説明

外管付ランプ

【課題】
挿通孔部分に盛り付けられた接着剤を外部から見えないようにして商品価値を向上させると同時に、外管の脱落を防止し、口金の種類に応じた在庫管理の面倒を軽便する。
【解決手段】
口金(30)を、ソケットに電気接続される接触端子(31)を備えた口金本体(32)と、ランプ本体(10)及び外管(20)を保持した状態で口金本体(32)に嵌合される取付ベース(33)で形成した。取付ベース(33)には、ピンチシール部(14)を挿通保持する挿通孔(34)が貫通形成され、その外周面(35)には、外管開口端(21)を当接させるフランジ(36)が形成されると共に、取付ベース(33)の外周面と外管(21)の内周面(23)を相互に係合するジョイント部(40)を形成した。取付ベース(33)の底面側には、外管を装着した状態でジョイント部(40)に接着剤を充填する接着剤注入口(38)を開口形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプ本体を外的損傷から保護したり、ランプ本体の破裂・破壊による破片の飛散を防止したり、人体に有害な紫外放射を抑制・低減するため等の目的で、ランプ本体を収容する外管を取り付ける外管付きランプに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のランプとしては、発光管で成るランプ本体、あるいは発光管とこれを収容する気密管とで成るランプ本体が、ランプの外殻を形成する外管内に収容されたメタルハライドランプ等の金属蒸気放電ランプや、発光フィラメントとこれを収容する気密管とで成るランプ本体がランプの外殻を形成する外管内に収容されたハロゲンランプなどがある。
【0003】
図11はこのような従来の外管付きランプ61を示し、発光管62の一対のリード線63が導出される気密管64の片端側を熱間圧着してピンチシール部65が形成されたランプ本体66と、これを収納する外管67とが、外管67にランプ本体66を収納した状態で口金68に取り付けられて成る。
口金68には、ランプ本体66と外管67とを取り付ける支柱69が形成されると共に、その外周面69aに外管67の開口端67aを塞ぐフランジ70が形成され、その支柱69にはピンチシール部65を保持する挿込凹部71が形成されている。
また、支柱69は、その外周面69aと該外周面と対峙する前記外管67の内周面67bとの間に耐熱性接着剤を充填するギャップ72が形成される太さに形成されている。
【0004】
ランプ61を組み立てる際は、支柱69の挿込凹部71にランプ本体66のピンチシール部65を差し入れた状態でランプ本体66が傾かないように、耐熱性接着剤Aをその隙間に充填すると共に支柱69の上面に盛り付ける。
次いで、支柱69の外周面69aに耐熱性接着剤Aを十分に盛り付けた後、外管67で接着剤Aの周面を削ぎ落とすようにして、外管67の開口端67aが支柱69のフランジ70で塞がれるように装着することにより接着剤をギャップ72に充填させている。
しかしながら、外管67は透明であり、支柱69の上面に盛り付けた接着剤Aが外部から見えてしまうため、見栄えが悪く、商品価値を低下させていた。
【0005】
このため、接着剤を隠すために、外管に不透明膜を形成した外管付きランプが提案されている(特許文献1参照)。
この外管付きランプは、外管67の基端部(開口端67a近傍)に、ギャップ72に充填された接着剤を見えないように隠す不透明膜を形成している。
【0006】
しかしながら、外管67の基端部はランプの点灯により高温に晒され、消灯により室温まで低下するため、その温度変化が激しい。
したがって、不透明膜は、耐熱性材料を用いて温度変化に晒されても外管表面から剥れない程度の接着強度(高投錨性)で形成しなければならず、例えば、アルミナ−シリカ系の耐熱塗料に外管を浸漬してその内周面又は外周面に塗布し、これを高温で焼き付けなければならない。すなわち、耐熱塗料を塗布する工程だけでなく、さらに、焼付工程が必要となる。
そして、ランプや外管の製造ライン中に製膜用の焼成炉を新たに設置する場合は、設備費が嵩むだけでなく、既存の設備を移動させたりして設置スペースを確保しなければならないという面倒がある。既存の焼成炉を利用できる場合であっても、ラインの搬送路を見直すなどの作業が必要になる。
また、いずれの場合も、焼付工程が増設されることから省エネの社会的要請に反し、製造コストが嵩み、生産効率が低下するという問題があった。
