多層建築物の排水配管の改修工法
【課題】老朽化した既設の排水配管の改修施工が複数日にわたっても、住民に極力迷惑をかけることなく、効率よく改修することができる多層建築物の排水配管の改修工法を提供する。
【解決手段】既設排水配管Aの排水立て管1を、排水立て管1の最下端の既設合流排水継手2の直上で切断するとともに、通気管7を最下端の既設合流排水継手2が支持された床スラブSより下方で切断し、排水立て管1の最下端の既設合流配管継手2を特殊排水継手2aに交換し、特殊排水継手2aと脚部継手6aとを斜め上方に向かって分岐する分岐部82を有する通気管接続用継手8aを介して脚部継手6aに接続し排水立て管1と脚部継手6aとが連通された状態に戻し、排水立て管1の最下端を更新する一方、分岐部82と通気管7の残存下端とを、フレキシブル管9aを介して接続する最下端更新工程をまず実施するようにした。
【解決手段】既設排水配管Aの排水立て管1を、排水立て管1の最下端の既設合流排水継手2の直上で切断するとともに、通気管7を最下端の既設合流排水継手2が支持された床スラブSより下方で切断し、排水立て管1の最下端の既設合流配管継手2を特殊排水継手2aに交換し、特殊排水継手2aと脚部継手6aとを斜め上方に向かって分岐する分岐部82を有する通気管接続用継手8aを介して脚部継手6aに接続し排水立て管1と脚部継手6aとが連通された状態に戻し、排水立て管1の最下端を更新する一方、分岐部82と通気管7の残存下端とを、フレキシブル管9aを介して接続する最下端更新工程をまず実施するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の通気立て管方式(二管式)の多層建築物の排水配管の改修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅等の多層建築物の排水配管として、通気立て管方式(二管式)の排水配管がある(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図15に示すように、通気立て管方式の排水配管Aは、各階の排水横枝管4が合流し、床スラブSに支持された合流排水継手2と、排水管3とを上下方向に接続して形成された排水立て管1と、排水横主管5と、排水立て管1と排水横主管5とを接続する脚部継手6と、排水立て管1に沿って設けられ、排水立て管1の脚部継手6の直上部に接続された通気管7とを備えている。
すなわち、この排水配管Aは、集合住宅では多数の住民が一度に排水した場合のトラブル(トラップからの吹き出し、吸い込み等)を回避するため、排水横主管5の上方半分は通気層となるように通気管7を設けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-18710号公報
【特許文献2】特開2006-70542号公報
【特許文献2】特開2009-25282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、排水配管は、長期間使用していると、サビの発生や汚物の残渣の付着等によって配管内径が細くなって、排水能力の低下を招いたり、詰りが発生したり、配管の一部に穴開きが生じて漏水が発生することがある。
そこで、かかる問題が生じた場合、排水配管を改修する必要があるが、多層建築物、特に集合住宅の場合、住民が生活しており、住民が出かけることが多く、あまり住民に不便を感じさせない昼間の数時間しか改修工事を行うことができないが、かかる場合、多くの人員をかけて同時に多数階の改修作業を進めていく必要がある。
【0005】
他方、図15に示すように、既設の合流排水継手2は、床スラブSの貫通孔にその下端部を通したのち、モルタルMによって貫通孔との隙間が埋められているため、一般的には、合流排水継手2の周囲のモルタルMを、ハツリ機などを用いてハツラなければ、合流排水継手2を取り除くことができない。
したがって、上記のように多数階の改修作業を同時に進めていく場合、ハツリ機などの改修に用いる機器を多数用意する必要があり、コストがかかる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、老朽化した既設の排水配管の改修施工が複数日にわたっても、住民に極力迷惑をかけることなく、効率よく改修することができる多層建築物の排水配管の改修工法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかる多層建築物の排水配管の改修工法(以下、「本発明の改修工法」と記す)は、各階の排水横枝管が接続される横枝管接続部を有し、床スラブに支持された合流排水継手と、排水管とを上下方向に接続して形成された排水立て管と、排水横主管と、前記排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手と、前記排水立て管に沿って設けられ、排水立て管の前記脚部継手直上に接続された通気管とを備える多層建築物の排水配管を改修する排水配管の改修工法であって、前記排水立て管を、排水立て管の最下端の既設合流排水継手の直上で切断するとともに、前記通気管を最下端の既設合流排水継手が支持された床スラブより下方で切断し、排水立て管の最下端の既設合流配管継手を更新用合流排水継手に交換し、交換された更新用合流排水継手と脚部継手とを斜め上方に向かって分岐する分岐部を有する通気管接続用継手を介して脚部継手に接続し排水立て管と脚部継手とが連通された状態に戻し、排水立て管の最下端を更新する一方、前記通気管接続用継手の分岐部と前記通気管の残存下端を、通気管接続用継手で接続する最下端更新工程をまず実施することを特徴としている。
【0008】
本発明の改修工法は、特に限定されないが、通気管接続用継手が継手本体部と、この継手本体部から分岐する分岐部とを備え、本体部が上端に更新用合流排水継手の下端差口の差込長さを調整可能なやりとり受口を有し、最下端の既設合流排水継手の除去によって生じた床スラブの孔を介して更新用合流排水継手をその下端差口が前記脚部継手の直上階の床スラブから下方に臨むように配置するとともに、下端差口を前記やりとり受口に深く差し込んだ状態で、脚部継手の上端の芯と、通気管接続用継手の継手本体部の芯とが合うように、更新用合流排水継手を床スラブに支持させたのち、通気管接続用継手を下方に押し下げて脚部継手に通気管接続用継手の継手本体部の下端を接続するようにしても構わない。
すなわち、上記の構成とすることによって、更新用合流排水継手の上側の排水立て管の下端や下方の脚部継手の上端を邪魔にならず、更新用合流排水継手の施工を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明の改修工法は、特に限定されないが、既設合流排水継手を、内部に流下する排水を旋回流にする旋回羽根を備え、既設合流排水継手より排水能力の高い特殊排水継手に更新するようにしても構わない。
すなわち、上記の構成とすることによって、排水立て管の排水能力が向上し、1つの特殊排水継手に多数の横枝管を接続することができるようになる。
したがって、更新する排水立て管に平行して設けられた排水立て管に接続されていた横枝管も更新した特殊排水継手に接続するようにすれば、他の排水立て管が不要になる。
そして、他の排水立て管の改修が不要になり改修コストが低減できる。
また、各住戸においても衛生機器などの増設も可能になり、リフォームのバリエーションを増やすことができる。
なお、上記特殊排水継手としては、特に限定されないが、例えば、積水化学工業社製の商品名エスロンADスリムなどの市販品を用いることができる。
