説明

外袋包装機の搬送装置及び該装置を備えた外袋包装機

【課題】 簡単かつ安価な構成でありながら、歩留まり及びタクトタイムの改善、延いては生産能率を向上させることができる外袋包装機の搬送装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る外袋包装機の搬送装置は、包袋内に内容物を充填した包装体を生産する包装機10から生産された包装体FHを受け取り、当該包装体FHを内容物とする外袋包装を行う外袋包装機100の搬送装置であって、上端開放で折り返された帯状の外袋包装フィルムF’の内側に包装体FHを受け入れた状態で搬送方向に順次送る一方で、包装体FHと外袋包装フィルムF’とを挟み持つように対面配置された一対のエンドレスベルト102A、102Bが備えられ、基台110が搬送方向下流側に移動する際にはエンドレスベルトの回転が規制され、基台110が搬送方向上流側に移動する際にはエンドレスベルトの回転が許容されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルム(包材)を用いて被包装材料(内容物)を自動的に充填包装する自動包装機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、茶葉等を内容物とするテトラタイプ等のティーバック(角錐パック)を生産する包装機が記載されており、このような包装機に関連して、従来より、例えば包装機(ティーバック包装機)により包装されたティーバックを内容物としてこれに外袋を包装するために外袋包装機と組み合わされる場合があるが、当該外袋包装機にティーバック包装機からティーバックを送り込む場合、ティーバック包装機の下に外袋包装機を配置し、ティーバック包装機で包装が完了されたティーバックを自然落下などを利用して外袋包装機へ搬送し、外袋包装機で外袋を包装するといった構成が採用される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−320649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような構成を採用した場合、自然落下現象を利用しているため、ティーバックそのものを外袋用包装体内に正確に投入できない事態が生じる惧れがあり、例えば、ティーバックが落下途中や外袋用包装体の入口部分で引っ掛かってしまったり、外袋用包装体内に投入されたティーバックの姿勢に乱れが生じて外袋包装に余分な膨らみが生じ後工程に悪影響を及ぼすなどの惧れがあった。
【0005】
また、搬送経路の途中に、自然落下現象を利用した部分を取り入れると、ティーバック自体が軽量であることから、一定の落下時間を考慮する必要があるため、搬送速度をある一定以上に上げることができず、ティーバック包装機とティーバック用外袋包装機の運転速度の高速化に制約がかかるため、生産性を一定以上に高めることができないといった実情もある。
【0006】
更に、外袋包装機において、搬送中に外袋用袋体の中で内容物が遊動などして包装品質に悪影響を及ぼす惧れがあり、このため搬送速度を下げざるを得ない場合もあり、高速で効率良い外袋包装を実行することができず、以って歩留まり及びタクトタイムの悪化、延いては生産能率を低下させるといった惧れもある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価な構成でありながら、歩留まり及びタクトタイムの改善、延いては生産能率を向上させることができる外袋包装機の搬送装置を提供すること、該搬送装置を備えた外袋包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明に係る外袋包装機の搬送装置は、
包袋内に内容物を充填した包装体を生産する包装機から生産された包装体を受け取り、当該受け取った包装体を内容物とする外袋包装を行う外袋包装機の搬送装置であって、
上端開放で折り返された帯状の外袋包装フィルムの内側に包装体を受け入れた状態で外袋包装フィルムを搬送方向に順次送る一方で、
前記受け入れた包装体と外袋包装フィルムとを挟み持つように対面配置された一対のエンドレスベルトが備えられ、
