説明

多流路濾過システム

軸方向反対側にある近位端および遠位端を有し、内部空洞と、近位端から遠位端に延びる第1、第2、および第3の流路とを画定する細長いハウジングを含む多流路フィルタ・カートリッジ・アセンブリが開示される。カートリッジ・アセンブリは、また、第1、第2、および第3のフィルタ要素を含む。第1のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで第1の流路を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで第2の流路を移動する流体を調整する。最後に、第3のフィルタ要素もハウジングの内部空洞内に配置され、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで第3の流路を移動する流体を調整する。第1の流路は、第2および第3の流路から隔離され、第2の流路は、第3の流路から隔離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年10月10日に出願された米国仮特許出願第61/195,898号明細書に対する優先権の利益を主張するものであり、この特許出願は、参照によりその全体を本明細書に援用するものとする。
【0002】
本発明は、例えば、健康管理用途で使用する濾過システムに関し、より詳細には、複数の異なる流体流路およびフィルタ・チャンバを有するフィルタ・カートリッジ・アセンブリを含む濾過システムに関し、さらにより詳細には、3つの独立した流体源を濾過または調整するように適合および構成された3流路フィルタ・カートリッジ・アセンブリおよびコントローラを含む濾過システムに関する。
【背景技術】
【0003】
健康管理用途、住宅用途、または産業用途などの多くの用途で、使用前に流体源またはガス源を濾過することが必要とされる。例えば、腹腔鏡手術では、患者の腹腔に炭酸ガスなどの加圧流体を充填または注入して、気腹と呼ばれるものを形成する。炭酸ガスは、患者の腹腔に供給される前に濾過されなくてはならない。
【0004】
さらに多くの用途で2つ以上の流体源の濾過が必要とされる。例えば、2007年12月18日に出願され、国際公開第2008/077080号パンフレットとして公開された、参照によりその全体を本明細書に援用する国際出願PCT/US07/88017号は、腹腔鏡手術で使用される、外科的注入(surgical insufflation)およびガス再循環のためのシステムを開示しており、この腹腔鏡手術では3つの独立した流体流れを利用し、これらの流体流れは使用中に濾過される。国際公開第2008/077080号パンフレットの図14および図15は、いくつかの要素の中で特に、外科的注入器および外科的トロカール(surgical trocar)に関連する制御ユニットを含む、外科的注入およびガス再循環のための代表的なシステムを開示している。開示したシステムでは、3つの流体管がトロカールを制御ユニットに接続する。制御ユニットとトロカールとの間に延びる3つの流路のそれぞれに、独立したフィルタ要素が設けられる。3つの独立したフィルタ要素を3つのフィルタ・ハウジングと共に利用するのは扱いにくく、空間が貴重である手術室の環境では望ましくない。さらに、フィルタ要素は同じに見えるが、実際上、使用されるフィルタ・カートリッジの大きさおよびタイプは、所望する流れ特性および必要な調整に応じて各流路ごとに変わる。したがって、保守作業中に、フィルタ・カートリッジが混ざって、誤ったハウジングおよび流路に不適切に置かれる可能性がある。さらに、腹腔鏡手術において、各手術の前にフィルタを交換する必要がある場合に、各フィルタ・カートリッジをそのハウジング内から個別に取りだして、交換しなければならず、これは、保守作業の範囲を広げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、3つの独立した流体源を濾過するように適合および構成された、腹腔鏡手術などの用途で使用するフィルタ・カートリッジ・アセンブリが必要である。さらに、コンパクトで、使用および維持が簡単な、外科的環境で使用できる濾過システムも必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特に、軸方向反対側にある近位端および遠位端を有し、内部空洞と、近位端から遠位端まで延びる第1、第2および第3の流路とを画定する細長いハウジングを含むフィルタ・カートリッジ・アセンブリに関する。
【0007】
カートリッジ・アセンブリは、また、第1、第2、および第3のフィルタ要素を含む。第1のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで第1の流路を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで第2の流路を移動する流体を調整する。最後に、第3のフィルタ要素もハウジングの内部空洞内に配置され、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで第3の流路を移動する流体を調整する。第1の流路は、第2および第3の流路から隔離され、第2の流路は、第3の流路から隔離される。
【0008】
ハウジングの近位端はコネクタ要素を含むのが好ましい。本発明の特定の実施形態では、コネクタ要素は、第1の導入ポートと、第2および第3の排出ポートとを含む。
【0009】
ハウジングは、同軸に配置された一対の周囲壁を有すると想定される。特定の構造では、ハウジングの周囲壁は一体に成形される。代替の構造では、ハウジングの内部空洞内に配置された円筒状の内側ハウジング要素を使用して、内側周囲壁が形成される。そのような構造では、第2および第3の流路の一部が、ハウジングの周囲壁間に画定されたギャップ内に延びると想定される。
【0010】
第1のフィルタ要素は半径方向にひだのあるフィルタであり、流体は第1のフィルタ要素を半径方向内側の方向に横断することによって、第1の流路内で調整されるのがここでは好ましい。さらに、第2のフィルタ要素は半径方向にひだのあるフィルタであり、流体は第2のフィルタ要素を半径方向外側の方向に横断することによって、第2の流路内で調整されることも想定される。最後に、本発明の好ましい実施形態では、第3のフィルタ要素はディスク状フィルタであり、流体は、第3のフィルタ要素を軸方向に横断することによって、第3の流路内で調整される。
【0011】
ここで開示されるフィルタ・カートリッジ・アセンブリの特定の構造において、ハウジングは、ハウジングの内部空洞内に配置され、第2のフィルタ要素用の第2のフィルタ・チャンバを形成する第2の内側ハウジング要素をさらに含む。さらに、本発明の実施形態では、ハウジングは、ハウジングの内部空洞に2つの長手方向チャネルを画定する2つの長手方向リブを含み、第2の流路はそのチャネルの一方を通り、第3の流路は他方のチャネルを通ると想定される。
【0012】
第1の排出ポート、第2の導入ポート、および第3の導入ポートは、ハウジングの遠位端に配置されるのが好ましい。さらに、第1の排出ポート、第2の導入ポート、および第3の導入ポートは、同軸に配置することができると想定される。
【0013】
