外科用開創器
【課題】切開口を広げるだけでなく、骨膜を容易かつ迅速に剥離することができる外科用開創器を提供すること。
【解決手段】切開口を広げて術野を確保するための外科用開創器1であって、長尺状に延びる本体支持部2と、この本体支持部2を起点として、前記本体支持部2の長さ方向Dと交差する方向に延びる押さえ部3と、この押さえ部3の先端に設けられた爪部7と、を備え、前記爪部7が、前記押さえ部3の長さ方向Hに向けられていることを特徴とする。
【解決手段】切開口を広げて術野を確保するための外科用開創器1であって、長尺状に延びる本体支持部2と、この本体支持部2を起点として、前記本体支持部2の長さ方向Dと交差する方向に延びる押さえ部3と、この押さえ部3の先端に設けられた爪部7と、を備え、前記爪部7が、前記押さえ部3の長さ方向Hに向けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術などにおいて使用される外科用開創器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、外科手術などにおいて、切開口を広げて術野を確保するために外科用開創器が使用される。これら外科用開創器の中には、長尺状に延びる本体支持部と、この本体支持部の長さ方向と交差する方向に延びる押さえ部とを備えたものが周知となっている(例えば、非特許文献1参照。)。そして、その押さえ部の先端には、本体支持部の基端側に折り返されて、凸状に湾曲した鉤爪が設けられている。この鉤爪により、切開口を広げたときに、腸などの内蔵に損傷を与えるのが防止されるようになっている。
【0003】
ここで、骨折などの治療のための外科手術においては、骨接合インプラントを骨の内部に挿入し、このように挿入した状態で骨接合インプラントを固定することにより、骨折部を固定、補強することが行われている。
例えば、大腿部頸部骨折に関して取り上げてみると、骨折部の固定のための骨接合インプラントとしては、図10に示すように、円筒状に形成され、かつ先端に雄ネジが設けられたラグスクリュー102と、このラグスクリュー102を固定するためのチューブプレート103と、を備えたものが知られている。チューブプレート103は、略板状の本体部103aと、ラグスクリュー102を支持する軸支部103bとを備えており、これら本体部103aの延びる方向と、軸支部103bの延びる方向との交わる角θが、例えば135度、145度とあらかじめ設定されて構成されている。軸支部103bには、ラグスクリュー102を挿通させるための軸支孔103cが形成されている。
【0004】
このような骨接合インプラントを以下のようにして設置する。すなわち、骨幹部106の上部近傍の皮膚を人体側方から切開し、外科用開創器を使用して切開口を広げて術野を確保する。そして、ラグスクリュー102を軸支孔103cに挿通させた状態で、ラグスクリュー102の先端が骨頭部105内の所定の位置に到達するまで、不図示のレンチを用いて、あらかじめ形成しておいた下孔に沿ってラグスクリュー102をねじ込む。そして、押し込み器具101を用いて、チューブプレート103の軸支部103bを骨内に挿入させて、本体部103aが骨幹部106にぴったりと接触するまで、チューブプレート103を押し込む。
それから、図11に示すように、本体部103aの所定の取付孔および軸支孔103cにネジ107を挿入して、チューブプレート103およびラグスクリュー102をしっかりと固定する。最後に、上記切開した皮膚を縫合して一連の処置が終了する。
【0005】
このような一連の処置において、外科用開創器によって切開口を広げて術野を確保してから、チューブプレート103を骨幹部106に設置するためには、骨幹部106のうちチューブプレート103を設置する所定の部位の骨膜を剥離する必要がある。従来は、へら状の剥離子を別個に用意して、その剥離子によって骨膜をこすり取って剥離していた。しかし、剥離子を用いると、手術用の器具が増えるため、処置が面倒になり手術時間も延びてしまう。
そこで、上述した外科用開創器の鉤爪によって骨膜を剥離することが考えられる。これにより、骨膜を剥離してから、その同じ外科用開創器を用いて切開口を広げることができる。
【非特許文献1】“クラニオサージャリー PAGE5”、[online]、[平成17年8月18日検索]、インターネット<URL:http://www.kakinumamedical.com/craniofacial_surgery_5.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような構成では、鉤爪が骨膜に引っ掛かり難くいため、骨膜をこすり取ることが困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、切開口を広げるだけでなく、骨膜を容易かつ迅速に剥離することができ、手術時間の短縮を図ることができる外科用開創器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る外科用開創器は、切開口を広げて術野を確保するための外科用開創器であって、長尺状に延びる本体支持部と、この本体支持部を起点として、前記本体支持部の長さ方向と交差する方向に延びる押さえ部と、この押さえ部の先端に設けられた爪部と、を備え、前記爪部が、前記押さえ部の長さ方向に向けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、本体支持部を介して押さえ部を移動させることによって切開口が広げられる。また、切開口に押さえ部を挿入したときに、押さえ部の先端に設けられた爪部を、切開口の奥にある骨膜に当接させる。そして、押さえ部を骨に沿って動かす。すると、爪部が押さえ部の長さ方向に向けられていることから、爪部が骨膜に引っ掛かり易くなる。
