外観検査方法及びその装置
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この発明は外観検査方法および装置に関するものである。
〔従来の技術〕
製品の製造工程において、製造の歩留まりや製品の品質を維持、向上させるためには、製造工程の状態を常時良好に保つことが必要である。そして、製造工程に何らかの異常が発生したときには、それをいち早く発見し、原因を究明して、適切な対策を講じなければならない。このため、情報処理学会論文誌第27巻第5号第541〜551頁「知識ベースに基づく半導体プロセス診断方式」に示されるように、製造工程における異常を検出することが行われている。
このような製造工程における異常を検出する方法、装置としては、外観検査方法、装置がある。すなわち、製造工程に何らかの異常が起これば、対象物上の欠陥または異物付着(以下、単に欠陥という)の発生状態によって外見に変化が発生するから、外観検査を行うことにより、製造工程の異常を診断することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、この外観検査方法、装置においては、検出された欠陥(以下、検出欠陥という)と実際に存在する欠陥(以下、実在欠陥という)とが一対一で対応しないことがあるから、製造工程における異常を正確に判断することができず、異常原因を確実に除去することができないので、製造の歩留まりや製品の品質を維持、向上させることができないことがある。
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、製造工程における異常を正確に判断することができ、異常原因を確実に除去することができる外観検査方法、外観検査装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本発明では、外観検査方法を、検査対象物の外観を撮像し、この撮像して得た検査対象物の画像上で検査対象物上の欠陥を検出し、画像上で検出した欠陥のそれぞれの位置情報を抽出し、抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいてそれぞれの欠陥の間の距離を求め、この求めた距離を予め設定した値と比較し、比較した結果から求めた距離が予め設定した値よりも小さいときにはそれぞれの欠陥は単一の実在欠陥が個別に検出されたものであると判定する方法とした。
また、本発明では、外観検査方法を、検査対象物の外観を撮像し、この撮像して得た検査対象物の画像上で検査対象物上の欠陥を検出し、この検出した欠陥の中から実在欠陥を抽出し、抽出した実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求め、求めた結果に基づく実在欠陥に関する情報を画面上に表示する方法とした。
更に、本発明では、検査対象物の外観を撮像して得た検査対象物の画像情報から検査対象物上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、この欠陥検出手段で検出した欠陥に関する情報を記憶する欠陥情報記憶手段と、この欠陥情報記憶手段に記憶された欠陥に関する情報からそれぞれの欠陥の位置情報を抽出し、この抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいてそれぞれの欠陥が別個の実在欠陥であるか同じ実在欠陥であるかを判定する実在欠陥判定手段と、この実在欠陥判定手段によって判定された実在欠陥に関する情報を記憶する実在欠陥記憶手段とを具備して構成した。
更にまた、本発明では、外観検査装置を、検査対象物の外観を撮像して検査対象物の画像情報を得てこの画像情報から検査対象物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、この欠陥検出手段で検出した欠陥から検査対象物上に実在する欠陥を抽出する実在欠陥抽出手段と、この実在欠陥抽出手段で抽出して実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求める欠陥判定手段と、この欠陥判定手段で求めた結果に基づく実在する欠陥に関する情報を画面上に表示する表示手段とを具備して構成した。
〔作用〕
この外観検査方法、外観検査装置においては、製造工程における異常を正確に判断することができ、異常原因を確実に除去することができる。
〔実施例〕
第1図はこの発明に係る外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る外観検査装置を示すブロック図である。図において、1は対象物上の欠陥の位置、種類等を検出する欠陥検出手段、2は欠陥検出手段1によって検出された検出欠陥の位置、種類等を記憶する検出欠陥記憶手段、3は検出欠陥の位置から検出欠陥相互間の距離を求め、その距離があらかじめ定められたしきい値D以下のときには、単一の実在欠陥が別個に検出されたものであると判定する実在欠陥抽出手段、4は検出欠陥の種類から実在欠陥の種類を推定する実在欠陥種類推定ルールおよびしきい値Dを記憶する実在欠陥推定知識ベースで、実在欠陥種類推定ルールはif・thenルールすなわちif(条件)、then(結論)の形式で記憶されている。5は実在欠陥推定知識ベース4の実在欠陥種類推定ルールに基づいて検出欠陥の種類から実在欠陥の種類を判定する欠陥種類推定手段、6は実在欠陥の位置、種類等を記憶する実在欠陥記憶手段で、検出欠陥記憶手段2、実在欠陥記憶手段6は半導体メモリ、ディスク装置などからなる。7は実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータおよび実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータを求める特徴パラメータ算出手段、9は特徴パラメータと製造工程における異常の有無とを関係づける異常判定ルールを記憶する異常判定知識ベースで、異常判定ルールはif・thenルールとして記憶されている。8は異常判定知識ベース9の異常判定ルールに基づいて特徴パラメータから異常を判定する異常判定手段、11は特徴パラメータと異常原因との因果関係を示す異常原因推定ルールを記憶する異常原因推定知識ベースで、異常原因推定ルールはif・thenルールとして記憶されている。10は異常原因推定知識ベース11の異常原因推定ルールに基づいて特徴パラメータから異常原因を推定する異常原因推定手段、12は異常発生の有無とその程度、異常原因として可能性のある項目等を表示する結果表示手段である。
