多条ねじ研削ウォームをドレッシングするための方法および研削方法ならびに研削ウォーム
【課題】多条ねじ研削ウォームをドレッシングするのに時間を要していた。
【解決手段】ねじ溝6、7、8のフランク3’、4’、5’の輪郭はらせん状に、および別の輪郭に対して平行に延在し、ドレッシング工具によって作成される。特に短いドレッシング時間で、改善した研削結果を得るために、少なくとも2つのねじ溝6、7、8において、フランク3’、4’、5’の輪郭を、形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別されるように作成する。
【解決手段】ねじ溝6、7、8のフランク3’、4’、5’の輪郭はらせん状に、および別の輪郭に対して平行に延在し、ドレッシング工具によって作成される。特に短いドレッシング時間で、改善した研削結果を得るために、少なくとも2つのねじ溝6、7、8において、フランク3’、4’、5’の輪郭を、形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別されるように作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多条ねじ研削ウォームをドレッシングするための方法に関する。本方法では、ねじ溝のフランクの輪郭はらせん状に、および別の輪郭に対して平行に延在し、ドレッシング工具によって作成される。さらに、本発明は、加工物を研削するための方法および研削ウォームに関する。
【背景技術】
【0002】
歯車および同様の構成部品を研削ウォームで研削するとき、つまり、歯車創成研削方法を用いて研削するときには、研削前にウォームをドレッシングすること、つまりねじ溝のフランクの輪郭を切り出すことが必要である。このために、ダイヤモンドドレッシングホイールを用いることができる。ダイヤモンドドレッシングホイールは数値制御(NC)によって制御され、フランクの輪郭に沿って駆動可能なため、必要な側面を作成することができる。この場合には、たとえば特許文献1に記載されているように、いわゆるトポロジカルドレッシング法が可能である。ねじ溝のフランクの輪郭はここでは、実質的に点ごとに、または行ごとに作成され、フランクの輪郭は研削ウォームとドレッシングホイールとの間の複数の径方向切り込み量において構築される。
【0003】
同様の解決法は、特許文献2および特許文献3から既知である。
【0004】
また、完全輪郭ドレッシングも可能であり、輪郭を取ったドレッシング工具をねじ溝に差し入れることにより、その形状をねじ溝のフランクに伝える。
【0005】
多条ねじ研削ウォームを用いる場合は、したがって、複数のねじ溝がらせん状に、および別の輪郭に対して平行に生じ、各ねじ溝のドレッシング加工は連続して行われる。1つのねじ溝のドレッシングが完了すると、ねじ溝は「分割」されて、すべてのねじ溝がドレッシングされるまで、次のねじ溝に対するドレッシングが繰り返される。結果として、すべてのねじ溝、またはねじ溝のフランクの輪郭は、形状および表面構造の両方に関して、それぞれ均等にドレッシングされ、完成する。フランクの輪郭の側面は、すべてのねじ溝において、できるだけ同一であることが求められる。
【0006】
フランクの輪郭がトポロジカルドレッシング法によって、点ごとに、または行ごとに構築される場合は、ドレッシング工具は、フランクの側面を高精度に揃えるために、個別の「行」内で適切な重複を示さなければならない。このためには、行ごとの径方向の増分がわずかとなるように選択する。これにより、実際に、正確な輪郭を得ることができるが、比較的時間がかかる方法である。したがって、トポロジカルドレッシング法によるドレッシング時間は、このように適切な研削品質を追求し、または実現しなくてはならない場合には、重複係数が多くなるため、対応して長くなる。ねじ山ごとのドレッシングストローク数を適切に多くなるように選択する必要があり、これには時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許第102007020479号
【特許文献2】独国特許第69526851号
【特許文献3】独国特許公開第102009021578号
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の目的は、研削ウォームをドレッシングするための一般的な種類の方法を開発することである。つまり、本方法では、時間があまりかからない方式で均等に良好な研削結果を得ることができ、または同一のドレッシング時間でより良いドレッシングの結果を得ることができる。このためには、適切な研削方法および適切な研削ウォームも提案する。
【0009】
この目的の解決法である、本発明による多条ねじ研削ウォームをドレッシングするための方法は、少なくとも2つのねじ溝において、形状および/または表面構造によって、フランクの輪郭が別の輪郭から区別されるように作成することを特徴とする。ドレッシングは、ドレッシング工具の研削領域がフランクの輪郭の径方向高さ全体の一部に沿ってのみ延在するドレッシング工具を用いて行われ、つまり、トポロジカルドレッシング法を用いて行われる。フランクの輪郭全体は複数のドレッシング段階で作成され、各段階でフランクの輪郭の異なる径方向部分が作成され、少なくとも2つのねじ溝において、個別の径方向部分はお互いに対して径方向に偏位して配置される。
【0010】
したがって、従来技術とは反対に、個別のねじ溝のフランクの輪郭の形状がお互いにそれぞれ選択的に異なること、または表面構造に関する差異が存在することが提案される。
【0011】
好ましくは、すべてのねじ溝において、形状および/または表面構造によって、フランクの輪郭が別の輪郭から区別されるように作成する。
【0012】
ドレッシング加工の一部分を行い、好ましくは、研削ウォームとドレッシング工具との間の相対的な軸運動が、研削ウォームとドレッシング工具との間の径方向距離が一定になるように駆動する。
【0013】
ねじ溝内の個別の径方向部分間の径方向オフセットは、好ましくは等距離に配置される。
【0014】
ドレッシングは、好ましくは、ドレッシング加工中に回転軸の周りを回転する円盤状のドレッシング工具を用いて行われる。
【0015】