これにより、骨膜を容易に擦り取ることができる。
【0010】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記押さえ部の先端部が、その基端部よりも幅狭に形成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入したときに、その幅広の基端部により、切開口を広げ易くすることができるだけでなく、幅狭の先端部により、切開口から筋肉などを分けながら、爪部を骨膜まで容易に到達させることができ、迅速に骨膜をこすり取ることができる。
【0012】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記爪部に、凹状の湾曲部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る外科用開創器においては、爪部を骨膜に当接させたときに、骨膜の凸状の湾曲形状にならって、湾曲部がその骨膜に当接する。
これにより、爪部と骨膜とを線接触させることができ、一層容易に骨膜を剥離することができる。
【0014】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記押さえ部に、この押さえ部の長さ方向に向けられた貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、切開口を広げた状態で、貫通孔を通して骨に鋼線などが挿入される。すると、押さえ部が固定されて、切開口が広げられた状態で保持される。
ここで、切開口を広げると、皮膚や筋肉などの復元力により、切開口が閉じられるような力が働く。そのため、従来は、切開口が広げられた状態を保持するため、外科用開創器を常に把持しておく必要があった。
本発明においては、切開口を広げた状態で押さえ部が固定されることから、常に把持していなくても、切開口が広げられた状態を容易に保持することができる。
【0016】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記本体支持部に、把持部が設けられており、この把持部の後端部に、前記把持部を把持したときに指を引っ掛けるための突起部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明に係る外科用開創器においては、把持部を把持したときに、例えば小指などの指を突起部に引っ掛けることができることから、把持部を容易に把持することができる。
【0018】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記本体支持部に、把持部が設けられており、この把持部が、樹脂により形成されていることを特徴とする。
【0019】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、切開口を広げた状態で、各種処置が行われる。このとき、X線照射画像を見ながら処置を行うのが一般的である。
本発明においては、把持部が樹脂により形成されていることから、照射されたX線が把持部を透過する。そのため、X線照射画像に把持部を写さなくすることができ、そのX線照射画像を見ながら各種処置を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記本体支持部に、把持部が設けられており、この把持部に、前記押さえ部の長さ方向に沿って前記把持部を貫通するスリットが形成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、切開口を広げた状態で、各種処置が行われる。このとき、X線照射画像を見ながら処置を行うのが一般的である。
本発明においては、把持部にスリットが形成されていることから、照射されたX線がスリットを介して把持部を透過する。そのため、把持部のうちスリットの形成された領域をX線照射画像に写さなくすることができ、そのX線照射画像を見ながら各種処置を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、爪部が骨膜に引っ掛かり易くなることから、切開口を広げるだけでなく、骨膜を容易かつ迅速に剥離することができ、手術時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態に係る外科用開創器について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は外科用開創器を示すものである。
外科用開創器1は、長尺状に延びる本体支持部2を備えている。本体支持部2は、ステンレスからなり、板状に形成されている。本体支持部2の先端には、この本体支持部の長さ方向Dに直交する方向に延びる押さえ部3が設けられている。押さえ部3は、ステンレスからなり、板状に形成されている。これら本体支持部2と押さえ部3は、一体的に連結されており、本体支持部2と押さえ部3との連結部分は、面取りされてR状に形成されている。
【0024】
さらに、押さえ部3は、図3に示すように、その先端部の幅寸法w1が、基端部の幅寸法w2よりも小さくして形成されている。すなわち、押さえ部3の先端部は、その基端部よりも幅狭に形成されている。
