説明

多孔質体

【課題】多孔質体を構成する棒状粒子の形状や寸法の制御を可能として、ガス透過能の高い多孔質体を提供する。
【解決手段】本発明の多孔質体は、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる多孔質体であって、棒状粒子と細孔とを有し、前記棒状粒子の長さが前記棒状粒子の幅の2倍以上30倍以下であり、細孔容積がピーク値をとるときの細孔直径が0.1μm以上5μm以下となるように形成されている。この多孔質体はシュウ酸塩前駆体法によって形成され、棒状粒子の形状は、シュウ酸塩前駆体が形成される際のシュウ酸濃度と、シュウ酸の調製温度のいずれか一方または両方を制御することによって決定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを効果的に透過する機能を有する多孔質体に関する。
【背景技術】
【0002】
空気のような酸素含有混合ガスから酸素成分のみを選択的に分離する物質として、混合伝導性酸化物が広く知られており、この混合伝導性酸化物としてペロブスカイト型酸化物がよく用いられている。混合伝導性酸化物は、電子または正孔を伝導すると同時に、酸素イオンも伝導する機能を有しており、この機能によって選択的酸素透過性を実現している。この選択的酸素透過性の緻密な混合伝導性酸化物層を多孔質セラミック支持体上に積層した構造は、飛躍的な酸素透過能の向上が期待されており、多孔質体の性能の向上が求められている。
【0003】
このような多孔質体を例えば酸素分離膜用の支持体として使用するためには、支持体と緻密膜との熱膨張係数が近いこと、支持体内に細孔直径が1μm程度の均一な細孔が存在すること、および十分なガス透過性を有することが必要となる。
この技術に関して、酸素透過膜と支持体との間の反応によって酸素透過特性を損なうことがなく、かつ酸素透過膜と支持体との間の熱膨張率差に起因する酸素透過膜の亀裂や剥離が生じないようにした酸素分離装置が、特許文献1において開示されている。
【0004】
また、電気泳動法により多孔質支持体の孔部、または、孔部およびその周辺、または、孔部および表面に酸素透過性材料を堆積させ、加熱処理により薄膜を形成することにより、高い酸素分離能を有する酸素透過体が特許文献2において開示され、特許文献3にはペロブスカイト結晶構造のBサイトの組成を考慮することにより、酸素透過特性に優れた磁器組成物が開示されている。
また、特許文献4には、酸素含有ガスおよび炭化水素を原料として合成ガスを製造する膜式反応器に用いられる、安定的に高酸素透過速度が得られる触媒化されたセラミックス複合材料が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−210952号公報
【特許文献2】特開2004−16971号公報
【特許文献3】特開2003−137641号公報
【特許文献4】特開2003−225567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような目的で使用される多孔質体はいずれも、ガス透過率が高いことが要求される。多孔質体は粒子間に細孔が形成されることによってガス透過性能が確保される。
従来の多孔質体作製では有機物を混合して細孔を得る。しかし、有機物の混合法、熱処理条件など作製法が複雑であり、ガス透過性も乏しくその制御も難しい。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、多孔質体を構成する棒状粒子の形状や寸法の制御により多孔性の制御を可能として、ガス透過能の高い多孔質体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明は、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる多孔質体であって、棒状粒子と細孔とを有し、前記棒状粒子の長さが前記棒状粒子の幅の2倍以上30倍以下であり、細孔分布において細孔容積がピーク値をとるときの細孔直径が0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする多孔質体である。
【0009】
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物とは、化学式がABO3で表される金属酸化物であり、Aは酸素で12配位される金属成分、Bは酸素で6配位される金属成分である。棒状粒子の幅とは、棒状粒子を平面視したときの短い方の辺をいい、棒状粒子の長さとは、長い方の辺をいう。
【0010】
