説明

多層複合材ゲッター

多層複合材ゲッター、その製造方法、及び前記多層複合材ゲッターを使用するエネルギー貯蔵のための電気化学デバイスを記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層複合材ゲッター、その製造方法、及び前記多層複合材ゲッターを使用するエネルギー貯蔵のための電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
気体不純物の除去におけるゲッター材料の使用は、半導体素子のプロセスチャンバー、プロセスガスの精製、及び真空チャンバーのポンプ部材などの多くの分野で応用されている。しかし、ゲッター材料の使用が特に高く評価されている分野の1つは、密閉又は密封デバイスの内部体積から有害化学種を除去する分野であり、これらの有害化学種の存在はデバイスの動作を危険にさらす。
【0003】
この場合、デバイスの機能を危険にさらすメカニズムは本質的に2種類であり、その第1のものは有害化学種とデバイスの1つ又は複数の部品との化学的相互作用によるものであり、この相互作用は前記部品の特性を変化させ、その結果それらのデバイスの機能を危険にさらす。これらの相互作用の例は、とりわけ光学素子の透明性の一部損失又は部品の電気特性の劣化が考えられ、それらの抵抗率及びひいてはそれらの機能が変化させられることによる。第1のケースでは、典型的には気体状である有害化学種の濃度が可能な限り低いことが非常に重要である。
【0004】
第2の劣化メカニズムは、それよりもむしろ過剰な加圧によってデバイスを破壊する危険性に関連する。この問題は、有害化学種が主に気体状態であり、それらの生成がデバイス自体の動作に関係しているようなデバイスにおいて存在する。この場合、容器の機械的な破壊の危険性及びさらには安全性の問題は、デバイスの不調に関係する。
【0005】
この問題は特に、近年一般にエネルギー貯蔵デバイスとして知られる、エネルギー貯蔵のための電気化学デバイスの分野で実感される。
【0006】
幅広く多様なエネルギー貯蔵のための電気化学デバイスの中で、2つの非常に重要な大きい系統を特定することができる。すなわち、「アルミニウムコンデンサ」及び「スーパーキャパシタ」としてこの分野で既知であるデバイスに特に関連した電解コンデンサである。この技術分野において、これらのデバイスのカテゴリー間の主な違いは、異なる桁数の蓄積容量にある。具体的には、小さいサイズの電解コンデンサの場合、容量はマイクロファラッド(μF)のオーダーであるが、一方スーパーキャパシタの場合、容量は10,000倍高くなることもある。
【0007】
これらデバイス内の気体不純物の存在の問題は様々な方法で対処されてきた。例えば特許出願である国際公開第2007/066372号及び国際公開第2008/148778号(両方とも本出願人の名義である)は、ゲッター材料が適切なポリマー中に分散し、有害化学種に対して透過性であるが電解質に対して不透過性である保護ポリマー層によって、電解質との接触及び相互作用から保護されている、ポリマー多層システムを使用した。
【0008】
特許出願である国際公開第2007/080614号及び国際公開第2008/148781号(両方とも本出願人の名義である)に記載の別の解決法は、有害化学種に対して透過性であるが電解質に対して不透過性であるポリマー容器に封入されたゲッター材料の使用を教示している。
【0009】
最後に、特許出願である国際公開第2008/033560号(やはり本出願人の名義である)は全く異なる手法を開発し、エネルギー貯蔵のための電気化学デバイスから水素を除去する金属ゲッター多層の使用を記載しており、特に貴金属でできた外層を含む材料の使用に関する。そのような出願では、材料を容器内に保持する以外の技術的機能を有していない適切なポリマー容器内で粉末状の材料を使用する可能性を考察しているが、なぜならそれらの材料がエネルギー貯蔵デバイスの電解質環境と相容性があると記載されたためである。
【0010】
後者の解決法はHの除去に関して従来のものより優れていると思われ、この分野でそう考えられているが、なぜならポリマー層の性質そのものに起因して、ポリマー多層の使用は必然的にその中に収容されるゲッター材料の量を制限し、したがってゲッター材料が占める同等の体積に対して、より低い容量をもたらすからである。ゲッター材料をポリマー容器中に封入する解決法は、特に容器の接合領域において本質的に脆弱であることが分かっている。これらの問題に加えて、最初の2つの解決法ではポリマー層の存在が一般に水素の吸着を遅くするが、一方同様に本出願人名義の国際公開第2006/089068号に記載される多層金属ゲッターは、それを用途に適合させると考えられる特性を有するという事実もある。
【0011】