第2図は第1図に示した外観検査装置によって製造工程において外観検査すべきセラミック基板の一部を示す断面図である。図において、13はセラミック板、14はセラミック板13に形成された回路パターンで、回路パターン14はタングステン、モリブデン等からなる。15は回路パターン14を接続するスルーホール、16はICチップ等の電子部品、17ははんだ付部である。
第3図は第2図に示したセラミック基板を製造する方法の一部の説明図である。このセラミック基板の製造方法においては、まずセラミック材料のシートすなわちグリーンシート18を所定の大きさに切断する。つぎに、グリーンシート18にポンチ等による穴あけ加工よりスルーホール用穴を設ける。つぎに、スクリーン印刷によりスルーホール用穴内に導体ペーストを充填する。つぎに、第1図に示した外観検査装置によりスルーホール15部の導体ペーストの充填状態の検査を行う。
第4図は導体ペーストの充填の欠陥の種類を示す図である。図に示すように、欠陥の種類としては、にじみ、ペースト飛散またはごみ、不足、スルーホールなし等があり、このような欠陥が発生したときには、グリーンシート18を積層してセラミック基板を形成したときに、断線、ショートなどが発生する可能性がある。
第5図は第1図に示した外観検査装置の欠陥検出手段1における欠陥判定基準を示す図である。欠陥検出手段1においては、グリーンシート18を上方および斜め上方から撮像し、導体ペーストの面積、周囲長を計測し、第5図5図に示す基準により欠陥の数、座標、種類等を検出する。この場合、欠陥検出手段1は正方形の区画を単位として欠陥を検出し、また1つの区画において複数の欠陥判定基準に該当するときには、別個の欠陥として検出する。また、欠陥の種類は次のようにして検出する。すなわち、斜め上方から撮像した場合の導体ペーストの面積をSaとし、基準値をS0としたとき、Sa>S0であれば、不足と判断し、上方から撮像した場合の導体ペーストの面積をSbとし、基準値をS1としたとき、Sb<S1であれば、スルーホールなしと判断し、基準値をS2としたとき、Sb>S2であれば、にじみと判断し、上方から撮像した場合の導体ペーストの周囲長をL、基準値をThとしたとき、Sb/L2<Thであるとき、飛散と判断し、基準値をS3としたとき、Sb<S3であれば、孤立点と判断する。なお、このような欠陥検出手段は特願昭63−251758号明細書に示されている。
第6図(a)は実在欠陥を示す図、第6図(b)は第6図6図(a)に示した欠陥を欠陥検出手段により検査した結果を示す図である。図に示すように、小形ごみ19の場合には、実在欠陥の数と欠陥検出手段1が検出した検出欠陥の数とは一致するが、大形ごみ20の場合には、実在欠陥の数と欠陥検出手段1が検出した検出欠陥の数とは一致しない。そこで、製造工程における異常を正確に判断するために、実在欠陥抽出手段3によって実在欠陥を抽出する。
第7図は実在欠陥抽出手段3におけるアルゴリズムを示す流れ図である。すなわち、実在欠陥抽出手段3においては、n個の検出欠陥Pr(r=1〜n)を実在欠陥Qs(s=1〜m)に対応させることにより、実在欠陥を抽出するには、次のようにする。まず、検出欠陥Prを実在欠陥Qsに対応づける関数f(r)=sを考え、まだ特定の実在欠陥と対応づけられておらず、f(i)=0である検出欠陥Piについて、それが新たな実在欠陥QMに対応すると考え、f(i)=Mとする。つぎに、検出欠陥Piと検出欠陥Pj(j=1〜n、f(j)=0)との距離をdijを順次調べ、dij<Dであれば、検出欠陥Pjも検出欠陥Piと同一の実在欠陥QMに対応すると判断し、f(j)=Mとする。つぎに、検出欠陥Pjとその他の検出欠陥Pk(k=1〜n、f(k)=0)との距離djkを調べ、djk<Dとなる検出欠陥を抽出する。このような処理を再帰的に行う。
たとえば、第8図に示すように、d12<D、d23<D、d24<D、d56<D、d67<D、d47>Dであるとすると、実在欠陥抽出手段3においては、検出欠陥P1、P2、P3、P4が実在欠陥Q1に属し、検出欠陥P5、P6、P7が実在欠陥Q2に属すると推定する。
第9図は実在欠陥推定知識ベース4に記憶された実在欠陥種類推定ルールを示す図である。この実在欠陥種類推定ルールはたとえば「にじみ、飛散、孤立点の3種類の検出欠陥が同時に検出された実在欠陥は、実際にはごみまたはペーストの付着である」というものである。
第10図は特徴パラメータ算出手段7で実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータを算出する場合の説明図である。第10図(a)に示すように、各グリーンシート18に発生する実際欠陥は一般に、常にあるレベルで繰り返し発生する定常的な欠陥と、突発的な要因で発生する欠陥とに分けられる。そして、前者は製造工程の定常的な状態を表し、後者は製造工程の突発的なトラブルを表すものと考えられる。そこで、第10図(b)、第10図(c)に示すように、実在欠陥を定常的に発生している欠陥すなわち定常欠陥と突発した欠陥すなわち突発欠陥とに分離する。すなわち、検査時刻t=1,2,……,nに対して欠陥数g(t)が与えられるとき、次式で表されるメジアン(中央値)h(t)を求める。
