説明

壁面被覆用フィルム、農業用フィルム展帳ハウス用ドア及び農業用フィルム展帳ハウス

【課題】農業用フィルム展帳ハウスのドア部、妻面部あるいは側面部に展張するだけで防虫換気窓を備えられる壁面被覆用フィルム、このフィルムが展帳された農業用フィルム展帳ハウス用ドア及び農業用フィルム展帳ハウスを提供すること。
【解決手段】農業用フィルムよりなり枠状の取付対象物又は取付対象個所に展帳される本体フィルム2Aと、本体フィルム2Aに設けられた防虫換気窓3Aと、を備え、防虫換気窓3Aは、本体フィルム2Aに切り開かれた窓用開口4Aの周辺部に固着され該窓用開口4Aの全面に展帳されたメッシュシート7Aと、窓用開口4Aの全面を閉じうる窓フィルム5Aと、窓用開口4Aの少なくとも対向2B辺の端縁部、及びこれに対応した窓フィルム5Aの端縁部に固着され窓フィルムを開閉するファスナ6Aと、を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用ハウス、園芸用プラスチックハウス、温室などと称される農業用フィルムで覆われた農業用フィルム展帳ハウスのドア部、妻面部あるいは側面部に展張される防虫換気窓を備えた壁面被覆用フィルム、このフィルムが展帳された農業用フィルム展帳ハウス用ドア及び農業用フィルム展帳ハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
農業用フィルム展帳ハウスにおいては、通気性、適度な湿度及び保温性の確保と、害虫の侵入を阻止する種々の工夫が提案されており、またフィルムの骨組への簡易な取着構造が提案されている。
【0003】
特許文献1には、換気を取るための窓部を通して温室内へ虫が侵入することを防虫ネットを用いて防止する温室用防虫ネット張設装置が提案されている。この温室用防虫ネット張設装置は、一端が換気窓に他端が開口部にネット固定具により固定され、換気窓が開放されたときに形成される開口部分を囲繞する防虫ネットと、換気窓が開放されるとき防虫ネットを伸張するネット案内規制部材とを備えてなる。
【0004】
特許文献2には、ハウス内の通気を取るための窓用開口を設けると共に、ハウス内の保温性を確保するため窓用開口を覆う蓋体を巻き上げ開閉式に設けかつ窓用開口の周縁部と蓋体の周縁部とが面ファスナで開閉自在に係止させる農業用ハウスが提案されている。
【0005】
特許文献3には、可撓性フィルムで被覆した農業用ハウスにおいて、ハウスの妻面を被覆する可撓性フィルムの上部に換気口を開設し、該換気口の下辺部の閉鎖シート片の下辺部を固着し、該閉鎖シート片の下辺部以外の端縁がファスナによって着脱自在とされた農業用ハウスが提案されている。
【0006】
特許文献4には、網室、温室等として利用される防虫ネットが提案されている。この防虫ネットは、半円筒面の屋根面及び半円状の両端面を覆うように形成され内部に円弧状に湾曲可能な複数の支柱を骨組みして蒲鉾形に立体展開され、端面部にファスナによって開閉される出入口を備えている。
【0007】
特許文献5には、農作物、園芸用植物などを栽培する際に使用される園芸用プラスチックハウスが提案されている。このハウスは、ハウス骨組の屋根部と両端面の上部を網目状樹脂シートの透明被覆材で覆い、ハウス骨組の他の部分を農業用透明プラスチックフィルムで覆い、網目状樹脂シートの透明被覆材と農業用透明プラスチックフィルムとを高周波による融着してなる。
【0008】
特許文献6には、スライド自在な扉本体にフィルムを二重張りしたビニルハウス用扉が提案されている。このビニルハウス用扉は、矩形形状の枠体の縦枠の外側面に、フィルム止め手段を嵌合することにより外側樹脂フィルムの端縁を挟み込み該外側樹脂フィルムを張設するとともに、また内側面の長手方向へ伸延する溝孔部にフィルム押さえ板を嵌合することにより内側樹脂フィルムの端縁を挟み込み該内側樹脂フィルムを張設し、フィルム二重張り構造としてなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−101772号公報
【特許文献2】特開2000−217444号公報
【特許文献3】特開2004−154078号公報
【特許文献4】特開2008−223272号公報
【特許文献5】特開平6−209657号公報
【特許文献6】特開2008−5799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記特許文献1〜6を今度の発明をするための技術資料とし、鋭意に研究し思考を積み重ねた結果案出したもので、農業用フィルム展帳ハウスのドア部、妻面部あるいは側面部に展張するだけで防虫換気窓を備えられる壁面被覆用フィルム、このフィルムが展帳された農業用フィルム展帳ハウス用ドア及び農業用フィルム展帳ハウスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の壁面被覆用フィルムは、農業用フィルムよりなり取付対象物又は取付対象個所に展帳される本体フィルムと、前記本体フィルムに設けられた防虫換気窓と、を備え、前記防虫換気窓は、前記本体フィルムに切り開かれた窓用開口と、前記窓用開口の全面を閉じる窓フィルムと、前記窓用開口の端縁部及びこれに対応した前記窓フィルムの端縁部に固着され前記窓フィルムを開閉するファスナと、前記窓用開口の周辺部に固着され該窓用開口の全面に展帳されたメッシュシートと、前記窓フィルムを開いたときに該窓フィルムを前記本体フィルムに係止する係止具と、を有してなることを特徴とする。