この事例では、本方法で提示する特別な実施形態により、個別のねじ溝のドレッシングは、研削ウォームの軸と円盤状のドレッシング工具の軸との間の距離が異なるように選択し、次に、個別のねじ溝のドレッシング中に研削ウォームの回転軸とドレッシング工具の回転軸との間で、異なる枢動角度を用いることによって行うことができる。それにより、上記軸はお互いに対してねじれて配置される(つまり、軸は平行ではなく、お互いに交わらない)。実際に、研削ウォームとドレッシングホイールとの間の径方向距離は変化しているため、相対的な枢動角度はねじ溝ごとに様々である。このようにして、ねじ溝ごとのドレッシング中に他の噛み合い状況も近くにあるため、ねじ溝のフランクの表面構造に具体的に影響を与えることができる。
【0016】
一実施形態では、別の軸部分と隣接する少なくとも2つの軸部分を研削ウォームの軸伸長に沿って切り出し、ねじ溝の軸隣接部分のフランクの輪郭を形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別することを提案している。
【0017】
周辺に沿って複数の歯または歯状の突起を有する加工物を、複数のねじ溝を有する研削ウォームで研削するために本発明が提案する方法では、上記ドレッシング方法を使用し、歯または歯状の突起の数とねじ溝の数の比率が整数とならないように選択することを特徴とする。
【0018】
そうすることによって、次の効果が実現できる。多条研削ウォームを歯車または同様の加工物の研削作業に適用する際には、研削ウォームの各溝は各歯溝と複数回接触する。研削ウォームのねじ溝の数は、任意の加工物に対して選択される。したがって、加工物の歯の数をねじ溝の数で割っても、整数となってはならない。
【0019】
歯状の側面を有する歯車またはロータを研削するために、本発明が提案する多条ねじ研削ウォームは、少なくとも2つのねじ溝が、形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別されるフランクの輪郭を有することを特徴とする。また、フランクの輪郭全体は複数の径方向部分からなり、個別の径方向部分は少なくとも2つのねじ溝において、お互いに対して径方向に偏位する。
【0020】
研削ウォームは、好ましくは、別の軸部分に隣接する少なくとも2つの軸部分が研削ウォームの軸伸長に沿って配置され、ねじ溝の軸隣接部分のフランクの輪郭は形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別されることを特徴とする。
【0021】
本発明が提案する方法または提案する研削ウォームを用いて、歯車および特別な側面(たとえばロータまたはサイクロイドなど)を硬質仕上げすることができる。
【0022】
本方法は、トポロジカルドレッシングおよび完全輪郭ドレッシングの両方に用いることができる。
【0023】
したがって、本発明は従来技術と比較すると、次のように反対の方法を採る。つまり、様々な表面構造または形状を得るために、研削ウォームの個別のねじ溝は様々に選択的にドレッシングされる。
【0024】
したがって、本発明は、研削ウォームを次のようにドレッシングすることを提案する。少なくとも部分的に、つまり所定の軸部分に沿って、いわば所定の軸位置において、異なるねじ溝の上記部分または上記軸位置において、異なる側面の形状または表面構造が得られるようにドレッシングする。
【0025】
側面の形状または表面構造は、ねじ溝において研削ウォームの軸伸長に沿って変化することができる。次に、研削ウォームの異なる側面を持つ軸部分を、研削中に加工物の異なる軸部分に配置し、加工物の側面に特別な修正を加えることができる。本方法に関しては特許文献2に詳細に記載されている。
【0026】
次に、加工物を研削する場合に、工具の各ねじ溝は、加工物の各溝と複数回噛み合い、個別のねじ溝の形は加工物に完全に反映される。これにより、加工物の表面構造および形状に対して影響を与えることができる。
【0027】
したがって、研削ウォームのドレッシングを短時間で実行することができ、および/または加工物の加工品質を向上させることができる。
【0028】
本発明が提案する方法を用いると、様々な目的を達成することができる。
【0029】
まず、重複係数を増加して、トポロジカルドレッシングが実現できる。
【0030】
トポロジカルドレッシングでは、前述の通り、ドレッシング工具とドレッシングの対象である研削ウォームのねじ溝フランクとの間に、実質的に点状の接点が存在する。工具上の個別の「トラック」または「行」によって、所望する側面をドレッシングを通じて適用する。前述の「トラック」または「行」の距離は研削結果にとって重要である。個別のトラックの距離が、ドレッシング工具の有効幅(または有効高さ)と一致する場合は、重複係数は1となる。理論的には、これは起こりえる最小の重複に対応し、したがって、起こりえる最小の個別トラック数のドレッシングに対応する。品質上の理由から、かなり高い重複係数が実際には選択されるため、対応して長時間のドレッシング時間が必要となる。
【0031】
前述の通り、本発明の概念による非常に有利な実施形態は、径方向に偏位またはオフセットされる上記のトラックを研削ウォームの異なるねじ溝上に適用することに関連し、したがって理論的により高い重複係数を実現することにある。
【0032】
本発明が提案する方法の別の有利点は、構造に影響を与えられることである。
【0033】
各個別のねじ溝は、たとえば、ドレッシング工具の軸と研削ウォームの軸との間の距離に関連してドレッシングされる。ドレッシング工具の軸と研削ウォームの軸との間の距離は溝ごとに多少異なる。それにより変化する個別の溝の形状は、ドレッシング時にドレッシングホイールの軸および研削ウォームの軸の枢動角度を修正することによって修正される。それにより、フランクのすべての輪郭は実際に形状的には同一となるが、表面構造から別の輪郭とは区別される。
【0034】
本発明の目的は、研削時に破砕される表面構造を得ることであり、この表面構造はその後の操作において、たとえば変速装置において、加工物の騒音特性に良い影響を与える。
【0035】
さらに、形状に関する影響も追求することができる。
【0036】
個別のねじ溝を形状が異なるようにドレッシングする場合は、以上により研削時に、加工物の形状に影響を与えることができ、移動運動(研削ウォームの回転軸の方向における運動)が研削中に発生する。