エンドレスベルトを支持する基台が、前記外袋包装フィルムの搬送方向下流側に移動する際には、エンドレスベルトの回転が規制され、
エンドレスベルトを支持する基台が、前記外袋包装フィルムの搬送方向上流側に移動する際には、エンドレスベルトの回転が許容されることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記エンドレスベルトの回転の規制と許容は、エンドレスベルトが巻き掛けられた回転体と、その回転支持軸と、の間に設けられたワンウェイクラッチによりなされることを特徴とすることができる。
【0010】
本発明において、エンドレスベルトを支持する基台が、前記外袋包装フィルムの搬送方向と反対方向に移動する際に、その移動動作を利用して回転力がエンドレスベルトに伝達されることを特徴とすることができる。
【0011】
本発明に係る外袋包装機は、上述した外袋包装機の搬送装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、簡単かつ安価な構成でありながら、歩留まり及びタクトタイムの改善、延いては生産能率を向上させることができる外袋包装機の搬送装置を提供すること、及び該搬送装置を備えた外袋包装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動包装機の全体構成を概略的に示す正面図である。
【図2】同上実施の形態に係る自動包装機の全体構成を概略的に示す側面図である。
【図3】同上実施の形態に係る回転式包装体送り機構(包装体搬送装置)部分を抜き出して概略的に示す正面図である。
【図4】同上実施の形態に係る回転式包装体送り機構部分を抜き出して概略的に示す側面図である。
【図5】同上実施の形態に係る回転式包装体送り機構(包装体搬送装置)の包装体受け渡しアーム及びフィンガー部分の動きを説明するための図である。
【図6】(A)は図5の側面図であり、(B)は(A)の側面図である。
【図7】角錐パックを生産する際の横シールの方向の違いを説明する図である(包装フィルムの搬送方向に沿った方向から見た図で、(A)は平行位置を示し、(B)は捩れ位置を示している)。
【図8】角錐パックを生産する際の横シールの方向の違いを説明する図である(自動包装機の正面から見た図であり。理解容易のために、本来切り離される角錐パックFHを複数連続させて示し、これに対応して本来単一の横シールバーも方向の違い応じて複数個示している)。
【図9】同上実施の形態に係る外袋包装機の動作の様子を説明する図(初期位置)である。
【図10】同上実施の形態に係る外袋包装機の動作の様子を説明する図(搬送完了)である。
【図11】同上実施の形態に係る外袋包装機の動作の様子を説明する図(包装体FBの切り離し直後)である。
【図12】同上実施の形態に係る外袋包装機の動作の様子を説明する図(初期位置への復帰途中)である。
【図13】同上実施の形態に係る外袋包装機の動作の様子を説明する図(初期位置への復帰完了)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る自動包装機の一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態に係る自動包装機1の正面図であり、図2は同上実施の形態に係る自動包装機1の側面図である。
【0016】
本実施の形態に係る自動包装機1は、内容物が充填された角錐パック(例えば、茶葉などが充填されたティーバック)を製造する角錐パック用包装機10と、これにより製造された角錐パックに対して外袋を包装する外袋包装機100と、を含んで構成されている。
【0017】
まず、本実施の形態に係る角錐パック用包装機10の説明を行う。
図1、図2に示すように、角錐パック用包装機10は、従来同様、紅茶や緑茶等の充填材料を収容したホッパー11と、ホッパー11から供給される内容物を計量して包装フィルムFを円筒形状に成形すると共にこの円筒状の包装袋内に計量された内容物を投入する充填シュート12と、円筒形状に成形された包装フィルムFに対して縦シールを施す縦シール装置(アンビル及び超音波ホーン)と、円筒形状の包装フィルムFを後工程に搬送する搬送機構と、交互に水平90度回転しながら横シールを施す横シール装置13(横シール装置13内に配設されて横シール並びに切断を行う超音波装置のアンビル14及び超音波ホーン15)が備えられている。
