多重差動伝送システム
【課題】ノイズの発生を抑え更なる信号線の本数の削減を実現すべく3本の信号線を用いて6ビットのビット情報信号を伝送する。
【解決手段】信号送信機と信号受信機を3本の信号線にてなる信号伝送路にて接続されてなる多重差動伝送システム用信号送信機において、第1及び第2の差動ドライバはそれぞれ2ビットの第1及び第2のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有する第1及び第2出力信号とその反転第1及び第2出力信号とを発生する。第2の差動ドライバは2ビットの第3のビット情報信号に応答して第2の信号電圧レベルを有する第3出力信号とその反転第2出力信号とを発生する。上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とは合成された後、第1信号線に送信され、上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とは合成された後、第2信号線に送信され、上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とは合成された後、第3信号線に送信される。
【解決手段】信号送信機と信号受信機を3本の信号線にてなる信号伝送路にて接続されてなる多重差動伝送システム用信号送信機において、第1及び第2の差動ドライバはそれぞれ2ビットの第1及び第2のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有する第1及び第2出力信号とその反転第1及び第2出力信号とを発生する。第2の差動ドライバは2ビットの第3のビット情報信号に応答して第2の信号電圧レベルを有する第3出力信号とその反転第2出力信号とを発生する。上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とは合成された後、第1信号線に送信され、上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とは合成された後、第2信号線に送信され、上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とは合成された後、第3信号線に送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ビットのビット情報信号を少ない本数の信号線にてなる信号伝送路を用いて伝送する多重差動伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビやプラズマテレビに代表されるフラットパネルディスプレイにおいて、VGA(Video Graphics Array)からXGA(eXtended Graphics Array)へと高画質となるに従い、画像情報を転送する信号速度は高速化が進んでいる。そこで、高速デジタル・データ伝送の装置として、低振幅の差動伝送装置が用いられるようになった。
【0003】
この差動伝送装置は、1本の平衡ケーブルか、プリント基板上に形成された2本の配線パターンを通じて、互いに逆相の信号を送る伝送装置である。特徴としては、低ノイズ、外来ノイズに対する強耐性、低電圧振幅、高速データ伝送などがあり、高速伝送の手法として、特にディスプレイの分野において導入が進んでいる。
【0004】
【特許文献1】特許第3507687号公報。
【特許文献2】特開平4−230147号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
差動伝送装置は、通常のシングルエンド伝送装置に比べ、上述したような高速伝送における多くのメリットを有する。しかし、1ビットのデータ伝送に2本の信号線を必要とするため、多ビットのデータ伝送を実現するには、信号線の本数が多くなり、プリント基板上の信号線の配線領域が大きくなるなどの問題を有していた。このため、今後更なる高速伝送を実現してゆく上での大きな課題となっていた。
【0006】
この課題に関して、例えば、特許文献1で示されているデータ伝送システムでは、3本の信号線を用いて、1本の信号線を相補データ線として用いることで、2ビットのデータ伝送を3本の信号線(従来技術に係る差動伝送装置では4本の信号線が必要である。)で実現し、信号線の本数の削減を達成しているが、3本の信号線を伝送する伝送信号の平衡がとれておらず、通常の差動伝送方法に比べて輻射ノイズが大きくなるなどの問題点があった。
【0007】
また、特許文献2では3本の信号線で3ビットのビット情報信号の差動伝送を行っているが、3つ全ての差動ドライバの出力信号が異ならなければならないといった制限や、3つ全てのビットが0及び1の状態を伝送することができず、3ビット(8状態)から3つ全てのビットが0及び1の状態を除いた6状態しか伝送できないため、実使用にあたっては大きな問題点があった。
【0008】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、ノイズの発生を抑え、かつ更なる信号線の本数の削減を実現すべく、3本の信号線を用いて6ビットのビット情報信号を伝送可能な多重差動伝送システム、並びにそのための信号送信機及び信号受信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る信号送信機は、信号送信機と、信号受信機と、上記信号送信機と上記信号受信機とを接続する第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路とを備えた多重差動伝送システムのための信号送信機において、
2ビットの第1のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを発生する第1の差動ドライバと、
2ビットの第2のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第2の差動ドライバと、
2ビットの第3のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは異なる第2の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第3の差動ドライバとを備え、
上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とは合成された後、上記第1信号線に送信され、
上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とは合成された後、上記第2信号線に送信され、
上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とは合成された後、上記第3信号線に送信されたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係る信号受信機は、上記信号送信機から第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路を介して受信される3つの出力信号を受信する信号受信機であって、
上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗と、
上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗と、
上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗と、
上記第1の終端抵抗によって発生される第1の終端電圧と、上記第2の終端抵抗によって発生される第2の終端電圧と、上記第3の終端抵抗によって発生される第3の終端電圧とに基づいて、上記第1、第2及び第3のビット情報信号を復号して出力する復号処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
第3の発明に係る多重差動伝送システムは、第1の発明に係る信号送信機と、第2の発明に係る信号受信機とを備えたことを特徴とする。
【0012】
第4の発明に係る信号送信機は、信号送信機と、信号受信機と、上記信号送信機と上記信号受信機とを接続する第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路とを備えた多重差動伝送システムのための信号送信機において、
