説明

多機能ユニット

【課題】ユニット全体の小型化を図ることができ、且つ、電装ボックスの取付方向を変更しても容易に対応することができるとともに、転倒検知センサによる転倒検知を精度よく行わせることができる多機能ユニットを提供する。
【解決手段】背面B側がシールされつつ小型船舶の所定部位に取り付けられるとともに、当該小型船舶が搭載する電装品のための電装ボックス1と、小型船舶の傾斜に応じて左右に動作する作動部3を有し、当該作動部3の動作に基づき小型船舶の転倒を検知する転倒検知センサ2とを備えた多機能ユニットであって、電装ボックス1の外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部(第1凹部1a〜第3凹部1c)がそれぞれ形成されるとともに、当該電装ボックス1の小型船舶に対する取付方向に応じて選択的に凹部の何れかに転倒検知センサ2が取り付けられるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背面側がシールされつつ乗り物の所定部位に取り付けられるとともに、当該乗り物が搭載する電装品のためのヒューズやリレーなどの電気部品を内部に収容する電装ボックスと、乗り物の傾斜に応じて左右に動作する作動部を有し、当該作動部の動作に基づき乗り物の転倒を検知する転倒検知センサとを備えた多機能ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
PWC(パーソナル・ウォータ・クラフト:水上オートバイ)などの小型船舶(乗り物)には、通常、背面側がシールされつつ乗り物の所定部位に取り付けられるとともに、当該小型船舶が搭載する電装品(スタータやビルジポンプ等)のためのヒューズやリレーなどの電気部品を内部に収容する電装ボックスが例えば着座シートの下部等に取り付けられている。
【0003】
かかる電装ボックスに対し、従来、小型船舶の傾斜に応じて動作する作動部を有し、当該作動部の動作に基づき小型船舶の転倒を検知する転倒検知センサを取り付けて多機能ユニットとしたものが提供されるに至っている。この転倒検知センサは、単独で防水が図られるとともに、電装ボックスの外周面における所定箇所(1箇所)に固定されていた。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の多機能ユニットにおいては、電装ボックスの外周面に転倒検知センサが取り付けられていたので、当該外周面から転倒検知センサが突出した状態となって大型化してしまうという不具合があった。また、電装ボックスの外周面における1箇所に転倒検知センサが取り付けられるよう設定されていたため、小型船舶(乗り物)に対する当該電装ボックスの取付方向を変更しようとする際、対応が困難であるという問題があった。即ち、転倒検知センサは、小型船舶(乗り物)の傾斜に応じて左右に動作する作動部を具備しているため、当該小型船舶(乗り物)の進行方向に対して決められた方向に取り付けられる必要があるため、その転倒検知センサを固定させる電装ボックスの取付方向を変更してしまうと、転倒検知センサによる転倒検知を精度よく行わせることができなくなってしまうのである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ユニット全体の小型化を図ることができ、且つ、電装ボックスの取付方向を変更しても容易に対応することができるとともに、転倒検知センサによる転倒検知を精度よく行わせることができる多機能ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、背面側がシールされつつ乗り物の所定部位に取り付けられるとともに、当該乗り物が搭載する電装品のためのヒューズやリレーなどの電気部品を内部に収容する電装ボックスと、乗り物の傾斜に応じて左右に動作する作動部を有し、当該作動部の動作に基づき乗り物の転倒を検知する転倒検知センサとを備えた多機能ユニットであって、前記電装ボックスの外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部がそれぞれ形成されるとともに、当該電装ボックスの乗り物に対する取付方向に応じて選択的に前記凹部の何れかに前記転倒検知センサが取り付けられることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の多機能ユニットにおいて、前記凹部の底面及び内周壁面が前記転倒検知センサの筐体を成すことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の多機能ユニットにおいて、前記転倒検知センサは、方向性を有した形状とされるとともに、当該形状に倣った形状で前記凹部が形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の多機能ユニットにおいて、前記凹部を覆って蓋をすることが可能な蓋部材と、前記凹部の周縁と前記蓋部材との間をシールするシール部材とを具備し、前記転倒検知センサが取り付けられた前記凹部に対し、前記シール部材にてシールしつつ蓋部材にて蓋をすることにより当該凹部内を密閉状態としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、電装ボックスの外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部がそれぞれ形成されるとともに、当該電装ボックスの乗り物に対する取付方向に応じて選択的に凹部の何れかに転倒検知センサが取り付けられるので、ユニット全体の小型化を図ることができ、且つ、電装ボックスの取付方向を変更しても容易に対応することができるとともに、転倒検知センサによる転倒検知を精度よく行わせることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、凹部の底面及び内周壁面が転倒検知センサの筐体を成すので、転倒検知センサの構成要素(作動部や接点等)を凹部に収容させることにより、転倒検知センサを構成させることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、転倒検知センサは、方向性を有した形状とされるとともに、当該形状に倣った形状で凹部が形成されたので、上下左右の方向を誤って転倒検知センサを凹部に組付けてしまうのを防止できる。