【0018】
角錐パック用自動包装機10では、フィルム繰出し機構により原反ロールFTから引き出された包装フィルムFは、充填シュート12に送り込まれて円筒形状にフォーミングされ、次いで、縦シール装置によってその両端部がシールされ縦シールFZ(図8参照)が形成されるようになっている。
【0019】
そして、円筒形状にシールされた包装フィルムFA(図7参照)は、搬送機構により下方に搬送され、横シール装置13に送り込まれる。
横シール装置13では、円筒形状の包装フィルムFAを横シールバー16、17で挟み込みながら横シール装置13のアンビル14と超音波ホーン15で横シールを施すことができるようになっている。
【0020】
なお、この横シール装置13のアンビル14、超音波ホーン15、横シールバー16、17は、図7(A)、(B)に示すように、円筒形状の包装フィルムFAに対して交互に90度水平に回転させて順番に横シールを施しながら切り離すように動作され、これにより個別の角錐パックが生産されることになる。
【0021】
ここにおいて、図7(A)は、包装フィルムFAを角錐パックFH形状にシール成形する場合の「平行位置での横シール(図1平面に略平行な方向にシール面が形成される横シール)」の際の横シールバー16、17の動作を概略的に説明した図である。
【0022】
図7(B)は、図7(A)の状態から90度水平に回転して包装フィルムFAを角錐パックFH形状にシール成形する場合の「捩れ位置での横シール(図1平面に略直交する方向にシール面が形成される横シール)」の際の横シールバー16、17の動作を概略的に説明した図である。
【0023】
図8に示す平行位置での横シール動作では、図8平面の奥行き方向(図7(A)に相当する方向)から横シールバー16、17が円筒状の包装フィルムFAを挟み込むように押えつつ、横シール装置13のアンビル14、超音波ホーン15により横シールを施し円筒状の包装フィルムFAを扁平形状に成形する。
【0024】
上記平行位置での横シール動作が終わると包装フィルムFA'の内部に紅茶や緑茶等の内容物が充填され、次いで、横シールバー16、17が一旦開動されて1パック分の包装フィルムが下方に送られると共に、捩れ位置での横シール動作のために横シール装置13(アンビル14、超音波ホーン15、横シールバー16、17)が90度水平に回転される。
【0025】
そして、かかる捩れ位置での横シール動作では、図8の左右方向(図7(B)に相当する方向)から横シールバー16、17が円筒状の包装フィルムFAを挟み込むように押えつつ、横シール装置13のアンビル14、超音波ホーン15により横シールを施し円筒状の包装フィルムFAを扁平形状に成形する。
【0026】
尚、実際のシール成形では、平行位置(或いは捩れ位置)での横シールが終わると包装フイルムFAの内部に紅茶や緑茶等の充填材料が充填され、次いで、1パック分の包装フイルムFAが下方に送られた後、捩れ位置(或いは平行位置)での横シールが行われ、以後、この動作が連続して繰返される仕組になっており、また、横シール装置13では超音波による横シールと同時に横シール部分を上下にカットして、成形した角錐パックFHを切り離すように構成されている。
【0027】
ここで、本実施の形態に係る自動包装機1では、図1、図2で示したように、角錐パック用包装機10により角錐状(例えばテトラ状)に包装された包装体を外袋により包装する外袋包装機100を備えている。
【0028】
外袋包装機100には、回転式包装体送り装置200を介して、角錐バック用包装機10で生産された角錐パックFHが順に供給されるようになっている。
【0029】
回転式包装体送り装置200は、図1、図2に示したように、角錐パック用包装機10と、外袋包装機100と、の間で角錐パックFHを受け渡すために両者の間に配設されており、8個の包装体受け渡しアーム210が略円盤状のベース部201の周方向に略等間隔で備えられている。ここでは、8個を一例として説明しているが個数はこれに限定されるものではない。
【0030】
ベース部201は、電動式の駆動モータ203等により、受け渡しタイミング等に応じて回転中心軸201A廻りを断続的に回転駆動されるようになっている。
