説明

外科器具の駆動シャフト

使用時に電源に接続する駆動入力ハブと、使用時に外科器具に接続する駆動出力ハブと、駆動入力ハブを駆動出力ハブに接続する本体とを備え、本体が、駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段を具備し、該本体、駆動入力ハブおよび駆動出力ハブは少なくとも一部が同軸ではない外科器具用アタッチメント。
そんなアタッチメントを用いて骨を外科的に処理する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科器具用アタッチメントに関し、更に詳しくはリーマのようなカッティング装置に関する。
【0002】
直列の寛骨臼リーマ・アタッチメントが知られているが、そのアタッチメントは一端に駆動入力部を、他端に駆動出力部を具備した直管状本体からなる。駆動入力部および駆動出力部は、入力から出力に切り換えるアタッチメント本体に収容された駆動伝達装置によって連結される。使用時には、適切な電動工具が駆動入力部に接続され、寛骨臼リーマ・カッティング・シェルが駆動出力部に装着される。
【0003】
外科手術においては、外科医が隠れた身体各部の周り/背後を手術する必要があるのはよくあることである。例えば、寛骨臼表面を再形成する処置の際に、大腿骨頭は切断箇所を隠していることがある。そのため従来の直列寛骨臼リーマ・アタッチメントでは効率的ではなく、外科医は、直列寛骨臼リーマ・アタッチメントを挿入するために大きな切開部分を形成し、手術を遂行する必要がある。そのような実施は外科医や患者にとって明らかに不利である。
【0004】
従って、外科医が隠れた身体部分の周りを巧みにあやつり、そのような身体部分の背後で手術を遂行することを可能にする装置を提供することが望まれる。また、外科医が装置を使用するために最小限の切開部分を形成することを求める侵襲性が最小である装置を提供することも望まれる。
【0005】
本発明は、外科医が身体部分を巧みにあやつり、そのような身体部分の背後で手術を遂行することを可能にする装置を提供する。
【0006】
本発明の第1の観点によれば、
使用時に電源に接続する駆動入力ハブと、
使用時に外科器具に接続する駆動出力ハブと、
駆動入力ハブを駆動出力ハブに接続する本体と
を備え、該本体が駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段を具備し、本体、駆動入力ハブおよび駆動出力ハブは、少なくとも一部が同軸ではない外科器具用アタッチメントを提供する。
【0007】
この出願において、本体、駆動入力および駆動出力の少なくとも一部が同軸ではないという特徴は、これらの3つの構成要素すべてが直線状に並んでいるのではないことを意味する。このように、本発明によるアタッチメントは、いわゆる、直列のアタッチメントではない。しかしながら、これは、3つの構成要素のいくつかの、または同様の部品が直線状に並び得ないことを意味しない。例えば、駆動入力ハブと駆動出力ハブを相互に直線状に並べてもよいが、本体と、または本体の一部とは並べない。例えば、本体、または本体の一部は駆動入力ハブと直線状に並べてもよいが、駆動出力ハブとでは並べない。例えば、本体、または本体の一部は駆動出力ハブと直線状に並べてもよいが、駆動入力ハブとでは並べない。
【0008】
本体は、湾曲部を備えるのが好ましい。
本体は、相互に角度をもって配置された複数の部分を備えるのが好ましい。
【0009】
本発明の好ましい実施態様によれば、外科器具用アタッチメントは、
使用時に電源に接続する駆動入力ハブと、
使用時に外科器具に接続する駆動出力ハブと、
駆動入力ハブを駆動出力ハブに接続する本体と
を備え、該本体が駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段を具備し、
かつ本体は、相互に角度を持って配置された複数の部分を備えてなる。
【0010】
アタッチメントの形状/構成は、外科手術の目標を見えないようにしている身体各部の前/後で、外科医がそれを操作できるという利点を有する。外科器具を見えない身体部分の後に配置できる。
アタッチメントの形状/構成は、アタッチメントの挿入前に外科医が最小限の切開部分を作ることができるという利点を有する。
【0011】
本発明の実施態様によれば、アタッチメント本体は、
駆動入力ハブを装着する第1部分と、
駆動出力ハブを装着する第2部分と、
第1部分と第2部分とを接続する第3部分とを備え、第1部分と第2部分の長手方向軸を第3部分の長手方向軸に対して一定の角度に配置している。
【0012】