【0012】
また上記目的を達成するために、本発明の防虫換気窓付きドアは、農業用フィルム展帳ハウスのドアを構成するためのドア枠と、前記ドア枠に展帳された上記壁面被覆用フィルムと、を有することを特徴とする。
【0013】
また上記目的を達成するために、本発明の農業用フィルム展帳ハウスは、ハウスのドア枠、又はハウスの骨組の妻面部あるいは側面部を構成する枠部に、上記壁面被覆用フィルムが展帳されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、農業用フィルム展帳ハウスのドア部、妻面全面あるいは側面部に展張するだけで、ドア部、妻面全面あるいは側面部を農業用フィルムで閉塞すると同時に、防虫換気窓を備えることができる壁面被覆用フィルムを提供することができ、並びにこのフィルムを展帳するだけで防虫換気窓を備えた農業用フィルム展帳ハウス用ドア及び農業用フィルム展帳ハウスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る壁面被覆用フィルムを一部切り欠いて示す正面図である。
【図2】図1に示す壁面被覆用フィルムの製造方法の最初の工程を示す正面図である。
【図3】図2に示す工程の次の係止具取付工程を示す正面図である。
【図4】図3に示す工程の次のファスナ取付工程を示す正面図である。
【図5】図4に示す工程の次のメッシュシート取付工程を示す裏面図である。
【図6】図1の壁面被覆用フィルムの防虫換気窓を開いた状態の縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る壁面被覆用フィルムを一部切り欠いて示す正面図である。
【図8】図7の壁面被覆用フィルムの製造方法の最初の工程を示す正面図である。
【図9】図8に示す工程の次のファスナ取付工程を示す正面図である。
【図10】(a)は図9におけるXa−Xa断面図であり、(b)は図10におけるXb−Xb断面図である。
【図11】図8に示す工程の次のメッシュシート取付工程を示す裏面図である。
【図12】図7に示す壁面被覆用フィルムの防虫換気窓を開いた状態の概略の縦断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る壁面被覆用フィルムを一部切り欠いて示す正面図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る壁面被覆用フィルムを一部切り欠いて示す正面図である。
【図15】(a)は図14におけるXVa−XVa断面図であり、(b)は(a)のXVb部分の拡大図である。
【図16】本発明の実施形態に係る壁面被覆用フィルムを展帳した防虫換気窓付きドアを一部切り欠いて示す正面図である。
【図17】本発明の実施形態に係る壁面被覆用フィルムをドア、妻面部及び側面部に展帳した農業用フィルム展帳ハウスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。最初に、以下に説明する複数の実施形態の壁面被覆用フィルムに共通する構成を説明し、次に、壁面被覆用フィルムについて複数の実施形態を説明し、続いて防虫換気窓付きドア及び農業用フィルム展帳ハウスについて説明する。
【0017】
<実施形態に共通する基本的構成>
はじめに、第1の実施形態の他の実施形態と共通する基本的構成を図1〜6に用いて説明する。他の実施形態に関しては、対応する各用語に付されている符号で読み替えるものとする。
【0018】
壁面被覆用フィルム1Aは、農業用フィルムよりなり農業ハウスのドア枠等に展帳される本体フィルム2Aと、この本体フィルム2Aに設けられた防虫換気窓3Aとを有してなる。
【0019】
本体フィルム2Aは、骨組が農業用フィルムで覆われた農業用ハウス、園芸用プラスチックハウス、温室等の農業用フィルム展帳ハウスの枠状物又は枠状取個所(具体的には、ドア枠、妻面部あるいは側面部を構成する枠部)に展帳される。
【0020】
本体フィルム2Aは、フィルム周縁部をドア枠又はその他の枠部に重ねられ、該ドア枠又はその他の枠部にフィルム止め手段を固着することによりフィルム周縁部が該ドア枠又はその他の枠部とフィルム止め手段に挟み込まれ、もって該ドア枠又は該枠部に展帳される。
【0021】
本体フィルム2Aは、保温性、耐候性、防曇性、防霧性、透明性、非べたつき性、防塵性、耐久性、長期展張性などの機能を備えた農業用ビニルフィルムや農業用ポリオレフィン系フィルムである農業用フィルムが好ましく、市販品から適宜に選択すれば足りる。
【0022】
防虫換気窓3Aは、本体フィルム2Aに切り開かれた窓用開口4Aと、この窓用開口4Aの全面を閉じる窓フィルム5Aと、この窓フィルム5Aを開閉する窓フィルム開閉手段であるファスナ6Aと、窓用開口4Aの全面に展帳されたメッシュシート7Aと、窓フィルム5Aを開いたとき垂れ下がる窓フィルム5Aを本体フィルム2Aに重なる状態に係止する係止具8Aとを有してなる。
【0023】
窓用開口4Aは、本体フィルム2Aに製作時の初期形状としてファスナ取付位置指示線(又はミシン目状切り込み線でもよい。以下においても同じ。)11Aが設けられ(図2参照)、このファスナ取付位置指示線11Aに沿ってファスナ6Aが取り付けられ(図3参照)、その後に反対面からナイフでファスナ取付位置指示線11Aに沿って切り込み線10Aが入れられることによって形成されている。さらに、切り込み線10Aが入れられることで、舌状で窓用開口4Aを閉じる窓フィルム5Aが形成されている。