押さえ部3の先端には、押さえ部3と一体的に形成された爪部7が設けられている。爪部7は、先端にいくにつれて漸次薄肉となるように形成されており、押さえ部3の長さ方向(本体支持部2の長さ方向Dに直交する方向)Hに向けられている。また、爪部7の爪先には、凹状の湾曲部8が設けられている。すなわち、湾曲部8は、押さえ部3の基端側に向けられて曲線状に形成されている。この湾曲部8は、図4に示す骨幹部22の外面の曲線にならって形成されている。
【0025】
また、本体支持部2の基端部には、図2に示すように、術者が把持するための把持部6が設けられている。把持部6は、本体支持部2の幅方向の両端に設けられた一対の板状部11を備えている。板状部11は、ステンレスからなっており、押さえ部3の長さ方向Hに向けられて互いに対向して取り付けられている。そのため、それら一対の板状部11の間には、押さえ部3の長さ方向Hに沿って把持部6を貫通するスリット12が形成されている。板状部11の両主面のうち、外方側に配された一方の主面には、中央部分にいくに従って漸次肉厚となるような側面視して山状に形成された肉厚片13が設けられている。肉厚片13は、把持部6を握り易くするために設けられるものである。肉厚片13は、ネジ16によって板状部11のそれぞれの一方の主面に固定されている。板状部11の後端部には、押さえ部3の略長さ方向Hであって、爪部7側の方向(下方向)に向けられた突起部17が設けられている。突起部17の下部には、図1に示すように、R状に形成された引っ掛け部18が設けられている。
【0026】
次に、このように構成された本実施形態における外科用開創器1の作用を、例えば大腿部頸部骨折の治療に合わせて説明する。
一般的に、大腿部頸部骨折の場合、上述したように、図4及び図5に示す骨頭部21内に、ラグスクリュー23やチューブプレート26などの骨接合インプラントを挿入し、ネジ24によって固定することにより、骨頭部21を骨幹部22の上部に固定、接合するという処置が行われる。そして、チューブプレート26を骨幹部22に設置するためには、骨幹部22のうちチューブプレート26を設置する所定の部位の骨膜27を剥離する必要がある。
【0027】
本実施形態においては、以下のようにして、骨膜27が剥離される。
すなわち、骨幹部22の上部近傍の皮膚を、人体側方から骨幹部22の長さ方向に切開する。そして、把持部6を把持する。このとき、小指などの指を引っ掛け部18に引っ掛けることにより、把持部6が把持し易くなる。それから、切開口に押さえ部3を挿入し、図4に示すように、筋肉などを分けながら爪部7を骨膜27に当接させる。そして、本体支持部2の長さ方向Dと骨幹部22の長さ方向とが略同一方向に向けられるように、外科用開創器1の角度を調整する。このとき、押さえ部3の幅広の基端部により、切開口が広げられるとともに、爪部7の爪先に湾曲部8が設けられていることから、骨幹部22の外面の曲線にならって、湾曲部8が骨膜27に線接触する。この状態で、把持部6を骨幹部22に沿わせて前後に移動させると、爪部7は、押さえ部3の長さ方向Hに向けられていることから、骨膜27に引っ掛かり易くなり、骨膜27が擦り取られ、骨幹部22から剥離される。
【0028】
次いで、チューブプレート26を設置するための所定の分、骨膜27を剥離した後、本体支持部2の長さ方向Dと骨幹部22の長さ方向とが交差するように、把持部6を把持して外科用開創器1を略90°回転させる。それから、把持部6を引いて切開口を開口させた状態で、ネジ24によってラグスクリュー23及びチューブプレート26を設置する。このとき、図5に示すX線照射画像を見ながら、処置が行われる。本実施形態においては、把持部6にスリット12が形成されていることから、照射されたX線がスリット12を介して把持部6を透過する。そのため、図5に示すように、把持部6のうちスリット12の形成された領域がX線照射画像に写らなくなる。そこで、X線照射画像上において、スリット12を介して、ネジ24などを確認しながら、図7に示すように、ラグスクリュー23及びチューブプレート26を設置する。なお、符号35は、ネジ24を締めるためのドライバーを示すものである。
【0029】
以上より、本実施形態における外科用開創器1によれば、爪部7が押さえ部3の長さ方向Hに向けられており、爪部7が骨膜27に引っ掛かり易くなるため、把持部6を介して押さえ部3を骨幹部22に沿って動かすだけで、骨膜27を容易に擦り取ることができる。そのため、切開口を広げるだけでなく、骨膜27を容易かつ迅速に剥離することができ、手術時間の短縮を図ることができる。
また、押さえ部3の先端部が基端部よりも幅狭に形成されていることから、切開口に押さえ部3を挿入したときに、その幅広の基端部により、切開口を広げ易くすることができるだけでなく、幅狭の先端部により、切開口から筋肉などを分けながら、爪部7を骨膜27まで容易に到達させることができ、迅速に骨膜27をこすり取ることができる。
【0030】
さらに、爪部7の爪先に湾曲部8が設けられていることから、爪部7と骨膜27とを線接触させることができ、一層容易に骨膜27を剥離することができる。
また、把持部6に突起部17が設けられており、把持部6を把持したときに、突起部17に小指などの指を引っ掛けることができることから、把持部6を容易に把持することができる。
また、把持部6にスリット12が形成されていることから、把持部6のうちスリット12の形成された領域をX線照射画像に写さなくすることができ、そのX線照射画像を見ながら各種処置を容易に行うことができる。
【0031】
(実施形態2)
図7から図9は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図7から図9において、図1から図5に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
