説明

多重回動スイッチ

【課題】連れ回りを防止できるようにするとともに、薄型化、小型化、低コスト化できるようにする。
【解決手段】筐体2の所定部に略同心円上に設けられた回動スイッチ10及び20の自動復帰機構9が、回動スイッチ10の裏面側に、間隙部S1を有して一対で突設される回動リブ部11,12と、間隙部S1の円心側に隣設する間隙部S2を有して、回動スイッチ20の裏面側に一対で突設される回動リブ部21,22と、筐体2に対する伸縮位置を略固定された伸縮部33を有して、伸縮部33が間隙部S1及びS2に配置される捻りコイルバネ30と、捻りコイルバネ30の伸縮部33の伸縮方向の一方の側の筐体2の所定部に回動可能に設けられるカムロック部41と、捻りコイルバネ30の伸縮部33の伸縮方向の他方の側の筐体2の所定部に回動可能に設けられるカムロック部42とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のズームスイッチやモード切替スイッチに適用可能な多重回動スイッチに関する。
【0002】
詳しくは、筐体の所定部に同心円上に配設された第1及び第2の回動スイッチの裏面側に、間隙部を有して一対を成す回動リブ部を其々設け、当該第1及び第2の回動スイッチの間隙部に弾性部材の伸縮部を配置するとともに、伸縮部の伸縮方向の延長線上の筐体の所定部に第1及び第2のカムロック部を備え、一方の回動スイッチが所定の方向に回動操作されると、回動操作された回動スイッチの一対の回動リブ部の一方が伸縮部を押圧するとともに、他方がカムロック部と当接して回動させ、回動したカムロック部が他方の回動スイッチの回動リブ部と当接するようにして、一方の回動スイッチの回動操作に、他方の回動スイッチが連動する連れ回りを防止できるようにするとともに、一の弾性部材が第1及び第2の回動スイッチを付勢及び自動復帰できるようにして、薄型化、小型化、低コスト化を実現できるようにしたものである。
【背景技術】
【0003】
近年、特にデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等といった携帯用の電子機器では、小型化、軽量化、低コスト化が進んでいる。電子機器の小型化に伴い、それらに搭載される操作ボタンや操作スイッチも小型化されている。こうした状況の中、ズーム調整やモード切替等のための複数の回動スイッチが、同心円上に多重に配置された多重回動スイッチが多く使用されている。
【0004】
この種の多重回動スイッチに関して、特許文献1に示すような多段ロータリースイッチが開示されている。この多段ロータリースイッチによれば、印刷基板の上面に、同心円状の複数のスイッチ用接点を設け、当該複数のスイッチ用接点と摺接する複数のロータリースイッチを同一平面上に構成すると共に、スイッチ用接点の軸心と対向して固定軸筒を設け、固定軸筒によって、第1回動操作ツマミと第2回動操作ツマミに回動基準点を与えるようになされる。このようにすると、スイッチ用接点を積層せずに、一の印刷基板に構成できるので、印刷基板と複数のロータリースイッチとを収納するケースの厚みを薄くできるというものである。
【0005】
更に、特許文献2には自動復帰(セルフリターン)機構を有するロータリースイッチが開示されている。このロータリースイッチによれば、軸受部に保持された捻りコイルバネと、当該捻りコイルバネの両端と当接する凹状の当接部を有する操作体を備えている。このように構成すると、操作体を回動する操作力が解除されたときに、捻りコイルバネの付勢力で操作体の回動位置が復帰するというものである。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第2572256号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】実開昭63−186030号公報(第1頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1及び2に係る多段ロータリースイッチ及びロータリースイッチによれば、回動操作ツマミ(操作体)毎に自動復帰機構を有するものである。従って、ロータリースイッチの小型化、薄型化、低コスト化が制限されるという問題がある。また、一方の操作体を回動した場合に他方の操作体が連動する連れ回りが発生するおそれがある。
【0008】
