説明

多結晶シリコン製造装置

【課題】 連続的に、かつ安定的に多結晶シリコンを製造することができ、生産性を高め、製造原価を下げることができる流動層反応器を提供する。
【解決手段】 内部でシリコン析出反応が起きる反応管と、前記反応管内のシリコン粒子に流動ガスを供給する流動ガス供給部と、前記反応管の内部でシリコン析出反応時に反応温度を一定に維持させるための手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコン製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高純度多結晶シリコンは、半導体素子や太陽電池などに用いられることのできる半導体性質を有する素材や高い純度が要求される化学原料または産業用素材として広く使われており、精密機能素子または小型高集積精密システム用の部品や素材としても活用されている。
【0003】
このような多結晶シリコンを製造するために、非常に高い純度で精製されたシリコン含有反応ガスの熱分解及び/または水素還元反応でシリコン表面にシリコン元素を継続的に析出させるシリコン析出方法が利用されてきた。
【0004】
上記のように、多様な用途で用いられる多結晶シリコンの商業的な大量生産のために、縦型反応器または流動層反応器が用いられたが、縦型反応器はシリコン析出によって増加する棒の直径に限界があり、製品が連続的に生産できない基本的な限界を有しているため、同一の反応条件で反応収率の高い流動層反応器が広く用いられてきた。
【0005】
しかし、前記流動層反応器も反応管内の反応領域の温度が一定に維持されなければ、連続的に種粒子の表面で安定的なシリコン析出反応が起きにくく、内部装置の破損や生産製品の破損が起きる問題点があった。
【0006】
したがって、現状では、生産性を高め、安定的に多結晶シリコン粒子を持続的に製造することができる方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、連続的に、かつ安定的に多結晶シリコンを製造することができる流動層反応器を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、生産性を高め、製造原価を下げることができる流動層反応器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による多結晶シリコン製造装置は、内部でシリコン析出反応が起きる反応管と、前記反応管内のシリコン粒子に流動ガスを供給する流動ガス供給部と、前記反応管の内部でシリコン析出反応時に反応温度を一定に維持させるための手段と、を含む。
【0010】
前記手段は、前記反応管の内部に熱を供給して前記シリコン粒子のシリコン析出反応を起こすためのヒーターと、前記ヒーターに電源を供給する電源供給部と、前記反応管の内部でシリコン析出反応が起きる間に、前記反応管の内部の温度が一定に維持されるように前記電源供給部を制御する制御部と、を含むことができる。
【0011】
前記制御部は、前記反応管内の内部温度に変化がある場合、前記電源供給部を制御することができる。
【0012】
前記反応管内の温度変化を感知するための温度測定部を含むことができる。
【0013】
前記温度測定部は、温度測定装置と、前記温度測定装置をカバーするハウジングと、前記ハウジングと離隔されて前記ハウジングを囲む保護管と、を含むことができる。
【0014】
前記温度測定装置は、複数個あるいは単一個が前記ハウジングの内部に設けられることができる。
【0015】
前記温度測定装置は、前記ヒーターの最高温度が測定される領域に対応して装着されることができる。
【0016】
前記温度測定部は、前記反応管の外側に配置される温度センサーを含むことができる。
【0017】
前記温度センサーの個数は複数個であり、前記複数の温度センサーは、互いに所定間隔を置いて前記反応管の外側に配置されることができる。
【0018】
前記複数の温度センサーから測定された温度に対して平均温度値を求め、平均温度値は、既設定された基準温度値より低い場合、前記電源供給部を通して前記反応管内の温度を上昇させることができる。
【0019】
前記複数の温度センサーから測定された温度のうち、最大温度値が既設定された基準温度値より低い場合、前記電源供給部を通して前記反応管内の温度を上昇させることができる。
【0020】
前記流動ガス供給部が組み立てられる底面部をさらに含み、前記底面部は、基底プレートと、前記基底プレートの上に位置して前記基底プレートを絶縁させる第1プレートと、前記第1プレートの上に位置してヒーターに電気を供給する第2プレートと、前記第2プレートの上に位置して前記第2プレートを絶縁させる第3プレートと、を含むことができる。
【0021】
前記第2プレートの端と前記基底プレートの一面とが離隔されることができる。
【0022】
前記基底プレートと前記第2プレートとの端の間に、前記第1プレートの一部分が位置することができる。
【0023】
前記第2プレートと前記第3プレートとのそれぞれは、複数の単位プレートを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、反応温度を一定に維持して多結晶シリコンの破損無しに、安定的に生産が可能である。
【0025】
また、本発明は、反応温度増加による装置の破損を防止することができる。