【0024】
窓フィルム5Aは、一辺(下辺)が本体フィルム2Aに繋がっている舌状片が使われているので、経済的でコストを抑えられ手間がかからないと共に、窓用開口4Aに対し位置ずれすることなく全閉状態に重なる。
なお、窓フィルムについて、上記と異なる構成として、別途に窓フィルムを構成するためのフィルムを用意する場合には、用意する分だけフィルム代がコスト高になりさらに形取りする手間がかかりコスト高になり、窓用開口4Aに対する窓フィルムの位置合わせが難しく、この位置合わせをして上でファスナ6Aを取付ける必要があるからファスナ6Aを取付けが非常に難しくなるという問題がある。本実施形態には本体フィルム2Aの一部である舌状片が使われているためこの問題がない。
【0025】
ファスナ6Aは、ファスナ取付位置指示線11Aに合わせ、一方を本体フィルム2Aに固定されていると共に他方を窓フィルム5Aに固定されている(図1参照)。このファスナ6Aを取付けた後に、ファスナ取付位置指示線11Aは、全ての繋がり部分を裏面から切られている。本発明に係る壁面被覆用フィルム1Aは、ファスナ取付位置指示線11Aの繋がり部分を切断しても、繋がり部分があったことの形跡が微妙に残る。
【0026】
メッシュシート7Aは、ファスナ取付位置指示線11Aの繋がり部分が切られた後に、本体フィルム2Aのファスナ6Aが取り付けられた面と反対側の面に窓用開口4Aの全面に展帳状態となるように取り付けられている。
メッシュシート7Aの取り付けは縫製により行われている。メッシュシート7Aは、窓用開口4Aに全閉状態に重ね、かつ周縁部を窓用開口4Aの全周縁に例えば10〜15mm幅でオーバーラップさせて縫製により固着されている。
【0027】
図1に示すように、係止具8Aは、面ファスナが用いられ、窓フィルム5Aが窓用開口4Aから垂れ下がりほぼ密着状態において雌雄のファスナエレメント同士が組み付いて窓フィルム5Aを本体フィルム2Aに係止する機能を有し、これにより、窓フィルム5Aが風であおられてもひらひらするのを抑えると共にざわざわとした騒音の発生を抑え、また引き千切れてしまうのを回避する。
【0028】
壁面被覆用フィルム1Aは、本体フィルム2Aに防虫換気窓3Aを備えてなるので、後述するように、ドア枠等に展帳するだけで防虫換気窓を簡便に低コストで設置できる。防虫換気窓3Aは、窓用開口4Aの全面にメッシュシート7Aを展帳した構成であることにより、窓フィルム5Aを開いたときに虫の侵入を防止することができて、そして、窓用開口4Aに対して窓フィルム5Aをファスナ6Aによって開閉できることにより、メッシュシート7Aを通して換気を確保することができ、また雨天時には窓フィルム5Aを全閉して雨の侵入を防ぐ役目を果たす。従って、壁面被覆用フィルム1Aをドア枠等に展帳するだけで、農業用フィルム展帳ハウスに防虫換気窓を簡易に設けることができる。
【0029】
この実施形態では、角ばった門形なファスナ取付位置指示線11Aを形成し、ファスナ6Aを設けてから、ファスナ取付位置指示線11Aの繋がり部分を切って窓用開口4Aを形成するので、ファスナ6Aの取付けに際してフィルム同士の位置ずれが生じることがないからファスナ6Aの取付け易く生産性が高い。これに対し、ミシン目状ではない連続した切り込み線を付与してからファスナ6Aを設ける場合には、切り込み線を付与した時点で窓用開口と窓フィルムが同時形成されるから、ファスナ6Aを重ねて取付ける際に、窓フィルム5Aが本体フィルム2Aに対して移動し易く、位置合わせに手間がかかることになる。
【0030】
<第1の実施形態>
図1に示す第1の実施形態の壁面被覆用フィルム1Aは、上記基本的構成を備えている他に、以下の構成を備えている。
【0031】
壁面被覆用フィルム1Aは、図2に示すように、本体フィルム2Aに、製作時の初期工程として例えばテンプレートを宛がい、その輪郭をマジックインク(登録商標)により倣って描画することにより形成されるアーチ状のファスナ取付位置指示線11Aと、折り線指示線12Aと、基準線13Aとが付与される。ファスナ取付位置指示線11Aは、上向きに凸の半円形部とその両端より下方へ延びる直線部とからなるアーチ状の形状である。折り線12Aは、窓用開口4Aの全開時の折り線位置を指示する線である。基準線13Aは、ファスナ6Aの両端の取付位置を指示する線である。窓用開口4Aを形成するためのファスナ取付位置指示線11Aに沿って本体フィルム2Aに入れられる切り込み線10A(図1参照)の端は、折り線指示線12Aと基準線13Aとの間で位置している。
【0032】
そして、図3に示すように、窓フィルム5Aに縫製された雌雄対の面ファスナエレメント8A1〜8A4とバンド8A5とからなる複数対の係止具8Aが取付けられ、次いで、図4に示すように、ファスナ取付位置指示線11Aに沿ってファスナ6Aが縫製により取付けられ、ここで切り込み線10Aが入れられ、続いて、図5に示すように、ファスナ6Aと反対側の面よりドーム形の窓用開口4Aが形成され、窓用開口4Aの全面にメッシュシート7Aを展帳されてなる。なお、雌雄対の面ファスナエレメント8A1〜8A4とバンド8A5の取り付け位置は、前記テンプレートに設ける開口の輪郭をマジックインク(登録商標)により倣って描画する。バンド8A5を取付ける段階を、メッシュシート7Aを展帳した後までの任意の段階とすることができる。また、本体フィルム2Aのファスナ取付位置指示線11Aに対応する部分に切り込みを入れる段階を、メッシュシート7Aを展帳した後とすることができる。
【0033】