【0031】
前記包装体受け渡しアーム210は、図3〜図5等に示すように、それぞれ別個独立にスライドガイド212を介してベース部201に対して摺動自在に取り付けられており、従って、アーム210は、ベース部201に対して、それぞれ別個独立にベース部201の半径方向(アーム210の軸方向)に伸縮自在となっている。なお、伸張方向(スライド方向)は半径方向に限定されるものではなく半径方向成分を持てば良いものである。
【0032】
そして、ベース部201の回転中心軸201Aの廻りには、溝カム202が外袋包装機100に対して固定的に取り付けられている。この溝カム202は、図3に示すように、各アーム210の基端側に設けられているカムフォロア211と係合してベース部201の回転に連動して各アーム210の半径方向への伸縮動作等の制御を行うことができるように構成されている。
【0033】
各アーム210の先端側には、図5に詳しく示したように、包装体(例えば角錐パック)を挟持するためのフィンガー220A、220Bが備えられており、これらフィンガー220A、220Bは、フィンガー220A、220Bの基端側の枢軸221A、221Bを介して、アーム210に対して回動自在に支持されている。
【0034】
また、アーム210には、スライド回転軸213が、アーム210に固定されるリニアガイド部214を介して軸方向にスライド自在に取り付けられており、当該スライド回転軸213の先端部に設けられたガイド溝215に、フィンガー220A、220Bに取り付けられている係合ピン222A、222Bがそれぞれ係合されている。
【0035】
このため、スライド回転軸213が、図示しないエアシリンダ等のアクチュエータによってカムフォロア213Aに駆動力が伝達され、図5(A)の状態からアーム210に対して相対的に右方向にスライドされると、図5(B)に示すように、フィンガー220A、220Bの先端側が拡張され、その位置から、スライド回転軸213がアーム210に対して相対的に図5中左方向にスライドされると、図5(A)や図5(C)に示すように、フィンガー220A、220Bの先端側が狭められるように動作し、このような動作によって包装体FHを、フィンガー220A、220Bが挟持したり解放したりすることができるようになっている。
【0036】
なお、上記では、フィンガー220A、220Bの双方がそれぞれ枢軸221A、221B廻りに枢動可能な構成としたが、これに限らず何れか一方を枢動可能に構成し、他方は一方と協働して挟持を助けるものの枢動はしない構成とすることも可能である。
【0037】
更に、本実施の形態に係るフィンガー220A、220Bは、スライド回転軸213と一体的に、アーム210延いてはベース部201に対して、軸受214Aを介して、図6に示すように、スライド回転軸213の軸廻りを略90°回転可能に構成されている。なお、回転駆動力は、図示しないエアシリンダ等のアクチュエータの駆動がカムフォロア223に伝えられる構成とすることができる。
【0038】
なお、このようにフィンガー220A、220Bをスライド回転軸213の軸廻りを回転可能に構成したのは、角錐パックFHは、縦型ティーバック包装機10から1個ずつ順次搬出される際に、図7や図8で説明したように、横シール方向が搬出方向に沿った方向から見て1個ずつ90°だけ異なる捩れ角をもって搬出されてくるため、このように90°捩れた状態で順番に搬出されてくる角錐パックFHを正確に挟持するために、受け取りに行くフィンガー220A、220Bもそれに対応してアーム210延いてはベース部201に対して90°回転可能な構成としたものである。
【0039】
このような構成の回転式包装体送り装置200の動作について、以下説明する。
ここで、説明の簡略や理解の容易のために、ベース部201の円盤平面に対してフィンガー220A、220Bの挟持動作をする方向が略平行となる位置を平行位置(図7の(A)に相当)と称し、フィンガー220A、220Bの挟持動作をする方向がベース部201の円盤平面に対して略90°捻じれた位置を捩れ位置(図7の(B)に相当)と称して、以下において説明する場合がある。
【0040】
