多室型粒子線照射施設における自動ビーム割り当てのための方法およびシステム
本発明は、複数の照射室のうちの1つに対して粒子ビームを自動的に割り当てるための方法およびシステムに関する。ビーム・ユーザの1人から要求を受信すると、システムは、そのビームが利用できるかどうかをチェックし、要求している照射室に対してビームを自動的に割り当てる。そうでない場合には、その要求は、ペンディング要求の待機リスト上のある位置に置かれ、その位置は、前記要求に結びつけられた優先順位レベル(および到着時刻)によって変わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多室型粒子線照射施設においてビームをスケジュールするための方法および付属するソフトウェアならびにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
粒子線照射、特に陽子線照射は、医療環境において広く使用されている。そのような照射を提供している施設は、サイクロトロンなどの1つのビーム源と、複数の照射室とから構成されていることが多く、各照射室には、例えば、その照射室内に位置している患者を照射するための回転式ガントリまたは固定されたビーム装置が装備されている。ビームの輸送ラインはサイクロトロンを照射室と接続する。そのようなビーム・ラインは、ビームを調整して偏向させ、ビームを照射室の1つに向かって導くための一連の磁石から構成されている。
【0003】
既存の施設において、照射室へのビームの割り当ては、マニュアルで行われている。割り当てとは、照射セッションが行われる特定のビーム・ラインの選択を意味する。ビームは、照射サイクル全体の間中ずっと割り当てられているが、この全体の時間の間中ずっとビームが実際に照射されているわけではない。
【0004】
代表的な施設が図1に示されており、それは4つの照射室TR1〜TR4を含む。照射制御室TCR1〜TCR4がすべての照射室の近くに存在している。TCRコンピュータがすべてのTCR内に配置されている。TCRは、オペレータ・インタフェースと通信装置と画面とを備え、その画面によって、TCRオペレータが、主制御室MCRと通信してその照射サイクルを実行することができ、MCRにおいては、1人のオペレータが、種々のTR内で行われている照射を監督し制御するようになっている。MCRコンピュータが、MCR内に置かれ、高速のローカル・エリア・ネットワークを通してTCRコンピュータとリンクされる。
【0005】
照射はすべてTR/TCRの1つから入ってくるビーム要求から開始される。割り当てがマニュアルで行われる既知の方法においては、そのような要求は、MCRの中のオペレータによって認知され、その後、ビームが利用できるようになった時点で関連の照射室に対してビームをマニュアルで割り当てる。
【0006】
US−A−5260581号は、複数の照射室を備える放射ビーム照射システムにおける照射室選択検証の方法を開示している。この文書は、ビーム要求信号の認証性を検証することによってセキュリティの問題に対処している。しかし、この文書は、複数のビーム要求が種々の特性および要求事項を伴って発せられたときにビームを割り当てることの問題を論じていない。
【0007】
公知のマニュアルモードは、人間の誤りのリスクを有する。また、種々の照射室の最適な使用が保証されておらず、MCRのオペレータが、所与のビーム・ラインを要求された優先順位で割り当てることの確実性もない。特に、多くの要求が互いに近接して連続したとき、誤りの危険性が増加する。互いに厚い遮蔽壁を通じて隔てられている多くのオペレータとセラピストとの間の通信は、フラストレーション、非効率性および誤りにつながる可能性がある。また、不必要な時間遅延が発生する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の方法およびシステム、ならびにこの方法を実行するためのソフトウェア・ツールに関する。
【0009】
本発明の方法によれば、MCRのオペレータは、関連のビーム・ラインの割り当てに介入しない。代わりに、ビームが利用できるとき、割り当ては自動的に行われる。ビームが利用できないとき、その要求は自動的に待機リスト内に置かれる(待ち行列に入れられる)。リスト上の要求の位置、すなわち、その要求がリストされている順序は、その要求に関連付けられた優先順位レベルによって変わる。高い優先順位の要求の場合、ビームが割り当てられた要求の優先順位レベルに応じて強制的なビームの解除を実行することができる。ビームの操作が完了すると、本発明の方法は、ビームが要求された優先順位に応じて、自動的なビームの解除を行うことができる。
【0010】
本発明は、この自動ビーム・スケジューリング方法を支配し、公知のマニュアルモードへの切換えを可能にするソフトウェアにも同様に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の方法を適用することができる照射施設を示す。
【図2】図2は、本発明の方法が実行されるフロー図を示す。
【図3】図3は、それぞれ、サービス優先順位の要求、高い優先順位の要求、および通常の優先順位の要求に対するビームの割り当ておよび使用の違いを示す。
【図4】図4は、それぞれ、サービス優先順位の要求、高い優先順位の要求、および通常の優先順位の要求に対するビームの割り当ておよび使用の違いを示す。
【図5】図5は、通常の優先順位の要求の場合におけるビームの自動解除を示す。
【図6】図6は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図7】図7は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図8】図8は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図9】図9は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図10】図10は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図11】図11は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、図1に示すような施設(照射室の数が異なる可能性がある)における粒子ビームの自動割り当てを実行するための方法およびシステムに関する。本発明の特徴的な構成は、所定の状況下におけるその割り当ての自動終了に関する。図1に示されているように、照射制御室(TCR1〜TCR4)が各照射室(TR1〜TR4)の隣に存在する。すべてのTCR/TRにおいて、ビーム・ユーザはアクティブであり、使用のためにビームを要求し、患者を照射するためにビームを使用することができる。ビーム・ユーザは、ビーム要求または他の通信情報をTCR内のインタフェース画面あるいはTR内の第2の画面から発信することができる。本発明の目的のために、2つの画面(TCR内のものと、TR内のもの)が利用できるかどうかは重要ではない。TCR内のものを有するだけで十分である。重要なことは、ビーム・ユーザが主制御室のコンピュータと通信するための少なくとも1つのインタフェース画面が与えられていることである。主制御室には、ビーム・オペレータが存在しており、自動割り当てを監督することができる。ビーム・オペレータは、インタフェース画面の前に等しく座っていて、異なるTR/TCRの中の異なるビーム・ユーザと通信することができるようになっている。好ましい実施形態によれば、この施設は、マニュアルモード、すなわち、従来技術において知られているように、照射室に対してビームをマニュアルで割り当てることもできる。本発明のソフトウェアは、ビーム・オペレータによる自動モードとマニュアルモードとの柔軟な切り換えを可能にする。しかし、本発明の方法は自動モードに関する。