1ビットの第1のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを発生する第1の差動ドライバと、
1ビットの第2のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは第1の差分電圧だけ異なる所定の第2の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第2の差動ドライバと、
1ビットの第3のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第3出力信号とを発生する第3の差動ドライバと、
1ビットの第4のビット情報信号に応答して、上記第2の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第4出力信号と、上記第4出力信号の位相反転信号である反転第4出力信号とを発生する第4の差動ドライバと、
1ビットの第5のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは、上記第1の差分電圧よりも小さい第2の差分電圧だけ異なる所定の第3の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第5出力信号と、上記第5出力信号の位相反転信号である反転第5出力信号とを発生する第5の差動ドライバと、
1ビットの第6のビット情報信号に応答して、上記第2の信号電圧レベルとは、上記第1の差分電圧よりも小さくかつ上記第2の差分電圧よりも大きい第3の差分電圧だけ異なる所定の第4の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第6出力信号と、上記第6出力信号の位相反転信号である反転第6出力信号とを発生する第6の差動ドライバとを備え、
上記第1出力信号と上記第2出力信号と上記反転第5出力信号と上記反転第6出力信号とは合成された後、上記第1信号線に送信され、
上記反転第1出力信号と上記反転第2出力信号と上記第3出力信号と上記第4出力信号とは合成された後、上記第2信号線に送信され、
上記反転第3出力信号と上記反転第4出力信号と上記第5出力信号と上記第6出力信号とは合成された後、上記第3信号線に送信されたことを特徴とする。
【0013】
第5の発明に係る信号受信機は、上記信号送信機から第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路を介して受信される3つの出力信号を受信する信号受信機であって、
上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗と、
上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗と、
上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗と、
上記第1の終端抵抗によって発生される第1の終端電圧と、上記第2の終端抵抗によって発生される第2の終端電圧と、上記第3の終端抵抗によって発生される第3の終端電圧とに基づいて、上記第1乃至第6のビット情報信号を復号して出力する復号処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
第6の発明に係る多重差動伝送システムは、第4の発明に係る信号送信機と、第5の発明に係る信号受信機とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
従って、本発明に係る多重差動伝送システムによれば、6ビットのビット情報信号を3本の信号線を用いて差動伝送でき、ノイズの増加を抑えた状態で、かつ、従来技術に比較して少ない配線で多ビットのビット情報信号の差動伝送が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0017】
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。図1において、多重差動伝送システムは、信号送信機10と、信号受信機20と、これらを接続しかつ3本の信号線31,32,33にてなる信号伝送路30とを備えて構成される。
【0018】
図2は図1の差動ドライバ11,12の出力信号S11a,S11b,S12a,S12bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。また、図3は図1の差動ドライバ13の出力信号S13a,S13bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。さらに、図4は図1の差動ドライバ13において入力されるビット情報信号B1,B2と出力信号S11a,S11bとの関係を示す図である。図5は図1の差動ドライバ14において入力されるビット情報信号B3,B4と出力信号S12a,S12bとの関係を示す図である。図6は図1の差動ドライバ15において入力されるビット情報信号B5,B6と出力信号S13a,S13bとの関係を示す図である。
【0019】
図1において、信号送信機10は、
(a)パラレル2ビットのビット情報信号B1,B2に応答して、図2及び図4に示すように、例えば+2V,+1V,−1V,−2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号S11aと、その位相反転信号である反転出力信号S11bとを出力する差動ドライバ11と、
(b)パラレル2ビットのビット情報信号B3,B4に応答して、図2及び図5に示すように、差動ドライバ11と同様の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号S12aと、その位相反転信号である反転出力信号S12bとを出力する差動ドライバ12と、
(c)パラレル2ビットのビット情報信号B5,B6に応答して、図3及び図6に示すように、差動ドライバ11,12とは若干異なる信号電圧レベルである例えば+2.2V,+1.1V,−1.1V,−2.2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号S13aと、その位相反転信号である反転出力信号S13bとを出力する差動ドライバ13とを備えて構成される。
【0020】
出力信号S11aと反転出力信号S13bとは合成された後、信号線31を介して信号受信機20に送信され、出力信号S12aと反転出力信号S11bとは合成された後、信号線32を介して信号受信機20に送信され、出力信号S13aと反転出力信号S12bとは合成された後、信号線33を介して信号受信機20に送信される。ここで、各差動ドライバ11,12,13は入力されるビット情報信号B1−B6と同期するクロックに同期して出力信号S11a−S16a及びその反転出力信号S11b−S16bを出力する。
【0021】
信号受信機20は、3個のA/D変換器21,22,23と、クロック再生回路24と、テーブルメモリ25aを有し例えばCPU又はDSPにてなる復号処理器25と、3個の終端抵抗41,42,43とを備えて構成される。ここで、各信号線31,32,33の信号受信機20側の電圧をVs1,Vs2,Vs3とする。また、信号線31と信号線32との間に抵抗値R1を有する終端抵抗41が接続され、信号線32と信号線33との間に抵抗値R2を有する終端抵抗42が接続され、信号線33と信号線31との間に抵抗値R3を有する終端抵抗43が接続される。終端抵抗41により発生される終端電圧V1はA/D変換器21によりA/D変換された後、復号処理器25に出力される。また、終端抵抗42により発生される終端電圧V2はA/D変換器22によりA/D変換された後、復号処理器25に出力される。さらに、終端抵抗43により発生される終端電圧V3はA/D変換器23によりA/D変換された後、復号処理器25に出力される。クロック再生回路24は例えば立ち上がりエッジ検出回路とPLL回路とを備えて構成され、信号線31,32,33
により伝送された各信号の立ち上がりエッジを検出し、その検出結果に同期して所定の周波数を有するクロックを発生してA/D変換器21,22,23及び復号処理器25に出力する。
【0022】