棒状粒子の長さが棒状粒子の幅の2倍以上30倍以下であり、細孔の直径分布ピーク値が0.1μm以上5μm以下であるように多孔質体が形成されることによって、多孔質体のガス透過率が向上する。棒状粒子の長さが棒状粒子の幅の2倍未満であると、粒子の形状が球に近いものとなり焼結が進みやすく多孔性が低下してしまい好ましくなく、30倍を超えるとその形状の維持が困難となって好ましくない。また、細孔容積がピーク値をとるときの細孔直径が0.1μm未満であると、ガス透過性が大幅に低下するため好ましくなく、5μmを超えると細孔量が過剰となり多孔体の機械的強度の低下につながるため好ましくない。
【0011】
このような多孔質体は、金属酸化物の化学式をABO3と表現したときに、AサイトがLa,Y,Yb,Ca,Sr,Baのいずれか一つまたはその組み合わせであり,BサイトがCo,Fe,Mn,Ni,Cuのいずれか一つまたはその組み合わせであることによって実現できる。
この組み合わせの例として、La1-xSrxCo1-yMny3,La1-xSrxCo1-yFey3,La1-xSrxCo1-yNiy3,La1-xSrxCo1-yCuy3,La1-xCaxCo1-yFey3,La1-xCaxCo1-yMny3,La1-xCaxCo1-yNiy3,La1-xCaxCo1-yCuy3,La1-xBaxCo1-yMny3,La1-xBaxCo1-yFey3,La1-xBaxCo1-yNiy3,La1-xBaxCo1-yCuy3,Y0.05Ba0.95Co0.7Fe0.33,Yb0.05Ba0.95Co0.7Fe0.33等がある。
【0012】
また好ましくは、多孔質体は、前記金属酸化物を構成する各種金属の硝酸塩を出発原料として形成されることによって、棒状粒子の幅と長さの比と、細孔の直径分布ピーク値を上記の範囲とすることが容易となる。
また、前記棒状粒子の形状は、シュウ酸塩前駆体が形成される際のシュウ酸濃度と、シュウ酸の調製温度のいずれか一方または両方を制御することによって決定することができる。
【0013】
上記の多孔質体は、酸素分離膜を支持する支持体として用いることができる。この多孔質体はガス透過率に優れるため、酸素分離膜を支持する支持体として用いることによって、酸素透過能の向上を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、多孔質体を構成する棒状粒子の形状や寸法の制御が可能となり、ガス透過能の高い多孔質体を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をその実施形態に基づいて説明する。
まず、本発明の実施形態に係る多孔質体の製造過程について説明する。
この製造過程は、シュウ酸塩前駆体法による多孔質体の製造過程であり、恒温槽内で所定の温度に保持したシュウ酸水溶液に、La,Sr,Coの各種金属硝酸塩(場合によっては酢酸塩)の水溶液を滴下し、1時間攪拌した後24時間放置して得られた沈殿を吸引濾過し、温度120℃で2時間乾燥してシュウ酸塩前駆体を得る。このシュウ酸塩前駆体を合成空気中において400℃で2時間仮焼し、得られた粉末を粉砕後、一軸加圧成型を用いて200Kgfで直径2cmの試料ディスクを形成した。この試料ディスクを1200℃で5時間焼結して多孔質体を得た。
【0016】
本実施形態においては、多孔質体の製造過程におけるシュウ酸塩前駆体の作製に際して、シュウ酸濃度、シュウ酸の調製温度、出発原料を変化させ、あるいは、試料ディスクの焼結温度を変化させて多孔質体を形成した。この多孔質体について、作製条件の変化に伴う細孔分布を図1から図4に示す。また、多孔質体の構造を撮影したSEM写真を図5から図12に示す。また、図13に、多孔質体のガス透過率の測定装置を示す。また、表1、表2に、仕込み組成比、出発原料、シュウ酸濃度、調製温度、焼結温度を変化させたときの、全細孔量、細孔直径分布のピーク位置、ガス透過率の測定値を示す。
【0017】
【表1】

【0018】
【表2】

【0019】
調製した試料の結晶構造の同定は、(株)理学電気製の粉末X線回折装置(RINT)を用いて行い、X線源はCuのKα線を用い、Niフィルタを用いて測定した。また、作製した試料粉末、ディスク表面と断面の観察は、JEOL製の電界放射走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて行った。
【0020】
多孔質体の多孔性を評価するために、図13に示す測定装置を用いてガス透過率を測定した。この真鍮製の装置内にOリングをセットし、このOリングにアピエゾンH(グリース)を塗り、試料をOリングではさんで一定圧力の窒素をN2ボンベから流し、試料を通過する窒素量を石鹸膜流量計によって測定した。多孔質体を透過した窒素量V(ml)は以下の式(1)で表される。
