説明

多目的運搬車

【課題】荷台に対する被運搬物の積み込み・荷卸し作業を容易にする。
【解決手段】荷台29は,後方に延びる左右一対のガイドレール30a,30bにて前後方向に移動できるように支持されており,この一対のガイドレールの後端部には,荷台を後方に移動したとき荷台の後部がこの傾斜部に沿って下がるようにした傾斜部30a′,30b′が設けられ,一対のガイドレール間の部分には,荷台を前後移動するための少なくとも一つのアクチェータ(シリンダ)34が前後方向に延びるように配設され,このアクチェータは,その前端が荷台の下面に,後端がガイドレールに各々連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,飼料の運搬とか,或いは農作業等の多目的に使用される運搬車に係り,より詳しくは,前後車輪にて支持される走行フレームに,その動力源としてのエンジンを搭載するとともに,被運搬物を載せる荷台及び運転キャビンを設けて成る運搬車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術としての特許文献1には,前輪及び後輪にて支持された走行フレームに,動力源としてのエンジンを搭載するとともに,操縦ハンドル及び運転座席を有する運転キャビンと,被運搬物を載せるための荷台とを設けて成る多目的運搬車が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−094179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし,この特許文献1に記載の多目的運搬車においては,前記荷台を運転キャビンの後部に設け,この荷台を,その前部を持ち上げるように後方に向かってはね上げ傾斜するという構成であることにより,前記荷台における対地面高さを低くすることができないから,被運搬物の荷台への積み込みに際しては被運搬物を高く持ち上げるようにしなければならず,また,被運搬物の荷台からの荷卸しに際しては,被運搬物を高い位置から落下させるおそれが大きいという問題がある。
【0005】
また,前記荷台を後ろ傾斜するための油圧シリンダを,前記荷台の下面側に設けるという構成にしているから,前記荷台の下方に,後輪を配設したり,後輪用の走行ミッション機構を配設したりする場合には,前記荷台における対地面高さを,前記油圧シリンダの分だけ高くしなければならないという問題もあった。
【0006】
本発明は,これらの問題を解消した多目的運搬車を提供することを技術的課題とするもである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を達成するため請求項1は,
「車輪にて支持された走行フレームの前部に,運転キャビンを設ける一方,前記走行フレームの後部に,被運搬物を載せる荷台を設けて成る多目的運搬車において,
前記荷台は,前記走行フレームに対して,後方に延びる左右一対のガイドレールにて前後方向に移動できるように支持されており,この一対のガイドレールの後端部には下向きへの傾斜部が設けられ,前記荷台を後方に移動したとき当該荷台の後部がこの傾斜部に沿って下がるように構成されている一方,前記荷台の下面のうち前記一対のガイドレール間の部分には,前記荷台を前後移動するための少なくとも一つのアクチェータが前後方向に延びるように配設され,このアクチェータは,その前端が前記荷台の下面に,後端が前記ガイドレールに各々連結されている。」
ことを特徴としている。
【0008】
また,請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記一対のガイドレールには,当該ガイドレールの後端部における傾斜部の相互間を連結するクロスバーが設けられ,このクロスバーに,前記アクチェータの後端が連結されている。」
ことを特徴としている。
【0009】
更にまた,請求項3は,
「前記請求項1又は2の記載において,前記荷台は,その後方への移動によって当該荷台における後部が下がったとき地面に近接するか又は接地するように構成されている。」
ことを特徴としている。
【0010】
そして,請求項4は,
「前記請求項1〜3のいずれかの記載において,前記一対のガイドレールにおける傾斜部の下端には,前記荷台の後部における下がり下限を規制するためのストッパーが設けられている。」