【0007】
また、このように不透明膜を形成すると否とにかかわらず、外管67の内周面67bと支柱69の外周面69aとは接着剤Aで固定されるものの、経年変化による接着剤の劣化により接着力を喪失し、口金68を上向きにして装着した場合に、外管67が脱落するおそれさえあった。
【0008】
さらに、この種のランプの口金はソケット形状に応じて様々な種類があり、同一規格のランプでも複数の口金のものを品揃えする必要があり、従来は、夫々の口金を取り付けた外管付きランプを在庫管理しなければならなかった。
このため、注文のばらつきにより、口金の種類によって、一の口金を取り付けた外管付きランプは品薄となり、他の口金を取り付けた外管付きランプは在庫過剰になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3124181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、ピンチシール部の上に盛り付けられた接着剤を外部から見えないようにして、見栄えを良くし、商品価値を向上させると同時に、外管の脱落を防止し、さらに、口金の種類に応じた在庫管理の面倒を軽便することを技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するため、本発明は、一対のリード線が導出された気密管の片端側を熱間圧着してピンチシール部を形成したランプ本体が、外管に収納された状態で口金に取り付けられて成る外管付きランプにおいて、前記口金は、ソケットに電気接続される接触端子を備えた口金本体と、ランプ本体及び外管を保持した状態で口金本体の内側に嵌合される取付ベースからなり、当該取付ベースは、ピンチシール部を挿通保持する挿通孔が貫通形成され、外周面には、外管開口端を当接させるフランジが形成されると共に、取付ベースの外周面と外管の内周面を相互に係合するジョイント部が形成され、口金本体に対向する取付ベースの底面側には、外管を装着した状態で前記ジョイント部に接着剤を充填する接着剤注入口が開口形成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、取付ベースの挿通孔にランプ本体のピンチシール部を挿通し、フランジに外管開口端を当接させた状態で、取付ベースの底面側から挿通孔に接着剤を注入すれば、挿通孔内に接着剤が充填されてランプ本体が取付ベースに固定され、接着剤注入口からジョイント部に接着剤を注入すれば外管が固定される。
このとき、ランプ本体を固定する接着剤は、取付ベースの底面側から挿通孔内に充填されるので、挿通孔の外部に溢れ出ないように充填することができ、したがって、外部から接着剤が見えない。
また、ジョイント部に接着剤を充填することにより、取付ベースの外周面と外管の内周面を相互に係合される。
これにより、取付ベースにランプ本体と外管が固定され、口金本体が取り付けられていないランプ半製品が形成される。
【0013】
次いで、口金本体の内側に接着剤をつけて、ランプ本体のリード線を接触端子に接続すると共に、取付ベースを口金本体に嵌合すれば外管付きランプが完成する。
このように、ランプ半製品組立工程と口金本体装着工程とを分離することができ、口金未装着の半製品の状態で在庫を保管しておけば、注文に応じた数量ごとに任意の口金本体を装着することができるので、在庫に無駄を生ずることがない。
【0014】
完成した外管付きランプは、外管を固定するジョイント部の接着剤が外部からわずかに視認できるのみで、ランプ本体を取付ベースに固定する接着剤は外部から見えないので、意匠的にも見栄えがよく、商品価値が高い。
また、取付ベースは、口金本体に対して接着剤で固定されると共にランプ本体のリード線が接続端子に電気接続されており、外管は取付ベースに対してジョイント部を介して取付ベースと相互に係合されているので、口金側を上に向けて取り付けても外管やこれを取り付けている取付ベースが口金本体から脱落することがない。
【0015】
特に、ジョイント部が、取付ベースの外周面と対峙する前記外管の内周面との間に形成されるギャップに面して、取付ベースの外周面及び外管の内周面に夫々形成された凹部又は凸部と、前記ギャップに充填した接着剤によってインモールド成形されたジョイントからなる場合、ジョイントが取付ベース及び外管に係合されているので、外管が取付ベースや口金本体から脱落することがない。
