説明

大容量の体液濾過装置

【課題】体液を濾過するためのホールドアップ量の少ない体液濾過装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】体液濾過装置は、インレット、第1のアウトレット、第2のアウトレット、インレットと第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路、及びインレットと第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路を有するハウジングと、インレットと第1のアウトレットとの間に、且つ第1の流体流路を横断するように配置された第1の体液濾過媒体と、インレットと第2のアウトレットとの間に、且つ第2の流体流路を横断するように配置された第2の体液濾過媒体とを備える。ハウジングは、第1の体液濾過媒体と第2の体液濾過媒体とを実質的に互いに隔絶させるような隔壁を有していない。第1の体液濾過媒体の下流に第1の流量制限部を追加し、第2の体液濾過媒体の下流に第2の流量制限部を追加し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過の分野に関するものであり、より詳しくは、ホールドアップ量の少ない改良された体液濾過システムに関する。前記体液濾過システムは、体液の濾過が可能な、ホールドアップ量の少ない、隔壁のない両面式体液フィルタ装置を備える。前記体液の濾過には、濃縮赤血球からの白血球の分離、及び血液又は血液製剤からのプリオンの分離を含む血液又は血液製剤からの所定の成分又は化学薬品の分離が含まれる。
【背景技術】
【0002】
1つのインレットと1つのアウトレットを備えた、隔壁を有する両面式体液濾過装置が特許文献1で開示されている。隔壁を有する両面式体液濾過装置は特許文献2でも開示されている。隔壁を有する両面式体液濾過装置は特許文献3でも開示されている。特許文献2及び特許文献3で開示されている両面式体液濾過装置は、1つの隔壁により分離された2つの独立した流体流路を含み、各流体流路は別個のインレットとアウトレットを備えているため、それによって血液又は血液製剤を含む体液の2つのユニットを別々に濾過することができる。
【0003】
1つのインレット、1つのアウトレット、及び前記インレットと前記アウトレットとの間に2つの流体流路を備えた、隔壁のない両面式体液濾過装置が特許文献4で開示されている。この種類の装置の不利な点は、血液又は血液製剤の2つのユニットを、この装置を通して濾過し、別個の2つの血液受容バッグで収集する場合、第1のユニットは装置に備えられた比較的詰まっていない状態の濾過要素により濾過されることになり、第2のユニットは装置に備えられた比較的詰まった状態の濾過要素により濾過されることになるということである。このため、前記装置を通過する前記第1のユニットの流速は、前記第2のユニットの流速よりも速いことになる。従って、前記第1のユニットと前記第2のユニットとの間で濾過効率が異なることがある。このため、前記装置が白血球を除去するために使用される場合、白血球の除去率は、前記第1のユニットと第2のユニットとの間で異なることがある。
【0004】
従って、本発明の目的は、血液又は血液製剤を含む体液の2つのユニットを略同じ流速で同時に濾過し、且つ自動的に動作し、ホールドアップ量を最小限にするような、1つのインレットと2つのアウトレットを備えた、隔壁のない体液濾過装置を含む体液濾過システムを提供することである。また本発明の目的は、2つの独立した流体流路を備える体液濾過装置の該2つの流体流路をベントできる1つのベント濾過装置を提供することである。本発明の更なる目的は、体液濾過装置の体液濾過媒体の下流に流量制限部を設けることによって該体液濾過装置を通過する流量を制限するための手段を提供することである。
【0005】
(定義)
【0006】
本明細書で用いられる用語「両面式体液濾過装置(以下、BFFDと呼ぶ)」は、1つのインレットと2つのアウトレットを含む1つのハウジングと、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1の体液濾過媒体であって、前記ハウジングと該第1の体液濾過媒体との間に体液を流れさせないように前記ハウジングに密着した、該第1の体液濾過媒体と、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2の体液濾過媒体であって、前記ハウジングと該第2の体液濾過媒体との間に体液を流れさせないように前記ハウジングに密着した、該第2の体液濾過媒体とを備える濾過装置を意味する。前記体液濾過装置は、血液又は血液製剤を含む体液から白血球、プリオン、他の血液成分、細胞、及び前記体液を処理するために用いられ得る化学物質を分離するために前記体液を濾過することができる。またBFFDは、他の種類の体液濾過装置の省略表現として用いられることもあり得る。