【0010】
さらに、本発明の改修工法は、上記のように特殊排水継手を用いる場合においては、最下端更新工程をまず実施したのち、下層階から上層階に向かって既設合流排水継手を特殊排水継手に更新施工するとともに、更新が終わった特殊排水継手と、その直上の既設合流排水継手との間の排水立て管部分に、開口端に向かって斜め上方に傾斜する分岐部を有する分岐継手を介在させるとともに、通気管を分岐させ、通気管の分岐部と前記分岐継手の分岐部とを通気管接続用継手を介して接続することが好ましい。
すなわち、特殊排水継手の施工が完了した部分においては、排水立て管の排水能力は上がるが、更新が終わっていない部分については、排水能力が元の状態のままである。
したがって、多量に排水が排水立て管に流れ込むと、更新が終わった特殊排水継手の直上階の既設合流排水継手の横枝管に接続された排水機器のトラップからの吹き出し、吸い込み等トラブルを起こすおそれがあるが、上記のようにしておけば、特殊排水継手の直上階の既設合流排水継手との間で排水立て管が、通気管に接続された状態になり、上記トラブルが起こらない。
【0011】
本発明において、通気管接続用継手としては、特に限定されないが、蛇腹管やゴム管などのフレキシブル管を用いることが好ましい。
すなわち、通気用分岐継手の分岐部と通気管との接続を容易に行うことができる。
【0012】
さらに、本発明の改修方法は、通気管接続用継手として、分岐位置が上下方向にずれた2つ以上の分岐部を有するものを用い、最下端更新工程において、この通気管接続用継手の最も上方の分岐部を通気管に接続する一方、他の分岐部を平行して設けられた他の排水立て管に接続するようにしてもよい。
すなわち、1つの通気管と複数の排水立て管とが接続されている場合があるが、上記のようにすれば、1つの排水立て管を改修するときに、他の排水立て管は使用可能となる。
しかも、通気管接続用継手の最も上方の分岐部を通気管に接続するので、他の排水立て管の排水が通気管側に流れ込むことがない。すなわち、他の排水立て管を流下してきた排水が、通気管を閉塞することがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明の改修工法は、各階の排水横枝管が接続される横枝管接続部を有し、床スラブに支持された合流排水継手と、排水管とを上下方向に接続して形成された排水立て管と、排水横主管と、前記排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手と、前記排水立て管に沿って設けられ、排水立て管の前記脚部継手直上に接続された通気管とを備える多層建築物の排水配管を改修する排水配管の改修工法であって、前記排水立て管を、排水立て管の最下端の既設合流排水継手の直上で切断するとともに、前記通気管を最下端の既設合流排水継手が支持された床スラブより下方で切断し、排水立て管の最下端の既設合流配管継手を更新用合流排水継手に交換し、交換された更新用合流排水継手と脚部継手とを斜め上方に向かって分岐する分岐部を有する通気管接続用継手を介して脚部継手に接続し排水立て管と脚部継手とが連通された状態に戻し、排水立て管の最下端を更新する一方、前記通気管接続用継手の分岐部と前記通気管の残存下端を、通気管接続用継手で接続する最下端更新工程をまず実施するようにしたので、通気管の機能を確保した状態で上階の合流排水継手を更新することができる。すなわち、更新用合流排水継手の排水立て管への組み込み及び横枝管の接続施工を完了していれば、通常とおり、排水が可能である。
【0014】
したがって、施工時間が限られ、すべての既設排水分岐継手を更新するには、複数日に跨るような場合において、住民は、施工時間以外は、住戸内の機器から排水を流すことができる。
そして、同時に多層階で工事を行う必要がないので、一度に多数のハツリ機を用意する必要がなくなり、施工コストの低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる排水配管の改修工法の第1の実施の形態の第1工程を説明する既設排水配管の概略図である。
【図2】図1の後工程を説明する図である。
【図3】図2の後工程を説明する図である。
【図4】図3の後工程を説明する図である。
【図5】図4の後工程を説明する図である。
【図6】図5の後工程を説明する図である。
【図7】図6の後工程を説明する図である。
【図8】図7の後工程を説明する図である。
【図9】図8の後工程を説明する図である。
【図10】第1の実施の形態の改修工法に用いる通気管接続用継手の1例をあらわす正面図である。
【図11】図10の通気管接続用継手の断面と、その分岐部に装着されるキャップをあらわす図である。
【図12】第1の実施の形態の改修工法に用いるやりとり継手の1例をあらわす断面図である。
【図13】本発明にかかる排水配管の改修工法の第2の実施の形態に用いられる通気管接続用継手の1例の正面図である。
【図14】図13の通気管接続用継手が改修に用いられる既設排水配管の1例を模式的にあらわす図である。
【図15】従来の通気管式排水配管の1例をあらわす図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図9は、本発明の改修工法の第1の実施の形態を工程順にあらわしている。
【0017】
この改修方法は、図1に示すような集合住宅の既設の通気立て管方式(二管式)の排水配管Aを以下のようにして改修することができる。
(1)図1に示すように、排水横主管5を既設脚部継手6の近傍のa線に沿って、通気管7を既設脚部継手6の直上階である最下階の床スラブSの下方のb線に沿って切断する。また、最下階の既設合流排水継手2の下側に接続された排水管3をc線に沿って切断する。そして、既設脚部継手6を、通気管7に接続された状態で残った排水横主管5、通気管7及び排水管3の一部とともに取り除く。
なお、a〜c線の位置は、施工現場の状況に応じて適宜変更される。
(2)図2に示すように、最下階の既設合流排水継手2に接続されている横枝管4を取り除く。
【0018】
(3)床スラブSの、最下階既設合流排水継手2の周囲を、ハツリ機(図示せず)を用いてハツって、図2に示すように、最下階の既設合流排水継手2を取り除く。なお、最下階の既設合流排水継手2を取り除くにあたっては、最下階の既設合流排水継手2に接続されている上部の排水管3を切断する、あるいは、最下階の既設合流排水継手2の受口にゴム輪接続されている場合は、下方に引き抜き、最下階の既設合流排水継手2と上部の排水管3とを切り離しておく。
なお、上記(1)の工程と、(2)の工程とは逆に行っても構わないし、(2)の工程を(1)の工程の途中で実施するようにしても構わない。
【0019】
(4)図3に示すように、排水横主管5に更新用脚部継手6aを接続する。なお、更新用脚部継手6aは、排水能力を上げるために、内部に旋回羽根を設けておくようにしても構わない。
(5)図4に示すように、必要に応じて上部の排水立て管1及び横枝管4を避けつつ更新用合流排水継手としての特殊排水継手(例えば、積水化学工業社製の商品名エスロンADスリム)2aを、その下端が床スラブSの下方に臨むように、床スラブSの上方から床スラブSに残ったハツリ孔Hに差し入れた後、図10及び図11に示す通気管接続用継手8aを図4に示すように、特殊排水継手2aの下端差口21を通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込まれた状態とする。
【0020】
すなわち、通気管接続用継手8aは、図10及び図11に示すように、本体部81と、分岐部82とを備えている。
