説明

外科手術用アクセス装置における使用のための外科手術用シール

【課題】内視鏡手順および腹腔鏡手順において、身体中に挿入される任意の器械を密閉するための手段を提供すること。
【解決手段】外科手術用アクセス装置とともに使用するためのシールアセンブリであって、以下:長手方向軸を規定し、物体の通過を可能にするように寸法決めされた通路を有するハウジングであって、このハウジングは、外科手術用アクセス装置にマウントするように適合され、内部チャンバを規定する壁部分を有する、ハウジング;ハウジングの内部チャンバ内にマウントされ、物体との実質的なシーリング関係を形成するように適合されたシールであって、このシールは、長手方向軸に対してほぼ横断方向に、内部チャンバ内を往復移動するようにマウントされる、シール;シールを取り囲む内部チャンバ内の粘稠な流体であって、シールとハウジングの壁部分との間に実質的なシールを形成するように適合されている、流体;を備える、シールアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.開示の分野)
本開示は、外科手術用デバイスに関し、より詳細には、最小侵襲性の外科的手順の間に、外科手術用アクセス装置とともに使用するためのシールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の記述)
内視鏡手順および腹腔鏡手順の両方を含む最小侵襲性の外科的手順は、外科手術が、組織内の開口部から遠く離れた、器官、組織および血管に行なわれることを可能にする。内視鏡手順および腹腔鏡手順は、概して、身体中に挿入される任意の器械が密閉されることを必要とする。すなわち、例えば、外科的領域が気体注入される外科的手順において、気体が切開を通って身体に出たり入ったりしないことを確実にする対策がなされなければならない。これらの手順は、代表的に、カニューレを通って身体に導入される外科手術用器具を使用する。これらのカニューレは、それと結合したシールアセンブリを有する。このシールアセンブリは、器具の周りに、実質的な流体密シールを提供し、確立した気腹の完全性を保存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、内視鏡手順および腹腔鏡手順において、身体中に挿入される任意の器械を密閉するための手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下を提供する:
(項目1)
外科手術用アクセス装置とともに使用するためのシールアセンブリであって、以下:
長手方向軸を規定し、物体の通過を可能にするように寸法決めされた通路を有するハウジングであって、このハウジングは、外科手術用アクセス装置にマウントするように適合され、内部チャンバを規定する壁部分を有する、ハウジング;
ハウジングの内部チャンバ内にマウントされ、物体との実質的なシーリング関係を形成するように適合されたシールであって、このシールは、長手方向軸に対してほぼ横断方向に、内部チャンバ内を往復移動するようにマウントされる、シール;
シールを取り囲む内部チャンバ内の粘稠な流体であって、シールとハウジングの壁部分との間に実質的なシールを形成するように適合されている、流体;
を備える、シールアセンブリ。
(項目2)
上記シールが、外側環状支持カラーおよび内側シール部分を備え、この内側シール部分が、上記物体の通過を可能にするように、開口部を規定する、項目1に記載のシールアセンブリ。
(項目3)
上記流体が、環状支持カラーの、ハウジングの壁部分に対する滑り移動を容易にする潤滑特性を有する、項目2に記載のシールアセンブリ。
(項目4)
上記流体が、潤滑剤を含む、項目3に記載のシールアセンブリ。
(項目5)
上記ハウジングの壁部分が、上記流体の内部チャンバから上記通路内への浸出を可能にするように寸法決めされる、項目1に記載のシールアセンブリ。
(項目6)
上記流体が、治療薬または薬理学的薬剤を含有する、項目5に記載のシールアセンブリ。
(項目7)
上記流体が、医薬創傷処置剤、抗生物質、防腐剤、増殖因子または抗炎症剤を含有する、項目6に記載のシールアセンブリ。
(項目8)
さらに、上記内部チャンバ内に発泡体材料を含み、上記流体が、この発泡体材料の中に配置される、項目1に記載のシールアセンブリ。
(項目9)
外科手術用アクセス装置であって、以下:
内側チャンバを規定する壁部分を有するハウジング部材;
このハウジング部材にマウントされたアクセス部材であって、このアクセス部材は、長手方向軸を規定し、物体の通過のために寸法決めされた長手軸方向の開口部を有する、アクセス部材;
ハウジング部材の内側チャンバ内に配置され、物体の操作の際に内側チャンバを越えるように適合されたシール部材であって、このシール部材は、周辺部分およびこの周辺部分から内側に半径方向に延びる内側シール部分を備え、この内側シール部分は、それと実質的にシールされた関係で、物体の通過を可能にするように適合される、シール部材;ならびに
シール部材の周辺部分を取り囲む内側チャンバ内の発泡体材料であって、この発泡体材料は、シール部材の周辺部分とハウジングの壁部分との間に流体密シールを形成するために適合された粘稠な流体を含む、発泡体材料;
を備える、
外科手術用アクセス装置。
(項目10)
