説明

多孔質材料の無電解めっき方法

【課題】安価かつ簡便に実施可能で、多孔質材料の内部まで欠陥の少ないめっき皮膜が形成可能な多孔質材料の無電解めっき方法を提供する。
【解決手段】多孔質材料の内部に1または複数の液剤を順次含浸させる1または複数の含浸工程を有する多孔質材料の無電解めっき方法であって、含浸工程の少なくとも1つにおいて、液剤の液流中に全体が浸された状態で多孔質材料を配置し、その内部に液剤を含浸させ、所定時間接触させる多孔質材料の無電解めっき方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質材料の無電解めっき方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物型燃料電池(SOFC)の集電体を始めとする各種燃料電池の電極材料として、高価な貴金属の代わりにステンレス鋼製のフェルト(線径φ1mm以下)を利用するニーズが存在する。しかしながら、燃料電池の運転中、集電体は高温で酸化環境または水素雰囲気にさらされるため、ステンレス鋼製とはいえ表面積の大きなフェルトは比較的短期間で劣化してしまい、電池としての性能を維持できない状態になっている。そこで、コストを低減しつつフェルトの劣化を防止するための寿命向上の方策として、めっきによるコーティングが検討されている。
【0003】
表面に金属めっきが施された金属繊維不織布として、例えば、特許文献1および2には、カーボン繊維不織布(導電性不織布)の繊維表面に電気メッキにより鉄その他の金属めっきを施し、カーボン繊維不織布(導電性不織布)を除去した中空の金属繊維からなる金属繊維不織布が開示されている。
【0004】
特許文献3には、鉄から成る金属不織布であって、繊維径30μm以下の中空形状の金属繊維で構成され、少なくともその金属繊維外表面に鉄酸化層が形成されており、且つ、前記金属繊維の酸素含有量が0.02重量%以上、0.8重量%以下であることを特徴とする金属不織布が開示されている。
【0005】
特許文献4には、金属繊維素材を三次元的に交絡させて不織布状又は綿状に集団形成した金属繊維交絡集合体材料を被処理材として、その多孔性構造を温存したまま平面的な網状に展張し、電気メッキ処理又は無電解メッキ処理を施すことにより得られる材料であって、集合体の骨格要素である個々の金属繊維素材について均一なメッキ膜を形成してなることを特徴とするメッキ金属繊維交絡集合体材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−146659号公報
【特許文献2】特開2001−32170号公報
【特許文献3】特開2001−32170号公報
【特許文献4】特開2006−299423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1および2記載の金属繊維不織布には、高価なカーボン繊維を原料とすると共に、製造工程が煩雑であるという課題が存在する。特許文献3記載の金属不織布は、表面に鉄酸化層が存在するため表面抵抗が大きく、燃料電池用の集電材として好適ではない。また、特許文献4には、メッキ金属繊維交絡集合体材料の製造に際し、集合体の骨格要素である個々の金属繊維素材について均一なメッキ膜を形成する具体的な方法に関し何ら記載がない。
【0008】
従来のめっき技術においては被めっき物をめっき液で満たされためっき浴に浸漬させてめっきを施しており、これと同様の手法をフェルト状の電極材料に施すと、フェルトの内部にはめっき液の表面張力の影響によってめっき液が進入せず、外部にはめっきができても内部には全くめっきができない状態となってしまう。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、安価かつ簡便に実施可能で、多孔質材料の内部まで欠陥の少ないめっき皮膜が形成可能な多孔質材料の無電解めっき方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記の(1)〜(5)に記載の多孔質材料の無電解めっき方法を提供することにより、上記課題を解決するものである。
(1)多孔質材料の内部に1または複数の液剤を順次含浸させる1または複数の含浸工程を有する多孔質材料の無電解めっき方法であって、前記含浸工程の少なくとも1つにおいて、前記液剤の液流中に全体が浸された状態で前記多孔質材料を配置し、その内部に該液剤を含浸させ、所定時間接触させる多孔質材料の無電解めっき方法。
(2)上流側から陽圧を印加することにより前記液流を生じさせる上記(1)記載の無電解めっき方法。
(3)下流側から負圧を印加することにより前記液流を生じさせる上記(1)または(2)記載の無電解めっき方法。
(4)前記多孔質材料が、布帛、不織布シートおよびスポンジのいずれかである上記(1)から(3)のいずれか1項記載の多孔質材料の無電解めっき方法。