特に、国際公開第2008/033560号に記載の解決法はエネルギー貯蔵のための電気化学デバイス内での通常の使用条件下では水素の除去に非常に効果的であるにもかかわらず、驚くべきことに、水素の除去を意図する材料自体がガス源となるようなある特定の使用条件下では予期しない欠点を示し、そのためデバイスの破損につながる。
【0012】
この逆の作用をもたらす主な条件は、正常な動作に対して逆の極性を有する電流の流れの存在である。この状況はデバイスの接続及び取り付けの間の人的ミスから生じることがあり、短時間に生じ得る多量のガスによる重大な安全性リスクを伴う。又はこの状況はデバイスの内部温度がコンデンサの公称温度(これは典型的にはこの分野でデバイスの「定格温度」と定義される)を超える場合に生じることがあり、これはこの場合二次交流電流(この分野で「リプル電流と定義される」)が生じるためであり、その逆の成分がデバイスに有害な成分である。さらなる参考事項及び詳細は、1970年出版の本「Electronic Fundamentals & Applications」などの様々な出版物で見いだすことができる。現象の度合い、及びそれに伴うガス生成は、温度に正比例する。特にこれはデバイスの温度が規定の定格温度を5%上回ると顕著になり始める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2007/066372号
【特許文献2】国際公開第2008/148778号
【特許文献3】国際公開第2007/080614号
【特許文献4】国際公開第2008/033560号
【特許文献5】国際公開第2006/089068号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、多層金属ゲッター材料に関して、特に、しかし非排他的にエネルギー貯蔵のための電気化学デバイスにおけるそれらの使用に関して、先行技術に依然として存在する欠点を克服することである。その第1の態様において、本発明は両面を有する金属ゲッター材料から本質的に形成される支持体を含む水素除去のための多層複合材ゲッターであり、パラジウム又はパラジウム系複合材の第1の層が前記両面の少なくとも1面に設けられ、コーティングされる面を規定し、水素透過性保護ポリマー層が支持体のパラジウム又はパラジウム系複合材コーティング面の表面の少なくとも80%に設けられていることを特徴とする。
【0015】
パラジウム系複合材については、少なくとも60重量%のパラジウムを含有する複合材を意味する。好ましいパラジウム複合材は、パラジウム−バナジウム、パラジウム−ニッケル化合物であり、パラジウム−銅、又はパラジウム−銀化合物の使用がなお一層好ましい。より一層好ましい実施形態において、パラジウム化合物はパラジウム合金の形態である。
【0016】
本発明を、図面を参照して下記により好ましく説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による多層複合材ゲッターの断面図を示す図である。
【図2】本発明による多層複合材ゲッターの別の実施形態を示す図である。
【図3】本発明による多層複合材ゲッターの第3の実施形態を示す図である。
【図4】本発明による多層複合材ゲッターを含む、エネルギー貯蔵のための電気化学デバイスの第1の実施形態を示す図である。
【図5】本発明による多層複合材ゲッターを含む、エネルギー貯蔵のための電気化学デバイスの第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面において、一部の部材のサイズ及び寸法比は、限定はしないがとりわけ多層複合材ゲッターを形成する層の厚みに関して、図面の読み取りを損なわないように変更されている。
【0019】
図1は本発明に従って作成された多層複合材ゲッター10を示しており、金属ゲッターでできた層11の両方の利用可能な表面12、12’の上に、パラジウム又はパラジウム系複合材の層13、13’が配置され、水素透過性ポリマー材料の保護層14、14’が後者の上に配置されている。
【0020】
金属ゲッター層11は他の層の支持部材として働き、好ましい実施形態は図1に示すものであるが、いくつかの実施形態では、パラジウム又はパラジウム系複合材の層がゲッター層の表面全体を通しては存在しないことも可能である。この場合、パラジウム又はパラジウム系複合材が金属ゲッター層の利用可能な表面の少なくとも20%を覆うことが重要である。
【0021】
ポリマー層が、コーティングしていない支持体金属ゲッター層の表面及びパラジウム又はパラジウム系複合材をコーティングした表面を意味する金属表面全体の、少なくとも80%を覆うことになるという事実が決定的に重要である。
【0022】