【0026】
また、一定の反応温度の維持によって連続的な運転が可能であるため、多結晶シリコン大量生産化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態による概略的な多結晶シリコン製造装置を示した図である。
【図2】本発明の実施形態による多結晶シリコン製造装置のプレートの一例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態による多結晶シリコン製造装置のプレートの他の例を示した図である。
【図4】本発明の実施形態による多結晶シリコン装置において内部温度による反応温度制御方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態による温度測定部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照し、詳細に説明する。ただし、添付の図面は、本発明の内容をより容易に開示するために説明されるたけであり、本発明の範囲が添付の図面の範囲に限定されないことは、この技術分野における通常の知識を有した者であれば容易に分かる。
【0029】
図1は、本発明の実施形態による多結晶シリコン製造装置を示す。示されたように、本発明の実施形態による多結晶シリコン製造装置500は、ヘッド100と、第1ボディ部200と、第2ボディ部300と底面部400とを含む。
【0030】
ヘッド100は、第1ボディ部200と連結され、第1ボディ部200の第1反応管250の直径より大きい直径を有する。多結晶シリコン製造装置500内のガス及び微細粒子が第1反応管250からヘッド100を通る際に直径増加によってガス及び微細粒子の流速が減少する。
【0031】
これによって、排出されるガスあるいは微細粒子の後処理負担が減ることができる。ヘッド100の内壁は、高温で変形しにくい無機材料からなることができる。例えば、ヘッド100の内壁は、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素のうち、少なくとも1つからなることができる。
【0032】
また、ヘッド100の外壁に対する冷却が可能な場合、ヘッド100の内壁に有機高分子を用いたコーティングまたはライニングのうち、少なくとも1つが行われることができる。
【0033】
ヘッド100の内壁が、炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素のような炭素含有材料からなった場合、多結晶シリコンが炭素不純物によって汚染される恐れができるため、多結晶シリコンが接触できるヘッド100の内壁は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などのような材料でコーティングまたはライニングされることができる。
【0034】
例えば、ヘッド100は、複数の部分ヘッド100a、100bを含み、第1部分ヘッド100aの内面にライニング膜150が位置することができる。
【0035】
第1ボディ部200は、ヘッド100の下に位置してヘッド100と連結され、多結晶シリコン析出反応が起きる空間を提供する。
【0036】
第2ボディ部300は、第1ボディ部200の下に位置して第1ボディ部200と連結され、第1ボディ部200とともに多結晶シリコン析出反応または加熱反応のうち、少なくとも1つが起きる空間を提供する。
【0037】
このような、第1ボディ部200と第2ボディ部300とは、独立的に別々になって互いに結合されて反応空間を提供するが、第1ボディ部200と第2ボディ部300とが、1つのボディからなる一体型で作られることができる。
【0038】
底面部400は、第2ボディ部300の下に位置して第2ボディ部300と連結され、多結晶シリコン析出のための各種ノズル600、650、ヒーター700、電極800などが組み立てられる。一方、ヘッド100と、第1ボディ部200と、第2ボディ部300とは、炭素鋼、ステンレス鋼、その他合金鋼など機械強度に優れ、加工の容易な金属材料からなることができる。このような材質からなる第1ボディ部200及び第2ボディ部300の保護膜は、金属、有機高分子、セラミックス、または石英などからなることができる。
【0039】
ヘッド100と第1ボディ部200と第2ボディ部300との組み立ての際、反応器の内部を外部空間から遮断するためにガスキット(gasket)またはシーリング材(sealing material)が利用されることができる。第1ボディ部200と第2ボディ部300とは、円筒状パイプ、フランジ、チューブ及びフィッティング(fitting)、板(plate)、円錐、楕円または二重壁の間に冷却媒体が流れるジャケット(jacket)などのように、多様な形態を有することができる。
【0040】
また、ヘッド100と、第1ボディ部200と、第2ボディ部300とが金属材質からなった場合、その内部表面に保護膜がコーティングされるか、保護管または保護壁が追加で設けられることができる。保護膜、保護管または保護壁は、金属材質からなることができるが、反応器内部の汚染を防ぐために有機高分子、セラミックス、石英などのような非金属材料がコーティングまたはライニングされることができる。
【0041】