【0037】
図において、本発明の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ドレッシング工具でドレッシングされる3条研削ウォームの概略側面図を示す。
【図2】図1による研削ウォームの部分的な径方向部分を示す。図中、ドレッシングの種類は従来技術によるものである。
【図3】図1による研削ウォームの部分的な径方向部分を示す。図中、本発明によるドレッシングを示す。
【図4】図3による研削ウォームの3つの隣接するフランクの拡大図を示す。
【図5】研削ウォームの概略側面図を示し、研削ウォームの複数の軸部分には記号を付けている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、まず一般的に、ドレッシング工具2を用いて研削ウォーム1をドレッシングする方法を示す。本図では、ドレッシング工具はドレッシングホイールとして構成され、ドレッシング中に軸aの周りを回転する。研削ウォーム1はドレッシング中に、自らの回転軸Aの周りを回転する。
【0040】
本図では、研削ウォーム1は3つのねじ山、つまり、3つのねじ溝6、7および8を有するように構成される。3つのねじ溝6、7および8はらせん状に、および隣同士お互いに平行して、回転軸Aの周りに延在する。
【0041】
従来技術と共通するドレッシング加工を図2に示す。ドレッシング工具2の切削面は行ごとに、または列ごとに所定の半径で軸方向に導かれ、ねじ溝6のフランク3’および3’’の輪郭、ねじ溝7のフランク4’および4’’の輪郭ならびにねじ溝8のフランク5’および5’’の輪郭を連続して形成することが分かる(トポロジカルドレッシング)。この工程で、ドレッシング工具2は、各行または各列のフランクに、径方向部分9を切削する。1つの列をドレッシングすると、ドレッシング工具2は、たとえば、径方向部分9の径方向高さと一致する高さだけ、研削ウォーム1に対して径方向に送られる。
【0042】
したがって、従来技術による研削ウォームは、すべてのねじ溝6、7、8のすべてのドレッシング線が同一の半径となることを特徴とし、これを図2に平行な点線で示す。
【0043】
対照的に、本発明を適用した具体的な実施形態の結果として、図3は別の手順方法を示し、図4は(図3の3つのフランク3’、4’および5’の輪郭の)拡大図を示す。
【0044】
ここでも、列ごとに、または行ごとにドレッシングを行う(トポロジカルドレッシング)。図2の第1のねじ溝6と同様に、第1のねじ溝6に対してドレッシングを行う。ドレッシング工具2はフランク3’の輪郭上で径方向部分9’に対して側面を当てる。この径方向部分9’は、ドレッシング工具2の切削領域の径方向高さhに基本的に一致する。したがって、ドレッシングストロークの数(列)は、ドレッシング工具2の切削領域の径方向高さhを用いてフランク3、4、5の輪郭の径方向高さH全体に及ぶ必要があることは、はっきりと明らかである。
【0045】
しかし、後続するねじ溝7、またはフランク4’の輪郭はドレッシング工具2と研削ウォーム1との間と同じ径方向距離ではドレッシングされず、径方向距離は径方向オフセットΔR分だけ減少する。その結果として、フランク4’の輪郭はフランク3’の輪郭と比べて形状的に変化する。
【0046】
このように、同一の方法で、フランク5’の輪郭のドレッシングも行う。ここでも、径方向距離は、ドレッシング工具2と研削ウォーム1との間の径方向オフセットΔR分だけ減少する。これが、対応する「行」が第1のねじ溝6に対して2ΔR分だけ径方向に偏位する理由である。
【0047】
したがって、3つの連続するねじ溝6、7および8の径方向部分9’、9’’および9’’’は、お互いに対して径方向オフセットΔR分だけそれぞれ偏位する。
【0048】
図4から分かるように、径方向オフセットΔRはねじ溝ごとに均等に(等間隔に)選択されている。図4では、径方向オフセットΔRは、9’、9’’または9’’’の径方向部分の三分の一、またはドレッシング工具2の切削領域の径方向高さhの三分の一である。
【0049】
ねじ溝の数をこのように選択すると、歯車の歯の数(ZW)を研削ウォームのねじ溝の数(ZS)で割った商は整数ではなく、歯車のすべての歯はすべてのねじ溝にゆっくりと入り、このようにして、切削面の均等化が実現できる。
【0050】
これは、フランクの「山の頂」が、歯車の研削中に衝撃によって減少することが原因であり、図4にかなり強調して示す。
【0051】
図5では、軸伸長Bを有する研削ウォーム1を概略的に示す。軸伸長Bは3つの軸部分に分割され、それぞれ第1の軸部分B1、第2の軸部分B2および第3の軸部分B3とする。3つの軸部分B1、B2およびB3では、側面は、前述のようにねじ溝ごとに径方向オフセットΔRによってのみ決まるのではなく、フランクの輪郭の側面は、研削ウォーム1の軸伸長に沿って、ねじ溝内でも異なる。これにより、歯車の研削中に異なる軸部分B1、B2、B3を加工物の異なる幅部分にあてがうことによって、研削される歯車で側面の修正を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1 研削ウォーム
2 ドレッシング工具
3’、3’’ フランクの輪郭
4’、4’’ フランクの輪郭
5’、5’’ フランクの輪郭
6 ねじ溝
7 ねじ溝
8 ねじ溝
9 径方向部分
9’ 径方向部分
9’’ 径方向部分
9’’’ 径方向部分
h 切削領域の径方向高さ
H フランクの輪郭の径方向高さ
ΔR 径方向オフセット
a ドレッシング工具の回転軸
A 研削ウォームの回転軸
ZW 歯または波状突起の数
ZS ねじ溝の数
B 研削ウォームの軸伸長
B1 研削ウォームの第1の軸部分
B2 研削ウォームの第2の軸部分
B3 研削ウォームの第3の軸部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、多条ねじ研削ウォームをドレッシングするための方法に関する。本方法では、ねじ溝のフランクの輪郭はらせん状に、および別の輪郭に対して平行に延在し、ドレッシング工具によって作成される。さらに、本発明は、加工物を研削するための方法および研削ウォームに関する。
【背景技術】