円盤状のベース部201は、図1及び図3平面(正面)において反時計廻りに駆動モータ203により回転中心軸201Aの廻りを回転駆動され、搭載されている8個の包装体受け渡しアーム210の動きに合わせて、最上位置から回転方向に向かって順番に位置1〜位置8として説明する。なお、回転駆動は間欠的であり、各アーム210は、位置1から位置8のそれぞれの位置に到来したときに一時停止するような構成である。
【0041】
<位置1:最上位置>
円盤状のベース部201が図3平面において反時計廻りに回転されて位置1に到達したアーム210は、縦型ティーバック包装機10により製造された角錐パックFHを受け取るため、図5(C)の状態から、フィンガー220A、220Bを拡張した解放状態としつつ、アーム210をリニアガイド212により案内しつつ半径方向外側へ伸張させ(図3の位置1の伸長状態の位置、図5(B)の状態を参照)、角錐パックFHをフィンガー220A、220B間に受け入れた状態とする。
その後、縦型ティーバック包装機10の横シールの切断タイミング等と同期が図られて、スライド回転軸213が図3中下方にスライドされ、フィンガー220A、220Bの先端を閉じることで、角錐パックFHを挟持して受け取り、更にアーム210をリニアガイド212により案内しつつ半径方向内側へ収縮させ(図3の位置1の収縮時の位置、図5(C)の状態を参照)、角錐パックFHの受け取り動作が完了される。
なお、スライド回転軸213の回転角度は、受け取る包装体が角錐パックFHである場合には、縦型ティーバック包装機10から排出される角錐パックFHの捻じれ角に応じて、前述した平行位置と、捩れ位置と、が交互に現れるように制御されることになる。
【0042】
<位置2>
位置2では、位置1での角錐パックFHの捻じれ角に応じて、スライド回転軸213の回転角度延いてはフィンガー220A、220Bが捩れ位置(図3の位置1参照)にあった場合は、スライド回転軸213を略90°回転させて、位置2に示すように、平行位置にフィンガー220A、220Bの位置を整えて、外袋包装機100の包装フィルム内へ角錐パックFHを搬入し易いように準備する。
なお、位置1でフィンガー220A、220Bが平行位置(図3の位置1に対してスライド回転軸213廻りにフィンガー220A、220Bを略90°回転させた位置)にあった場合は、位置2においてスライド回転軸213を略90°回転させることなく、そのまま平行位置が維持される。
また、角錐パックでなく、例えば平形の包装体のように、縦型ティーバック包装機10から排出される包装体の状態が搬出順序に応じて変化しない場合も同様に、位置2においてスライド回転軸213を略90°回転させることはなく、そのまま平行位置が維持される。
【0043】
<位置3、4>
アーム210は、フィンガー220A、220Bで角錐パックFHを挟持した状態を維持しつつ、溝カム202に倣って全体が外周側へ徐々にスライドされる。
【0044】
<位置4〜位置5>
図3の外袋フィルムF’は、外袋包装機100において、下側を折り線として折り返されて、所定速度で図3中右方向に搬送されている。
これに同期して、アーム210も反時計廻りに回転駆動されており、フィンガー220A、220B及び挟持されている角錐パックFHは、位置4から位置5へ移行する間において、折り返されて開放されている上端間から外袋フィルムF’の間に挿入された状態とされて、位置5へ至る。
【0045】
<位置5>
位置5は、アーム210が略垂直方向に沿った方向に到達した位置であり、フィンガー220A、220Bにより挟持されている角錐パックFHは、十分かつ正確に外袋フィルムF’の間に挿入された状態となっている。
この状態で、例えば、外袋包装機100では、外袋フィルムF’に対して、縦シールを施すように構成することができる。
一方、外袋フィンガー220A、220Bの先端を開いて、角錐パックFHを解放すると共に、アーム210がエアシリンダ等のアクチュエータの駆動を受けて溝カム202に沿って図3の退避位置(引き上げ位置)まで移動される。これにより、フィンガー220A、220Bは外袋フィルムF’側に角錐パックFHを残しつつ外袋フィルムF’の間から引き抜かれることになる。
なお、退避位置まで引き上げられたアーム210が重力により下方へ戻ってしまうこと規制するようにラチェット機構224等により支持させることができる。