第1ボディ部200と第2ボディ部300とは、熱膨脹防止、作業者保護、その他事故防止などの目的で、水、オイル、ガス、空気などのような冷却流体によって日程温度範囲以下に維持されることができる。冷却が必要な第1ボディ部200と第2ボディ部300との要素の内部あるいは外壁に、冷却流体の循環が可能となるように製作されることができる。
【0042】
一方、第1ボディ部200と第2ボディ部300との外部表面に、作業者保護及び過多な熱損失防止のために断熱材が設けられることができる。
【0043】
次に、本発明の実施形態による流動層反応器の組み立て過程について詳細に説明する。
【0044】
第1反応管250は、第1ボディ部200に挿入される。第2ボディ部300の中に第2反応管350が挿入され、第2ボディ部300の下端を密閉するための底面部400に各種ノズル600、650と電極800とヒーター700とが組み立てられる。第2反応管350が挿入された第2ボディ部300に底面部400が連結される。以後、第1ボディ部200と第2ボディ部300とが互いに連結され、ヘッド100が第1ボディ部200に連結される。
【0045】
底面部400に組み立てられる各種ガス供給部は、流動ガス供給部600と反応ガス供給部650とを含むことができる。
【0046】
第1反応管250と第2反応管350とは、チューブ形状や、チューブ、円錐及び楕円部分を含む形状を有することができる。第1反応管250と第2反応管350との端の部分は、フランジ形で加工されることができる。第1反応管250と第2反応管350とは、複数の部分からなることができ、このような部分の一部が、第1ボディ部200及び第2ボディ部300の内壁面にライナー(liner)のような形態で設けられることもできる。
【0047】
第1反応管250と第2反応管350との材質は、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、イットリア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。
【0048】
第1反応管250と第2反応管350とが炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質は多結晶シリコンを汚染させる恐れがあるため、多結晶シリコンが接触できる反応管の内壁面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされることができる。
【0049】
流動ガス供給部600は、反応管内のシリコン粒子を流動させる流動ガスを供給する。反応管内に位置するシリコン粒子の一部または全部は、流動ガスによって流動する。このとき、流動ガスは、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、塩化水素(HCl)、四塩化シラン(SiCl)のうち少なくとも1つを含むことができる。流動ガス供給部600は、反応管として用いられることができる無機材質成分からなったチューブ、ライナーまたは成型品であることができる。
【0050】
反応ガス供給部650は、シリコン粒子層にシリコン元素を含む反応ガスを供給する。反応ガスは、多結晶シリコンの析出に用いられる原料ガスとしてシリコン元素成分を含む。反応ガスは、モノシラン(SiH)、ジシラン(disilane:Si)、高次シラン(Si2n+2、nは3以上の自然数)、二塩化シラン(DCS:SiHCl)、三塩化シラン(TCS:SiHCl)、四塩化シラン(STC:SiCl)、ジブロモシラン(SiHBr)、トリブロモシラン(SiHBr)、silicontetrabromide(SiBr)、diiodosilane(SiH)、triiodosilane(SiHI)、silicontetraiodide(SiI)のうち少なくとも1つを含むことができる。このとき、反応ガスは、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、または塩化水素のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。反応ガスの供給によって、0.1〜2mm程度の多結晶シリコン種粒子の表面に多結晶シリコンが析出され、多結晶シリコン種粒子の大きさが増加する。
【0051】
多結晶シリコン種粒子の大きさが一定程度増加すると、流動層反応器の外部に放出される。ヒーター700は、多結晶シリコン製造装置500の内部に、多結晶シリコン粒子の表面でシリコン析出反応が起きるための熱を供給する。
【0052】
実施形態において、シリコン析出反応のために反応管250の内部において熱が供給できるが、反応管250の外部から反応管250の内部に供給された熱によってシリコン析出反応が起きることもできる。ヒーター700は、抵抗体を含み、電気の供給を受けることによって熱を供給することができる。ヒーター700は、グラパイト(graphite)、炭化ケイ素のようなセラミックス、または金属材質のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0053】
ガス排出部17は、ヘッド100に設けられ、シリコン析出反応時に発生された流動ガス、未反応の反応ガス、反応生成物ガスを含む排出ガスを外部に排出させ、連続的に運転させることができる。排出ガスとともに運ばれてくるシリコン微粒子または高分子量の反応副産物は別途の排出ガス処理部(図示せず)で分離することができる。