図4に示すように、ファスナ6Aは、左右に平面状に並ぶ一対のテープ状の基材6A1,6A2と、各基材の対向縁部に取り付けられ凹部と凸部が配列方向の前後面に備えている多数の務歯6A3,6A4と、左右の複数の務歯を抱え込んでいる2つのつまみ付きスライダ6A5,6A5とからなる。
ファスナ6Aは、スライダ6A5,6A5を互いに離間する方向に動かすことで左右の務歯同士の組み合わせを順に解いて開いていき、また他方向に動かすことで務歯同士いく構成であり、基材が鞄や衣類等に縫製により固定されるタイプである。
ファスナ6Aは、窓用開口4Aを全開した状態ではスライダ6A5,6A5が両側下端に位置し、スライダ6A5,6A5が上方向へ移動され上部中央で近接すると窓用開口4Aを全閉する。
【0034】
ファスナ6Aは、務歯6A3,6A4同士を全長に渡り線状に噛み合わされた状態で、この噛み合わせ線がファスナ取付位置指示線11Aに合わされ、一方の基材6A1が本体フィルム2Aのファスナ取付位置指示線11Aに沿った外側近傍に縫製により固定され、他方の基材6A2が本体フィルム2Aのファスナ取付位置指示線11Aに沿った内側近傍に縫製により固定されている。
【0035】
図4に示すように、ファスナ6Aは、ファスナ取付位置指示線11Aが設けられた後に設けられる。ファスナ6Aが設けられた後に本体フィルム2Aのファスナ取付位置指示線11Aに対応する部分が切断され、これにより、窓用開口4Aが形成されるとともに本体フィルム2Aの一部である舌状片が窓フィルム5Aとなる。図4に示すように、メッシュシート7Aは、ファスナ6Aの固着後で窓フィルム5Aを垂らして窓用開口4Aを開いて本体フィルム2Aを平坦に保持した状態で、該ファスナ6Aとは反対側から本体フィルム2Aに重ねられ縫製により固着されている。図4において、点線で示す外側部分がメッシュシート7Aと本体フィルム2Aとの固着面である。なお、このファスナ6Aは、スライダ6A5を1つ備える構成であっても良い。
【0036】
図3に示すように、係止具8Aは、窓フィルム5Aのファスナ6Aの円弧部の内側配置に縫製により固定された複数の雌型の面ファスナエレメント8A1と、窓フィルム5Aの折線12Aより上側近傍の両側及び中央の3位置に縫製により固定された複数の雌型の面ファスナエレメント8A2と、本体フィルム2Aの折線12Aより下側近傍の両側及び中央の3位置に縫製により固定された複数の雄型の面ファスナエレメント8A2と、窓用開口4Aの下方に位置して本体フィルム2Aに縫製により固定された複数の雄型の面ファスナエレメント8A4と、バンド8A5とからなる。
ファスナ6Aを開動して窓用開口4Aを全開し窓フィルム5Aが本体フィルム2Aに密着するように折線12Aより垂れ下がった状態にすると、雌雄対の面ファスナエレメント8A2と8A3とが対面して組み付くと共に、雌雄対の面ファスナエレメント8A1と8A4とが対面して組み付く。なお、雌型の面ファスナエレメント8A1〜8A4は雌雄が逆となる配置に設けられてもよい。
バンド8A5は、農業用フィルムより成り、両端を本体フィルム2Aに高周波溶着されている。図6に示すように、窓フィルム5Aを折線12Aより垂れ下がる状態にするときには、該窓フィルム5Aをバンド8A5に潜らせてから雌雄対の面ファスナエレメント同士を組み付ける。これにより、バンド8A5は、垂れ下がる窓フィルム5Aを抑えることができる。
【0037】
上記のように構成された係止具8Aは、窓フィルム5Aが窓用開口4Aから垂れ下がる状態で面ファスナエレメント同士が組み付いて窓フィルム5Aを本体フィルム2Aに係止し、さらにバンド8A5が窓フィルム5Aを抑え込み、該窓フィルム5Aが風であおられてもひらひらするのを抑えると共にざわざわとした騒音の発生を抑え、また引き千切れてしまのを回避する機能を有する。
【0038】
<第2の実施形態>
図8に示す第1の実施形態の壁面被覆用フィルム1Bは、上記基本的構成を備えている他に、以下の構成を備えている。
【0039】
壁面被覆用フィルム1Bは、本体フィルム2Bが用いられる。壁面被覆用フィルム1Bは、図8に示すように、製作時の初期形状として本体フィルム2Bに門形のファスナ取付位置指示線(又はミシン目状切り込み線、以下同じ。)10Bが付与されると共に、合わせ面が横長矩形の補強フィルム9Bが本体フィルム2Bに重ねられ、かつ補強フィルム9Bの上辺がファスナ取付位置指示線11Bの両側の下端に合わされ、補強フィルム9Bの全面が本体フィルム2Bに縫製により固着されている。ファスナ取付位置指示線11Bは、両側の縦線部と両縦線部の上端同士を横線部と角丸部とで繋いだ門形形状である。
【0040】
壁面被覆用フィルム1Bは、補強フィルム9Bを固着された後に、図9に示すように、ファスナ取付位置指示線11Bに沿って本体フィルム2Bの一方の面にファスナ6Bが宛がわれ縫製により固着され、さらにその後に、反対面よりファスナ取付位置指示線11Bの全ての繋がり部分を切られていることにより、窓用開口4Bと本体フィルム2Bの一部である舌状片よりなり窓用開口4Bを閉じる窓フィルム5Bとが形成されている。補強フィルム9Bは、窓フィルム5Bが開け閉めを繰り返されても、切り込みの両端が切り広がるのを防止する機能がある。
【0041】
ファスナ6Bは、フィルム製の食品パッケージなどに採用されている構造のスライダ付きのファスナが採用される。図10(a),(b)に示すように、ファスナ6Bは、雄型係合条体6B1と、雌型係合条体6B2と、該雄型係合条体6B1と該雌型係合条体6B2に係合し移動されることにより該雄型係合条体6B1と該雌型係合条体6B2とを嵌合し又は嵌合状態から離間する2つのつまみ付きスライダ6A3とからなる。