【0013】
請求項4の発明によれば、凹部を覆って蓋をすることが可能な蓋部材と、凹部の周縁と蓋部材との間をシールするシール部材とを具備し、転倒検知センサが取り付けられた凹部に対し、シール部材にてシールしつつ蓋部材にて蓋をすることにより当該凹部内を密閉状態としたので、転倒検知センサに対する防水を確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る多機能ユニットにおける電装ボックスの外観を示す4面図
【図2】同電装ボックスの背面側から内部を見た状態を示す模式図
【図3】同電装ボックスのキャップを取り外した状態を示す模式図
【図4】図1におけるIV−IV線断面図
【図5】図1におけるV−V線断面図
【図6】図1におけるVI−VI線断面図
【図7】同電装ボックスの第1凹部に転倒検知センサを取り付けた状態を示す4面図
【図8】同転倒検知センサの内部構成を示す拡大図
【図9】同電装ボックスの第1凹部に転倒検知センサを取り付けた状態の図1におけるIV−IV線に相当する断面図
【図10】同電装ボックスの第2凹部に転倒検知センサを取り付けた状態を示す4面図
【図11】同電装ボックスの第2凹部に転倒検知センサを取り付けた状態の図1におけるV−V線に相当する断面図
【図12】同電装ボックスの第3凹部に転倒検知センサを取り付けた状態を示す4面図
【図13】同電装ボックスの第3凹部に転倒検知センサを取り付けた状態の図1におけるVI−VI線に相当する断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る多機能ユニットは、PWC(パーソナル・ウォータ・クラフト:水上オートバイ)などの小型船舶(乗り物)における着座シートの下部等に取り付けられたもので、図1〜13に示すように、電装ボックス1と、転倒検知センサ2とから主に構成されている。尚、図1は、電装ボックス1に転倒検知センサ2が取り付けられる前の状態を示しており、図7、10、12は、電装ボックス1の第1凹部1a、第2凹部1b、第3凹部1cにそれぞれ転倒検知センサ2を取り付けた状態を示している。
【0016】
電装ボックス1は、例えば所定の樹脂(例えばガラス繊維を混入させた強化樹脂等)を射出成形させて得られた成形品から成る略箱型形状のものから成り、背面C側がパッキンP1(図2参照)にてシールされつつ小型船舶(乗り物)の所定部位(本実施形態においては着座シート下部)に取り付けられるとともに、当該小型船舶が搭載する電装品(例えば、スタータ、フューエルポンプやビルジポンプ等)のためのヒューズやリレーなどの電気部品を内部に収容したものである。即ち、電装ボックス1の背面C側には、その4隅部に突出部1eがそれぞれ一体成形されており、当該突出部1eに形成されたボルト孔にボルト(何れも図示しない)を挿通させて小型船舶の所定部位に固定可能とされているのである。
【0017】
電装ボックス1内には、複数のヒューズから成るヒューズ群αと複数のリレーから成るリレー群βとが収容されており、これら電気部品は、配線Hを介して小型船舶に搭載された各種電装品に接続されて所定の電気回路を形成している。また、本実施形態に係る電装ボックス1は、表面A側にキャップ1dが形成されており、図3に示すように、当該キャップ1dを取り外すことにより、ヒューズ群αを外部に臨ませ得るよう構成されている。尚、キャップ1dと電装ボックス1との間にはシール材P2が形成されており、防水が図られている。
【0018】
更に、電装ボックス1には、その外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部が形成されており、本実施形態においては、電装ボックス1の表面に第1凹部1a及び第2凹部1bの2つが形成されるとともに、側面B(表面Aと直交した面)に第3凹部1cが形成されている。尚、第3凹部1cは、電装ボックス1の他の側面に形成するようにしてもよく、更には、電装ボックス1の上下面の少なくとも何れか一方にも形成するようにしてもよい。
【0019】
第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cは、何れも電装ボックス1に一体成形された部位から成り、外輪郭形状(平面視形状)が異形とされて方向性を有した形状(本実施形態においては上下方向に非対称とされているが、上下方向及び/又は左右方向に非対象としてもよい)とされている。これら第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cは、何れも同一形状とされるとともに、第1凹部1aと第2凹部1bとが上下反対、且つ、第2凹部1bと第3凹部1cとが上下方向が同一に形成されている。而して、第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1cの何れかに転倒検知センサ2を収容させ得るようになっている。
【0020】
転倒検知センサ2は、図8に示すように、小型船舶(乗り物)の傾斜に応じて左右に動作する作動部3を有し、当該作動部3の動作に基づき当該小型船舶の転倒を検知するためのものである。より具体的には、転倒検知センサ2は、U字状部材4に取り付けられた作動部3と、右側接点5a及び左側接点5bがそれぞれ形成された基板5とを有して構成されている。