【0032】
本実施形態においては、図7に示すように、押さえ部3の両主面のうち、外方側に配された一方の主面に、固定部材30が設けられている。固定部材30には、押さえ部3の長さ方向Hに向けられて固定部材30を貫通する貫通孔31が設けられている。貫通孔31は、図8に示すように、押さえ部3の幅方向に所定の間隔を空けて二つ設けられている。
【0033】
このような構成のもと、切開口に押さえ部3を挿入して切開口を広げた状態で、図9に示すように、それぞれの貫通孔31を通して、鋼線32を骨幹部22にねじ込む。これにより、押さえ部3が骨幹部22に固定される。ここで、切開口を広げると、皮膚や筋肉などの復元力により、切開口が閉じられるような力が働く。
本実施形態においては、切開口を広げた状態で押さえ部3が固定されることから、把持部6を常に把持していなくても、切開口が広げられた状態を容易に保持することができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、貫通孔31を二つ設けるとしたが、これに限ることはなく、その設置数は適宜変更してもよい。ただし、貫通孔31を二つ設けることにより、簡易な構成によって、鋼線32を中心として外科用開創器1が回転することを防止することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態において、スリット12を設けるとしたが、これに限ることはなく、把持部6を樹脂により形成してもよい。これにより、X線を透過させることができ、X線照射画像に把持部6全体を写さなくすることができる。また、本体支持部2や押さえ部3などを樹脂により形成してもよい。これにより、X線照射画像に外科用開創器1全体を写さなくすることができる。
さらに、大腿部頸部骨折の処置として説明したが、これに限ることはなく、種々の骨折治療に適用できるのはいうまでもない。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る外科用開創器の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の外科用開創器を下から見た様子を示す下面図である。
【図3】図1の外科用開創器を正面から見た様子を示す正面図である。
【図4】第1実施形態の外科用開創器を用いて、骨膜を剥離する様子を示す説明図である。
【図5】本実施形態の外科用開創器を用いて切開口を広げた状態で、X線を照射したときに得られるX線照射画像を示す説明図である。
【図6】本実施形態の外科用開創器を用いて切開口を広げた状態で、チューブプレートをネジ止めしている様子を示す図であって、大腿骨に直交する断面を足元側から見た様子を示す断面図である。
【図7】本発明に係る外科用開創器の第2の実施形態を示す側面図である。
【図8】図7の外科用開創器を下から見た様子を示す下面図である。
【図9】第2実施形態の外科用開創器を用いて切開口を広げた状態で、貫通孔を通して骨幹部に鋼線を挿入した様子を示す説明図である。
【図10】従来の骨接合インプラントの挿入作業を示す図であって、ラグスクリュー及びチューブプレートを骨幹部に押し込んだ様子を示す説明図である。
【図11】従来の骨接合インプラントの挿入作業を示す図であって、ラグスクリュー及びチューブプレートを骨幹部に固定した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 外科用開創器
2 本体支持部
3 押さえ部
6 把持部
7 爪部
8 湾曲部
12 スリット
17 突起部
31 貫通孔
H 押さえ部の長さ方向
D 本体支持部の長さ方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術などにおいて使用される外科用開創器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、外科手術などにおいて、切開口を広げて術野を確保するために外科用開創器が使用される。これら外科用開創器の中には、長尺状に延びる本体支持部と、この本体支持部の長さ方向と交差する方向に延びる押さえ部とを備えたものが周知となっている(例えば、非特許文献1参照。)。そして、その押さえ部の先端には、本体支持部の基端側に折り返されて、凸状に湾曲した鉤爪が設けられている。この鉤爪により、切開口を広げたときに、腸などの内蔵に損傷を与えるのが防止されるようになっている。
【0003】
ここで、骨折などの治療のための外科手術においては、骨接合インプラントを骨の内部に挿入し、このように挿入した状態で骨接合インプラントを固定することにより、骨折部を固定、補強することが行われている。
例えば、大腿部頸部骨折に関して取り上げてみると、骨折部の固定のための骨接合インプラントとしては、図10に示すように、円筒状に形成され、かつ先端に雄ネジが設けられたラグスクリュー102と、このラグスクリュー102を固定するためのチューブプレート103と、を備えたものが知られている。チューブプレート103は、略板状の本体部103aと、ラグスクリュー102を支持する軸支部103bとを備えており、これら本体部103aの延びる方向と、軸支部103bの延びる方向との交わる角θが、例えば135度、145度とあらかじめ設定されて構成されている。軸支部103bには、ラグスクリュー102を挿通させるための軸支孔103cが形成されている。
【0004】
