説明

多層重合体

【課題】フィルム状のメタクリル樹脂組成物において優れた耐応力白化性や表面硬度を発現しうる多層重合体を提供すること。
【解決手段】アクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜10重量部が重合してなる弾性重合体層(A)と、メタクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜3重量部が重合してなる硬質グラフト層(B)とを備え、かつ弾性重合体層(A)の外側に密接して硬質グラフト層(B)が形成されてなる2層の重合体層を含有することを特徴とする多層重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル系の多層重合体に関する。また、該多層重合体とメタクリル樹脂とを含有するメタクリル樹脂組成物や、該組成物からなるフィルムに関係する。かかるフィルムは、例えば、自動車の内装用資材、家電製品の外装用資材、建築用資材(エクステリア)等に利用される。
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル系の多層重合体は、フィルム用の耐衝撃性改良剤等として使用されており、例えば、特許文献1〜5には、アクリル系弾性重合体層と、メタクリル酸アルキル、及びこれより少量のアクリル酸ブチル又はアクリル酸メチルが重合してなる硬質グラフト層とを備え、前記弾性重合体層の外側に密着して前記グラフト層が形成されてなる2層の重合体層を含有する多層重合体が記載されている(特許文献1〜5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−13318号公報
【特許文献2】特開平3−39350号公報
【特許文献3】特開2003−73520号公報
【特許文献4】特開2004−137299号公報
【特許文献5】特開2009−24112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の多層重合体をメタクリル樹脂に配合したフィルム状のメタクリル樹脂組成物においては、耐応力白化性や表面硬度の点で必ずしも十分ではなかった。そこで、本発明の目的は、フィルム状のメタクリル樹脂組成物において優れた耐応力白化性や表面硬度を発現しうる多層重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討した結果、所定の弾性重合体層の外側に密着して形成される硬質グラフト層が、所定量のラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体によって架橋されてなることにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、アクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜10重量部が重合してなる弾性重合体層(A)と、メタクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜3重量部が重合してなる硬質グラフト層(B)とを備え、かつ弾性重合体層(A)の外側に密接して硬質グラフト層(B)が形成されてなる2層の重合体層を含有することを特徴とする多層重合体を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルム状のメタクリル樹脂組成物において優れた耐応力白化性や表面硬度を発現しうる多層重合体を提供することができる。また、該多層重合体を含有するフィルム状のメタクリル樹脂組成物は、耐応力白化性や表面硬度に優れるため、例えば、自動車の内装用資材、家電製品の外装用資材、建築用資材(エクステリア)等に好適に採用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、アクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜10重量部が重合してなる弾性重合体層(A)と、メタクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜3重量部が重合してなる硬質グラフト層(B)とを備え、かつ弾性重合体層(A)の外側に密接して硬質グラフト層(B)が形成されてなる2層の重合体層を含有することを特徴とする多層重合体である。このように、弾性重合体層(A)の外側に密着して形成される硬質グラフト層(B)が、所定量のラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体によって架橋されてなることにより、該2層の重合体層を含む本発明の多層重合体は、例えば、これをメタクリル樹脂に配合して得られるフィルム状のメタクリル樹脂組成物に優れた耐応力白化性や表面硬度を発揮させうるものとなる。
【0009】
本発明の多層重合体は、弾性重合体層(A)及びその外側に密接して形成される硬質グラフト層(B)を備える2層を含むものであり、弾性重合体層(A)及び硬質グラフト層(B)の2層からなるものであってもよいし、弾性重合体層(A)の内側に硬質重合体層を備えるものであってもよいし、硬質グラフト層(B)の外側にさらに硬質重合体層を備えるものであってもよい。層構成の具体例としては、最内層〔弾性重合体層(A)〕/外層〔硬質グラフト層(B)〕の2層構成、最内層〔硬質重合体層〕/中間層〔弾性重合体層(A)〕/外層〔硬質グラフト層(B)〕、最内層〔弾性重合体層(A)〕/中間層〔硬質グラフト層(B)/外層〔硬質重合体層〕の3層構成、最内層〔硬質重合体層〕/中間層1〔弾性重合体層(A)〕/中間層2〔硬質グラフト層(B)〕/外層〔硬質重合体層〕の4層構成等が挙げられる。
