説明

外壁パネルの耐衝撃性能体験方法

【課題】 外壁の耐衝撃性能を一般人にわかりやすくしかも印象深く理解してもらうことができる、外壁パネルの耐衝撃性能体験方法を提供する。
【解決手段】一端側におもり3が付けられ滑車1に掛けられたロープ2を用意し、体験する者に、前記ロープ2の他端側を引いてもらっておもり3を所定の高さ位置まで上昇させ、しかる後、ロープ2から手を離してもらっておもり3を外壁パネル4上に落下させ、外壁パネルがおもりの落下衝撃で割れないことを体験してもらう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁パネルの耐衝撃性能体験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物の購入予定者等の一般人に、外壁の耐衝撃性能を専門的な試験データを使って書面や口頭で説明することは、従来より行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一般の人にとっては、専門的な試験データを示されても、その意味を理解できなかったり、理解するのが億劫であったりして、印象に残らないことが多い。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、外壁の耐衝撃性能を一般人にわかりやすくしかも印象深く理解してもらうことができる、外壁パネルの耐衝撃性能体験方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、一端側におもりが付けられ滑車に掛けられたロープを用意し、体験する者に、前記ロープの他端側を引いてもらっておもりを所定の高さ位置まで上昇させ、しかる後、ロープから手を離してもらっておもりを外壁パネル上に落下させ、外壁パネルがおもりの落下衝撃で割れないことを体験してもらう、外壁パネルの耐衝撃性能体験方法によって解決される。
【0006】
この方法では、おもりを実際に所定の高さ位置から外壁パネル上に落下させるものであるから、どのようなおもりが外壁パネル上に落下するのかを目で見て確認してもらうことができ、外壁パネルの耐衝撃性能をリアルにわかりやすく表現することができる。
【0007】
のみならず、滑車に掛けられたロープを引いてもらい、おもりの重量を体験者にからだで感じ取ってもらうようにしているので、外壁パネルの耐衝撃性能を体験者に印象深く理解してもらうことができる。
【0008】
加えて、おもりは、滑車に掛けられたロープを引くことで上昇するようにしているので、ロープを引く体験者が腰を痛めることもなく、所定の高さ位置まで容易に上昇させることができるし、また、おもりが所定の高さ位置に達した状態で、体験者は、外壁パネルからある程度距離をおいた状態になることができ、おもりを外壁パネル上に安全に落下させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のとおりのものであるから、外壁の耐衝撃性能を一般人にわかりやすくしかも印象深く理解してもらうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
本実施形態の方法を実施するのに用いられる設備は、図1に示すように、天井側に取り付けられた定滑車1と、該滑車1に掛けられたロープ2と、ロープ2の一端側に付けられたおもり3と、外壁パネル4とからなっている。おもり3は、コンクリート用の骨材などを袋詰めにしたものなどからなり、その重量は、人がロープ2の他端側をもって引いて上昇させることができる程度の重量、例えば30kg程度に設定され、その重量がおもり3に表示されている。また、外壁パネル4は、屋外側に向けられる面部を上向きにするように横向きにされ、キャスター5…が取り付けられて床面6上を容易に移動させることができるようになされている。
【0012】
体験は、上記の設備を用い、図2(イ)に示すように、体験する者7にロープ2の他端側を引いてもらって、おもり3を所定の高さ位置まで上昇させ、そして、図2(ロ)に示すように、ロープ2から手を離してもらって、おもり3を外壁パネル4上に落下させ、外壁パネル4がおもり3の落下衝撃で割れないことを体験してもらうというようにして行う。
【0013】
おもり3を上昇させる高さ寸法は、おもり3の落下によって外壁パネル4が割れず、しかも、外壁パネル4にある程度迫力をもって衝撃力が加えられる程度のものに決められていればよく、例えば、おもり3の重量が上記のように30kg程度のものであれば、外壁パネル4の上面から1m程度離れた高さ位置までおもり3を上昇させてもらうようにするとよい。
【0014】
上記のような方法によれば、一般の人に、どのようなおもり3が外壁パネル4上に落下するのかを目で見て確認してもらうことができ、外壁パネル4の耐衝撃性能をリアルにわかりやすく表現することができるのみならず、滑車1に掛けられたロープ2を体験希望者7に引いてもらうことで、その者7におもり3の重量をからだで感じ取ってもらうようにしているので、体験者7に外壁パネル4の耐衝撃性能を印象深く理解してもらうことができる。また、おもり3は、滑車1に掛けられたロープ2を引くことで上昇するようにしているので、ロープ2を引く体験者7が腰を痛めることもなく、所定の高さ位置まで容易に上昇させることができるし、また、おもり3が所定の高さ位置に達した状態で、体験者7は、外壁パネル4からある程度距離をおいた状態になることができ、おもり3を外壁パネル4上に安全に落下させることができる。
【0015】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、滑車として動滑車を組み合わせてロープを比較的楽に引っ張って上昇させていくことができるようにするのもよく、その場合であっても、体験者は、動滑車の数等によって、おもりの実際の重量を想像することができ、身体への負担を小さくしながら、印象深い体験を行うことができる。また、使用するおもりの材質や形態、重量等に制限はないし、おもりを上昇させる高さ寸法についても制限はない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態の方法に使用する設備を示す斜視図である。
【図2】図(イ)及び図(ロ)は実施形態の方法を順次に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1…定滑車(滑車)
2…ロープ
3…おもり
4…外壁パネル
7…体験する者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側におもりが付けられ滑車に掛けられたロープを用意し、体験する者に、前記ロープの他端側を引いてもらっておもりを所定の高さ位置まで上昇させ、しかる後、ロープから手を離してもらっておもりを外壁パネル上に落下させ、外壁パネルがおもりの落下衝撃で割れないことを体験してもらう、外壁パネルの耐衝撃性能体験方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−47432(P2006−47432A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224942(P2004−224942)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】