本発明は、また、特に、軸方向反対側にある近位端および遠位端を有する細長いハウジングを含むフィルタ・カートリッジ・アセンブリに関する。ハウジングは、第1、第2、および第3のフィルタ・チャンバ、ならびにハウジングの近位端から遠位端まで延びる第1、第2、および第3の流路を画定する。第1のフィルタ要素はハウジングの第1のフィルタ・チャンバ内に配置され、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで第1の流路を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素はハウジングの第2のフィルタ・チャンバ内に配置され、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで第2の流路を移動する流体を調整する。第3のフィルタ要素はハウジングの第3のフィルタ・チャンバ内に配置され、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで第3の流路を移動する流体を調整する。カートリッジ・アセンブリは、第1の流路が、第2および第3の流路から隔離され、第2の流路が、第3の流路から隔離されるように構成される。
【0014】
本発明は、また、特に、中心軸と、軸方向反対側にある近位端および遠位端とを有する細長いハウジングを含むフィルタ・カートリッジ・アセンブリに関する。ハウジングは、軸方向に離間した複数のフィルタ・チャンバと、ハウジングの近位端から遠位端まで延びる複数の流路とを画定する。複数の流路は、それぞれ互いから隔離される。フィルタ・カートリッジは、また複数のフィルタ要素を含み、複数のフィルタ要素の1つが、複数の各フィルタ・チャンバ内に配置される。
【0015】
好ましい実施形態では、ハウジングは、3つのフィルタ・チャンバおよび3つの流路を画定する。さらに、そのような実施形態では、複数のフィルタ要素には、第1のフィルタ要素、第2のフィルタ要素、および第3のフィルタ要素が含まれると想定される。第1のフィルタ要素はハウジングの第1のフィルタ・チャンバ内に配置され、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで第1の流路を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素はハウジングの第2のフィルタ・チャンバ内に配置され、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで第2の流路を移動する流体を調整する。第3のフィルタ要素はハウジングの第3のフィルタ・チャンバ内に配置され、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで第3の流路を移動する流体を調整する。
【0016】
本発明は、また、3つの異なる流体源から受け入れた流体を調整する濾過システムに関し、濾過システムは、特に、コントローラ、ソケット・アセンブリ、およびフィルタ・カートリッジ・アセンブリを含む。コントローラは、濾過システム内の流体流れを調整および監視する手段を含み、細長い収容部を画定する。ソケット・アセンブリは、コントローラによって画定された細長い収容部内に少なくとも部分的に配置され、ロック要素を含む。フィルタ・カートリッジ・アセンブリは、ソケット・アセンブリに挿入され、ロック要素によってコントローラと流体連通した状態に固定される。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、ソケット・アセンブリのロック要素は、フィルタ・カートリッジ・アセンブリの外側面から延びる1つまたは複数の突起と係合するカム機構を含む。
【0018】
フィルタ・カートリッジ・アセンブリは、細長いハウジングと、第1、第2、および第3のフィルタ要素とを含むとここで想定される。細長いハウジングは、軸方向反対側にある近位端および遠位端を有し、内部空洞と、ハウジングの近位端から遠位端まで延びる第1、第2、および第3の流路とを画定する。第1のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで第1の流路を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで第2の流路を移動する流体を調整する。第3のフィルタ要素はハウジングの内部空洞内に配置され、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで第3の流路を移動する流体を調整する。第1の流路は、第2および第3の流路から隔離され、第2の流路は、第3の流路から隔離される。
【0019】
当業者が、本発明の装置および方法をより深く理解できるように、本発明の実施形態が、図面を参照して下記に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明に従って構成されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの側面図である。
【図1B】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの近位端の正面図を示している。
【図2】見やすくするために部品を切り離して示した、図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの分解斜視図である。
【図3A】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの正面図を示し、フィルタ・ハウジングを通る第1の流路を示している。
【図3B】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図を示し、フィルタ・ハウジングを通る第1の流路を示している。
【図4A】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの正面図を示し、フィルタ・ハウジングを通る第2の流路を示している。
【図4B】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図を示し、フィルタ・ハウジングを通る第2の流路を示している。
【図5A】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの正面図を示し、フィルタ・ハウジングを通る第3の流路を示している。
【図5B】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図を示し、フィルタ・ハウジングを通る第3の流路を示している。
【図6】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの近位端の正面図を示しており、端部キャップおよびディスク状フィルタが取り外されて、ディスク・ホルダが見えている。
【図7】図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの近位端の正面図を示しており、端部キャップ、ディスク状フィルタ、およびディスク・ホルダが取り外されて、流路が見えている。
【図8A】近位端キャップを取り外し、第3の流路を図解して示した、図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの部分断面図である。
【図8B】図8AのL−L切断線に沿って切り取った、図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図である。
【図8C】図8AのP−P切断線に沿って切り取った、図1Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図である。