【0042】
図9、図10(a),(b)に示すように、ファスナ6Bは、雄型係合条体6B1と雌型係合条体6B2とが全長に渡り嵌合した状態で、雄型係合条体6B1を支持する雄型係合条体支持フィルム6B4が門形のファスナ取付位置指示線11Bの外縁に沿って本体フィルム2Bに重ねられ縫製により固着され、また雌型係合条体6B2を支持する雌型係合条体支持フィルム6B5が門形のファスナ取付位置指示線11Bの内縁に沿って窓フィルム5Bに重ねられ縫製により固着されている。
【0043】
これにより、ファスナ6Bは、雄型係合条体6B1と雌型係合条体6B2とが、該門形のファスナ取付位置指示線11Bの内縁と外縁に沿って別々に固着された一対の雄型と雌型の係合条体支持フィルム6B4,6B5の合掌状に立ち上がる部分に対向にして全長に渡り嵌合した状態に設けられている。なお、雄型係合条体6A1と雌型係合条体6B2の下端同士は開かないようにかつスライダ6B3が脱出しないようにするための溶着部6B6が設けられている(図7)。
【0044】
このファスナ6Bは、スライダ6B3が2つあり、2つのスライダ6B3を左右に離間していき、さらにコーナーから引き下げていくことにより、窓フィルム5Bを開いていくことができる。なお、このファスナ6Bは、スライダが1つのみ備えている構成であっても良い。
【0045】
そして、図11に示すように、この壁面被覆用フィルム1Bは、本体フィルム2Bのファスナ6Bと反対側の面にメッシュシート7Bが重ねられ、メッシュシート7Bの周縁部が本体フィルム2Bの窓用開口4Bの周縁部に縫製により固着されてなる。
【0046】
係止具8Bは、第1の実施形態に係る係止具8Aと同一に設ける方がよいが、ここでは、別の構成を示している。図7に示すように、係止具8Bは、バンド8B1と、短尺雄型の面ファスナエレメント8B2と、短尺雌型の面ファスナエレメント8B3とからなる。バンド8B1は、高強度性を有するフィルム製であり、窓フィルム5Bの裏面側(メッシュシート7Bと挟まれる位置)に縦長に配置され、その下端を窓フィルム5Bの下端部に縫製(溶着等でもよい)により固着されている。短尺雄型の面ファスナエレメント8B2はバンド8B1の上端裏面側に固着されている。雌型の短尺面ファスナエレメント8B3は本体フィルム2Bの表面の窓フィルム5Bの下側位置に固着されている。そして、図12に示すように、開いて丸めた窓フィルム5Bをバンド8B1で締め付け、雄型の面ファスナエレメント8B2と雌型の面ファスナエレメント8B3とを係合する。
【0047】
<第3の実施形態>
図13に示す第3の実施形態の壁面被覆用フィルム1Cは、上記基本的構成を備えている他に、以下の構成を備えている。
【0048】
窓用開口4C及び本体フィルム2Cの一部である舌状片の窓フィルム5Cは、本体フィルム2Cに左右の縦線部と両縦線部の上端同士を結ぶ横線部とからなる門形のファスナ取付位置指示線(又はミシン目状切り込み線、以下同じ。)10Cを設け、メッシュシート7Cを設ける前に、このファスナ取付位置指示線の繋がり部分を裏面からナイフで切断されることにより形成されている。
【0049】
補強フィルム9Cは、ファスナ取付位置指示線11Cの左右の縦線部の下端に補強フィルム9Cの上端を合わされ、縫製により本体フィルム2Cに固着されている。
【0050】
ファスナ6C,6Cは、第2の実施形態のファスナ6Bと同一構造のものが使用され、直線状であり、ファスナ取付位置指示線11Cの左右の縦の切り込み部分に沿って左右1対に設けられている。ファスナ6C,6Cは、雄型係合条体6C1を支持する雄型係合条体支持フィルム6C4が門形のファスナ取付位置指示線11Cの縦線部の外側に沿って本体フィルム2Cに重ねられ縫製により固着され、また雌型係合条体6C2を支持する雌型係合条体支持フィルム6C5が門形のファスナ取付位置指示線11Cの内縁に沿って窓フィルム5Cに重ねられ縫製により固着されている。なお、雄型係合条体支持フィルム6C4と雌型係合条体支持フィルム6C5の取付けを、上記の縫製によらないでシートシールとすることができる。
【0051】
ファスナ6C,6Cは、雄型係合条体6C1と雌型係合条体6C2の下端同士が開かないようにかつスライダ6C3が脱出しないようにするための溶着部6C6が設けられ、また雄型係合条体6C1と雌型係合条体6C2の上端同士が開かないようにかつスライダ6C3が脱出しないようにするための溶着部6C7が設けられている。
【0052】
メッシュシート7Cは、本体フィルム2Cのファスナ6Cが設けられた面と反対側の面に窓用開口4Cの全面に展帳するように重ねられ、周縁部を窓用開口4Cの周縁部に縫製により固着されている。係止具8Cは、第1の実施形態の係止具8Aと同一構造であり、対応する符号を付して説明を省略する。
【0053】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る壁面被覆用フィルム1Dを図14に示す。この壁面被覆用フィルム1Dは、上記基本的構成を備えている他に、以下の構成を備えている。
【0054】
図15(a),(b)に示すように、窓フィルム5Dは、本体フィルム2Dに窓用開口4Dを設けるためのファスナ取付位置指示線(又はミシン目状切り込み線、以下同じ。)10Dを入れることで生じる舌状片5D1と、別のフィルムによりこの舌状片5D1よりも一回り大きく形成されこの舌状片5D1に重ねて縫製により積層された拡張フィルム5D2とからなる。