【0013】
この自動モードの動作が図2のフロー図に示されている。
最初に、いくつかの定義を以下に示す。
−「システム」:これは、照射室に対するビームの割り当て、および前記照射室における患者の照射を可能にする手段の全体として定義される。本発明のシステムは、ビームを自動的に割り当てるための手段によって特徴づけられる。
−照射室が「割り当てられる」:これは、システムがビーム・ラインを選択するモーメント1から、ビームの解除2までの期間を指す(図3参照)。この割り当て期間の間、ビームは割り当てられている照射室においてのみ使用できる。本明細書でさらに説明するように、ポイント4におけるビームの解除は、特定のビーム要求の優先順位レベルにリンクされている。
−ビームが「使用される」:これはユーザがビームの調整を要求したモーメント3から、その照射の終り4までの期間を指す(これも図3参照)。ビーム使用期間内で、実際のフィールド5が発生する。
−「ビーム・オペレータ(BO)」:ビームの監督または制御(割り当て、配送、・・・)を担当するMCRオペレータ。
−「ビーム・ユーザ(BU)」:放射線療法士またはビームを使用する任意の人。ビーム・ユーザは、照射(制御)室のうちの1つ内に存在している。
【0014】
図2を見れば分かるように、本発明の方法は、TR/TCRの1つ内のビーム・ユーザのうちの1人から入ってくるビーム要求100から開始される。各要求はその要求を行っている人によって優先順位レベルが与えられている。好ましい実施形態によれば、高い優先順位、通常の優先順位およびサービスの優先順位の3つのレベルが定義される。MCRコンピュータのソフトウェアは、入力要求の優先順位レベルをチェックする(101)。
【0015】
高い優先順位は、ビームが特定の照射室に対してできるだけ迅速に割り当てられる必要がある緊急の照射に対して与えられる。高い優先順位は、例えば、麻酔がかけられている子供の照射に対して割り当てることができる。通常の優先順位は、ビームがどうしても利用できなければ迅速な割り当てを必要としない任意の標準の照射に対して与えられる。
【0016】
サービスの優先順位は最も低い優先順位レベルであり、1つの特殊ケースを表す。TR内で保守または他の技術的介入が必要とされるとき、ビーム・ユーザは、サービスの優先順位でビームを要求することができる。サービスの優先順位の要求を発信することができる前に、ビーム・ユーザは、TRを「サービス・モード」へ切り換えなければならない。「サービス・モード」は、通常の優先順位および高い優先順位の要求が行われる「照射モード」とは異なる一組のパラメータを定義している。したがって、サービスの優先順位は、通常の照射シーケンスとはやや違った方法で記述される。ビーム・オペレータによって、システム全体が「サービス・モード」に置かれる可能性もある。このシステム・サービス・モードにおいては、照射室の1つに対するビームの自動割り当てが無効とされ、したがって、本発明の方法は、このモードに対しては実際には適用されない。これらの3つの優先順位レベルに関連した特徴的構成については、本明細書で後に説明する。
【0017】
通常の優先順位での要求に対して、先ずチェック102が行われ、その要求を発行している照射室がロックアウト・モードにないかどうかが調べられる。照射室がロックアウト・モードにある場合、そのビーム要求はシステムによって拒否され(103)、ビーム・ユーザに対してメッセージが送り返される。ロックアウト・モードは、ビームを1つの(あるいはいくつかの)照射室に対して割り当てることを防止するために使用される機構である。このロックは、各TRに対して構成ファイル内で活性化または非活性化される。例えば、保守またはアップグレードの間、TRをロックアウト・モードに置くことができる。
【0018】
照射室がロックアウト・モードにない場合、MCRコンピュータのソフトウェアは、ビームが他の照射室の1つに対して既に割り当てられているかどうかをチェック(104)しなければならない。ビームが既に割り当てられていた場合、その要求はペンディングとして記録され(105)、その要求している照射室のBU、BO、および他のBUには、その新しいペンディング要求について通知され(106)、ビームはそれが利用できるようになるとすぐに割り当てられて使用される(400)。ビームが他の照射室に対して割り当てられていなかった場合、MCRコンピュータのソフトウェアは、要求している照射室に対してビームを自動的に割り当て(107)、そのBUにはこのことが通知され(108)、BOおよび他のBUにも同様に通知される。この時点でビームを使用することができる(109)。
【0019】
ビーム要求が高い優先順位である場合、システムはやはりその照射室がロックアウト・モードになっているかどうかをチェックする(200)。ロックアウト・モードにある場合、その要求は拒否される(201)。ロックアウト・モードにない場合、MCRのソフトウェアによってチェック202が実行され、ビームが他の照射室に対して既に割り当てられているかどうかが調べられる。
【0020】
ビームがまだ割り当てられていない場合、自動割り当てが行われ(203)、そのBUおよびBOにこのことが通知され(204)、その後、ビームを使用することができる(205)。ビームが既に割り当てられている場合、そのビームがその時点で割り当てられている要求の優先順位についてさらにチェックが行われる(206)。この優先順位が通常の優先順位である場合、ビームが実際に使用されているかどうか(図3のポイント3と4の間)についてさらにチェックが行われる(207)。ビームが実際に使用されていない場合、そのビームの解除がMCRコンピュータのソフトウェアによって自動的に強制され(208)、ビームがそれまで割り当てられていた要求が待機リストの中へ戻される(209)(その優先順位レベルによって定められた場所に)。BUおよびBOにはビームの解除について通知され(210)、ビームは、高い優先順位の要求を発行している照射室に対して割り当てられる(203)。ビームが使用中である場合、高い優先順位の要求はペンディングとして記録され(211)、BUおよびBOにはそのペンディング要求について通知される(212)。この場合、その要求は、他の高くない優先順位の要求のすべてに先行してペンディング要求の待機リストの中のできるだけ高い場所に置かれ、前の高い優先順位の要求が終了されてビームが利用できるようになるとすぐに処理される(401)。
【0021】
そのビームが既に割り当てられていた要求が高い優先順位を有していた場合、新しい要求は、自動的にペンディングとして記録され(213)、ペンディング要求の待機リスト内のすべてのペンディング中の高くない優先順位の要求に先行した場所を占める。すべての関係者にペンディング要求について通知される(214)。ビームが利用できるようになるとすぐに、ビームは割り当てられて使用される(402)。
【0022】
ビームが既に割り当てられていた要求の優先順位がサービスの優先順位であった場合、システムは、当該照射室からのビームの解除を要求する(215)。サービス要求の中のビームは、そのTCRの中のビーム・ユーザだけが解除することができる。何故なら、サービス要求においては、所定の次のプロセスがなく、そのビームのユーザがこの校正または実験を終了するかどうかに依存するので、いつビームが解除されるか分からないからである。TR/TCRの中のビーム・ユーザは、MCRからメッセージ、例えば、MCRのビーム解除要求を通知する音声信号を伴う可能性のあるポップアップ・ウィンドウを受信する。ビーム・ユーザがビームを解除する(216)とすぐに、ビームは高い優先順位の要求が受信された照射室に対して割り当てられる(203)。