このような骨接合インプラントを以下のようにして設置する。すなわち、骨幹部106の上部近傍の皮膚を人体側方から切開し、外科用開創器を使用して切開口を広げて術野を確保する。そして、ラグスクリュー102を軸支孔103cに挿通させた状態で、ラグスクリュー102の先端が骨頭部105内の所定の位置に到達するまで、不図示のレンチを用いて、あらかじめ形成しておいた下孔に沿ってラグスクリュー102をねじ込む。そして、押し込み器具101を用いて、チューブプレート103の軸支部103bを骨内に挿入させて、本体部103aが骨幹部106にぴったりと接触するまで、チューブプレート103を押し込む。
それから、図11に示すように、本体部103aの所定の取付孔および軸支孔103cにネジ107を挿入して、チューブプレート103およびラグスクリュー102をしっかりと固定する。最後に、上記切開した皮膚を縫合して一連の処置が終了する。
【0005】
このような一連の処置において、外科用開創器によって切開口を広げて術野を確保してから、チューブプレート103を骨幹部106に設置するためには、骨幹部106のうちチューブプレート103を設置する所定の部位の骨膜を剥離する必要がある。従来は、へら状の剥離子を別個に用意して、その剥離子によって骨膜をこすり取って剥離していた。しかし、剥離子を用いると、手術用の器具が増えるため、処置が面倒になり手術時間も延びてしまう。
そこで、上述した外科用開創器の鉤爪によって骨膜を剥離することが考えられる。これにより、骨膜を剥離してから、その同じ外科用開創器を用いて切開口を広げることができる。
【非特許文献1】“クラニオサージャリー PAGE5”、[online]、[平成17年8月18日検索]、インターネット<URL:http://www.kakinumamedical.com/craniofacial_surgery_5.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような構成では、鉤爪が骨膜に引っ掛かり難くいため、骨膜をこすり取ることが困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、切開口を広げるだけでなく、骨膜を容易かつ迅速に剥離することができ、手術時間の短縮を図ることができる外科用開創器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る外科用開創器は、切開口を広げて術野を確保するための外科用開創器であって、長尺状に延びる本体支持部と、この本体支持部を起点として、前記本体支持部の長さ方向と交差する方向に延びる押さえ部と、この押さえ部の先端に設けられた爪部と、を備え、前記爪部が、前記押さえ部の長さ方向に向けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、本体支持部を介して押さえ部を移動させることによって切開口が広げられる。また、切開口に押さえ部を挿入したときに、押さえ部の先端に設けられた爪部を、切開口の奥にある骨膜に当接させる。そして、押さえ部を骨に沿って動かす。すると、爪部が押さえ部の長さ方向に向けられていることから、爪部が骨膜に引っ掛かり易くなる。
これにより、骨膜を容易に擦り取ることができる。
【0010】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記押さえ部の先端部が、その基端部よりも幅狭に形成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入したときに、その幅広の基端部により、切開口を広げ易くすることができるだけでなく、幅狭の先端部により、切開口から筋肉などを分けながら、爪部を骨膜まで容易に到達させることができ、迅速に骨膜をこすり取ることができる。
【0012】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記爪部に、凹状の湾曲部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る外科用開創器においては、爪部を骨膜に当接させたときに、骨膜の凸状の湾曲形状にならって、湾曲部がその骨膜に当接する。
これにより、爪部と骨膜とを線接触させることができ、一層容易に骨膜を剥離することができる。
【0014】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記押さえ部に、この押さえ部の長さ方向に向けられた貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、切開口を広げた状態で、貫通孔を通して骨に鋼線などが挿入される。すると、押さえ部が固定されて、切開口が広げられた状態で保持される。
ここで、切開口を広げると、皮膚や筋肉などの復元力により、切開口が閉じられるような力が働く。そのため、従来は、切開口が広げられた状態を保持するため、外科用開創器を常に把持しておく必要があった。
本発明においては、切開口を広げた状態で押さえ部が固定されることから、常に把持していなくても、切開口が広げられた状態を容易に保持することができる。
【0016】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記本体支持部に、把持部が設けられており、この把持部の後端部に、前記把持部を把持したときに指を引っ掛けるための突起部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明に係る外科用開創器においては、把持部を把持したときに、例えば小指などの指を突起部に引っ掛けることができることから、把持部を容易に把持することができる。