【0055】
補強フィルム9Dは、ファスナ取付位置指示線11Dの左右の縦線部の下端に補強フィルム9Dの上端を合わされ、縫製により本体フィルム2Dに固着されている。
【0056】
上記のように、拡張フィルム5D2と補強フィルム9Dは、舌状片5D1を形成している切り込みの両側端が切り広がることを防止する機能を有する。
【0057】
窓フィルム5Dを開閉する窓フィルム開閉手段としての面ファスナ6Dは、本体フィルム2Dに固定された雄型の面ファスナエレメント6D1と、窓フィルム5Dに固定された雌型の面ファスナエレメント6D2とからなる。雄型の面ファスナエレメント6D1と雌型の面ファスナエレメント6D2は、各背面に粘着剤を塗布されさらに離型紙(図示しない)で隠蔽されていて、この離型紙が剥離されて窓用開口4Dに臨む三方の端縁に接着されさらに縫製により固定されている。
【0058】
さらに、本体フィルム2Dの窓フィルム5Dとは反対側の面に、メッシュシート7Dが重ねられ、メッシュシート7Dの周縁部が本体フィルム2Dの窓用開口4Dの周縁部に縫製により固着されてなる。また、窓フィルム5Dを開いて該窓フィルム5Dを保持する係止具8Dを備えている。係止具8Dは、第1の実施形態の係止具8Aと同一構造であり、対応する符号を付して説明を省略する。
【0059】
<第5の実施形態>
図16は防虫換気窓付きドアの実施形態を示す。この防虫換気窓付きドアDは、農業用フィルム展帳ハウスのドアを構成するための縦桟と横桟とを有するドア枠D1に図1に示す壁面被覆用フィルム1Aが展帳されてなる。このように、ドア枠D1に壁面被覆用フィルム1を展帳するだけで防虫換気窓3を備えた農業用フィルム展帳ハウスに適したドアDを簡便に構成することができる。ドア枠D1への壁面被覆用フィルム1の展帳には、例えば特許文献6に示す展帳技術を採用することができ、ドア枠D1の外側面に凹条部を備え、この凹条部にフィルム止め手段を嵌合することにより壁面被覆用フィルム1の端縁を挟み込む。
【0060】
<第6の実施形態>
図17は農業用フィルム展帳ハウスの実施形態を示す。この農業用フィルム展帳ハウスHは、農業用ハウス、温室等のハウスのドア枠、又はハウスの骨組による面を構成する枠部に、図1に示す壁面被覆用フィルム2BがドアD、妻面、側壁面に展帳され、複数の防虫換気窓3を備えている。
【0061】
上述した図11に示す防虫換気窓付きドアD及び図12に示す農業用フィルム展帳ハウスHでは、第1の実施形態に示す壁面被覆用フィルム1Aが展帳されているが、これに限定されず、第2〜4の実施形態に示す壁面被覆用フィルム1B〜1Dが展帳されていてもよい。
【0062】
<その他の実施形態>
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて把握される技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態を含む。
【0063】
(1)本体フィルムは、矩形に限定されるものでなく、例えば農業用フィルム展帳ハウスの枠状物又は枠状取個所が矩形以外の形状に形成されている場合には、その矩形以外の形状に対応した形状とされ該枠状物又は該枠状取個所に展帳される。そして、防虫換気窓3も、矩形に限定されるものでなく、例えば上部が半円形であっても良い。
(2)実施形態におけるメッシュシート7Aの本体フィルムへの取り付けは縫製により行われている。この場合には、メッシュシートは、ナイロンメッシュシート、ポリエステルメッシュシート、テフロンメッシュシートなどのヒートシール性を有しない樹脂製メッシュシート、あるいはステンレス製メッシュシートなどの金属製メッシュシートであっても良い。本発明は、メッシュシート7Aの本体フィルムへの取り付けがヒートシールにより行われてもよい。この場合には、ポリエチレンメッシュシート、ポリプロピレンメッシュシートが用いられ、本体フィルムのメッシュシートを取付ける側の面が未延伸のポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムとする。このほか、実施形態での縫製は、高周波溶着、ヒートシール、接着剤による接着、粘着、カシメ式結着ピンのいずれか、またはこれらの組み合わせにより固着に置き換えることができる。なお、ヒートシールとする場合には、フィルムの重ね合わせ面がヒートシール性を有するフィルムが積層される必要がある。
(3)第3の実施形態の変形例として、門形ではなく矩形に切り込みを入れてフィルム片を切り取って窓用開口を設け、窓フィルムは、切り取った矩形のフィルム片を利用しなくても良い。本体フィルムに矩形に切り込みを入れてフィルム片を切り取って窓用開口を設け、該切り取ったフィルム片を窓フィルムとして利用しない場合も本発明に含まれる。すなわち、本体フィルムに、矩形に切り開いて窓用開口を設け、窓用開口を全閉するようにメッシュシートの周縁部を本体フィルムの窓用開口の周縁部に固着し、メッシュシートよりも一回り大きな窓フィルムを用意しその下端縁部を接着、粘着、カシメ式結着ピン、縫製などにより固着すると共に、残りの三方の端縁部又は両側縁部をファスナを介して本体フィルムに接続固定しても良い。この場合には、窓フィルムは、本体フィルムに対しメッシュシートを取付けた側、又は反対側の何れに取付けることができる。
(4)窓フィルムが開かれたときに風にひらひらすることがないように抑える揺れ止め係止具として、開いた窓フィルムを丸めた状態に抑えるバンド、あるいは開いた窓フィルムを仕舞い込むポケットを付設しても良い。