図7及び図8は図1の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20の終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係を示す図である。復号処理器25は、図7及び図8の情報テーブルを予め格納してなるテーブルメモリ25aを内蔵する。復号処理器25は、テーブルメモリ25a内のテーブルを参照して、各A/D変換器21,22,23から入力される終端電圧V1,V2,V3に基づいて、6ビットのビット情報信号B1−B6を判定してその判定結果のビット情報信号B1−B6を出力する。なお、復号処理器25におけるビット情報の判定においては、入力される各終端電圧V1−V6が例えば図7及び図8の終端電圧値の±10%の範囲内(この誤差範囲は、差動ドライバ11,12と差動ドライバ13との信号電圧レベルの差に応じて決定される。)にその値に実質的に一致するとして判定を行う。
【0023】
以上説明したように、本実施形態によれば、差動ドライバ11,12,13により3本の信号線31,32,33に重畳して各出力信号及び反転出力信号を送信したときに、各隣接する信号線に接続された終端抵抗41,42,43に現れる終端電圧V1,V2,V3は、6ビットのビット情報信号の26状態に依存してすべて異なる電圧値となり、その終端電圧値の組み合わせから、各A/D変換器21,22,23により検出された終端電圧V1,V2,V3に基づいて元のビット情報信号B1−B6を復号することができる。また、信号伝送路30の各信号線31,32,33に加わる電圧は、いずれのビット情報を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線31,32,33から輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、通常の差動伝送方法と同様にノイズの少ない伝送が可能である。
【0024】
なお、第1の実施形態においては、差動ドライバ11,12は実質的に同一の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号及び反転出力信号を出力する一方、差動ドライバ13は差動ドライバ11,12とは異なる信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号及び反転出力信号を出力するものであればよい。また、好ましくは、差動ドライバ13は差動ドライバ11,12の信号電圧レベルよりも高い信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号及び反転出力信号を出力する。
【0025】
第1の実施形態においては、
(1)差動ドライバ11,12,13,14の信号電圧レベル=±1,±2;
(2)差動ドライバ15,16の信号電圧レベル=±1.1,±2.2;
であるが、例えば、
(1)差動ドライバ11,12,13,14の信号電圧レベル=±1,±3;
(2)差動ドライバ15,16の信号電圧レベル=±1.1,±3.3;
もしくは、
(1)差動ドライバ11,12,13,14の信号電圧レベル=±2,±3;
(2)差動ドライバ15,16の信号電圧レベル=±2.2,±3.3;
であってもよい。
【0026】
第2の実施形態.
図9は本発明の第2の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係る多重差動伝送システムは、第1の実施形態と比較して、以下の点が異なる。
(1)それぞれ2ビットのビット情報信号に応答して1対の出力信号及び反転出力信号を出力する3個の差動ドライバ11,12,13を備えた信号受信機10に代えて、それぞれ1ビットのビット情報信号に応答して1対の出力信号及び反転出力信号を出力する6個の差動ドライバ11A,12A,13A,14A,15A,16Aを備えた信号受信機10Aを備えたこと。
(2)信号受信機20に代えて、信号受信機20Aを備え、信号受信機20Aは、テーブルメモリ25aのテーブルとは異なるテーブルを有するテーブルメモリ25bを備えた復号処理器25を含むこと。
以下、上記相違点について詳細説明する。
【0027】
図10は図9の差動ドライバ11A,12A,13A,14Aの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13b,S14a,S14bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。また、図11は図9の差動ドライバ15A,16Aの出力信号S15a,S15b,S16a,S16bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。
【0028】
図9の信号送信機10Aにおいて、
(1)差動ドライバ11Aは、1ビットのビット情報信号B1に応答して、例えば±1Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S11aとその反転出力信号S11bを出力する。
(2)差動ドライバ12Aは、1ビットのビット情報信号B2に応答して、差動ドライバ11Aの信号電圧レベルの2倍(例えば3以上の自然数倍であってもよい。)である例えば±2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S12aとその反転出力信号S12bを出力する。
(3)差動ドライバ13Aは、1ビットのビット情報信号B3に応答して、差動ドライバ11Aと同様に、例えば±1Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S13aとその反転出力信号S13bを出力する。
(4)差動ドライバ14Aは、1ビットのビット情報信号B4に応答して、差動ドライバ12Aと同様に、例えば±2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S14aとその反転出力信号S14bを出力する。
(5)差動ドライバ15Aは、1ビットのビット情報信号B5に応答して、差動ドライバ11Aの信号電圧レベルと若干異なる例えば±1.1Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S15aとその反転出力信号S15bを出力する。
(6)差動ドライバ16Aは、1ビットのビット情報信号B6に応答して、差動ドライバ12Aの信号電圧レベルと若干異なる例えば±2.2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S16aとその反転出力信号S16bを出力する。
【0029】
図9において、出力信号S11aと出力信号S12aと反転出力信号S15bと反転出力信号S15bとは合成された後、信号線31に送信される。また、反転出力信号S11bと反転出力信号S12bと出力信号S13aと出力信号S14aとは合成された後、信号線32に送信される。さらに、反転出力信号S13bと反転出力信号S14bと出力信号S15aと出力信号S16aとは合成された後、信号線33に送信される。
【0030】
図12及び図13は図9の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20Aの終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係を示す図である。
【0031】
復号処理器25は、図12及び図13の情報テーブルを予め格納してなるテーブルメモリ25aを内蔵する。復号処理器25は、テーブルメモリ25b内のテーブルを参照して、各A/D変換器21,22,23から入力される終端電圧V1,V2,V3に基づいて、6ビットのビット情報信号B1−B6を判定してその判定結果のビット情報信号B1−B6を出力する。なお、復号処理器25におけるビット情報の判定においては、入力される各終端電圧V1−V6が例えば図12及び図13の終端電圧値の±10%の範囲内(この誤差範囲は、差動ドライバ11,12と差動ドライバ13との信号電圧レベルの差に応じて決定される。)にその値に実質的に一致するとして判定を行う。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、差動ドライバ11A−16Aにより3本の信号線31,32,33に重畳して各出力信号及び反転出力信号を送信したときに、各隣接する信号線に接続された終端抵抗41,42,43に現れる終端電圧V1,V2,V3は、6ビットのビット情報信号の26状態に依存してすべて異なる電圧値となり、その終端電圧値の組み合わせから、各A/D変換器21,22,23により検出された終端電圧V1,V2,V3に基づいて元のビット情報信号B1−B6を復号することができる。また、信号伝送路30の各信号線31,32,33に加わる電圧は、いずれのビット情報を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線31,32,33から輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、通常の差動伝送方法と同様にノイズの少ない伝送が可能である。