(5)前記多孔質材料がステンレス鋼繊維からなる不織布シートである上記(1)から(4)のいずれか1項記載の多孔質材料の無電解めっき方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る多孔質材料の無電解めっき方法では、無電解めっき処理に用いられる液剤の液流中に全体が浸された状態で前記多孔質材料を配置することにより、多孔質材料の内部まで液剤を含浸させることができる。そのため、多孔質材料の内部まで膜厚が均一で欠陥の少ないめっき皮膜を形成できる。液剤の液流を生じさせる手段としては、上流側からの陽圧の印加および下流側からの負圧の印加を単独で、あるいは両者を組み合わせて用いることができる。これらの方法は、簡単な装置を用いて安価かつ簡便に行うことができる。
【0012】
金属触媒核の析出等の無電解めっきの前処理が必要な場合であっても、無電解めっき液と同様の方法を用いて多孔質材料の内部まで無電解めっき用前処理液を含浸させることができるため、より均一で欠陥の少ないめっき皮膜を形成できる。さらに、本発明に係る多孔質材料の無電解めっき方法では、液剤の液流を利用することにより、静止した液剤に浸漬しただけでは表面張力の影響により多孔質材料の内部に浸透しにくい液剤を多孔質材料の内部に含浸させている。そのため、加圧および/または減圧条件を制御することにより、めっき処理液およびめっき処理用前処理液と多孔質材料との接触時間を容易に制御できるため、無電解めっきの条件の最適化が容易にできる。本発明に係る多孔質材料の無電解めっき方法は、任意の材質からなる、布帛、不織布シートおよびスポンジ等の多様な多孔質材料に適用できる汎用性の高い方法である。特に、ステンレス鋼繊維からなる不織布シートに本発明に係る多孔質材料の無電解めっき方法を適用した場合、SOFC等の集電体として好適な複合材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る多孔質材料の無電解めっき方法の実施に用いられる無電解めっき装置の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第一の実施の形態に係る多孔質材料の無電解めっき方法(以下、「無電解めっき方法」と略称する場合がある。)は、多孔質材料の内部に1または複数の液剤を順次含浸させる1または複数の含浸工程を有しており、含浸工程の少なくとも1つにおいて、液剤の液流中に全体が浸された状態で前記多孔質材料を配置し、その内部に液剤を含浸させ、所定時間多孔質材料に接触させる。
【0015】
無電解めっき方法の実施に用いられる無電解めっき装置の一例(以下、「無電解めっき装置10」と略称する。)を図1に示す。無電解めっき装置10は、内側に多孔質材料Pを水平に保持可能であり、かつ無電解ニッケルめっき液L(液剤の一例)を貯留可能なヌッチェ11(液剤貯留槽の一例)と、ヌッチェ11の下方にヌッチェと連通するように設置され、ヌッチェ11を通過した無電解ニッケルめっき液の廃液を貯留可能な吸引ビン12(廃液貯留槽の一例)と、ヌッチェ11に無電解ニッケルめっき液Lを供給するためのノズル13(供給手段の一例)と、バルブ17を介して吸引ビン12と連通し、吸引ビン12の内部を減圧することにより多孔質材料Pの下面側から無電解ニッケルめっき液Lを吸引するためのポンプ16とを有している。ヌッチェ11の内側の目皿14(多孔質材料保持手段の一例)は、多孔質材料Pを水平に保持すると共に、無電解ニッケルめっき液Lを下方に向かって通過させることができる。
【0016】
ヌッチェ11の内部の目皿14の上に多孔質材料Pを載せ、その上からノズル13を介して無電解ニッケルめっき液Lを供給するのであるが、大気圧下では、多孔質材料Pが抵抗となり無電解ニッケルめっき液Lが多孔質材料Pを通過するまでに数時間程度の時間がかかる。そこで、バルブ17を開放した状態でポンプ16を作動させ、無電解ニッケルめっき液Lの下流側になる吸引ビン12の内側を減圧し、負圧を印加することによって、多孔質材料Pの上面側と下面側との間の圧力差による液流を生じさせ、無電解ニッケルめっき液Lを迅速かつ確実に、その内部に浸された状態で配置された多孔質材料Pの内部まで含浸させることができ、その内部に均一な厚みで欠陥の少ないニッケルめっき皮膜を形成することができる。ニッケルめっきの析出皮膜の厚さは、多孔質材料Pと無電解ニッケルめっき液Lとが接触している時間に比例するため、所望の厚さになるまで繰り返し無電解ニッケルめっき液Lを通過させてもよいが、多孔質材料Pの内部まで無電解ニッケルめっき液Lを含浸させた後、バルブ17を閉じて多孔質材料Pの下面側からの吸引を所定時間停止し、その間、多孔質材料Pと無電解ニッケルめっき液Lとを接触させ続けてもよい。
【0017】
用いることができる多孔質材料Pの具体例としては、布帛、不織布シートおよびスポンジ等が挙げられる。また、その材質の具体例としては、樹脂、ガラス、金属、カーボン等が挙げられる。多孔質材料Pの大きさはついて特に制限はなく、形状についても、球状、塊状、シート状、ブロック状等の任意の形状のものを用いることができる。なお、材質によっては、金属触媒核やめっき皮膜のつきまわり性を改善するために、酸化剤等によるエッチング処理を前処理として実施してもよい。
【0018】
無電解ニッケルめっき液Lの組成についても特に制限はなく、無電解ニッケルめっきに通常用いられる任意の公知のめっき液を、多孔質材料の材質等に応じて適宜選択して用いることができる。
【0019】