別の実施形態を図2に示す。この場合、上にあるポリマー材料層14を有するパラジウム又はパラジウム系複合材でできた層13を、支持体ゲッター層11の表面の片面のみに設ける。パラジウム又はパラジウム系複合材の層を減らす可能性のある表面に関した、上記の同じ考察がこのケースにもあてはまる。この場合、利用可能な表面の少なくとも80%において、つまりパラジウム又はパラジウム系複合材をコーティングした複合材ゲッターの面のみに存在する、外側のポリマー層を有することが好ましい。なぜならこのタイプの実施形態は、複合材ゲッターをデバイスの壁に設置する場合に有用であり、したがってこの場合、片方の表面が不活性であり複合材ゲッターが使用される環境から遮断されることになるからである。したがって貴金属又は貴金属合金などの貴金属複合体、及び外側のポリマー層によるそのコーティングは不必要であることになる。
【0023】
この実施形態のさらなる変化形態を図3に示しており、この場合、利用できる金属表面の小部分35(この特定のケースでは支持体金属ゲッター層の)がポリマー層14によって被覆されていないことが明確に示されている。
【0024】
本発明において、多層ゲッターシステムが設置されるデバイスの内部雰囲気にさらされる金属表面の少なくとも80%をポリマー材料層が覆うことが重要であり、好ましくは前記ポリマー層は25℃で10−12cm cm cm−2−1 Pa−1以上の水素透過性を示す。
【0025】
水素透過性保護ポリマー材料の層に有利に使用できるポリマー材料の中で、ポリキシレン、(特にパリレンが挙げられる)、ポリスチレン、ポリアルカン、ポリジエン(特にポリメチル−1−ペンテニレン(polymethyl−1−pentenylene)が挙げられる)、ポリオキシド、ポリシロキサン(特にポリオキシジメチルシリレン、ポリメチルオクチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンが挙げられる)がある。先のすべての材料の中で、ポリジメチルシロキサンの使用が好ましい。
【0026】
支持体層11の製造に適したゲッター材料として、ジルコニウム、イットリウム、又はチタンを使用してもよく、その中でもチタンの使用が好ましい。これらの金属は支持体層の特性を著しく変化させない少量の他の金属元素も含有してもよい。典型的には、これらの他の金属の量は20重量%を超えてはならない。
【0027】
好ましい実施形態において、パラジウム又はパラジウム系複合材はゲッター支持体表面を直接被覆し、したがってゲッター支持体と直接接触している。
【0028】
別の実施形態において、ゲッター支持体とパラジウム又はパラジウム系複合材との間に置かれている金属層の存在も想定される。この層の目的は、特に電気化学析出法をパラジウム又はパラジウム系複合材に対して使用する場合、パラジウム又はパラジウム系複合材のゲッター支持体への接着性を高めることである。そのような層は好ましくはNi、Cu、Ptなどの金属でできており、典型的には厚みが20nm以下である。
【0029】
多層複合材ゲッターの層厚みに関して、ゲッター材料層の厚みは20〜500ミクロン(μm)、好ましくは100〜300ミクロンの間に含まれていてもよく、パラジウム又はパラジウム系複合材の層に関しては、10〜2,000ナノメートル(nm)、好ましくは20〜250ナノメートルの間に含まれていてもよい。
【0030】
ポリマー材料でできた外層の層厚みに関して、多層複合材ゲッターによる水素の吸着スピードを損なわないために、及び異常な動作条件下で、すなわち逆の極性を有する電流の存在下で水素の生成につながる可能性のある広い非コーティング領域が存在しないことを確実にするために、これは1〜100μmの間に含まれなければならない。具体的には、上記の厚みはコーティング領域が可能性として水素源とならないことを確実にし、したがって複合材ゲッターの存在に起因する最小限の水素源のみが非コーティング領域のみによってもたらされ、そのような生成した水素もポリマーのコーティング部分によって直ちに再吸収されることになる。
【0031】
その第2の態様において、本発明は本発明による多層複合材ゲッターの製造方法に関し、第2の水素透過性ポリマー層をスピンコーティング、スプレーコーティング、ブレードコーディング、真空蒸着、ディップコーティング、又はスクリーン印刷によって被着させる。
【0032】
一般に、第2のポリマー層を複合材ゲッターの金属部材上に被着させるために異なる技術を使用してもよく、前記金属は支持体の金属であるか、又はパラジウム又はパラジウム系複合材の第2の層である。これらの技術に関連する重要な側面は、パラジウム又はパラジウム系複合材でできた第2の層とポリマー層との間の十分な接着性を確実にすることに加えて、それらがポリマー層の十分な均一性及び規則性を確実にできることである。
【0033】
スピンコーティング、スプレーコーティング、ブレードコーディング、真空蒸着、ディップコーティング、及びスクリーン印刷法は、要求される特性を有するポリマー被着物の製造において最も適した技術である。これらの技術は当業者に広く知られているため、ここでは説明していない。
【0034】