【0016】
また、ジョイント部が、取付ベースの外周面に形成された係合凹部と、外管に形成された凸部とでバヨネット機構を構成してなる場合、取付ベースと外管が直接係合されると共に、そこに接着剤が充填されるので、外管が取付ベースや口金本体から脱落することがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る外管付ランプの一例を示す分解斜視図である。
【図2】その完成斜視図である。
【図3】その発光管及び外管の組立工程を示す説明図である。
【図4】その口金本体の装着工程を示す説明図である。
【図5】本発明に係る外管付ランプの他の例を示す分解斜視図である。
【図6】その完成斜視図である。
【図7】本発明に係る外管付ランプのさらに他の例を示す分解斜視図である。
【図8】その完成斜視図である。
【図9】その発光管及び外管の組立工程を示す説明図である。
【図10】その口金本体の装着工程を示す説明図である。
【図11】従来装置の分解斜視図である。
【図12】従来装置の完成斜視図である。
【図13】従来装置の組立工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、外管に別途不透明な膜を形成することなく、支柱部分に盛り付けられた接着剤を外部から見えないようにして、見栄えを良くし、商品価値を向上させると同時に、外管の脱落を防止するという目的を達成するために、口金が、ソケットに電気接続される接触端子を備えた口金本体と、ランプ本体及び外管を保持する取付ベースからなり、当該取付ベースは、口金本体の内側に嵌合可能に形成されると共に、ピンチシール部を挿通保持する挿通孔が貫通形成され、取付ベースの外周面には、外管開口端を当接させるフランジが形成されると共に、取付ベースの外周面と外管の内周面を相互に係合するジョイント部が形成され、口金本体に対向する取付ベースの底面側には、外管を装着した状態で前記ジョイント部に接着剤を充填する接着剤注入口を開口形成した。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の第1実施例を示す。
図1及び図2に示す外管付きランプ1は、ガラス製の気密管11にセラミックメタルハライドランプなどの発光管12を収納したランプ本体10が、外管20に収納された状態で口金30に取り付けられてなる。
ランプ本体10は、一対のリード線13,13が導出された気密管11の片端側を熱間圧着してピンチシール部14が形成され、外管20の中心に位置するようにその先端には板バネで形成されたサポート15が装着されている。
外管20は、ガラス管で形成され、一端が開口されて開口端21が形成されると共に、他端側が半球面状に閉塞され、発光管12の発光部近傍に大径部が形成されている。
【0020】
口金30は、照明装置などのソケット(図示せず)に電気接続される接触端子31,31を備えた口金本体32と、ランプ本体10及び外管20を保持した状態で口金本体32の内側に嵌合される取付ベース33とからなる。
取付ベース33は、ピンチシール部14を挿通保持する挿通孔34が貫通形成され、外周面35には、外管開口端21を当接させるフランジ36が形成されると共に、当該外周面35と外管20の内周面23を相互に係合するジョイント部40が形成されている。
また、取付ベース33の底面側外周面には、口金本体32に形成されたリブ39aと係合する係合溝39bが形成されて、取付ベース33が口金本体32に対して回転しないようになっている。
【0021】
ジョイント部40は、外管20及び取付ベース33の周方向に沿ってその径方向に対向する2箇所に設けられており、取付ベース33の外周面35と対峙する外管20の内周面23との間に形成されるギャップ41に面して、取付ベース33の外周面35及び外管20の内周面23に夫々形成された凹部又は凸部と、前記ギャップ41に充填した耐熱性接着剤Aによってインモールド成形されたジョイント42からなる。
本例では、取付ベース33の外周面35に軸方向に伸びる係合凹部43が形成されると共に、後述する外管20の開口端21に前記係合凹部43に対応して形成された係合突起(凸部)44が形成されており、その間にジョイント42がインモールド成形される。
係合凹部43は、取付ベース33の底面側が深く、上面側が浅く形成され、深い部分がジョイント42を形成する接着剤溜まり45として機能し、浅い部分が底面側から接着剤溜まり45に注入した接着剤を上面側に溢れ出さないように狭小部を形成する堰46として機能する。