【0023】
ビーム要求100がサービスの優先順位を有するとき、再び、ロックアウト・チェックが先ず実行され(300)、照射室がロックアウト・モードにあるとき、その要求は拒否される(103)。そうでない場合、通常の優先順位に対する手順のステップ(104,105,107)が実行される。
【0024】
本発明は、上記および図2のフロー図のステップを管理することができるソフトウェア・ツールに関連する。
【0025】
好適には、ソフトウェアは、本来本発明の方法である自動モードと、公知の方法であるマニュアルモードとを切り換えるための手段を含む。マニュアルモードにおいては、例えば、ビーム割り当て、強制されたビームの解除などの図2のスキームにおいて自動的に実行されるすべてのステップが主制御室の中のビーム・オペレータによって指令される。もちろん、すべての時点においてBOによる介入を可能にするために、2つのモードを切り換えることができるシステムがあることが望ましい。しかし、自動モードにおいては、システムはより効率的に動作し、待ち時間が減少し、誤りの危険性が最小限度に抑えられる。
【0026】
図2において、要求がペンディングとして記録されるとき(105,211,213)は常に、その要求は、ペンディング要求の待機リストに追加される。常に、高い優先順位の要求がそのリストのトップにあり、その次に通常の優先順位の要求およびサービスの優先順位の要求が続く。システムは、実際には3つの優先順位レベルのそれぞれについて別々のリストを作ることもできる。保持されなければならない新しい要求のすべてが、適当なリストの最後に入る。高い優先順位の要求は、常に、それ以前にペンディングになっている高い優先順位の要求の前ではないが、他のいかなる通常の優先順位またはサービスの優先順位の要求よりも前に受け入れられる。通常の優先順位の要求は高い優先順位のリストが空である場合にのみ受け入れられ、一方、サービス要求は、高い優先順位および通常の優先順位の待機リストが両方とも空である場合に受け入れられる。
【0027】
図2のフリー図に示されている方法は、入力要求が処理される方法に関連する。要求が待機リスト上に置かれると、方法のこの部分が終了する。しかし、この方法は、リスト上で、ある程度の時間を費やした要求の自動割り当てにも関連する。この自動割り当ては、前記リスト内でより高い優先順位レベルの要求がない場合、あるいは同じ優先順位レベルではあるがそれより前に受信されていた要求が前記リスト内にない場合に、本発明のシステムによって行われる。言い換えれば、通常の優先順位の要求が「通常の優先順位」リストのトップに来て、高い優先順位がペンディングになっていない場合に、ビームが利用できるようになるとすぐにその通常の優先順位の要求が受け入れられ、要求している照射室に対してビームが自動的に割り当てられる。
【0028】
好ましい実施形態によれば、ビームが1つの照射室に割り当てられた後、実際のビームの使用が、ポイント3と4の間(図3)で公知の方法に従って、ビームの調整および実際のフィールドの持続時間5を含めて行われる。
【0029】
照射後、本発明の方法は、ビームの解除によって終了する。本発明によるこのビームの解除は、元の要求の優先順位レベルによって変わる。
【0030】
図3は、サービスの優先順位でのビーム割り当てを示し、1つのフィールド5が実行される。ビームの使用期間の終り(ポイント4)において、ビームはまだその照射室に対して割り当てられたままになっている。ビーム・ユーザだけがビームの解除2を起動できる。
【0031】
図4は、2つの異なるフィールドを伴う高い優先順位の要求を示し、この場合、その構成をフィールド間で変化させる必要がある。ビーム・ユーザは、第1のビーム使用期間をポイント4において終了するが、その優先順位が高いので、システムは自動的にこの照射室に対して引き続きビームを割り当てる。ポイント3’において、第2の照射が開始され、ポイント4’において終了し、その後、ビームがポイント2において解除される(ビーム割り当て期間の終り)。これらの手順は、高い優先順位の要求の期間中は、ビーム使用期間およびビーム割り当て期間がいつ終了されるべきかを決定するのは主としてビーム・ユーザであることを示している。図4の場合、TRの構成変更が長時間かかることが予想されるときは、ビーム・ユーザが、ビームの使用期間と使用期間の間でビームを解除することができる。その場合、ビームは、2つのフィールド5の間において他の照射室に対して割り当てられてもよい。
【0032】
通常の優先順位の要求の場合、本発明のシステムは、割り当て期間をビーム使用期間の終りにおいて自動的に終了する。図5を参照されたい。これによって、ビームは、任意の通常の優先順位照射要求の終りにおいて自動的に利用できるようになる。この機能は不必要な時間の遅れを回避するために役立つ。
【0033】
自動ビーム・スケジューリング・モードの間、ビーム・オペレータは、同じ優先順位のペンディングになっている要求の順序を変更することができる。しかし、通常の優先順位の要求を、例えば、高い優先順位の要求の前に置くことはできない。また、BOは、ある種のペンディング中の要求をフラッシュする、すなわち、待機リストから削除することができる。
【0034】
図6〜図11を参照して、ビーム・オペレータのためのいくつかの可能なインタフェース画面が以下に記述される。
【0035】
図6は、割り当てられた照射室がなく、ビーム要求もない状況を示している。モードはマニュアルである。ボタン10は、BOがマニュアルモードと自動モードとを切り換えることを可能にする。複数のフラッシュ・ボタン11〜14が示されている。ボタン11は、BOがすべてのペンディング要求をフラッシュすることを可能にする。ボタン12、13、および14は、BOが、サービスの、通常のまたは高い優先順位の要求のそれぞれをフラッシュすることを可能にする。この「フラッシュ」機能は、マニュアルモードおよび自動モードの両方に存在することが好ましい。
画面の上部は、以下の2つのサブウィンドウに分割されている:
−右の部分は、割り当てられた照射室に関する情報を表示する。
−左の部分は、ペンディングになっているビーム要求に関する情報を表示する。これは、入ってくる要求がそれぞれの優先順位レベルに応じて入れられる待機リスト(キュー)である。
画面の下部は、ビームのスケジューリングに関連するすべてのイベントの履歴を示す。
【0036】
図7は、照射室3が高い優先順位でビームを要求し、照射室1が通常の優先順位でビームを要求している状況を表している。システムは、マニュアル・ビーム・スケジューリング・モードにあり、ビーム・オペレータの要求を待っている。
システムは、自動ビーム・スケジューリング・セレクションの順に情報を表示する。したがって、最初に最も高い優先順位の要求が、次に他の要求が、先入れ先出しポリシーで表示される。
【0037】
図8は、BOが照射室3の高い優先順位の要求を受け入れた状況を示す。照射室1の要求は、ペンディングとして記録される。割り当てられたビームがあるので、照射室1のビーム要求の受け入れ(アクセプト)ボタンは無効とされている。
【0038】
図9は、ビーム・オペレータがビーム・スケジューリング・モードを自動に変更する場合の状況を示す。割り当てられた要求およびペンディングになっている要求に対しては、ビーム・オペレータがビーム要求を受け入れ(アクセプト)したり、拒否(リジェクト)したり、割り当てられたビームを解除したりすることができないこと以外は何の変化もない。「フラッシュ」ボタンおよび順位のステップ・ダウン/アップ・ボタン(図示せず)は使える状態のままである(マニュアル・スケジューリング・モードと同様に)。
【0039】