パラジウム又はパラジウム系複合材でできた中間層を形成する方法に関して、特に有利な方法はスパッタリング、熱蒸着又は電子ビームによる蒸着、電気化学析出法、あるいはこの分野で「無電解」として知られる、電流を通すことを必要としない化学析出法、又は溶液中にパラジウム又はパラジウム系複合材を含有する特殊なインクを使用する方法である。
【0035】
その第3の態様において、本発明は電解液及び本発明による多層複合材ゲッターを含有する、エネルギー貯蔵のための電気化学デバイスに関する。
【0036】
この場合、保護ポリマー層は電解液溶媒に不溶性であり電解液及びその成分に対して不透過性である必要がある。
【0037】
好ましい実施形態において、ポリマー層の水素透過性は電解液又はその成分に対する透過性よりも少なくとも1桁上回る必要がある。
【0038】
エネルギー貯蔵のための電気化学デバイスの中でも特に興味深いデバイスは、特に「アルミニウムコンデンサ」及びスーパーキャパシタに関連した電解コンデンサである。
【0039】
この場合、第2の保護層を製造するために、疎水性を有する、すなわち水及び極性化合物をはじくことができる非極性基によって機能化された表面を有することを特徴とする、ポリマー材料を使用するのが有利である。
【0040】
さらに、この特定の用途では、ポリジメチルシロキサンの使用が非常に有利である。
【0041】
図4は、密封容器41を含むエネルギー貯蔵のための電気化学デバイス40の内部で多層複合材ゲッター10を使用する第1の技術を示しており、その電極はらせん42を形成するように巻かれた薄いシート状であり(その断面図を近接した垂直の平行な線によって表す)、電解液(図示せず)中に浸漬されている。電気接点44、44’は電極と密閉容器の外側とを接続している。多層複合材ゲッター10はこのコンデンサの中央部分に配置されている。図4に示す電気化学デバイスは円柱形状を有するが、この形状は本発明の製造を拘束するものではない。例えば平行六面体は、デバイスの中央部分に置かれた本発明による不純物吸着手段を有するこれらのコンデンサにおける別の好ましい幾何学形状である。
【0042】
図5はエネルギー貯蔵のための電気化学デバイス50の第2の実施形態を示す。この場合、デバイス50の構造はらせん52を形成する巻き型電極を含み、電解溶液(図示せず)に浸漬している。本発明による多層複合材ゲッターはこのコンデンサの片側に配置されている。
【0043】
図4の実施形態において、多層複合材ゲッターはデバイスの内側の縁部全体に沿って配置されているが、さらに一般的な実施形態において、これはデバイスの一部のみに沿って配置されていてもよい。
【0044】
さらに、一部の特定のケースでは、デバイスは本発明による複合材ゲッター部材をさらに含んでいてもよい。例えばこれらはデバイスの中央部分及び内周に存在してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 多層複合材ゲッター
11 支持体
12、12’ 表面
13、13’ 層
14、14’ 保護層
35 小部分
40 電気化学デバイス
41 密封容器
42 らせん
44、44’ 電気接点
50 電気化学デバイス
52 らせん

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面(12、13)を有する金属ゲッター材料から本質的に形成される支持体(11)を含む水素除去のための多層複合材ゲッター(10)であって、パラジウム又はパラジウム系複合材の第1の層(14)が前記両面の少なくとも1面に設けられ、コーティングされる面を規定し、水素透過性保護ポリマー層(15)が支持体のパラジウム又はパラジウム系複合材コーティング面の表面の少なくとも80%に設けられていることを特徴とする、多層複合材ゲッター(10)。
【請求項2】
前記パラジウム又はパラジウム系複合材が支持体と直接接触している、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項3】
金属層が支持体とパラジウム又はパラジウム系複合材層との間に置かれている、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項4】
前記両面(12、13)に前記パラジウム又はパラジウム系複合材の層が設けられている、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項5】
前記両面(12、13)の1面のみに前記パラジウム又はパラジウム系複合材の層が設けられている、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項6】
支持体(11)の両面(12、13)の一部のみがパラジウム又はパラジウム系複合材の層でコーティングされている、請求項1から5のいずれか一項に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項7】