h(t)=Median(g(t−1),g(t),g(t+1))
t=2,3,……,n−1 つぎに、メジアンh(t)の最小2乗近似直線11を求める。つぎに、最小2乗近似直線11を基準とした欠陥数g(t)のばらつきすなわち標準偏差σを求め、最小2乗近似直線11から上方に3σ離れた直線12を引く。そして、欠陥数g(t)が直線12から突出したときには、その時刻において突発欠陥が発生したものと判定する。このようにして、実在欠陥を定常欠陥と突発欠陥とに分離したのち、最小2乗近似直線11の傾きすなわち欠陥数増加率bを求め、これを定常欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータとする。
また、特徴パラメータ算出手段7では、実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータとして、グリーンシート18に発生した実際欠陥の数をN、実際欠陥の座標を(xi,yi)としたとき、次式で表される欠陥分布の重心(■,■)、分数(σx2,σy2)を算出する。
また、特徴パラメータ算出手段7では、実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータとして、グリーンシート18を正方形に分割した各区画内での欠陥の密度である局所密度を算出する。この場合、欠陥が局所的に集中して発生している場合には、特定の区画の局所密度が大きな値を示す。
第11図は異常判定知識ベース9に記憶された異常判定ルールを示す図である。ここで、異常度X1等は0から1までの値をとる数であり、1に近づくほど異常の程度が大きいことを示す。
そして、異常判定手段8においては、たとえば第11図に示すルール1の条件とルール2の条件とが満たされたと判断したとき、欠陥が偏在し、その異常度はX1であり、しかも欠陥が局在し、その異常度はX2であると判定する。そして、次式で表される総合異常度Xを求める。
X=X1+X2−X1・X2 第12図は異常原因推定知識ベース11に記憶された異常原因推定ルールを示す図である。ここで、確信度Y1等は異常原因の可能性の程度を表す数であり、−1(完全否定)から+1(完全肯定)までの値をとる。
そして、異常原因推定手段10においては、特徴パラメータに基づいて各異常原因推定ルールの条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断したときには、そのルールの異常原因とその確信度Y1等とが求められる。そして、複数のルールが成立して、同時に同一の異常原因が求められたとき、たとえば第12図に示すルール1の条件とルール2の条件とが満たされたと判断したときには、次式によって総合確信度Yを求める。
また、複数の異常原因が得られたときには、確信度Y1等が最大のものを最も可能性が高い原因であるとする。
つぎに、第1図に示した外観検査装置の動作すなわちこの発明に係る外観検査方法について説明する。まず、欠陥検出手段1によって各グリーンシート18の導体ペーストの充填の欠陥の数、座標、種類等を検出する。つぎに、検出欠陥の数、座標、種類等を検出欠陥記憶手段2に記憶する。つぎに、一定枚数のグリーンシート18についての検出欠陥の数、座標、種類等が検出欠陥記憶手段2に記憶されたとき、たとえば1つの製造ロットの欠陥の検査が終了したときには、実在欠陥抽出手段3により検出欠陥相互間の距離から実在欠陥を抽出する。つぎに、欠陥種類推定手段5により実在欠陥種類推定ルールに基づいて検出欠陥の種類から実在欠陥の種類を推定する。つぎに、実在欠陥の位置、種類等を実在欠陥記憶手段6に記憶する。つぎに、特徴パラメータ算出手段7により実在欠陥の位置、種類等から実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータおよび実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータを求める。つぎに、異常判定手段8により異常判定ルールに基づいて特徴パラメータから異常を判定する。つぎに、異常原因推定手段10により異常原因推定ルールに基づいて特徴パラメータから異常原因を推定する。つぎに、結果表示手段12に異常発生の有無とその程度、異常原因として可能性のある項目等を表示する。
このような外観検査方法、外観検査装置においては、実在欠陥を抽出するから、セラミック基板の製造工程における異常、異常原因を正確に判断することができるので、異常原因を確実に除去することができるため、製造の歩留まりやセミック基板の品質を確実に維持、向上させることができる。また、実在欠陥推定知識ベース4の実在欠陥種類推定ルール、異常判定知識ベース9の異常判定ルール、異常原因推定知識ベース11の異常原因推定ルールはif・thenルールとして記憶されているから、知識の内容が人間に近く、自然で理解しやすく、また知識の独立性が高く、追加、変更が容易である。
第13図はこの発明に係る他の外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る他の外観検査装置を示すブロック図である。図において、21aは実在欠陥推定知識ベース4a、4b等を切り換える知識ベース選択手段、21bは異常判定知識ベース9a、9b等を切り換える知識ベース選択手段、21cは異常原因推定知識ベース11a、11b等を切り換える知識ベース選択手段である。
この外観検査装置においては、検査条件が異なる対象ごとに適宜知識ベース選択手段21a〜21cによって実在欠陥推定知識ベース4a、4b等、異常判定知識ベース9a、9b等、異常原因推定知識ベース11a、11b等を切り換えることができる。このため、検査条件が変化する場合でも、必要な知識ベースをあらかじめ用意しておけば、検査を連続して行うことができる。