【0054】
各ガス供給部600、650、すなわち、各種ノズル、電極800及びヒーター700などは、底面部400を構成するプレート410乃至440とともに組み立てられる。このとき、電極800は、ヒーター700と電気的に連結され、ヒーター700は電極800から供給された電源によってヒーティングされる。
【0055】
示されたように、本発明の実施形態による底面部400は、基底プレート410と、第1乃至第3プレート420、430、440とを含む。
【0056】
基底プレート410は、第2ボディ部300と連結され、流動ガス供給部及び反応ガス供給部と組み立てられる。基底プレート410は、炭素鋼、ステンレス鋼、その他合金鋼などの機械強度に優れ、加工の容易な金属材料からなることができる。
【0057】
第1プレート420は、基底プレート410上に位置し、基底プレート410を絶縁させる。これによって、第1プレート420は、クオーツ(quartz)のように高温で耐えることができ、絶縁性を持ちながらも析出される多結晶シリコンを汚染させない物質からなることができる。第1プレート420は、クオーツの以外に窒化ケイ素、アルミナ、イットリアなどの高温での耐熱性を有するセラミックス物質からなることができ、場合によってはこのようなセラミックス物質で第1プレート420の表面がコーティングまたはライニングされることができる。
【0058】
第2プレート430は、第1プレート420上に位置し、ヒーター700と接触してヒーター700に電気を供給する。これによって、第2プレート430は、グラパイト、シリコンカーバイドがコーティングされたグラパイト、シリコンカーバイド、窒化ケイ素がコーティングされたグラパイトのような導電性物質からなることができる。基底プレート410と第2プレート430との間には絶縁特性を有している第1プレート420が位置するため、基底プレート410と第2プレート430とは互いに絶縁される。第2プレート430がヒーター700と接触するため、第2プレート430で熱が発生することがあるが、第2プレート430で電流の流れる断面積がヒーター700に比べて非常に大きいため、第2プレート430で発生する熱はヒーター700で発生する熱に比べて非常に小さい。また、第2プレート430で発生する接触抵抗による熱発生を減らすために軟性に優れたグラパイトシート(sheet)が第2プレート430とヒーター700との間に挿入されることもできる。
【0059】
基底プレート410と第2プレート430とが導電性を有する場合、基底プレート410と第2プレート430との接触によって基底プレート410に流れる漏洩電流が発生することがある。これによって、示されたように、基底プレート410と第2プレート430との端は、所定距離ほど離隔されている。
【0060】
すなわち、第1プレート420には第2プレート430が装着されることができる溝が形成されることができる。例えば、第1プレート420には第2プレート430の長さと同一であるか大きい溝が形成され、第2プレート430が第1プレート420の溝の中に装着されることができる。これによって、基底プレート410と第2プレート430との端の間に第1プレート420の一部分が位置することができるため、基底プレート410と第2プレート430との間の絶縁が維持されることができる。
【0061】
示されたように、第1プレート420によって基底プレート410と第2プレート430とが絶縁されることができ、第2プレート430の周りを囲む絶縁リング900が設けられることによって基底プレート410と第2プレート430とが絶縁されることもできる。このとき、絶縁リング900は、クオーツ、セラミックスからなることができる。
【0062】
第3プレート440は、第2プレート430上に位置し、第1反応管250及び第2反応管350の内部で析出された多結晶シリコンが第2プレート430によって汚染されることを防止する。これによって、第3プレート440は、高温で変形しにくい無機材料からなることができ、石英、シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ケイ素、黒鉛、シリコン、ガラス質炭素、またはこのような材料が混合した複合体などのような無機材料からなることができる。第3プレート440が炭化ケイ素、黒鉛、ガラス質炭素などの炭素含有材質からなった場合、炭素含有材質は多結晶シリコンを汚染させる恐れがあるため、第3プレート440の表面は、シリコン、シリカ、石英、窒化ケイ素などでコーティングまたはライニングされることができる。
【0063】
また、底面部400の第2プレート430と第3プレート440とは1つのボディではなく複数個の断片を含むため、多結晶シリコン製造装置の組み立て、設置及びメンテナンスが容易になる。すなわち、多結晶シリコンの大量生産のための装置の大きさが増加するため、第2プレート430と第3プレート440とが1つのボディからなった場合、装置の組み立て、設置及びメンテナンスが困難になる恐れがある。
【0064】
例えば、図2に示されたように、第3プレート440は、同心円方向と直径方向に切られた断片で構成されることができる。また、図3に示されたように、第3プレート440は、大きさの異なるリング形態の断片で構成されることができる。
【0065】