【図9A】本発明の第2の好ましい実施形態に従って構成されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの側面図である。
【図9B】図9Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの近位端の正面図を提示している。
【図9C】図9Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの斜視図を提示している。
【図10】見やすくするために部品を切り離して示した、図9Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの分解斜視図である。
【図11】図9Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図であり、フィルタ・ハウジングを通る第1の流路を示している。
【図12A】図9Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの近位端の正面図である。
【図12B】図12AのE−E切断線に沿って切り取った、図9Aのフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図であり、フィルタ・ハウジングを通る第2および第3の流路を示している。
【図13A】本発明の実施形態に従って構成され、コントローラ/注入器モジュールおよびフィルタ・カートリッジ・アセンブリを含む3流路濾過システムの斜視図である。
【図13B】図13Bの3流路濾過システムの正面図である。
【図14】図13Aおよび図13Bの3流路濾過システムで使用するのに適したソケット・アセンブリの斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に従って構成され、図14のソケットに部分的に挿入されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に従って構成され、図14のソケット・アセンブリに完全に挿入されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの斜視図である。
【図17】図14のソケット・アセンブリに完全に挿入されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図である。
【図18】図14のソケット・アセンブリに完全に挿入されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの断面図であり、ソケット・アセンブリとフィルタ・カートリッジ・アセンブリとの間の流体連通を示している。
【図19】本発明のさらなる実施態様に従って構成されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリの前部−上部等角図である。
【図20】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの後部−上部等角図である。
【図21】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの右側面図である。
【図22】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの上面図である。
【図23】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの正面図である。
【図24】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの底面図である。
【図25】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの左側面図である。
【図26】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの前部−上部分解等角図である。
【図27】図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの後部−上部分解等角図である。
【図28】本発明の実施形態に従って構成され、コントローラ/注入器モジュールおよびフィルタ・カートリッジ・アセンブリを含む3流路濾過システムのさらなる実施形態の斜視図である。
【図29】図28の3流路濾過システムの正面図である。
【図30】一体チューブ・セットを備えた図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの前部−上部等角図である。
【図31】切り離し可能なチューブ・セットと併用するためのコネクタに適合した図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの前部−上部等角図である。
【図32】切り離し可能なチューブ・セットと併用するためのコネクタに適合した図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの詳細等角図であり、接続ブッシュを示している。
【図33】図32のブッシュの正面図である。
【図34】図32のブッシュの底部等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
典型的な実施形態を示すが、本発明の範囲を限定することを意図しない、図面を用いた特定の好ましい例示的な実施形態の詳細な説明から、本発明に従って構成されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリおよび濾過システムの利点が、当業者にいっそう容易に明らかになるであろう。
【0022】
ここで図面を参照すると、同じ参照数字は本発明の同様な構造の要素を示しており、本発明の好ましい実施形態に従って構成され、参照数字100によって全体として表されたフィルタ・カートリッジが図1A〜8Cに示されている。フィルタ・カートリッジ100は、軸方向反対側にある近位端(P)および遠位端(D)を有し、内部空洞を画定する細長いハウジング10を含む。下記にさらに詳細に説明するように、第1の流路25、第2の流路35、および第3の流路45は、ハウジングの近位端(P)から遠位端(D)まで延びている。流路は、図3B、図4B、図5Bおよび図8A〜8Cに流れ矢印で示されている。
【0023】
第1のフィルタ要素20、第2のフィルタ要素30、および第3のフィルタ要素40は、フィルタ・カートリッジ100の内部空洞内に配置されている。第1のフィルタ要素20は、(図3Aおよび図3Bに「吸い込み接続スロット」として示す)第1の導入ポート27から(図3Bに「吸い込み/戻し接続ポート」として示す)第1の排出ポート29まで第1の流路25を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素30は、(図4Bに「再循環濾過ポンプの圧力接続ポート」として示す)第2の導入ポート37から(図4Aに「圧力接続ポート」として示す)第2の排出ポート39まで第2の流路35を移動する流体を調整する。最後に、第3のフィルタ要素は、(図5Bに「再循環濾過ポンプの検出/注入接続ポート」として示す)第3の導入ポート47から(図5Aに「検出/注入接続ポート」として示す)第3の排出ポート49まで第3の流路45を移動する流体を調整する。図3B、図4B、および図5Bに最もよく示すように、第1の流路25は、第2の流路35および第3の流路45から隔離され、第2の流路35は、第3の流路45から隔離されている。