本体部81は、やりとり受口81aと、下端差口81bとを備えている。
【0021】
やりとり受口81aは、上端部にゴム輪パッキン81cが内装されているとともに、特殊排水継手2aの下端差口21の差し込むことによって止水状態で接続される。また、やりとり受口81aは、下端差口21のやりとり受口81aへの差し込み長さが、特殊排水継手2aの上部受口22の受口長さより長くなるように、下端差口21の差し込み長さが調整可能になっている。
分岐部82は、本体部81の中間位置から上方に向かって傾斜(本体部81の管軸に対して30〜60°)して設けられているとともに、開口端縁に沿って外側に張り出すフランジ部82aを備えている。
【0022】
なお、ハツリ孔Hが大きい場合は、特殊排水継手2aの下端差口21を通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込まれた状態としたのち、通気管接続用継手8aを特殊排水継手2aの下端部とともに、床スラブSの上方から差し入れるようにしても構わない。
【0023】
(6)図5に示すように、特殊排水継手2aの下端差口21を通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込まれた状態に保ちながら、特殊排水継手2aの上部受口22に排水立て管1の下端を差し込むとともに、横枝管4を特殊排水継手2aの横枝管接続口23に差し込む。
なお、特殊排水継手2aの上部受口22及び横枝管接続口23は、図示していないが、ゴム輪パッキンが内装されていて、差し込みによって排水立て管1及び横枝管4が特殊排水継手2aに止水状態で接続される。
【0024】
(7)図6に示すように、通気管接続用継手8aを押し下げて、通気管接続用継手8aの下端差口81bを更新用脚部継手6aに接続する。
(8)図6に示すように、フレキシブル管(例えば、スネークジョイント)9aの一端を通気管接続用継手8aに外嵌させ、他端を床スラブSから突出する通気管7の残存下端に外嵌させて外嵌部の外側からフレキシブル管9aを締付けバンド91によって締付けて通気管7と通気管接続用継手8aとをフレキシブル管9aを介して接続する。
【0025】
(9)図6に示すように、ハツリ孔Hと特殊排水継手2aとの隙間にモルタルMを充填して特殊排水継手2aを床スラブSに固定する。
なお、上記(9)の工程は、すべての特殊排水継手2aに更新したのちに行うようにしても構わない。
(10)上記(8)または(9)の工程が完了すると、すなわち、最下端更新工程完了後、直上の階の床スラブSに支持された既存合流排水継手2と、その上下の排水管3とを切り離すとともに、直上の階(例えば、2階)の床スラブSをハツって直上の階の既設合流排水継手2を下の床スラブSに接続された排水立て管の一部とともに取り除く。
【0026】
(11)図7に示すように、特殊排水継手2bを、合流排水継手2を取り除いて形成されたハツリ孔Hの上方から必要に応じて上部の排水立て管1及び横枝管4を避けつつ床スラブSの下端部が床スラブSの下側に突き出るようにハツリ孔Hに差し入れる。
(12)図8に示すように、更新用の特殊排水継手2bを特殊排水継手2aの上部受口22に排水立て管1の下端を差し込むとともに、横枝管4を特殊排水継手2aの横枝管接続口23に差し込む。
【0027】
(13)図8に示すように、短管継手8bの下端を上記通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込んだ状態で、特殊排水継手2bの下端に設けられたフランジ部24と、短管継手8bの上端とをフランジ接続する。
(14)図示していないが、通気管接続用継手8aを押し下げてその下端差口91bを最下階の特殊排水継手2aの上部受口22に差し込んで、通気管接続用継手8aと特殊排水継手2aとを止水状態で接続する。
(15)図11に示すキャップ8cのキャップ本体83を、図11に鎖線で示すように、そのフランジ部84が通気管接続用継手8aの分岐部82のフランジ部82aに当接するまで差し込んで分岐部82を封鎖する。
なお、キャップ8cは、図示していないが、分岐部82に装着自在となっていて、正常に分岐部82に装着された状態でフランジ部84に設けられた位置決め突起(または位置決め凹部)が、分岐部82のフランジ部82aに設けられた位置決め凹部(または位置決め突起凹部)に嵌合するようになっていて、この嵌合によってキャップ本体83の先端面が本体部81の内周面にほぼ面一になるように形成されている。
(16)3階以上は、上記(10)〜(15)を繰り返し、上層階に向かって順に排水立て管部分及び必要に応じて横枝管部分を改修していく。
なお、(15)の工程は、上記(10)〜(14)のいずれかの工程に先立ち行うようにしても構わない。
【0028】
(17)設定された1日の作業時間内で、最上階に位置する更新された特殊排水継手2bと、その特殊排水継手2bの直上階の既設合流排水継手2との間に通気管接続用継手8aを介在させるとともに、この通気管接続用継手8aのほぼ水平方向で、通気管7の一部に図12に示すように、本体部85が通気管接続用継手8aと同じ構造をしていて、分岐部86が本体部85から斜め下方に向かって傾斜している分岐継手8dとソケット継手8eを介在させたのち、通気管接続用継手8aの分岐部82と、分岐継手8dの分岐部86とを異径のフレキシブル管9bを介して接続し、1日の施工作業を終了する。
なお、図12中、85aはやりとり受口、85bは下端差口、85cはゴム輪パッキンである。
(18)排水立て管1の最上部まで改修が完了するまで、上記(16)及び(17)の工程を繰り返す。
【0029】
この改修方法は、上記のように、まず、最下端更新工程を行った後、上方の階の既設合流排水継手2を特殊排水継手2bと取り替えて改修を行うようにしたので、改修途中の排水立て管の下端に常に通気管7が連通した状態が保たれる。
したがって、一日の施工では完了させることができず、改修工事が複数日に跨る場合においても、改修部分の特殊排水継手2bと上下の排水立て管部分及び横枝管との接続を完了させて1日の作業を完了しておけば、作業再開までの間に排水立て管に排水を流しても従来と同様に使用が可能である。
【0030】
更新用合流排水継手として、特殊排水継手2a(2b)を用いるようにしたので、上部から流下する排水が、この特殊排水継手2a(2b)の旋回羽根によって旋回流とされて排水立て管1内に安定した空気芯が形成される。
したがって、従来に比べて排水能力が上がる。その結果、横枝管接続口を複数備えた特殊排水継手2a(2b)を用いるようにすれば、1本の排水立て管でリフォーム等によって住戸内の排水機器が増設された場合に十分に対応できるようになる。
【0031】
また、やりとり受口81aを、特殊排水継手2aの下端差口21のやりとり受口81aへの差し込み長さが、特殊排水継手2aの上部受口22の受口長さより長くなるとともに、下端差口21の差し込み長さが調整可能になっているやりとり受口81aを備えた通気管接続用継手8aを用いるようにしたので、施工性がよい。
【0032】
さらに、改修が終わった部分の直上の改修が終わっていない既存合流排水継手2部分で閉塞してこの既存合流排水継手2に接続された横枝管4に繋がる排水機器のトラップからの吹き出し、吸い込み等トラブルを起こすおそれがあるが、設定された1日の作業時間内で、最上階に位置する更新された特殊排水継手2bと、その特殊排水継手2bの直上階の既設合流排水継手2との間の排水立て管部分を分岐させるとともに、この分岐部を通気管7と連通させるようにしたので、上記のようなトラブルを防止することができる。