第1部分と第3部分の長手方向軸間の角度は、第2部分と第3部分の長手方向軸間の角度と同じでもよい。
【0013】
第1部分と第3部分の長手方向軸間の角度および/または第2部分と第3部分の長手方向軸間の角度が、±20と80度の間、または±20と75度の間、または±25と70度の間、または±30と65度の間、または±40と65度の間、または±45と65度の間、または±50と65度の間でもよい。
第1部分と第3部分の長手方向軸間の角度が約±60度であると好ましい。第2部分と第3部分の長手方向軸間の角度が約±60度であると好ましい。
【0014】
駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段は、一連のユニバーサルジョイントからなっていてもよい。
駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段は、1つまたはそれ以上の可撓性のシャフトからなっていてもよい。
【0015】
本発明の好ましい実施態様によれば、駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段は、一連の駆動シャフトおよびかさ歯車からなり、該駆動シャフトを相互に角度をもって配置する。
【0016】
隣接する駆動シャフト間の角度は、±20度と80度、20度と75度、25度と70度、30度と65度、40度と65度、45度と65度または50度と65度の間であってもよい。
隣接する駆動シャフト間の角度は、約±60度であると好ましい。
【0017】
本発明の好ましい実施態様によれば、アタッチメントは、本体の第1、第2、第3部分にそれぞれ設置された駆動シャフトからなり、該駆動シャフトがかさ歯車によって連結される。
【0018】
駆動入力ハブの端から駆動出力ハブの端まで測ったアタッチメントの全長は、150mmと450mmとの間でよく、好ましくは200mmと400mmとの間、より好ましくは250mmと350mmとの間である。300mmから320mmまでの範囲の長さが特に好ましい。
【0019】
第1部分の長さは30mmと90mmとの間でよく、好ましくは45mmと75mmとの間、より好ましくは50mmと70mmとの間である。
第2部分の長さは30mmと90mmとの間でよく、好ましくは45mmと75mmとの間、より好ましくは50mmと70mmとの間である。
【0020】
第3部分の長さは100mmと300mmとの間でよく、好ましくは100mmと200mmとの間、より好ましくは120mmと160mmとの間である。130mmから150mmまでの範囲の長さが特に好ましい。
本体は管状が好ましい。本体は15mmと45mmとの間の直径であってよく、好ましくは20mmと40mmとの間、より好ましくは25mmと35mmとの間である。
【0021】
アタッチメントは何か適切な材料で作られていてよい。例えば、アタッチメントは1つ以上の金属または1つ以上の合金、または金属と合金との組み合わせで作られていてよい。
【0022】
アタッチメントの構成要素は同じ、または異なる材料で作られていてよい。
本体は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、またはチタニウムで作られていてよい。本体は軽い材料で作られているのが好ましい。本体はアルミニウムまたはアルミニウム合金で作られているのが好ましい。
駆動シャフトとかさ歯車とは鋼で作られているのが好ましく、より好ましくはステンレス鋼である。
【0023】
外科器具はカッティング装置でよい。カッティング装置はリーマ・カッティング・シェル、例えば寛骨臼リーマ・カッティング・シェルでよい。駆動入力ハブと駆動出力ハブは同軸が好ましい。すなわち、入力および出力ハブ一列に並んでいるのが好ましい。
【0024】
電源power sourceは回転駆動源rotary drive sourceであるのが好ましい。
電源は電動工具、例えば電気ドリルでよい。
電源は空気動力工具でよい。
【0025】
本発明の第2の観点によれば、リーマ・カッティング・シェルと組み合わせて、本発明の第1の観点によるアタッチメントを備えた、骨を外科的に処理するリーマを提供する。
第2の観点のリーマがさらに回転駆動源を備えるのが好ましい。
【0026】
本発明の第3の観点によれば、本発明の第1の観点による外科器具用アタッチメントを準備するステップと、
骨の表面を機械的に加工するために、外科器具を準備するステップと、
電源を準備するステップと、
外科器具と電源とをアタッチメントに接続するステップと、