上記発泡体材料が、上記シール部材の周辺部分の、上記ハウジングの壁部分に対する滑り移動を容易にするための潤滑剤を含む、項目9に記載の外科手術用アクセス装置。
(項目11)
上記ハウジングの壁部分は、上記内部チャンバからの流体の浸出を可能にするように寸法決めされる、項目9に記載の外科手術用アクセス装置。
(項目12)
上記発泡体材料が、薬理学的薬剤または治療薬を含む、項目11に記載の外科手術用アクセス装置。
(項目13)
上記シール部材の内側シール部分が、上記物体の受け入れのための中央開口部を備える、項目9に記載の外科手術用アクセス装置。
(項目14)
さらに、ゼロ閉鎖弁を備え、このゼロ閉鎖弁が、上記物体の非存在下で閉鎖するように適合された、項目13に記載の外科手術用アクセス装置。
(項目15)
上記ハウジングが、カニューレハウジングであって、上記アクセス部材が、カニューレスリーブである、項目9に記載の外科手術用アクセス装置。
(項目16)
外科手術用アクセス装置であって、以下:
下にある組織に接近し、長手方向軸を規定するように寸法決めされたアクセス部材であって、このアクセス部材は、内部チャンバを規定する壁部分を有し、物体の通過のために寸法決めされた長手軸方向開口部を有する、アクセス部材;
アクセス部材の内部チャンバ内にマウントされ、物体との実質的なシーリング関係を形成するように適合されたシールであって、このシールは、長手方向軸に対してほぼ横断方向に、内部チャンバ内を往復移動するようにマウントされる、シール;および
シールを取り囲む内部チャンバ内の流体であって、薬理学的薬剤または治療薬のうちの一方である、流体
を備える、外科手術用アクセス装置。
(項目17)
項目16に記載のシールアセンブリであって、上記ハウジングの壁部分が、上記内部チャンバから、通路内へと上記流体を浸出させ、上記下にある組織と連絡することを可能にするように寸法決めされる、シールアセンブリ。
(項目18)
項目17に記載のシールアセンブリであって、さらに、上記内部チャンバ内に発泡体材料を含み、上記流体が、この発泡体材料内に含まれる、シールアセンブリ。
【0005】
外科的手順の間にアクセス装置とともに使用するためのシールアセンブリは、長手方向軸を規定し、物体の通過を可能にするように寸法決めされた通路を有するハウジングを備える。上記ハウジングは、外科手術用アクセス装置にマウントするように適合され、内部チャンバを規定する内部壁を有する。シールは、上記ハウジングの内部チャンバ内にマウントされ、物体との実質的なシーリング関係を形成するように適合される。上記シールは、長手方向軸に対してほぼ横断方向に、内部チャンバ内を往復移動するようにマウントされる。粘稠な流体は、上記シールの周囲の内部チャンバ内に配置され、上記シールと上記ハウジングの内部壁部分との間の実質的なシールを形成するように適合される。上記流体は、潤滑特性を有し、上記シールの、上記ハウジングの内部壁部分に対する滑り移動を容易にする。あるいは、上記流体は、治療薬または薬理学的薬剤を含み、これらは、組織の下を処置するために放出される。発泡体材料は、上記内部チャンバ内に配置され得る。上記発泡体材料は、少なくとも一部は、流体で飽和される。
【0006】
(要旨)
本発明の開示は、外科的手順の間にアクセス部材とともに使用するためのシールアセンブリにおけるさらなる改良に関する。一つの好ましい実施形態において、上記シールアセンブリは、長手方向軸を規定し、物体の通過を可能にするように寸法決めされた通路を有するハウジングを備える。上記ハウジングは、外科手術用アクセス装置にマウントするように適合され、内部チャンバを規定する壁部分を有する。シールは、上記ハウジングの内部チャンバ内にマウントされ、上記物体との実質的なシーリング関係を形成するように適合される。上記シールは、長手方向軸に対してほぼ横断方向に、内部チャンバ内を往復移動するようにマウントされる。粘稠な流体は、上記シールを取り囲む内部チャンバ内に配置され、上記シールと上記ハウジングの壁部分との間との間に実質的にシールを形成するように適合される。一つの好ましい実施形態において、上記シールは、外側環状支持カラーおよび内側シール部分を備え、内側シール部分は、上記物体の通過を可能にするように、開口部を規定する。好ましくは、上記流体は、上記環状支持カラーの、上記ハウジングの壁部分に対する滑り移動を容易にする潤滑特性を有する。
【0007】
一つの好ましい実施形態において、上記ハウジングの壁部分は、上記流体の内部チャンバから上記通路内への浸出を可能にするように寸法決めされる。この実施形態において、上記流体は、治療薬または薬理学的薬剤(例えば、医薬品、創傷処置剤、抗生物質、防腐剤、増殖因子または抗炎症剤)を含有する。
【0008】
代替的な実施形態において、発泡体材料は、内部チャンバ内に配置される。上記流体は、上記発泡体材料内に配置され、そして/または上記発泡体材料は、少なくとも一部は、上記流体で飽和され得る。
【0009】