【0002】
歯車および同様の構成部品を研削ウォームで研削するとき、つまり、歯車創成研削方法を用いて研削するときには、研削前にウォームをドレッシングすること、つまりねじ溝のフランクの輪郭を切り出すことが必要である。このために、ダイヤモンドドレッシングホイールを用いることができる。ダイヤモンドドレッシングホイールは数値制御(NC)によって制御され、フランクの輪郭に沿って駆動可能なため、必要な側面を作成することができる。この場合には、たとえば特許文献1に記載されているように、いわゆるトポロジカルドレッシング法が可能である。ねじ溝のフランクの輪郭はここでは、実質的に点ごとに、または行ごとに作成され、フランクの輪郭は研削ウォームとドレッシングホイールとの間の複数の径方向切り込み量において構築される。
【0003】
同様の解決法は、特許文献2および特許文献3から既知である。
【0004】
また、完全輪郭ドレッシングも可能であり、輪郭を取ったドレッシング工具をねじ溝に差し入れることにより、その形状をねじ溝のフランクに伝える。
【0005】
多条ねじ研削ウォームを用いる場合は、したがって、複数のねじ溝がらせん状に、および別の輪郭に対して平行に生じ、各ねじ溝のドレッシング加工は連続して行われる。1つのねじ溝のドレッシングが完了すると、ねじ溝は「分割」されて、すべてのねじ溝がドレッシングされるまで、次のねじ溝に対するドレッシングが繰り返される。結果として、すべてのねじ溝、またはねじ溝のフランクの輪郭は、形状および表面構造の両方に関して、それぞれ均等にドレッシングされ、完成する。フランクの輪郭の側面は、すべてのねじ溝において、できるだけ同一であることが求められる。
【0006】
フランクの輪郭がトポロジカルドレッシング法によって、点ごとに、または行ごとに構築される場合は、ドレッシング工具は、フランクの側面を高精度に揃えるために、個別の「行」内で適切な重複を示さなければならない。このためには、行ごとの径方向の増分がわずかとなるように選択する。これにより、実際に、正確な輪郭を得ることができるが、比較的時間がかかる方法である。したがって、トポロジカルドレッシング法によるドレッシング時間は、このように適切な研削品質を追求し、または実現しなくてはならない場合には、重複係数が多くなるため、対応して長くなる。ねじ山ごとのドレッシングストローク数を適切に多くなるように選択する必要があり、これには時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許第102007020479号
【特許文献2】独国特許第69526851号
【特許文献3】独国特許公開第102009021578号
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の目的は、研削ウォームをドレッシングするための一般的な種類の方法を開発することである。つまり、本方法では、時間があまりかからない方式で均等に良好な研削結果を得ることができ、または同一のドレッシング時間でより良いドレッシングの結果を得ることができる。このためには、適切な研削方法および適切な研削ウォームも提案する。
【0009】
この目的の解決法である、本発明による多条ねじ研削ウォームをドレッシングするための方法は、少なくとも2つのねじ溝において、形状および/または表面構造によって、フランクの輪郭が別の輪郭から区別されるように作成することを特徴とする。ドレッシングは、ドレッシング工具の研削領域がフランクの輪郭の径方向高さ全体の一部に沿ってのみ延在するドレッシング工具を用いて行われ、つまり、トポロジカルドレッシング法を用いて行われる。フランクの輪郭全体は複数のドレッシング段階で作成され、各段階でフランクの輪郭の異なる径方向部分が作成され、少なくとも2つのねじ溝において、個別の径方向部分はお互いに対して径方向に偏位して配置される。
【0010】
したがって、従来技術とは反対に、個別のねじ溝のフランクの輪郭の形状がお互いにそれぞれ選択的に異なること、または表面構造に関する差異が存在することが提案される。
【0011】
好ましくは、すべてのねじ溝において、形状および/または表面構造によって、フランクの輪郭が別の輪郭から区別されるように作成する。
【0012】
ドレッシング加工の一部分を行い、好ましくは、研削ウォームとドレッシング工具との間の相対的な軸運動が、研削ウォームとドレッシング工具との間の径方向距離が一定になるように駆動する。
【0013】
ねじ溝内の個別の径方向部分間の径方向オフセットは、好ましくは等距離に配置される。
【0014】
ドレッシングは、好ましくは、ドレッシング加工中に回転軸の周りを回転する円盤状のドレッシング工具を用いて行われる。
【0015】
この事例では、本方法で提示する特別な実施形態により、個別のねじ溝のドレッシングは、研削ウォームの軸と円盤状のドレッシング工具の軸との間の距離が異なるように選択し、次に、個別のねじ溝のドレッシング中に研削ウォームの回転軸とドレッシング工具の回転軸との間で、異なる枢動角度を用いることによって行うことができる。それにより、上記軸はお互いに対してねじれて配置される(つまり、軸は平行ではなく、お互いに交わらない)。実際に、研削ウォームとドレッシングホイールとの間の径方向距離は変化しているため、相対的な枢動角度はねじ溝ごとに様々である。このようにして、ねじ溝ごとのドレッシング中に他の噛み合い状況も近くにあるため、ねじ溝のフランクの表面構造に具体的に影響を与えることができる。
【0016】
一実施形態では、別の軸部分と隣接する少なくとも2つの軸部分を研削ウォームの軸伸長に沿って切り出し、ねじ溝の軸隣接部分のフランクの輪郭を形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別することを提案している。
【0017】
周辺に沿って複数の歯または歯状の突起を有する加工物を、複数のねじ溝を有する研削ウォームで研削するために本発明が提案する方法では、上記ドレッシング方法を使用し、歯または歯状の突起の数とねじ溝の数の比率が整数とならないように選択することを特徴とする。
【0018】