外科器具とアタッチメントとを、切開部分を介して患者に挿入するステップと、
アタッチメントを配置する間、外科器具を骨の表面に対して配置させるステップと、
外科器具を駆動して骨の表面を機械加工するステップと
からなる骨を外科的に処理する方法を提供する。
【0027】
本発明の第4の観点によれば、電源に接続する駆動入力ハブと、外科器具に接続する駆動出力ハブと、駆動入力ハブを駆動出力ハブに接続する本体とを備え、本体が、駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段を具備し、該本体、駆動入力ハブおよび駆動出力ハブは少なくとも一部が同軸ではない外科器具用アタッチメントを準備するステップと、
骨の表面を機械的に加工するために、外科器具を準備するステップと、
外科器具を駆動出力ハブに接続するステップと、
電源を準備するステップと、
電源を駆動入力ハブに接続するステップと、
外科器具とアタッチメントとを、切開部分を介して患者に挿入するステップと、
アタッチメントを配置する間、外科器具を骨の表面に対して配置させるステップと、
外科器具を駆動して骨の表面を機械加工するステップと
からなる骨を外科的に処理する方法を提供する。
外科器具は寛骨臼リーマでよく、骨面が寛骨臼であってもよい。
【0028】
添付の図面が一例として引用される。
図1は、本発明によるアタッチメントの平面図である。
図2は、図1に示すアタッチメントの、図1のX−X線に沿う断面図である。
図3は、図1に示すアタッチメントの、図1のY−Y線に沿う断面図である。
図4は、図1〜3への手掛かりとなる。
図5は、本発明によるアタッチメントの平面図である。
図6は、図5に示すアタッチメントの、図5のX−X線に沿う断面図である。
図7は、図6に示すアタッチメントの一部の拡大断面図である。
図8は、図6に示すアタッチメントの、図6のY−Y線に沿う断面図である。
図9は、図5〜8への手掛かりとなる。
図10は、本発明によるアタッチメントの、リーマ・カッティング・シェルを装着した側面面である。
図11は、本発明によるアタッチメントの、リーマ・カッティング・シェルを取り外した側面面である。
【0029】
本発明に基づくリーマ・カッティング・シェル用アタッチメントan attachment for a reamer cutting shellを、図1〜11で説明する。
図1,2,5および6に図示されているように、リーマは、6つの主アセンブリ、つまりユニバーサル・コニカル・コネクション・スピゴットuniversal conical connection spigot(駆動入力ハブの一部)と、減速ギアボックス(駆動入力ハブの一部)と、本体を構成する、動力伝達装置drive trainと、リーマ駆動アセンブリ(駆動出力ハブの一部)と、リーマ・シェル保持機構(駆動出力ハブの一部)と、駆動出力ハブに解除可能に装着された寛骨臼リーマ・カッティング・シェルan acetabular reamer cutting shellとからなる。図1および2と、図5および6とに図示されたリーマの構成部品を、図4および9にそれぞれリストアップする。
【0030】
図1〜4を参照すると、動力付きのハンドピースは、使用中、リーマ・アタッチメントの内側の遊星ギアボックス(6−12)を駆動し、それによって速度を下げ、トルクを上げる。駆動を、リーマ・アタッチメントのユニークな形状に沿って、一連の駆動シャフト(34,35)およびかさ歯車(29)を介し、リーマ・シェル・カッター(24)駆動ハブに切り換える。かさ歯車(29)を使用すると、ユニバーサル・ジョイント又はたわみ軸flexible shaftsに比べてさらに尖った角度で駆動が可能になる。同様に、かさ歯車(29)は、かなり早い運転または停動トルクrunning or slam torquesに耐える。
【0031】
図2に図示されるように、最終駆動出力ハブの設計は、ベアリング/シャフト・アセンブリを寛骨臼シェル(24)の後方部分の内部空間覆いの中に組み込む。これは、寛骨臼リーマ・カッティング・シェル(24)の先端と頂角(1)の後部との距離を、絶対最小値に小さくする効果がある。
【0032】