【0033】
なお、第2の実施形態においては、各差動ドライバ11A−16Aの信号電圧レベルは上記の値に限定されず、以下の条件であればよい。
(1)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第1の差分電圧ΔVd1だけ異なるように設定されてもよい。
(2)差動ドライバ15Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第2の差分電圧ΔVd2(ここで、ΔVd2<ΔVd1)だけ異なるように設定されてもよい。
(3)差動ドライバ16Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルから所定の第3の差分電圧ΔVd3(ここで、ΔVd2<ΔVd3<ΔVd1)だけ異なるように設定されてもよい。
【0034】
また、好ましくは、
(1)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第1の差分電圧ΔVd1だけ高くなるように設定されてもよい。
(2)差動ドライバ15Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第2の差分電圧ΔVd2(ここで、ΔVd2<ΔVd1)だけ高くなるように設定されてもよい。
(3)差動ドライバ16Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルから所定の第3の差分電圧ΔVd3(ここで、ΔVd2<ΔVd3<ΔVd1)だけ高くなるように設定されてもよい。
【0035】
第2の実施形態においては、
(1)差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベル=±1;
(2)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベル=±2;
(3)差動ドライバ15Aの信号電圧レベル=±1.1;
(4)差動ドライバ16Aの信号電圧レベル=±2.2;
であるが、例えば、
(1)差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベル=±1;
(2)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベル=±3;
(3)差動ドライバ15Aの信号電圧レベル=±1.1;
(4)差動ドライバ16Aの信号電圧レベル=±3.3;
もしくは、
(1)差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベル=±2;
(2)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベル=±3;
(3)差動ドライバ15Aの信号電圧レベル=±2.2;
(4)差動ドライバ16Aの信号電圧レベル=±3.3;
であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上詳述したように、本発明に係る多重差動伝送システムによれば、6ビットのビット情報信号を3本の信号線を用いて差動伝送でき、ノイズの増加を抑えた状態で、かつ、従来技術に比較して少ない配線で多ビットのビット情報信号の差動伝送が可能となる。特に、本発明に係る多重差動伝送システムは、従来技術に比較してより高画質を実現するためのディスプレイ用の多ビットのデータ伝送や、小型化が必要な機器における高速伝送システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の差動ドライバ11,12の出力信号S11a,S11b,S12a,S12bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。
【図3】図1の差動ドライバ13の出力信号S13a,S13bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。
【図4】図1の差動ドライバ13において入力されるビット情報信号B1,B2と出力信号S11a,S11bとの関係を示す図である。
【図5】図1の差動ドライバ14において入力されるビット情報信号B3,B4と出力信号S12a,S12bとの関係を示す図である。
【図6】図1の差動ドライバ15において入力されるビット情報信号B5,B6と出力信号S13a,S13bとの関係を示す図である。
【図7】図1の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20の終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第1の部分を示す図である。
【図8】図1の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20の終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第2の部分を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9の差動ドライバ11A,12A,13A,14Aの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13b,S14a,S14bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。
【図11】図9の差動ドライバ15A,16Aの出力信号S15a,S15b,S16a,S16bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。
【図12】図9の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20Aの終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第1の部分を示す図である。
【図13】図9の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20Aの終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第2の部分を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10,10A…信号送信機、
11,12,13,14,15,16,11A,12A,13A,14A,15A,16A…差動ドライバ、
20,20A…信号受信機、
21,22,23…A/D変換器、
24…クロック再生回路、
25…復号処理器、
25a,25b…テーブルメモリ、
30…信号伝送路、
31,32,33…信号線、
41,42,43…終端抵抗。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ビットのビット情報信号を少ない本数の信号線にてなる信号伝送路を用いて伝送する多重差動伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビやプラズマテレビに代表されるフラットパネルディスプレイにおいて、VGA(Video Graphics Array)からXGA(eXtended Graphics Array)へと高画質となるに従い、画像情報を転送する信号速度は高速化が進んでいる。そこで、高速デジタル・データ伝送の装置として、低振幅の差動伝送装置が用いられるようになった。
【0003】