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1によると,左右一対のガイドレールにて支持されている荷台を,アクチェータにて後方に移動すると,この荷台は,後方に移動しながらその後端が前記両ガイドレールにおける傾斜部に沿って下がるように傾斜することにより,この荷台における対地面高さが低くなるから,荷台への積み込みの際における被運搬物の持ち上げ高さを低くできる一方,荷台からの荷卸しに際に被運搬物を高い位置から落下するおそれを低減できる。
【0012】
前記アクチェータは,その前端が荷台の下面に,その後端がガイドレールに各々連結されていることにより,前記荷台の移動に際して,ガイドレールより下方に下がることがないように構成できるか,或いは,ガイドレールからの下がりを小さくできる。
【0013】
これにより,前記荷台の下方,ひいては,ガイドレールの下方に,前記荷台における対地面高さを低くした状態のもとで,大きい空間を確保することができるから,この部分に後輪を設けたり,走行ミッションケース又は各種工具入れボックス等を設けたりことが容易にできるほか,動力源としてのエンジンを設けることかできる。
【0014】
また,請求項2によると,前記請求項1の効果に加えて,クロスバーを,アクチェータの連結に利用できるから,部品点数の低減,構造の簡単化及び軽量化を図ることができる。
【0015】
更にまた,請求項3によると,前記請求項1の効果又は前記請求項2の効果に加えて,荷台への積み込み及び荷卸しの際における対地面高さを,極限まで低くできるから,積み込み及び荷卸しがより容易にできる。
【0016】
そして,請求項4によると,前記請求項1〜3のいずれかの効果に加えて,ガイドレールを利用して,構造の複雑化を招来することなく,荷台の後部における下がり下限を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態の運搬車を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図2のV−V視断面図である。
【図6】図2のVI−VI視断面図である。
【図7】シリンダ(アクチェータ)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下,本発明の実施の形態を,図1〜図7の図面について説明する。
【0019】
この実施の形態における多目的運搬車1は,左右一対の前輪2a,2bと,同じく左右一対の後輪3a,3bとで支持された走行フレーム4を有し,この走行フレーム4には,後述するように,運転キャビン8を備えているとともに,この運転キャビン8の後方に被運搬物の載せるための荷台29を備えている。
【0020】
前記走行フレーム4は,前記両前輪2a,2bと両後輪3a,3bとの間に位置するメインフレーム5と,このメインフレーム5の前端から前方に突出するフロントフレーム6と,前記メインフレーム5の後端から後方に突出するリアフレーム7とによって構成されている。
【0021】
前記メインフレーム5は,少なくとも,前記両前輪2a,2bの後ろ側に横方向に延びるように配設した前部横部材5aと,前記両後輪3a,3bの前側に横方向に延びるように配設した後部横部材5bと,前記走行フレーム4の前後方向に延びて前記前部横部材5a及び後部横部材5bにおける右端の相互間を一体に連結する右縦部材5cと,前記走行フレーム4の前後方向に延びて前記前部横部材5a及び後部横部材5bにおける左端の相互間を一体に連結する左縦部材5dとによって,平面視(図2及び図4)において囲い枠に構成されている。
【0022】
前記メインフレーム5の上面には,前記した運転キャビン8が設けられている。
【0023】
この運転キャビン8は,前記メインフレーム5の上面における左右両側に,側面視(図1)において門型に構成して立設したサイドフレーム8a,8bと,この両サイドフレーム8a,8b間の上面に装架した天井8cと,前記両サイドフレーム8a,8b間の前面に設けたフロントガラス8dとによって構成されている。
【0024】
この運転キャビン8の内部には,少なくとも三つの座席9が横方向に並べて設けられているほか,丸型の操縦ハンドル10が設けられている。
【0025】
前記フロントフレーム6は,図2及び図6に示すように,前記両前輪2a,2bの間を前後方向に延びる左右一対のフロント部材6a,6bを含む構成である。
【0026】
前記両前輪2a,2bの各々は,前記フロントフレーム6における両フロント部材6a,6bに対して,従来から良く知られているダブルウィシュボーン式,デュアルリンク式又はマクファーソンストラット式等の独立懸架装置11a,11bを介して弾性的に自在に上下動するように取付けられている。