【0024】
図2および図3Bに示すように、第1のフィルタ要素20は、半径方向にひだのあるフィルタである。流体は、第1のフィルタ要素20を半径方向内側の方向に横断することによって、第1の流路25内で調整される。図2および図4Bに示すように、第2のフィルタ要素30も半径方向にひだのあるフィルタであり、流体は、第2のフィルタ要素30を半径方向外側の方向に横断することによって、第2の流路35内で調整される。最後に、図2および図5Aに示すように、第3のフィルタ要素40はディスク状のフィルタであり、流体は、第3のフィルタ要素40を軸方向/近位方向に横断することによって、第2の流路45内で調整される。
【0025】
図2は、フィルタ・カートリッジ100の分解斜視図を提示している。図2に示すように、フィルタ・カートリッジのハウジング10は、本体部分12、近位端キャップ60、および遠位端キャップ70を含む。ハウジング10の本体部分12は、第1のフィルタ要素20および第2のフィルタ要素30用のフィルタ・チャンバを部分的に画定する(図3Bを参照のこと)。第1のフィルタ要素20は、本体部分12に挿入され、近位端壁18に接触している。内部のフィルタ支持構造体85(図2)は、第1のフィルタ要素20を(図3Bおよび図4Bに「吸い込みフィルタ・チャンバ」として示す)第1の封止フィルタ・チャンバ22内に挟み込んでいる。内部のフィルタ支持構造体85は、第1のフィルタ要素20と当接する第1の仕切り要素87と、仕切り要素87から軸方向に延びる円筒状心棒89とを含む。O−リング83は、仕切り要素87に形成された円周溝内に配置され、第1のフィルタ・チャンバ22を第2のフィルタ・チャンバ32から流体的に隔離する助けとなる。
【0026】
第2のフィルタ要素30は、フィルタ支持構造体85の円筒状心棒89上に配置され、第2の仕切り要素90は、(図3Bおよび図3Aに「圧力フィルタ・チャンバ」として示す)第2のフィルタ・チャンバ32の遠位端を封止するのに使用される。第2の仕切り要素90は、フィルタ支持構造体85の円筒状心棒89が挿入された円筒状ネック部分92を有する。
【0027】
第3のフィルタ要素40は、ハウジング10内でディスク・ホルダ80上に支持されている。第3のフィルタ要素40およびディスク・ホルダ80は、近位端キャップ60と、ハウジング10の本体部分12の近位端壁18との間に配置されている。
【0028】
図3B、図4B、および図5Bに最もよく示すように、ハウジング10の本体部分12は、同軸に配置された一対の周囲壁14(外側)および周囲壁16(内側)を含み、これらの周囲壁は、近位端壁18と一体で成形されている。これらの図に示し、下記に詳細に説明するように、第2の流路35および第3の流路45の一部は、ハウジング10の周囲壁間に画定された通路に延びる。
【0029】
再度図2、図3A、図4Aおよび図5Aを参照すると、ハウジング10の近位端(P)はコネクタ要素50を含む。コネクタ要素50は、第1の導入ポート27、第2の排出ポート39、および第3の排出ポート49を収容している。コネクタ要素50はまた、フィルタ・カートリッジ100が、例えば、対になるコネクタ・ヘッドを有するチューブ・セットと流体的につながることを可能にする、ルアー・ロック取付具(luer lock fitting)と同様な雄ねじ52を含む。図3B、図4B、および図5Bに最もよく示すように、第1の排出ポート29、第2の導入ポート37、および第3の導入ポート47は、ハウジング10の遠位端(D)に同軸に配置されている。
【0030】
図3Aおよび図3Bに最もよく示すように、第1の流路25は、コネクタ要素50内に形成されたスロット付き穴である第1の導入ポート27から、ハウジング10の本体部分12の近位端壁18に形成された開孔4(図6および図7を参照のこと)を通って、第1のフィルタ・チャンバ22に延びている。この場合に、第1の流路25内の流体は、第1のフィルタ要素20の円周のまわりに分散され、フィルタ媒体を半径方向内側の方向に通過して(図8Cを参照のこと)、フィルタ要素の中心コア部に至ることで調整される。次いで、調整された流体は、第1のフィルタ要素20の中心コア部からフィルタ支持構造体85の円筒状心棒89内に画定された穴に遠位方向に進み、第1の排出ポート29を通ってフィルタ・ハウジング10を出る。
【0031】
図4Aおよび図4Bに最もよく示すように、第2の流路35は、フィルタ支持構造体85の円筒状心棒89の外周と、第2の仕切り要素90の円筒状ネック92との間に画定された第2の導入ポート37から、第2のフィルタ要素30の中心コア部に達するまで延びている。この場合に、第2の流路内の流体は、第2のフィルタ要素30のフィルタ媒体を半径方向外側の方向に進む(図8Bを参照のこと)ことで調整され、調整された流体は、ハウジング10の本体部分12の内周壁16と外周壁14との間に画定された軸方向流路6に供給される。軸方向流路6は図8Bにも見られ、「フィルタ・ハウジングを通る圧力フィルタ流路」として示されている。軸方向流路6内の調整された流体は、周囲端部壁18に形成された流れ開孔8(図6を参照のこと)を通ってハウジング10の本体部分12を出て、コネクタ50に形成された第2の排出ポート39を通ってフィルタ・カートリッジ100の近位端(P)を出る。
【0032】
図5Aおよび図5Bに最もよく示すように、第3の流路45は、最初に、第2の仕切り要素90の円筒状ネック92の外周と、端部キャップ70の円筒状ネック72との間に画定された第3の導入ポート47から、端部キャップ70と第2の仕切り要素90との間に画定された平面チャンバまで軸方向に延びている。第3の流路45は、このチャンバから、ハウジング10の本体部分12の内周壁16と外周壁14との間に画定された第2の軸方向流路2まで半径方向外側に延在している。この軸方向流路2は、図8Bおよび図8Cにも示されている(「フィルタ・ハウジングを通る検出/注入フィルタ流路」として示されている)。第2の軸方向流路2内の流体は、周囲端部壁18を通ってハウジングの本体部分を出て、三角形形状のチャンバ24(図7を参照のこと)に供給される。第3の流路45は、このチャンバ24から、ディスク・ホルダ80に形成された開孔37、およびディスク状フィルタである第3のフィルタ要素40を通る。次いで、調整された流体は、コネクタに形成された第3の排出ポート49を通ってハウジング10を出る。
【0033】
ここで図9A〜12Bを参照すると、本発明のさらに好ましい実施形態に従って構成され、参照数字200で全体として表されたフィルタ・カートリッジが示されている。フィルタ・カートリッジ200は、軸方向反対側にある近位端(P)および遠位端(D)を有し、内部空洞を画定する細長いハウジング110を含む。下記にさらに詳細に説明するように、第1の流路125、第2の流路135、および第3の流路145は、ハウジングの近位端(P)から遠位端(D)まで延びている。流路は、図11、図12A、および図12Bに流れ矢印で示されている。
【0034】