図10は、照射室2が通常の優先順位を使用してビームを要求したときの状況を示す。それは、ペンディング要求の待機リスト内において既にペンディングになっている照射室1からの要求の後に置かれる。
【0040】
図11は、照射室3がビームを解除し、照射室1が自動的に割り当てられるときの状況を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多室型粒子線照射施設においてビームをスケジュールするための方法および付属するソフトウェアならびにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
粒子線照射、特に陽子線照射は、医療環境において広く使用されている。そのような照射を提供している施設は、サイクロトロンなどの1つのビーム源と、複数の照射室とから構成されていることが多く、各照射室には、例えば、その照射室内に位置している患者を照射するための回転式ガントリまたは固定されたビーム装置が装備されている。ビームの輸送ラインはサイクロトロンを照射室と接続する。そのようなビーム・ラインは、ビームを調整して偏向させ、ビームを照射室の1つに向かって導くための一連の磁石から構成されている。
【0003】
既存の施設において、照射室へのビームの割り当ては、マニュアルで行われている。割り当てとは、照射セッションが行われる特定のビーム・ラインの選択を意味する。ビームは、照射サイクル全体の間中ずっと割り当てられているが、この全体の時間の間中ずっとビームが実際に照射されているわけではない。
【0004】
代表的な施設が図1に示されており、それは4つの照射室TR1〜TR4を含む。照射制御室TCR1〜TCR4がすべての照射室の近くに存在している。TCRコンピュータがすべてのTCR内に配置されている。TCRは、オペレータ・インタフェースと通信装置と画面とを備え、その画面によって、TCRオペレータが、主制御室MCRと通信してその照射サイクルを実行することができ、MCRにおいては、1人のオペレータが、種々のTR内で行われている照射を監督し制御するようになっている。MCRコンピュータが、MCR内に置かれ、高速のローカル・エリア・ネットワークを通してTCRコンピュータとリンクされる。
【0005】
照射はすべてTR/TCRの1つから入ってくるビーム要求から開始される。割り当てがマニュアルで行われる既知の方法においては、そのような要求は、MCRの中のオペレータによって認知され、その後、ビームが利用できるようになった時点で関連の照射室に対してビームをマニュアルで割り当てる。
【0006】
US−A−5260581号は、複数の照射室を備える放射ビーム照射システムにおける照射室選択検証の方法を開示している。この文書は、ビーム要求信号の認証性を検証することによってセキュリティの問題に対処している。しかし、この文書は、複数のビーム要求が種々の特性および要求事項を伴って発せられたときにビームを割り当てることの問題を論じていない。
【0007】
公知のマニュアルモードは、人間の誤りのリスクを有する。また、種々の照射室の最適な使用が保証されておらず、MCRのオペレータが、所与のビーム・ラインを要求された優先順位で割り当てることの確実性もない。特に、多くの要求が互いに近接して連続したとき、誤りの危険性が増加する。互いに厚い遮蔽壁を通じて隔てられている多くのオペレータとセラピストとの間の通信は、フラストレーション、非効率性および誤りにつながる可能性がある。また、不必要な時間遅延が発生する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の方法およびシステム、ならびにこの方法を実行するためのソフトウェア・ツールに関する。
【0009】
本発明の方法によれば、MCRのオペレータは、関連のビーム・ラインの割り当てに介入しない。代わりに、ビームが利用できるとき、割り当ては自動的に行われる。ビームが利用できないとき、その要求は自動的に待機リスト内に置かれる(待ち行列に入れられる)。リスト上の要求の位置、すなわち、その要求がリストされている順序は、その要求に関連付けられた優先順位レベルによって変わる。高い優先順位の要求の場合、ビームが割り当てられた要求の優先順位レベルに応じて強制的なビームの解除を実行することができる。ビームの操作が完了すると、本発明の方法は、ビームが要求された優先順位に応じて、自動的なビームの解除を行うことができる。
【0010】
本発明は、この自動ビーム・スケジューリング方法を支配し、公知のマニュアルモードへの切換えを可能にするソフトウェアにも同様に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の方法を適用することができる照射施設を示す。
【図2】図2は、本発明の方法が実行されるフロー図を示す。
【図3】図3は、それぞれ、サービス優先順位の要求、高い優先順位の要求、および通常の優先順位の要求に対するビームの割り当ておよび使用の違いを示す。
【図4】図4は、それぞれ、サービス優先順位の要求、高い優先順位の要求、および通常の優先順位の要求に対するビームの割り当ておよび使用の違いを示す。
【図5】図5は、通常の優先順位の要求の場合におけるビームの自動解除を示す。
【図6】図6は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図7】図7は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図8】図8は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図9】図9は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図10】図10は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【図11】図11は、本発明の方法の可能なソフトウェア実施態様の異なる画面を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、図1に示すような施設(照射室の数が異なる可能性がある)における粒子ビームの自動割り当てを実行するための方法およびシステムに関する。本発明の特徴的な構成は、所定の状況下におけるその割り当ての自動終了に関する。図1に示されているように、照射制御室(TCR1〜TCR4)が各照射室(TR1〜TR4)の隣に存在する。すべてのTCR/TRにおいて、ビーム・ユーザはアクティブであり、使用のためにビームを要求し、患者を照射するためにビームを使用することができる。ビーム・ユーザは、ビーム要求または他の通信情報をTCR内のインタフェース画面あるいはTR内の第2の画面から発信することができる。本発明の目的のために、2つの画面(TCR内のものと、TR内のもの)が利用できるかどうかは重要ではない。TCR内のものを有するだけで十分である。重要なことは、ビーム・ユーザが主制御室のコンピュータと通信するための少なくとも1つのインタフェース画面が与えられていることである。主制御室には、ビーム・オペレータが存在しており、自動割り当てを監督することができる。ビーム・オペレータは、インタフェース画面の前に等しく座っていて、異なるTR/TCRの中の異なるビーム・ユーザと通信することができるようになっている。好ましい実施形態によれば、この施設は、マニュアルモード、すなわち、従来技術において知られているように、照射室に対してビームをマニュアルで割り当てることもできる。本発明のソフトウェアは、ビーム・オペレータによる自動モードとマニュアルモードとの柔軟な切り換えを可能にする。しかし、本発明の方法は自動モードに関する。
【0013】
この自動モードの動作が図2のフロー図に示されている。
最初に、いくつかの定義を以下に示す。