また、やりとり可能な通気管接続用継手8aを用いて排水立て管1を分岐し、やりとり可能な分岐継手8dを用いて通気管7を分岐し、その分岐部82と分岐部86とをフレキシブル管9bで接続するようにしたので、施工性がよい。
【0033】
通気管接続用継手8aを更新された排水立て管の一部に用いるとともに、この排水立て管の一部に用いた通気管接続用継手8aを着脱自在なキャップ8cを用いて閉じるようにしたので、排水が分岐部82を介して外部に漏れ出ることを防止できるとともに、このキャップ8cを取り外せば、分岐部82が排水立て管の点検口となり、排水立て管内の洗浄するための洗浄ホースの入口としても用いることができる。
また、キャップ8cが正常に装着された状態で、キャップ本体83の先端面が本体部81の内周面に面一となるようになっているので、排水が分岐部82内に入り込まない。
【0034】
図13は、本発明の改修工法の第2の実施の形態に用いる連通管用継手をあらわし、図14は、この連通管用継手が用いられる既設の排水配管を模式的にあらわしている。
【0035】
すなわち、図13に示すように、この通気管接続用継手8fは、本体部87と、第1分岐部88と、第2分岐部89とを備えている。
本体部87は、上記連通管用継手8aの本体部81と同様の構造になっている。図13中、87aはやりとり受口、87bは下端差口、87cはゴム輪パッキンである。
【0036】
第1分岐部88と、第2分岐部89とは、本体部87からそれぞれ分岐しているとともに、第1分岐口が第2分岐部89より上側にずれて設けられていて後述するように、第2分岐部89が排水立て管1aに接続されたとき、排水立て管1aを介して第2分岐部89から本体部87内に流れ込んだ排水が、第1分岐部88内に流れ込まないようにその傾斜角度および上下方向の位置が調整されている。
一方、図14に示すように、この通気管接続用継手8fが用いられる排水配管Bは、通気管7aがその下端で2本に分岐していて、一方の分岐通気管71が脚部継手6の直上で排水立て管1に接続され、他方の分岐通気管72が既設脚部継手6の直上で他の排水立て管1aに接続されている。
すなわち、通気管7が2つの排水経路に共用されている。
【0037】
そして、この通気管接続用継手8fを用いて排水配管Bを改修するには、まず、通気管7の分岐部の直上で通気管7aを切断し、上記連通管用継手8aと同様にして、通気管接続用継手8fを用いて、排水立て管1側の排水経路の最下端更新工程を実施する。なお、通気管7とは第1分岐部88を介して接続される。
つぎに、排水立て管1aを分岐通気管72の接続位置直上で切断し、排水立て管1aを第2分岐部89に接続する。
【0038】
こののち、排水立て管1側の排水経路を上記第1の実施の形態の(10)以降の工程を実施して改修する。
また、排水立て管1a側の排水経路についても必要に応じて上記第1の実施の形態の(10)以降の工程を実施して改修する。
なお、本体部87に内壁面に第2分岐部89に排水が入り込まないような庇等を設けておけば、第2分岐部89と通気管7aとを接続し、第1分岐部88に排水立て管1aを接続するようにしても構わない。
【0039】
本発明の改修方法は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、残った既存の排水横主管に更新用脚部継手を接続するようにしていたが、建物の梁等が邪魔にならなければ、さらに排水能力を上げるために、排水横主管を口径の大きいものに交換するようにしても構わない。かかる場合、脚部継手は、排水横主管側が排水立て管側に比べ拡径するようなものを用いればよい。
上記の実施の形態では、更新用合流排水継手として特殊排水継手が用いられていたが、排水能力が十分確保できるのであれば、他の合流排水継手を用いるようにしても構わない。
【0040】
上記の実施の形態では、上階の特殊排水継手と、下階の特殊排水継手とを接続するのに通気管接続用継手を用いていたが、やりとり受口を有する分岐部のない継手を用いるようにしても構わない。
上記第2の実施の形態では、通気管接続用継手が2つの分岐部を備えていたが、3つ以上でも構わない。
【符号の説明】
【0041】
A,B 排水配管
1,1a 排水立て管
2 既設合流排水継手
2a、2b 特殊排水継手(合流排水継手)
3 排水管
4 横枝管
23 横枝管接続部
5 排水横主管
6 既設脚部継手
6a 更新用脚部継手
7,7a 通気管
8a,8f 通気管接続用継手
81 本体部
81a,87a やりとり受口
82 分岐部
88 第1分岐部
89 第2分岐部
S 床スラブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の通気立て管方式(二管式)の多層建築物の排水配管の改修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅等の多層建築物の排水配管として、通気立て管方式(二管式)の排水配管がある(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図15に示すように、通気立て管方式の排水配管Aは、各階の排水横枝管4が合流し、床スラブSに支持された合流排水継手2と、排水管3とを上下方向に接続して形成された排水立て管1と、排水横主管5と、排水立て管1と排水横主管5とを接続する脚部継手6と、排水立て管1に沿って設けられ、排水立て管1の脚部継手6の直上部に接続された通気管7とを備えている。
すなわち、この排水配管Aは、集合住宅では多数の住民が一度に排水した場合のトラブル(トラップからの吹き出し、吸い込み等)を回避するため、排水横主管5の上方半分は通気層となるように通気管7を設けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-18710号公報
【特許文献2】特開2006-70542号公報
【特許文献2】特開2009-25282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、排水配管は、長期間使用していると、サビの発生や汚物の残渣の付着等によって配管内径が細くなって、排水能力の低下を招いたり、詰りが発生したり、配管の一部に穴開きが生じて漏水が発生することがある。
そこで、かかる問題が生じた場合、排水配管を改修する必要があるが、多層建築物、特に集合住宅の場合、住民が生活しており、住民が出かけることが多く、あまり住民に不便を感じさせない昼間の数時間しか改修工事を行うことができないが、かかる場合、多くの人員をかけて同時に多数階の改修作業を進めていく必要がある。
【0005】
他方、図15に示すように、既設の合流排水継手2は、床スラブSの貫通孔にその下端部を通したのち、モルタルMによって貫通孔との隙間が埋められているため、一般的には、合流排水継手2の周囲のモルタルMを、ハツリ機などを用いてハツラなければ、合流排水継手2を取り除くことができない。