【0027】
しかも,この両前輪2a,2bは,前記操縦ハンドル10の回動操作により,図示しないステアリングギヤ及びステアリング機構を介して左右に同時に旋回回動するように構成されており,これにより,前記運搬車1は,左右に旋回操縦される。
【0028】
前記フロントフレーム6の上面には,図2及び図6に示すように,動力源としてのエンジン(多気筒ディーゼルエンジン)12が,そのクランク軸12aを横向きとするように横置きにして搭載されている。
【0029】
このエンジン12は,図1及び図5に示すように,そのクランク軸線12aの方向から見て,当該エンジン12におけるシリンダボア軸線12bが前向きに適宜角度θだけ傾斜するようにスラントして,前記フロントフレーム6における両フロント部材6a,6bに取付けられている。
【0030】
なお,前記エンジン12は,その排気系部品12cを前向きにし,その吸気系部品12dを後ろ向きにすることにより,前進走行に際しての走行風が,前記排気系部品12cに吹き当たって,当該排気系部品12cの冷却を促進するように構成している。
【0031】
また,フロントフレーム6の上面のうち前記運転キャビン8と前記エンジン12との間の部分には,走行ミッションケース13が,その入力軸13aを横向きとするように横置きにして搭載されている。
【0032】
しかも,前記走行ミッションケース13は,前記エンジン12と同様に,前記フロントフレーム6における両フロント部材6a,6bに取付けられている。
【0033】
一方,前記リアフレーム7は,図2及び図6に示すように,前記両後輪3a,3bの間を前後方向に延びる左右一対のリア部材7a,7bを含む構成である。
【0034】
前記両後輪3a,3bの各々は,前記リアフレーム7における両リア部材7a,7bに対して,従来から良く知られているダブルウィシュボーン式,デュアルリンク式又はマクファーソンストラット式等の独立懸架装置14a,14bを介して弾性的に自在に上下動するように取付けられている。
【0035】
前記エンジン12における出力は,当該エンジン12と前記走行ミッションケース13の入力軸13aとの間に装架したチエン等の動力伝達機構15を介して前記走行ミッションケース13に伝達され,この走行ミッションケース13において適宜に変速されたのち,この走行ミッションケース13の左右から横方向に延びる前輪用車軸16a,16bを介して前記両前輪2a,2bに伝達される一方,及び前記両リア部材7a,7bの間に配設したフローティングアクスル18に,前記運転キャビン8の下面に前後方向に延びるように配設した後輪用車軸17を介して伝達され,このフローティングアクスル18から前記両後輪3a,3bに,後輪用車軸19a,19bを介して伝達されるように構成され,これにより,前記運搬車1は,前記エンジン12による前後四輪の駆動にて前進走行又は後退走行される。
【0036】
また,前記運転キャビン8には,前記した操縦ハンドル10及び座席9に加えて,前記走行ミッションケース13を変速作動するための変速操作手段が設けられているほか,ブレーキペダル20,エンジン12の回転数を制御するためのアクセルペダル21及び前記エンジン12に対するキースイッチ22等が設けられている。
【0037】
前記エンジン12において,前記動力伝達機構15と反対側の部位には,エンジン12に対する冷却用のラジエータ23と,このラジエータ23に対する通風用のフアン24とが配設されている一方,前記走行ミッションケース13の上部には,前記エンジン12に対する燃料タンク25とバッテリー26とが,横方向に並べて配設されている。なお,前記通風用フアン24は,エンジン12にて回転駆動するか,或いは,電動モータにて回転駆動するという構成である。
【0038】
この場合,前記燃料タンク25は,平面視(図2及び図4)において,前記エンジン12とラジエータ23との間の部位に位置して,前記エンジン12とラジエータ23との間の部位を後方に吹き抜けた走行風が当該燃料タンク25に当たって,これを冷却するように構成している。
【0039】
なお,前記フロントフレーム6の上面には,前記エンジン12,前記走行ミッションケース13,前記燃料タンク25及びバッテリー26等を開閉可能に覆うようにしたボンネットカバー27が設けられており,また,前記両前輪2a,2bに対しては,フェンダーカバー(図示せず)が設けられている。
【0040】
一方,前記走行フレーム4のメインフレーム5から後方に突出する前記リアフレーム7の上面には,運搬する目的の被運搬物を載せるために前記した荷台29が,水平又は略水平にして配設されている。
