説明

外装建材の生産システムと物流システムの構築

【課題】外装建材の断熱性をより向上させ、COの低減を目指す。外装建材は施行現場で切削・加工する場合が多い。切削・加工された廃棄物の不法投棄が多い。外装建材の配送は輸送手段における燃料の消費が多い。
【解決手段】外装建材の新生産システム・新物流システムの構築により、COの削減、外装建材からでる廃棄物・不法投棄の削減を画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
外装建材は大別して窯業系、金属系、木質系がある。工場で生産される窯業系外装建材(コンクリート製)は、戸建住宅、集合住宅、ビル等に使用されている。窯業系外装建材の主な原材料はコンクリートである。中に鉄筋や木片等を混入する場合がある。窯業系外装建材には窯業サイディング、ALCパネル等がある。外装建材には金属サイディング材もある。金属サイディング材は、断熱、防音等の効果発現のために裏打材(主に硬質ウレタン)を貼り付けている。窯業系外装建材の断熱材は、現場で装填される場合が圧倒的に多い。
【背景技術】
【0002】
窯業系外装建材は、防火性、断熱性、工期短縮、耐久性、リサイクル性、安全性等の観点から建物の外壁として貢献してきた。特に戸建の住宅外装では大きいシェアをもつ。窯業系外装建材は工場生産であり生産効率がよく品質の安定、生産コストの低減等で、建物の建築費を低減させることに貢献している。金属サイディング材は、耐震性、断熱性が特に良好である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
窯業系外装建材や金属系ザイディング材は、建設現場で切削・加工される場合が多い。切削・加工された場合、不要な切削ごみ・加工ごみは、産業廃棄物になる。日本の産業廃棄物の中でも建築関連の不法投棄は極めて多い。外装建材製造企業は、それぞれの商流があり、物流もそれに応じて多様である。多くの物流経路があるため、物流に必要な燃料を多く使用し、COを多く排出しているのが現状である。環境問題で日本は、COの削減を世界各国から迫られている。COの低減と建築資材の産業廃棄物の低減およびリサイクルは国家の重要課題である。輸送の効率化は、エコマイレージの観点からも至急なる改善が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、窯業系外装建材の製造ラインで断熱材を装着することにより品質の均一化を図る。断熱材製造企業は、外装建材製造企業の製造工場に効率よく配送でき、配送に使用する燃料の低減が可能になる。切削・加工を特定の場所ですることにより集中管理が可能になり、切削ゴミ・加工ゴミの産業廃棄物の不法投棄を低減させかつ、特定の場所で集中管理することにより、産業廃棄物の集中処理やリサイクルの効率を向上させる方法である。物流の効率化で物流に要する燃料を低減させ、COの排出量を低減させる効果がある。断熱材を装着した外装建材を特定の場所で切削・加工する(断熱材を装着しない外装建材も同様である。)ことにより、切削・加工した廃材を集中処理でき、リサイクルも容易にすることが可能になる。ハウジングメーカー、ゼネコン、工務店、外装建材販売会社等は一切、在庫せず、建設現場に特定の配送拠点(切削・加工ができる場所)から建設現場に届ける。建設現場に届けて空車になったトラックには、改修・解体現場の廃材を載せ、前述した特定の場所に輸送し、廃材を処理するシステム、およびその情報システムを構築する。(社)全国産業廃棄物連合会との連携も考慮する。都道府県単位か、需要の多い都道府県であれば複数の特定した配送拠点から切削・加工した外装建材を建設現場に届ける。切削・加工の必要のない外装建材は、外装建材製造企業が配送の効率化を鋭意、検討し実践する。特定の場所で切削・加工することにより、不法投棄の低減と産業廃棄物の集中処理よる効率化と、廃棄物のリサイクルも効率よくできる。物流においては外装建材製造企業が連携・協力し、国家の課題であるCO削減に貢献する。例えば、日本窯業外装材協会(各種団体)が主導して物流の効率化を実施するか、行政(国・地方自治体)が指導し実践することが重要である。いずれにせよ、差し迫ったCOの低減を実現しなければならない。外装建材製造企業の企業間競争は技術競争・販売競争をすればよい。金属サイディング材は、工場生産時に断熱材を装填していることが多い。