説明

外貨コインのポイントへの交換システム

【課題】海外から持ち込まれた外国コインを日本国内で使用できるポイントに変換できる自動交換システムを提供する。
【解決手段】投入された外貨コインを選別して集計する外貨コイン・ポイント交換機及び交換機とネットワークを介して接続される外貨コイン・ポイント交換センターからなり、該外貨コイン・ポイント交換センターには、上記外貨コイン・ポイント交換機からのデータを受信し、換算TBL・DBのデータを用いて、上記外貨の集計値に相当するポイント数を算出し、該算出したポイント数を顧客対応のファイルを有するポイントDBに格納すると共に、上記ポイント数データを前記外貨コイン・ポイント交換機に返送して前記新たに格納されたポイント数を顧客に提示するサーバを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国旅行等で入手した外貨コインを帰国後国内で使用できる販促ポイント等に交換するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
出張とか、観光目的で海外に渡航する人は、年々増えている。このような海外渡航者は、会話が不自由な場合紙幣を使っておつりを貰うことが多く、しかし、お釣りで貰ったコインはやはり処理方法が分からず、あまり使い道がないので大量に余って国内に持ち帰り、死蔵されることが多い。このような外貨コインが何らかの方法で国内でも使えるようになると便利である。もちろん、銀行に持ち込めば外貨預金として預金することは可能であるが、その場合外貨口座が必要であり、面倒なので多くはそのまま死蔵されることが多い。
【0003】
一方、コインは、法的には、日本国内では貨幣ではなく単なる「物品」として扱われる。
【0004】
しかし、上記のように、従来このように海外から持ち込まれた外国通貨の使い道はなく、せいぜいゴルフのグリーン上のマーカとして使われる程度でしかなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記のように、海外から持ち込まれた外国コインを日本国内で使用できる店舗等の販促ポイントや飛行機会社のマイレージ等に変換できる自動交換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の外貨コインのポイントへの交換システムは、投入された外貨コインを選別して集計する外貨コイン・ポイント交換機及び該交換機とネットワークを介して接続される外貨コイン・ポイント交換センターからなり、該外貨コイン・ポイント交換センターには、上記外貨コイン・ポイント交換機からのデータを受信し、換算TBL・DBのデータを用いて、上記外貨の集計値に相当するポイント数を算出し、該算出したポイント数を顧客対応のファイルを有するポイントDBに格納すると共に、該ポイント数データを前記外貨コイン・ポイント交換機に返送して上記格納された新たなポイント数を顧客に提示するサーバを有することを特徴とする。
【0007】
さらに、前記格納されたポイントを用いて、各種ポイント・サービスが受けられるポイント・サービス機能をさらに有することを特徴とする。
【0008】
またさらに、前記外貨コイン・ポイント交換機は、前記交換されたポイント数を2次元コードの形で印字出力する出力機構をさらに有することを特徴とする。
【0009】
またさらに、前記2次元コードの形で印字出力されたポイント出力カードには、URL、発行端末情報、及び獲得ポイント数が2次元コードとして印字され、顧客は該ポイント出力カードの2次元コードを携帯電話で読み取らせることにより、自動的に外貨コイン・ポイント交換センターに接続し、前記獲得ポイント数を顧客対応のファイルを有するポイントDBに格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来死蔵されていた海外からの用い帰り外貨コインの有効利用が図られるので、通貨流通が促進される効果がある。また、利用者にとっても、再度同じ国に旅行しない限り、ゴルフのマーカ程度しか利用価値のない外貨コインをポイントに変換することにより、各種サービスに用いることができるので、利用者の利便性も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に、本発明の外貨コインのポイントへの交換システムの全体概念図を示す。
【0013】
管理運用会社1は、顧客(利用者)2の会員登録後、後述する外貨コイン・ポイント交換機を介してプロセス4に示すように、顧客の外貨コインを運用会社1の運用するポイントに変換する。
【0014】
変換したポイントは、顧客別に顧客IDのデータベースに格納され、後日顧客2は、該DB上のポイント残高に応じて、サービス提供箇所3において各種ポイントサービス6を受けることができる。このようなサービスには、よく知られたように、商品との引き換えや商品購入時の値引き、あるいは航空会社のマイレージ・サービス等が提供される。また、管理運用会社1とサービス提供箇所(店舗や企業等)3の間には、ポイント消費に伴う各種データのやりとり5が生じるが、この仕組みは周知の技術なので、詳細は省略する。