図1および2に図示されたリーマ・アタッチメントは、ユニークな寛骨臼リーマ・カッティング・シェル(24)ロッキングシステムを有し、リーマの使用中に、リーマ・シェル・カッターをしっかり駆動ハブ(22)に固定可能にする。カッティング・シェルを軸方向の所定位置に2つのボール(44)によって固着し、該2つのボールをリーマ・シェル(24)の駆動カラー内の対応する2つの孔に半径方向に保持している。ボールを外側の位置に切り欠きのある2つのピン(46)上の平らな部分によって保持し、該2つのピンを解除カラー(47)に固着している。全解除カラーと切り欠きのあるピンとのアセンブリに、リーマ・シェル(24)の遠位端から離れてバネ負荷をかける。リーマ・シェルの遠位端の方にカラーを押圧すると、2つのピンの切り欠き部分にボールを入れることができ、これが、次には、リーマ・シェルをボールと駆動ハブ(22)とのアセンブリの向こうに引っ込めることを可能にする。駆動ハブは、リーマ・シェル装着カラーの後方部分の2つの対応スロット内に位置する2つの駆動ドッグを組み込み、これが駆動ハブとシェルとの間の駆動をもたらす。
【0033】
アタッチメントのユニークな形を付与するために、駆動シャフトとかさ歯車との典型的な角度は、軸から±で20度と80度の間、のみならず軸の中心線から±で20度と75度の間、25度と70度の間、30度と65度の間、40度と65度の間、45度と60度の間、50度と65度の間である。適切には、軸の中心線からの±で60度の角度、または約60度をアタッチメントのユニークな形を与えるのに採用してもよい。
【0034】
ここで、本発明に基づくリーマ・カッティング・シェル用のアタッチメントを、図6〜11を参照してより詳細に説明する。
【0035】
使用時は、ユニバーサル・コニカル・コネクション・スピゴット・アセンブリ(49)を、外科用モータ・ハンドピース(図示しない)内に、出力駆動で入力シャフト・アタッチメント・ピニオン(48)に接続するハンドピースから爪状駆動端により挿入する。動力付きハンドピースの出力速度は、通常、およそ1000〜1200rpmである。
【0036】
ユニバーサル・コニカル・コネクション・スピゴット・アセンブリ(49)を有するリーマ・アタッチメントは、本発明の好ましい実施態様である。そのようなリーマ・アタッチメントを、De Soutter Medical MDX electric (battery) and MPX pneumatic 外科器具システムとともに使用できるように設計する。しかしながら、代替の構成は可能である。例えば、コニカル・コネクション・スピゴットの配置を、通常のHudson, Zimmerまたは他の工業規格のチャックシステムと置き換えできる。そのような構成は別の歯車式リーマ・アタッチメントの使用を必要とするが、関連する欠点を持つ。
【0037】
減速ギアボックス・アセンブリは、動力付きハンドピースの出力速度を必要寛骨臼リーマ速度まで、典型的には200rpmと300rpmとの間に減速する。この減速は、単段遊星ギアボックスシステムによって達成される。アタッチメント・ピニオン(48)を2つのベアリング(11,13)で支持し、遊星ホイール(46)に係合するピニオンに形成される。アタッチメント・ピニオンは、水および蒸気の侵入に対して、アタッチメント・ピニオン(48)に組み合わせられたシール(31)によってシールされる。遊星キャリア(43)を、2つのベアリング(12,10)で支持し、アタッチメント・ピニオン(48)、遊星ホイール(46)および内ギア(44)の間に形成された合成回転運動によって駆動する。かさ歯車(14)を、遊星キャリア(43)の遠位端に形成された座付きスピゴットの外径部分に装着する。キー(28)が遊星キャリア(43)とかさ歯車(14)の間に駆動を伝える。
【0038】
本体(1−4)は、患者の大腿骨頭周りの変形U字状、またはシルクハット状top hat shapedで、一連の屈曲部を介して動力伝達装置drive trainを取り込む。この特別なデザインは、ハンドピース出力駆動の元の中心軸に沿うのが好ましい、リーマからの出力駆動を持つ別個の4つの屈曲部からなる。動力伝達装置における一連の屈曲部は、4組のかさ歯車(14)を、それぞれの回転軸が相互に120度という典型的な角度になるように調整して構成することで達成される。かさ歯車のセットを、本体の屈曲したハウジング(2,3,4)中に装着された、いくつかのベアリング(10)に支持されている3つのシャフト(19,20)によって接続する。ハウジングを、3つのかさ歯車(14)の正しいかみ合わせを保障するために、組み合わせられた構成要素間の正しい寸法関係を制御する3つの締め金具(18)と支持スペーサ(16,17)によって接続する。従って、変速を、それぞれ120度の4つの屈曲部で行う。ハンドピースからの入力軸と補助的で平行な変速軸との間のオフセット距離は典型的には約50mmである。 2つの屈曲部間の距離は、補助的で平行な変速軸の長さを確定し、典型的には約140mmの寸法がある
【0039】