そこで本発明は、上述の課題を解決したものであって、同心円上に配設された回動スイッチの連れ回りを防止できるようにするとともに、薄型化、小型化、低コスト化できるようにした多重回動スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題は、所定の筐体と、筐体の所定部に略同心円上に設けられ、其々が独立して回動操作される第1及び第2の回動スイッチと、回動操作された第1及び第2の回動スイッチを、所定の回動位置に自動復帰させる自動復帰機構と、第1及び第2の回動スイッチの其々に設けられ、当該第1及び第2の回動スイッチと連動する第1及び第2の摺動子と、第1及び第2の回動スイッチの回動操作に応じて第1及び第2の摺動子と摺接する電極とを備える多重回動スイッチにおいて、自動復帰機構は、第1の回動スイッチの回動操作される面の裏面側に、第1の間隙部を有して一対で突設された第1及び第2の回動リブ部と、第1の間隙部の円心側に配された第2の間隙部を有して、第2の回動スイッチの裏面側に一対で突設される第3及び第4の回動リブ部と、筐体に対する伸縮位置を略固定された伸縮部を有して、当該伸縮部が第1及び第2の間隙部に配置される弾性部材と、弾性部材の伸縮部の伸縮方向の一方の延長線上の筐体の所定部に回動可能に設けられた第1のカムロック部と、弾性部材の伸縮部の伸縮方向の他方の延長線上の筐体の所定部に回動可能に設けられた第2のカムロック部とを備え、第1の回動スイッチが所定の方向に回動操作されると、第1又は第2の回動リブ部が第1又は第2のカムロック部と当接して、当該第1又は第2のカムロック部を回動させ、回動した第1又は第2のカムロック部が第3又は第4の回動リブ部と当接し、第2の回動スイッチが所定の方向に回動操作されると、第3又は第4の回動リブ部が第1又は第2のカムロック部と当接して、当該第1又は第2のカムロック部を回動させ、回動した第1又は第2のカムロック部が第1又は第2の回動リブ部と当接することを特徴とする多重回動スイッチによって解決される。
【0010】
この発明に係る多重回動スイッチによれば、第1の回動スイッチが第1の方向に回動操作されると、第2の回動リブ部が伸縮部を押圧するとともに、第1の回動リブ部が第1のカムロック部と当接して第1のカムロック部を円心側に回動させ、回動した第1のカムロック部が、第2の回動スイッチの第3の回動リブ部と当接する。
【0011】
第2の回動スイッチが第1の方向に回動操作されると、第4の回動リブ部が伸縮部を押圧するとともに、第3の回動リブ部が第1のカムロック部と当接して第1のカムロック部を外周側に回動させ、回動した第1のカムロック部が、第1の回動スイッチの第1の回動リブ部と当接する。
【0012】
第1の回動スイッチが第2の方向に回動操作されると、第1の回動リブ部が伸縮部を押圧するとともに、第2の回動リブ部が第2のカムロック部と当接して第2のカムロック部を円心側に回動させ、回動した第2のカムロック部が、第2の回動スイッチの第4の回動リブ部と当接する。
【0013】
第2の回動スイッチが第2の方向に回動操作されると、第3の回動リブ部が伸縮部を押圧するとともに、第4の回動リブ部が第2のカムロック部と当接して第2のカムロック部を外周側に回動させ、回動した第2のカムロック部が、第1の回動スイッチの第2の回動リブ部と当接する。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る多重回動スイッチによれば、第1又は第2の回動スイッチの何れか一方が所定方向(回動方向)に回動操作されると、第1又は第2の回動スイッチの回動リブ部によって、所定方向の側にある第1又は第2のカムロック部が回動し、回動操作されていない他方の第2又は第1の回動スイッチの回動リブと当接して、第2又は第1の回動スイッチが所定方向へ回動することを阻止する。これにより、一方の回動スイッチの回動操作に、他方の回動スイッチが連動する連れ回りを防止できる。
【0015】
また、一の弾性部材が第1及び第2の回動スイッチの間隙部に伸縮部を配し、両方の回動スイッチを付勢するとともに回動位置を復帰させるので、部品数や組立工数を削減でき、多重回動スイッチを応用する電子機器の小型化、薄型化及び低コスト化に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
続いて、この発明に係る多重回動スイッチについて図面を参照しながら説明をする。
図1は、この発明の実施の形態としての多重回動スイッチ1の構成例を示す斜視図である。図1に示す多重回動スイッチ1は、例えばデジタルビデオカメラ等の電子機器に搭載されて、ズームイン、ズームアウト、モード切替等のスイッチ操作に用いられる。以降、多重回動スイッチ1が電子機器に搭載された場合に、電子機器の筐体の外側に配されて操作される側を表面側として説明をする。
【0017】
多重回動スイッチ1は、筐体2と、筐体2の表面側の所定部に同心円上に隣接して設けられ、其々が独立して回動操作される回動スイッチ10及び20と、筐体2の裏面側に設けられ、回動操作された回動スイッチ10及び20を所定の回動位置に自動復帰させる自動復帰機構9と、回動スイッチ10及び20の其々に設けられ、当該回動スイッチ10及び20と連動する摺動子52及び62(図2参照)と、筐体2と一体になされ、回動スイッチ10及び20の回動操作に応じて摺動子52及び62と摺接する電極群71及び72(図2参照)とを備えている。
【0018】
この例の多重回動スイッチ1は、筐体2に基づいて構成される。筐体2は、例えばプラスチック等の絶縁性の部材で構成されて、電子機器の所定部に固定可能な外形を有する。回動スイッチ10及び20は、筐体2に対して回動可能に係合される環状(ダイヤル形状)の部材である。回動スイッチ10は外側に、回動スイッチ20は内側に設けられ、2つの回動スイッチは略同心円上に配されている。