【0015】
図2は、これらを総合した本発明の外貨コイン・ポイント交換システムのフローを説明する図である。なお、具体的なフローチャートが、図6,図7に示される。
1.まず、メンバーエントリーを行い、メンバー登録を行う。
2.端末にAP(アプリケーション・プログラム)がダウンロードされる。
【0016】
なお、カードの場合、顧客にカードが送付される。
3.利用者は、本人認証後(図6のS1〜S6)、外貨コイン・ポイント交換機に不要となった外貨コインを投入する(図6のS7)。
4.投入された外貨コインは選別され、その外貨での集計結果が管理・運用会社のサーバに送られる(図6のS8〜S9)。
5.サーバでは、後述する換算TBL・DBを用いて、該集計された外貨の総計を円に換算し、該円に換算された総額が、ポイントDBの換算レートに従ってポイント数を算出し、ポイントに変換される(図7のS11〜S13)。
6.該変換されたポイント数は、ポイントDBの顧客ファイルのポイント数を更新する(S14)と共に、取得されたポイント数を前記外貨コイン・ポイント交換機に返送され(S15)、顧客にはレセプトの形で知らされる(S18)。
7.ポイント・サービスを受ける時は、サービス提供場所で、メンバーの本人確認の後、各種サービスを受け、ポイントが決済される。
【0017】
図3に上記メンバー登録のイメージ図を示す。メンバー登録自体は、従来周知の処理なので、詳細は省略する。メンバー登録によりメンバーIDが付与され、顧客DBに該ID用のファイルが作られると共に、顧客端末10には、本発明の外貨コイン・ポイント交換サービスを受けるための専用アプリケーション・ソフトがダウンロードされる。
【0018】
図4には、外貨コインとポイント交換のさらに詳細な説明図を示す。海外から帰国した旅行者等が国内まで持ち帰った外貨コインは、空港内やホテル内等に設置されている外貨コイン−ポイント変換装置20を用いてポイントに変換される。
【0019】
その仕組みは、以下のとおりである。なお、これらは、相互に図8に示されるようなネットワークで接続される。
【0020】
まず、本人端末から本人認証を行い、顧客DB21により本人確認がなされると、上記外貨コイン25を上記外貨コイン−ポイント変換装置20に投入する。該コインは外貨コイン−ポイント変換装置20の中で選別され、投入されたコインの総額が集計されて、該集計値が管理・運用会社内のサーバに送られる。該サーバでは、その時の外貨と円の換算レートを換算TBL・DB22から読み込み、該換算レートに基づき、前記集計値を円換算する。該円換算の集計値は、ポイントに換算され、ポイントDB23に記憶されると共に外貨コイン−ポイント変換装置20に返送される。処理が完了すると、顧客対応のポイント数が更新されると共に、前記外貨コイン−ポイント変換装置20からはレセプト26が確認のため出力される。
【0021】
なお、該外貨は、金融機関に外貨として、あるいは交換後の円として預金されるようにしてもよい。また、上記外貨−円の換算レートは日々変動するので、毎日提供される日銀の為替レートにより日々更新されることが望ましい。また、前記外貨コインは、円を介さず直接ポイントに変換されてもよい。
【0022】
上記顧客端末は、主に携帯電話が用いられるが、ICカード等の前記アプリケーション・ソフトの格納できる媒体であれば、何でも使用できる。
【0023】
処理は、主に外貨コイン−ポイント変換装置20やサーバー側で行われ、基本的にASP処理となっている。
【0024】
処理される外貨は、世界中の外貨を扱うことはコイン選別器の性能やコストを考えると現実的ではない。当面は、国別に対応し、将来はできれば主要数カ国を同じ外貨コイン−ポイント変換装置20で処理できることが望ましい。
【0025】
図5には、上記取得されたポイントの利用方法が説明される。ポイントの利用システムは、従来周知であり、詳細な説明は省略する。
(他の実施例)
前記第1の実施例においては、携帯電話機またはICカード等により、本人識別を行って、事前に登録されている顧客本人のポイントDBにポイントを加算する方式となっているが、他の実施例においては、外貨コイン−ポイント変換装置20でのポイント変換を上記端末やカード無しで可能となる方式を提案する。
【0026】
この実施例においては、外貨コインを投入すると、外貨コイン−ポイント変換装置20からは、上記投入した外貨コインに相当するポイント数をURLや顧客IDと共に2次元コード(QRコード)で印字したカードが出てくる。なお、2次元コードは、2次元バーコード等でもよい。
【0027】