出力シャフト(6)は、2つのベアリング(8,9)に支持された、最終組のかさ歯車(14)から駆動され、次には、出力ハウジング(1)内に保持される。出力シャフトとエンドキャップ(5)との間の駆動は、キャップの内面とシャフトの前で機械加工されたドッグ駆動によって達成される。2つの品目をネジ(7)で共に固着する。全前端リーマ・ハブ・アセンブリを、エンドキャップ(5)の内環と出力ハウジング(1)の外径部との間に配置されたシール(30)によって、液体と蒸気の侵入に対し密封する。出力ハブ・アセンブリの特徴は、出力シャフト(6)と支持ベアリング・アセンブリ(8,9)とが、寛骨臼リーマ・シェル(55)の後方部分の内部スペース包囲部内に部分的に突出し、かつそれによって内部に組み込まれるよう配置されることである。これは、寛骨臼リーマ・シェル(55)の遠位端と出力ハウジング(1)の背面との距離を、絶対最小限に、減少させる効果がある。
【0040】
エンドキャップ(5)は、リーマ・シェル(55)の後環用ロケーション・スピゴットとして働き、一方、リーマ・シェルを保持するためのロックのクイック解除機構を含む。図7にさらに詳しく図示するように、ロック機構は、リーマ・シェル(55)をエンドキャップ(5)に固着する、相互に作用する一連の切欠ピンnotched pins(37)とボール(33)とを備えている。切欠ピンを、エンドキャップ(5)・アセンブリ内に保持されるスプリング(51)によって後方へ押圧する。切欠ピンを、解除カラー(38)の中に固着し、それらの端部に機械加工された平面を持つことで回転を止め、平らな切欠ピン端部が、解除カラー(38)中に形成された対応D孔と結合する。通常の位置を取る解除カラー(38)と切欠ピン(37)とで、ボール(33)を、保持リング(32)に対し半径方向に支持する。保持リング(32)の孔を、ボール(33)を閉じ込めるような寸法に作り、同時に、切欠ピン(37)の全外径に作用する際に保持リング(32)の外径部からボール(33)が一部突出できる。スプリング負荷解除カラー(38)を装置の遠位端の方に押圧することによって、リーマ・シェル(55)をエンドキャップ・アセンブリから解除し、この作用は、切欠ピン(37)の切欠部分がボール(33)と一列に並び、それによってボールが内側に引っ込むことを可能にする。エンドキャップ・アセンブリの外径より下位に引っ込むボールは、リーマ・シェル(55)が遠位端で滑り落ちることを可能にする。リーマ・シェル(55)とエンドキャップ(5)との間の駆動は、エンドキャップ(5)の後部分に機械加工したラグlugsの介入によって達成される。これらのラグは、リーマシェル(55)の後方位置の直径部分に形成された、対応する2つの切欠と結合する。
【0041】
寛骨臼リーマ・シェル(55)は、寛骨臼リーミング治療に通常用いられるものと類似した形に構成される。しかしながら、本発明のアタッチメントで用いられたリーマ・シェルは、後部位置の直径部分に形成された2つの駆動切欠を含むように形成される。
【0042】
本発明によるアタッチメントは、外科的部位へのアクセスを制限する種々の寛骨臼リーマ治療を遂行する外科的能力を高める専用装置である。典型的なアクセスは、ヒップの表面再生治療と最も低い侵襲性全ヒップ交換(THR)ヒップ外科手術に制限される。ユニークな形状のリーマ・アタッチメントは、外科医が従来の直列寛骨臼リーマ・シャフト・アセンブリを用いる際に要求されるより、かなり小さな切開部分を形成することを可能にする。
【0043】
本発明による装置は、最も低い侵襲性外科的技術を遂行する際に、スラストラインをカッティング部位に垂直に維持することを可能にする。ヒップの表面再生治療に関連する問題は、大腿骨頭がカッティング部位を隠すことである。加えて、大腿骨頭と寛骨臼との距離を、外科医がリーマ・ヘッド/シェル・アセンブリを外科的部位に挿入する際に、厳しく制限することである。本発明によるアタッチメントは、隠れた大腿骨頭の背後のカッティングが現れるように、動力付きハンドピースからの動力伝達装置を大腿骨頭あたりで屈曲可能にすることによって、これらの問題を解決する。
【0044】
本発明によるリーマ・アタッチメントは、非常に鋭角な進入路を有し、かつ限界角度の駆動ハブ・アセンブリとリーマ・シェルの保持/解除機構の両方を組み込む、非常にコンパクトな動力伝達機構を用いることによって、利用可能なスペースを最大限に利用する。かさ歯車を使用すると、ユニバーサル・ジョイントまたはたわみ軸のような別の伝動装置と比較して、さらに鋭角の駆動が可能になる。かさ歯車は、寛骨臼・リーミング治療では度々出くわす、かなり高い運転トルクや停動トルクに耐えることができる。
【0045】