【0010】
弾性重合体層(A)と硬質グラフト層(B)の重量割合は、本発明の効果を奏する範囲で適宜選択されうるが、弾性重合体層(A)は、弾性重合体層(A)及び硬質グラフト層(B)の合計100重量部に対して30〜95重量部であるのが好ましく、硬質グラフト層(B)は、弾性重合体層(A)及び硬質グラフト層(B)の合計100重量部に対して5〜70重量部であるのが好ましい。弾性重合体層(A)の重量割合が低すぎると、例えば、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な耐応力白化性や引張強度を得ることができないことがあり、弾性重合体層(A)の重量割合が高すぎると、例えば、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な表面硬度を得ることができないことがある。
【0011】
弾性重合体層(A)は、アクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜10重量部が重合してなる重合体層である。アクリル酸アルキルの重量部としては、55〜80重量部であるのが好ましい。前記単官能単量体の重量部としては、20〜45重量部であるのが好ましい。前記多官能単量体の重量部としては、0.5〜5重量部であるのが好ましく、1〜3重量部であるのがより好ましい。前記多官能単量体が0.1重量部より少ない場合は、例えば、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な耐応力白化性を得ることができないことがある。前記多官能単量体が10重量部よりも多い場合は、例えば、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な引張強度を得ることができないことがある。
【0012】
また、弾性重合体層(A)のガラス転移温度(Tg)は、通常25℃以下、好ましくは0℃以下である。尚、かかるガラス転移温度は、弾性重合体層(A)を得るのと同じ重量比率で、アクリル酸アルキル、前記単官能単量体及び前記多官能単量体を重合し、得られる重合体(単層)を測定することにより求めることができる。
【0013】
アクリル酸アルキルとしては、通常、炭素数が1〜8であるアルキル基を有するものであることができる。中でも、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのように炭素数が4〜8であるアルキル基を有するものが好ましい。
【0014】
弾性重合体層(A)を得るためのラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸エステル;スチレンのような芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物等が挙げられる。
【0015】
弾性重合体層(A)を得るためのラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体は、いわゆる架橋剤やグラフト剤としての機能を示すものであることができ、その具体例として、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポリアルケニルエステル;トリメチロールプロパントリアクリレートのような多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル;ジビニルベンゼン等が挙げられる。また、これらの多官能単量体は、それぞれ単独で使用してもよく、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記多官能単量体として、中でも、不飽和カルボン酸のアルケニルエステルや多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましい。
【0016】
硬質グラフト層(B)は、メタクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜3重量部が重合してなる重合体層である。メタクリル酸アルキルの重量部としては、60〜98重量部であるのが好ましい。前記単官能単量体の重量部としては、2〜40重量部であるのが好ましい。前記多官能単量体の重量部としては、0.1〜1重量部であるのが好ましく、0.1〜0.5重量部であるのがより好ましい。前記多官能単量体が0.1重量部より少ない場合は、例えば、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な耐応力白化性や表面硬度を得ることができないことがある。前記多官能単量体が3重量部よりも多い場合は、例えば、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な引張強度を得ることができないことがある。
【0017】