【0007】
本明細書で用いられる用語「体液濾過媒体(以下、BFFMと呼ぶ)」は、血液又は血液製剤を含む体液から白血球、プリオン、他の血液成分、細胞、及び前記体液を処理するために用いられ得る化学物質を分離するために前記体液を濾過することができる多孔質の濾過媒体を意味する。前記体液濾過媒体(BFFM)は、同じ種類の多孔質フィルタ材料からなる1つ或いは複数の層を含む、少なくとも1つのフィルタ要素を備えることがある。前記体液濾過媒体は、異なる種類のフィルタ材料を含む、2以上のフィルタ要素を備えることもある。特許文献2又は特許文献3で開示されているような、同じ種類又は異なる種類の1つ或いは複数のフィルタ要素を含む様々な種類の体液濾過媒体のいずれも、本発明の体液濾過媒体と考えて良い。
【0008】
本明細書で用いられる用語「ベント濾過媒体(vent filtration media)」は、ベントフィルタ装置に用いられる濾過媒体を意味する。ベント濾過媒体は、テフロン(登録商標)やPVDF(登録商標)などの材料で作成された微細孔濾過材料であり得、0.2μm以下の孔径を有していることが好ましい。或いは、ベント濾過媒体は、綿、スパンボンドポリエステルなどのデプスメディア、又はPorexなどのモールド成形されたデプスメデイアであり得る。
【0009】
本明細書で用いられる用語「ハウジング」は、その内側に前記濾過媒体を密着させる囲い(enclosure)を意味する。BFFDのハウジングは、1つのインレットと、2つのアウトレットと、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMであって、前記ハウジングと該第1のBFFMとの間に体液を流れさせないように前記ハウジングに密着した、該第1のBFFMと、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMであって、前記ハウジングと該第2のBFFMとの間に体液を流れさせないように前記ハウジングに密着した、該第2のBFFMとを含む。前記ハウジングは、隔壁を有していない。前記ハウジングは、ステンレススチールやアルミニウムなどの剛体材料、又はアクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの任意の剛体の成形プラスチック材料で作成することができる。ベント濾過装置のハウジングは、大気と流体連通するベントポートと、前記体液濾過システムと流体連通するシステムポートと、前記ベントポートと前記システムポートとの間に画定された流体流路と、前記ベントポートと前記システムポートとの間に、且つ前記流体流路を横断するように配置されたベント濾過媒体とを含む。前記ベント濾過媒体は、前記ベント濾過媒体と前記ハウジングとの間に体液又は気体を流れさせないように前記ハウジングに密着している。
【0010】
本明細書で用いられる用語「体液」は、血液又は血液製剤や、白血球含有懸濁液又はプリオン含有懸濁液を含む任意の種類の生体液体を意味する。
【0011】
本明細書で用いられる用語「白血球含有懸濁液」は、白血球が懸濁されている液体を意味する。白血球含有懸濁液の例には、全血;濃縮赤血球、洗浄赤血球、白血球を分離した細胞、解凍赤血球濃縮物及び解凍赤血球懸濁液などの赤血球製剤;血小板の少ない血漿、血小板を豊富に含む血漿、新鮮凍結乾燥血漿、新鮮液体血漿及び寒冷沈降物などの血漿製剤;及び濃縮血小板細胞、軟膜血液及び軟幕分離血液などの他の白血球含有血液製剤などが含まれる。本発明に記載の装置及びシステムによって濾過される白血球含有懸濁液は、上述の例に制限されるわけではない。
【0012】
本明細書で用いられる用語「プリオン含有懸濁液」は、プリオンが懸濁されている液体を意味する。
【0013】