別の好ましい実施形態において、外科手術用アクセス装置が提供される。上記アクセス装置は、内部チャンバを規定する壁部分を有するハウジング部材およびハウジング部材にマウントされたアクセス部材を備える。上記アクセス部材は、長手方向軸を規定し、物体の通過のために寸法決めされた縦長の開口部を有する。シール部材は、上記ハウジング部材の内部チャンバ内に配置され、上記物体の操作の際に、内部チャンバを横切るように適合される。上記シール部材は、周辺部分および上記周辺部分から内側に半径方向に延びる内側シール部分を備える。上記内側シール部分は、それと実質的にシールされた関係で、上記物体の通過を可能にするように適合される。発泡体材料は、上記シール部材の周辺部分を取り囲む内部チャンバ内に配置される。上記発泡体材料は、上記シール部材の周辺部分と上記ハウジングの壁部分との間に流体密シールを形成するために適合された粘稠な流体を含む。上記発泡体材料は、上記シール部材の周辺部分の、上記ハウジングの壁部分に対する滑り移動を容易にするための潤滑剤を含み得る。あるいは、上記発泡体材料は、薬理学的薬剤または治療薬を含み得る。上記壁部分は、望ましくは、上記内部チャンバからの流体の浸出を可能にするように寸法決めされる。
【0010】
上記シール部材の内側シール部分は、上記物体の受け入れのための中央開口部を備え得る。ゼロ閉鎖弁は、上記物体の非存在下でゼロ閉鎖弁が閉鎖するように、上記外科手術用アクセス装置に含まれ得る。上記外科手術用アクセス装置は、望ましくは、カニューレハウジングを備えるハウジングおよびカニューレスリーブを備えるアクセス部材を備える。
【0011】
別の好ましい実施形態において、外科手術用アクセス装置は、下にある組織に接近するように寸法決めされたアクセス部材を備え、そして長手方向軸を規定する。上記アクセス部材は、内部チャンバを規定する壁部分および物体の通過のために寸法決めされた長手方向軸開口部を有する。シールは、上記アクセス部材の内部チャンバ内にマウントされ、上記物体と実質的なシーリング関係を形成するように適合される。上記シールは、上記長手方向軸に対してほぼ横断方向に内部チャンバ内を往復移動するようにマウントされる。流体は、上記シールを取り囲む内部チャンバ内に配置される。上記流体は、薬理学的薬剤または治療薬の内の一方を含む。望ましくは、上記流体は、通路内へ放出され、下にある組織と連絡する。上記ハウジングの壁部分は、上記内部チャンバから下にある組織と連絡する通路内への流体の浸出を可能にするように寸法決めされ得る。好ましくは、発泡体材料は、上記内部チャンバ内に配置され、ここで、上記流体は、上記発泡体材料内に含まれる。
【0012】
本開示の好ましい実施形態は、添付の図面を参照することにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本開示の原理に従ったカニューレアセンブリおよびシールアセンブリの斜視図である。
【図2】図2は、本開示の原理に従ったカニューレアセンブリおよびシールアセンブリの斜視図である。
【図3】図3は、図1〜2の実施形態に従ったカニューレアセンブリおよびシールアセンブリの分離した部品の斜視図である。
【図4】図4は、図1〜3の実施形態に従ったカニューレアセンブリおよびシールアセンブリの側断面図である。
【図5】図5は、図1〜4の実施形態に従ったカニューレアセンブリおよびシールアセンブリ内の外科手術用器具の導入および操作を図示する図4に類似する側断面図である。
【図6】図6は、シールアセンブリの代替的な実施形態の概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本開示の上記シールアセンブリは、それのみであってもカニューレアセンブリに対して内部のシールシステムと組み合わせてであってもよいが、カニューレアセンブリを通って物体を挿入する前、その間、およびその後に、患者の体腔と外気との間に実質的なシールを提供する。さらに、本発明のシールアセンブリは、挿入される場合に、各器具との気密シールを提供することによって、異なる直径(例えば、約4.5mm〜約15mmの器具)の物体を受け入れ得る。本発明のシールアセンブリの可撓性は、異なる直径を有する種々の器具が単一の外科的手順の間に必要とされることが多い内視鏡外科手順を非常に容易にする。
【0015】
上記シールアセンブリは、外科的手順の外気完全性を維持するように、確立した気腹からの気体および/または流体の漏出を防止するために、器械の周囲の流体密界面を維持しながらトロカールアセンブリおよび/またはカニューレアセンブリを通しての挿入に適合した種々の型の器械の導入および操作を企図する。特に、上記シールアセンブリは、上記シール軸に対する外科手術用器具の角度のある操作を受け入れる。本開示のこの特徴は、望ましくは、気体のおよび/または流体の体腔への、および/または体腔からの流入および流出を最小化する。器械の例としては、クリップ適用機、捕捉器具、解剖器具、開創器、ステープラー、レーザープローブ、写真用デバイス、内視鏡および腹腔鏡、管などが挙げられる。このような器具は、本明細書中では、集合的に「器具または器械」と称される。
【0016】
上記シールアセンブリは、アクセスデバイス(例えば、従来のトロカールデバイスまたはカニューレ)に容易に組み込まれ得、挿入された器具の周りをシールする性能をこのデバイスに提供する。上記シールアセンブリはまた、使用の間に治療薬または薬理学的薬剤を発するかまたは放出するように適合され、その薬剤は、下にある組織と連絡し、上記組織に所望の治療効果を提供する。薬剤の例としては、抗細菌剤、抗菌剤、止血剤、加湿剤(例えば、生理食塩水)、回復剤、潤滑剤、防腐剤、増殖因子および/または抗炎症剤が挙げられる。