なお、上述実施例においては、セラミック基板の製造工程の場合の外観検査について説明したが、他の製品の製造工程の場合の外観検査にもこの発明を適用できることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明に係る外観検査方法、外観検査装置においては、製造工程における異常を正確に判断することができ、異常原因を確実に除去することができるから、製造の歩留まりや製品の品質を確実に維持、向上させることができる。このように、この発明の効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る外観検査装置を示すブロック図、第2図は第1図に示した外観検査装置によって製造工程において外観検査すべきセラミック基板の一部を示す断面図、第3図は第2図に示したセラミック基板を製造する方法の一部の説明図、第4図は導体ペーストの充填の欠陥の種類を示す図、第5図は第1図に示した外観検査装置の欠陥検出手段における欠陥判定基準を示す図、第6図(a)は実在欠陥を示す図、第6図(b)は第6図(a)に示した欠陥を欠陥検出手段により検査した結果を示す図、第7図は実在欠陥抽出手段におけるアルゴリズムを示す流れ図、第8図は検出欠陥の距離関係を示す図、第9図は実在欠陥推定知識ベースに記憶された実在欠陥種類推定ルールを示す図、第10図は特徴パラメータ算出手段で実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータを算出する場合の説明図、第11図は異常判定知識ベースに記憶された異常判定ルールを示す図、第12図は異常原因推定知識ベースに記憶された異常原因推定ルールを示す図、第13図はこの発明に係る他の外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る他の外観検査装置を示すブロック図である。
1……欠陥検出手段
2……検出欠陥記憶手段
3……実在欠陥抽出手段
4……実在欠陥推定知識ベース
5……欠陥種類推定手段
6……実在欠陥記憶手段
7……特徴パラメータ算出手段
8……異常判定手段
9……異常判定知識ベース
10……異常原因推定手段
11……異常原因推定知識ベース
〔産業上の利用分野〕
この発明は外観検査方法および装置に関するものである。
〔従来の技術〕
製品の製造工程において、製造の歩留まりや製品の品質を維持、向上させるためには、製造工程の状態を常時良好に保つことが必要である。そして、製造工程に何らかの異常が発生したときには、それをいち早く発見し、原因を究明して、適切な対策を講じなければならない。このため、情報処理学会論文誌第27巻第5号第541〜551頁「知識ベースに基づく半導体プロセス診断方式」に示されるように、製造工程における異常を検出することが行われている。
このような製造工程における異常を検出する方法、装置としては、外観検査方法、装置がある。すなわち、製造工程に何らかの異常が起これば、対象物上の欠陥または異物付着(以下、単に欠陥という)の発生状態によって外見に変化が発生するから、外観検査を行うことにより、製造工程の異常を診断することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、この外観検査方法、装置においては、検出された欠陥(以下、検出欠陥という)と実際に存在する欠陥(以下、実在欠陥という)とが一対一で対応しないことがあるから、製造工程における異常を正確に判断することができず、異常原因を確実に除去することができないので、製造の歩留まりや製品の品質を維持、向上させることができないことがある。
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、製造工程における異常を正確に判断することができ、異常原因を確実に除去することができる外観検査方法、外観検査装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本発明では、外観検査方法を、検査対象物の外観を撮像し、この撮像して得た検査対象物の画像上で検査対象物上の欠陥を検出し、画像上で検出した欠陥のそれぞれの位置情報を抽出し、抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいてそれぞれの欠陥の間の距離を求め、この求めた距離を予め設定した値と比較し、比較した結果から求めた距離が予め設定した値よりも小さいときにはそれぞれの欠陥は単一の実在欠陥が個別に検出されたものであると判定する方法とした。
また、本発明では、外観検査方法を、検査対象物の外観を撮像し、この撮像して得た検査対象物の画像上で検査対象物上の欠陥を検出し、この検出した欠陥の中から実在欠陥を抽出し、抽出した実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求め、求めた結果に基づく実在欠陥に関する情報を画面上に表示する方法とした。
更に、本発明では、検査対象物の外観を撮像して得た検査対象物の画像情報から検査対象物上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、この欠陥検出手段で検出した欠陥に関する情報を記憶する欠陥情報記憶手段と、この欠陥情報記憶手段に記憶された欠陥に関する情報からそれぞれの欠陥の位置情報を抽出し、この抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいてそれぞれの欠陥が別個の実在欠陥であるか同じ実在欠陥であるかを判定する実在欠陥判定手段と、この実在欠陥判定手段によって判定された実在欠陥に関する情報を記憶する実在欠陥記憶手段とを具備して構成した。