また、硬質グラフト層(B)のガラス転移温度(Tg)は、通常120℃以下、好ましくは110℃以下である。尚、かかるガラス転移温度は、硬質グラフト層(B)を得るのと同じ重量比率で、メタクリル酸アルキル、前記単官能単量体及び前記多官能単量体を重合し、得られる重合体(単層)を測定することにより求めることができる。
【0018】
メタクリル酸アルキルとしては、通常、炭素数が1〜8程度であるアルキル基を有するものであることができ、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
【0019】
硬質グラフト層(B)を得るためのラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシルのようなアクリル酸エステル;スチレンのような芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物等が挙げられる。
【0020】
硬質グラフト層(B)を得るためのラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体は、いわゆる架橋剤としての機能を示すものであることができる。このように硬質グラフト層(B)が、前記多官能単量体によって架橋されてなることにより、例えば、本発明の多層重合体をメタクリル樹脂に配合して得られるフィルム状のメタクリル樹脂組成物において、優れた耐応力白化性や表面硬度が発揮される。かかる多官能単量体としては、前述した弾性重合体(A)を得るための多官能単量体と同様のものを例示することができ、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポリアルケニルエステル;トリメチロールプロパントリアクリレートのような多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル;ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの多官能単量体は、それぞれ単独で使用してもよく、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記多官能単量体として、中でも、グリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル、不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましい。
【0021】
前述したように、本発明の多層重合体は、弾性重合体層(A)の内側や硬質グラフト層(B)の外側にさらに硬質重合体層を備えてもよい。かかる硬質重合体層は、いわゆるアクリル系ゴム粒子のハード層として従来公知の重合体層を採用することができ、好ましくは、メタクリル酸アルキル70〜100重量部、及びこれと共重合可能な他の単量体0〜30重量部が重合してなる共重合体であることができる。ここでいうメタクリル酸アルキルとしては、硬質グラフト層(B)を得るために使用されるものと同様のものを例示することができる。また、前記単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシルのようなアクリル酸エステル;スチレンのような芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物等が挙げられる。
【0022】
次に、本発明の多層重合体の製造方法について説明する。本発明の多層重合体は、乳化重合法により、粒子状の該多層重合体を含むラテックスとして製造することができ、さらに、その後の精製操作を経ることにより、粒子状の該多層重合体を粉体として得ることができる。ここでは、弾性重合体層(A)と硬質グラフト層(B)を備える2層からなる多層重合体の製造方法を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0023】
まず、窒素等の不活性ガス雰囲気下に、乳化剤や重合開始剤等を含む水系媒体中で、弾性重合体層(A)(内層)を構成する原料であるアクリル酸アルキル、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体を重合させる。
【0024】
このとき、前記各単量体は2段階で重合させるのが好ましい。すなわち、前記各単量体の全量のうち、所定量の各単量体を重合させてシード粒子を得、このシード粒子の存在下に残りの単量体を重合させて内層となる弾性重合体層(A)からなる重合体粒子を含むラテックスを得るのが好ましい。シード粒子を得る段階を経ることにより、最終的に得られる多層重合体の粒子径や粒子個数を所望の値に調整することができる。
【0025】
前記重合体粒子を含むラテックスに、硬質グラフト層(B)(外層)を構成する原料であるメタクリル酸アルキル、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体を添加してこれらを重合させることにより、弾性重合体層(A)の外側に密接して硬質グラフト層(B)が形成され、かかる2層構成の重合体粒子を含むラテックスを得ることができる。
【0026】
なお、硬質グラフト層(B)の外側に、さらに硬質重合体層を形成させる場合には、前記2層構成の重合体粒子を含むラテックスに、さらに該硬質重合体層を構成する原料となる単量体を添加してこれを重合させればよい。
【0027】