【0019】
また、回動操作性を向上するため、この例の回動スイッチ10の表面側には凸状の操作部10aが設けられ、回動スイッチ20の表面側には波面状の操作部20aが設けられている。回動スイッチ10及び20は、通常、使用者の指先で回動操作される。
【0020】
図2A及びBは、自動復帰機構9の構成例を示す多重回動スイッチ1の分解斜視図である。多重回動スイッチ1は、図2Aに示す筐体2、回動スイッチ10,20、捻りコイルバネ30、カムロック部41,42、連動片50,51,60、及び、摺動子52,62と、図2Bに示す筐体70、及び、電極群71,72とを備えて構成される。筐体2と筐体70とは、互いに係合可能な形状を有して一体に組み立てられる。
【0021】
多重回動スイッチ1は、回動スイッチ10(第1の回動スイッチ)が回動操作されると、回動スイッチ10と連動する摺動子52(第1の摺動子)が電極群71との電気的接続状態を変更し、回動スイッチ20(第2の回動スイッチ)が回動操作されると、回動スイッチ20と連動する摺動子62(第2の摺動子)が電極群72との電気的接続状態を変更することで、電気的なスイッチとして機能するようになされる。電極群71,72は、筐体70の所定面に、略同心円上に印刷形成された配線パターンや電極シートなどで構成される。筐体70は、電極群71,72を内側に配して、筐体2の裏面側から筐体2と一体に組み上げられる。
【0022】
多重回動スイッチ1が搭載されるデジタルビデオカメラ等は、摺動子52,62と電極群71,72との電気的接続状態に応じて、ズームイン、ズームアウト、モード切替等の処理を実行するように構成される。
【0023】
また多重回動スイッチ1は、筐体2の裏面側に自動復帰機構9を有している。回動スイッチ10又は20は、自動復帰機構9によって、所定方向に回動操作された後で回動操作が解除されると、図1に示す回動位置に自動復帰する。また、この例の回動スイッチ10及び20は、円心P0(図3参照)を回動軸に、時計回り、反時計回りの両方向に、所定の回動範囲で回動操作される。
【0024】
更に、この例の自動復帰機構9は、自動復帰(セルフリターン)機能の他に、連れ回り防止機能を備えている。ここでいう連れ回りとは、誤操作の一例であり、一方の回動スイッチが所定方向に回動操作された場合に、回動操作されていない他方の回動スイッチが、例えば使用者の指がかかること等によって連動し、所定方向に回動操作されることをいう。
【0025】
自動復帰機構9は、回動リブ部11,12,21,22、捻りコイルバネ30、カムロック部41,42から構成される。ここで、図3は、多重回動スイッチ1の機能例(その1)を示す図であり、筐体70を取り外した状態の回動スイッチ1の裏面図である。以降、図2及び図3を参照しながら、自動復帰機構9の構成について説明をする。
【0026】
回動リブ部11(第1の回動リブ部)、回動リブ部12(第2の回動リブ部)は、回動スイッチ10の裏面側に、間隙部S1を有して一対で突設される。この例の回動リブ部11,12は、一対の弧状の突起部で構成される。回動リブ部11,12は、回動スイッチ10と連動して回動する。回動リブ部11,12の円心(軸心)側には、回動スイッチ20の回動リブ部21(第3の回動リブ部)、回動リブ部22(第4の回動リブ部)の回動円が配される。ここでいう回動リブ部21,22の回動円とは、回動リブ部21,22が回動する軌道をさす。
【0027】
回動リブ部21,22は、間隙部S1の円心側に隣設された間隙部S2を有して、回動スイッチ20の裏面側に一対で突設される。この例の回動リブ部21,22は、一対の弧状の突起部で構成される。回動リブ部21,22は回動スイッチ20と連動して回動する。
【0028】
ここで、円心側の回動リブ部21,22は、外周側の回動リブ部11,12に比べて短い弧状になされる。回動リブ部11と回動リブ部21とは、略同じ中心角θ1を有し、また、円心P0に対して略同心円上に配されている。
【0029】
一方、回動リブ部12と回動リブ部22とは、略同じ中心角θ2を有し、円心P0に対して略同心円上に配されている。回動リブ部21,22の回動円の、更に円心側の筐体2の所定部には、弾性部材の一例としての捻りコイルバネ30が配される。
【0030】
捻りコイルバネ30は、筐体2に対する伸縮位置を略固定された伸縮部33を有して、当該伸縮部33が、間隙部S1、S2に配置されるものである。捻りコイルバネ30は、伸縮部33の伸縮方向の両端部が、回動リブ部11,12,21,22の内側端部11b,12b,21b,22bに当接するようになされる。捻りコイルバネ30は、回動スイッチ10及び20の円心側に位置する筐体2の所定部に係合される。捻りコイルバネ30の伸縮部33の伸縮方向の延長線上には、カムロック部41(第1のカムロック部),カムロック部42(第2のカムロック部)が配置される。
【0031】