【0041】
前記リアフレーム7の左右一対の両リア部材7a,7bには,その外側面に断面を外向きコ字型にしたガイドレール30a,30bが前後方向に延びるように設けられており,また,前記ガイドレール30a,30bは,その後端に斜め下向きに折り曲げて成る傾斜部30a′,30b′を有する構成であり,この両傾斜部30a′,30b′の間には,クロスバー31が,当該両傾斜部30a′,30b′の相互間を連結するように設けられている。
【0042】
一方,前記荷台29は,その下面における右側に設けた前後一対の横向きローラ32a,32b及びその下面における左側に設けた前後一対の横向きローラ33a,33bの各々を,前記一対のガイドレール30a,30bに嵌めることにより,前記一対のガイドレール30a,30bに沿って前後方向に自在に移動できるように支持されており,しかも,前記荷台29は,後方に移動したとき,後ろ側における左右一対のローラ32b,33bが前記ガイドレール30a,30bからその後端における傾斜部30a′,30b′に移行することにより,当該荷台29における後部が前記傾斜部30a′,30b′に沿って下がるように構成されている。
【0043】
また,前記荷台29の下面側には,当該荷台29を前後方向に往復移動するためのアクチェータが設けられている。
【0044】
このアクチェータは,具体的には,例えば図1,図2,図5及び図7に示すように,空気圧又は油圧による多段式シリンダ34の構成である。
【0045】
すなわち,このシリンダ34は,図7に示すように,第1シリンダ34aと,この第1シリンダ34a内に挿入した第2シリンダ34bと,この第2シリンダ34b内に挿入したピストン34cとによって構成され,空気圧供給源又は油圧供給源35と前記両シリンダ34a,34bとの間をホース等の可撓性配管36,37にて接続するとともに,前記両シリンダ34a,34bの相互間をホース等の可撓性配管38にて接続して成り,前記空気圧源又は油圧源35から実線矢印Aの方向に空気圧又は油圧を供給することで伸長作動し,前記空気圧源又は油圧源35から点線矢印Bの方向に空気圧又は油圧を供給することで短縮作動するという構成である。
【0046】
前記シリンダ34は,前後方向に延びるように配設され,その後端は,前記両ガイドレール30a,30bにおける傾斜部30a′,30b′の相互間を連結するクロスバー31にピン39にて枢着されている一方,その前端は,前記荷台29の下面にピン40にて枢着されており,前記シリンダ34の伸長作動及び収縮作動により,前記荷台29を前後方向に往復動するように構成している。
【0047】
なお,前記荷台29は,図1,図2,図5び図6に示すように,平面視で矩形にした床板29aと,この床板29aの周囲のうち前側に立設したフロント側板29b,左右両側に立設したサイド側板29c,29dと,後ろ側に立設したリア側板29eとで箱型に構成されている一方,前記床板29aの周囲における四隅部の各々には,ポール29fが立設されている。
【0048】
前記各側板29b,29c,29d,29eの各々は,そのいずれも,木製にするとか,或いは,中空の合成樹脂製にすることによって軽量に構成されており,その両端が前記各ポール29fに設けた縦溝に着脱自在に嵌まることにより,前記床板29aに対して着脱自在に支持されている。
【0049】
この構成において,前記荷台29を,その下面側におけるシリンダ34等のアクェータの伸長作動にて後方に移動すると,この荷台29は,図1及び図5に二点鎖線で示すように,後方に移動しながら後ろ側における左右一対のローラ32b,33bが前記ガイドレール30a,30bからその後端における傾斜部30a′,30b′に移行することにより,後端が前記両ガイドレール30a,30bにおける傾斜部30a′,30b′に沿って下がるように傾斜することにから,この荷台29における対地面高さが低くなる。
【0050】
また,前記荷台29は,シリンダ34等のアクェータの短縮作動にて前方に移動することにより,後方に傾斜した姿勢から元の水平位置に戻される。
【0051】
この場合,前記荷台29の後部における下がり下限は,前記後ろ側における左右一対のローラ32b,33bが前記傾斜部30a′,30b′の下端に設けたストッパー41に接当することによって規制するように構成されている。
【0052】
更に,前記荷台29は,図示の実施の形態においては,後部が下がったときに,図1に示すように,地面に近接するか又は接地するように構成されており,これにより,荷台の対地面高さを極限まで低くすることができる。