窯業系外装建材に断熱塗料・遮熱塗料(太陽熱高反射塗料)を塗装することにより、冷暖房に必要な電気エネルギー・化石燃料の使用低減が可能になる。断熱塗料の技術進歩はめざましく、硝子バルーンとセラミックバルーン等の中空バルーンを塗料に混合し、断熱性能が非常に大きい塗料を開発している。遮熱塗料は赤外線の反射率の高い顔料を塗料に混入しており夏場の冷房エネルギーの低減できる。冷暖房に要するエネルギーコストを勘案すれば、断熱塗料・遮熱塗料を塗装する方が費用対効果で有利である。即ち、COの低減にも寄与する。外装建材には、塗料が必要である。塗料生産企業から外装建材製造企業への配送は現行、1トンコンテナか200リッタードラムが多い。大量に使用される塗料についてはローリー化し、物流コスト面、大量輸送での効率化でCOぉ排出が低減でき、および貴重な鉄(ドラム)の使用を減少できる。資源の無駄使い防止の観点からもローリー化を推進すべきである。物流の効率化は“宅配便”を見習えばよい。国家の課題である、燃料消費・CO低減に貢献してほしい。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、▲1▼外装建材の断熱性の品質確保と工場生産によるコストダウン、断熱塗料・遮熱塗料を塗装することで、更なるエネルギー消費の低減とCO排出の低減▲2▼物流効率の向上によるCO排出の低減▲3▼外装建材の産業廃棄物不法投棄の低減を画すことが目的である。[請求項1]の場合、外装建材の工場生産時に断熱材を装着することは、工場生産の長所である断熱性能の均一化がより確実に大量生産においても実現できる。断熱材製造企業は、大量の断熱材を効率よく外装建材製造企業の生産工場に配送できる。最近、国が窓ガラスの断熱性の規格を決めた。外装建材も同様、施主に解りやすい断熱性の規格を策定すればよい。[請求項2]の場合、工場生産時に断熱塗料や遮熱塗料を塗装することにより、断熱効果で電気エネルギーや化石燃料の消費の節約になり、COが低減できる。[請求項3]の場合、外装建材廃棄物の集中処理で資源の有効利用・リサイクルにも貢献する。現場施行時における切削・加工で出る廃棄物の不法投棄も低減できる。外装建材製造企業は、企業倫理にのっとり、外装建材の関連法規を遵守し、最適な外装建材廃棄物の処分とリサイクルの義務を履行し、産業廃棄物を低減する。切削・加工を集中的に行うことは、物流の効率化になり、物流に消費する燃料の低減を可能にし、COが削減できる。重厚長大である窯業系外装建材・金属サイディング材は、輸送の効率化が急務である。国土交通省の環境白書に記述されているが、物流におけるCOの排出は多い。物流におけるCOの低減を実現させることは、日本の「京都議定書」の達成の一助となりえる。他の産業界も同様である。前述の通り、企業は技術競争・販売競争は大いにすべきであるが、物流の効率化によるCO排出の低減・建材不法投棄の撲滅について業界が協力すれば、国家の課題解決(COの低減)に貢献できる。
図1を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【図1】断熱材を装着し、断熱塗料または遮熱塗料を塗装した窯業系外装建材
【図2】断熱材を装着し、断熱塗料を塗装した外装金属サイディング材
【符号の説明】
▲1▼ 実施例の窯業系外装建材
▲2▼ 窯業系外装建材
▲3▼ 外装建材に装着した断熱材
▲4▼ 外装建材に塗装した断熱塗料または遮熱塗料
▲11▼ 外装金属サイディング材
▲12▼ 金属サイディング材
▲13▼ 断熱材
▲14▼ 外装金属サイディング材に塗装した断熱塗料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場生産時に断熱材を装着した窯業系外装建材。
【請求項2】
工場生産時に断熱塗料や遮熱塗料を塗装した外装建材。
【請求項3】
外装建材を製造現場で切削・加工せずに、特定の場所で切削・加工し、産業廃棄物を集中処理するシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−228400(P2009−228400A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108330(P2008−108330)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(507351311)
【Fターム(参考)】