本明細書で用いられる用語「ダイヤフラム式排出装置(以下、DDDと呼ぶ)」は、大気と流体連通するインレットと、排出される方の第2の装置と流体連通するアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に配置されたダイヤフラムとを備えるハウジングを有する装置を意味する。前記ハウジングは、その通常状態において、前記ダイヤフラムと前記アウトレットとの間に或る量の気体を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,660,171号明細書
【特許文献2】米国特許出願番号第10/934,881号明細書
【特許文献3】PCT国際出願番号第PCT/US2004/029026号明細書
【特許文献4】米国特許第6,231,770号明細書
【特許文献5】米国特許出願番号第10/693,757号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の原理に従って構成される体液濾過装置(BFFD)及びシステムを用いることにより上述の従来技術の問題を解決し、本発明の目的を達成する。本発明の体液濾過システムは、血液又は血液製剤を含む体液から白血球、プリオン、他の血液成分、細胞、及び前記体液を処理するために用いられ得る化学物質を分離するために、前記体液を濾過することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
体液濾過システムは、1つの供給容器(通常は、つぶれるようになる(collapsible)血液バッグ)と、1つ或いは複数の受容容器(通常は、1つ或いは複数のつぶれるようになる血液バッグ)と、前記供給容器(血液供給バッグ)と前記受容容器(血液受容バッグ)との間に配置された体液濾過装置(BFFD)とを備えている。前記BFFDは、1つのインレットと2つのアウトレットを備える、隔壁のないハウジングと、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1の体液濾過媒体(BFFM)と、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2の体液濾過媒体(BFFM)とを備える。各BFFMは、1つの濾過要素、又は異なる種類の複数の濾過要素を含むことがある。また前記ハウジングは、前記インレットと前記2つのBFFMの上流面との間に形成されたチャンバも含む。第1の流量制限部は、第1のBFFMの下流に配置され、第2の流量制限部は、第2のBFFMの下流に配置され得る。また前記体液濾過システムは、濾過サイクルが終了したとき、前記BFFDの上流チャンバが自動的に液体を排出するための手段も含む。前記排出手段は、一体型の流量制限部を備えるダイヤフラム式排出装置(DDD)を含むことがある。特許文献2又は3で開示されている様々な種類のインライン形自動排出手段のいずれかを、本願発明の自動排出手段として用いることができる。
【0017】
いずれかの実施形態において、BFFMは、順に、第1の孔径の多孔質フィルタ材料からなる1つ或いは複数の層を含む第1のフィルタ要素、前記第1の孔径より小さい孔径の第2の孔径の多孔質フィルタ材料からなる1つ或いは複数の層を含む第2のフィルタ要素、前記第2の孔径より大きい孔径の第3の孔径の多孔質フィルタ材料からなる1つ或いは複数の層を含む第3のフィルタ要素、及び前記第2のフィルタ要素の孔径より小さい孔径の第4の孔径の多孔質フィルタ材料からなる1つ或いは複数の層を含む第4のフィルタ要素が組み合わされたものを含むことがある。前記第3のフィルタ要素が流量分配(flow distribution)層の役目をする間、前記第1のフィルタ要素は、血液又は血液製剤からゲルを分離するための手段を含み得、前記第2のフィルタ要素は、血液又は血液製剤から微小凝集塊を分離するための手段を含み得、前記第4のフィルタ要素は、血液又は血液製剤から白血球を分離するための手段を含み得る。しかし、BFFMは、上述した種類のものに制限されるわけではなく、特定用途用の任意の適切な種類のBFFMを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】血液供給バッグ、第1の血液受容バッグ、第2の血液受容バッグ、前記血液供給バッグと前記血液受容バッグとの間に配置された第1の実施形態のBFFD、及び前記血液供給バッグと前記BFFDとの間に配置された一体型の流量制限部を備えるダイヤフラム式排出装置(DDD)を含む、本発明の原理に従って構成された体液の濾過に使用可能な体液濾過システムの第1の実施形態の側面図である。
【図2】本発明の原理に従って構成された体液の濾過に使用可能な第1の実施形態のBFFDの断面図である。