前記水系媒体としては、例えば、水や、水及び水混和性溶剤の混合溶媒等が挙げられる。水系媒体は、多層重合体の原料となる各単量体の総量100重量部に対して50〜300重量部程度の割合となるように、一括、分割または連続して添加するのが好ましい。
【0028】
前記乳化剤としては、特に限定されないが、例えばアニオン系の乳化剤等が挙げられ、該アニオン系の乳化剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の直鎖または分岐したアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。乳化剤は、多層重合体の原料となる各単量体の総量100重量部に対して0.01〜5重量部程度の割合となるように、一括、分割または連続して添加するのが好ましい。
【0029】
前記重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸化合物等が挙げられる。重合開始剤は、多層重合体の原料となる各単量体の総量100重量部に対して0.01〜1重量部程度の割合となるように、一括、分割または連続して添加するのが好ましい。また、必要に応じて、炭酸ナトリウム等のpH調整剤を用いてもよい。重合温度としては、通常、60〜90℃程度である。
【0030】
尚、弾性重合体層(A)、硬質グラフト層(B)の分子量を制御するために、公知の連鎖移動剤を使用することができる。かかる連鎖移動剤として、例えばメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンなどのアルキル基または置換アルキル基を有する第一、第二級および第三級メルカプタン、フェニルメルカプタンなどの芳香族メルカプタン、チオグリコール酸とそのエステルおよびエチレングリコールなどが挙げられる。
【0031】
また、乳化剤の添加量や前記各単量体の使用量等を調節することによって、多層重合体の粒子径を調整することができる。多層重合体の粒子径は、30〜200nmで、好ましくは50〜150nm、更に好ましくは60〜120nmである。30nm以下では、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な引張強度を得ることができないことがある。一方、200nm以上では、得られる多層重合体を含むフィルム状のメタクリル樹脂組成物において十分な耐応力白化性や透明性を得ることができないことがある。
【0032】
かくして本発明の多層重合体を含むラテックスを得ることができる。このラテックスから多層重合体を回収する方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、塩析や酸析、凍結などで凝固させた後、ろ過し、次いで洗浄する方法や、スプレー乾燥処理により回収する方法が挙げられる。
【0033】
本発明の多層重合体は、単独でフィルム状に成形して使用されることもでき、メタクリル樹脂(C)と混合した後、フィルム状に成形して使用されることもできるが、後者の方が好ましい。また、前記多層重合体とメタクリル樹脂(C)とを含有するメタクリル樹脂組成物において、前記多層重合体の含有量は1〜99重量部であるのが好ましく、メタクリル樹脂(C)の含有量は99〜1重量部であるのが好ましい。
【0034】
メタクリル樹脂(C)は、メタクリル酸アルキル70〜100重量部、及びこれと共重合可能な他の単量体0〜30重量部が重合してなる共重合体であるのが好ましい。ここでいうメタクリル酸アルキルとしては、通常、炭素数が1〜8程度であるアルキル基を有するものであることができ、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。また、ここでいう単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシルのようなアクリル酸エステル;スチレンのような芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物等が挙げられる。尚、多層重合体とメタクリル樹脂(C)とを含有するメタクリル樹脂組成物において透明性が求められる場合、多層重合体とメタクリル樹脂(C)の屈折率が実質的に同じになるように、多層重合体を構成する各単量体の種類を選択してそれらを使用するのが好ましい。メタクリル樹脂(C)の製造方法としては、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の従来公知の方法を採用することができる。
【0035】
前記多層重合体をメタクリル樹脂(C)と混合する方法としては、例えば、単軸押出機や二軸押出機で溶融混練する方法等の従来公知の方法を採用することができる。
【0036】
前記メタクリル樹脂組成物には、必要に応じて膠着防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、染料等の添加剤を含有させてもよい。中でも紫外線吸収剤は、耐候性を向上させるうえで好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、例えば、一般に用いられるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤などが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが例示される。2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロロベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどが例示される。また、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤として具体的には、p−tert−ブチルフェニルサリチル酸エステル、p−オクチルフェニルサリチル酸エステルなどが例示される。
