説明

多通路トンネル

多通路トンネルは、トンネルボーリングマシン(1)で施工される円形の断面を持ったトンネルであり、トンネル中央に配置されその全高に及ぶ壁(2)と、トンネル底部から少し上がった位置に敷設されたスラブ(3)とを具え、隣り合う独立した二本の通路と二つの小区分を持ったサービス通路を形成する。この二本の通路の側方内側とサービス通路の二つの小区分内側には、事故や火災時の区間的なアクセスに供するために、シャトルタイプの車輌(4)が組込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トンネルボーリングマシンを用いたトンネル工事は、道路輸送および鉄道輸送システムのインフラ整備に漸増的に用いられている解決策である。
【0002】
トンネルボーリングマシンを用いたトンネル工事において、このマシンは表土を掘りつつ、留め具で互いに連結したプレキャストセグメントを配設して、トンネル壁面を形成する。その後、トンネルを走る車輌(鉄道トンネルであれば列車)の運行用路盤を造るべくトンネル底部を施工して、隣り同士に配置した二つの通行区分を設ける。
【0003】
長いトンネル(通常、500m以上のもの)の場合には、このトンネルによる解決策は問題が多く、各通行区分につき1本づつ2本のトンネルを分離し、換気目的で一本の通行区分を空気が循環するようにしたものを作ることが必要になるであろう。時には、事故や火災時のアクセスのための第三のトンネル(サービストンネル)を造ることも必要になる。
【背景技術】
【0004】
本発明は、ボーリングマシンを用いて施工される鉄道トンネル建設用の革新的な解決策を提供するものであり、二つの通行区分が完全に分離されて、事故や火災時のアクセスが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、図1、2、3および4に図解されている。
【図1】図1はトンネルの斜視図である。
【図2】図2はトンネルの横断面図である。
【図3】図3はトンネルの長手方向の断面を示す図である。
【図4】図4はトンネルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
トンネルは、トンネルボーリングマシンで施工される円形のチューブ(1)によって構成されており、このマシンで表土を掘り、かつ金属製の留め具で互いに連結されるであろうプレキャスト部材セグメントを配設する。
【0007】
その後、このように形成されたトンネルの内側に、トンネル中央に配置されその全高に及ぶ壁(2)と、トンネル底部から少し上がった位置にスラブ(3)が敷設され、隣り合って配設された独立した二本の通路と、二つの平行な小区分を具えるサービス通路を形成する。
【0008】
二本の通路の横方向部分の内側と、サービス通路の二つの小区分の内側には、事故や火災時に区間的なアクセスを提供するため、シャトルタイプの車輌(4)を後に設置する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルボーリングマシンを用いて施工した円形断面の複線型鉄道トンネル(1)において、防火壁(7)を具えた大きな開口部をトンネル長さに沿って一定間隔で有しており、独立した二本の鉄道軌道(4)(5)を隣り合わせに形成するトンネル中央に配置されたトンネル全高に及ぶ壁(2)を設けたことを特徴とするトンネル。
【請求項2】
請求項1に記載のトンネルにおいて、トンネル(3)の底部から少し上がった位置にトンネル全幅に亘って敷設され、防火装置(8)で防護された開口部を円形の壁(1)近くで両側に一定の間隔でスラブを設けて、完全に隔離された鉄道軌道からアクセス可能なサービス通路(6)を形成したことを特徴とするトンネル。
【請求項3】
請求項1に記載のトンネルにおいて、鉄道軌道(4)(5)の内側で、円形の壁(1)近くを運行するシャトルタイプの車輌(9)を配備したことを特徴とするトンネル。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のトンネルにおいて、2本の鉄道軌道(4)(5)の内側で、円形の壁(1)近く、及びサービス通路(6)の内側を運行するシャトルタイプの車輌(7)を配備したことを特徴とするトンネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−531400(P2010−531400A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513143(P2010−513143)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【国際出願番号】PCT/PT2007/000044
【国際公開番号】WO2009/002199
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(509348753)