【0053】
そして,前記荷台29を前後動するためのアクチェータとしてのシリンダ34は,前後方向に延びて,その後端を前記両ガイドレール30a,30bに,その前端を前記荷台29に各々連結して成る構成であることにより,前記荷台29の移動に際して,ガイドレール30a,30bより下方に下がることがないように構成できるか,或いは,ガイドレール30a,30bからの下がりを小さくできるから,前記荷台29の下方,ひいては,両ガイドレール30a,30bの下方に,ひいては,前記荷台29の下方に,前記荷台29における対地面高さを低くした状態のもとで,大きい空間を確保することができる。
【0054】
これにより,図示した実施の形態のように,前記荷台29の下方に,エンジン12にて駆動の後輪3a,3bを設けるという構成にすることが,前記荷台29における対地面高さを低くした状態のもとで,容易に実現できるほか,前記荷台2の下方に,図1に二点鎖線で示すように,各種の作業用工具又は道具類等を入れておくための工具ボックス42を設置するという構成にすることができる。
【0055】
また,多目的運搬車1を,フロントに搭載したエンジン12で後輪3a,3bを駆動するといういわゆるFR方式(フロントエンジン リアドライブ)に構成する場合には,前記走行ミッションケース13を,図2に二点鎖線Cで示すように,運転キャビン8より前方のフロントフレーム6に設けることに代えて,前記荷台29の下方に,当該荷台29における対地面高さを低くした状態のもとで,配設することができる。
【0056】
また,場合によっては,前記荷台29の下方にエンジン12を配設し,このエンジン12にて後輪3a,3bを駆動するといういわゆるRR方式(リアエンジン リアドライブ)に構成することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 運搬車
2a,2b 前輪
3a,3b 後輪
4 走行フレーム
5 メインフレーム
6 フロントフレーム
7 リアフレーム
8 運転キャビン
9 座席
10 操縦ハンドル
12 エンジン
13 走行ミッションケース
29 荷台
30a,30b ガイドレール
30a′,30b′ ガイドレールの傾斜部
31 クロスバー
32a,32b,33a,33b ローラ
34 シリンダ(アクチェータ)
41 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪にて支持された走行フレームの前部に,運転キャビンを設ける一方,前記走行フレームの後部に,被運搬物を載せる荷台を設けて成る多目的運搬車において,
前記荷台は,前記走行フレームに対して,後方に延びる左右一対のガイドレールにて前後方向に移動できるように支持されており,この一対のガイドレールの後端部には下向きへの傾斜部が設けられ,前記荷台を後方に移動したとき当該荷台の後部がこの傾斜部に沿って下がるように構成されている一方,前記荷台の下面のうち前記一対のガイドレール間の部分には,前記荷台を前後移動するための少なくとも一つのアクチェータが前後方向に延びるように配設され,このアクチェータは,その前端が前記荷台の下面に,後端が前記ガイドレールに各々連結されていることを特徴とする多目的運搬車。
【請求項2】
前記請求項1の記載において,前記一対のガイドレールには,当該ガイドレールの後端部における傾斜部の相互間を連結するクロスバーが設けられ,このクロスバーに,前記アクチェータの後端が連結されていることを特徴とする多目的運搬車。
【請求項3】
前記請求項1又は2の記載において,前記荷台は,その後方への移動によって当該荷台における後部が下がったとき地面に近接するか又は接地するように構成されていることを特徴とする多目的運搬車。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれかの記載において,前記一対のガイドレールにおける傾斜部の下端には,前記荷台の後部における下がり下限を規制するためのストッパーが設けられていることを特徴とする多目的運搬車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−173455(P2010−173455A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17935(P2009−17935)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)