【0046】
以上のような動作が行われて、フィンガー220A、220Bから、外袋包装機100へ角錐パックFHの受け渡しが完了されることになる。
なお、アーム210延いてはフィンガー220A、220Bが、図3の引き揚げ位置まで引き抜かれる際には、角錐パックFHが安定して外袋フィルムF’の間に留まることができるように、外袋フィルムF’の間にある角錐パックFHを外袋フィルムF’の外側から押さえるような構成を採用することもできる。
【0047】
<位置6〜位置8>
位置6から位置8の間では、溝カム202に従って比較的アーム210が中心側に引き込まれた位置で回動され(装置の小型化やスペース確保等のためにフィンガー220A、220Bの先端の移動軌跡が小さくなるように調整されている)、次回位置1にて角錐パックFHを受け取る際の角錐パックFHの捻じれ角に対応するように、スライド回転軸213を回転させてフィンガー220A、220Bを平行位置或いは捩れ位置にセットする。
なお、角錐パックでなく、例えば平形の包装体のように、フィンガー220A、220Bによる挟持のし易さが包装機からの搬出順序によって変化しないような場合は、位置6から位置8の間でスライド回転軸213を略90°回転させる動作は省略することができる。
【0048】
このように本実施の形態に係る回転式包装体送り装置200によれば、包装機で生産される包装体を確実かつ高速に外袋包装機の外袋用袋体の中に供給することができ、以って歩留まり及びタクトタイムの改善、延いては生産能率を向上させることができる。
【0049】
ところで、本実施の形態に係る外袋包装機100では、図1に示したように、外袋用の包装フィルムF’が巻回された原反ロールFT2から引き出された包装フィルムF’をA区間で上端開放の二つ折りした状態とし、前述した位置5において、角錐パックFHを受け入れた後、順次、図3に示したように、図3中右方向に搬送し、外袋の包装体FBの内部に不活性ガス等を供給しつつ、角錐パックFHの両側に縦シール及び上端に横シールを施すと共に、個別に切断或いは所定個数ごとに切断して外袋包装を完成する。
【0050】
なお、比較的高速な運転を行うと、上端開放で二つ折りされた包装フィルムF’の内側で角錐パックFHが遊動してしまう惧れなどがあるため、そのような惧れを確実に防止して信頼性高く角錐パックFHを外袋で包装することができるように、本実施の形態に係る外袋包装機100は工夫されている。
【0051】
すなわち、図9に示すように、外袋包装機100は、初期位置では、前述した位置5において、包装フィルムF’の中に角錐パックFHを受け入れた後、エアシリンダ等のアクチュエータにより駆動され、相互に接近或いは離間する方向にスライドされる一対のプッシュアーム101A,101Bにより、包装フィルムF’の中の角錐パックFHを挟持する(図9(B)参照)。
【0052】
かかる状態で、フィンガー220A(220B)は、図3の退避位置へ引き上げられる。
なお、プッシュアーム101A、101Bの包装フィルムF’の搬送方向下流側においては、エンドレスベルト102A、102Bが包装フィルムF’を(角錐パックFHを既に受け入れている場合は角錐パックFHも併せて)挟持している。包装フィルムF’は、搬送ガイドレール114によって案内され、搬送ズレ等が抑制されるように支持されている。
【0053】
エンドレスベルト102A、102Bは、図9(B)、図9(C)に示すように、包装フィルムF’を挟んで両側に所定区間対面配置されており、それぞれローラ103A(或いは103B)、及びローラ104A(或いは104B)に巻き掛けられている。
【0054】
エンドレスベルト102Aの内側には、押圧ローラ111が所定数配設されており、各押圧ローラ111は、図9(C)に示す矢印X方向に弾性付勢されている。一方、エンドレスベルト102Bの内側には、固定板112が設けられていて、当該固定板112に対して、前記押圧ローラ111に付与される弾性付勢力でエンドレスベルト102Aを押し付けることで、エンドレスベルト102Aとエンドレスベルト102Bとの間の包装フィルムF’及び角錐パックFHを適切な挟持力で挟持可能となっている。なお、符号113は、テンション調整用のローラである。
【0055】