そうすることによって、次の効果が実現できる。多条研削ウォームを歯車または同様の加工物の研削作業に適用する際には、研削ウォームの各溝は各歯溝と複数回接触する。研削ウォームのねじ溝の数は、任意の加工物に対して選択される。したがって、加工物の歯の数をねじ溝の数で割っても、整数となってはならない。
【0019】
歯状の側面を有する歯車またはロータを研削するために、本発明が提案する多条ねじ研削ウォームは、少なくとも2つのねじ溝が、形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別されるフランクの輪郭を有することを特徴とする。また、フランクの輪郭全体は複数の径方向部分からなり、個別の径方向部分は少なくとも2つのねじ溝において、お互いに対して径方向に偏位する。
【0020】
研削ウォームは、好ましくは、別の軸部分に隣接する少なくとも2つの軸部分が研削ウォームの軸伸長に沿って配置され、ねじ溝の軸隣接部分のフランクの輪郭は形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別されることを特徴とする。
【0021】
本発明が提案する方法または提案する研削ウォームを用いて、歯車および特別な側面(たとえばロータまたはサイクロイドなど)を硬質仕上げすることができる。
【0022】
本方法は、トポロジカルドレッシングおよび完全輪郭ドレッシングの両方に用いることができる。
【0023】
したがって、本発明は従来技術と比較すると、次のように反対の方法を採る。つまり、様々な表面構造または形状を得るために、研削ウォームの個別のねじ溝は様々に選択的にドレッシングされる。
【0024】
したがって、本発明は、研削ウォームを次のようにドレッシングすることを提案する。少なくとも部分的に、つまり所定の軸部分に沿って、いわば所定の軸位置において、異なるねじ溝の上記部分または上記軸位置において、異なる側面の形状または表面構造が得られるようにドレッシングする。
【0025】
側面の形状または表面構造は、ねじ溝において研削ウォームの軸伸長に沿って変化することができる。次に、研削ウォームの異なる側面を持つ軸部分を、研削中に加工物の異なる軸部分に配置し、加工物の側面に特別な修正を加えることができる。本方法に関しては特許文献2に詳細に記載されている。
【0026】
次に、加工物を研削する場合に、工具の各ねじ溝は、加工物の各溝と複数回噛み合い、個別のねじ溝の形は加工物に完全に反映される。これにより、加工物の表面構造および形状に対して影響を与えることができる。
【0027】
したがって、研削ウォームのドレッシングを短時間で実行することができ、および/または加工物の加工品質を向上させることができる。
【0028】
本発明が提案する方法を用いると、様々な目的を達成することができる。
【0029】
まず、重複係数を増加して、トポロジカルドレッシングが実現できる。
【0030】
トポロジカルドレッシングでは、前述の通り、ドレッシング工具とドレッシングの対象である研削ウォームのねじ溝フランクとの間に、実質的に点状の接点が存在する。工具上の個別の「トラック」または「行」によって、所望する側面をドレッシングを通じて適用する。前述の「トラック」または「行」の距離は研削結果にとって重要である。個別のトラックの距離が、ドレッシング工具の有効幅(または有効高さ)と一致する場合は、重複係数は1となる。理論的には、これは起こりえる最小の重複に対応し、したがって、起こりえる最小の個別トラック数のドレッシングに対応する。品質上の理由から、かなり高い重複係数が実際には選択されるため、対応して長時間のドレッシング時間が必要となる。
【0031】
前述の通り、本発明の概念による非常に有利な実施形態は、径方向に偏位またはオフセットされる上記のトラックを研削ウォームの異なるねじ溝上に適用することに関連し、したがって理論的により高い重複係数を実現することにある。
【0032】
本発明が提案する方法の別の有利点は、構造に影響を与えられることである。
【0033】
各個別のねじ溝は、たとえば、ドレッシング工具の軸と研削ウォームの軸との間の距離に関連してドレッシングされる。ドレッシング工具の軸と研削ウォームの軸との間の距離は溝ごとに多少異なる。それにより変化する個別の溝の形状は、ドレッシング時にドレッシングホイールの軸および研削ウォームの軸の枢動角度を修正することによって修正される。それにより、フランクのすべての輪郭は実際に形状的には同一となるが、表面構造から別の輪郭とは区別される。
【0034】
本発明の目的は、研削時に破砕される表面構造を得ることであり、この表面構造はその後の操作において、たとえば変速装置において、加工物の騒音特性に良い影響を与える。
【0035】
さらに、形状に関する影響も追求することができる。
【0036】
個別のねじ溝を形状が異なるようにドレッシングする場合は、以上により研削時に、加工物の形状に影響を与えることができ、移動運動(研削ウォームの回転軸の方向における運動)が研削中に発生する。
【0037】
図において、本発明の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ドレッシング工具でドレッシングされる3条研削ウォームの概略側面図を示す。
【図2】図1による研削ウォームの部分的な径方向部分を示す。図中、ドレッシングの種類は従来技術によるものである。
【図3】図1による研削ウォームの部分的な径方向部分を示す。図中、本発明によるドレッシングを示す。
【図4】図3による研削ウォームの3つの隣接するフランクの拡大図を示す。
【図5】研削ウォームの概略側面図を示し、研削ウォームの複数の軸部分には記号を付けている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、まず一般的に、ドレッシング工具2を用いて研削ウォーム1をドレッシングする方法を示す。本図では、ドレッシング工具はドレッシングホイールとして構成され、ドレッシング中に軸aの周りを回転する。研削ウォーム1はドレッシング中に、自らの回転軸Aの周りを回転する。
【0040】
本図では、研削ウォーム1は3つのねじ山、つまり、3つのねじ溝6、7および8を有するように構成される。3つのねじ溝6、7および8はらせん状に、および隣同士お互いに平行して、回転軸Aの周りに延在する。
【0041】