【0017】
上記シールアセンブリはまた、手で補助する腹腔鏡手順の間に、医師の腕または手を受け入れ、そしてこの腕または手の周りにシールを形成するように適合され得る。この適用において、上記シールアセンブリは、身体内に導入され、下にある組織(例えば、腹腔)へのアクセスを提供するアクセス部材の構成要素である。
【0018】
ここで図面を参照すると、類似の参照番号は、いくつかの図にわたって、同一かまたは実質的に類似の部品を同定する。図1〜2は、カニューレアセンブリ200のようなアクセスデバイスに設置された、本開示のシールアセンブリ100を図示する。カニューレアセンブリ200は、体腔に接近する意図された目的に適切な、任意の部材であり得、そして代表的に、そこを通しての器具の導入を可能にする通路を規定する。カニューレアセンブリ200は、腹腔鏡外科手術において使用するために特に適合される。この外科手術において、腹腔に、適切な気体(例えば、CO)が注入されて、この空洞の壁を、その中の内部器官から上昇させる。カニューレアセンブリ200は、代表的に、閉塞具アセンブリ(図示せず)と供に使用され、このアセンブリは、平滑な、編組されていない、または鋭利な尖った器具であり得、カニューレアセンブリ200の通路内に位置決め可能である。この閉塞具アセンブリは、腹壁を穿刺するため、またはカニューレアセンブリ200を腹壁に通して導入するために利用され、そして引き続いて、カニューレアセンブリ200から取り除かれて、この通路を通して手順を実施するために利用される外科手術器具の導入を可能にする。
【0019】
カニューレアセンブリ200は、カニューレスリーブ202、およびカニューレスリーブ202の近位端に設置されたカニューレハウジング204を備える。カニューレスリーブ202は、カニューレスリーブ202の長さに沿って延びる、長手方向軸「a」を規定する。カニューレスリーブ202は、外科手術用器具の通過を可能にするための寸法にされた、内部長手軸方向通路206を、さらに規定する。カニューレスリーブ202は、任意の適切な医療等級の材料(例えば、ステンレス鋼または他の剛性材料(ポリカーボネートのようなポリマー材料などが挙げられる))から形成され得る。カニューレスリーブ202は、透明であっても半透明であってもよい。カニューレスリーブ202の直径は、変化し得るが、代表的には、約4.5mm〜約15mmの範囲である。
【0020】
カニューレハウジング204は、図3〜4に示されるように、2つの区画(具体的には、カニューレスリーブ202の近位端に取り付けられるハウジングフランジ208、およびメインハウジング210)を備える。メインハウジング210は、差込み継手を介して、ハウジングフランジ208に接続可能であり、この継手は、ハウジングフランジ208の外側の、半径方向に間隔を空けた舌部212、およびメインハウジング210の内部の対応する凹部214(これらの凹部は、舌部212を受容するように配置される)からなる。その後、ハウジングフランジ208およびメインハウジング210は、回転されて、舌部212を凹部214内にしっかりとロックする。他の従来の手段(例えば、ねじ切りされた接続、スナップフィット、超音波溶接、または当業者によって予測される他の任意の手段(例えば、接着手段))が、ハウジングフランジ208をメインハウジング210に接続するために利用され得る。メインハウジング210は、正反対の側で対向するハウジンググリップ216をさらに備え、このグリップは、使用者の指による把持係合のための寸法および配置にされる。さらに、または代替的に、縫合糸アンカーが、メインハウジング210から延び得る。2つの構成要素として図示および記載されるが、カニューレハウジング204は、単一の構成要素であり得、そして上述の手段のいずれかによって、カニューレスリーブ202に取り付けられ得る。ハウジングフランジ208、またはハウジングフランジ208とメインハウジング210とは、カニューレスリーブ202と一体的に形成され得る。
【0021】
図1〜2と組み合わせて図3を参照すると、カニューレハウジング204は、弁218をさらに備える。弁218は、ゼロ閉鎖(zero−closure)弁(例えば、スリット220を有するダックビル弁)であり得る。この弁は、外科手術的目的物の非存在下で閉じ、そして/または加圧された空洞の注入ガスに応答して閉じる。代替において、弁218は、ゲルシール、バルーン弁、またはフラッパー弁であり得る。
【0022】