更にまた、本発明では、外観検査装置を、検査対象物の外観を撮像して検査対象物の画像情報を得てこの画像情報から検査対象物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、この欠陥検出手段で検出した欠陥から検査対象物上に実在する欠陥を抽出する実在欠陥抽出手段と、この実在欠陥抽出手段で抽出して実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求める欠陥判定手段と、この欠陥判定手段で求めた結果に基づく実在する欠陥に関する情報を画面上に表示する表示手段とを具備して構成した。
〔作用〕
この外観検査方法、外観検査装置においては、製造工程における異常を正確に判断することができ、異常原因を確実に除去することができる。
〔実施例〕
第1図はこの発明に係る外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る外観検査装置を示すブロック図である。図において、1は対象物上の欠陥の位置、種類等を検出する欠陥検出手段、2は欠陥検出手段1によって検出された検出欠陥の位置、種類等を記憶する検出欠陥記憶手段、3は検出欠陥の位置から検出欠陥相互間の距離を求め、その距離があらかじめ定められたしきい値D以下のときには、単一の実在欠陥が別個に検出されたものであると判定する実在欠陥抽出手段、4は検出欠陥の種類から実在欠陥の種類を推定する実在欠陥種類推定ルールおよびしきい値Dを記憶する実在欠陥推定知識ベースで、実在欠陥種類推定ルールはif・thenルールすなわちif(条件)、then(結論)の形式で記憶されている。5は実在欠陥推定知識ベース4の実在欠陥種類推定ルールに基づいて検出欠陥の種類から実在欠陥の種類を判定する欠陥種類推定手段、6は実在欠陥の位置、種類等を記憶する実在欠陥記憶手段で、検出欠陥記憶手段2、実在欠陥記憶手段6は半導体メモリ、ディスク装置などからなる。7は実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータおよび実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータを求める特徴パラメータ算出手段、9は特徴パラメータと製造工程における異常の有無とを関係づける異常判定ルールを記憶する異常判定知識ベースで、異常判定ルールはif・thenルールとして記憶されている。8は異常判定知識ベース9の異常判定ルールに基づいて特徴パラメータから異常を判定する異常判定手段、11は特徴パラメータと異常原因との因果関係を示す異常原因推定ルールを記憶する異常原因推定知識ベースで、異常原因推定ルールはif・thenルールとして記憶されている。10は異常原因推定知識ベース11の異常原因推定ルールに基づいて特徴パラメータから異常原因を推定する異常原因推定手段、12は異常発生の有無とその程度、異常原因として可能性のある項目等を表示する結果表示手段である。
第2図は第1図に示した外観検査装置によって製造工程において外観検査すべきセラミック基板の一部を示す断面図である。図において、13はセラミック板、14はセラミック板13に形成された回路パターンで、回路パターン14はタングステン、モリブデン等からなる。15は回路パターン14を接続するスルーホール、16はICチップ等の電子部品、17ははんだ付部である。
第3図は第2図に示したセラミック基板を製造する方法の一部の説明図である。このセラミック基板の製造方法においては、まずセラミック材料のシートすなわちグリーンシート18を所定の大きさに切断する。つぎに、グリーンシート18にポンチ等による穴あけ加工よりスルーホール用穴を設ける。つぎに、スクリーン印刷によりスルーホール用穴内に導体ペーストを充填する。つぎに、第1図に示した外観検査装置によりスルーホール15部の導体ペーストの充填状態の検査を行う。
第4図は導体ペーストの充填の欠陥の種類を示す図である。図に示すように、欠陥の種類としては、にじみ、ペースト飛散またはごみ、不足、スルーホールなし等があり、このような欠陥が発生したときには、グリーンシート18を積層してセラミック基板を形成したときに、断線、ショートなどが発生する可能性がある。
第5図は第1図に示した外観検査装置の欠陥検出手段1における欠陥判定基準を示す図である。欠陥検出手段1においては、グリーンシート18を上方および斜め上方から撮像し、導体ペーストの面積、周囲長を計測し、第5図5図に示す基準により欠陥の数、座標、種類等を検出する。この場合、欠陥検出手段1は正方形の区画を単位として欠陥を検出し、また1つの区画において複数の欠陥判定基準に該当するときには、別個の欠陥として検出する。また、欠陥の種類は次のようにして検出する。すなわち、斜め上方から撮像した場合の導体ペーストの面積をSaとし、基準値をS0としたとき、Sa>S0であれば、不足と判断し、上方から撮像した場合の導体ペーストの面積をSbとし、基準値をS1としたとき、Sb<S1であれば、スルーホールなしと判断し、基準値をS2としたとき、Sb>S2であれば、にじみと判断し、上方から撮像した場合の導体ペーストの周囲長をL、基準値をThとしたとき、Sb/L2<Thであるとき、飛散と判断し、基準値をS3としたとき、Sb<S3であれば、孤立点と判断する。なお、このような欠陥検出手段は特願昭63−251758号明細書に示されている。
第6図(a)は実在欠陥を示す図、第6図(b)は第6図6図(a)に示した欠陥を欠陥検出手段により検査した結果を示す図である。図に示すように、小形ごみ19の場合には、実在欠陥の数と欠陥検出手段1が検出した検出欠陥の数とは一致するが、大形ごみ20の場合には、実在欠陥の数と欠陥検出手段1が検出した検出欠陥の数とは一致しない。そこで、製造工程における異常を正確に判断するために、実在欠陥抽出手段3によって実在欠陥を抽出する。