図4は、本発明の実施形態による多結晶シリコン装置において内部温度による反応温度制御方法を説明するための図であり、図5は、本発明の実施形態による温度測定部を示した図である。
【0066】
図4及び図5を参照すれば、多結晶シリコン製造装置500は、温度測定部910、930と、制御部950と、電源供給部900とを含む。なお、多結晶シリコン装置の構造において、既に図1で説明した部分は省略する。
【0067】
温度測定部910、930は、シリコン析出反応が起きる反応管250、350の内部の温度を周期的に測定するかあるいはシリコン析出反応が起きる間に連続的に測定することができる。
【0068】
このような温度測定部910、930は、反応管の外側に配置されて反応管の内部温度を測定することができ、反応管の内部方向に配置されるように底面部400に設けられることができる。
【0069】
温度測定部が反応管の外側に配置される場合、温度測定部は、温度センサー910を含むか温度センサーそのものになって反応管の外側で反応管の内部温度を測定することができる。このように、反応管の外側で温度センサー910を利用して内部反応温度を測定するようになると、反応管の内部で粒子の流動を邪魔しないため、製品生産性や反応条件を邪魔しない。
【0070】
温度センサー910の個数は少なくとも1つ以上であり、温度センサー910が複数個の場合、複数の温度センサーは所定の間隔を置いて互いに反応管の外側に配置されることができる。
【0071】
このとき、複数の温度センサーは、配置された各領域において反応管の内部領域の温度を測定し、制御部950は、測定された内部温度値のうち最大温度値を抽出して既設定された基準温度値と比べて、最大温度値が基準温度値より低い場合、電源供給部900を制御して反応管内の温度を上昇させて反応温度が一定に維持されるようにする。
【0072】
制御部950による電源供給部900の制御は、電圧あるいは電流コントロールが可能であるため、反応管内の温度を上昇させて一定に維持させるためにヒーター700に伝達される要因は電圧あるいは電流になることができる。
【0073】
基準温度値は、固定された値ではなく、シリコン製造装置の運転の際に内部で安定に、かつ連続的に反応が起きるための温度値であるため、シリコン製造装置の内部環境や構造によって異なって設定されることができる。
【0074】
また、複数の温度センサーが各領域において反応管の内部領域の温度を測定するとき、制御部950は、測定された温度に対して平均温度値を算出し、平均温度値を既設定された基準温度値と比べて、平均温度値が基準温度値より低い場合、電源供給部900を制御して反応管内の温度を上昇させて一定に維持させることができる。
【0075】
温度測定部930が底面部400と組み立てされて反応管の内部方向に配置される場合、反応管の外側に配置されて反応温度を測定するときより反応管の内部の粒子流動の邪魔が存在するが、反応管の内部で直接的に反応温度を測定することができるため、シリコン析出反応時にヒーターのオーバーヒーティングによる温度測定誤差を減らすことができる。
【0076】
温度測定部930は、反応管の内部の粒子流動の邪魔を最小限にするためには、できるだけヒーター700と平行な方向に設けられることが望ましく、これによって、底面部400との組み立て及び設置の容易な利点がある。
【0077】
温度測定部930は、温度測定装置931と温度測定装置とを囲むハウジング933と、ハウジングから離隔されて物理的あるいは化学的反応による汚染が発生することを防止するためにハウジングを取り囲む保護管935とを含むことができる。反応管の圧力と保護管の圧力との間の差によって圧力が低い保護管の破損が発生することがあるため、ハウジングと保護管との間の離隔された空間に所定のガスを供給し、反応管の圧力と保護管の圧力との間の圧力差を減らし、保護管の破損を防止することができる。
【0078】
温度測定装置931は、サーモカップル(thermo−couple)あるいは放射温度計(Pyrometer)などを使うことができる。放射温度計を使う場合、放射温度計はハウジングや保護管無しにシリコン製造装置のヘッド100またはボディ部200、300にウィンドウが設けられたノズルに装着され、反応管の内部温度を測定することができる。このとき、ウィンドウは、光を透過することができる透明素材、例えば、クオーツ、強化ガラス等が用いられることができ、必要によって金(Au)またはバリウム(Ba)がコーティングされることができる。
【0079】
温度測定部930は、少なくとも1つ以上が反応管の内部方向に配置されるように底面部400と組み立てられ、単一温度測定部を構成するハウジング933は、単一個あるいは複数個であることができる。
【0080】
このとき、ハウジング933の内部に装着される温度測定装置931は、単一個あるいは複数個であることができる。ハウジング933の内部に装置される温度測定装置が単一個の場合、温度測定装置931は、ヒーターの最高温度を測定することができる領域と対応される領域に装着されることが望ましい。これは、反応管の内部の温度によって電源供給部900を制御して反応管の内部温度を一定に維持させるに、反応管の内部の温度測定に対する正確性を高め、容易に制御することができるためである。
【0081】
温度測定装置931が複数個の場合、温度測定装置931は、ヒーターの最高温度を測定することができる領域、及び周辺領域の温度を測定することができる領域と対応される領域に装着されることができる。このとき、制御部950は複数の領域において測定された温度に対して平均温度値を算出し、既設定された基準温度値と比べて電源供給部900を制御することができる。