したがって、上記のように多数階の改修作業を同時に進めていく場合、ハツリ機などの改修に用いる機器を多数用意する必要があり、コストがかかる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、老朽化した既設の排水配管の改修施工が複数日にわたっても、住民に極力迷惑をかけることなく、効率よく改修することができる多層建築物の排水配管の改修工法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかる多層建築物の排水配管の改修工法(以下、「本発明の改修工法」と記す)は、各階の排水横枝管が接続される横枝管接続部を有し、床スラブに支持された合流排水継手と、排水管とを上下方向に接続して形成された排水立て管と、排水横主管と、前記排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手と、前記排水立て管に沿って設けられ、排水立て管の前記脚部継手直上に接続された通気管とを備える多層建築物の排水配管を改修する排水配管の改修工法であって、前記排水立て管を、排水立て管の最下端の既設合流排水継手の直上で切断するとともに、前記通気管を最下端の既設合流排水継手が支持された床スラブより下方で切断し、排水立て管の最下端の既設合流配管継手を更新用合流排水継手に交換し、交換された更新用合流排水継手と脚部継手とを斜め上方に向かって分岐する分岐部を有する通気管接続用継手を介して脚部継手に接続し排水立て管と脚部継手とが連通された状態に戻し、排水立て管の最下端を更新する一方、前記通気管接続用継手の分岐部と前記通気管の残存下端を、通気管接続用継手で接続する最下端更新工程をまず実施することを特徴としている。
【0008】
本発明の改修工法は、特に限定されないが、通気管接続用継手が継手本体部と、この継手本体部から分岐する分岐部とを備え、本体部が上端に更新用合流排水継手の下端差口の差込長さを調整可能なやりとり受口を有し、最下端の既設合流排水継手の除去によって生じた床スラブの孔を介して更新用合流排水継手をその下端差口が前記脚部継手の直上階の床スラブから下方に臨むように配置するとともに、下端差口を前記やりとり受口に深く差し込んだ状態で、脚部継手の上端の芯と、通気管接続用継手の継手本体部の芯とが合うように、更新用合流排水継手を床スラブに支持させたのち、通気管接続用継手を下方に押し下げて脚部継手に通気管接続用継手の継手本体部の下端を接続するようにしても構わない。
すなわち、上記の構成とすることによって、更新用合流排水継手の上側の排水立て管の下端や下方の脚部継手の上端を邪魔にならず、更新用合流排水継手の施工を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明の改修工法は、特に限定されないが、既設合流排水継手を、内部に流下する排水を旋回流にする旋回羽根を備え、既設合流排水継手より排水能力の高い特殊排水継手に更新するようにしても構わない。
すなわち、上記の構成とすることによって、排水立て管の排水能力が向上し、1つの特殊排水継手に多数の横枝管を接続することができるようになる。
したがって、更新する排水立て管に平行して設けられた排水立て管に接続されていた横枝管も更新した特殊排水継手に接続するようにすれば、他の排水立て管が不要になる。
そして、他の排水立て管の改修が不要になり改修コストが低減できる。
また、各住戸においても衛生機器などの増設も可能になり、リフォームのバリエーションを増やすことができる。
なお、上記特殊排水継手としては、特に限定されないが、例えば、積水化学工業社製の商品名エスロンADスリムなどの市販品を用いることができる。
【0010】
さらに、本発明の改修工法は、上記のように特殊排水継手を用いる場合においては、最下端更新工程をまず実施したのち、下層階から上層階に向かって既設合流排水継手を特殊排水継手に更新施工するとともに、更新が終わった特殊排水継手と、その直上の既設合流排水継手との間の排水立て管部分に、開口端に向かって斜め上方に傾斜する分岐部を有する分岐継手を介在させるとともに、通気管を分岐させ、通気管の分岐部と前記分岐継手の分岐部とを通気管接続用継手を介して接続することが好ましい。
すなわち、特殊排水継手の施工が完了した部分においては、排水立て管の排水能力は上がるが、更新が終わっていない部分については、排水能力が元の状態のままである。
したがって、多量に排水が排水立て管に流れ込むと、更新が終わった特殊排水継手の直上階の既設合流排水継手の横枝管に接続された排水機器のトラップからの吹き出し、吸い込み等トラブルを起こすおそれがあるが、上記のようにしておけば、特殊排水継手の直上階の既設合流排水継手との間で排水立て管が、通気管に接続された状態になり、上記トラブルが起こらない。
【0011】
本発明において、通気管接続用継手としては、特に限定されないが、蛇腹管やゴム管などのフレキシブル管を用いることが好ましい。
すなわち、通気用分岐継手の分岐部と通気管との接続を容易に行うことができる。
【0012】
さらに、本発明の改修方法は、通気管接続用継手として、分岐位置が上下方向にずれた2つ以上の分岐部を有するものを用い、最下端更新工程において、この通気管接続用継手の最も上方の分岐部を通気管に接続する一方、他の分岐部を平行して設けられた他の排水立て管に接続するようにしてもよい。
すなわち、1つの通気管と複数の排水立て管とが接続されている場合があるが、上記のようにすれば、1つの排水立て管を改修するときに、他の排水立て管は使用可能となる。
しかも、通気管接続用継手の最も上方の分岐部を通気管に接続するので、他の排水立て管の排水が通気管側に流れ込むことがない。すなわち、他の排水立て管を流下してきた排水が、通気管を閉塞することがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明の改修工法は、各階の排水横枝管が接続される横枝管接続部を有し、床スラブに支持された合流排水継手と、排水管とを上下方向に接続して形成された排水立て管と、排水横主管と、前記排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手と、前記排水立て管に沿って設けられ、排水立て管の前記脚部継手直上に接続された通気管とを備える多層建築物の排水配管を改修する排水配管の改修工法であって、前記排水立て管を、排水立て管の最下端の既設合流排水継手の直上で切断するとともに、前記通気管を最下端の既設合流排水継手が支持された床スラブより下方で切断し、排水立て管の最下端の既設合流配管継手を更新用合流排水継手に交換し、交換された更新用合流排水継手と脚部継手とを斜め上方に向かって分岐する分岐部を有する通気管接続用継手を介して脚部継手に接続し排水立て管と脚部継手とが連通された状態に戻し、排水立て管の最下端を更新する一方、前記通気管接続用継手の分岐部と前記通気管の残存下端を、通気管接続用継手で接続する最下端更新工程をまず実施するようにしたので、通気管の機能を確保した状態で上階の合流排水継手を更新することができる。すなわち、更新用合流排水継手の排水立て管への組み込み及び横枝管の接続施工を完了していれば、通常とおり、排水が可能である。
【0014】
したがって、施工時間が限られ、すべての既設排水分岐継手を更新するには、複数日に跨るような場合において、住民は、施工時間以外は、住戸内の機器から排水を流すことができる。
そして、同時に多層階で工事を行う必要がないので、一度に多数のハツリ機を用意する必要がなくなり、施工コストの低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる排水配管の改修工法の第1の実施の形態の第1工程を説明する既設排水配管の概略図である。
【図2】図1の後工程を説明する図である。
【図3】図2の後工程を説明する図である。
【図4】図3の後工程を説明する図である。
【図5】図4の後工程を説明する図である。
【図6】図5の後工程を説明する図である。
【図7】図6の後工程を説明する図である。
【図8】図7の後工程を説明する図である。
【図9】図8の後工程を説明する図である。
【図10】第1の実施の形態の改修工法に用いる通気管接続用継手の1例をあらわす正面図である。