【0018】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記本体支持部に、把持部が設けられており、この把持部が、樹脂により形成されていることを特徴とする。
【0019】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、切開口を広げた状態で、各種処置が行われる。このとき、X線照射画像を見ながら処置を行うのが一般的である。
本発明においては、把持部が樹脂により形成されていることから、照射されたX線が把持部を透過する。そのため、X線照射画像に把持部を写さなくすることができ、そのX線照射画像を見ながら各種処置を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る外科用開創器は、前記本体支持部に、把持部が設けられており、この把持部に、前記押さえ部の長さ方向に沿って前記把持部を貫通するスリットが形成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明に係る外科用開創器においては、切開口に押さえ部を挿入して、切開口を広げた状態で、各種処置が行われる。このとき、X線照射画像を見ながら処置を行うのが一般的である。
本発明においては、把持部にスリットが形成されていることから、照射されたX線がスリットを介して把持部を透過する。そのため、把持部のうちスリットの形成された領域をX線照射画像に写さなくすることができ、そのX線照射画像を見ながら各種処置を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、爪部が骨膜に引っ掛かり易くなることから、切開口を広げるだけでなく、骨膜を容易かつ迅速に剥離することができ、手術時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態に係る外科用開創器について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は外科用開創器を示すものである。
外科用開創器1は、長尺状に延びる本体支持部2を備えている。本体支持部2は、ステンレスからなり、板状に形成されている。本体支持部2の先端には、この本体支持部の長さ方向Dに直交する方向に延びる押さえ部3が設けられている。押さえ部3は、ステンレスからなり、板状に形成されている。これら本体支持部2と押さえ部3は、一体的に連結されており、本体支持部2と押さえ部3との連結部分は、面取りされてR状に形成されている。
【0024】
さらに、押さえ部3は、図3に示すように、その先端部の幅寸法w1が、基端部の幅寸法w2よりも小さくして形成されている。すなわち、押さえ部3の先端部は、その基端部よりも幅狭に形成されている。
押さえ部3の先端には、押さえ部3と一体的に形成された爪部7が設けられている。爪部7は、先端にいくにつれて漸次薄肉となるように形成されており、押さえ部3の長さ方向(本体支持部2の長さ方向Dに直交する方向)Hに向けられている。また、爪部7の爪先には、凹状の湾曲部8が設けられている。すなわち、湾曲部8は、押さえ部3の基端側に向けられて曲線状に形成されている。この湾曲部8は、図4に示す骨幹部22の外面の曲線にならって形成されている。
【0025】
また、本体支持部2の基端部には、図2に示すように、術者が把持するための把持部6が設けられている。把持部6は、本体支持部2の幅方向の両端に設けられた一対の板状部11を備えている。板状部11は、ステンレスからなっており、押さえ部3の長さ方向Hに向けられて互いに対向して取り付けられている。そのため、それら一対の板状部11の間には、押さえ部3の長さ方向Hに沿って把持部6を貫通するスリット12が形成されている。板状部11の両主面のうち、外方側に配された一方の主面には、中央部分にいくに従って漸次肉厚となるような側面視して山状に形成された肉厚片13が設けられている。肉厚片13は、把持部6を握り易くするために設けられるものである。肉厚片13は、ネジ16によって板状部11のそれぞれの一方の主面に固定されている。板状部11の後端部には、押さえ部3の略長さ方向Hであって、爪部7側の方向(下方向)に向けられた突起部17が設けられている。突起部17の下部には、図1に示すように、R状に形成された引っ掛け部18が設けられている。
【0026】
次に、このように構成された本実施形態における外科用開創器1の作用を、例えば大腿部頸部骨折の治療に合わせて説明する。
一般的に、大腿部頸部骨折の場合、上述したように、図4及び図5に示す骨頭部21内に、ラグスクリュー23やチューブプレート26などの骨接合インプラントを挿入し、ネジ24によって固定することにより、骨頭部21を骨幹部22の上部に固定、接合するという処置が行われる。そして、チューブプレート26を骨幹部22に設置するためには、骨幹部22のうちチューブプレート26を設置する所定の部位の骨膜27を剥離する必要がある。
【0027】
本実施形態においては、以下のようにして、骨膜27が剥離される。
すなわち、骨幹部22の上部近傍の皮膚を、人体側方から骨幹部22の長さ方向に切開する。そして、把持部6を把持する。このとき、小指などの指を引っ掛け部18に引っ掛けることにより、把持部6が把持し易くなる。それから、切開口に押さえ部3を挿入し、図4に示すように、筋肉などを分けながら爪部7を骨膜27に当接させる。そして、本体支持部2の長さ方向Dと骨幹部22の長さ方向とが略同一方向に向けられるように、外科用開創器1の角度を調整する。このとき、押さえ部3の幅広の基端部により、切開口が広げられるとともに、爪部7の爪先に湾曲部8が設けられていることから、骨幹部22の外面の曲線にならって、湾曲部8が骨膜27に線接触する。この状態で、把持部6を骨幹部22に沿わせて前後に移動させると、爪部7は、押さえ部3の長さ方向Hに向けられていることから、骨膜27に引っ掛かり易くなり、骨膜27が擦り取られ、骨幹部22から剥離される。