−「システム」:これは、照射室に対するビームの割り当て、および前記照射室における患者の照射を可能にする手段の全体として定義される。本発明のシステムは、ビームを自動的に割り当てるための手段によって特徴づけられる。
−照射室が「割り当てられる」:これは、システムがビーム・ラインを選択するモーメント1から、ビームの解除2までの期間を指す(図3参照)。この割り当て期間の間、ビームは割り当てられている照射室においてのみ使用できる。本明細書でさらに説明するように、ポイント4におけるビームの解除は、特定のビーム要求の優先順位レベルにリンクされている。
−ビームが「使用される」:これはユーザがビームの調整を要求したモーメント3から、その照射の終り4までの期間を指す(これも図3参照)。ビーム使用期間内で、実際のフィールド5が発生する。
−「ビーム・オペレータ(BO)」:ビームの監督または制御(割り当て、配送、・・・)を担当するMCRオペレータ。
−「ビーム・ユーザ(BU)」:放射線療法士またはビームを使用する任意の人。ビーム・ユーザは、照射(制御)室のうちの1つ内に存在している。
【0014】
図2を見れば分かるように、本発明の方法は、TR/TCRの1つ内のビーム・ユーザのうちの1人から入ってくるビーム要求100から開始される。各要求はその要求を行っている人によって優先順位レベルが与えられている。好ましい実施形態によれば、高い優先順位、通常の優先順位およびサービスの優先順位の3つのレベルが定義される。MCRコンピュータのソフトウェアは、入力要求の優先順位レベルをチェックする(101)。
【0015】
高い優先順位は、ビームが特定の照射室に対してできるだけ迅速に割り当てられる必要がある緊急の照射に対して与えられる。高い優先順位は、例えば、麻酔がかけられている子供の照射に対して割り当てることができる。通常の優先順位は、ビームがどうしても利用できなければ迅速な割り当てを必要としない任意の標準の照射に対して与えられる。
【0016】
サービスの優先順位は最も低い優先順位レベルであり、1つの特殊ケースを表す。TR内で保守または他の技術的介入が必要とされるとき、ビーム・ユーザは、サービスの優先順位でビームを要求することができる。サービスの優先順位の要求を発信することができる前に、ビーム・ユーザは、TRを「サービス・モード」へ切り換えなければならない。「サービス・モード」は、通常の優先順位および高い優先順位の要求が行われる「照射モード」とは異なる一組のパラメータを定義している。したがって、サービスの優先順位は、通常の照射シーケンスとはやや違った方法で記述される。ビーム・オペレータによって、システム全体が「サービス・モード」に置かれる可能性もある。このシステム・サービス・モードにおいては、照射室の1つに対するビームの自動割り当てが無効とされ、したがって、本発明の方法は、このモードに対しては実際には適用されない。これらの3つの優先順位レベルに関連した特徴的構成については、本明細書で後に説明する。
【0017】
通常の優先順位での要求に対して、先ずチェック102が行われ、その要求を発行している照射室がロックアウト・モードにないかどうかが調べられる。照射室がロックアウト・モードにある場合、そのビーム要求はシステムによって拒否され(103)、ビーム・ユーザに対してメッセージが送り返される。ロックアウト・モードは、ビームを1つの(あるいはいくつかの)照射室に対して割り当てることを防止するために使用される機構である。このロックは、各TRに対して構成ファイル内で活性化または非活性化される。例えば、保守またはアップグレードの間、TRをロックアウト・モードに置くことができる。
【0018】
照射室がロックアウト・モードにない場合、MCRコンピュータのソフトウェアは、ビームが他の照射室の1つに対して既に割り当てられているかどうかをチェック(104)しなければならない。ビームが既に割り当てられていた場合、その要求はペンディングとして記録され(105)、その要求している照射室のBU、BO、および他のBUには、その新しいペンディング要求について通知され(106)、ビームはそれが利用できるようになるとすぐに割り当てられて使用される(400)。ビームが他の照射室に対して割り当てられていなかった場合、MCRコンピュータのソフトウェアは、要求している照射室に対してビームを自動的に割り当て(107)、そのBUにはこのことが通知され(108)、BOおよび他のBUにも同様に通知される。この時点でビームを使用することができる(109)。
【0019】
ビーム要求が高い優先順位である場合、システムはやはりその照射室がロックアウト・モードになっているかどうかをチェックする(200)。ロックアウト・モードにある場合、その要求は拒否される(201)。ロックアウト・モードにない場合、MCRのソフトウェアによってチェック202が実行され、ビームが他の照射室に対して既に割り当てられているかどうかが調べられる。
【0020】
ビームがまだ割り当てられていない場合、自動割り当てが行われ(203)、そのBUおよびBOにこのことが通知され(204)、その後、ビームを使用することができる(205)。ビームが既に割り当てられている場合、そのビームがその時点で割り当てられている要求の優先順位についてさらにチェックが行われる(206)。この優先順位が通常の優先順位である場合、ビームが実際に使用されているかどうか(図3のポイント3と4の間)についてさらにチェックが行われる(207)。ビームが実際に使用されていない場合、そのビームの解除がMCRコンピュータのソフトウェアによって自動的に強制され(208)、ビームがそれまで割り当てられていた要求が待機リストの中へ戻される(209)(その優先順位レベルによって定められた場所に)。BUおよびBOにはビームの解除について通知され(210)、ビームは、高い優先順位の要求を発行している照射室に対して割り当てられる(203)。ビームが使用中である場合、高い優先順位の要求はペンディングとして記録され(211)、BUおよびBOにはそのペンディング要求について通知される(212)。この場合、その要求は、他の高くない優先順位の要求のすべてに先行してペンディング要求の待機リストの中のできるだけ高い場所に置かれ、前の高い優先順位の要求が終了されてビームが利用できるようになるとすぐに処理される(401)。
【0021】
そのビームが既に割り当てられていた要求が高い優先順位を有していた場合、新しい要求は、自動的にペンディングとして記録され(213)、ペンディング要求の待機リスト内のすべてのペンディング中の高くない優先順位の要求に先行した場所を占める。すべての関係者にペンディング要求について通知される(214)。ビームが利用できるようになるとすぐに、ビームは割り当てられて使用される(402)。
【0022】
ビームが既に割り当てられていた要求の優先順位がサービスの優先順位であった場合、システムは、当該照射室からのビームの解除を要求する(215)。サービス要求の中のビームは、そのTCRの中のビーム・ユーザだけが解除することができる。何故なら、サービス要求においては、所定の次のプロセスがなく、そのビームのユーザがこの校正または実験を終了するかどうかに依存するので、いつビームが解除されるか分からないからである。TR/TCRの中のビーム・ユーザは、MCRからメッセージ、例えば、MCRのビーム解除要求を通知する音声信号を伴う可能性のあるポップアップ・ウィンドウを受信する。ビーム・ユーザがビームを解除する(216)とすぐに、ビームは高い優先順位の要求が受信された照射室に対して割り当てられる(203)。
【0023】
ビーム要求100がサービスの優先順位を有するとき、再び、ロックアウト・チェックが先ず実行され(300)、照射室がロックアウト・モードにあるとき、その要求は拒否される(103)。そうでない場合、通常の優先順位に対する手順のステップ(104,105,107)が実行される。