この差動伝送装置は、1本の平衡ケーブルか、プリント基板上に形成された2本の配線パターンを通じて、互いに逆相の信号を送る伝送装置である。特徴としては、低ノイズ、外来ノイズに対する強耐性、低電圧振幅、高速データ伝送などがあり、高速伝送の手法として、特にディスプレイの分野において導入が進んでいる。
【0004】
【特許文献1】特許第3507687号公報。
【特許文献2】特開平4−230147号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
差動伝送装置は、通常のシングルエンド伝送装置に比べ、上述したような高速伝送における多くのメリットを有する。しかし、1ビットのデータ伝送に2本の信号線を必要とするため、多ビットのデータ伝送を実現するには、信号線の本数が多くなり、プリント基板上の信号線の配線領域が大きくなるなどの問題を有していた。このため、今後更なる高速伝送を実現してゆく上での大きな課題となっていた。
【0006】
この課題に関して、例えば、特許文献1で示されているデータ伝送システムでは、3本の信号線を用いて、1本の信号線を相補データ線として用いることで、2ビットのデータ伝送を3本の信号線(従来技術に係る差動伝送装置では4本の信号線が必要である。)で実現し、信号線の本数の削減を達成しているが、3本の信号線を伝送する伝送信号の平衡がとれておらず、通常の差動伝送方法に比べて輻射ノイズが大きくなるなどの問題点があった。
【0007】
また、特許文献2では3本の信号線で3ビットのビット情報信号の差動伝送を行っているが、3つ全ての差動ドライバの出力信号が異ならなければならないといった制限や、3つ全てのビットが0及び1の状態を伝送することができず、3ビット(8状態)から3つ全てのビットが0及び1の状態を除いた6状態しか伝送できないため、実使用にあたっては大きな問題点があった。
【0008】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、ノイズの発生を抑え、かつ更なる信号線の本数の削減を実現すべく、3本の信号線を用いて6ビットのビット情報信号を伝送可能な多重差動伝送システム、並びにそのための信号送信機及び信号受信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る信号送信機は、信号送信機と、信号受信機と、上記信号送信機と上記信号受信機とを接続する第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路とを備えた多重差動伝送システムのための信号送信機において、
2ビットの第1のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを発生する第1の差動ドライバと、
2ビットの第2のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第2の差動ドライバと、
2ビットの第3のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは異なる第2の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第3の差動ドライバとを備え、
上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とは合成された後、上記第1信号線に送信され、
上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とは合成された後、上記第2信号線に送信され、
上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とは合成された後、上記第3信号線に送信されたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係る信号受信機は、上記信号送信機から第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路を介して受信される3つの出力信号を受信する信号受信機であって、
上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗と、
上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗と、
上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗と、
上記第1の終端抵抗によって発生される第1の終端電圧と、上記第2の終端抵抗によって発生される第2の終端電圧と、上記第3の終端抵抗によって発生される第3の終端電圧とに基づいて、上記第1、第2及び第3のビット情報信号を復号して出力する復号処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
第3の発明に係る多重差動伝送システムは、第1の発明に係る信号送信機と、第2の発明に係る信号受信機とを備えたことを特徴とする。
【0012】
第4の発明に係る信号送信機は、信号送信機と、信号受信機と、上記信号送信機と上記信号受信機とを接続する第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路とを備えた多重差動伝送システムのための信号送信機において、
1ビットの第1のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを発生する第1の差動ドライバと、
1ビットの第2のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは第1の差分電圧だけ異なる所定の第2の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第2の差動ドライバと、
1ビットの第3のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第3出力信号とを発生する第3の差動ドライバと、
1ビットの第4のビット情報信号に応答して、上記第2の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第4出力信号と、上記第4出力信号の位相反転信号である反転第4出力信号とを発生する第4の差動ドライバと、
1ビットの第5のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは、上記第1の差分電圧よりも小さい第2の差分電圧だけ異なる所定の第3の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第5出力信号と、上記第5出力信号の位相反転信号である反転第5出力信号とを発生する第5の差動ドライバと、
1ビットの第6のビット情報信号に応答して、上記第2の信号電圧レベルとは、上記第1の差分電圧よりも小さくかつ上記第2の差分電圧よりも大きい第3の差分電圧だけ異なる所定の第4の信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の第6出力信号と、上記第6出力信号の位相反転信号である反転第6出力信号とを発生する第6の差動ドライバとを備え、
上記第1出力信号と上記第2出力信号と上記反転第5出力信号と上記反転第6出力信号とは合成された後、上記第1信号線に送信され、
上記反転第1出力信号と上記反転第2出力信号と上記第3出力信号と上記第4出力信号とは合成された後、上記第2信号線に送信され、
上記反転第3出力信号と上記反転第4出力信号と上記第5出力信号と上記第6出力信号とは合成された後、上記第3信号線に送信されたことを特徴とする。
【0013】
第5の発明に係る信号受信機は、上記信号送信機から第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路を介して受信される3つの出力信号を受信する信号受信機であって、
上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗と、
上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗と、
上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗と、