従来技術と共通するドレッシング加工を図2に示す。ドレッシング工具2の切削面は行ごとに、または列ごとに所定の半径で軸方向に導かれ、ねじ溝6のフランク3’および3’’の輪郭、ねじ溝7のフランク4’および4’’の輪郭ならびにねじ溝8のフランク5’および5’’の輪郭を連続して形成することが分かる(トポロジカルドレッシング)。この工程で、ドレッシング工具2は、各行または各列のフランクに、径方向部分9を切削する。1つの列をドレッシングすると、ドレッシング工具2は、たとえば、径方向部分9の径方向高さと一致する高さだけ、研削ウォーム1に対して径方向に送られる。
【0042】
したがって、従来技術による研削ウォームは、すべてのねじ溝6、7、8のすべてのドレッシング線が同一の半径となることを特徴とし、これを図2に平行な点線で示す。
【0043】
対照的に、本発明を適用した具体的な実施形態の結果として、図3は別の手順方法を示し、図4は(図3の3つのフランク3’、4’および5’の輪郭の)拡大図を示す。
【0044】
ここでも、列ごとに、または行ごとにドレッシングを行う(トポロジカルドレッシング)。図2の第1のねじ溝6と同様に、第1のねじ溝6に対してドレッシングを行う。ドレッシング工具2はフランク3’の輪郭上で径方向部分9’に対して側面を当てる。この径方向部分9’は、ドレッシング工具2の切削領域の径方向高さhに基本的に一致する。したがって、ドレッシングストロークの数(列)は、ドレッシング工具2の切削領域の径方向高さhを用いてフランク3、4、5の輪郭の径方向高さH全体に及ぶ必要があることは、はっきりと明らかである。
【0045】
しかし、後続するねじ溝7、またはフランク4’の輪郭はドレッシング工具2と研削ウォーム1との間と同じ径方向距離ではドレッシングされず、径方向距離は径方向オフセットΔR分だけ減少する。その結果として、フランク4’の輪郭はフランク3’の輪郭と比べて形状的に変化する。
【0046】
このように、同一の方法で、フランク5’の輪郭のドレッシングも行う。ここでも、径方向距離は、ドレッシング工具2と研削ウォーム1との間の径方向オフセットΔR分だけ減少する。これが、対応する「行」が第1のねじ溝6に対して2ΔR分だけ径方向に偏位する理由である。
【0047】
したがって、3つの連続するねじ溝6、7および8の径方向部分9’、9’’および9’’’は、お互いに対して径方向オフセットΔR分だけそれぞれ偏位する。
【0048】
図4から分かるように、径方向オフセットΔRはねじ溝ごとに均等に(等間隔に)選択されている。図4では、径方向オフセットΔRは、9’、9’’または9’’’の径方向部分の三分の一、またはドレッシング工具2の切削領域の径方向高さhの三分の一である。
【0049】
ねじ溝の数をこのように選択すると、歯車の歯の数(ZW)を研削ウォームのねじ溝の数(ZS)で割った商は整数ではなく、歯車のすべての歯はすべてのねじ溝にゆっくりと入り、このようにして、切削面の均等化が実現できる。
【0050】
これは、フランクの「山の頂」が、歯車の研削中に衝撃によって減少することが原因であり、図4にかなり強調して示す。
【0051】
図5では、軸伸長Bを有する研削ウォーム1を概略的に示す。軸伸長Bは3つの軸部分に分割され、それぞれ第1の軸部分B1、第2の軸部分B2および第3の軸部分B3とする。3つの軸部分B1、B2およびB3では、側面は、前述のようにねじ溝ごとに径方向オフセットΔRによってのみ決まるのではなく、フランクの輪郭の側面は、研削ウォーム1の軸伸長に沿って、ねじ溝内でも異なる。これにより、歯車の研削中に異なる軸部分B1、B2、B3を加工物の異なる幅部分にあてがうことによって、研削される歯車で側面の修正を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1 研削ウォーム
2 ドレッシング工具
3’、3’’ フランクの輪郭
4’、4’’ フランクの輪郭
5’、5’’ フランクの輪郭
6 ねじ溝
7 ねじ溝
8 ねじ溝
9 径方向部分
9’ 径方向部分
9’’ 径方向部分
9’’’ 径方向部分
h 切削領域の径方向高さ
H フランクの輪郭の径方向高さ
ΔR 径方向オフセット
a ドレッシング工具の回転軸
A 研削ウォームの回転軸
ZW 歯または波状突起の数
ZS ねじ溝の数
B 研削ウォームの軸伸長
B1 研削ウォームの第1の軸部分
B2 研削ウォームの第2の軸部分
B3 研削ウォームの第3の軸部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多条ねじ研削ウォーム(1)をドレッシングするための方法であって、らせん状およびお互いに平行して延在するねじ溝(6、7、8)のフランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭はドレッシング工具(2)によって作成され、
前記少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)において、形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別される前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭が作成され、
前記ドレッシングは前記ドレッシング工具(2)を用いて実行され、前記ドレッシング工具(2)の切削領域は前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭の径方向高さ(H)全体の一部分(h)のみに沿って延在し、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記全体の輪郭は複数のドレッシング段階によって作成され、それにより、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭の異なる径方向部分(9’、9’’、9’’’)は作成され、前記個別の径方向部分(9’、9’’、9’’’)は前記少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)において、お互いに対して径方向に偏位して配置されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記すべてのねじ溝(6、7、8)において、