【0037】
これらの紫外線吸収剤は、それぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。紫外線吸収剤を配合する場合、その量は、メタクリル樹脂組成物全量を基準に、通常0.1重量%以上であり、好ましくは0.3重量%以上、また好ましくは2重量%以下である。
【0038】
これらの添加剤は、多層重合体の重合の際に添加したり、混練機、押出機、成形機等で加工する際に添加したりすることができる。
【0039】
前記メタクリル樹脂組成物は、さらにフィルム状に成形して、例えば、自動車の内装用資材、家電製品の外装用資材、建築用資材(エクステリア)等に好適に使用することができる。該フィルムの厚さは、通常0.03〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.15mmである。また、該フィルムの製造方法としては、例えば、溶融流延法、Tダイ法やインフレーション法のような溶融押出法、カレンダー法等を採用することができる。中でも、前記メタクリル樹脂組成物を、例えばTダイから溶融押出して得られるフィルム状物の少なくとも片面をロール又はベルトに接触させて製膜する方法は、表面性状の良好なフィルムが得られる点で好ましい。とりわけ、フィルムの表面平滑性及び表面光沢性を向上させる観点からは、上記メタクリル樹脂組成物を溶融押出成形して得られるフィルム状物の両面をロール表面又はベルト表面に接触させてフィルム化する方法が好ましい。
【0040】
また、このメタクリル樹脂組成物からなるフィルムは着色されていてもよい。着色法としては、前記メタクリル樹脂組成物自体に顔料又は染料を含有させ、フィルム化前の樹脂組成物自体を着色する方法、染料が分散した液中にメタクリル樹脂組成物からなるフィルムを浸漬して着色させる染色法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。このメタクリル樹脂組成物からなるフィルムは、その少なくとも一方の面に、絵柄などの印刷を施したり、着色層を設けたりして、意匠層を形成することもできる。これらの意匠層は、深みのある外観を与えるうえで、内装壁材を構成する基材と接する側に施すのが好ましい。
【0041】
このメタクリル樹脂組成物からなるフィルムは、その片面に他の熱可塑性樹脂からなる層が少なくとも1層積層されていてもよい。前記フィルムの片面に印刷や着色などの意匠層を有している場合は、その面に他の樹脂を積層することになる。別の熱可塑性樹脂との積層一体成形法としては、例えば、前記メタクリル樹脂組成物と熱可塑性樹脂とをそれぞれ別個に、予めフィルム状に成形しておき、加熱ロール間で連続的にラミネートする方法、プレスで熱圧着する方法、圧空又は真空成形すると同時に積層する方法、接着層を介在させてラミネートする方法(ウェットラミネーション)、予め成形した一方の樹脂フィルムを、Tダイから溶融押出しされたもう一方の樹脂とラミネートする方法などが挙げられる。これらの方法を用いる場合、フィルム状に成形されたメタクリル樹脂組成物からなるフィルムは、もう一方の熱可塑性樹脂基材と貼合される側の面に、例えば、コロナ処理などが施されてもよいし、接着層が設けられてもよい。また、印刷が施された別の熱可塑性樹脂フィルムを積層することもできる。ポリ塩化ビニル樹脂など、メタクリル樹脂組成物と相溶性の高い樹脂フィルムは、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムと直接積層すればよい。また、ポリオレフィン樹脂など、メタクリル樹脂組成物と非相溶な樹脂は、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムとの接着剤が必要となるので、ドライラミネート等の手法を採るとよい。なお、片面に積層される他の熱可塑性樹脂を着色しておき、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムは無色透明のままで、着色樹脂側に内装壁材の基材が貼合成形されるようにすれば、深み感のある着色状態を呈する優れた加飾部材とすることができる。
【0042】
前記メタクリル樹脂組成物からなるフィルムとの積層に適した熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、他の(メタ)アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂などが挙げられる。これらのなかでも、特に、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂が好ましい。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で用いた「部」は全て「重量部」であり、「%」は全て「重量%」である。また、実施例および比較例の評価は以下の方法により行った。