本発明によるアタッチメントは、減速ギアボックスを組み入れ、典型的には5:1の減速比を有し、モータ・ハンドピースに接続された別のギア付きリーマ・アタッチメントを使う必要をなくす。この単一アタッチメントの構成では、動力付きハンドピース/アタチイメントの組み合わせの重量、長さおよび全体のかさを最小にする。ハンドピースとリーマ・アタッチメントとの間には、1つだけ連結点があるので、全体のシステムは、減速ギアボックスを含む別の補助アタッチメントを有する通常の場合より、かなり丈夫で強固になる。この構成のさらなる利点は、リーマ・アタッチメントの外部ケーシングを、ユニバーサル・コニカル施錠機構によってハンドピース中に回転と軸の両方向に固着することである。結果として、リーミング・トルクをピストルのグリップ形のハンドピースの中に伝え、入れ替わりに、リーマ・アタッチメントにサイドハンドルを組み入れる必要性をなくす。
【0046】
本発明のアタッチメントをリーマに関連して説明してきたけれども、それを他の外科器具類(工具類)用工具ドライバーとして用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明によるアタッチメントの平面図である。
【図2】図1に示すアタッチメントの、図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1に示すアタッチメントの、図1のY−Y線に沿う断面図である。
【図4】図1〜3への手掛かりとなる図である。
【図5】本発明によるアタッチメントの平面図である。
【図6】図5に示すアタッチメントの、図5のX−X線に沿う断面図である。
【図7】図6に示すアタッチメントの一部の拡大断面図である。
【図8】図6に示すアタッチメントの、図6のY−Y線に沿う断面図である。
【図9】図5〜8への手掛かりとなる図である。
【図10】本発明によるアタッチメントの、リーマ・カッティング・シェルを装着した側面面である。
【図11】本発明によるアタッチメントの、リーマ・カッティング・シェルを取り外した側面面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に電源に接続する駆動入力ハブと、
使用時に外科器具に接続する駆動出力ハブと、
駆動入力ハブを駆動出力ハブに接続する本体と
を備え、該本体が駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段を具備し、本体、駆動入力ハブおよび駆動出力ハブは、少なくとも一部が同軸ではない外科器具用アタッチメント。
【請求項2】
本体が湾曲部を備えた請求項1によるアタッチメント。
【請求項3】
本体が、相互に角度をもって配置された複数の部分を備えた請求項1または2によるアタッチメント。
【請求項4】
本体が、駆動入力ハブが装着される第1部分と、
駆動出力ハブが装着される第2部分と、
第1部分と第2部分とを接続する第3部分とを備え、第1部分と第2部分の長手方向軸を第3部分の長手方向軸に対して一定の角度に配置した請求項1〜3のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項5】
第1部分と第3部分の長手方向軸間の角度が、第2部分と第3部分の長手方向軸間の角度と同じである請求項4によるアタッチメント。
【請求項6】
第1部分と第3部分の長手方向軸間の角度および/または第2部分と第3部分の長手方向軸間の角度が、±20と80度の間である請求項4または5によるアタッチメント。
【請求項7】
角度が、±40と65度の間である請求項6によるアタッチメント。
【請求項8】
角度が、約±60度である請求項7によるアタッチメント。
【請求項9】
駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段が、一連の駆動シャフトとかさ歯車とを備え、駆動シャフトが相互に角度をもって配置された請求項1〜8のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項10】
隣接する駆動シャフト間の角度が、±20度と80度の間である請求項9によるアタッチメント。
【請求項11】
角度が、±40と65度の間である請求項10によるアタッチメント。
【請求項12】
角度が、約±60度である請求項11によるアタッチメント。
【請求項13】
本体の第1部分、第2部分および第3部分にそれぞれ配置された3つの駆動シャフトを備えた請求項4に従属するときの請求項9〜12のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項14】