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭は作成され、前記輪郭は形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ドレッシング加工の一部を実行し、前記研削ウォーム(1)と前記ドレッシング工具(2)との間の相対的な軸運動は、前記研削ウォーム(1)と前記ドレッシング工具(2)との間の径方向距離が一定となるように駆動されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ねじ溝(6、7、8)内の前記個別の径方向部分(9’、9’’、9’’’)間の径方向オフセット(ΔR)は等距離に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記円盤状のドレッシング工具(2)をドレッシングに使用し、前記円盤状のドレッシング工具(2)は、前記ドレッシング加工の間、回転軸(a)の周りを回転することを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記個別のねじ溝(6、7、8)の前記ドレッシングは、前記研削ウォーム(1)の軸と前記円盤状のドレッシング工具(2)との前記軸との間の距離を異なるように選択することによって行われ、次に、前記個別のねじ溝(6、7、8)をドレッシング中に、前記研削ウォーム(1)の前記回転軸(A)と前記ドレッシング工具(2)の前記回転軸(a)との間に異なる枢動角度を用いることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
別の軸部分に隣接する少なくとも2つの軸部分(B1、B2、B3)は前記研削ウォーム(1)の軸伸長(B)に沿って輪郭を描き、前記ねじ溝(6、7、8)の前記軸隣接部分(B1、B2、B3)の前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭は、形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別されることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数(ZW)の歯または歯状の突起を周辺部に有する加工物を、前記複数(ZS)のねじ溝(6、7、8)を有する研削ウォーム(1)で研削するための方法であって、前記研削ウォーム(1)は請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の方法にしたがってドレッシングされ、
歯または歯状の突起の前記数(ZW)とねじ溝(6、7、8)の前記数(ZS)の比率が整数とはならないように選択されることを特徴とする、方法。
【請求項9】
歯状の側面を有する歯車またはロータを研削する研削ウォーム(1)であって、前記研削ウォーム(1)は、らせん状に、および別の輪郭に対して平行に延在する複数のねじ溝(6、7、8)を備え
前記少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)は、形状および/または表面構造形状によって別の輪郭から区別される前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭を有し、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記全体の輪郭は、複数の径方向部分(9’、9’’、9’’’)からなり、前記個別の径方向部分(9’、9’’、9’’’)は少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)において、お互いに対して径方向に偏位して配置されることを特徴とする、研削ウォーム(1)。
【請求項10】
別の軸部分と隣接する少なくとも2つの軸部分(B1、B2、B3)は前記研削ウォーム(1)の前記軸伸長(B)に沿って配置され、前記ねじ溝(6、7、8)の前記軸隣接部分(B1、B2、B3)の前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭は、形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別されることを特徴とする、請求項9に記載の研削ウォーム。
【請求項1】
多条ねじ研削ウォーム(1)をドレッシングするための方法であって、らせん状およびお互いに平行して延在するねじ溝(6、7、8)のフランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭はドレッシング工具(2)によって作成され、
前記少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)において、形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別される前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭が作成され、
前記ドレッシングは前記ドレッシング工具(2)を用いて実行され、前記ドレッシング工具(2)の切削領域は前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭の径方向高さ(H)全体の一部分(h)のみに沿って延在し、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記全体の輪郭は複数のドレッシング段階によって作成され、それにより、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭の異なる径方向部分(9’、9’’、9’’’)は作成され、前記個別の径方向部分(9’、9’’、9’’’)は前記少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)において、お互いに対して径方向に偏位して配置されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記すべてのねじ溝(6、7、8)において、