【0024】
本発明は、上記および図2のフロー図のステップを管理することができるソフトウェア・ツールに関連する。
【0025】
好適には、ソフトウェアは、本来本発明の方法である自動モードと、公知の方法であるマニュアルモードとを切り換えるための手段を含む。マニュアルモードにおいては、例えば、ビーム割り当て、強制されたビームの解除などの図2のスキームにおいて自動的に実行されるすべてのステップが主制御室の中のビーム・オペレータによって指令される。もちろん、すべての時点においてBOによる介入を可能にするために、2つのモードを切り換えることができるシステムがあることが望ましい。しかし、自動モードにおいては、システムはより効率的に動作し、待ち時間が減少し、誤りの危険性が最小限度に抑えられる。
【0026】
図2において、要求がペンディングとして記録されるとき(105,211,213)は常に、その要求は、ペンディング要求の待機リストに追加される。常に、高い優先順位の要求がそのリストのトップにあり、その次に通常の優先順位の要求およびサービスの優先順位の要求が続く。システムは、実際には3つの優先順位レベルのそれぞれについて別々のリストを作ることもできる。保持されなければならない新しい要求のすべてが、適当なリストの最後に入る。高い優先順位の要求は、常に、それ以前にペンディングになっている高い優先順位の要求の前ではないが、他のいかなる通常の優先順位またはサービスの優先順位の要求よりも前に受け入れられる。通常の優先順位の要求は高い優先順位のリストが空である場合にのみ受け入れられ、一方、サービス要求は、高い優先順位および通常の優先順位の待機リストが両方とも空である場合に受け入れられる。
【0027】
図2のフリー図に示されている方法は、入力要求が処理される方法に関連する。要求が待機リスト上に置かれると、方法のこの部分が終了する。しかし、この方法は、リスト上で、ある程度の時間を費やした要求の自動割り当てにも関連する。この自動割り当ては、前記リスト内でより高い優先順位レベルの要求がない場合、あるいは同じ優先順位レベルではあるがそれより前に受信されていた要求が前記リスト内にない場合に、本発明のシステムによって行われる。言い換えれば、通常の優先順位の要求が「通常の優先順位」リストのトップに来て、高い優先順位がペンディングになっていない場合に、ビームが利用できるようになるとすぐにその通常の優先順位の要求が受け入れられ、要求している照射室に対してビームが自動的に割り当てられる。
【0028】
好ましい実施形態によれば、ビームが1つの照射室に割り当てられた後、実際のビームの使用が、ポイント3と4の間(図3)で公知の方法に従って、ビームの調整および実際のフィールドの持続時間5を含めて行われる。
【0029】
照射後、本発明の方法は、ビームの解除によって終了する。本発明によるこのビームの解除は、元の要求の優先順位レベルによって変わる。
【0030】
図3は、サービスの優先順位でのビーム割り当てを示し、1つのフィールド5が実行される。ビームの使用期間の終り(ポイント4)において、ビームはまだその照射室に対して割り当てられたままになっている。ビーム・ユーザだけがビームの解除2を起動できる。
【0031】
図4は、2つの異なるフィールドを伴う高い優先順位の要求を示し、この場合、その構成をフィールド間で変化させる必要がある。ビーム・ユーザは、第1のビーム使用期間をポイント4において終了するが、その優先順位が高いので、システムは自動的にこの照射室に対して引き続きビームを割り当てる。ポイント3’において、第2の照射が開始され、ポイント4’において終了し、その後、ビームがポイント2において解除される(ビーム割り当て期間の終り)。これらの手順は、高い優先順位の要求の期間中は、ビーム使用期間およびビーム割り当て期間がいつ終了されるべきかを決定するのは主としてビーム・ユーザであることを示している。図4の場合、TRの構成変更が長時間かかることが予想されるときは、ビーム・ユーザが、ビームの使用期間と使用期間の間でビームを解除することができる。その場合、ビームは、2つのフィールド5の間において他の照射室に対して割り当てられてもよい。
【0032】
通常の優先順位の要求の場合、本発明のシステムは、割り当て期間をビーム使用期間の終りにおいて自動的に終了する。図5を参照されたい。これによって、ビームは、任意の通常の優先順位照射要求の終りにおいて自動的に利用できるようになる。この機能は不必要な時間の遅れを回避するために役立つ。
【0033】
自動ビーム・スケジューリング・モードの間、ビーム・オペレータは、同じ優先順位のペンディングになっている要求の順序を変更することができる。しかし、通常の優先順位の要求を、例えば、高い優先順位の要求の前に置くことはできない。また、BOは、ある種のペンディング中の要求をフラッシュする、すなわち、待機リストから削除することができる。
【0034】
図6〜図11を参照して、ビーム・オペレータのためのいくつかの可能なインタフェース画面が以下に記述される。
【0035】
図6は、割り当てられた照射室がなく、ビーム要求もない状況を示している。モードはマニュアルである。ボタン10は、BOがマニュアルモードと自動モードとを切り換えることを可能にする。複数のフラッシュ・ボタン11〜14が示されている。ボタン11は、BOがすべてのペンディング要求をフラッシュすることを可能にする。ボタン12、13、および14は、BOが、サービスの、通常のまたは高い優先順位の要求のそれぞれをフラッシュすることを可能にする。この「フラッシュ」機能は、マニュアルモードおよび自動モードの両方に存在することが好ましい。
画面の上部は、以下の2つのサブウィンドウに分割されている:
−右の部分は、割り当てられた照射室に関する情報を表示する。
−左の部分は、ペンディングになっているビーム要求に関する情報を表示する。これは、入ってくる要求がそれぞれの優先順位レベルに応じて入れられる待機リスト(キュー)である。
画面の下部は、ビームのスケジューリングに関連するすべてのイベントの履歴を示す。
【0036】
図7は、照射室3が高い優先順位でビームを要求し、照射室1が通常の優先順位でビームを要求している状況を表している。システムは、マニュアル・ビーム・スケジューリング・モードにあり、ビーム・オペレータの要求を待っている。
システムは、自動ビーム・スケジューリング・セレクションの順に情報を表示する。したがって、最初に最も高い優先順位の要求が、次に他の要求が、先入れ先出しポリシーで表示される。
【0037】
図8は、BOが照射室3の高い優先順位の要求を受け入れた状況を示す。照射室1の要求は、ペンディングとして記録される。割り当てられたビームがあるので、照射室1のビーム要求の受け入れ(アクセプト)ボタンは無効とされている。
【0038】
図9は、ビーム・オペレータがビーム・スケジューリング・モードを自動に変更する場合の状況を示す。割り当てられた要求およびペンディングになっている要求に対しては、ビーム・オペレータがビーム要求を受け入れ(アクセプト)したり、拒否(リジェクト)したり、割り当てられたビームを解除したりすることができないこと以外は何の変化もない。「フラッシュ」ボタンおよび順位のステップ・ダウン/アップ・ボタン(図示せず)は使える状態のままである(マニュアル・スケジューリング・モードと同様に)。
【0039】
図10は、照射室2が通常の優先順位を使用してビームを要求したときの状況を示す。それは、ペンディング要求の待機リスト内において既にペンディングになっている照射室1からの要求の後に置かれる。
【0040】
