】
最良の形態3
図6に示すように、折り返し面34が、凹部底面32側に弧の中心を持つ弧面により形成された歩車道境界ブロック1であってもよい。このように折り返し面34が弧面により形成された構成とすれば、路盤56や路床土に混じった雑草の種子が発芽した場合に、芽の上昇を抑止する効果が高くなる。即ち、隙間経路が下から上方向に直線状である場合は、植物の芽はこの直線状の隙間経路に沿って下から上方に伸びやすいが、最良の形態3によれば、折り返し面34が凹部底面32側に弧の中心を持つ弧面により形成されたので、当該弧面と舗装部57との間に形成される隙間経路が下方から上方に向けて曲がる曲線状となるため、当該弧面が、雑草の芽の下から上方向への伸びを妨害する。また、折り返し面34が弧面により形成されたことで、小凹部40内への舗装材の充填性が増し、舗装材と弧面との密着性を良好とできるので、舗装材と弧面と隙間を小さくできる。よって、舗装材と弧面と間への雑草の根や芽の浸入防止効果が高まるため、雑草生育防止効果を向上できる。
【0021】
尚、上述した最良の形態によれば、凹部下壁面を折り返し面34により形成したが、図7乃至図9に示した構成のような凹部下壁面65を備えた歩車道境界ブロック1であってもよい。即ち、凹部10が複数の角を備え、かつ、舗装部57との間に折り返し経路45を形成する小凹部40を備えた構成の歩車道境界ブロック1であってもよい。例えば、図7に示すように、コ字形状の小凹部40を形成する凹部下壁面65を備えた構成の歩車道境界ブロック1や、図8に示すように、くの字状の小凹部40を形成するとともに小凹部底面39とで鋭角の凹部角41を形成する凹部上壁面65を備えた構成の歩車道境界ブロック1でもよい。また、図9に示すように、階段状の小凹部40を形成する凹部下壁面65を備えた構成の歩車道境界ブロック1であってもよい。
以上のような構成の歩車道境界ブロック1によれば、凹部10と舗装部57との間に折り返し経路45を形成できるので、折り返し経路45によって、根が路盤や路床土まで伸びることや芽が地上まで伸びることを防止でき、凹部10と舗装部57との間に雑草を生育させにくい歩車道境界ブロック1が得られる。さらに、凹部10を形成する面と面とで形成された角を複数有した凹部10を備えるので、複数の角によって、根が路盤や路床土まで伸びることや芽が地上まで伸びることを防止でき、凹部10と舗装部57との間に雑草を生育させにくい歩車道境界ブロック1が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の境界ブロックは、中央分離帯のような舗装構成体を形成する際の境界ブロックとしても使用できる。つまり、本発明の境界ブロックは、境界ブロックの下面が図外の設置面に設置され、設置面に設置された境界ブロックの他側面の上端縁まで土が盛られて図外の地盤が形成され、舗装材が地盤の上に設けられるとともに凹部底面と凹部下壁面と凹部上壁面とで形成された凹部内に充填されて形成された歩道や中央分離帯のような舗装構成体を形成する場合に使用でき、舗装部と凹部との間に雑草を生育させにくい舗装構成体を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】歩車道境界ブロックを示す斜視図(最良の形態1)。
【図2】歩車道境界ブロックを他端面から見た端面図(最良の形態1)。
【図3】歩車道境界ブロックの凹部を示す拡大図(最良の形態1)。
【図4】歩道の断面図(最良の形態1)。
【図5】歩車道境界ブロックの凹部を示す拡大図(最良の形態2)。
【図6】歩車道境界ブロックの凹部を示す拡大図(最良の形態3)。
【図7】歩車道境界ブロックの凹部を示す拡大図(他の例)。
【図8】歩車道境界ブロックの凹部を示す拡大図(他の例)。
【図9】歩車道境界ブロックの凹部を示す拡大図(他の例)。
【符号の説明】
【0024】
1 歩車道境界ブロック、4 下面、5 上面、8 車道側側面(一側面)、
9 歩道側側面(他側面)、10 凹部、32 凹部底面、
34 折り返し面(凹部下壁面、傾斜面)、37 凹部上壁面、
50 歩道(舗装構成体)、54 境界地、56 路盤、57 舗装部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面と、上面と、下面の一側縁と上面の一側縁とを繋ぐ一側面と、一側面と向かい合う他側面とを備えた境界ブロックにおいて、上面における他側面よりも一側面側に位置する他側縁より立ち下がる凹部上壁面と、他側面における上面よりも下面側に位置する上端縁から一側面の方向に延長して終端縁が凹部上壁面の下端縁よりも一側面に近い位置に設けられた凹部底面と、凹部底面の終端縁と凹部上壁面の下端縁とを繋ぐ凹部下壁面とを備えたことを特徴とする境界ブロック。
【請求項2】
凹部下壁面と凹部底面とのなす角度が鋭角に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の境界ブロック。
【請求項3】
下面が水平面により形成され、凹部底面が水平面に対して傾斜する傾斜面により形成され、傾斜面が、凹部底面の終端縁から他側面の上端縁にかけて下る傾斜面により形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の境界ブロック。
【請求項4】
凹部下壁面が、凹部底面側に弧の中心を持つ弧面により形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の境界ブロック。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の境界ブロックの下面が設置面に設置され、地盤が設置面に設置された境界ブロックの他側面の上端縁まで形成され、舗装材が、地盤の上に設けられるとともに凹部底面と凹部下壁面と凹部上壁面とで形成された凹部内に充填されて形成されたことを特徴とする舗装構成体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−280733(P2008−280733A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125592(P2007−125592)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504165579)株式会社三協技術 (3)
【Fターム(参考)】