カムロック部41は、伸縮部33の伸縮方向の一方の延長線上の筐体2の所定部に回動可能に設けられて、回動リブ部11,21の外側端部11a,21aに当接するようになされる。一方、カムロック部42は、伸縮部33の伸縮方向の他方の延長線上の筐体2の所定部に回動可能に設けられて、回動リブ部12,22の外側端部12a,22aに当接するようになされる。
【0032】
自動復帰機構9では、外周側の回動スイッチ10が所定の方向に回動操作されると、回動方向にある回動リブ部11,12の何れか一方が、カムロック部41又は42と当接してカムロック部41又は42を円心側に回動させ、回動したカムロック部41又は42が、円心側にある回動リブ部21又は22の外側端部21a又は22aと当接するようになされる。この場合、回動したカムロック部41又は42によって、円心側の回動スイッチ20の回動動作が阻止される。
【0033】
同様に、円心側の回動スイッチ20が所定の方向に回動操作されると、回動方向にある回動リブ部21,22の何れか一方がカムロック部41又は42と当接してカムロック部41又は42を外周側に回動させ、回動したカムロック部41又は42が、外周側にある回動リブ部11又は12の外側端部11a又は12aと当接するようになされる。この場合、回動したカムロック部41又は42によって、外周側の回動スイッチ10の回動動作が阻止される。
【0034】
この例の自動復帰機構9は、筐体2の裏面側に略同一平面状態で構成される。つまり、回動リブ部11,12,21,22、捻りコイルバネ30、カムロック部41,42とは、略同一平面上に配される。
【0035】
また、回動スイッチ10は、回動リブ部11,12と同一面に、スイッチ機能用の回動リブ部13,14を有している。回動リブ部13,14の先端部には連動片50が連結される。連動片50は、この例では円弧状に構成され、連動片50の筐体70の側の面には、摺動子52が突設されている。
【0036】
一方、回動スイッチ20は、回動リブ部21,22と同一面に、スイッチ機能用の回動リブ部23,24を有している。回動リブ部23,24の先端部には連動片60が連結される。連動片60は、この例では環状に構成され、連動片60の筐体70の側の面には、摺動子62が突設されている。
【0037】
また、回動スイッチ10及び20が係合される筐体2は、略中央部に円形の開口部2aを備えている。開口部2aの中点である円心P0は、回動スイッチ10及び20の回動軸を成す。開口部2aの周辺には、弧状の開孔部である長孔4〜7,4’〜7’が、其々、分断されて形成されている。長孔4’〜7’は、開口部2aの外周側に開口部2aと略同心円上に配され、長孔4〜7は、長孔4’〜7’の更に外周側に開口部2a及び長孔4’〜7’と略同心円上に配される。
【0038】
外側の長孔4〜7の其々には、回動スイッチ10の回動リブ部11〜14の其々がスライド可能に係合される。一方、内側の長孔4’〜7’の其々には、回動スイッチ20の回動リブ部21〜24の其々がスライド可能に係合される。この例では、長孔4〜7の円周方向の長さが回動スイッチ10の回動範囲を規制する。同様に、長孔4’〜7’の円周方向の長さが回動スイッチ20の回動範囲を規制する。
【0039】
また、筐体2の裏面側の開口部2aの円周部には、捻りコイルバネ装着用の環状突起部3が形成されている。環状突起部3は、所定部に間隙部S3を有している。この例で間隙部S3は略長方形の凹部で構成される。間隙部S3の円周方向の両側端部は開口端部3a,3bを成す。また、間隙部S3の円周方向の長さは、回動スイッチ10及び20の回動角度と、捻りコイルバネ30の弾性力とに基づいて設定される。この例の回動スイッチ10と回動スイッチ20とは、略同等の回動角度を有する。
【0040】
環状突起部3の内周部に捻りコイルバネ30が係合される。捻りコイルバネ30は、巻心部34と伸縮部33とを有して構成されている。捻りコイルバネ30は、巻心部34が、回動スイッチ10及び20と同心円上の環状突起部3の内周部に配される。
【0041】
伸縮部33は、巻心部34から放射方向に突設されて、巻心部34の円周方向に接近離間する一対の突出棒31,32で構成される。一対の突出棒31,32は、捻りコイルバネ30の付勢力によって間隙部S1及びS2に配置される伸縮部33を成す。
【0042】
捻りコイルバネ30の伸縮部33は、間隙部S3に係合され、間隙部S3の範囲で伸縮可能になされる。捻りコイルバネ30に外力が加わらないとき、開口端部3aには突出棒31が当接し、開口端部3bには突出棒32が当接する。捻りコイルバネ30は、間隙部S3に配された突出棒31及び32が互いに離間する張力で自らの回動位置を保持する。また、突出棒31及び32は間隙部S1及びS2に向けて延在され、回動スイッチ10及び20を付勢する。このため、間隙部S3,S1及びS2は、略同じ中心角を有している。捻りコイルバネ30の伸縮方向(円周方向)の延長線上には、カムロック部41,42が配置される。
【0043】