図11は、照射室3がビームを解除し、照射室1が自動的に割り当てられるときの状況を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームがまだ割り当てられていないことを検出する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項2】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記ビームの解除を強制する、
−前記要求が受信された前記照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項3】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記要求を待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信されている)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項4】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記ビームを解除するように前記照射室の中のビーム・ユーザに要求する、
−前記ビームが解除されたとき、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項5】
前記ビームが割り当て期間の間中ずっと割り当てられ、前記割り当て期間内で、前記ビームが使用期間の間中ずっと照射のために使用されており、前記方法がさらに前記使用期間の終了時点で前記ビームを自動的に解除するステップを含む前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられている3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定されており、前記要求が通常の優先順位の要求である場合にのみ前記ビームを自動的に解除する前記ステップが適用される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求のステップが通常のまたはサービスの優先順位であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームがまだ割り当てられていないことを検出する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項8】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求のステップが通常のまたはサービスの優先順位であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記要求を待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信された)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項9】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていないことを検出する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項10】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルが通常の優先順位レベルであることを検出する、
−前記ビームが使用中であるかどうかをチェックする、
−前記ビームが使用中でないことを検出する、
−前記ビームの解除を強制する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項11】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルが通常の優先順位レベルであることを検出する、
−前記ビームが使用中であるかどうかをチェックする、
−前記ビームが使用中であることを検出する、
−前記要求をペンディング要求の待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信されている)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項12】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルが高い優先順位レベルであることを検出する、
−前記要求をペンディング要求の待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信されている)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項13】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルがサービスの優先順位レベルであることを検出する、
−前記ビームを解除するように前記照射室の中のビーム・ユーザに要求する、
−前記ビームが解除されたとき、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項14】
コンピュータ上で実行される場合に前記請求項の方法を実行するためのプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項15】
コンピュータ上で実行される場合に前記請求項の方法を実行するための、コンピュータ可読媒体上に格納されたプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法に従って粒子ビーム操作をスケジュールするためのシステムであって、
−メモリを有するコンピュータと、
−すべての照射制御室および/またはすべての照射室内にある少なくとも1つのインタフェース画面と、
−主制御室内にある少なくとも1つのインタフェース画面と、
−入力要求の優先順位レベルを自動的にチェックするための手段と、
−前記ビームが既に1つの照射室に対して割り当てられているかどうかを自動的にチェックするための手段と、
−前記ビームを1つの照射室に対して自動的に割り当てるための手段と、
−1つの照射室からのビームの解除を自動的に強制するための手段と、
−前記ビームを解除するようにビーム・ユーザに自動的に要求するための手段とを備える前記システム。
【請求項1】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームがまだ割り当てられていないことを検出する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項2】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記ビームの解除を強制する、
−前記要求が受信された前記照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項3】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記要求を待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信されている)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項4】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有する、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記ビームを解除するように前記照射室の中のビーム・ユーザに要求する、