ここで、図1〜2と組み合わせて図3〜4を参照して、シールアセンブリ100が、詳細に議論される。シールアセンブリ100は、シールハウジング(一般に、参照番号102として同定される)およびシール104(これは、シールハウジング102内に配置される)を備える。シールハウジング102は、このアセンブリのシーリング構成要素を収容し、そしてシールアセンブリ100の外側の弁またはシール本体を規定する。シールハウジング102は、シールハウジングの中心軸「b」を規定し、この軸は、好ましくは、カニューレスリーブ202の軸「a」と平行であり、そしてより具体的には、このカニューレの軸「a」と一致する。シールハウジング102は、3つのハウジング構成要素(すなわち、第一のハウジング構成要素106、第二のハウジング構成要素108、および第三のハウジング構成要素110)を組み込み、これらの構成要素は、一緒に組み立てられると、シールハウジング102を形成する。ハウジング構成要素106、108、110の組み立ては、カニューレハウジング204に関して議論された、上述の接続手段のいずれかによって、実施され得る。3つの構成要素が図示および説明されるが、シールハウジング102は、内部にシール104が設置された、単一の構成要素であり得ることが理解される。ハウジング構成要素106、108、110の組み立てられた状態において、内部チャネル112が、上壁114および下壁116、ならびに側壁118a、118bの間に規定される。内部チャネル112は、シール104を収容する。具体的には、第一の構成要素106は、上壁114を有し、この壁は、第一の構成要素106の側壁118aから、軸「b」に向かって内向きに延びる。第二の構成要素108は、下壁116を有し、この壁は、第二の構成要素108の側壁118bから、軸「b」に向かって内向きに延びる。
【0023】
図3〜4を特に参照して、シール104が詳細に議論される。シール104は、環状の支持カラー120およびシール要素122を備え、このシール要素は、支持カラー120の内部に設置されるか、または支持カラーに取り付けられる。支持カラー120は、内側環状壁124を規定する。環状壁124は、好ましくは内部チャンバ112の高さよりわずかに低い高さを有して、内部チャンバ112を形成する上壁114および下壁116との近い許容誤差を形成する。支持カラー120は、内部チャンバ112内で、軸「b」をほぼ横切る関係で、方向矢印「c」の方向で、往復によりスライドするように適合される。支持カラー120は、プラスチック、金属またはエラストマーの材料を含み得、そしてシール要素122と一緒に、モノリシックに形成され得る。支持カラー120は、2部分のリングアセンブリ(例えば、同一人に譲渡された米国特許第6,702,787号(その開示は、本明細書中に参考として援用される)の特定の実施形態に開示されるアセンブリ)を備え得る。これらのリング部材は、穴およびポストを有し、これらは、互いに嵌合するために配置され、これらのリング部材の間にシール要素を固定して、これらのリング部材を一緒に連結する。
【0024】
シール要素122は、好ましくは、内部領域を含むセプタムシールであり、この内部領域は、外科手術用器具の密封された受容のための、中心開口部分126を規定する。シール要素122の周囲は、好ましくは、支持カラー120に固定されるか、または支持カラー120に入れられる。その結果、シール要素122は、挿入された物体の操作の間、支持カラー120と一緒に移動する。シール要素122を支持カラー120に固定するための任意の手段(セメント、接着剤などの使用が挙げられる)が、予測される。シール要素122は、エラストマー材料を含み得、そしてこのエラストマー材料に隣接する布層を備えても備えなくてもよい。例えば、1つの実施形態において、シール要素122は、望ましくは、布材料と圧縮成型されたエラストマー材料(例えば、上述の米国特許第6,702,787号(その全開示は、本明細書中に参考として援用される)の特定の実施形態に開示される)を備える。この布は、ポリマー材料の織った材料、編んだ材料、編組された材料、または不織材料を含み得る。あるいは、シール要素122は、軟質ウレタンゲル、シリコンゲルなどから作製された、ゲル材料を含み得る。上記のように、シール要素122および支持カラー120は、単一のユニットとして、モノリシックに形成され得る。さらなる実施形態において、シール要素122およびカラー120は、1つ以上のエラストマーから形成され得る。シール104が内部チャネル112に配置された状態で、外側環状空間128が、支持カラー120の周りで、シールハウジング102内に規定される。さらに、ギャップ130が、支持カラー120と上壁114との間に規定され、そしてギャップ132が、支持カラー120と下壁116との間に規定される。
【0025】
シール104は、発泡体材料132をさらに含み、この材料は、シールハウジング102内に配置される。具体的には、発泡体材料134は、支持カラー120を囲む環状空間128内に配置され、そして一般に、内部の壁114、116、118a、118b、および支持カラー120によって、空間128内に収容される。好ましい発泡体材料134は、連続気泡発泡体材料であり、そして好ましくは、ドーナッツ型またはほぼ環状の形状を規定して、環状空間128の構成に対応する。1つの好ましい実施形態において、発泡体材料134は、少なくとも部分的に、流体(例えば、薬理学的流体もしくは薬理学的薬剤、治療流体もしくは治療剤、または潤滑流体または潤滑剤)で飽和される。このような薬理学的流体および治療流体は、例えば、創傷処置剤、抗生物質、防腐剤、増殖因子、抗炎症剤などを包含する。潤滑流体および潤滑剤の例としては、生理食塩水またはシリコーンベースの製品が挙げられる。
【0026】
好ましい流体は、外科手術手順の持続時間にわたって環状空間128内に実質的に保持されるような、粘性特性または粘性特徴を有する。この点に関して、流体は、支持カラー120と上壁114との間に規定されるギャップ130、および支持カラー120と下壁116との間に規定されるギャップ132を満たし、そしてこれらのギャップ130、132の各々の内部に、シールを形成し、これによって、支持カラー120を超えて注入ガスが逃れることを防止する。