第1のフィルタ要素120、第2のフィルタ要素130、および第3のフィルタ要素140は、フィルタ・カートリッジ200の内部空洞内に配置されている。第1のフィルタ要素120は、(図11に「吸い込み接続スロット」として示す)第1の導入ポート127から第1の排出ポート129まで第1の流路125を移動する流体を調整する。第2のフィルタ要素130は、第2の導入ポート137から(図12Bに「圧力ガス出口」として示す)第2の排出ポート139まで第2の流路135を移動する流体を調整する。最後に、第3のフィルタ要素は、第3の導入ポート147から(図12Bに「注入ガス出口」として示す)第3の排出ポート149まで第3の流路145を移動する流体を調整する。図11、図12A、図12Bに最もよく示すように、第1の流路125は、第2の流路135および第3の流路145から隔離され、第2の流路135は、第3の流路145から隔離されている。
【0035】
図10および図11に示すように、第1のフィルタ要素120は半径方向にひだのあるフィルタである。流体は、第1のフィルタ要素120を半径方向内側の方向に横断することによって、第1の流路125内で調整される。図10および図12Bに示すように、第2のフィルタ要素130も半径方向にひだのあるフィルタであり、流体は、第2のフィルタ要素130を半径方向外側の方向に横断することによって、第2の流路135内で調整される。最後に、図10および図12Bに示すように、第3のフィルタ要素140はディスク状のフィルタであり、流体は、第3のフィルタ要素140を軸方向/近位方向に横断することによって、第2の流路145内で調整される。
【0036】
ここで図10を参照すると、図10は、フィルタ・カートリッジ200の分解斜視図を提示している。図10に示すように、フィルタ・カートリッジ200のハウジング110は、外側本体部分112および近位端キャップ160を含む。2重壁式ハウジング10および遠位端キャップ70を利用するフィルタ・カートリッジ100とは異なり、カートリッジ200用のハウジング110は、単一壁の外側本体部分112、第1の内部チャンバ・セグメント154、および第2の内部チャンバ・セグメント156を有する。ハウジング110の第1の内部チャンバ・セグメント154および第2の内部チャンバ・セグメント156は、第1のフィルタ要素120および第2のフィルタ要素130用のフィルタ・チャンバを部分的に画定する。
【0037】
第2の内部チャンバ・セグメント156は、円筒状ネック部分192(図9A)を含み、このネック部分192は、外側本体部分112の遠位端に形成された開孔を貫通するまで、ハウジング110の外側本体部分112の近位端(P)に挿入される。第2のフィルタ要素130は、第2の内部チャンバ・セグメント内に配置され、第2のフィルタ・チャンバ132は、第1の内部チャンバ・セグメント154に結合された円筒状心棒189を、第2のフィルタ要素130の中心から円筒状ネック部分192の穴に挿入することで確立される。第1のフィルタ要素120は、第1の内部チャンバ・セグメント154によって画定された内部空洞内に収容され、第1のフィルタ・チャンバ122は、ディスク・ホルダ150(図10を参照のこと)および近位端キャップ160を使用して、外側本体部分112の近位端を封止することで確立される。第3のフィルタ要素140は、上側半体150aおよび下側半体150bを含むディスク・ホルダ150によってハウジング110内に支持される。
【0038】
図9Cに最もよく示すように、ハウジング110の外側本体部分は、約90°離間した2つの長手方向リブ158a、158bを含む。リブ158a、158bは、外側本体部分112の内側壁と、第1の内側チャンバ・セグメント154および第2の内側チャンバ・セグメント156の外側面との間に長手方向チャネルまたは通路を形成するのに使用される。この図に示し、下記に詳細に説明するように、第2の流路135および第3の流路145の一部は、内部チャンバ・セグメントとハウジングの外側本体部分との間に画定された長手方向チャネル内に延びる。
【0039】
ここで図9A、図9B、図11、図12A、および図12Bを参照すると、ハウジング110の近位端(P)はコネクタ要素150を含む。コネクタ要素150は、第1の導入ポート127、第2の排出ポート139、および第3の排出ポート149を収容している。コネクタ要素150はまた、フィルタ・カートリッジ200が、例えば、対になるコネクタ・ヘッドを有するチューブ・セットと流体的につながることを可能にする、ルアー・ロック取付具と同様な雄ねじ152を含む。図9A、図11、および図12Bに最もよく示すように、第1の排出ポート129、第2の導入ポート137、および第3の導入ポート147は、ハウジング110の遠位端(D)に同軸に配置されている。
【0040】
図11に最もよく示すように、第1の流路125は、コネクタ要素150内に形成されたスロット付き穴が配置された第1の導入ポート127から、上側ディスク・ホルダ半体150aおよび下側ディスク・ホルダ半体150bに形成された通路104(図10を参照のこと)を通って第1のフィルタ・チャンバ122に延びている。この場合に、第1の流路125内の流体は、第1のフィルタ要素120の円周のまわりに分散され、フィルタ媒体を半径方向内側の方向に通過して(図11を参照のこと)、第1のフィルタ要素120の中心コア部に至ることで調整される。次いで、調整された流体は、第1のフィルタ要素120の中心コア部から、第1の内部チャンバ・セグメント154の円筒状心棒189内に画定された穴に遠位方向に移動し、第1の排出ポート129(図11)を通ってフィルタ・ハウジング110を出る。
【0041】
図12Aおよび図12Bに最もよく示すように、第2の流路135は、第1の内部セグメント154の円筒状心棒189の外周と、第2の内部チャンバ・セグメント156の円筒状ネック192との間に画定された第2の導入ポート137から、第2のフィルタ要素130の中心コア部に達するまで延びている。この場合に、第2の流路135内の流体は、第2のフィルタ要素130のフィルタ媒体を半径方向外側の方向に進むことで調整され、調整された流体は、第2の内部チャンバ・セグメント156に形成された側部開孔102(図10を参照のこと)を通って、外側本体部分112のリブ158bと、第1の内部チャンバ・セグメント154および第2の内部チャンバ・セグメント156の外周壁との間に画定された軸方向流路106に供給される。軸方向流路106内の調整された流体は、近位端キャップ160に形成された、半径方向を向いたチャネル197(図12Aを参照のこと)に出て、コネクタ150に形成された第2の排出ポート139を通ってフィルタ・カートリッジ200の近位端(P)を出る。
【0042】
図12Aおよび図12Bに最もよく示すように、第3の流路145は、最初に、第2の内部チャンバ・セグメント156の円筒状ネック192の外周と、ハウジング110の外側本体部分112の円筒状ネック172との間に画定された第3の導入ポート147から、リブ158aと、第2の内部チャンバ・セグメント156の外側面との間に形成された、半径方向に向けられたチャネルまで軸方向に延びている。第3の流路145内の流体は、次いで、外側本体部分112のリブ158aと、第1の内部チャンバ・セグメント154および第2の内部チャンバ・セグメント156(図10)との間に画定された第2の軸方向流路126に供給される。第2の軸方向流路126内の流体は、側部開孔172(図10を参照のこと)を通って、上側ディスク・ホルダ半体150aおよび下側ディスク・ホルダ半体150bによって画定された第3のフィルタ・チャンバ142に送られる。第3のフィルタ・チャンバ142に入ると、流体は、ディスク状フィルタである第3のフィルタ要素140を軸方向に通過して調整される。調整された流体は、近位端キャップ160の裏面に形成された楔形状のチャンバ124(図12Aを参照のこと)に供給され、コネクタ150内に形成された第3の排出ポート149を通ってハウジング110を出る。