【0021】
そして、小型船舶(乗り物)が水平状態を保った状態では、作動部3がU字状部材4の中央から垂れ下がって中立位置とされるとともに、小型船舶(乗り物)が右側又は左側に傾くと作動部3がU字状部材4に沿って移動し、転倒に至ると当該作動部3が右側接点5a又は左側接点5bと接触して導通し、これによって転倒が検知される。尚、基板5からは、配線hが延設されており、転倒時の検出信号が小型船舶側(例えばECUなど)に送信され、転倒時にエンジンを停止させ得るようになっている。また、蓋部材7には、挿通孔7aが形成されており、当該挿通孔7aを介して配線hが延設されるよう構成されている。
【0022】
ここで、本実施形態においては、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)の底面及び内周壁面が転倒検知センサ2の筐体を成すものとされている。即ち、転倒検知センサ2は、別個独立の筐体を有しておらず、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cの何れか)内に転倒検知センサ2の構成要素(本実施形態においては、U字状部材4、作動部3や接点が形成された基板5)を組付けて成るものとされているのである。
【0023】
更に、本実施形態においては、図8〜13に示すように、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)を覆って蓋をすることが可能な蓋部材7と、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)の周縁と蓋部材7との間をシールするシール部材6とを具備し、転倒検知センサ2が取り付けられた凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cの何れか)に対し、シール部材6にてシールしつつ蓋部材7にて蓋をすることにより当該凹部内を密閉状態とし得るよう構成されている。
【0024】
尚、蓋部材7は、板状部材から成るとともに、ネジnにて凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cの何れか)の上部に螺着されるようになっている。また、シール部材6における挿通孔7aに対応する部位には、配線hの周囲を覆ってシールするための防水部haが一体形成されており、蓋部材7における配線hの延設部位のシールも併せて行わせ得るよう構成されている。
【0025】
上記構成により、転倒検知センサ2は、電装ボックス1の小型船舶(乗り物)に対する取付方向に応じて選択的に凹部の何れかに取り付けられるよう構成されている。即ち、転倒検知センサ2は、U字状部材4に沿って作動部3が中立位置から左右に移動することにより転倒を検知する構成であるため、当該作動部3を小型船舶(乗り物)の左右方向の傾斜に伴って移動させるには、小型船舶(乗り物)の進行方向に対して略直交した面内で作動部3が動作するよう取り付ける(即ち、小型船舶(乗り物)の傾斜方向と作動部3の動作方向とを合致させる)必要がある。
【0026】
本実施形態によれば、小型船舶(乗り物)の傾斜方向に対して作動部3をU字状部材4に沿って動作させ得るよう、転倒検知センサ2を第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cの何れかに選択的に取り付け得るのである。尚、転倒検知センサ2を第1凹部1aに選択的に取り付けた状態を図7及び図9、転倒検知センサ2を第2凹部1bに選択的に取り付けた状態を図10及び図11、転倒検知センサ2を第3凹部1cに選択的に取り付けた状態を図12及び図13にそれぞれ示している。
【0027】
例えば、図9、11において小型船舶(乗り物)の進行方向がcとなる如く電装ボックス1を取り付ける際は、第1凹部1a又は第2凹部1bに転倒検知センサ2を取り付け、その第1凹部1aに対してのみシール部材6を介して蓋部材7を取り付けるようにする一方、図13において小型船舶(乗り物)の進行方向がdとなる如く電装ボックス1を取り付ける際は、第3凹部1cに転倒検知センサ2を取り付け、その第3凹部1cに対してのみシール部材6を介して蓋部材7を取り付けるようにする。
【0028】
更に、小型船舶(乗り物)の進行方向がcとなる如く電装ボックス1を取り付ける場合において、図1においてb方向が上、a方向が下となる如く電装ボックス1を取り付ける際は、第1凹部1aに転倒検知センサ2を取り付け、その第1凹部1aに対してのみシール部材6を介して蓋部材7を取り付ける一方、図1においてa方向が上、b方向が下となる如く電装ボックス1を取り付ける際は、第2凹部1bに転倒検知センサ2を取り付け、その第2凹部1bに対してのみシール部材6を介して蓋部材7を取り付けるようにする。
【0029】
本実施形態によれば、電装ボックス1の外周面のうち少なくとも直交する2面(表面A及び側面B)に凹部(第1凹部1a及び第2凹部1bと第3凹部1c)がそれぞれ形成されるとともに、当該電装ボックス1の小型船舶(乗り物)に対する取付方向に応じて選択的に凹部の何れか(第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1c)に転倒検知センサ2が取り付けられるので、多機能ユニット全体の小型化を図ることができ、且つ、電装ボックス1の小型船舶(乗り物)の進行方向に対する取付方向を変更しても容易に対応することができるとともに、転倒検知センサ2による転倒検知を精度よく行わせることができる。
【0030】