第7図は実在欠陥抽出手段3におけるアルゴリズムを示す流れ図である。すなわち、実在欠陥抽出手段3においては、n個の検出欠陥Pr(r=1〜n)を実在欠陥Qs(s=1〜m)に対応させることにより、実在欠陥を抽出するには、次のようにする。まず、検出欠陥Prを実在欠陥Qsに対応づける関数f(r)=sを考え、まだ特定の実在欠陥と対応づけられておらず、f(i)=0である検出欠陥Piについて、それが新たな実在欠陥QMに対応すると考え、f(i)=Mとする。つぎに、検出欠陥Piと検出欠陥Pj(j=1〜n、f(j)=0)との距離をdijを順次調べ、dij<Dであれば、検出欠陥Pjも検出欠陥Piと同一の実在欠陥QMに対応すると判断し、f(j)=Mとする。つぎに、検出欠陥Pjとその他の検出欠陥Pk(k=1〜n、f(k)=0)との距離djkを調べ、djk<Dとなる検出欠陥を抽出する。このような処理を再帰的に行う。
たとえば、第8図に示すように、d12<D、d23<D、d24<D、d56<D、d67<D、d47>Dであるとすると、実在欠陥抽出手段3においては、検出欠陥P1、P2、P3、P4が実在欠陥Q1に属し、検出欠陥P5、P6、P7が実在欠陥Q2に属すると推定する。
第9図は実在欠陥推定知識ベース4に記憶された実在欠陥種類推定ルールを示す図である。この実在欠陥種類推定ルールはたとえば「にじみ、飛散、孤立点の3種類の検出欠陥が同時に検出された実在欠陥は、実際にはごみまたはペーストの付着である」というものである。
第10図は特徴パラメータ算出手段7で実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータを算出する場合の説明図である。第10図(a)に示すように、各グリーンシート18に発生する実際欠陥は一般に、常にあるレベルで繰り返し発生する定常的な欠陥と、突発的な要因で発生する欠陥とに分けられる。そして、前者は製造工程の定常的な状態を表し、後者は製造工程の突発的なトラブルを表すものと考えられる。そこで、第10図(b)、第10図(c)に示すように、実在欠陥を定常的に発生している欠陥すなわち定常欠陥と突発した欠陥すなわち突発欠陥とに分離する。すなわち、検査時刻t=1,2,……,nに対して欠陥数g(t)が与えられるとき、次式で表されるメジアン(中央値)h(t)を求める。
h(t)=Median(g(t−1),g(t),g(t+1))
t=2,3,……,n−1 つぎに、メジアンh(t)の最小2乗近似直線11を求める。つぎに、最小2乗近似直線11を基準とした欠陥数g(t)のばらつきすなわち標準偏差σを求め、最小2乗近似直線11から上方に3σ離れた直線12を引く。そして、欠陥数g(t)が直線12から突出したときには、その時刻において突発欠陥が発生したものと判定する。このようにして、実在欠陥を定常欠陥と突発欠陥とに分離したのち、最小2乗近似直線11の傾きすなわち欠陥数増加率bを求め、これを定常欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータとする。
また、特徴パラメータ算出手段7では、実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータとして、グリーンシート18に発生した実際欠陥の数をN、実際欠陥の座標を(xi,yi)としたとき、次式で表される欠陥分布の重心(
また、特徴パラメータ算出手段7では、実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータとして、グリーンシート18を正方形に分割した各区画内での欠陥の密度である局所密度を算出する。この場合、欠陥が局所的に集中して発生している場合には、特定の区画の局所密度が大きな値を示す。
第11図は異常判定知識ベース9に記憶された異常判定ルールを示す図である。ここで、異常度X1等は0から1までの値をとる数であり、1に近づくほど異常の程度が大きいことを示す。
そして、異常判定手段8においては、たとえば第11図に示すルール1の条件とルール2の条件とが満たされたと判断したとき、欠陥が偏在し、その異常度はX1であり、しかも欠陥が局在し、その異常度はX2であると判定する。そして、次式で表される総合異常度Xを求める。
X=X1+X2−X1・X2 第12図は異常原因推定知識ベース11に記憶された異常原因推定ルールを示す図である。ここで、確信度Y1等は異常原因の可能性の程度を表す数であり、−1(完全否定)から+1(完全肯定)までの値をとる。
そして、異常原因推定手段10においては、特徴パラメータに基づいて各異常原因推定ルールの条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断したときには、そのルールの異常原因とその確信度Y1等とが求められる。そして、複数のルールが成立して、同時に同一の異常原因が求められたとき、たとえば第12図に示すルール1の条件とルール2の条件とが満たされたと判断したときには、次式によって総合確信度Yを求める。
また、複数の異常原因が得られたときには、確信度Y1等が最大のものを最も可能性が高い原因であるとする。
つぎに、第1図に示した外観検査装置の動作すなわちこの発明に係る外観検査方法について説明する。まず、欠陥検出手段1によって各グリーンシート18の導体ペーストの充填の欠陥の数、座標、種類等を検出する。つぎに、検出欠陥の数、座標、種類等を検出欠陥記憶手段2に記憶する。つぎに、一定枚数のグリーンシート18についての検出欠陥の数、座標、種類等が検出欠陥記憶手段2に記憶されたとき、たとえば1つの製造ロットの欠陥の検査が終了したときには、実在欠陥抽出手段3により検出欠陥相互間の距離から実在欠陥を抽出する。つぎに、欠陥種類推定手段5により実在欠陥種類推定ルールに基づいて検出欠陥の種類から実在欠陥の種類を推定する。つぎに、実在欠陥の位置、種類等を実在欠陥記憶手段6に記憶する。つぎに、特徴パラメータ算出手段7により実在欠陥の位置、種類等から実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータおよび実在欠陥の平面的分布状態を表す特徴パラメータを求める。つぎに、異常判定手段8により異常判定ルールに基づいて特徴パラメータから異常を判定する。つぎに、異常原因推定手段10により異常原因推定ルールに基づいて特徴パラメータから異常原因を推定する。つぎに、結果表示手段12に異常発生の有無とその程度、異常原因として可能性のある項目等を表示する。