【0044】
(多層重合体の平均粒子径の測定)
大塚電子(株)製の「DLS−7000」を用いた動的光散乱法により、重量平均粒子径を測定した。
【0045】
(応力白化性の評価)
厚さ80μmのフィルムをサンプルとして用い、23℃の条件で行った。
突き上げ試験機(LLOYD INSTRUMENTS LTD.製:LF−Plus Universal Test Machine)のサンプルホルダーに、15mmΦの穴の空いた二枚のステンレス板でフィルムを挟み込んだ状態でこれを水平に固定し、この穴中央部に、先端が半球状の10mmΦのダートを1200mm/分の速度でフィルム面から下方へ5mmに突き下ろした。
この時の半球状に変形したフィルムの応力白化した状態を目視で観測し、以下のレベルで判定した。尚、5回試験を繰り返し、判定レベルの平均値を求めた。尚、同レベルが低い値である方が耐応力白化性に優れていることを意味する。
レベル0;全く白化が認められない。
レベル1;極薄く白化が認められる。(ほとんど白化していない。)
レベル2;薄い白化が認められる。(僅かに白化している。)
レベル3;白化が認められる。
レベル4;著しく白化が認められる。
【0046】
(表面硬度)
JIS K5600−5−4に準拠して、メタクリル樹脂組成物からなるフィルム表面の鉛筆硬度を測定した。
【0047】
実施例1
(a)乳化重合
まず、5Lのガラス製反応容器に、以下に示す水系媒体原料(ア)の全量を入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃に昇温し、ここに弾性重合体層(A)の原料(イ)の4分の3を45分間にわたって連続的に添加し、引き続き攪拌しながら同温度で45分間熟成し、シード粒子を得た。その後、追加開始剤原料(ウ)を添加して攪拌し、弾性重合体層(A)の原料(b)の残り4分の1を同温度で15分間にわたって連続的に添加し、さらに攪拌しながら同温度で45分間熟成して、弾性重合体層(A)の単層からなる重合体を含むラテックスを得た。このラテックスに、以下に示す追加開始剤原料(エ)を添加して攪拌し、その後、以下に示す硬質グラフト層(B)の原料(オ)を80℃で60分間にわたって連続的に添加し、引き続き攪拌しながら同温度で45分間熟成して、弾性重合体層(A)を内層としその外側に密接して硬質グラフト層(B)を有する2層重合体を含むラテックスを得た。
【0048】
<水系媒体原料(ア)>
イオン交換水 65.0部
炭酸ナトリウム 0.04部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.16部
過硫酸カリウム 0.013部
【0049】
<弾性重合体層(A)の原料(イ)>
アクリル酸ブチル 10.5部
メタクリル酸メチル 4.54部
スチレン 2.20部
メタクリル酸アリル 0.35部
【0050】
<追加開始剤原料(ウ)>
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.04部
過硫酸カリウム 0.004部
【0051】
<追加開始剤原料(エ)>
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.16部
過硫酸カリウム 0.018部
【0052】
<硬質グラフト層(B)の原料(オ)>
メタクリル酸メチル 15.75部
アクリル酸メチル 1.7325部
エチレングリコールジメタクリレート 0.0175部
【0053】
このようにして、内層がアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、スチレン及びメタクリル酸アリルが重合してなる弾性重合体層(A)、外層がメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、エチレングリコールジメタクリレートが重合してなる硬質グラフト層(B)からなり、各層の重量比率が50:50である略球状の2層構造の2層重合体を含むラテックスを得た。尚、弾性重合体層(A)の単層からなる重合体を含むラテックス、及び、前記2層重合体を含むラテックスについて、DLSにより重量平均粒子径を測定したところ、前者は66nmであり、後者は84nmであった。また、前記2層重合体を含むラテックス中の固形分濃度は35%であった。
【0054】
(b)多層重合体の回収
前記2層重合体を含むラテックスに1.5重量倍のイオン交換水を加えて攪拌し、80℃に加熱した後、強く攪拌した状態で、ラテックス中の固形分に対して2%に相当する量の硫酸マグネシウムを添加し、2層重合体粒子を凝析させた。次いで濾過して、2層重合体粒子を単離した。この2層重合体粒子を20重量倍の80℃に加熱したイオン交換水に投入し、攪拌後、濾過することで、洗浄を行った。この洗浄操作を合計5回繰り返した後、80℃設定の真空乾燥機で乾燥し、パウダー状の2層重合体粒子を得た。
【0055】
(c)使用するメタクリル樹脂(C)
メタクリル樹脂(C)として、メタクリル酸メチル95%及びアクリル酸メチル5%をバルク重合することにより得られたペレット状のメタクリル樹脂を使用した。
【0056】
(d)メタクリル樹脂組成物からなるフィルムの製造と該フィルムの評価