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭は作成され、前記輪郭は形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ドレッシング加工の一部を実行し、前記研削ウォーム(1)と前記ドレッシング工具(2)との間の相対的な軸運動は、前記研削ウォーム(1)と前記ドレッシング工具(2)との間の径方向距離が一定となるように駆動されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ねじ溝(6、7、8)内の前記個別の径方向部分(9’、9’’、9’’’)間の径方向オフセット(ΔR)は等距離に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記円盤状のドレッシング工具(2)をドレッシングに使用し、前記円盤状のドレッシング工具(2)は、前記ドレッシング加工の間、回転軸(a)の周りを回転することを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記個別のねじ溝(6、7、8)の前記ドレッシングは、前記研削ウォーム(1)の軸と前記円盤状のドレッシング工具(2)との前記軸との間の距離を異なるように選択することによって行われ、次に、前記個別のねじ溝(6、7、8)をドレッシング中に、前記研削ウォーム(1)の前記回転軸(A)と前記ドレッシング工具(2)の前記回転軸(a)との間に異なる枢動角度を用いることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
別の軸部分に隣接する少なくとも2つの軸部分(B1、B2、B3)は前記研削ウォーム(1)の軸伸長(B)に沿って輪郭を描き、前記ねじ溝(6、7、8)の前記軸隣接部分(B1、B2、B3)の前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭は、形状および/または表面構造によって、別の輪郭から区別されることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数(ZW)の歯または歯状の突起を周辺部に有する加工物を、前記複数(ZS)のねじ溝(6、7、8)を有する研削ウォーム(1)で研削するための方法であって、前記研削ウォーム(1)は請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の方法にしたがってドレッシングされ、
歯または歯状の突起の前記数(ZW)とねじ溝(6、7、8)の前記数(ZS)の比率が整数とはならないように選択されることを特徴とする、方法。
【請求項9】
歯状の側面を有する歯車またはロータを研削する研削ウォーム(1)であって、前記研削ウォーム(1)は、らせん状に、および別の輪郭に対して平行に延在する複数のねじ溝(6、7、8)を備え
前記少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)は、形状および/または表面構造形状によって別の輪郭から区別される前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の輪郭を有し、前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記全体の輪郭は、複数の径方向部分(9’、9’’、9’’’)からなり、前記個別の径方向部分(9’、9’’、9’’’)は少なくとも2つのねじ溝(6、7、8)において、お互いに対して径方向に偏位して配置されることを特徴とする、研削ウォーム(1)。
【請求項10】
別の軸部分と隣接する少なくとも2つの軸部分(B1、B2、B3)は前記研削ウォーム(1)の前記軸伸長(B)に沿って配置され、前記ねじ溝(6、7、8)の前記軸隣接部分(B1、B2、B3)の前記フランク(3’、3’’、4’、4’’、5’、5’’)の前記輪郭は、形状および/または表面構造によって、別の輪郭とは区別されることを特徴とする、請求項9に記載の研削ウォーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2013−82060(P2013−82060A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220430(P2012−220430)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(512255952)カップ ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】KAPP GmbH
【住所又は居所原語表記】Callenberger Strasse 52,96450 Coburg Germany
【出願人】(512255963)ナイルズ ヴェルクツォィグマスチネン ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】NILES Werkzeugmaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Nordring 20,12681 Berlin Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(512255952)カップ ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】KAPP GmbH
【住所又は居所原語表記】Callenberger Strasse 52,96450 Coburg Germany
【出願人】(512255963)ナイルズ ヴェルクツォィグマスチネン ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】NILES Werkzeugmaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Nordring 20,12681 Berlin Germany
【Fターム(参考)】
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