一対のローラ103A、103Bは、ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して、それぞれシャフト103a、103bに軸支されている。シャフト103a、103bは、外袋包装機100のフレーム(基台)110に略一体的に取り付けられている。
【0056】
シャフト103a、103bには、図9(A)に示したように、ピニオンギア105A、105Bが取り付けられ、このピニオンギア105A、105Bにはラックギヤ106A、106Bが噛合している。ラックギヤ106A、106Bは、自動包装機1の基台に略一体的に取り付けられている。
【0057】
ここで、図示しないワンウェイクラッチは、図9(C)平面において包装フィルムF’を搬送方向に送る際には、すなわちピニオンギア105A(105B)延いてはシャフト103a(103b)が矢印Y(Y’)方向とは逆方向に回転する際は、ローラ103A(103B)をシャフト103a(103b)に対して回転フリーな状態とする一方で、ピニオンギア105A(105B)延いてはシャフト103a(103b)が矢印Y(Y’)方向に回転される際にはローラ103A(103B)をシャフト103a(103b)と一体的に回転させるように作用する。
【0058】
なお、外袋包装機100(フレーム110)は、自動包装機1の基台に対して、例えばリニアガイド等を介して、包装フィルムF’の搬送方向に相対移動可能に構成されると共に、外袋包装機100(フレーム110)は、角錐パックFHを挟持しつつ、包装フィルムF’の縦シールを行うために、所定区間(図10の位置まで)、包装フィルムF’の搬送速度と同じ速度で電動モータ等により移動されるようになっている。
【0059】
この所定区間においては、既述したワンウェイクラッチの作用により、ローラ103A、103Bは回転することなく、すなわち、エンドレスベルト102A、102Bは回転することなく、両者の間にある包装フィルムF’及び角錐パックFHを挟持しながら、包装フィルムF’の搬送速度と同じ速度で、外袋包装機100(フレーム110)が、自動包装機1の基台に対して、包装フィルムF’の搬送方向下流側に移動することになる。
従って、角錐パックFHが包装フィルムF’内で遊動等することなく、正確にかつ確実に包装フィルムF’及び角錐パックFHを搬送することが可能となっている。
なお、図10の位置に至る間に、横シール装置120(自動包装機1の基台と略一体的に配設されている)により上端シールが施されると共に、縦シール装置130により、縦シールが施されるようになっている。
【0060】
そして、所定区間の終点(図10の位置)に至ると、図11に示すように、角錐パックFHを包装フィルムF’で包装した包装体FBを切り離すと共に(縦シール装置130或いはカッター等のカット手段などにより切り離すことができる)、外袋包装機100(フレーム110)は包装フィルムF’の搬送方向と逆方向への移動、すなわち、初期位置(図9)へのリターン動作が開始される。なお、プッシュアーム101A,101Bは図10(C)や図11(C)に示すように、その先端の間隔が広げられ包装フィルムF’から退避した状態とされる。
【0061】
このとき、切り離した外袋包装体FBの上流側にある包装フィルムF’や角錐パックFHを正確に挟持しながら外袋包装機100(フレーム110)は初期位置へ戻る必要があるため、エンドレスベルト102A、102Bは図11中右方向に搬送される包装フィルムF’及び角錐パックFHとの間で滑り等を生じさせることなく、外袋包装機100(フレーム110)を初期位置へ戻すことが望まれる。
【0062】
このため、本実施の形態に係る外袋包装機100では、外袋包装機100(フレーム110)を図11中左方向に移動させるときに、自動包装機1の基台に固定されているラックギヤ106A、106Bに噛合されているピニオンギア105A、105Bによりシャフト103a、103b延いてはローラ103A、103Bを回転させる構成となっており、これによりエンドレスベルト102A、102Bを図11中右方向に搬送される包装フィルムF’及び角錐パックFHとの間で滑り等を生じさせることなく、所定に負荷を掛けながら円滑に回転させることが可能となっている。
【0063】