なお無電解めっきにおいてはめっき液以外にも感受性化液等の前処理用の薬液に被めっき物を曝す工程が必要な場合があり、それらの前処理工程についても、無電解めっき装置10において液剤を無電解ニッケルめっき液Lから無電解ニッケルめっき用前処理液に交換して実施することができる。無電解ニッケルめっき用前処理液(以下、「前処理液」)の具体例としては、触媒液、アクセラレータ液、界面活性剤水溶液等が挙げられる。これらの前処理液の組成についても特に制限はなく、任意の公知のものを用いることができる。前処理および無電解めっき処理は、単一の無電解めっき装置10を用いて、順次液剤を交換することによって行ってもよいが、各液剤毎に専用の無電解めっき装置10を用意してもよい。なお、複数の液剤を順次含浸させる複数の含浸工程を有する場合、任意の1または複数の含浸工程において無電解めっき装置10を用いた含浸処理を行うことができ、全ての含浸工程において無電解めっき装置10を用いた含浸処理を行う必要は必ずしもない。
【0020】
多孔質材料として、10mm以上の厚みを有する金属フェルトを用いる場合、その内部まで効果的に無電解ニッケルめっきを施すためには、無電解ニッケルめっき処理液(および無電解ニッケルめっき用前処理液)が滞ることなくフェルト内部を通過してイオン交換を促進し、めっき被膜が析出できることが重要になる。上記の金属フェルトを用いる場合、被めっき物である金属フェルトを通過するめっき液等の断面平均流速が8mm/s以上の速度になるよう、ポンプ16の吸引力を設定する必要がある。無電解ニッケルめっきの前処理工程において用いられる、触媒液、アクセラレータ液等の無電解ニッケルめっき用前処理液が、化学的活性を効果的に得るために60℃以下の温度で出来るかぎり高い液温に管理されることが必要である。そのため、無電解めっき装置10は、図示しない加熱手段および温度調節手段を備えていてもよい。
【0021】
さらに、これらの液剤に接触させる時間はめっき皮膜の析出厚さや均一性等に影響を及ぼす。例えば、固体酸化物型燃料電池の電極材料(集電材)として用いられるステンレス鋼製の金属フェルトに無電解ニッケルめっきを行う場合、触媒液、アクセラレータ液、および無電解ニッケルめっき液に対する接触時間を、それぞれ、3分間、1分間、5分間程度にすると、接触抵抗値が低く、耐久性に優れた良好なニッケルめっきフェルトが得られる。これらの液剤に対する接触時間は、前述のように、バルブ17の開閉により容易に制御可能である。
【0022】
なお、本実施の形態では、一例として無電解ニッケルめっきの場合について説明しているが、他の金属を含む無電解めっき液を用いることができることは勿論である。
【0023】
また、本実施の形態では、図1に示すように、多孔質材料の下面側から負圧を印加する減圧手段のみを備えた無電解めっき装置について説明したが、ヌッチェのように上方に向かって開放した容器の代わりに、密閉可能で、加圧ポンプを介して陽圧を印加可能な加圧手段を有する無電解めっき装置を用いてもよい。あるいは、無電解めっき装置が上述の減圧手段および加圧手段の両者を具備していてもよい。
【0024】
また、多孔質材料を水平に保持すると共に、無電解ニッケルめっき液Lを下方に向かって通過させることができる多孔質材料保持手段としては、ガラスフィルタ等を用いることもできる。
【0025】
本実施の形態では、多孔質材料を水平に保持し、上面側と下面側との間に圧力差を生じさせる場合について説明したが、多孔質材料は垂直に保持されていてもよく、水平面に対し任意の角度を有するよう配置されていてもよい。また、任意の曲率を有するよう屈曲させた状態で多孔質材料を配置することもできる。
【実施例】
【0026】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
(1)実験操作
線形φ8μメートル、厚さ1cm程度のSUS316Lのステンレス鋼製フェルトに対して市販の触媒液(塩酸系Pd−Sn触媒溶液、ムロマチテクノス製MK−220)、アクセラレータ液(ホウフッ化水素酸系アクセラレータ液、ムロマチテクノス製MK−345)、無電解ニッケルめっき液(荏原ユージライト製NI−100)を用意し、図1に記載の装置を用いて、触媒液、アクセラレータ液、および無電解ニッケルめっき液に対するステンレス鋼製フェルトの接触時間を、1分間、3分間、5分間のいずれかとし、計27とおりの実験を行った。その際、まずバルブを開いてポンプを作動させ、フェルト下面側に印加した負圧により液剤をフェルト内部まで含浸させ、その後バルブを閉じ負圧を解除することにより液剤とフェルトとを接触させた。ステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は、四端子法により測定した。なお、無電解ニッケルめっき前のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は94mΩであった。
【0027】
(2)アクセラレータ液との接触時間が無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗に及ぼす影響
触媒液および無電解ニッケルめっき液に対する接触時間を共に3分間に固定し、アクセラレータ液に対し、1分間、3分間、5分間接触させた場合における無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は,下記の表1に示すとおりであった。