上記第1の終端抵抗によって発生される第1の終端電圧と、上記第2の終端抵抗によって発生される第2の終端電圧と、上記第3の終端抵抗によって発生される第3の終端電圧とに基づいて、上記第1乃至第6のビット情報信号を復号して出力する復号処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
第6の発明に係る多重差動伝送システムは、第4の発明に係る信号送信機と、第5の発明に係る信号受信機とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
従って、本発明に係る多重差動伝送システムによれば、6ビットのビット情報信号を3本の信号線を用いて差動伝送でき、ノイズの増加を抑えた状態で、かつ、従来技術に比較して少ない配線で多ビットのビット情報信号の差動伝送が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0017】
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。図1において、多重差動伝送システムは、信号送信機10と、信号受信機20と、これらを接続しかつ3本の信号線31,32,33にてなる信号伝送路30とを備えて構成される。
【0018】
図2は図1の差動ドライバ11,12の出力信号S11a,S11b,S12a,S12bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。また、図3は図1の差動ドライバ13の出力信号S13a,S13bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。さらに、図4は図1の差動ドライバ13において入力されるビット情報信号B1,B2と出力信号S11a,S11bとの関係を示す図である。図5は図1の差動ドライバ14において入力されるビット情報信号B3,B4と出力信号S12a,S12bとの関係を示す図である。図6は図1の差動ドライバ15において入力されるビット情報信号B5,B6と出力信号S13a,S13bとの関係を示す図である。
【0019】
図1において、信号送信機10は、
(a)パラレル2ビットのビット情報信号B1,B2に応答して、図2及び図4に示すように、例えば+2V,+1V,−1V,−2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号S11aと、その位相反転信号である反転出力信号S11bとを出力する差動ドライバ11と、
(b)パラレル2ビットのビット情報信号B3,B4に応答して、図2及び図5に示すように、差動ドライバ11と同様の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号S12aと、その位相反転信号である反転出力信号S12bとを出力する差動ドライバ12と、
(c)パラレル2ビットのビット情報信号B5,B6に応答して、図3及び図6に示すように、差動ドライバ11,12とは若干異なる信号電圧レベルである例えば+2.2V,+1.1V,−1.1V,−2.2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号S13aと、その位相反転信号である反転出力信号S13bとを出力する差動ドライバ13とを備えて構成される。
【0020】
出力信号S11aと反転出力信号S13bとは合成された後、信号線31を介して信号受信機20に送信され、出力信号S12aと反転出力信号S11bとは合成された後、信号線32を介して信号受信機20に送信され、出力信号S13aと反転出力信号S12bとは合成された後、信号線33を介して信号受信機20に送信される。ここで、各差動ドライバ11,12,13は入力されるビット情報信号B1−B6と同期するクロックに同期して出力信号S11a−S16a及びその反転出力信号S11b−S16bを出力する。
【0021】
信号受信機20は、3個のA/D変換器21,22,23と、クロック再生回路24と、テーブルメモリ25aを有し例えばCPU又はDSPにてなる復号処理器25と、3個の終端抵抗41,42,43とを備えて構成される。ここで、各信号線31,32,33の信号受信機20側の電圧をVs1,Vs2,Vs3とする。また、信号線31と信号線32との間に抵抗値R1を有する終端抵抗41が接続され、信号線32と信号線33との間に抵抗値R2を有する終端抵抗42が接続され、信号線33と信号線31との間に抵抗値R3を有する終端抵抗43が接続される。終端抵抗41により発生される終端電圧V1はA/D変換器21によりA/D変換された後、復号処理器25に出力される。また、終端抵抗42により発生される終端電圧V2はA/D変換器22によりA/D変換された後、復号処理器25に出力される。さらに、終端抵抗43により発生される終端電圧V3はA/D変換器23によりA/D変換された後、復号処理器25に出力される。クロック再生回路24は例えば立ち上がりエッジ検出回路とPLL回路とを備えて構成され、信号線31,32,33
により伝送された各信号の立ち上がりエッジを検出し、その検出結果に同期して所定の周波数を有するクロックを発生してA/D変換器21,22,23及び復号処理器25に出力する。
【0022】
図7及び図8は図1の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20の終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係を示す図である。復号処理器25は、図7及び図8の情報テーブルを予め格納してなるテーブルメモリ25aを内蔵する。復号処理器25は、テーブルメモリ25a内のテーブルを参照して、各A/D変換器21,22,23から入力される終端電圧V1,V2,V3に基づいて、6ビットのビット情報信号B1−B6を判定してその判定結果のビット情報信号B1−B6を出力する。なお、復号処理器25におけるビット情報の判定においては、入力される各終端電圧V1−V6が例えば図7及び図8の終端電圧値の±10%の範囲内(この誤差範囲は、差動ドライバ11,12と差動ドライバ13との信号電圧レベルの差に応じて決定される。)にその値に実質的に一致するとして判定を行う。
【0023】
以上説明したように、本実施形態によれば、差動ドライバ11,12,13により3本の信号線31,32,33に重畳して各出力信号及び反転出力信号を送信したときに、各隣接する信号線に接続された終端抵抗41,42,43に現れる終端電圧V1,V2,V3は、6ビットのビット情報信号の26状態に依存してすべて異なる電圧値となり、その終端電圧値の組み合わせから、各A/D変換器21,22,23により検出された終端電圧V1,V2,V3に基づいて元のビット情報信号B1−B6を復号することができる。また、信号伝送路30の各信号線31,32,33に加わる電圧は、いずれのビット情報を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線31,32,33から輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、通常の差動伝送方法と同様にノイズの少ない伝送が可能である。
【0024】
なお、第1の実施形態においては、差動ドライバ11,12は実質的に同一の信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号及び反転出力信号を出力する一方、差動ドライバ13は差動ドライバ11,12とは異なる信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号及び反転出力信号を出力するものであればよい。また、好ましくは、差動ドライバ13は差動ドライバ11,12の信号電圧レベルよりも高い信号電圧レベルを有するバイポーラ4値の出力信号及び反転出力信号を出力する。
【0025】
第1の実施形態においては、
(1)差動ドライバ11,12,13,14の信号電圧レベル=±1,±2;
(2)差動ドライバ15,16の信号電圧レベル=±1.1,±2.2;
であるが、例えば、
(1)差動ドライバ11,12,13,14の信号電圧レベル=±1,±3;
(2)差動ドライバ15,16の信号電圧レベル=±1.1,±3.3;
もしくは、
(1)差動ドライバ11,12,13,14の信号電圧レベル=±2,±3;
(2)差動ドライバ15,16の信号電圧レベル=±2.2,±3.3;
であってもよい。
【0026】
第2の実施形態.