この例のカムロック部41,42は、略扇形状を有し、扇形状の中心角の側には回転軸が設けられ、扇形の両側辺部に回動リブ部11,12,21,22の外側端部11a,12a,21a,22aが当接して回動するようになされる。例えば、カムロック部41は、扇形状の中心角の側に回動軸部41aを有している。更に、カムロック部41の扇形の中心角の対辺を成す両側辺は、側辺部41b,41cを成す。
【0044】
側辺部41b,41cは、緩やかな屈曲形状に凹落している。カムロック部41は、外周側の側辺部41b又は円心側の側辺部41cに、回動した回動リブ部11又は21の何れか一方の外側端部11a又は21aが当接することによって押圧され、円心側又は外周側に回動する。
【0045】
他方、カムロック部42は、回動軸部42aを有し、扇形の側辺部42b,42cが緩やかな屈曲形状に凹落している。カムロック部42は、側辺部42b,42cに、回動した回動リブ部12又は22の何れか一方の外側端部12a又は22aが当接することによって押圧され、円心側又は外周側に回動するようになされる。
【0046】
また、図2Bに示す筐体70の内側には、複数の配線パターンで成る電極群71,72が形成されている。電極群71は、回動スイッチ10の回動位置に応じて、摺動子52と摺接可能な位置に配置されている。電極群72は、回動スイッチ20の回動位置に応じて、摺動子62と摺接(短絡)、離間(開放)が可能な位置に配設されている。
【0047】
また、電極群71,72として、一の回動円上に複数の電極を分断して配列し、回動スイッチ10,20の回動角度に応じて摺接電極が変更されるようにしてもよい。このようにすると、例えば、回動スイッチ10を第1の方向に少し回動させると、緩やかなズームアップを実行し、回動スイッチ10を第1の方向に大きく回動させると、急速なズームアップを実行する段階的なズーム制御ができるようになる。以上のようにして、多重回動スイッチ1が構成される。
【0048】
図2A及びBに示すような構成部品から、多重回動スイッチ1を組み立てるには、まず、捻りコイルバネ30を筐体2の環状突起部3に係合する。このとき、捻りコイルバネ30の巻心部34を環状突起部3の内周部に配して、突出棒31及び32を環状突起部3の間隙部S3に嵌合する。ここで、突出棒31及び32を、其々、開口端部3a及び3bに当接させる。これで、捻りコイルバネ30が筐体2の円心側の所定位置に付勢される。伸縮部33(突出棒31及び32)は、間隙部S3の範囲で巻心部34の円周方向に伸縮可能になっている。
【0049】
次に、回動スイッチ10の回動リブ部11〜14の其々を、筐体2に形成された弧状の開孔部である長孔4〜7に挿入する。このとき、回動リブ部11を長孔4に挿入し、回動リブ部12を長孔5に挿入し、回動リブ部13を長孔6に挿入し、回動リブ部14を長孔7に挿入する。
【0050】
回動リブ部11〜14をそれぞれの長孔4〜7に挿入したら、回動リブ部11及び12の間の間隙部S1に捻りコイルバネ30の突出棒31及び32を嵌合し、回動リブ部11,12の内側端部11b,12bに当接させる。これで、回動スイッチ10が、筐体2に対して所定の回動位置に付勢される。更に、回動リブ部13,14の挿入端部に連動片50,51を連結する。このとき、摺動子52が筐体70の側(裏面側)に向くようにする。
【0051】
次に、回動スイッチ20の回動リブ部21〜24を、筐体2に形成された弧状の開孔部である長孔4’〜7’に挿入する。このとき、回動リブ部21を長孔4’に挿入し、回動リブ部22を長孔5’に挿入し、回動リブ部23を長孔6’に挿入し、回動リブ部24を長孔7’に挿入する。
【0052】
回動リブ部21〜24をそれぞれの長孔4’〜7’に挿入したら、回動リブ部21及び22の間の間隙部S2に捻りコイルバネ30の突出棒31及び32を嵌合し、回動リブ部21,22の内側端部21b,22bに当接させる。更に、回動リブ部23,24の先端部に連動片60を連結する。このとき、摺動子62が筐体70の側に向くようにする。
【0053】
次に、筐体2の裏面側の所定部に、カムロック部41及び42を回動可能に連結する。まず、カムロック部41を、伸縮部33の伸縮方向の延長線上であって、長孔4と長孔4’との間の所定部に回動可能に連結する。このとき、回動軸部41aを伸縮部33の側にして当該回動軸部41aを軸に回動可能に連結する。更にこのとき、回動リブ部11の外側端部11aが、カムロック部41の側辺部41bに摺接できるようにするとともに、回動リブ部21の外側端部21aが、側辺部41cに摺接できるようにする。
【0054】
次に、カムロック部42を、伸縮部33の伸長方向の延長線上であって、長孔5と長孔5’との間の所定部に配置する。このとき、回動軸部42aを伸縮部33の側にして当該回動軸部42aを軸に回動可能に連結する。またこのとき、回動リブ部12の外側端部12aが、カムロック部42の側辺部42bに摺接できるようにするとともに、回動リブ部22の外側端部22aが、側辺部42cに摺接できるようにする。
【0055】