前記パラジウム又はパラジウム複合材をコーティングした部分が支持体の少なくとも20%である、請求項6に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項8】
保護ポリマー層の水素透過性が10−12cm cm cm−2−1 Pa−1以上である、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項9】
前記第2の保護ポリマー層が、ポリキシレン、ポリスチレン、ポリアルカン、ポリジエン、ポリオキシド、ポリシロキサンからなる群において選択される、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項10】
前記第2の保護ポリマー層が、パリレン、ポリスチレン、ポリメチル−1−ペンテニレン、ポリオキシジメチルシリレン、ポリメチルオクチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンからなる群において選択される、請求項9に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項11】
前記支持体が、ジルコニウム、イットリウム、及びチタンからなる群において選択される金属から本質的に形成される、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項12】
前記パラジウム系複合材が、Pd−Ag、Pd−Cu、Pd−V、Pd−Niである、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項13】
金属ゲッター材料から本質的に形成される前記支持体の厚みが、20〜500μmの範囲に含まれる、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項14】
前記パラジウム又はパラジウム系複合材の層の厚みが、10〜2000nmの範囲に含まれる、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項15】
前記水素透過性保護ポリマー層の厚みが、1〜100μmの範囲に含まれる、請求項1に記載の多層複合材ゲッター。
【請求項16】
前記保護ポリマーの第2の層が、
− スピンコーティング;
− スプレーコーティング;
− ブレーディング;
− 真空蒸着
− ディップコーティング;及び
− スクリーン印刷
からなる群において選択される技術によって作成される、請求項1に記載の多層複合材ゲッターの製造方法。
【請求項17】
パラジウム又はパラジウム系複合材の層を、
− 電気化学析出及び無電解析出を含めた化学析出法;
− スパッタリング;
− 熱蒸着及び電子ビーム蒸着;及び
− パラジウム又はパラジウム系複合材を含有するインク組成物の印刷
からなる群において選択される技術によって被着させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
溶媒、電解質、及び請求項1に記載の多層複合材ゲッターを含有する、エネルギー貯蔵のための電気化学デバイス。
【請求項19】
前記ポリマー層が溶媒に不溶性であり、電解質に対して及び電解質成分に対して不透過性である、請求項18に記載の電気化学デバイス。
【請求項20】
前記ポリマー層が疎水性である、請求項19に記載の電気化学デバイス。
【請求項21】
前記ポリマー層が、電解質又はその成分の透過性に対して少なくとも1桁上回る水素透過性を有する、請求項20に記載の電気化学デバイス。
【請求項22】
前記ポリマー層がポリジメチルシロキサンでできている、請求項18に記載の電気化学デバイス。
【請求項23】
前記多層複合材ゲッターが、デバイスの中央部分に配置されている、請求項18に記載の電気化学デバイス。
【請求項24】
前記多層複合材ゲッターが、デバイスの外周又は外周の一部に沿って配置されている、請求項18に記載の電気化学デバイス。
【請求項25】
前記デバイスがスーパーキャパシタである、請求項18に記載の電気化学デバイス。
【請求項26】
前記デバイスが電解コンデンサである、請求項18に記載の電気化学デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−528474(P2012−528474A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512307(P2012−512307)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056872
【国際公開番号】WO2010/136364
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511020829)
【Fターム(参考)】