【0028】
次いで、チューブプレート26を設置するための所定の分、骨膜27を剥離した後、本体支持部2の長さ方向Dと骨幹部22の長さ方向とが交差するように、把持部6を把持して外科用開創器1を略90°回転させる。それから、把持部6を引いて切開口を開口させた状態で、ネジ24によってラグスクリュー23及びチューブプレート26を設置する。このとき、図5に示すX線照射画像を見ながら、処置が行われる。本実施形態においては、把持部6にスリット12が形成されていることから、照射されたX線がスリット12を介して把持部6を透過する。そのため、図5に示すように、把持部6のうちスリット12の形成された領域がX線照射画像に写らなくなる。そこで、X線照射画像上において、スリット12を介して、ネジ24などを確認しながら、図7に示すように、ラグスクリュー23及びチューブプレート26を設置する。なお、符号35は、ネジ24を締めるためのドライバーを示すものである。
【0029】
以上より、本実施形態における外科用開創器1によれば、爪部7が押さえ部3の長さ方向Hに向けられており、爪部7が骨膜27に引っ掛かり易くなるため、把持部6を介して押さえ部3を骨幹部22に沿って動かすだけで、骨膜27を容易に擦り取ることができる。そのため、切開口を広げるだけでなく、骨膜27を容易かつ迅速に剥離することができ、手術時間の短縮を図ることができる。
また、押さえ部3の先端部が基端部よりも幅狭に形成されていることから、切開口に押さえ部3を挿入したときに、その幅広の基端部により、切開口を広げ易くすることができるだけでなく、幅狭の先端部により、切開口から筋肉などを分けながら、爪部7を骨膜27まで容易に到達させることができ、迅速に骨膜27をこすり取ることができる。
【0030】
さらに、爪部7の爪先に湾曲部8が設けられていることから、爪部7と骨膜27とを線接触させることができ、一層容易に骨膜27を剥離することができる。
また、把持部6に突起部17が設けられており、把持部6を把持したときに、突起部17に小指などの指を引っ掛けることができることから、把持部6を容易に把持することができる。
また、把持部6にスリット12が形成されていることから、把持部6のうちスリット12の形成された領域をX線照射画像に写さなくすることができ、そのX線照射画像を見ながら各種処置を容易に行うことができる。
【0031】
(実施形態2)
図7から図9は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図7から図9において、図1から図5に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
【0032】
本実施形態においては、図7に示すように、押さえ部3の両主面のうち、外方側に配された一方の主面に、固定部材30が設けられている。固定部材30には、押さえ部3の長さ方向Hに向けられて固定部材30を貫通する貫通孔31が設けられている。貫通孔31は、図8に示すように、押さえ部3の幅方向に所定の間隔を空けて二つ設けられている。
【0033】
このような構成のもと、切開口に押さえ部3を挿入して切開口を広げた状態で、図9に示すように、それぞれの貫通孔31を通して、鋼線32を骨幹部22にねじ込む。これにより、押さえ部3が骨幹部22に固定される。ここで、切開口を広げると、皮膚や筋肉などの復元力により、切開口が閉じられるような力が働く。
本実施形態においては、切開口を広げた状態で押さえ部3が固定されることから、把持部6を常に把持していなくても、切開口が広げられた状態を容易に保持することができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、貫通孔31を二つ設けるとしたが、これに限ることはなく、その設置数は適宜変更してもよい。ただし、貫通孔31を二つ設けることにより、簡易な構成によって、鋼線32を中心として外科用開創器1が回転することを防止することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態において、スリット12を設けるとしたが、これに限ることはなく、把持部6を樹脂により形成してもよい。これにより、X線を透過させることができ、X線照射画像に把持部6全体を写さなくすることができる。また、本体支持部2や押さえ部3などを樹脂により形成してもよい。これにより、X線照射画像に外科用開創器1全体を写さなくすることができる。
さらに、大腿部頸部骨折の処置として説明したが、これに限ることはなく、種々の骨折治療に適用できるのはいうまでもない。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る外科用開創器の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の外科用開創器を下から見た様子を示す下面図である。
【図3】図1の外科用開創器を正面から見た様子を示す正面図である。
【図4】第1実施形態の外科用開創器を用いて、骨膜を剥離する様子を示す説明図である。
【図5】本実施形態の外科用開創器を用いて切開口を広げた状態で、X線を照射したときに得られるX線照射画像を示す説明図である。