【0022】
外管20の各係合突起44は、外管20を取付ベース33に対して同心的に配したときに、係合突起44を係合凹部43の位置に合わせなければ外管20を取付ベース33に外装することができないように、その先端が係合凹部43内に入り込むようにその内周面23から中心に向かって突出形成されている。
そして、取付ベース33の係合凹部43はフランジ36を切り欠いて底面37まで延長され、外管20の開口端21をフランジ36に当接させた状態でジョイント部40に接着剤Aを流し込むことができるように、取付ベース33の底面37側に接着剤注入口38が開口形成されている。
【0023】
ランプ本体10及び外管20を組み立てる際は、図3(a)に示すように、ランプ本体10の先端にサポート15を装着し、そのピンチシール部14に取付ベース33を外装させて、その先端側を下向きにしてリード線13部分をクランパ47でクランプし、開口端21を上に向けて直立させた外管20と同軸に位置させる。
次いで、取付ベース33のフランジ36が外管20の開口端21に当接された後、さらに、クランパ47とフランジ36との間隔が所定寸法になる位置まで、クランパ47を真っ直ぐ降下させ、図3(b)に示すように、ランプ本体10を外管20内に挿入し、取付ベース33の底面側から挿通孔34内に耐熱性接着剤Aを充填すると共に、接着剤注入口38からギャップ41内に接着剤Aを充填する。
【0024】
このとき、取付ベース33の外周面35に形成された凹部43の上端(発光管先端側)には堰46が形成されているので、凹部43に流し込まれた接着剤Aが取付ベース33の上面まで溢れ出ないようにせき止めることができる。
また、口金30側を上向にしてランプ1を吊り下げた状態でジョイント42の接着力が失われても、そのジョイント42が堰46に引っ掛かる形状に形成される。
【0025】
さらに、凹部43に流し込まれた接着剤Aが外管20の凸部44を越えて直管部24内に流入すると、その接着剤Aで形成されたジョイント42の厚さを含んだ取付ベース33の外径は開口端21に形成された係合突起44先端間の内径より大きくなるので、口金30側を上向にしてランプ1を吊り下げた状態でジョイント42の接着力が失われても、外管20の開口端21が引っ掛かる形状にジョイント42が形成される。
【0026】
このようにランプ本体10及び外管20が取付ベース33に取り付けられると、口金本体32が未装着のランプ半製品2が製造される。この状態で在庫管理しておけば、注文に応じた数量ごとに任意の口金本体を装着するだけで、必要なランプを簡単に製造することができるので、在庫に無駄を生ずることがない。
【0027】
そして最後に、このランプ半製品2を口金本体32に取り付ける。
まず、図4(a)に示すように、口金本体32の内側コーナー部二箇所に接着剤Aを付けておき、ランプ半製品2をリード線13を下向きにクランプして口金本体32と同軸的に配し、真っ直ぐに降下させていく。
次いで、図4(b)に示すように、フランジ36が口金本体32の開口端に当接された時点で、接着剤Aにより口金本体32と取付ベース33が固定される。
このとき同時に、各リード線13が接触端子31内に案内されていき、外部から半田付けなど任意の方法でリード線13と接触端子31を電気接続し、リード線13が接触端子31の先端から外部に延びていればその部分を切断して、組立を完了する。
【0028】
このように組み立てられた外管付ランプ1は、図6に示すように、ランプ本体10を固定するために挿入孔34に充填した接着剤Aが外部から見えず、外管20を固定するための接着剤Aも周方向2箇所に形成された凹部43に充填されてジョイント42となっている部分が見えるだけであるので、意匠的にもすっきりとし、商品価値も高い。
【0029】
また、口金30側を上に向けて吊り下げた状態に装着したときに、外管20はその開口端21がジョイント42に引っ掛かり、ジョイント42は取付ベース33の凹部43に引っ掛かり、取付ベース33は、接着剤Aで口金本体32に固定されると共に、取付ベース33に接着剤で固定されたランプ本体10のリード線13が口金本体32の接触端子31に固着されているので、接着剤Aの接着力が喪失されても外管20が脱落することがない。
【実施例2】
【0030】
図5及び図6は、本発明の第2実施例を示し、図1〜図4と重複する部分は同一符号を付して詳細説明を省略する。