【図3】図1で図示のDDDの一部が取り除かれたDDDを示す等角図である。
【図4】図2で図示のBFFDの一部が取り除かれたハウジングインレットハーフを示す等角図である。
【図5】図2で図示のBFFDの一部が取り除かれた第1のハウジングアウトレットハーフを示す等角図である。第2のハウジングアウトレットハーフは、前記第1のハウジングアウトレットハーフと同じものである。
【図6】図4で図示のハウジングインレットハーフと置換可能な、一部が取り除かれた、バッフルを備えるハウジングインレットハーフを示す等角図である。
【図7】血液供給バッグ、第1の血液受容バッグ、第2の血液受容バッグ、前記血液供給バッグと前記血液受容バッグとの間に配置された第2の実施形態のBFFD、及び前記血液供給バッグと前記BFFDとの間に配置された一体型の流量制限部を備えるダイヤフラム式排出装置(DDD)を含む、本発明の原理に従って構成された体液の濾過に使用可能な体液濾過システムの第2の実施形態の側面図である。
【図8】アウトレット内に流量制限部を備える本発明の原理に従って構成された体液の濾過に使用可能な片面式BFFDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の原理に従って構成された体液濾過システムの一実施形態を図1から図5に図示する。図1に図示の体液濾過システム1000は、血液供給バッグ98、第1の血液受容バッグ99、及び第2の血液受容バッグ99aを備える。血液供給バッグ98と2つの血液受容バッグとの間に体液濾過装置(BFFD)100が配置されている。ダイヤフラム式排出装置(DDD)50を、血液供給バッグ98とBFFD100との間に配置することもできる。血液供給バッグ98のアウトレットとDDD50のインレットチューブソケット51は第1の長さのチューブ81で接続されている。DDD50のアウトレットチューブソケット52とBFFD100のインレットチューブソケット6は第2の長さのチューブ81aで接続されている。BFFD100の第1のアウトレットチューブソケット28と第1の血液受容バッグ99のインレットは第3の長さのチューブ82で接続されている。BFFD100の第2のアウトレットチューブソケット28aと第2の血液受容バッグ99aのインレットは第4の長さのチューブ82aで接続されている。或いは、チューブ82のアウトレット端部をT字形チューブ又はY字形チューブの第1のポートに接続し、チューブ82aのアウトレット端部を前記T字形チューブ又は前記Y字形チューブの第2のポートに接続し、前記T字形又は前記Y字形チューブの第3のポートを、共用の血液受容バッグのインレットに接続することもできる。チューブ81はチューブクランプ95を備え、チューブ82はチューブクランプ96を備え、チューブ82aはチューブクランプ96aを備え得る。ダイヤフラム式排出装置50は、ベント濾過装置と置換することもできるし、或いは完全に取り外すこともできる。
【0020】
図2から図5を参照すると、BFFD100は、ハウジングインレットハーフ1、第1のハウジングアウトレットハーフ20、及び第2のハウジングアウトレットハーフ20aを備える剛体のハウジングを含む。ハウジングインレットハーフ1のハウジングシール面19は、第1のハウジングアウトレットハーフ20のハウジングシール面29に結合される。ハウジングインレットハーフ1のハウジングシール面19aは、第2のハウジングアウトレットハーフ20aのハウジングシール面29aに結合される。前記結合は、超音波溶接が好ましいが、加熱結合、接着剤結合、溶剤結合、若しくは任意の他の種類の密着結合(leak tight bond)であっても良い。
【0021】
図2、図4、及び図5を参照すると、ハウジングインレットハーフ1は、内側壁8と、フィルタシール面7を通る平面とによって画定された第1のフィルタウェル11を含む。ハウジングインレットハーフ1はまた、内側壁8aと、フィルタシール面7aを通る平面とによって画定された第2のフィルタウェル11aも含む。上流チャンバ13は、ハウジングインレットハーフ1の内壁10の内面10aと、濾過要素16の上流面16bと、濾過要素16aの上流面16abとによって画定される。このため、上流チャンバは、第1のBFFMの上流面と第2のBFFMの上流面との間に空間を形成する。ただし、前記第1のBFFMの上流面は、前記第2のBFFMの上流面と互いに対向している。第1及び第2のBFFMの詳細は後述する。インレット5は、上流チャンバ13と流体連通する。チューブ81aのアウトレット端部は、インレットチューブソケット6内に挿入され、且つ結合される。インレット5は、上流チャンバ13の最上部にて、ハウジングインレットハーフ1の垂直中心線上に配置されるよう図示しているが、上流チャンバ13の最上部と底部の間のどの位置に配置しても良く、また前記垂直中心線の右側又は左側のどちらに配置しても良い。