特に、電装ボックス1の外周面に凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)を形成し、当該凹部の何れかに転倒検知センサ2を収容させるので、電装ボックス1内部のデッドスペースに転倒検知センサ2を配設させることができ、ユニット全体の小型化を図ることができるのである。また、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1c)に対して防水させることにより、転倒検知センサ2の防水を図ることができるので、より容易且つ確実な防水とすることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、電装ボックス1の表面Aにおいて上下逆形状の第1凹部1a及び第2凹部1bが形成されているので、当該電装ボックス1が上下逆方向に取り付けられても、容易に対応することができるとともに、転倒検知センサ2による転倒検知を精度よく行わせることができる。尚、電装ボックス1の側面Bにおいても、上下逆形状の凹部(即ち、第3凹部1cと上下逆の凹部)を形成するようにしてもよい。
【0032】
更に、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)の底面及び内周壁面が転倒検知センサ2の筐体を成すので、転倒検知センサ2の構成要素(作動部3や接点(5a、5b)等)を凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1cの何れか)に収容させることにより、転倒検知センサ2を構成させることができる。特に、本実施形態においては、転倒検知センサ2が方向性を有した形状とされるとともに、当該形状に倣った形状で凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)が形成されたので、上下左右の方向を誤って転倒検知センサ2を凹部(第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1c)に組付けてしまうのを防止(誤組みの防止)できる。
【0033】
また更に、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1c)の周縁に形成されたシール部材6と、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1c)を覆って蓋をすることが可能な蓋部材7とを具備し、転倒検知センサ2が取り付けられた凹部に対し、シール部材6にてシールしつつ蓋部材7にて蓋をすることにより当該凹部(第1凹部1a、第2凹部1b又は第3凹部1c)内を密閉状態としたので、転倒検知センサ2に対する防水を確実に行わせることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電装ボックス1の外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部がそれぞれ形成されるものであれば足り、例えば表面Aに第1凹部1aのみが形成され、且つ、側面Bに第3凹部1cのみが形成されたものとしてもよい。また、凹部(第1凹部1a、第2凹部1b及び第3凹部1c)は、その底面が電装ボックス1内部と連通したものであってもよい。尚、本実施形態においては、小型船舶(PWC)に適用されているが、他の乗り物に適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
電装ボックスの外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部がそれぞれ形成されるとともに、当該電装ボックスの乗り物に対する取付方向に応じて選択的に凹部の何れかに転倒検知センサが取り付けられる多機能ユニットであれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 電装ボックス
1a〜1c 凹部
2 転倒検知センサ
3 作動部
4 U字状部材
5 基板
6 シール部材
7 蓋部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面側がシールされつつ乗り物の所定部位に取り付けられるとともに、当該乗り物が搭載する電装品のためのヒューズやリレーなどの電気部品を内部に収容する電装ボックスと、
乗り物の傾斜に応じて左右に動作する作動部を有し、当該作動部の動作に基づき乗り物の転倒を検知する転倒検知センサと、
を備えた多機能ユニットであって、
前記電装ボックスの外周面のうち少なくとも直交する2面に凹部がそれぞれ形成されるとともに、当該電装ボックスの乗り物に対する取付方向に応じて選択的に前記凹部の何れかに前記転倒検知センサが取り付けられることを特徴とする多機能ユニット。
【請求項2】
前記凹部の底面及び内周壁面が前記転倒検知センサの筐体を成すことを特徴とする請求項1記載の多機能ユニット。
【請求項3】
前記転倒検知センサは、方向性を有した形状とされるとともに、当該形状に倣った形状で前記凹部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多機能ユニット。
【請求項4】
前記凹部を覆って蓋をすることが可能な蓋部材と、
前記凹部の周縁と前記蓋部材との間をシールするシール部材と、
を具備し、前記転倒検知センサが取り付けられた前記凹部に対し、前記シール部材にてシールしつつ蓋部材にて蓋をすることにより当該凹部内を密閉状態としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の多機能ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−43590(P2012−43590A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182628(P2010−182628)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】