図9には、この実施例の説明図を示す。図9において、外貨コインを投入すると、外貨コイン−ポイント変換装置50からは、上記投入した外貨コインに相当するポイント数をQRコード51で印字したカードが出てくる。QRコード51には、サイトアドレス、上記カードの発行端末番号、発行日時、ポイント数等の情報が入っている。なお、上記カード発行時には、上記カードの発行端末番号、発行日時、ポイント数等の情報が発行履歴データとして、図4のポイントDB等に記録される。
【0028】
利用者は、該カードに印刷されたQRコード51を携帯電話等で読み取ると、サイトア
ドレス(URL)が表示され、該URLをクリックしサイトに接続すると、ポイント管理サーバ53において、上記QRコード51に埋め込まれたポイント数を該利用者の携帯電話番号に対応した顧客DBのファイルにおけるポイント数に加算する(図9の52)。
【0029】
なお、このQRコードで印字したカードは、発行時に暗号化され、上記カード情報を上記サーバが受信した時解読されるので、偽物のカードは排除される。
【0030】
このように、利用者が該カードに印刷されたQRコードを携帯電話等で読み取ると、QRコードに埋め込まれた前記管理センターのサイトに接続し、前記QRカード用のファイルにアクセスし、該QRカード用のファイルと照合すると共に、該QRコードに埋め込まれたポイント数を該利用者の携帯電話番号に対応した顧客DBのポイント数に加算する。なお、上記照合が完了した段階で、QRカード用のファイルの該当する履歴管理データは処理済みとされ、消し込みが行われる。該消し込みにより、同じカードやカード・コピーによる二重登録が排除される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の外貨コインのポイントへの交換システム全体の概念図である。
【図2】本発明の外貨コインのポイントへの交換システムのさらに詳細なフローを示す図である。
【図3】メンバー登録の説明図である。
【図4】本発明の外貨コインのポイントへの交換の説明図である。
【図5】本発明のポイントを消費するときの説明図である。
【図6】本発明の外貨コイン・ポイント交換システムのフローチャートである。
【図7】図6に続く本発明の外貨コイン・ポイント交換システムのフローチャートである。
【図8】本発明の外貨コインのポイントへの交換システムのネットワークを示す図である。
【図9】本発明の外貨コインのポイントへの交換システムの他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 管理・運用会社
2 顧客
3 サービス提供場所
10 端末
11 顧客DB
12 AP・DB
20 外貨コインのポイントへの交換機
21 顧客DB
22 換算TBL
23 ポイントDB
51 QRコード
53 ポイント管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された外貨コインを選別して集計する外貨コイン・ポイント交換機及び該交換機とネットワークを介して接続される外貨コイン・ポイント交換センターからなり、該外貨コイン・ポイント交換センターには、上記外貨コイン・ポイント交換機からのデータを受信し、換算TBL・DBのデータを用いて、上記外貨の集計値に相当するポイント数を算出し、該算出したポイント数を顧客対応のファイルを有するポイントDBに格納すると共に、該ポイント数データを前記外貨コイン・ポイント交換機に返送して上記格納された新たなポイント数を顧客に提示するサーバを有することを特徴とする外貨コインのポイントへの交換システム。
【請求項2】
前記格納されたポイントを用いて、各種ポイント・サービスが受けられるポイント・サービス機能をさらに有することを特徴とする前記請求項1記載の外貨コインのポイントへの交換システム。
【請求項3】
前記外貨コイン・ポイント交換機は、前記交換されたポイント数を2次元コードの形で印字出力する出力機構をさらに有することを特徴とする前記請求項1、または2記載の外貨コインのポイントへの交換システム。
【請求項4】
前記2次元コードの形で印字出力されたポイント出力カードには、URL、発行端末情報、及び獲得ポイント数が2次元コードとして印字され、顧客は該ポイント出力カードの2次元コードを携帯電話で読み取らせることにより、自動的に外貨コイン・ポイント交換センターに接続し、前記獲得ポイント数を顧客対応のファイルを有するポイントDBに格納することを特徴とする前記請求項3記載の外貨コインのポイントへの交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−146304(P2010−146304A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323009(P2008−323009)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(508373062)
【Fターム(参考)】