【0082】
このように、多結晶シリコン製造装置は、反応管の内部でシリコン析出反応が起きる間に、反応管の内部の温度変化によって内部温度を一定に維持させることによって連続的な運転ができ、多結晶シリコンの大量生産が可能である。
【0083】
本発明の権利は、上述した実施形態に限定されず、請求範囲に記載したものにより定義され、本発明の分野における通常の知識を有した者が請求範囲に記載した権利範囲内で多様な変形と改作ができるということは自明である。
【符号の説明】
【0084】
100 ヘッド
200 第1ボディ部
250 第1反応管
300 第2ボディ部
270 支持リング
350 第2反応管
400 底面部
410 基底プレート
420 第1プレート
430 第2プレート
440 第3プレート
500 流動層反応器
600 流動ガス供給部
650 反応ガス供給部
700 ヒーター
800 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部でシリコン析出反応が起きる反応管と、
前記反応管内のシリコン粒子に流動ガスを供給する流動ガス供給部と、
前記反応管の内部でシリコン析出反応時に反応温度を一定に維持させるための手段と、
を含む多結晶シリコン製造装置。
【請求項2】
前記手段は、
前記反応管の内部に熱を供給して前記シリコン粒子のシリコン析出反応を起こすためのヒーターと、
前記ヒーターに電源を供給する電源供給部と、
前記反応管の内部でシリコン析出反応が起きる間に、前記反応管の内部の温度が一定に維持されるように前記電源供給部を制御する制御部と、
を含む、請求項1に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記反応管内の内部温度に変化がある場合、前記電源供給部を制御する、請求項2に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項4】
前記反応管内の温度変化を感知するための温度測定部を含む、請求項1から3のいずれかに記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項5】
前記温度測定部は、温度測定装置と、前記温度測定装置をカバーするハウジングと、前記ハウジングと離隔されて前記ハウジングを囲む保護管と、を含む、請求項4に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項6】
前記温度測定装置は、複数個あるいは単一個が前記ハウジングの内部に設けられる、請求項5に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項7】
前記温度測定装置は、前記ヒーターの最高温度が測定される領域に対応して装着される、請求項5または6に記載のシリコン製造装置。
【請求項8】
前記温度測定部は、前記反応管の外側に配置される温度センサーを含む、請求項4または5に記載のシリコン製造装置。
【請求項9】
前記温度センサーの個数は複数個であり、前記複数の温度センサーは、互いに所定間隔を置いて前記反応管の外側に配置される、請求項8に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項10】
前記複数の温度センサーから測定された温度に対して平均温度値を求め、平均温度値は、既設定された基準温度値より低い場合、前記電源供給部を通して前記反応管内の温度を上昇させる、請求項9に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項11】
前記複数の温度センサーから測定された温度のうち、最大温度値が既設定された基準温度値より低い場合、前記電源供給部を通して前記反応管内の温度を上昇させる、請求項9に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項12】
前記流動ガス供給部が組み立てられる底面部をさらに含み、
前記底面部は、基底プレートと、前記基底プレートの上に位置して前記基底プレートを絶縁させる第1プレートと、前記第1プレートの上に位置してヒーターに電気を供給する第2プレートと、前記第2プレートの上に位置して前記第2プレートを絶縁させる第3プレートと、を含む、請求項1に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項13】
前記第2プレートの端と前記基底プレートの一面とが離隔される、請求項12に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項14】
前記基底プレートと前記第2プレートとの端の間に、前記第1プレートの一部分が位置する、請求項12に記載の多結晶シリコン製造装置。
【請求項15】
前記第2プレートと前記第3プレートとのそれぞれは、複数の単位プレートを含む、請求項12に記載の多結晶シリコン製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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