【0021】
V=K・A・ΔP・t/L ・・・・・・式(1)
ここで、Kはガス透過率(ml・cm・cm-2・s・atm-1)、Aは試料断面積(cm2)、ΔPは圧力差(atm)、tは時間(s)、Lは試料の厚さ(cm)である。この式を
K=V・L/A・ΔP・t ・・・・・・式(2)
と展開し、圧力差ΔPを一定に保ったときのガス透過速度の定常値を石鹸膜流量計により測定し、ガス透過率を決定した。
【0022】
細孔直径分布、全細孔量の評価は、水銀圧入測定によって行った。多孔質体の細孔分布は、BET法を用いても測定できるが、今回作製した試料は数μmの孔が存在しているため、最大25μmの孔までしか測定できないBET法を用いずに、水銀圧入測定装置を用いることとした。
【0023】
用いた装置は、(株)島津製作所製のポアサイズ9320であり、測定可能範囲は低圧側で360〜6μmの細孔直径を測定可能であり、高圧側で6μm〜6nmの範囲で測定可能である。細孔直径分布の測定は、水銀の表面張力を利用しており、半径rの円筒形の細孔に外圧Pを加えた際に水銀の液面が押し上げられるときの釣り合いは次式(3)で表すことができる。
【0024】
−2πrγcosθ=πr2P ・・・・・・式(3)
ここで、γは水銀の表面張力である。この式を変形すると、式(4)
−2γcosθ/P=r ・・・・・・式(4)
を得る。ここで、細孔の直径をD=2rとすると、孔径と圧力の関係は
D=−4γcosθ/P ・・・・・・式(5)
となり、得られた式に水銀の表面張力の数値と、接触角θ=130°を代入して計算すると、
D=180/P (μm) ・・・・・・式(6)
が得られ、この式から圧力と細孔の関係を算出することができる。ここでは、自動測定データ処理装置によって処理されたデータに基づいて細孔分布表を作成した。
【0025】
作製した多孔質体におけるLa、Sr、Coそれぞれの組成比を調べるために、蛍光X線による定量分布を行った。使用した装置は、(株)理学電気製のZSX−miniである。検量線の作製には標準添加法を用い、La、Sr、Coの各種酸化物をBaCO3を用いて2倍に希釈して作製した標準試料を用いた。また、ろ液を蒸発乾固させて得られた粉末の定性分析を行った結果、Laはほとんど検出されなかった。このことから、Laは完全に沈殿しているものとして計算を行った。
【0026】
図1は、仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度変化させて作製された多孔質体の細孔分布を示す。このときの調製温度は40℃であり、焼結温度は1200℃である。この条件で作製された多孔質体のうち、シュウ酸濃度が0.9Mのときの多孔質体のSEM写真を図5に示し、シュウ酸濃度が1.5Mのときの多孔質体のSEM写真を図6に示す。いずれも、(a)が表面、(b)が断面の写真である。
【0027】
図5、図6に示すように、多孔質体は細長い棒状粒子によって構成されており、この棒状粒子の間に多数の細孔が観察された。シュウ酸濃度を上昇させると、棒状粒子の平均粒子幅が増大した。棒状粒子の平均粒子幅の増大に伴って、細孔直径は約2μmから最大で4μm程度まで増大した。
【0028】
図2は、仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、調製温度を変化させて作製された多孔質体の細孔分布を示す。このときのシュウ酸濃度は0.9Mであり、焼結温度は1200℃である。この条件で作製された多孔質体のうち、調製温度が50℃のときの多孔質体のSEM写真を図7に示す。(a)が表面、(b)が断面の写真である。この条件においても、多孔質体は細長い棒状粒子によって構成されており、この棒状粒子の間に多数の細孔が観察された。調製温度を上昇させると、棒状粒子の平均粒子幅が増大した。
【0029】
図8は、シュウ酸濃度を3.0Mとし、調製温度を60℃として多孔質体を形成したときのSEM写真である。(a)が表面、(b)が断面の写真である。この条件では、直方体状の粒子が形成され、棒状粒子は観察されなかった。このことから、硝酸塩を出発原料とした場合、シュウ酸濃度の増加、調製温度の上昇は、棒状の粒子の粒子幅を増大させて、細孔直径およびガス透過率の増大をもたらすが、あまりに高い調製温度とシュウ酸濃度では棒状の粒子はみられなくなり、棒状粒子が形成されるためには、シュウ酸濃度と調製温度を制限することが必要であることがわかる。以上のことから、シュウ酸濃度を3.0M未満とし、調整温度を60℃未満とすることが好ましい。
【0030】
これらの多孔質体の結晶構造は、La0.9Sr0.1CoO3-δのXRDパターンとほぼ一致し、Co34の析出も見られた。定量分析の結果から、Sr/La=0.06/0.60、Co/La=0.89/0.60であり、ほとんどSrが沈殿しておらず、Coも若干仕込量より少ないことがわかった。