【0022】
図2及び図5を参照すると、BFFD100は、第1のハウジングアウトレットハーフ20及び第2のハウジングアウトレットハーフ20aを含む。ハウジングアウトレットハーフ20aは、ハウジングアウトレットハーフ20と同じものである。ハウジングアウトレットハーフ20は、環状アウトレットチャネル25及びアウトレット27を含む。アウトレット27は、図2及び図5で図示するような流量制限部を含み得る。環状アウトレットチャネル25は、アウトレット27と直接的に流体連通し、環状アウトレットチャネル25のアウトレット27に隣接している部分は、アウトレット27の流路断面積よりも大きい流路断面積を有する。ハウジングアウトレットハーフ20はまた、最上部が開放され、底部が閉じられた、複数の垂直チャネル22、22aも含む。各垂直チャネル22、22aの一方の端部は、環状アウトレットチャネル25と流体連通する。環状アウトレットチャネル25の上部は、垂直チャネル22、22aからの体液の流れを受容するために幅が広くなっている。環状アウトレットチャネル25の残りの部分(即ち、環状アウトレットチャネル25の下部)の幅は、前記垂直チャネルの幅と等しい幅であることが好ましい。垂直チャネル22aとして示す2つの最も外側の垂直チャネルは、環状アウトレットチャネル25に隣接している。ただし、環状アウトレットチャネル25の幅は、前記垂直チャネルの幅と等しい。前記アウトレットチャネルと前記垂直チャネルを組み合わせることにより、ハウジングアウトレットハーフ20の壁37内に切り込まれた暗渠フィルタ(filter underdrain)構造が形成され、図5で図示するように、全てのチャネルの内面がハウジングアウトレットハーフ20の内壁21の内側に配置される。前記アウトレットチャネル及び前記垂直チャネルの断面積は、各チャネルの内面と、前記壁と接触する前記BFFMの下流面とによって画定される。図5で図示するように、垂直チャネル22と垂直チャネル22aとの間の距離は、各垂直チャネル22、22aの幅よりも大きく、また垂直チャネル22と垂直チャネル22aとの間の距離は、各垂直チャネル22、22aの深さよりも大きい。例えば、2つの垂直チャネルの中心線間の距離は、0.381センチ(0.150インチ)に等しく、前記各垂直チャネルの幅は、0.081センチ(0.032インチ)に等しく、前記各垂直チャネルの深さは、0.063センチ(0.025インチ)に等しい。ハウジングアウトレットハーフ20はまた、フィルタシール面24も含む。ハウジングアウトレットハーフ20は、BFFMの下流に開放チャンバ又は空間を含まないため、体液のホールドアップ量を最小限にし得る。本発明のハウジングアウトレットハーフ20は、ハウジングアウトレットハーフ20がアウトレット内に流量制限部を備えていることを除いて、特許文献2及び特許文献3で開示されているハウジングアウトレットハーフ220と同じである。
【0023】
図2を参照すると、少なくとも1つのフィルタ要素を備える第1の体液濾過媒体(BFFM)は、インレット5と第1のアウトレット27との間に配置され、且つ未濾過体液の流れが前記ハウジングと前記第1のBFFMとの間を流れないように前記ハウジングに密着し、前記第1のBFFM周囲を未濾過体液がバイパスするのを防止する。少なくとも1つのフィルタ要素を備える第2の体液濾過媒体(BFFM)は、インレット5と第2のアウトレット27aとの間に配置され、且つ未濾過体液の流れが前記ハウジングと前記第2のBFFMとの間を流れないように前記ハウジングに密着し、前記第2のBFFMの周囲を未濾過体液がバイパスするのを防止する。図2で図示する第1のBFFMは、フィルタ要素16及び18を備える。前記フィルタ要素は、全て同じ種類のフィルタ要素であっても良いし、異なる種類のフィルタ要素であっても良い。例えば、フィルタ要素16は、微小凝集塊フィルタ要素であり得、フィルタ要素18は、白血球分離フィルタ要素であり得る。各フィルタ要素は、上流面(フィルタ要素16の場合は上流面16bとして図示)、下流面(フィルタ要素16の場合は下流面16cとして図示)、及び周面(フィルタ要素16の場合は周面16dとして図示)を含む。