前記メタクリル樹脂(C)50部と実施例1(b)で得られた2層重合体粒子50部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレットとした。次いでこのペレットを、東洋精機(株)製の20mmΦの一軸押出機を用い、設定温度260℃のT型ダイを介して押し出し、2本のポリシングロールに両面が完全に接するようにして冷却し、厚さ80μmのメタクリル樹脂組成物からなるフィルムを得た。得られたフィルムについて、応力白化性及び鉛筆硬度を評価し、その結果を表1に示した。
【0057】
実施例2
実施例1において、硬質グラフト層(B)の原料(オ)の使用量を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムを得た。
【0058】
<硬質グラフト層(B)の原料(オ)>
メタクリル酸メチル 15.75部
アクリル酸メチル 1.6975部
エチレングリコールジメタクリレート 0.0523部
【0059】
得られたフィルムについて、応力白化性及び鉛筆硬度を評価し、その結果を表1に示した。尚、弾性重合体層(A)の単層からなる重合体を含むラテックス、及び、前記2層重合体を含むラテックスについて、DLSにより重量平均粒子径を測定したところ、前者は66nmであり、後者は84nmであった。
【0060】
実施例3
実施例1において、硬質グラフト層(B)の原料(オ)の使用量を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムを得た。
【0061】
<硬質グラフト層(B)の原料(オ)>
メタクリル酸メチル 15.75部
アクリル酸メチル 1.400部
エチレングリコールジメタクリレート 0.3430部
【0062】
得られたフィルムについて、応力白化性及び鉛筆硬度を評価し、その結果を表1に示した。尚、弾性重合体層(A)の単層からなる重合体を含むラテックス、及び、前記2層重合体を含むラテックスについて、DLSにより重量平均粒子径を測定したところ、前者は66nmであり、後者は84nmであった。
【0063】
比較例1
実施例1において、硬質グラフト層(B)の原料(オ)の使用量を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムを得た。
【0064】
<硬質グラフト層(B)の原料(オ)>
メタクリル酸メチル 15.75部
アクリル酸メチル 1.750部
エチレングリコールジメタクリレート 0部
【0065】
得られたフィルムについて、応力白化性及び鉛筆硬度を評価し、その結果を表1に示した。尚、弾性重合体層(A)の単層からなる重合体を含むラテックス、及び、前記2層重合体を含むラテックスについて、DLSにより重量平均粒子径を測定したところ、前者は66nmであり、後者は84nmであった。
【0066】
比較例2
実施例1において、硬質グラフト層(B)の原料(オ)の使用量を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、メタクリル樹脂組成物からなるフィルムを得た。
【0067】
<硬質グラフト層(B)の原料(オ)>
メタクリル酸メチル 15.75部
アクリル酸メチル 0.8750部
エチレングリコールジメタクリレート 0.8313部
【0068】
得られたフィルムについて、応力白化性試験を行ったところ、フィルムが破断された。その結果を表1に示した。尚、弾性重合体層(A)の単層からなる重合体を含むラテックス、及び、前記2層重合体を含むラテックスについて、DLSにより重量平均粒子径を測定したところ、前者は66nmであり、後者は84nmであった。
【0069】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜10重量部が重合してなる弾性重合体層(A)と、メタクリル酸アルキル50〜99.9重量部、ラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体0〜49.9重量部、及びラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体0.1〜3重量部が重合してなる硬質グラフト層(B)とを備え、かつ弾性重合体層(A)の外側に密接して硬質グラフト層(B)が形成されてなる2層の重合体層を含有することを特徴とする多層重合体。
【請求項2】
弾性重合体層(A)及び硬質グラフト層(B)の合計100重量部に対し、弾性重合体層(A)が30〜95重量部である請求項1に記載の多層重合体。
【請求項3】
粒子状である請求項1又は2に記載の多層重合体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の多層重合体1〜99重量部と、メタクリル樹脂(C)を99〜1重量部とを含有するメタクリル樹脂組成物。
【請求項5】
メタクリル樹脂(C)が、メタクリル酸アルキル70〜100重量部、及びこれと共重合可能な単量体0〜30重量部とが重合してなる請求項4に記載のメタクリル樹脂組成物。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のメタクリル樹脂組成物からなるフィルム。

【公開番号】特開2010−229201(P2010−229201A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75594(P2009−75594)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】