第1部分の長さが45mmと75mmとの間、第2部分の長さが45mmと75mmとの間、第3部分の長さが120mmと160mmとの間である請求項4〜13のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項15】
本体の径が、20mmと40mmとの間である請求項1〜14のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項16】
本体が、アルミニウム製である請求項1〜15のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項17】
外科器具が、カッティング装置である請求項1〜16のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項18】
カッティング装置が、リーマ・カッティング・シェルである請求項17によるアタッチメント。
【請求項19】
駆動入力ハブと駆動出力ハブが、同軸である請求項1〜18のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項20】
電源が、回転駆動源である請求項1〜19のいずれか1つによるアタッチメント。
【請求項21】
リーマ・カッティング・シェルと組み合わせて請求項1〜20のいずれか1つによるアタッチメントを備えた、骨を外科的に処理するリーマ。
【請求項22】
回転駆動源をさらに備えた請求項21によるリーマ。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか1つの外科器具用アタッチメントを準備するステップと、
骨の表面を機械的に加工するための外科器具を準備するステップと、
電源を準備するステップと、
外科器具と電源とをアタッチメントに接続するステップと、
外科器具とアタッチメントとを、切開部分を介して患者に挿入するステップと、
アタッチメントを介在する生体組織の周りに位置合わせしながら、外科器具を骨の表面に対して位置合わせするステップと、
骨の表面を機械加工するために外科器具を駆動するステップと
からなる骨を外科的に処理する方法。
【請求項24】
電源に接続可能な駆動入力ハブと、外科器具に接続可能な駆動出力ハブと、駆動入力ハブを駆動出力ハブに接続する本体とを備え、該本体が、駆動を入力ハブから出力ハブに切り換える手段を具備し、本体、駆動入力ハブおよび駆動出力ハブは少なくとも一部が同軸ではない外科器具用アタッチメントを準備するステップと、
骨の表面を機械的に加工するための外科器具を準備するステップと、
外科器具を駆動出力ハブに接続するステップと、
電源を準備するステップと、
電源を駆動入力ハブに接続するステップと、
外科器具とアタッチメントとを、切開部分を介して患者に挿入するステップと、
アタッチメントを介在する生体組織の周りに位置合わせしながら、外科器具を骨の表面に対して位置合わせするステップと、
骨の表面を機械的に加工するために外科器具を駆動するステップと
からなる骨を外科的に処理する方法。
【請求項25】
外科器具が寛骨臼リーマであり、骨の表面が寛骨臼のである請求項23または24による方法。
【請求項26】
図面を引用してこれまでに実質的に記載された外科器具用アタッチメント。
【請求項27】
図面を引用してこれまでに実質的に記載された骨を外科的に処理するためのリーマ。
【請求項28】
図面を引用してこれまでに実質的に記載された骨を外科的に処理する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−529701(P2008−529701A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555709(P2007−555709)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000605
【国際公開番号】WO2006/087584
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【出願人】(507273954)デ スッター メディカル リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DE SOUTTER MEDICAL LIMITED
【住所又は居所原語表記】River Park,Billet Lane,Berkhamsted,Hertfordshire HP4 1HL,UNITED KINGDOM
【Fターム(参考)】