フィルタ要素18の下流面18cとして図示している前記BFFMの下流面は、ハウジングアウトレットハーフ20の内壁21と接触する。前記BFFMの下流面がハウジングアウトレットハーフ20の内壁21と接触するため、BFFD100は、前記BFFMの下流に開放チャンバ又は空間を含まない。前記BFFMを介して排出される空気又は液体は、BFFD100のアウトレット27に流入する前に、前記垂直チャネル及び前記環状アウトレットチャネルを必ず通過する。フィルタ要素18で図示するように、少なくとも1つのフィルタ要素は、該少なくとも1つのフィルタ要素の周面とハウジングインレットハーフ1の内側壁8とを締まりばめすることにより、前記ハウジングに密着させることができ、或いは、フィルタ要素16で図示するように、少なくとも1つのフィルタ要素は、該少なくとも1つのフィルタ要素の外縁をハウジングインレットハーフ1のフィルタシール面7で圧迫することによって加圧密着することにより、前記ハウジングに密着させることができ、或いは、少なくとも1つのフィルタ要素は、ヒートシール、超音波溶接、グルーシール、溶剤シール、高周波溶接、又は任意の他の種類の密着シールを用いて前記ハウジングに密着させることができる。また少なくとも1つのフィルタ要素をハウジングに密着させるために、複数のシーリング方法を組み合わせて用いることもできる。前記第2のBFFMは、前記第1のBFFMと同じものであることが好ましく、前記第1のBFFMを前記ハウジングに密着させた方法と同じ方法により前記ハウジングに密着させることが好ましい。特許文献2及び特許文献3で開示されているフィルタ要素の組み合わせのいずれかを、本発明において使用することもできる。例えば、本発明において、ゲルフィルタ要素、微小凝集塊フィルタ要素、流量分配フィルタ要素、白血球分離フィルタ要素の順に組み合わせたものを使用することができる。
【0024】
図2及び図5を参照すると、第1の流体流路は、BFFD100のインレット5とBFFD100の第1のアウトレット27との間に画定されており、第1のBFFMの少なくとも1つのフィルタ要素が、インレット5と第1のアウトレット27との間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置されている。前記第1の流体流路は、インレット5から上流チャンバ13を通過し、前記第1のBFFMの少なくとも1つのフィルタ要素を介して垂直チャネル22、22aを通過し、環状アウトレットチャネル25を通過し、そして流量制限部を含み得るアウトレット27を通過して、第1のハウジングアウトレットハーフ20全体を通過するものである。第2の流体流路は、BFFD100のインレット5とBFFD100の第2のアウトレット27aとの間に画定されており、第2のBFFMの少なくとも1つのフィルタ要素が、インレット5と第2のアウトレット27aとの間に、且つ前記第2の流路を横断するように配置されている。前記第2の流体流路は、インレット5から上流チャンバ13を通過し、前記第2のBFFMの少なくとも1つのフィルタ要素を介して垂直チャネル22、22aを通過し、環状アウトレットチャネル25aを通過し、そして流量制限部を含み得るアウトレット27aを通過して、第2のハウジングアウトレットハーフ20a全体を通過するものである。
【0025】
図1及び図3は、ダイヤフラム式排出装置50(以下、DDD50と呼ぶ)を図示している。DDD50は、剛体のハウジングインレットハーフ58、剛体のハウジングアウトレットハーフ59、及びフレキシブルなダイヤフラム53を含む。ハウジングアウトレットハーフ59は、インレットチューブソケット51、アウトレットチューブソケット52、第1のチャネル54、第2のチャネル55、第3のチャネル56、及びコモンノード60を含む。コモンノード60(点として図示)は、3つのチャネルがそれぞれ他の2つのチャネルと流体連通する位置におかれる。第2のチャネル55は、第1及び第3のチャネルよりは長く、直径の小さいチャネルとして図示されている流量制限部を含む。第1のチャネルは、インレット54と呼ばれることがあり、第2のチャネルは、アウトレット55と呼ばれることがあり、第3のチャネルは、側面ポート56と呼ばれることがある。ハウジングアウトレットハーフ59は、特許文献2及び特許文献3で開示されている3口チューブコネクタ1650とハウジングアウトレットハーフ1820とを組み合わせて1つの構成要素にしたものである。