このような外観検査方法、外観検査装置においては、実在欠陥を抽出するから、セラミック基板の製造工程における異常、異常原因を正確に判断することができるので、異常原因を確実に除去することができるため、製造の歩留まりやセミック基板の品質を確実に維持、向上させることができる。また、実在欠陥推定知識ベース4の実在欠陥種類推定ルール、異常判定知識ベース9の異常判定ルール、異常原因推定知識ベース11の異常原因推定ルールはif・thenルールとして記憶されているから、知識の内容が人間に近く、自然で理解しやすく、また知識の独立性が高く、追加、変更が容易である。
第13図はこの発明に係る他の外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る他の外観検査装置を示すブロック図である。図において、21aは実在欠陥推定知識ベース4a、4b等を切り換える知識ベース選択手段、21bは異常判定知識ベース9a、9b等を切り換える知識ベース選択手段、21cは異常原因推定知識ベース11a、11b等を切り換える知識ベース選択手段である。
この外観検査装置においては、検査条件が異なる対象ごとに適宜知識ベース選択手段21a〜21cによって実在欠陥推定知識ベース4a、4b等、異常判定知識ベース9a、9b等、異常原因推定知識ベース11a、11b等を切り換えることができる。このため、検査条件が変化する場合でも、必要な知識ベースをあらかじめ用意しておけば、検査を連続して行うことができる。
なお、上述実施例においては、セラミック基板の製造工程の場合の外観検査について説明したが、他の製品の製造工程の場合の外観検査にもこの発明を適用できることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明に係る外観検査方法、外観検査装置においては、製造工程における異常を正確に判断することができ、異常原因を確実に除去することができるから、製造の歩留まりや製品の品質を確実に維持、向上させることができる。このように、この発明の効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る外観検査装置を示すブロック図、第2図は第1図に示した外観検査装置によって製造工程において外観検査すべきセラミック基板の一部を示す断面図、第3図は第2図に示したセラミック基板を製造する方法の一部の説明図、第4図は導体ペーストの充填の欠陥の種類を示す図、第5図は第1図に示した外観検査装置の欠陥検出手段における欠陥判定基準を示す図、第6図(a)は実在欠陥を示す図、第6図(b)は第6図(a)に示した欠陥を欠陥検出手段により検査した結果を示す図、第7図は実在欠陥抽出手段におけるアルゴリズムを示す流れ図、第8図は検出欠陥の距離関係を示す図、第9図は実在欠陥推定知識ベースに記憶された実在欠陥種類推定ルールを示す図、第10図は特徴パラメータ算出手段で実在欠陥の数の時間的変動を表す特徴パラメータを算出する場合の説明図、第11図は異常判定知識ベースに記憶された異常判定ルールを示す図、第12図は異常原因推定知識ベースに記憶された異常原因推定ルールを示す図、第13図はこの発明に係る他の外観検査方法を実施するための装置すなわちこの発明に係る他の外観検査装置を示すブロック図である。
1……欠陥検出手段
2……検出欠陥記憶手段
3……実在欠陥抽出手段
4……実在欠陥推定知識ベース
5……欠陥種類推定手段
6……実在欠陥記憶手段
7……特徴パラメータ算出手段
8……異常判定手段
9……異常判定知識ベース
10……異常原因推定手段
11……異常原因推定知識ベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】検査対象物の外観を撮像し、該撮像して得た前記検査対象物の画像上で前記検査対象物上の欠陥を検出し、該画像上で検出した欠陥のそれぞれの位置情報を抽出し、該抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいて該それぞれの欠陥の間の距離を求め、該求めた距離を予め設定した値と比較し、該比較した結果から前記求めた距離が前記予め設定した値よりも小さいときには前記それぞれの欠陥は単一の実在欠陥が個別に検出されたものであると判定することを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】予め設定した実在欠陥の種類を推定するルールに基づいて、前記求めた実在欠陥の種類を判定することを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
【請求項3】検査対象物の外観を撮像し、該撮像して得た前記検査対象物の画像上で前記検査対象物上の欠陥を検出し、該検出した欠陥の中から実在欠陥を抽出し、該抽出した実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求め、該求めた結果に基づく前記実在欠陥に関する情報を画面上に表示することを特徴とする外観検査方法。
【請求項4】検査対象物の外観を撮像して得た該検査対象物の画像情報から該検査対象物上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した前記欠陥に関する情報を記憶する欠陥情報記憶手段と、該欠陥情報記憶手段に記憶された前記欠陥に関する情報からそれぞれの欠陥の位置情報を抽出し、該抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいて前記それぞれの欠陥が別個の実在欠陥であるか同じ実在欠陥であるかを判定する実在欠陥判定手段と、該実在欠陥判定手段によって判定された実在欠陥に関する情報を記憶する実在欠陥記憶手段とを具備することを特徴とする外観検査装置。