最後に、電極群71,72を有す面を内側にして、筐体70と筐体20とを組み立てる。以上のようにして、多重回動スイッチ1を組み立てることができる。以下で、多重回動スイッチ1の機能について説明をする。
【0056】
図3〜7は、多重回動スイッチ1の機能例(その1〜5)を示す図である。図3〜7の多重回動スイッチ1は、筐体70が取り外された状態で、筐体2を裏面側からみたものである。
【0057】
図3に示す多重回動スイッチ1は、回動スイッチ10及び20が、図1に示した回動操作前の回動位置にあるニュートラル状態である。ニュートラル状態の多重回動スイッチ1は、捻りコイルバネ30の突出棒31が環状突起部3の開口端部3aに当接し、突出棒32が開口端部3bに当接して自らの状態を保持している。
【0058】
このとき、回動リブ部11及び21の内側端部11b及び21bは突出棒31に当接し、回動リブ部12及び22の内側端部12b及び22bは突出棒32に当接している。こうして、捻りコイルバネ30によって、回動スイッチ10及び20がニュートラル状態の回動位置に付勢されている。また、このときのカムロック部41は、長孔4と長孔4’に対して中立な、回動前の中間状態にある。同様に、カムロック部42は、長孔5と長孔5’に対して中立な、回動前の中間状態にある。
【0059】
図4に示す多重回動スイッチ1は、回動スイッチ10が矢線A1に示す方向(第1の方向)に回動操作された回動状態(以降、回動状態Iという。)である。回動状態Iの多重回動スイッチ1では、回動スイッチ10と連動する回動リブ部11〜14が矢線A1方向に同じ回動角度だけ回動する。
【0060】
回動した回動リブ部12は、突出棒32を矢線A1方向に押圧して伸縮部33を縮小させる。押圧された突出棒32は、環状突起部3の開口端部3bから離間する。
【0061】
このとき、回動リブ部12と一対を成す回動リブ部11は、回動リブ部12との間隙部S1(図2参照)を保持して矢線A1方向に回動する。回動した回動リブ部11は、内側端部11bが突出棒31から離間して、外側端部11aがカムロック部41の側辺部41bと摺接する。
【0062】
回動リブ部11によって外周側の側方を押圧されたカムロック部41は、矢線A1’に示す円心側に回動する。回動したカムロック部41の側辺部41cは、円心側にある回動リブ部21の外側端部21aに当接する。こうして、回動状態Iのカムロック部41と突出棒31とによって、回動リブ部21の両端部が固定され、回動スイッチ20が矢線A1方向へ回動する連れ回りが阻止される。
【0063】
また、図4に示すような回動操作が解除されると、突出棒32が開口端部3bと当接するまで伸縮部33が伸長し、回動スイッチ10が図3のニュートラル状態に自動復帰する。
【0064】
図5に示す多重回動スイッチ1は、回動スイッチ20が矢線A1に示す方向に回動操作された回動状態(以降、回動状態IIという。)である。回動状態IIの多重回動スイッチ1では、回動スイッチ20と連動する回動リブ部21〜24が矢線A1方向に同じ回動角度だけ回動する。
【0065】
回動した回動リブ部22は、突出棒32を矢線A1方向に押圧して伸縮部33を縮小させる。押圧された突出棒32は、環状突起部3の開口端部3bから離間する。
【0066】
このとき、回動リブ部22と一対を成す回動リブ部21は、回動リブ部22との間隙部S2(図2参照)を保持して矢線A1方向に回動する。回動した回動リブ部21は、内側端部21bが突出棒31から離間して、外側端部21aがカムロック部41の側辺部41cと摺接する。
【0067】
回動リブ部21によって円心側の側方を押圧されたカムロック部41は、矢線A1”に示す外周側に回動する。回動したカムロック部41の側辺部41bは、外周側にある回動リブ部11の外側端部11aに当接する。こうして、回動状態IIのカムロック部41と突出棒31とによって、回動リブ部11の両端部が固定され、回動スイッチ10が矢線A1方向へ回動する連れ回りが阻止される。
【0068】
また、図5に示すような回動操作が解除されると、伸縮部33の張力によって突出棒32が開口端部3bと当接し、回動スイッチ20は図3のニュートラル状態に自動復帰する。
【0069】
図6に示す多重回動スイッチ1は、回動スイッチ10が矢線A2に示す方向(第2の方向)に回動操作された回動状態(以降、回動状態IIIという。)である。回動状態IIIの多重回動スイッチ1では、回動スイッチ10と連動する回動リブ部11〜14が矢線A2方向に同じ回動角度だけ回動する。
【0070】
回動した回動リブ部11は、突出棒31を矢線A2方向に押圧して伸縮部33を縮小させる。押圧された突出棒31は、環状突起部3の開口端部3aから離間する。
【0071】
このとき、回動リブ部11と一対を成す回動リブ部12は、回動リブ部11との間隙部S1(図2参照)を保持して矢線A2方向に回動する。回動した回動リブ部12は、内側端部12bが突出棒32から離間して、外側端部12aがカムロック部42の側辺部42bと摺接する。
【0072】