【0031】
図4は、仕込み組成比を変化させて多孔質体を作製したときの、多孔質体の細孔分布を示す。ここでの組成比は、La:Sr:Co=0.6:x:1.0(x=0.4〜3.0)である。このときのシュウ酸濃度は0.9M、調製温度は30℃、焼結温度は1200℃である。この条件で作製された多孔質体のうち、Sr=1.0のときの多孔質体のSEM写真を図9に示し、Sr=1.5のときの多孔質体のSEM写真を図10に示す。いずれも、(a)が表面、(b)が断面の写真である。
【0032】
得られた多孔質体はいずれも棒状粒子が形成されており、全細孔量が大きく、ガス透過率に優れた多孔質体であった。ただし、Srの仕込み組成比が1.2を超えるとその細孔直径が小さくなり、棒状の粒子がより丸みを帯びたものへと変化した。また、La:Sr=0.6:2.7、0.6:3.0のようにSrの比率を多くした多孔質体は、焼結後数時間でディスクが風解してしまった。これは多量に存在するSrが空気中の炭酸ガスと反応して、粒界に炭酸塩が生成したためと考えられる。従って、Srの仕込み組成比は1.2を超えないようにすることが好ましい。
【0033】
次に、出発原料として酢酸塩を用いた場合について説明する。
図3は、仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、酢酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度と調製温度を変化させて作製された多孔質体の細孔分布を示す。このときの調製温度は30℃または8.5℃であり、焼結温度は1200℃である。この条件で作製された多孔質体のうち、シュウ酸濃度が0.9Mの水溶液を100ml用いたときの多孔質体のSEM写真を図11に示す。(a)が表面、(b)が断面の写真である。
【0034】
酢酸塩を出発原料として多孔質体を作製すると、図11に示すように、細孔は存在しているものの、明確な棒状粒子の形成が観察されず、細孔直径が小さく、球状に近い粒子による多孔質体が得られた。細孔直径は約1〜2μmであり、硝酸塩を出発原料としたときよりも小さく、全細孔量、ガス透過率は硝酸塩を出発原料としたときの6割程度であった。
【0035】
これらのXRDパターンには不純物相は確認されず、ペロブスカイト相のみが確認された。定量分析の結果から、Sr/La=0.28/0.60、Co/La=0.79/0.60であり、硝酸塩を出発原料としたときよりも多くのSrが存在していることがわかる。
【0036】
図12は、濃度1.1Mのシュウ酸水溶液300mlを用いて多孔質体を作製したときのSEM写真である。(a)が表面、(b)が断面の写真である。この場合には棒状粒子が形成されており、酢酸塩を出発原料としても、シュウ酸濃度によっては棒状粒子が形成されることが確認された。
【0037】
焼結温度を変えることによっても多孔質体の構造は変化する。例えば、出発原料として硝酸塩を用い、シュウ酸濃度0.9M(100ml)、調製温度40℃で前駆体を作製し、焼結温度を変化させて多孔質体を作製すると、焼結温度が1300℃までは棒状粒子が観察されるが、1400℃では明確な棒状粒子が観察されなかった。
【0038】
表2には、Srに替えてCaを用い、La:Ca:Co=0.6:0.4:1.0として多孔質体を形成した場合についても示しており、出発原料として硝酸塩を用い、シュウ酸濃度0.9M、調製温度30℃、焼結温度1200℃で作製された多孔質体については、Srを用いたときのような細長い棒状粒子ではなく、丸みを帯びた短い棒状粒子が観察され、細孔直径は約1μmであり、細孔はより小さくなっている。細孔直径が小さくなったことに伴って、全細孔量、ガス透過率ともに、1/3程度まで減少した。
【0039】
このように、Caを用いたものはSrを用いたときと同様の形状の棒状粒子は得られないものの、これに近似する棒状粒子を得ることができ、作製条件を変えることによってSrを用いたときと同様の形状の棒状粒子を得ることは可能である。また、他のアルカリ土類金属、アルカリ金属、希土類、遷移金属を用いても、このような棒状粒子が形成される多孔質体を作製することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、酸素分離膜用の支持体や、気相反応用触媒などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度変化させて作製された多孔質体の細孔分布を示す図である。
【図2】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、調製温度を変化させて作製された多孔質体の細孔分布を示す図である。