【0028】
【表1】

【0029】
上記表1に示すように、アクセラレータ液に対する接触時間が1分を超えると無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は増大する傾向があることがわかった。
【0030】
(3)無電解ニッケルめっき液との接触時間が無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗に及ぼす影響
触媒液およびアクセラレータ液に対する接触時間を、それぞれ3分間、1分間に固定し、無電解ニッケルめっき液に対し、1分間、3分間、5分間接触させた場合における無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は,下記の表2に示すとおりであった。
【0031】
【表2】

【0032】
上記表2に示すように、無電解ニッケルめっき液に対する接触時間の増大と共に無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は減少する傾向があることがわかった。
【0033】
(4)触媒液との接触時間が無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗に及ぼす影響
アクセラレータ液および無電解ニッケルめっき液に対する接触時間を、それぞれ1分間、5分間に固定し、触媒液に対し、1分間、3分間、5分間接触させた場合における無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は,下記の表3に示すとおりであった。
【0034】
【表3】

【0035】
上記表3に示すように、触媒液に対する接触時間が3分以内の範囲内では、触媒液に対する接触時間の増大と共に無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗がゆるやかに減少する傾向があるが、触媒液に対する接触時間を5分間にまで増大させると、無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗は急激に増大する傾向が観測された。
【0036】
上記(2)〜(4)の結果より、触媒液、アクセラレータ液および無電解ニッケルめっき液との接触時間を、それぞれ、3分間、1分間および5分間とした場合に、無電解ニッケルめっき後のステンレス鋼製フェルトの接触抵抗が最低となることが確認された。
【0037】
(5)高温の水素ガスとの接触による接触抵抗の変化
無電解ニッケルめっきの前後のステンレス鋼製フェルトを、それぞれ、1000℃の水素ガス雰囲気下に50時間暴露して、暴露の前後の接触抵抗の変化を検討した。無電解ニッケルめっきをしないステンレス鋼製フェルトでは、94mΩから3Ωまで接触抵抗が増加したのに対して、無電解ニッケルめっきをしたステンレス鋼製フェルトでは、接触抵抗は、10mΩから160mΩに増加するにとどまった。この結果から、無電解ニッケルめっきにより高温の水素ガスへの暴露によるステンレス鋼製フェルトの接触抵抗の増加を阻止できることが確認された。
【符号の説明】
【0038】
10 無電解めっき装置
11 ヌッチェ
12 吸引ビン
13 ノズル
14 目皿
15 ゴム栓
16 ポンプ
17 バルブ
L 無電解ニッケルめっき液
P 多孔質材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質材料の内部に1または複数の液剤を順次含浸させる1または複数の含浸工程を有する多孔質材料の無電解めっき方法であって、前記含浸工程の少なくとも1つにおいて、前記液剤の液流中に全体が浸された状態で前記多孔質材料を配置し、その内部に該液剤を含浸させ、所定時間接触させることを特徴とする多孔質材料の無電解めっき方法。
【請求項2】
上流側から陽圧を印加することにより前記液流を生じさせることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき方法。
【請求項3】
下流側から負圧を印加することにより前記液流を生じさせることを特徴とする請求項1または2記載の無電解めっき方法。
【請求項4】
前記多孔質材料が、布帛、不織布シートおよびスポンジのいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の多孔質材料の無電解めっき方法。
【請求項5】
前記多孔質材料がステンレス鋼繊維からなる不織布シートであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の多孔質材料の無電解めっき方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−62506(P2012−62506A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206185(P2010−206185)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【出願人】(398045865)室町ケミカル株式会社 (7)
【Fターム(参考)】