【0027】
好ましい流体としては、ヒアルロン酸の生理食塩水溶液、カルボキシメチルセルロースの生理食塩水溶液、これらの組み合わせおよび混合物、ならびに上記のものを含有する流体が挙げられる。これらの流体は、瘢痕の形成を減少させることが示されており、そしてGenzyme Corporationから市販されている。
【0028】
使用され得る、水および/または生理食塩水に可溶性の材料としては、ヒアルロン酸、セルロース、カルボキシメチルセルロース(種々の置換のもの)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、アミノデキストラン、スルホン化デキストラン、カルボキシル化デキストラン、アルギネート(種々のマンヌロン酸残基およびグルロン酸(guluronic)残基のもの)、キトサン(種々のでアセチル化のもの)、ポリリン脂質(MPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリメタクリル酸(PMAA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、アクリル酸カリウムスルホプロピルおよびメタクリル酸カリウムスルホプロピル(KSPAおよびKSPMA)、スルホン化スチレン(PSスルホン酸)、上記のものの親水性ビニルコポリマー、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリアミン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ならびに(PluronicまたはPoloxamer)のコポリマー、水溶性シリコンコポリマー、エマルジョンなど、ポリアミノ酸(すなわち、ポリリジン)、グラフト重合したポリアミド、多糖類、脂質、ポリオルトエステル(POE)、ポリオルトエステル−ポリエチレングリコールコポリマー、ポリエチレン−スチレンコポリマー、ならびに上記のものの種々の分子量、アーキテクチャ、粘度、熱特性、比、ブレンド、グラフト重合体、コポリマー、可塑化オリゴマー、可溶化物、電気的特性/絶縁特性、粘度およびせん断依存性/レオロジーなどのものが挙げられる。上記のものの混合物および組み合わせ、および上記のもののを含有する他の材料が、使用され得る。
【0029】
潤滑材料が、発泡体材料134内に組み込まれる場合、この材料はまた、支持カラー120の表面ならびにハウジング102の上壁114および下壁116に、潤滑性コーティングを提供し、これによって、上壁114および下壁116に沿って、ならびに内部チャンバ112内での、支持カラー120のスライドによる移動を容易にする。薬理学的薬剤または治療剤が、発泡体材料134に組み込まれる場合、いくらかの流体が、小さいギャップ130、132を通って浸出して、シールハウジング102の内部領域に入ることが、望ましい。理解されるように、この流体は、最終的に、カニューレアセンブリ200の貫通カニューレスリーブ202の近位構成要素106を通って連絡し、そして組織部位に入って、その組織部位に対する所望の治療効果を提供する。この活性は、本明細書中以下でより詳細に議論される。
【0030】
発泡体材料134は、潤滑剤および治療剤、または薬理学的薬剤の両方に組み込まれ得ることが、理解される。治療剤または薬理学的薬剤はまた、潤滑特徴を有し得ることもまた、理解される。さらに、流体を含む発泡体材料134はまた、支持カラー120およびシール要素122を、ハウジングの軸「b」とほぼ整列した位置に整列させるように働く。すなわち、発泡体材料134は、内部チャンバ112内で平衡状態にある場合、通常、支持カラー120およびシール要素122を、シール軸「b」とほぼ整列した位置に位置決めする。
【0031】
シールアセンブリ100は、種々の様式で、カニューレアセンブリ200に関連され得るか、または連結され得る。好ましい実施形態において、シールアセンブリ100のシールハウジング102と、カニューレアセンブリ200のカニューレハウジング204は、例えば、差込みロック、ねじ切りされた取付具、ラッチ取付具、または類似の機械的手段を介して、互いに取り外し可能に係合するように適合される。さらなる実施形態において、カニューレハウジング204および弁218は、省略され得、そしてシールアセンブリ100は、フランジ206に取り外し可能にかまたは永続的に取り付けられ得る。このシールアセンブリは、カニューレアセンブリを手術部位に適用する前、適用の間、または適用後に、カニューレアセンブリ200に設置され得る。あるいは、シールアセンブリ100は、図5に示されるように、カニューレハウジング204内に構築され得る。さらなる代替として、シールアセンブリ100は、手で補助される腹腔鏡手順において利用される、ハンドアクセスデバイスのハウジング内に組み込まれ得る。
【0032】