【図3】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、酢酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度と調製温度を変化させて作製された多孔質体の細孔分布を示す図である。
【図4】仕込み組成比を変化させて多孔質体を作製したときの、多孔質体の細孔分布を示す図である。
【図5】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度が0.9M、調製温度が40℃のときの多孔質体のSEM写真である。
【図6】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度が1.5M、調製温度が40℃のときの多孔質体のSEM写真である。
【図7】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度が0.9M、調製温度が50℃のときの多孔質体のSEM写真である。
【図8】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度を3.0M、調製温度を60℃として多孔質体を形成したときのSEM写真である。
【図9】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:1.0:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度を0.9M、調製温度を30℃として多孔質体を形成したときのSEM写真である。
【図10】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:1.5:1.0とし、硝酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度を0.9M、調製温度を30℃として多孔質体を形成したときのSEM写真である。
【図11】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、酢酸塩を出発原料として、シュウ酸濃度が0.9M(100ml)、調製温度が30℃として多孔質体を形成したときのSEM写真である。
【図12】仕込み組成比を、La:Sr:Co=0.6:0.4:1.0とし、酢酸塩を出発原料として、濃度1.1Mのシュウ酸水溶液300mlを用いて多孔質体を作製したときのSEM写真である。
【図13】多孔質体のガス透過率の測定装置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる多孔質体であって、棒状粒子と細孔とを有し、前記棒状粒子の長さが前記棒状粒子の幅の2倍以上30倍以下であり、細孔分布において細孔容積がピーク値をとるときの細孔直径が0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする多孔質体。
【請求項2】
前記金属酸化物の化学式をABO3と表現したときに、AサイトがLa,Y,Yb,Ca,Sr,Baのいずれかまたはその組み合わせであり,BサイトがCo,Fe,Mn,Ni,Cuのいずれかまたはその組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の多孔質体。
【請求項3】
前記金属酸化物を構成する各種金属の硝酸塩を出発原料として形成されることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質体。
【請求項4】
前記棒状粒子の形状は、シュウ酸塩前駆体が形成される際のシュウ酸濃度と、シュウ酸の調製温度のいずれか一方または両方を制御することによって決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多孔質体。
【請求項5】
酸素分離膜を支持する支持体として用いられる請求項1から4のいずれかに記載の多孔質体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図13】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−27957(P2006−27957A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210019(P2004−210019)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【Fターム(参考)】