【0043】
当業者には、本発明が、半径方向にひだのあるフィルタ要素など、特定のタイプのフィルタ種類またはフィルタ媒体に限定されるものではないと容易に分かるであろう。例えば、樹脂で結合されたセルロース・タイプのフィルタを使用することができ、またはバクテリアなどの病原微生物を濾過するための繊維媒体、カーボン・ブロック・フィルタ媒体、渦状に巻かれた媒体を使用することができる。
【0044】
ここで図13A〜17を参照すると、本発明の好ましい実施形態に従って構成され、参照数字300で全体として表された濾過システムが示されている。下記に説明するように、濾過システム300は、3つの異なる流体源から受け入れた流体を調整し、米国特許出願第11/960,701号明細書、および2008年6月26日に公開された国際公開第2008/077080号パンフレットに開示された外科的トロカールと併用するように適合および構成されており、これらの特許は、参照によりそれらの全体を本明細書に援用するものとする。
【0045】
濾過システム300は、要素の中でも特に、コントローラ310、ソケット・アセンブリ330、および前に説明したフィルタ・カートリッジ・アセンブリ100を含む。下記に詳細に説明するように、コントローラ310は、濾過システム300内の流体流れを調整および監視するための機構を含む。
【0046】
コントローラ310は、平面状の上側面314および下側面316と、湾曲した側壁318a、318bとを備えた外側ハウジング312を有する。側壁318a、318bはそれぞれ、コントローラ310を動かす、または取り扱うための指用凹部320a(反対側、図示せず)および指用凹部320bを含む。平面状下側面316により、コントローラ310をユーティリティ・カートに置いたり、またはブーム機構を使用して、コントローラ310を手術室のオーバヘッドで支持したりすることが可能になる。
【0047】
コントローラ310の前面322は、アナログ・ゲージ324、ダイヤル326、電源ボタン328、およびジャック329を含む。これらの要素の用途および操作について下記に説明する。細長い収容部340または穴は、コントローラ310用のハウジング312内に形成され、その前面322からコントローラ310内に延びている。収容部340は、ソケット・アセンブリ330を受け入れるように適合および構成されている(図14〜17を参照のこと)。アナログ・ゲージではなくデジタル・ゲージを使用することもでき、コントローラには、さらなるダイヤル、ゲージ、および表示装置を装備できると当業者には分かるであろう。
【0048】
ここで図14〜17を参照すると、ソケット・アセンブリ330は、フィルタ・カートリッジ100をコントローラ310と流体連通した状態で解放可能に保持するアダプタとして機能する。ソケット・アセンブリ330は、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100が挿入される中心穴334を画定する本体部分332を含む。ロック要素336および取付リング338は、ソケット・アセンブリ330の近位端に配置されている。取付リング338は、ソケット・アセンブリ330をコントローラ310に固定するために、その周囲に形成された複数の穴を有する。
【0049】
ソケット・アセンブリ330のロック要素336は、その外周から半径方向外側に延びるレバー・アーム344の付いたカム・リング342を有するカム機構を含む。レバー・アーム344は、カム・リング342をソケット・アセンブリ330の本体部分332に対して回転させるために使用される。カム・リング342は、それぞれが、(図14に2つを示した)傾斜したカム・チャネル348で終端する4つの軸方向スロット346を含む。
【0050】
図2に示すように、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100のハウジング10の本体部分12は、半径方向に突出して離間した4つのカム突起62と、その外周に形成された位置合わせリブ64とを有する。当業者には、本発明が、任意の特定の数量または向きのカム突起に限定されないと容易に分かるであろう。
【0051】
図15に示すように、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100がソケット・アセンブリ330の中心穴334に挿入されるときに、各位置合わせリブ64は、ソケット・アセンブリ330の本体部分332に形成された(外部から分かる)それぞれの嵌め合いチャネル350内に収まることができるように向きを合わされなければならない(図15を参照のこと)。さらに、カム突起62は、それぞれカム・リング342の軸方向スロット346を通って、それぞれの傾斜したカム・チャネル348に至らなければならない。図13Aおよび図13Bに示すように(方向矢印352を参照のこと)、レバー・アーム344を回して、カム・リング342をフィルタ・カートリッジ・アセンブリ100に対して回転させると、ハウジング10の外周に形成されたカム突起62は、傾斜したカム・チャネル348にはまり、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100は、ソケット・アセンブリ330の中心穴334にさらに押し込まれ、コントローラ310と流体連通した状態に固定される(図16および図17を参照のこと)。
【0052】
図18に示すように、第1の流路内の流体は、中心軸に沿ってフィルタアセンブリ100を出て、ソケット・アセンブリ330に形成された軸方向ポートを通過する。流体は、ソケット・アセンブリ330内に形成された、半径方向を向いたポートを通って、フィルタアセンブリの第2および第3の流路に供給される。
【0053】
作動時、コントローラ310は、米国特許出願第11/960,701号明細書、および2008年6月26日に公開された国際公開第2008/077080号パンフレットに開示されたものと同様に、注入ユニットを含み、外科的トロカールに接続することができる。トロカールは、流体管またはチューブ・セット(図示せず)により、コントローラ310に接続することができる。本明細書で開示した実施形態では、コントローラは注入器を含まないが、ジャック329を通して注入器から注入ガスを受け入れる。注入器は、例えば、供給タンクからガスを受け入れ、通常、タンクと注入器との間に圧力調整器が設けられる。
【0054】
コントローラの動作は、米国特許出願第11/960,701号明細書、および2008年6月26日に公開された国際公開第2008/077080号パンフレットに詳細に記載されており、本明細書で繰り返すことはしない。これらの文献に記載されているように、本明細書で開示した外科的注入および再循環のためのシステムは、3つの独立した流体源の濾過を必要とする。コントローラ310は、これらの出願に記載された、システムの任意の実施形態で利用することができる。図13Aおよび図13Bに示すように、コントローラ310は、コントローラからの所望の圧力出力を設定するための設定可能なダイヤル326と、設定圧力を確認するための圧力ゲージ324とを含む。
【0055】