【図11】図10の通気管接続用継手の断面と、その分岐部に装着されるキャップをあらわす図である。
【図12】第1の実施の形態の改修工法に用いるやりとり継手の1例をあらわす断面図である。
【図13】本発明にかかる排水配管の改修工法の第2の実施の形態に用いられる通気管接続用継手の1例の正面図である。
【図14】図13の通気管接続用継手が改修に用いられる既設排水配管の1例を模式的にあらわす図である。
【図15】従来の通気管式排水配管の1例をあらわす図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図9は、本発明の改修工法の第1の実施の形態を工程順にあらわしている。
【0017】
この改修方法は、図1に示すような集合住宅の既設の通気立て管方式(二管式)の排水配管Aを以下のようにして改修することができる。
(1)図1に示すように、排水横主管5を既設脚部継手6の近傍のa線に沿って、通気管7を既設脚部継手6の直上階である最下階の床スラブSの下方のb線に沿って切断する。また、最下階の既設合流排水継手2の下側に接続された排水管3をc線に沿って切断する。そして、既設脚部継手6を、通気管7に接続された状態で残った排水横主管5、通気管7及び排水管3の一部とともに取り除く。
なお、a〜c線の位置は、施工現場の状況に応じて適宜変更される。
(2)図2に示すように、最下階の既設合流排水継手2に接続されている横枝管4を取り除く。
【0018】
(3)床スラブSの、最下階既設合流排水継手2の周囲を、ハツリ機(図示せず)を用いてハツって、図2に示すように、最下階の既設合流排水継手2を取り除く。なお、最下階の既設合流排水継手2を取り除くにあたっては、最下階の既設合流排水継手2に接続されている上部の排水管3を切断する、あるいは、最下階の既設合流排水継手2の受口にゴム輪接続されている場合は、下方に引き抜き、最下階の既設合流排水継手2と上部の排水管3とを切り離しておく。
なお、上記(1)の工程と、(2)の工程とは逆に行っても構わないし、(2)の工程を(1)の工程の途中で実施するようにしても構わない。
【0019】
(4)図3に示すように、排水横主管5に更新用脚部継手6aを接続する。なお、更新用脚部継手6aは、排水能力を上げるために、内部に旋回羽根を設けておくようにしても構わない。
(5)図4に示すように、必要に応じて上部の排水立て管1及び横枝管4を避けつつ更新用合流排水継手としての特殊排水継手(例えば、積水化学工業社製の商品名エスロンADスリム)2aを、その下端が床スラブSの下方に臨むように、床スラブSの上方から床スラブSに残ったハツリ孔Hに差し入れた後、図10及び図11に示す通気管接続用継手8aを図4に示すように、特殊排水継手2aの下端差口21を通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込まれた状態とする。
【0020】
すなわち、通気管接続用継手8aは、図10及び図11に示すように、本体部81と、分岐部82とを備えている。
本体部81は、やりとり受口81aと、下端差口81bとを備えている。
【0021】
やりとり受口81aは、上端部にゴム輪パッキン81cが内装されているとともに、特殊排水継手2aの下端差口21の差し込むことによって止水状態で接続される。また、やりとり受口81aは、下端差口21のやりとり受口81aへの差し込み長さが、特殊排水継手2aの上部受口22の受口長さより長くなるように、下端差口21の差し込み長さが調整可能になっている。
分岐部82は、本体部81の中間位置から上方に向かって傾斜(本体部81の管軸に対して30〜60°)して設けられているとともに、開口端縁に沿って外側に張り出すフランジ部82aを備えている。
【0022】
なお、ハツリ孔Hが大きい場合は、特殊排水継手2aの下端差口21を通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込まれた状態としたのち、通気管接続用継手8aを特殊排水継手2aの下端部とともに、床スラブSの上方から差し入れるようにしても構わない。
【0023】
(6)図5に示すように、特殊排水継手2aの下端差口21を通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込まれた状態に保ちながら、特殊排水継手2aの上部受口22に排水立て管1の下端を差し込むとともに、横枝管4を特殊排水継手2aの横枝管接続口23に差し込む。
なお、特殊排水継手2aの上部受口22及び横枝管接続口23は、図示していないが、ゴム輪パッキンが内装されていて、差し込みによって排水立て管1及び横枝管4が特殊排水継手2aに止水状態で接続される。
【0024】
(7)図6に示すように、通気管接続用継手8aを押し下げて、通気管接続用継手8aの下端差口81bを更新用脚部継手6aに接続する。
(8)図6に示すように、フレキシブル管(例えば、スネークジョイント)9aの一端を通気管接続用継手8aに外嵌させ、他端を床スラブSから突出する通気管7の残存下端に外嵌させて外嵌部の外側からフレキシブル管9aを締付けバンド91によって締付けて通気管7と通気管接続用継手8aとをフレキシブル管9aを介して接続する。
【0025】
(9)図6に示すように、ハツリ孔Hと特殊排水継手2aとの隙間にモルタルMを充填して特殊排水継手2aを床スラブSに固定する。
なお、上記(9)の工程は、すべての特殊排水継手2aに更新したのちに行うようにしても構わない。
(10)上記(8)または(9)の工程が完了すると、すなわち、最下端更新工程完了後、直上の階の床スラブSに支持された既存合流排水継手2と、その上下の排水管3とを切り離すとともに、直上の階(例えば、2階)の床スラブSをハツって直上の階の既設合流排水継手2を下の床スラブSに接続された排水立て管の一部とともに取り除く。
【0026】
(11)図7に示すように、特殊排水継手2bを、合流排水継手2を取り除いて形成されたハツリ孔Hの上方から必要に応じて上部の排水立て管1及び横枝管4を避けつつ床スラブSの下端部が床スラブSの下側に突き出るようにハツリ孔Hに差し入れる。
(12)図8に示すように、更新用の特殊排水継手2bを特殊排水継手2aの上部受口22に排水立て管1の下端を差し込むとともに、横枝管4を特殊排水継手2aの横枝管接続口23に差し込む。
【0027】
(13)図8に示すように、短管継手8bの下端を上記通気管接続用継手8aのやりとり受口81aに奥深く差し込んだ状態で、特殊排水継手2bの下端に設けられたフランジ部24と、短管継手8bの上端とをフランジ接続する。
(14)図示していないが、通気管接続用継手8aを押し下げてその下端差口91bを最下階の特殊排水継手2aの上部受口22に差し込んで、通気管接続用継手8aと特殊排水継手2aとを止水状態で接続する。
(15)図11に示すキャップ8cのキャップ本体83を、図11に鎖線で示すように、そのフランジ部84が通気管接続用継手8aの分岐部82のフランジ部82aに当接するまで差し込んで分岐部82を封鎖する。
なお、キャップ8cは、図示していないが、分岐部82に装着自在となっていて、正常に分岐部82に装着された状態でフランジ部84に設けられた位置決め突起(または位置決め凹部)が、分岐部82のフランジ部82aに設けられた位置決め凹部(または位置決め突起凹部)に嵌合するようになっていて、この嵌合によってキャップ本体83の先端面が本体部81の内周面にほぼ面一になるように形成されている。
(16)3階以上は、上記(10)〜(15)を繰り返し、上層階に向かって順に排水立て管部分及び必要に応じて横枝管部分を改修していく。