【0064】
上記の実施形態では、ファスナ取付位置指示線(又はミシン目状切り込み線)を形成し、ファスナを設けてから、ファスナ取付位置指示線の繋がり部分を切って窓用開口を形成しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、はじめにミシン目状ではない連続した切り込み線を形成しこの切り込み線に沿ってファスナを設けても良い。
【0065】
上記の実施形態では、ファスナ取付位置指示線を形成してからファスナを設け、次いでメッシュシートを設けているが、ファスナ取付位置指示線を形成してからメッシュシートを設け、次いでファスナを設けても良い。この場合には、ファスナを窓フィルムに固定する際にメッシュシートを固定しないように留意する。
【0066】
本願発明は、上述した変形例の他に、上述した実施形態の記述中には、以下に付記として列挙する形態の発明を含んでいる。
【0067】
<付記1>
窓用開口4A(又は4B,4C,4D)は、該窓用開口の輪郭に対応したファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線10A(又は10B,10C,10D)が本体フィルム2A(又は2B,2C,2D)に形成され、該ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線に沿ってファスナ6A(又は6B,6C,6D)が取り付けられた後に該ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線の繋がり部分が切断されることで本体フィルム2A(又は2B,2C,2D)に切り開かれていること。
【0068】
<付記2>
窓用開口4A(又は4B,4C,4D)は、ファスナ6A(又は6B,6C,6D)を取付け後でメッシュシート7A(又は7B,7C,7D)を取付ける前に、ファスナを開いて、本体フィルム2A(又は2B,2C,2D)のファスナ取付位置指示線又はファスナ取付位置指示線に対応する部分10A(又は10B,10C,10D)を切断して開口されていること。
【0069】
<付記3>
前記メッシュシート7A(又は7B,7C,7D)は、窓用開口4A(又は4B,4C,4D)が開口された後にファスナ6A(又は6B,6C,6D)を閉じてから展帳されていること。
【0070】
<付記4>
メッシュシート7A(又は7B,7C,7D)は、本体フィルム2A(又は2B,2C,2D)の窓フィルム5A(又は5B,5C,5D)と反対側の面に窓用開口4A(又は4B,4C,4D)の全面に展帳するように重ねられ、周縁部を固着されていること。
【0071】
<付記5>
窓用開口4A(又は4B,4C,4D)は、舌状部分の輪郭に対応して門形なファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線11A(又は11B,11C,11D)が本体フィルム2A(又は2B,2C,2D)に形成され、該ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線に沿ってファスナ6A(又は6B,6C,6D)が取り付けられた後に本体フィルムのファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線に対応する部分が切断されて設けられていること。
【0072】
<付記6>
窓フィルム5A(又は5B,5C,5D)は、本体フィルム2A(又は2B,2C,2D)に三方を切り開いて舌状部分を形成することにより窓用開口4A(又は4B,4C,4D)を形成したときの舌状部分を含んで構成され、
ファスナ6A(又は6B,6C,6D)は、一方が舌状部分の周縁部に設けられると共にいずれか他方が該窓用開口4A(又は4B,4C,4D)の端縁部に設けられていること。
【0073】
<付記7>
ファスナ6A(又は6B,6C,6D)は、ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線10A(又は10B,10C,10D)の繋がり部分が切断され窓用開口4A(又は4B,4C,4D)が形成される前に設けられていること。
【0074】
<付記8>
本体フィルム2Dに切り込みが付与され窓用開口4Dが形成されると共に、舌状フィルム部分5D1が形成され、舌状フィルム部分5D1よりも一回り大きい拡張フィルム5D2が舌状フィルム部分5D1に積層され、窓用開口4Dの周縁部に沿って拡張フィルム5D2と本体フィルム2Dとに雌型の面ファスナエレメント6D1と雄型の面ファスナエレメント6D2とが挟まれて各背面を固着されてなる面ファスナ6Dを備えていること。
【0075】
<付記9>
窓フィルム5A(又は5B,5C,5D)を開いて該窓フィルムを折り畳んだ状態又は丸めた状態を保持する揺れ止め係止具を、窓フィルムと本体フィルムの少なくとも一方に備えていること。
【符号の説明】
【0076】
1A〜1D…温室壁面用フィルム
2A〜2D…本体フィルム
3A〜3D…防虫換気窓
4A〜4D…窓用開口
5A〜5D…窓フィルム
6A〜6D…ファスナ
7A〜7D…メッシュシート
8A〜8D…係止具
11A〜11D…ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線
D…防虫換気窓付きドア
D1…ドア枠