−前記ビームが解除されたとき、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項5】
前記ビームが割り当て期間の間中ずっと割り当てられ、前記割り当て期間内で、前記ビームが使用期間の間中ずっと照射のために使用されており、前記方法がさらに前記使用期間の終了時点で前記ビームを自動的に解除するステップを含む前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられている3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定されており、前記要求が通常の優先順位の要求である場合にのみ前記ビームを自動的に解除する前記ステップが適用される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求のステップが通常のまたはサービスの優先順位であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームがまだ割り当てられていないことを検出する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項8】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求のステップが通常のまたはサービスの優先順位であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが既に割り当てられていることを検出する、
−前記要求を待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信された)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項9】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていないことを検出する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項10】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルが通常の優先順位レベルであることを検出する、
−前記ビームが使用中であるかどうかをチェックする、
−前記ビームが使用中でないことを検出する、
−前記ビームの解除を強制する、
−前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項11】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルが通常の優先順位レベルであることを検出する、
−前記ビームが使用中であるかどうかをチェックする、
−前記ビームが使用中であることを検出する、
−前記要求をペンディング要求の待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信されている)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項12】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルが高い優先順位レベルであることを検出する、
−前記要求をペンディング要求の待機リスト上に置く、前記要求は、前記リスト上のある位置に置かれ、前記位置は、前記優先順位レベルに依存している、
−前記リスト内により高い優先順位レベルの要求がないか、あるいは前記リスト内に前記要求に先行している(すなわち、前記要求より以前に受信されている)同じ優先順位レベルの要求がない場合、前記ビームが利用できるようになるとすぐに前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項13】
ビームを発生することができる照射源と、複数の照射室(TR1〜TR4)と、前記照射室に連結されている主制御室(MCR)とを備える施設において粒子線照射操作をスケジュールするための方法であって、前記施設には前記照射室のうちの1つに対してビームを割り当て、そこでビームを使用し、そこからビームを解除するためのシステムが装備され、前記方法が、以下のステップを含むことを特徴とする:
−照射室から前記ビームの割り当て要求を受信し、前記要求がある優先順位レベルを有し、前記優先順位レベルが、以下において昇順に与えられる3つの優先順位のグループ「サービス、通常、高い」から選定される、
−以下のステップを自動的に実行する、
−前記要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記要求が高い優先順位の要求であることを検出する、
−前記ビームが照射室に対して既に割り当てられているかどうかをチェックする、
−前記ビームが割り当てられていることを検出する、
−前記ビームが前記照射室に対して現在割り当てられている要求の優先順位レベルをチェックする、
−前記優先順位レベルがサービスの優先順位レベルであることを検出する、
−前記ビームを解除するように前記照射室の中のビーム・ユーザに要求する、
−前記ビームが解除されたとき、前記要求が受信された照射室に対して前記ビームを割り当てる。
【請求項14】
コンピュータ上で実行される場合に前記請求項の方法を実行するためのプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項15】
コンピュータ上で実行される場合に前記請求項の方法を実行するための、コンピュータ可読媒体上に格納されたプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法に従って粒子ビーム操作をスケジュールするためのシステムであって、
−メモリを有するコンピュータと、
−すべての照射制御室および/またはすべての照射室内にある少なくとも1つのインタフェース画面と、
−主制御室内にある少なくとも1つのインタフェース画面と、
−入力要求の優先順位レベルを自動的にチェックするための手段と、
−前記ビームが既に1つの照射室に対して割り当てられているかどうかを自動的にチェックするための手段と、
−前記ビームを1つの照射室に対して自動的に割り当てるための手段と、
−1つの照射室からのビームの解除を自動的に強制するための手段と、
−前記ビームを解除するようにビーム・ユーザに自動的に要求するための手段とを備える前記システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−501084(P2007−501084A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529465(P2006−529465)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/BE2004/000070
【国際公開番号】WO2004/101070
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(502017227)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/BE2004/000070
【国際公開番号】WO2004/101070
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(502017227)
【Fターム(参考)】
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