シールアセンブリ100およびカニューレアセンブリ200の、外科手術用器具の導入と組み合わせた使用が、議論される。シールアセンブリ100は、カニューレアセンブリ200に設置され、そしてカニューレアセンブリ200は、代表的に、鋭利なトロカール閉鎖具または編組されていないトロカール閉鎖具を利用して、注入された腹腔に導入される。図5を参照すると、物体(例えば、器具300)が、シール104を通して、シールアセンブリ100に挿入され、これによって、シール要素122の開口部分126を規定する部分が、器具300を実質的にシールする関係で収容するように伸びる。器具300は、弁218を通して遠位に通され、そして所望の手順を実施するために、体腔に入れられる。この器具の操作の間、シール104は、シールハウジング102の内部チャンバ112を横断する。上記のように、発泡対材料134に含まれる流体の潤滑性質は、上壁114および下壁116に沿った支持カラー120の移動を容易にする。さらに、この器具および支持カラー120の移動の際に、支持カラー120は、発泡体材料134を圧縮し得、これによって、この流体のいくらかを、参照番号136によって示されるように、ギャップ130、132を通して浸出させ、そしてシールハウジング102の内部領域に入れる。この流体136は、外科手術用器具を通して、手術部位へと運ばれ、治療効果を組織部位に提供する。流体136はまた、望ましくは、ギャップ130、132を通って浸出し、そして近位構成要素106を出て切開に至り、この切開の部位に、水分および/または他の薬理学的利点を提供する。
【0033】
図6は、発泡体材料134が排除された、シールアセンブリ100の別の実施形態を図示する。この実施形態に従って、流体136は、支持カラー120を囲む環状空間128内に配置される。本明細書中上で議論されたように、流体136は、治療剤、薬理学的薬剤または潤滑剤、あるいは上で言及された他の任意の薬剤であり得る。流体136は、好ましくは、粘性であり、その結果、ギャップ130、132における狭い許容差は、本明細書中上で議論されたように下にある組織を処置するために、流体136のいくらかのみが、シールハウジング102から出ることを可能にする。流体136の粘性はまた、ギャップ130、132をシールする役に立つ。流体134は、液体材料または気体材料を含み得、そして望ましくは、外部組織部位および内部組織部位に対する治療効果を有する。流体136は、図6においては、環状空間128を満たしているように示されるが、空間128を部分的に満たし得るか、または支持カラー120もしくはシールハウジング102の表面をコーティングし得る。
【0034】
本発明は、好ましい実施形態を参照して、具体的に示され、そして記載されたが、形式および細部における種々の改変および変化が、本発明の範囲および精神から逸脱することなくなされ得ることが、当業者によって理解される。例えば、シール要素104は、内部チャンバ112を横断するいかなる動きもなしで、シールハウジング102内で固定され得る。別の例において、このシール要素は、このハウジングに係合するような形状にされ得る。さらなる例において、このシール要素は、支持カラーまたは他の設置部に固定されても固定されなくてもよい。
【0035】
シール要素104は、種々の形状および構成(例えば、平坦なディスク形状、円錐形、または砂時計の形状の部材)の、エラストマーと一緒に成型された布材料を備えるシールを備え得る。米国特許出願番号10/165,133(2002年6月6日出願、この開示は、本明細書中に参考として援用される)の特定の実施形態に開示されるシールが、使用され得る。さらなる代替において、シール要素104は、好ましくは、布シールであり、そして望ましくは、制限を有するように配置される。例えば、シール要素104は、ほぼ砂時計のような形状を有し得る。この布は、織られた材料、編組された材料、または編まれた材料であり得る。この材料の型は、所望の膨張性を提供するように選択される。例えば、種々の末端の数および角度の編組が、選択され得る。好ましい材料は、合成材料(例えば、ナイロン、Kevlar(E.I.DuPont de Nemours and Companyの商標)またはそこを通して挿入される器具の周りで膨張および圧縮する、他の任意の材料)である。選択される材料は、望ましくは、器具がシール要素104に導入される際に、ギャップの形成を最小にするか、または防止する。シール要素104の材料は、多孔性であり得るか、または注入ガスに対して不透過性であり得る。多孔性である場合、シール要素104は、注入ガスに対して不透過性である材料のコーティングを備え得るか、またはこの弁の少なくとも一部分が、コーティングされ得る。さらに、この布は、ウレタン、シリコンまたは他の可撓性潤滑材料で、その内部をコーティングされ、器具または他の物体(例えば、手および腕)の、シール要素104を通る通過を容易にし得る。特定の実施形態において、この布は、軸「a」の周りでねじられ、これによって、制限部分または閉じた部分を形成する。この布は、望ましくは、この布が制限部または閉鎖部を形成するような材料から構成され、そして/またはそのように配置される。シール要素104はまた、制限部を有するように成型され得るか、または制限部を有するように編まれるか、編組されるか、もしくは織られ得る。シール要素104に対する他の配置がまた、予測される。従って、上で示唆されるもののような改変は、本発明の範囲内であるとみなされるが、これらに限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用アクセス装置とともに使用するためのシールアセンブリであって、以下:
長手方向軸を規定し、物体の通過を可能にするように寸法決めされた通路を有するハウジングであって、該ハウジングは、外科手術用アクセス装置にマウントするように適合され、内部壁部分を有する、ハウジング;
該ハウジングにマウントされシールであって、該シールは、外側環状支持カラーおよび内側シール部分を含み、該内側シール部分は、該物体との実質的なシーリング関係を形成するように適合されており、該シールは、該長手方向軸に対してほぼ横断方向に、往復移動するようにマウントされ、該支持カラーおよび該ハウジングの内部壁部分は、それらの間に内部チャンバを規定する、シール;
該シールの外部にあり、かつ、該シールを取り囲み、かつ、該内部壁部分と接触する該内部チャンバ内の粘稠な流体であって、該粘稠な流体は、該内部壁部分と協働して、該シールと該ハウジングの間に実質的なシールを形成する、粘稠な流体;
を備え
該シールの該外側環状支持カラーおよび該ハウジングの該内部壁部分は、それらの間に少なくとも1つのギャップを規定して、該流体の該内部チャンバから該通路への浸出を可能にする、シールアセンブリ。
【請求項2】
前記流体が、該環状支持カラーの、該ハウジングの内部壁部分に対する滑り移動を容易にする潤滑特性を有する、請求項に記載のシールアセンブリ。
【請求項3】
前記流体が、潤滑剤を含む、請求項に記載のシールアセンブリ。
【請求項4】
前記流体が、治療薬または薬理学的薬剤を含有する、請求項に記載のシールアセンブリ。
【請求項5】
前記流体が、医薬品、創傷処置剤、抗生物質、防腐剤、増殖因子または抗炎症剤を含有する、請求項に記載のシールアセンブリ。
【請求項6】
さらに、前記内部チャンバ内に発泡体材料を含み、前記流体が、該発泡体材料の中に配置される、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項7】
外科手術用アクセス装置であって、以下:
内部壁部分を有するハウジング部材;
該ハウジング部材にマウントされたアクセス部材であって、該アクセス部材は、中央の長手方向軸を規定し、物体の通過のために寸法決めされた長手軸方向の開口部を有する、アクセス部材;
該ハウジング部材に配置され、該物体の操作の際に該ハウジング部材を越えるように適合されたシール部材であって、該シール部材は、周辺部分およ内側シール部分を備え、該内側シール部分は、それと実質的にシールされた関係で、該物体の通過を可能にするように適合され、該シール部材の該周辺部分および該ハウジング部材の該内部壁部分は、それらの間に内部チャンバを規定する、シール部材;ならびに
該シール部材の周辺部分の外部にあり、かつ、該シール部材の周辺部分を取り囲む内チャンバ内の発泡体材料であって、該発泡体材料は、粘稠な流体を含み、該粘稠な流体は、該ハウジング部材の該内部壁部分と直接的に接触し、該シール部材の周辺部分と該ハウジングの内部壁部分との間に流体密シールを形成するために適合されている、発泡体材料;
を備え
該ハウジング部材および該シール部材は、該内部壁部分と該シール部材との間に少なくとも1つのギャップを規定するように寸法決めされかつ構成され、これにより、該物体の操作の間に、該流体は、該内部チャンバから該アクセス部材の該長手方向の開口部に連絡される、外科手術用アクセス装置。
【請求項8】
前記発泡体材料が、前記シール部材の周辺部分の、前記ハウジングの内部壁部分に対する滑り移動を容易にするための潤滑剤を含む、請求項に記載の外科手術用アクセス装置。
【請求項9】
前記発泡体材料が、薬理学的薬剤または治療薬を含む、請求項に記載の外科手術用アクセス装置。
【請求項10】
前記シール部材の内側シール部分が、前記物体の受け入れのための中央開口部を備える、請求項に記載の外科手術用アクセス装置。
【請求項11】
さらに、ゼロ閉鎖弁を備え、該ゼロ閉鎖弁が、前記物体の非存在下で閉鎖するように適合されている、請求項10に記載の外科手術用アクセス装置。
【請求項12】
前記ハウジングが、カニューレハウジングであって、前記アクセス部材が、カニューレスリーブである、請求項に記載の外科手術用アクセス装置。
【請求項13】
前記内側シール部分は、前記環状支持カラーに対して実質的に直交した関係で該環状支持カラーから内側にぶら下がる、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項14】
前記シールは、通常状態のときに、前記内側シール部分を通って延びる開口を規定する、請求項1に記載のシールアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−206577(P2011−206577A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141185(P2011−141185)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【分割の表示】特願2005−361108(P2005−361108)の分割
【原出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】