本例では、外管20の内周面23に形成する凸部として、径方向に対向する2箇所に形成される係合突起に替えて、外管20の開口端21を絞って中心に向かって突出する環状凸部48を形成して入る以外は、実施例1と同様である。
ジョイント部40は、外管20の内周面23との間に形成されるギャップ41に面して、取付ベース33の外周面35に形成された係合凹部43と、外管20の内周面23に形成された環状凸部48と、前記ギャップ41に充填した耐熱性接着剤Aによってインモールド成形されるジョイント42からなる。
【0031】
そして本例でも、係合凹部43は、取付ベース33の底面側が深く、上面側が浅く形成され、深い部分がジョイント42を形成する接着剤溜まり45として機能し、浅い部分が底面側から接着剤溜まり45に注入した接着剤を上面側に溢れ出さないように狭小部を形成する堰46として機能する。
組立手順及び作用効果については、実施例1と同様である。
【実施例3】
【0032】
図7〜図10は、本発明のさらに他の実施例を示し、図1〜図6と重複する部分は同一符号を付して詳細説明を省略する。
本例の外管付きランプ3は、図7及び6に示すように、ガラス製の気密管11に発光管12を収納したランプ本体10が、外管20に収納された状態で口金30に取り付けられてなる。
【0033】
口金30は、照明装置などのソケット(図示せず)に電気接続される接触端子31,31を備えた口金本体32と、ランプ本体10及び外管20を保持した状態で口金本体32の内側に嵌合される取付ベース51とからなる。
そして、本例では、取付ベース51の外周面52と外管20の内周面23を相互に係合するジョイント部53が、外管20及び取付ベース33の周方向に沿ってその径方向に対向する2箇所に設けられており、取付ベース51の外周面52に形成された係合凹部54と、外管20の開口端21の内周面23に前記係合凹部54の位置及び深さに応じて形成された係合突起55とからなるバヨネット機構で構成されている。
【0034】
係合凹部54は、外管20に形成された係合突起55を軸方向に案内し得る程度の幅狭な案内溝54aと、係合突起55が案内溝54a内に案内されて外管20の開口端21が取付ベース51のフランジ56に当接された状態で、外管20を周方向に回転させて係合突起55を引っ掛けることができる程度の幅広の係合溝54bからなり、係合溝54bの取付ベース51上面側が係合突起55と係合する水平係合部54cに形成されている。
また、係合凹部54は、フランジ56が切り欠かれて取付ベース51の底面まで延設され、その底面側がジョイント部53内に耐熱性接着剤Aを注入する接着剤注入口58として開口されている。
【0035】
そして、接着剤注入口58からジョイント部53に接着剤を注入したときに、接着剤が流れ込む外管20の内周面23と係合凹部54の間の空間が、接着剤注入口58側より上端側の方が、案内溝54a及び水平係合部54cにより狭小に形成されているので、ジョイント部53に注入した接着剤が取付ベース51の上面側に溢れ出にくい構造となっている。
【0036】
ランプ本体10及び外管20を組み立てる際は、図9(a)に示すように、ランプ本体10の先端にサポート15を装着し、そのピンチシール部14に取付ベース51を外装させ、その先端側を下向きにして、開口端21を上に向けて直立させた外管20と同軸に位置させ、図9(b)に示すように、取付ベース51のフランジ56が外管20の開口端21に当接されるところまで挿通させた状態で取付ベース51を外管20に対して回転させ、取付ベース51の係合凹部54と外管20の係合突起55を係合させた後、さらに、クランパ47とフランジ56との間隔が所定寸法になる位置まで降下さる。
【0037】
次いで、図9(c)に示すように、クランパ47とフランジ56との間隔が所定寸法になる位置で保持された状態で、取付ベース51の底面側から挿通孔59内に耐熱性接着剤Aを充填すると共に、接着剤注入口58からジョイント部53に接着剤Aを充填する。
このとき、取付ベース51の外周面52に形成された係合凹部54の案内溝54a及び水平係合部54cにより、ジョイント部53の上端側空間に狭小部が形成されるので、ジョイント部53に流し込まれた接着剤Aが取付ベース51の上面に溢れ出ないようにせき止めることができる。