図示したように、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100は、制御ユニット310に直接取り付くので、薄型にすることができる。そのような構成では、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100の第1の流路25は、患者の腹部(吸い込み管)から取り出されたガスを濾過するために、または使用済みの注入流体を取り除くために使用される。フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100の第2の流路35は、器具を通すために使用される内腔を封止するのに使用するトロカールに供給される加圧ガス、およびトロカールを通る加圧ガスを調整するために使用される。フィルタ・カートリッジ・アセンブリ100の第3の流路45は、注入および検出用に使用される加圧ガスを調整するために使用される。
【0056】
図19〜図27は、本発明のさらなる実施態様に従って構成されたフィルタ・カートリッジ・アセンブリ1900を示している。前述の実施形態と同様に、フィルタ・カートリッジ・アセンブリは、複数の流路でフィルタ処理するための複数のフィルタ要素を含む。相違点は、ハウジング1920の形状、ハウジング内に形成される流路、および他の特徴にある。しかし、フィルタ1900の場合、フィルタ・カートリッジ100と同様の特徴が図示されており、必ずしも明示的に描かれているわけではない。
【0057】
図19および図20に最もよく示すように、フィルタ・カートリッジ1900は、チューブ・セット用のコネクタ1950、前端キャップ1910、ハウジング1920、および後端キャップ1990を含む。後端キャップ1990では、再循環ユニットと接続するためのポートが画定される。1つのポート1953は、フィルタ・カートリッジ1900を通る、ユニットからの供給圧力用であり、1つのポート1957は、カートリッジ1900による注入および圧力検出用であり、1つのポート1955は、カートリッジからユニットへの戻し用である。
【0058】
図26および図27の分解図において、見える部品およびその機能は以下の通りである。前端キャップ1910は、コネクタ1950からの流れを分配する。再循環流れは、チューブ・セットからコネクタ1950の下側幅広ポートを通って、前部プレート1910と分離プレート1973との間に画定されたチャンバに至り、分離プレートは、流体を保持するのに役立ち、流体が、円筒状に成形された水平方向のひだ付きフィルタである再循環フィルタ1981に達するのを妨げる。フィルタ1981は、略三角形の断面を有するテーパ付きリングによって、ハウジング1920内のチャンバ1922の底部から離れて保持され、テーパ付きリングの小さい端部は、ハウジング1920内の中央壁1924に当接している。戻し流れは、フィルタ1981を通り、ハウジング内のチャネル1926を通り、後端プレート1990内の別の通路を通り、それぞれのポート1955に至る。
【0059】
注入圧力は、そのポート1957から後端プレート1990の後部ハウジング部分1995によって画定されたチャンバに至り、平板フィルタ1985を通って、ハウジング1920内に画定されたチャネル1921に至り、前端キャップ内に形成されたチャネル1911に至り、コネクタ1950のそれぞれのポートを通る。
【0060】
ユニットからの圧力は、そのポート1953を通って、ハウジング1920および端部プレート1990によって圧力フィルタ1983用に画定された後部チャンバに至る。フィルタを分割壁1924から離して保持するために、リング1977も設けられている。次いで、チャネル1929により、圧力はハウジング1920から前端キャップ1910に伝えられ、前端キャップでは、チャネル1919により、流れがコネクタ1950に送られる。
【0061】
フィルタ1983および1981は、接着によりハウジング1920で封止されるのが好ましい。溝およびそれに合わせた突起を隣接するハウジング部分間に設けることができ、このような溝および突起は、接着剤または超音波溶接などの他の適切な手段によって接着することができる。
【0062】
図28〜図29は、本発明の実施形態に従って構成され、コントローラ/注入器モジュールおよびフィルタ・カートリッジ・アセンブリ1900を含む3流路濾過システム2800のさらなる実施形態を示している。システム2800は、デジタル表示器2824を含むが、そのほか図13Aおよび図13Bの実施形態と同様な特徴を含む。
【0063】
図30は、一体チューブ・セット3010を備えた、図19のフィルタ・カートリッジ・アセンブリの前部−上部等角図である。チューブ・セット3010の3内腔チューブをフィルタ・ハウジング1900に接続するために、ブッシュ3090が設けられている。代替案として、接続部3140を設けることもできる。図33および図34に示すように、ブッシュ3090は、チューブに実質的に合わせた内側輪郭部3093と、接続部1950と接続し、チューブ・セット3010とフィルタ1900との圧縮嵌合を容易にする外側傾斜部3094とを含む。それらの間の封止を容易にするために、接着剤を使用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)軸方向反対側にある近位端および遠位端を有し、内部空洞と、中心軸と、前記近位端から前記遠位端に延びる第1、第2、および第3の流路とを画定する細長いハウジングと、
ii)前記中心軸に沿って前記ハウジングの前記内部空洞内に配置されて、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで前記第1の流路を移動する流体を調整する第1のフィルタ要素と、
iii)前記中心軸に沿って前記ハウジングの前記内部空洞内に配置されて、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで前記第2の流路を移動する流体を調整する第2のフィルタ要素と、
iv)前記中心軸に沿って前記ハウジングの前記内部空洞内に配置されて、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで前記第3の流路を移動する流体を調整する第3のフィルタ要素と、
を有するフィルタ・カートリッジ・アセンブリであって、前記第1の流路は、前記第2および第3の流路から隔離され、前記第2の流路は、前記第3の流路から隔離される、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングの前記近位端が、コネクタ要素を含む、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項3】
前記コネクタ要素が、前記第1の導入ポートと、前記第2および第3の排出ポートとを含む、請求項2に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングが、同軸に配置された一対の周囲壁を含む、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項5】
前記第2および第3の流路のそれぞれの一部が、前記ハウジングの前記周囲壁間を軸方向に延在する、請求項4に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のフィルタ要素が、半径方向にひだのあるフィルタであり、流体が、前記第1のフィルタ要素を半径方向内側の方向に横断することによって、前記第1の流路内で調整される、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項7】