従って、外袋包装機100(フレーム110)を初期位置へ戻す際においても、所定に負荷を掛けながらエンドレスベルト102A、102Bにより良好に包装フィルムF’及び角錐パックFHを挟持し続けることができるため、角錐パックFHが包装フィルムF’の内側で遊動等する惧れを確実に防止することができる。
【0064】
その後、図12に示すような過程を経ながら、外袋包装機100(フレーム110)を図中左方向に更に移動させ、図13に示すように、初期位置に復帰させる。
図13では、フィンガー220A(220B)により、次の角錐パックFHが送り込まれた状態が示されており、この後、当該角錐パックFHをプッシュアーム101A、101Bで挟持した図9の状態へと移行される。
このような動作を繰り返すことで、本実施の形態に係る自動包装機1では、角錐パックFHを順次個別に外袋包装することが可能となっている。
【0065】
なお、横シール装置120及び縦シール装置130は、例えば電熱式のヒートシールバーなどを利用することができるが、これに限定されるものではない。
【0066】
このように本実施の形態に係る外袋包装機によれば、外袋用袋体の中で内容物が遊動する惧れを確実に防止することができるため高速で効率良く外袋包装を実行することができ、以って歩留まり及びタクトタイムの改善、延いては生産能率を向上させることができる。
【0067】
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 自動包装機
10 包装機(例えば角錐パック用)
100 外袋包装機
101A、101B プッシュアーム
102A、102B エンドレスベルト
103A、103B ローラ
103a、103b シャフト
104A、104B ローラ
105A、105B ピニオンギア
106A、106B ラックギヤ
110 フレーム(基台)
120 横シール装置
130 縦シール装置
200 回転式包装体送り機構(包装体搬送装置)
201 ベース部
202 溝カム
210 包装体受け渡しアーム
211 カムフォロア
213 スライド回転軸
220A、220B フィンガー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
包袋内に内容物を充填した包装体を生産する包装機から生産された包装体を受け取り、当該受け取った包装体を内容物とする外袋包装を行う外袋包装機の搬送装置であって、
上端開放で折り返された帯状の外袋包装フィルムの内側に包装体を受け入れた状態で外袋包装フィルムを搬送方向に順次送る一方で、
前記受け入れた包装体と外袋包装フィルムとを挟み持つように対面配置された一対のエンドレスベルトが備えられ、
エンドレスベルトを支持する基台が、前記外袋包装フィルムの搬送方向下流側に移動する際には、エンドレスベルトの回転が規制され、
エンドレスベルトを支持する基台が、前記外袋包装フィルムの搬送方向上流側に移動する際には、エンドレスベルトの回転が許容されることを特徴とする外袋包装機の搬送装置。
【請求項2】
前記エンドレスベルトの回転の規制と許容は、エンドレスベルトが巻き掛けられた回転体と、その回転支持軸と、の間に設けられたワンウェイクラッチによりなされることを特徴とする請求項1に記載の外袋包装機の搬送装置。
【請求項3】
エンドレスベルトを支持する基台が、前記外袋包装フィルムの搬送方向と反対方向に移動する際に、その移動動作を利用して回転力がエンドレスベルトに伝達されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外袋包装機の搬送装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の外袋包装機の搬送装置を備えた外袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−280428(P2010−280428A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137012(P2009−137012)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(596092595)三光機械株式会社 (102)
【Fターム(参考)】