なお、(15)の工程は、上記(10)〜(14)のいずれかの工程に先立ち行うようにしても構わない。
【0028】
(17)設定された1日の作業時間内で、最上階に位置する更新された特殊排水継手2bと、その特殊排水継手2bの直上階の既設合流排水継手2との間に通気管接続用継手8aを介在させるとともに、この通気管接続用継手8aのほぼ水平方向で、通気管7の一部に図12に示すように、本体部85が通気管接続用継手8aと同じ構造をしていて、分岐部86が本体部85から斜め下方に向かって傾斜している分岐継手8dとソケット継手8eを介在させたのち、通気管接続用継手8aの分岐部82と、分岐継手8dの分岐部86とを異径のフレキシブル管9bを介して接続し、1日の施工作業を終了する。
なお、図12中、85aはやりとり受口、85bは下端差口、85cはゴム輪パッキンである。
(18)排水立て管1の最上部まで改修が完了するまで、上記(16)及び(17)の工程を繰り返す。
【0029】
この改修方法は、上記のように、まず、最下端更新工程を行った後、上方の階の既設合流排水継手2を特殊排水継手2bと取り替えて改修を行うようにしたので、改修途中の排水立て管の下端に常に通気管7が連通した状態が保たれる。
したがって、一日の施工では完了させることができず、改修工事が複数日に跨る場合においても、改修部分の特殊排水継手2bと上下の排水立て管部分及び横枝管との接続を完了させて1日の作業を完了しておけば、作業再開までの間に排水立て管に排水を流しても従来と同様に使用が可能である。
【0030】
更新用合流排水継手として、特殊排水継手2a(2b)を用いるようにしたので、上部から流下する排水が、この特殊排水継手2a(2b)の旋回羽根によって旋回流とされて排水立て管1内に安定した空気芯が形成される。
したがって、従来に比べて排水能力が上がる。その結果、横枝管接続口を複数備えた特殊排水継手2a(2b)を用いるようにすれば、1本の排水立て管でリフォーム等によって住戸内の排水機器が増設された場合に十分に対応できるようになる。
【0031】
また、やりとり受口81aを、特殊排水継手2aの下端差口21のやりとり受口81aへの差し込み長さが、特殊排水継手2aの上部受口22の受口長さより長くなるとともに、下端差口21の差し込み長さが調整可能になっているやりとり受口81aを備えた通気管接続用継手8aを用いるようにしたので、施工性がよい。
【0032】
さらに、改修が終わった部分の直上の改修が終わっていない既存合流排水継手2部分で閉塞してこの既存合流排水継手2に接続された横枝管4に繋がる排水機器のトラップからの吹き出し、吸い込み等トラブルを起こすおそれがあるが、設定された1日の作業時間内で、最上階に位置する更新された特殊排水継手2bと、その特殊排水継手2bの直上階の既設合流排水継手2との間の排水立て管部分を分岐させるとともに、この分岐部を通気管7と連通させるようにしたので、上記のようなトラブルを防止することができる。
また、やりとり可能な通気管接続用継手8aを用いて排水立て管1を分岐し、やりとり可能な分岐継手8dを用いて通気管7を分岐し、その分岐部82と分岐部86とをフレキシブル管9bで接続するようにしたので、施工性がよい。
【0033】
通気管接続用継手8aを更新された排水立て管の一部に用いるとともに、この排水立て管の一部に用いた通気管接続用継手8aを着脱自在なキャップ8cを用いて閉じるようにしたので、排水が分岐部82を介して外部に漏れ出ることを防止できるとともに、このキャップ8cを取り外せば、分岐部82が排水立て管の点検口となり、排水立て管内の洗浄するための洗浄ホースの入口としても用いることができる。
また、キャップ8cが正常に装着された状態で、キャップ本体83の先端面が本体部81の内周面に面一となるようになっているので、排水が分岐部82内に入り込まない。
【0034】
図13は、本発明の改修工法の第2の実施の形態に用いる連通管用継手をあらわし、図14は、この連通管用継手が用いられる既設の排水配管を模式的にあらわしている。
【0035】
すなわち、図13に示すように、この通気管接続用継手8fは、本体部87と、第1分岐部88と、第2分岐部89とを備えている。
本体部87は、上記連通管用継手8aの本体部81と同様の構造になっている。図13中、87aはやりとり受口、87bは下端差口、87cはゴム輪パッキンである。
【0036】
第1分岐部88と、第2分岐部89とは、本体部87からそれぞれ分岐しているとともに、第1分岐口が第2分岐部89より上側にずれて設けられていて後述するように、第2分岐部89が排水立て管1aに接続されたとき、排水立て管1aを介して第2分岐部89から本体部87内に流れ込んだ排水が、第1分岐部88内に流れ込まないようにその傾斜角度および上下方向の位置が調整されている。
一方、図14に示すように、この通気管接続用継手8fが用いられる排水配管Bは、通気管7aがその下端で2本に分岐していて、一方の分岐通気管71が脚部継手6の直上で排水立て管1に接続され、他方の分岐通気管72が既設脚部継手6の直上で他の排水立て管1aに接続されている。
すなわち、通気管7が2つの排水経路に共用されている。
【0037】
そして、この通気管接続用継手8fを用いて排水配管Bを改修するには、まず、通気管7の分岐部の直上で通気管7aを切断し、上記連通管用継手8aと同様にして、通気管接続用継手8fを用いて、排水立て管1側の排水経路の最下端更新工程を実施する。なお、通気管7とは第1分岐部88を介して接続される。
つぎに、排水立て管1aを分岐通気管72の接続位置直上で切断し、排水立て管1aを第2分岐部89に接続する。
【0038】
こののち、排水立て管1側の排水経路を上記第1の実施の形態の(10)以降の工程を実施して改修する。
また、排水立て管1a側の排水経路についても必要に応じて上記第1の実施の形態の(10)以降の工程を実施して改修する。
なお、本体部87に内壁面に第2分岐部89に排水が入り込まないような庇等を設けておけば、第2分岐部89と通気管7aとを接続し、第1分岐部88に排水立て管1aを接続するようにしても構わない。
【0039】
本発明の改修方法は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、残った既存の排水横主管に更新用脚部継手を接続するようにしていたが、建物の梁等が邪魔にならなければ、さらに排水能力を上げるために、排水横主管を口径の大きいものに交換するようにしても構わない。かかる場合、脚部継手は、排水横主管側が排水立て管側に比べ拡径するようなものを用いればよい。
上記の実施の形態では、更新用合流排水継手として特殊排水継手が用いられていたが、排水能力が十分確保できるのであれば、他の合流排水継手を用いるようにしても構わない。
【0040】
上記の実施の形態では、上階の特殊排水継手と、下階の特殊排水継手とを接続するのに通気管接続用継手を用いていたが、やりとり受口を有する分岐部のない継手を用いるようにしても構わない。
上記第2の実施の形態では、通気管接続用継手が2つの分岐部を備えていたが、3つ以上でも構わない。
【符号の説明】
【0041】
A,B 排水配管
1,1a 排水立て管
2 既設合流排水継手
2a、2b 特殊排水継手(合流排水継手)
3 排水管
4 横枝管
23 横枝管接続部
5 排水横主管
6 既設脚部継手
6a 更新用脚部継手
7,7a 通気管
8a,8f 通気管接続用継手
81 本体部
81a,87a やりとり受口
82 分岐部
88 第1分岐部
89 第2分岐部