第1のチャネル54、第2のチャネル55、及び第3のチャネル56から構成される3口チューブコネクタの形状は、T字形の形状で図示しているが、この形状に制限されるわけではなく、例えば、Y字形の形状であっても良い。図3は、ハウジングインレットハーフ58がハウジングアウトレットハーフ59に密着したDDD50の通常状態を図示している。前記密着は、超音波シールであるのが好ましいが、ヒートシール、溶剤シール、接着剤シール、又はハウジングインレットハーフ58及びハウジングアウトレットハーフ59間の加圧シール、或いは任意の他の種類の密着シールであっても良い。フレキシブルなダイヤフラム53は、シリコンゴムなどの軟質ゴム材料からモールド成形することができ、或いは、PVC、ポリエチレン、又はポリプロピレンなどの材料からモールド成形又は熱成形することができるが、これらの材料に制限されるわけではない。フレキシブルなダイヤフラム53は、その通常状態において、外面66がハウジングインレットハーフ58の内面67に適合するような形状であることが好ましい。フレキシブルなダイヤフラム53は、ハウジングインレットハーフ58又はハウジングアウトレットハーフ59に結合することができるフランジ68を含む。前記結合には、加熱結合、超音波結合、接着剤結合、溶剤結合、又は任意の他の種類の密着結合が用いられ得る。或いは、フランジ68を、ハウジングインレットハーフ58とハウジングアウトレットハーフ59との間に加圧シールにより密着させることができる。図3は、通常状態のDDD50を図示しており、ダイヤフラム53の外面66が、ハウジングインレットハーフ58の内面67と接触している。DDD50は、その通常状態において第3のチャネル56と流体連通するチャンバ63を含む。前記通常状態において、チャンバ63は、大気圧の気体(通常は無菌空気)で満たされる。ダイヤフラム53が完全につぶれた場合、ダイヤフラム53の内面69は、ハウジングアウトレットハーフ59の内面70と接触する。
【0026】
図1から図3を参照すると、第3の流体流路が、血液供給バッグ98とDDD50のハウジングアウトレットハーフ59のコモンノード60との間に画定されている。前記第3の流体流路の流れは、血液供給バッグ98からチューブ81を介してDDD50のインレット54を通過し、コモンノード60に至るというものである。第4の流体流路が、DDD50のコモンノード60とBFFD100のインレット5との間に画定されている。前記第4の流体流路の流れは、コモンノード60からDDD50のアウトレット55(流量制限部を含む)を通過し、チューブ81aを介してBFFD100のインレット5に至るというものである。第5の流体流路が、コモンノード60とDDD50のチャンバ63との間に画定されている。前記第5の流体流路の流れは、チャンバ63から第3のチャネル56を通過し、コモンノード60に至るというものである。
【0027】
図1から図5を参照すると、体液濾過システム1000は、以下のように動作する。ユーザは、血液供給バッグ98を除き、図1で図示の全ての構成要素を備えるシステムを購入する。ユーザは、当該技術分野で周知の方法によりチューブ81を血液供給バッグ98のアウトレット92に接続する。図1で図示するように前記システムの様々な構成要素を配置できるよう、血液供給バッグ98は血液バッグ用ポールのフックからつるすことができ、第1の血液受容バッグ99及び第2の血液受容バッグ99aはテーブルの上などに置くことができる。或いは、血液供給バッグ98は、図1で図示する全ての構成要素を含むセットの一部であり得る。この場合、ドナーから採取される血液又は血液製剤は、血液供給バッグ98内に収集されることになる。チューブクランプ95は、チューブ81を血液供給バッグ98に接続する前に閉じておく。チューブクランプ95を開放して前記システムに体液(即ち、液体)を流し始める前に、チューブクランプ96及び96aを開放する。
【0028】
チューブクランプ95が開放されると、体液(即ち、液体)は、血液供給バッグ98からチューブ81を通過し、DDD50のインレット54に流入し、DDD50のアウトレット55を通過し、チューブ81aを通過し、BFFD100のインレット5に流入し、BFFD100の上流チャンバ13に流入する。DDD50のアウトレット55が流量制限部を備えているため、DDDのインレットの下流及びDDDの側面ポートの下流への流れは自動的に制限され、DDD50のコモンノード60にて正圧が発生し得る。また、フレキシブルなダイヤフラム53を液密/気密シールによりDDD50に密着させているため、空気はDDD50のインレット57から漏れることがない。従って、たとえあったとしても、極少量の体液しかDDD50の側面ポート56に流入しないように、DDD50のチャンバ63内の空気は加圧されることになる。