図9は本発明の第2の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係る多重差動伝送システムは、第1の実施形態と比較して、以下の点が異なる。
(1)それぞれ2ビットのビット情報信号に応答して1対の出力信号及び反転出力信号を出力する3個の差動ドライバ11,12,13を備えた信号受信機10に代えて、それぞれ1ビットのビット情報信号に応答して1対の出力信号及び反転出力信号を出力する6個の差動ドライバ11A,12A,13A,14A,15A,16Aを備えた信号受信機10Aを備えたこと。
(2)信号受信機20に代えて、信号受信機20Aを備え、信号受信機20Aは、テーブルメモリ25aのテーブルとは異なるテーブルを有するテーブルメモリ25bを備えた復号処理器25を含むこと。
以下、上記相違点について詳細説明する。
【0027】
図10は図9の差動ドライバ11A,12A,13A,14Aの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13b,S14a,S14bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。また、図11は図9の差動ドライバ15A,16Aの出力信号S15a,S15b,S16a,S16bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。
【0028】
図9の信号送信機10Aにおいて、
(1)差動ドライバ11Aは、1ビットのビット情報信号B1に応答して、例えば±1Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S11aとその反転出力信号S11bを出力する。
(2)差動ドライバ12Aは、1ビットのビット情報信号B2に応答して、差動ドライバ11Aの信号電圧レベルの2倍(例えば3以上の自然数倍であってもよい。)である例えば±2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S12aとその反転出力信号S12bを出力する。
(3)差動ドライバ13Aは、1ビットのビット情報信号B3に応答して、差動ドライバ11Aと同様に、例えば±1Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S13aとその反転出力信号S13bを出力する。
(4)差動ドライバ14Aは、1ビットのビット情報信号B4に応答して、差動ドライバ12Aと同様に、例えば±2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S14aとその反転出力信号S14bを出力する。
(5)差動ドライバ15Aは、1ビットのビット情報信号B5に応答して、差動ドライバ11Aの信号電圧レベルと若干異なる例えば±1.1Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S15aとその反転出力信号S15bを出力する。
(6)差動ドライバ16Aは、1ビットのビット情報信号B6に応答して、差動ドライバ12Aの信号電圧レベルと若干異なる例えば±2.2Vの信号電圧レベルを有するバイポーラ2値の出力信号S16aとその反転出力信号S16bを出力する。
【0029】
図9において、出力信号S11aと出力信号S12aと反転出力信号S15bと反転出力信号S15bとは合成された後、信号線31に送信される。また、反転出力信号S11bと反転出力信号S12bと出力信号S13aと出力信号S14aとは合成された後、信号線32に送信される。さらに、反転出力信号S13bと反転出力信号S14bと出力信号S15aと出力信号S16aとは合成された後、信号線33に送信される。
【0030】
図12及び図13は図9の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20Aの終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係を示す図である。
【0031】
復号処理器25は、図12及び図13の情報テーブルを予め格納してなるテーブルメモリ25aを内蔵する。復号処理器25は、テーブルメモリ25b内のテーブルを参照して、各A/D変換器21,22,23から入力される終端電圧V1,V2,V3に基づいて、6ビットのビット情報信号B1−B6を判定してその判定結果のビット情報信号B1−B6を出力する。なお、復号処理器25におけるビット情報の判定においては、入力される各終端電圧V1−V6が例えば図12及び図13の終端電圧値の±10%の範囲内(この誤差範囲は、差動ドライバ11,12と差動ドライバ13との信号電圧レベルの差に応じて決定される。)にその値に実質的に一致するとして判定を行う。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、差動ドライバ11A−16Aにより3本の信号線31,32,33に重畳して各出力信号及び反転出力信号を送信したときに、各隣接する信号線に接続された終端抵抗41,42,43に現れる終端電圧V1,V2,V3は、6ビットのビット情報信号の26状態に依存してすべて異なる電圧値となり、その終端電圧値の組み合わせから、各A/D変換器21,22,23により検出された終端電圧V1,V2,V3に基づいて元のビット情報信号B1−B6を復号することができる。また、信号伝送路30の各信号線31,32,33に加わる電圧は、いずれのビット情報を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線31,32,33から輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、通常の差動伝送方法と同様にノイズの少ない伝送が可能である。
【0033】
なお、第2の実施形態においては、各差動ドライバ11A−16Aの信号電圧レベルは上記の値に限定されず、以下の条件であればよい。
(1)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第1の差分電圧ΔVd1だけ異なるように設定されてもよい。
(2)差動ドライバ15Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第2の差分電圧ΔVd2(ここで、ΔVd2<ΔVd1)だけ異なるように設定されてもよい。
(3)差動ドライバ16Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルから所定の第3の差分電圧ΔVd3(ここで、ΔVd2<ΔVd3<ΔVd1)だけ異なるように設定されてもよい。
【0034】
また、好ましくは、
(1)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第1の差分電圧ΔVd1だけ高くなるように設定されてもよい。
(2)差動ドライバ15Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベルから所定の第2の差分電圧ΔVd2(ここで、ΔVd2<ΔVd1)だけ高くなるように設定されてもよい。
(3)差動ドライバ16Aの信号電圧レベルは、差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベルから所定の第3の差分電圧ΔVd3(ここで、ΔVd2<ΔVd3<ΔVd1)だけ高くなるように設定されてもよい。
【0035】
第2の実施形態においては、
(1)差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベル=±1;
(2)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベル=±2;
(3)差動ドライバ15Aの信号電圧レベル=±1.1;
(4)差動ドライバ16Aの信号電圧レベル=±2.2;
であるが、例えば、
(1)差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベル=±1;
(2)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベル=±3;
(3)差動ドライバ15Aの信号電圧レベル=±1.1;
(4)差動ドライバ16Aの信号電圧レベル=±3.3;
もしくは、
(1)差動ドライバ11A,13Aの信号電圧レベル=±2;
(2)差動ドライバ12A,14Aの信号電圧レベル=±3;
(3)差動ドライバ15Aの信号電圧レベル=±2.2;
(4)差動ドライバ16Aの信号電圧レベル=±3.3;
であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上詳述したように、本発明に係る多重差動伝送システムによれば、6ビットのビット情報信号を3本の信号線を用いて差動伝送でき、ノイズの増加を抑えた状態で、かつ、従来技術に比較して少ない配線で多ビットのビット情報信号の差動伝送が可能となる。特に、本発明に係る多重差動伝送システムは、従来技術に比較してより高画質を実現するためのディスプレイ用の多ビットのデータ伝送や、小型化が必要な機器における高速伝送システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の差動ドライバ11,12の出力信号S11a,S11b,S12a,S12bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。