H…農業用フィルム展帳ハウス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用フィルムよりなり取付対象物又は取付対象個所に展帳される本体フィルムと、
前記本体フィルムに設けられた防虫換気窓と、を備え、
前記防虫換気窓は、
前記本体フィルムに切り開かれた窓用開口と、
前記窓用開口の全面を閉じる窓フィルムと、
前記窓用開口の端縁部及びこれに対応した前記窓フィルムの端縁部に固着され前記窓フィルムを開閉するファスナと、
前記窓用開口の周辺部に固着され該窓用開口の全面に展帳されたメッシュシートと、
前記窓フィルムを開いたときに該窓フィルムを前記本体フィルムに係止する係止具と、
を有してなることを特徴とする壁面被覆用フィルム。
【請求項2】
前記窓用開口は、該窓用開口の輪郭に対応したファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線が前記本体フィルムに形成され、該ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線に沿って前記ファスナが取り付けられた後に該ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線の繋がり部分が切断されることで前記本体フィルムに切り開かれている請求項1に記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項3】
前記窓用開口は、前記ファスナを取付け後で前記メッシュシートを取付ける前に、前記ファスナを開いて、前記本体フィルムの前記ファスナ取付位置指示線に対応する部分又はミシン目状切り込み線の繋がり部分を切断して開口されている請求項1または2に記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項4】
前記メッシュシートは、前記窓用開口が開口された後に前記ファスナを閉じてから展帳されている請求項1ないし3のいずれかに記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項5】
前記メッシュシートは、前記本体フィルムの前記窓フィルムと反対側の面に前記窓用開口の全面に展帳するように重ねられ、周縁部を固着されている請求項1ないし4のいずれかに記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項6】
前記窓用開口は、前記舌状部分の輪郭に対応して門形なファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線が前記本体フィルムに形成され、該ファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線に沿って前記ファスナが取り付けられた後に、前記本体フィルムのファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線に対応する部分が切断されて設けられているファスナ取付位置指示線又はミシン目状切り込み線の繋がり部分が切断されて設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項7】
前記窓フィルムは、前記本体フィルムに三方を切り開いて舌状部分を形成することにより前記窓用開口を形成したときの該舌状部分よりなり、
前記ファスナは、雄型係合条体と雌型係合条体のいずれか一方が前記舌状部分の周縁部に設けられると共にいずれか他方が前記本体フィルムの前記窓用開口の端縁部に設けられている請求項1乃至6のいずれかに記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項8】
前記本体フィルムに切り込みが付与され前記窓用開口が形成されると共に、舌状フィルム部分が形成され、該舌状フィルム部分よりも一回り大きい拡張フィルムが前記舌状フィルム部分に積層され、前記窓用開口の周縁部に沿って拡張フィルムと前記本体フィルムとに雌型の面ファスナエレメントと雄型の面ファスナエレメントとが挟まれて各背面を固着されてなる面ファスナを備えている請求項1乃至6のいずれかに記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項9】
前記窓フィルムを開いて該窓フィルムを折り畳んだ状態又は丸めた状態を保持する揺れ止め係止具を、該窓フィルムと前記本体フィルムの少なくとも一方に備えている請求項1乃至8のいずれかに記載の壁面被覆用フィルム。
【請求項10】
農業用フィルム展帳ハウスのドアを構成するためのドア枠と、前記ドア枠に展帳された請求項1乃至9のいずれかに記載の壁面被覆用フィルムと、を有することを特徴とする防虫換気窓付きドア。
【請求項11】
ハウスのドア枠、又はハウスの骨組の妻面部あるいは側面部を構成する枠部に、請求項1乃至9のいずれかに記載の壁面被覆用フィルムが展帳されていることを特徴とする農業用フィルム展帳ハウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−27371(P2013−27371A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167000(P2011−167000)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000218362)渡辺パイプ株式会社 (20)
【Fターム(参考)】