【請求項5】前記実在欠陥判定手段が、予め設定した実在欠陥の種類を推定するルールに基づいて前記欠陥情報記憶手段に記憶した欠陥に関する情報から実在欠陥を抽出する実在欠陥抽出部と該実在欠陥抽出部で抽出した実在欠陥の種類を推定する欠陥種類推定部とを備えていることを特徴とする請求項4記載の外観検査装置。
【請求項6】検査対象物の外観を撮像して該検査対象物の画像情報を得て該画像情報から前記検査対象物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した欠陥から前記検査対象物上に実在する欠陥を抽出する実在欠陥抽出手段と、該実在欠陥抽出手段で抽出して実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求める欠陥判定手段と、該欠陥判定手段で求めた結果に基づく前記実在する欠陥に関する情報を画面上に表示する表示手段とを具備することを特徴とする外観検査装置。
【請求項1】検査対象物の外観を撮像し、該撮像して得た前記検査対象物の画像上で前記検査対象物上の欠陥を検出し、該画像上で検出した欠陥のそれぞれの位置情報を抽出し、該抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいて該それぞれの欠陥の間の距離を求め、該求めた距離を予め設定した値と比較し、該比較した結果から前記求めた距離が前記予め設定した値よりも小さいときには前記それぞれの欠陥は単一の実在欠陥が個別に検出されたものであると判定することを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】予め設定した実在欠陥の種類を推定するルールに基づいて、前記求めた実在欠陥の種類を判定することを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
【請求項3】検査対象物の外観を撮像し、該撮像して得た前記検査対象物の画像上で前記検査対象物上の欠陥を検出し、該検出した欠陥の中から実在欠陥を抽出し、該抽出した実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求め、該求めた結果に基づく前記実在欠陥に関する情報を画面上に表示することを特徴とする外観検査方法。
【請求項4】検査対象物の外観を撮像して得た該検査対象物の画像情報から該検査対象物上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した前記欠陥に関する情報を記憶する欠陥情報記憶手段と、該欠陥情報記憶手段に記憶された前記欠陥に関する情報からそれぞれの欠陥の位置情報を抽出し、該抽出したそれぞれの欠陥の位置情報に基づいて前記それぞれの欠陥が別個の実在欠陥であるか同じ実在欠陥であるかを判定する実在欠陥判定手段と、該実在欠陥判定手段によって判定された実在欠陥に関する情報を記憶する実在欠陥記憶手段とを具備することを特徴とする外観検査装置。
【請求項5】前記実在欠陥判定手段が、予め設定した実在欠陥の種類を推定するルールに基づいて前記欠陥情報記憶手段に記憶した欠陥に関する情報から実在欠陥を抽出する実在欠陥抽出部と該実在欠陥抽出部で抽出した実在欠陥の種類を推定する欠陥種類推定部とを備えていることを特徴とする請求項4記載の外観検査装置。
【請求項6】検査対象物の外観を撮像して該検査対象物の画像情報を得て該画像情報から前記検査対象物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した欠陥から前記検査対象物上に実在する欠陥を抽出する実在欠陥抽出手段と、該実在欠陥抽出手段で抽出して実在欠陥の種類、数又は分布のうち少なくとも一つを求める欠陥判定手段と、該欠陥判定手段で求めた結果に基づく前記実在する欠陥に関する情報を画面上に表示する表示手段とを具備することを特徴とする外観検査装置。
【第1図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第8図】
【第9図】
【第7図】
【第10図】
【第11図】
【第12図】
【第13図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第8図】
【第9図】
【第7図】
【第10図】
【第11図】
【第12図】
【第13図】
【特許番号】第2986868号
【登録日】平成11年(1999)10月1日
【発行日】平成11年(1999)12月6日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−202441
【出願日】平成2年(1990)8月1日
【公開番号】特開平4−27850
【公開日】平成4年(1992)1月30日
【審査請求日】平成9年(1997)8月1日
【出願人】(999999999)株式会社日立製作所
【参考文献】
【文献】特開 昭63−215954(JP,A)
【文献】特開 昭55−20469(JP,A)
【文献】特開 昭62−200740(JP,A)
【登録日】平成11年(1999)10月1日
【発行日】平成11年(1999)12月6日
【国際特許分類】
【出願日】平成2年(1990)8月1日
【公開番号】特開平4−27850
【公開日】平成4年(1992)1月30日
【審査請求日】平成9年(1997)8月1日
【出願人】(999999999)株式会社日立製作所
【参考文献】
【文献】特開 昭63−215954(JP,A)
【文献】特開 昭55−20469(JP,A)
【文献】特開 昭62−200740(JP,A)
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