前記第2のフィルタ要素が、半径方向にひだのあるフィルタであり、流体が、前記第2のフィルタ要素を半径方向外側の方向に横断することによって、前記第2の流路内で調整される、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項8】
前記第3のフィルタ要素が、ディスク状フィルタであり、流体が、前記第3のフィルタ要素を軸方向に横断することによって、前記第3の流路内で調整される、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記内部空洞内に配置され、前記第1のフィルタ要素用の第1のチャンバを形成する円筒状の内側ハウジング要素を含む、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記内部空洞内に配置され、前記第2のフィルタ要素用の第2のチャンバを形成する第2の内側ハウジング要素をさらに含む、請求項9に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記内部空洞内に2つの長手方向チャネルを画定する2つの長手方向リブを含み、前記第2の流路は前記チャネルの一方を通り、前記第3の流路は他方の前記チャネルを通る、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の排出ポート、前記第2の導入ポートおよび第3の導入ポートが、前記ハウジングの前記遠位端に配置される、請求項1に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の排出ポート、前記第2の導入ポート、および前記第3の導入ポートが、同軸に配置される、請求項12に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項14】
i)軸方向反対側にある近位端および遠位端を有し、第1、第2、および第3のフィルタ・チャンバと、前記近位端から前記遠位端まで延びる第1、第2、および第3の流路とを画定する細長いハウジングと、
ii)前記ハウジングの前記第1のフィルタ・チャンバ内に配置されて、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで前記第1の流路を移動する流体を調整する第1のフィルタ要素と、
iii)前記ハウジングの前記第2のフィルタ・チャンバ内に配置されて、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで前記第2の流路を移動する流体を調整する第2のフィルタ要素と、
iv)前記ハウジングの前記第3のフィルタ・チャンバ内に配置されて、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで前記第3の流路を移動する流体を調整する第3のフィルタ要素と、
を有するフィルタ・カートリッジ・アセンブリであって、前記第1の流路は、前記第2および第3の流路から隔離され、前記第2の流路は、前記第3の流路から隔離される、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項15】
i)中心軸と軸方向反対側にある近位端および遠位端とを有し、軸方向に離間した複数のフィルタ・チャンバと、前記近位端から前記遠位端まで延びる複数の流路とを画定する細長いハウジングと、
ii)前記複数のフィルタ・チャンバのそれぞれに1つが配置される複数のフィルタ要素と、
を含むフィルタ・カートリッジ・アセンブリであって、
前記複数の流路が、それぞれ互いから隔離される、フィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項16】
前記ハウジングが、3つのフィルタ・チャンバおよび3つの流路を画定する、請求項15に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項17】
前記複数のフィルタ要素には、第1のフィルタ要素、第2のフィルタ要素、および第3のフィルタ要素が含まれ、
i)前記第1のフィルタ要素が、前記ハウジングの前記第1のフィルタ・チャンバ内に配置されて、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで前記第1の流路を移動する流体を調整し、
ii)前記第2のフィルタ要素が、前記ハウジングの前記第2のフィルタ・チャンバ内に配置されて、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで前記第2の流路を移動する流体を調整し、
iii)前記第3のフィルタ要素が、前記ハウジングの前記第3のフィルタ・チャンバ内に配置されて、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで前記第3の流路を移動する流体を調整する、
請求項16に記載のフィルタ・カートリッジ・アセンブリ。
【請求項18】
3つの異なる流体源から受け入れた流体を調整する濾過システムであって、
i)前記濾過システム内の流体流れを調整および監視する手段を含み、細長い収容部を画定するコントローラと、
ii)前記コントローラによって画定された前記細長い収容部内に少なくとも部分的に配置され、ロック要素を含むソケット・アセンブリと、
iii)前記ソケット・アセンブリに挿入され、前記ロック要素によって前記コントローラと流体連通した状態に固定されるフィルタ・カートリッジ・アセンブリと、
を含む濾過システム。
【請求項19】
前記ロック要素が、前記フィルタ・カートリッジ・アセンブリの外側面から延びる突起と係合するカム機構を含む、請求項18に記載の濾過システム。
【請求項20】
前記フィルタ・カートリッジ・アセンブリが、
i)軸方向反対側にある近位端および遠位端を有し、内部空洞と、前記近位端から前記遠位端まで延びる第1、第2、および第3の流路とを画定する細長いハウジングと、
ii)前記ハウジングの前記内部空洞内に配置されて、第1の導入ポートから第1の排出ポートまで前記第1の流路を移動する流体を調整する第1のフィルタ要素と、
iii)前記ハウジングの前記内部空洞内に配置されて、第2の導入ポートから第2の排出ポートまで前記第2の流路を移動する流体を調整する第2のフィルタ要素と、
iv)前記ハウジングの前記内部空洞内に配置されて、第3の導入ポートから第3の排出ポートまで前記第3の流路を移動する流体を調整する第3のフィルタ要素と、
を含み、前記第1の流路は、前記第2および第3の流路から隔離され、前記第2の流路は、前記第3の流路から隔離される、請求項18に記載の濾過システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2012−505056(P2012−505056A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531239(P2011−531239)
【出願日】平成21年10月10日(2009.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/060298
【国際公開番号】WO2010/042914
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(509065827)サージクェスト,インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】