回動リブ部12によって外周側の側方を押圧されたカムロック部42は、矢線A2’に示す円心側に回動する。回動したカムロック部42の側辺部42cは、円心側にある回動リブ部22の外側端部22aに当接する。こうして、回動状態IIIのカムロック部42と突出棒32とによって、回動リブ部22の両端部が固定され、回動スイッチ20が矢線A2方向へ回動する連れ回りが阻止される。
【0073】
また、図6に示すような回動状態IIIの回動操作が解除されると、伸縮部33の張力によって突出棒31が開口端部3aと当接し、回動スイッチ10は図3のニュートラル状態に自動復帰する。
【0074】
図7に示す多重回動スイッチ1は、円心側の回動スイッチ20が矢線A2に示す方向に回動操作された回動状態(以降、回動状態IVという。)にある。回動状態IVの多重回動スイッチ1では、回動スイッチ20と連動する回動リブ部21〜24が矢線A2方向に同じ回動角度だけ回動する。
【0075】
回動した回動リブ部21は、突出棒31を矢線A2方向に押圧して伸縮部33を縮小させる。押圧された突出棒31は、環状突起部3の開口端部3aから離間する。
【0076】
このとき、回動リブ部21と一対を成す回動リブ部22は、回動リブ部21との間隙部S2(図2参照)を保持して矢線A2方向に回動する。回動した回動リブ部22は、内側端部22bが突出棒32から離間して、外側端部22aがカムロック部42の側辺部42cと摺接する。
【0077】
回動リブ部21によって円心側の側方を押圧されたカムロック部42は、矢線A2”に示す外周側に回動する。回動したカムロック部42の側辺部42bは、外周側にある回動リブ部12の外側端部12aに当接する。こうして、回動状態IVのカムロック部42と突出棒32とによって、回動リブ部12の両端部が挟持され、回動スイッチ10が矢線A2方向へ回動する連れ回りが阻止される。
【0078】
また、図7に示すような回動状態IVが解除されると、伸縮部33の張力によって突出棒31が開口端部3aと当接し、回動スイッチ10は図3のニュートラル状態に自動復帰する。
【0079】
上述の、ニュートラル状態及び回動状態I〜IVといった5つの回動状態に応じて、回動スイッチ10又は20と連動する摺動子52又は62と、電極群71又は72との電気的接続が変更される。こうして、多重回動スイッチ1の電気的機能が実現される。
【0080】
このように、この発明の実施の形態に係る多重回動スイッチ1によれば、筐体2の所定部に同心円上に配設されて回動操作される回動スイッチ10及び20の各々に、間隙部S1を有して一対を成す回動リブ部11,12と、間隙部S2を有して一対を成す回動リブ部21,22とを設け、2つの間隙部S1及びS2の両方に一の伸縮部33を配置して、伸縮部33の伸縮方向の延長線上の筐体2の所定部に、カムロック部41,42を備えている。
【0081】
この構成によって、回動スイッチ10が矢線A1の方向に回動操作されると、回動リブ部12が伸縮部33を押圧するとともに、回動リブ部11がカムロック部41と当接してカムロック部41を円心側に回動させ、回動したカムロック部41が、回動スイッチ20の回動リブ部21と当接する。
【0082】
回動スイッチ20が矢線A1の方向に回動操作されると、回動リブ部22が伸縮部33を押圧するとともに、回動リブ部21がカムロック部41と当接してカムロック部41を外周側に回動させ、回動したカムロック部41が、回動スイッチ10の回動リブ部11と当接する。
【0083】
回動スイッチ10が矢線A2の方向に回動操作されると、回動リブ部11が伸縮部33を押圧するとともに、回動リブ部12がカムロック部42と当接してカムロック部42を円心側に回動させ、回動したカムロック部42が、回動スイッチ20の回動リブ部22と当接する。
【0084】
回動スイッチ20が矢線A2の方向に回動操作されると、回動リブ部21が伸縮部33を押圧するとともに、回動リブ部22がカムロック部42と当接してカムロック部42を外周側に回動させ、回動したカムロック部42が、回動スイッチ10の回動リブ部12と当接するようになる。
【0085】
従って、隣接する回動スイッチ10又は20の何れか一方が所定方向に回動操作されると、回動スイッチ10又は20の回動リブ部によってカムロック部41,42が回動し、回動操作されていない他方の回動スイッチ20又は10の回動リブと当接して、回動スイッチ20又は10が所定方向へ回動することを阻止する。これにより、一方の回動スイッチの回動操作に、他方の回動スイッチが連動する連れ回りを防止できる。
【0086】
これにより、使用者の指が隣接する2つの回動スイッチ10及び20の両方を回動させる誤操作を防止できるようになる。
また、自動復帰機構9の構成部材である、回動リブ部11,12,21,22、捻りコイルバネ30、カムロック部41,42が、略同一平面上に配置されるので、多重回動スイッチ1を薄型化できる。更に、一の捻りコイルバネ30が、回動スイッチ10及び20の両方の回動位置を復帰させるので、部品数、組立工数を削減でき、多重回動スイッチ1を小型化、低コスト化できる。
【0087】