これにより、ランプ本体10及び外管20が取付ベース51に取り付けられて、口金本体32が未装着のランプ半製品4が製造される。この状態で在庫管理しておけば、注文に応じた数量ごとに任意の口金本体32を装着するだけで、必要なランプを簡単に製造することができるので、在庫に無駄を生ずることがない。
【0038】
そして最後に、このランプ半製品4を口金本体32に取り付ける。
まず、図10(a)に示すように、口金本体32の内側コーナー部二箇所に接着剤Aを付けておき、ランプ半製品4をリード線13を下向きにクランプして口金本体32と同軸的に配し、真っ直ぐに降下させていく。
次いで、図10(b)に示すように、フランジ56が口金本体32の開口端に当接された時点で、接着剤Aにより口金本体32と取付ベース51が固定される。
このとき同時に、各リード線13が接触端子31内に案内されていき、外部から半田付けなど任意の方法でリード線13と接触端子31を電気接続し、リード線13が接触端子31の先端から外部に延びていればその部分を切断して、組立を完了する。
【0039】
このように組み立てられた外管付ランプ3は、図8に示すように、ランプ本体10を固定するために取付ベース51の挿入孔59に充填した接着剤Aが外部から見えず、外管20を固定するための接着剤Aも周方向2箇所に形成された係合凹部54に充填された部分が見えるだけであるので、意匠的にもすっきりとし、商品価値も高い。
【0040】
また、口金30側を上に向けて吊り下げた状態に装着したときに、外管20はその開口端21の係合突起55が取付ベース51に形成された係合凹部54に直接引っ掛かり、取付ベース51は、接着剤Aで口金本体32に固定されると共に、取付ベース51に接着剤で固定されたランプ本体10のリード線13が口金本体32の接触端子31に固着されているので、接着剤Aの接着力が喪失されても外管20が脱落することがない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上述べたように、本発明は、ランプ本体を収容する外管が取り付けられる外管付きランプの用途に適用し得る。
【符号の説明】
【0042】
1 外管付きランプ
10 ランプ本体
14 ピンチシール部
20 外管
21 開口端
30 口金
32 口金本体
33 取付ベース
34 挿通孔
35 外周面
36 フランジ
37 底面
38 接着剤注入口
40 ジョイント部
41 ギャップ
42 ジョイント
43 凹部
44 凸部
3 外管付きランプ
51 取付ベース
52 外周面
53 ジョイント部
54 係合凹部
55 係合突起
56 フランジ
58 接着剤注入口
59 挿通孔




【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のリード線が導出された気密管の片端側を熱間圧着してピンチシール部を形成したランプ本体が、外管に収納された状態で口金に取り付けられて成る外管付きランプにおいて、
前記口金は、ソケットに電気接続される接触端子を備えた口金本体と、ランプ本体及び外管を保持した状態で口金本体の内側に嵌合される取付ベースからなり、
当該取付ベースは、ピンチシール部を挿通保持する挿通孔が貫通形成され、外周面には、外管開口端を当接させるフランジが形成されると共に、取付ベースの外周面と外管の内周面を相互に係合するジョイント部が形成され、
口金本体に対向する取付ベースの底面側には、外管を装着した状態で前記ジョイント部に接着剤を充填する接着剤注入口が開口形成されたことを特徴とする外管付ランプ。

【請求項2】
前記ジョイント部が、取付ベースの外周面と対峙する前記外管の内周面との間に形成されるギャップに面して、取付ベースの外周面及び外管の内周面に夫々形成された凹部又は凸部と、前記ギャップに充填した接着剤によってインモールド成形されたジョイントからなる請求項1記載の外管付きランプ。

【請求項3】
前記ジョイント部が、取付ベースの外周面に形成された係合凹部と、外管に形成された係合突起とでバヨネット機構を構成してなる請求項1記載の外管付きランプ。

【請求項4】
前記接着剤注入口から充填された接着剤がジョイント部を通って取付ベース上端側に溢れることを阻止する狭小部が、当該ジョイント部に形成されてなる請求項1記載の外管付きランプ。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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