S 床スラブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各階の排水横枝管が接続される横枝管接続部を有し、床スラブに支持された合流排水継手と、排水管とを上下方向に接続して形成された排水立て管と、
排水横主管と、
前記排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手と、
前記排水立て管に沿って設けられ、排水立て管の前記脚部継手直上に接続された通気管とを備える多層建築物の排水配管を改修する排水配管の改修工法であって、
前記排水立て管を、排水立て管の最下端の既設合流排水継手の直上で切断するとともに、前記通気管を最下端の既設合流排水継手が支持された床スラブより下方で切断し、排水立て管の最下端の既設合流配管継手を更新用合流排水継手に交換し、交換された更新用合流排水継手と脚部継手とを斜め上方に向かって分岐する分岐部を有する通気管接続用継手を介して脚部継手に接続し排水立て管と脚部継手とが連通された状態に戻し、排水立て管の最下端を更新する一方、前記通気管接続用継手の分岐部と前記通気管の残存下端を、通気管接続用継手で接続する最下端更新工程をまず実施することを特徴とする多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項2】
通気管接続用継手が本体部と、この本体部から分岐する分岐部とを備え、
本体部が上端に更新用合流排水継手の下端差口の差込長さを調整可能なやりとり受口を有し、
最下端の既設合流排水継手の除去によって生じた床スラブの孔を介して更新用合流排水継手をその下端差口が前記脚部継手の直上階の床スラブから下方に臨むように配置するとともに、下端差口を前記やりとり受口に深く差し込んだ状態で、
脚部継手の上端の芯と、通気管接続用継手の継手本体部の芯とが合うように、更新用合流排水継手を床スラブに支持させたのち、通気管接続用継手を下方に押し下げて脚部継手に通気管接続用継手の継手本体部の下端を接続する請求項1に記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項3】
既設合流排水継手を、内部に流下する排水を旋回流にする旋回羽根を備え、既設合流排水継手より排水能力の高い特殊排水継手に更新する請求項1または請求項2に記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項4】
最下端更新工程をまず実施したのち、下層階から上層階に向かって既設合流排水継手を特殊排水継手に更新施工するとともに、更新が終わった特殊排水継手と、その直上の既設合流排水継手との間の排水立て管部分に、開口端に向かって斜め上方に傾斜する分岐部を有する分岐継手を介在させるとともに、通気管を分岐させ、通気管の分岐部と前記分岐継手の分岐部とを通気管接続用継手を介して接続する工程を含む請求項3に記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項5】
通気管接続用継手がフレキシブル管である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項6】
通気管接続用継手が、分岐位置が上下方向にずれた2つ以上の分岐部を有し、最下端更新工程において、通気管接続用継手の最も上方の分岐部を通気管に接続する一方、他の分岐部を平行して設けられた他の排水立て管に接続する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項1】
各階の排水横枝管が接続される横枝管接続部を有し、床スラブに支持された合流排水継手と、排水管とを上下方向に接続して形成された排水立て管と、
排水横主管と、
前記排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手と、
前記排水立て管に沿って設けられ、排水立て管の前記脚部継手直上に接続された通気管とを備える多層建築物の排水配管を改修する排水配管の改修工法であって、
前記排水立て管を、排水立て管の最下端の既設合流排水継手の直上で切断するとともに、前記通気管を最下端の既設合流排水継手が支持された床スラブより下方で切断し、排水立て管の最下端の既設合流配管継手を更新用合流排水継手に交換し、交換された更新用合流排水継手と脚部継手とを斜め上方に向かって分岐する分岐部を有する通気管接続用継手を介して脚部継手に接続し排水立て管と脚部継手とが連通された状態に戻し、排水立て管の最下端を更新する一方、前記通気管接続用継手の分岐部と前記通気管の残存下端を、通気管接続用継手で接続する最下端更新工程をまず実施することを特徴とする多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項2】
通気管接続用継手が本体部と、この本体部から分岐する分岐部とを備え、
本体部が上端に更新用合流排水継手の下端差口の差込長さを調整可能なやりとり受口を有し、
最下端の既設合流排水継手の除去によって生じた床スラブの孔を介して更新用合流排水継手をその下端差口が前記脚部継手の直上階の床スラブから下方に臨むように配置するとともに、下端差口を前記やりとり受口に深く差し込んだ状態で、
脚部継手の上端の芯と、通気管接続用継手の継手本体部の芯とが合うように、更新用合流排水継手を床スラブに支持させたのち、通気管接続用継手を下方に押し下げて脚部継手に通気管接続用継手の継手本体部の下端を接続する請求項1に記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項3】
既設合流排水継手を、内部に流下する排水を旋回流にする旋回羽根を備え、既設合流排水継手より排水能力の高い特殊排水継手に更新する請求項1または請求項2に記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項4】
最下端更新工程をまず実施したのち、下層階から上層階に向かって既設合流排水継手を特殊排水継手に更新施工するとともに、更新が終わった特殊排水継手と、その直上の既設合流排水継手との間の排水立て管部分に、開口端に向かって斜め上方に傾斜する分岐部を有する分岐継手を介在させるとともに、通気管を分岐させ、通気管の分岐部と前記分岐継手の分岐部とを通気管接続用継手を介して接続する工程を含む請求項3に記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項5】
通気管接続用継手がフレキシブル管である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【請求項6】
通気管接続用継手が、分岐位置が上下方向にずれた2つ以上の分岐部を有し、最下端更新工程において、通気管接続用継手の最も上方の分岐部を通気管に接続する一方、他の分岐部を平行して設けられた他の排水立て管に接続する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多層建築物の排水配管の改修工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−162906(P2012−162906A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23644(P2011−23644)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
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