従って、多重回動スイッチ、及び、多重回動スイッチを搭載する電子機器の小型化、薄型化及び低コスト化に貢献できるようになる。
【0088】
なお、この例では、自動復帰機構9の弾性部材の一例として、捻りコイルバネ30を挙げて説明をしたが、これに限られることはなく、例えばスプリング、板バネ、ゴム部材等のように弾性を有して張力を加えられるものであれば何を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のズームスイッチやモード切替スイッチに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施の形態としての多重回動スイッチ1の構成例を示す斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、自動復帰機構9の構成例を示す多重回動スイッチ1の分解斜視図である。
【図3】多重回動スイッチ1の機能例(その1)を示す図である。
【図4】多重回動スイッチ1の機能例(その2)を示す図である。
【図5】多重回動スイッチ1の機能例(その3)を示す図である。
【図6】多重回動スイッチ1の機能例(その4)を示す図である。
【図7】多重回動スイッチ1の機能例(その5)を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・多重回動スイッチ、2,70・・・筐体、3・・・環状突起部、10・・・回動スイッチ(第1の回動スイッチ)、20・・・回動スイッチ(第2の回動スイッチ)、11・・・回動リブ部(第1の回動リブ部)、12・・・回動リブ部(第2の回動リブ部)、21・・・回動リブ部(第3の回動リブ部)、22・・・回動リブ部(第4の回動リブ部)、30・・・捻りコイルバネ(弾性部材)、41・・・カムロック部(第1のカムロック部)、42・・・カムロック部(第2のカムロック部)、50,51,60・・・連動片、52,62・・・摺動子、71,72・・・電極群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の筐体と、
前記筐体の所定部に略同心円上に設けられ、其々が独立して回動操作される第1及び第2の回動スイッチと、
回動操作された前記第1及び第2の回動スイッチを、所定の回動位置に自動復帰させる自動復帰機構と、
前記第1及び第2の回動スイッチの其々に設けられ、当該第1及び第2の回動スイッチと連動する第1及び第2の摺動子と、
前記第1及び第2の回動スイッチの回動操作に応じて前記第1及び第2の摺動子と摺接する電極とを備える多重回動スイッチにおいて、
前記自動復帰機構は、
前記第1の回動スイッチの回動操作される面の裏面側に、第1の間隙部を有して一対で突設された第1及び第2の回動リブ部と、
前記第1の間隙部の円心側に配された第2の間隙部を有して、前記第2の回動スイッチの裏面側に一対で突設される第3及び第4の回動リブ部と、
前記筐体に対する伸縮位置を略固定された伸縮部を有して、当該伸縮部が前記第1及び第2の間隙部に配置される弾性部材と、
前記弾性部材の伸縮部の伸縮方向の一方の延長線上の前記筐体の所定部に回動可能に設けられた第1のカムロック部と、
前記弾性部材の伸縮部の伸縮方向の他方の延長線上の前記筐体の所定部に回動可能に設けられた第2のカムロック部とを備え、
前記第1の回動スイッチが所定の方向に回動操作されると、前記第1又は第2の回動リブ部が前記第1又は第2のカムロック部と当接して当該第1又は第2のカムロック部を回動させ、回動した前記第1又は第2のカムロック部が前記第3又は第4の回動リブ部と当接し、
前記第2の回動スイッチが所定の方向に回動操作されると、前記第3又は第4の回動リブ部が前記第1又は第2のカムロック部と当接して当該第1又は第2のカムロック部を回動させ、回動した前記第1又は第2のカムロック部が前記第1又は第2の回動リブ部と当接することを特徴とする多重回動スイッチ。
【請求項2】
前記弾性部材と、
前記第1乃至第4の回動リブ部と、
前記第1及び第2のカムロック部とが、
略同一平面上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の多重回動スイッチ。
【請求項3】
前記弾性部材は、
前記第1及び第2の回動スイッチと略同心円上に配される巻心部と、
前記巻心部の円周方向に接近離間する一対の突出棒とを有する捻りコイルバネで構成され、
当該捻りコイルバネの付勢力によって、前記一対の突出棒が前記伸縮部を成すことを特徴とする請求項2に記載の多重回動スイッチ。
【請求項4】
前記第1及び第2のカムロック部は、
略扇形状を有し、
当該扇形状の中心角の側に回動軸を設けられ、
扇形状の両側辺部に、前記回動リブ部の外側端部が当接して回動することを特徴とする請求項2に記載の多重回動スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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