【図6】本実施形態の外科用開創器を用いて切開口を広げた状態で、チューブプレートをネジ止めしている様子を示す図であって、大腿骨に直交する断面を足元側から見た様子を示す断面図である。
【図7】本発明に係る外科用開創器の第2の実施形態を示す側面図である。
【図8】図7の外科用開創器を下から見た様子を示す下面図である。
【図9】第2実施形態の外科用開創器を用いて切開口を広げた状態で、貫通孔を通して骨幹部に鋼線を挿入した様子を示す説明図である。
【図10】従来の骨接合インプラントの挿入作業を示す図であって、ラグスクリュー及びチューブプレートを骨幹部に押し込んだ様子を示す説明図である。
【図11】従来の骨接合インプラントの挿入作業を示す図であって、ラグスクリュー及びチューブプレートを骨幹部に固定した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 外科用開創器
2 本体支持部
3 押さえ部
6 把持部
7 爪部
8 湾曲部
12 スリット
17 突起部
31 貫通孔
H 押さえ部の長さ方向
D 本体支持部の長さ方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切開口を広げて術野を確保するための外科用開創器であって、
長尺状に延びる本体支持部と、
この本体支持部を起点として、前記本体支持部の長さ方向と交差する方向に延びる押さえ部と、
この押さえ部の先端に設けられた爪部と、を備え、
前記爪部が、前記押さえ部の長さ方向に向けられていることを特徴とする外科用開創器。
【請求項2】
前記押さえ部の先端部が、その基端部よりも幅狭に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外科用開創器。
【請求項3】
前記爪部に、凹状の湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外科用開創器。
【請求項4】
前記押さえ部に、この押さえ部の長さ方向に向けられた貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項5】
前記本体支持部に、把持部が設けられており、
この把持部の後端部に、前記把持部を把持したときに指を引っ掛けるための突起部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項6】
前記本体支持部に、把持部が設けられており、
この把持部が、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項7】
前記本体支持部に、把持部が設けられており、
この把持部に、前記押さえ部の長さ方向に沿って前記把持部を貫通するスリットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項1】
切開口を広げて術野を確保するための外科用開創器であって、
長尺状に延びる本体支持部と、
この本体支持部を起点として、前記本体支持部の長さ方向と交差する方向に延びる押さえ部と、
この押さえ部の先端に設けられた爪部と、を備え、
前記爪部が、前記押さえ部の長さ方向に向けられていることを特徴とする外科用開創器。
【請求項2】
前記押さえ部の先端部が、その基端部よりも幅狭に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外科用開創器。
【請求項3】
前記爪部に、凹状の湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外科用開創器。
【請求項4】
前記押さえ部に、この押さえ部の長さ方向に向けられた貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項5】
前記本体支持部に、把持部が設けられており、
この把持部の後端部に、前記把持部を把持したときに指を引っ掛けるための突起部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項6】
前記本体支持部に、把持部が設けられており、
この把持部が、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【請求項7】
前記本体支持部に、把持部が設けられており、
この把持部に、前記押さえ部の長さ方向に沿って前記把持部を貫通するスリットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外科用開創器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−143824(P2007−143824A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341797(P2005−341797)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(504143603)ノアスメディカル株式会社 (3)
【出願人】(505325796)
【出願人】(504142352)株式会社オーミック (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(504143603)ノアスメディカル株式会社 (3)
【出願人】(505325796)
【出願人】(504142352)株式会社オーミック (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]