【図3】図1の差動ドライバ13の出力信号S13a,S13bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。
【図4】図1の差動ドライバ13において入力されるビット情報信号B1,B2と出力信号S11a,S11bとの関係を示す図である。
【図5】図1の差動ドライバ14において入力されるビット情報信号B3,B4と出力信号S12a,S12bとの関係を示す図である。
【図6】図1の差動ドライバ15において入力されるビット情報信号B5,B6と出力信号S13a,S13bとの関係を示す図である。
【図7】図1の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20の終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第1の部分を示す図である。
【図8】図1の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20の終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第2の部分を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9の差動ドライバ11A,12A,13A,14Aの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13b,S14a,S14bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。
【図11】図9の差動ドライバ15A,16Aの出力信号S15a,S15b,S16a,S16bの信号波形と割り当てビット情報との関係を示す波形図である。
【図12】図9の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20Aの終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第1の部分を示す図である。
【図13】図9の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報信号B1−B6と、信号受信機20Aの終端抵抗41,42,43によって発生される終端電圧V1,V2,V3との関係の第2の部分を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10,10A…信号送信機、
11,12,13,14,15,16,11A,12A,13A,14A,15A,16A…差動ドライバ、
20,20A…信号受信機、
21,22,23…A/D変換器、
24…クロック再生回路、
25…復号処理器、
25a,25b…テーブルメモリ、
30…信号伝送路、
31,32,33…信号線、
41,42,43…終端抵抗。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号送信機と、信号受信機と、上記信号送信機と上記信号受信機とを接続する第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路とを備えた多重差動伝送システムのための信号送信機において、
2ビットの第1のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有する第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを発生する第1の差動ドライバと、
2ビットの第2のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルを有する第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第2の差動ドライバと、
2ビットの第3のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは異なる第2の信号電圧レベルを有する第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第3の差動ドライバとを備え、
上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とは合成された後、上記第1信号線に送信され、
上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とは合成された後、上記第2信号線に送信され、
上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とは合成された後、上記第3信号線に送信されたことを特徴とする信号送信機。
【請求項2】
請求項1記載の信号送信機から第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路を介して受信される3つの出力信号を受信する信号受信機であって、
上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗と、
上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗と、
上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗と、
上記第1の終端抵抗によって発生される第1の終端電圧と、上記第2の終端抵抗によって発生される第2の終端電圧と、上記第3の終端抵抗によって発生される第3の終端電圧とに基づいて、上記第1、第2及び第3のビット情報信号を復号して出力する復号処理手段とを備えたことを特徴とする信号受信機。
【請求項3】
請求項1記載の信号送信機と、
請求項2記載の信号受信機とを備えたことを特徴とする多重差動伝送システム。
【請求項1】
信号送信機と、信号受信機と、上記信号送信機と上記信号受信機とを接続する第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路とを備えた多重差動伝送システムのための信号送信機において、
2ビットの第1のビット情報信号に応答して、所定の第1の信号電圧レベルを有する第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを発生する第1の差動ドライバと、
2ビットの第2のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルを有する第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第2の差動ドライバと、
2ビットの第3のビット情報信号に応答して、上記第1の信号電圧レベルとは異なる第2の信号電圧レベルを有する第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを発生する第3の差動ドライバとを備え、
上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とは合成された後、上記第1信号線に送信され、
上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とは合成された後、上記第2信号線に送信され、
上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とは合成された後、上記第3信号線に送信されたことを特徴とする信号送信機。
【請求項2】
請求項1記載の信号送信機から第1、第2及び第3の信号線にてなる信号伝送路を介して受信される3つの出力信号を受信する信号受信機であって、
上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗と、
上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗と、
上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗と、
上記第1の終端抵抗によって発生される第1の終端電圧と、上記第2の終端抵抗によって発生される第2の終端電圧と、上記第3の終端抵抗によって発生される第3の終端電圧とに基づいて、上記第1、第2及び第3のビット情報信号を復号して出力する復号処理手段とを備えたことを特徴とする信号受信機。
【請求項3】
請求項1記載の信号送信機と、
請求項2記載の信号受信機とを備えたことを特徴とする多重差動伝送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−318807(P2007−318807A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214522(P2007−214522)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【分割の表示】特願2007−534948(P2007−534948)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【分割の表示】特願2007−534948(P2007−534948)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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