【0029】
チューブクランプ95が開放されると、次の4つの状態のうちの1つの状態が発生する。第1の状態では、上流チャンバ13の容量が十分に小さく、且つ第1及び第2のBFFMの初期流量を合わせた量が、インレット5に流入する体液の流量を超えない場合、BFFD100の上流チャンバ13は、底部から上部に向かって体液で迅速に満たされることになる。上流チャンバ13が底部から上部に向かって満たされるにつれ、上流チャンバ13内の初期空気は、上流チャンバ13内を満たす体液によって排出される。前記排出された空気の一部は、強制的に第1のBFFMを通過し、垂直チャネル22、22aへ送出され、環状アウトレットチャネル25へ送出され、そして第1のアウトレット27へ送出され、第1のハウジングアウトレットハーフ20全体を通過することになる。前記排出された空気の残りは、強制的に前記第2のBFFMを通過し、垂直チャネル22、22aへ送出され、環状アウトレットチャネル25aへ送出され、そして第2のアウトレット27aへ送出され、第2のハウジングアウトレットハーフ20a全体を通過することになる。上流チャンバ13内の体液は加圧され得る。上流チャンバ13の底部における圧力は、血液供給バッグ98内の体液の液面から上流チャンバ13の底部までの距離に比例し、上流チャンバ13の最上部における圧力は、血液供給バッグ98内の体液の液面から上流チャンバ13の最上部までの距離に比例する。このため、上流チャンバ13の最上部における圧力は、上流チャンバ13の底部における圧力よりも小さい。上流チャンバ13内の正圧により、体液は第1及び第2のBFFMの表面積全体にわたって第1及び第2のBFFMを通過し、且つ体液により第1及び第2のBFFMの細孔内の空気が押しのけられ、それによって第1及び第2のBFFMが、第1及び第2のBFFMの上流側から第1及び第2のBFFMの下流側へ濡れるようになる。前記各BFFMが濡れるにつれ、最初に各BFFMの細孔内にあった空気は体液によって押しのけられ、各ハウジングアウトレットハーフの垂直チャネル22、22aに流入し、環状アウトレットチャネル25に流入し、次にハウジングアウトレットハーフ20のアウトレット27及びハウジングアウトレットハーフ20aのアウトレット27aに流入し、そしてチューブ82に流入して第1の血液受容バッグ99内に流入し、且つチューブ82aに流入して第2の血液受容バッグ99a内に流入する。上流チャンバ13の底部における圧力は、上流チャンバ13の最上部における圧力よりも大きいため、前記BFFMを通過する体液の初期流量は、前記BFFMの最上部よりも前記BFFMの底部のほうが多くなる。従って、前記BFFMは、まず前記BFFMの底部において、前記BFFMの上流面から前記BFFMの下流面へ完全に濡れるようになる。各ハウジングアウトレットハーフの垂直チャネル22、22aの幅が十分に小さく、且つ垂直チャネル22、22aの深さが十分に浅いので垂直チャネル22、22aの流路断面積が十分に小さい場合、且つ垂直チャネル22同士の間の距離が十分に大きい場合、前記BFFMを連続的に通過する体液にとって、最小抵抗経路は、水平方向及び垂直方向の両方向の前記BFFMの毛細管であり、前記垂直チャネルではない。なぜならば、前記垂直チャネルの流路断面積が十分に小さい場合、前記垂直チャネルに流入し且つ通過する前記BFFMから排出された空気により、前記垂直チャネル内に十分に高い正圧が発生し、体液を前記垂直チャネル内に流入させないからである。前記BFFMの下流面は、従って、底部から上部に向かって濡れていき、前記BFFM内にあった排出された空気は、前記垂直チャネルに連続的に流入し、前記環状アウトレットチャネルに流入し、そして前記アウトレットに流入し続けることになる。各BFFMの下流面が垂直チャネル22aの最上部のレベルまで濡れると、2つの最も外側の垂直チャネル22aの最上部より下方の前記BFFMの下流面が濡れるために、前記2つの最も外側の垂直チャネル22aを通過する空気の流れが止まる。従って、前記2つの最も外側の垂直チャネル内の圧力が減少して体液が前記2つの最も外側の垂直チャネル内に底部から上部に向かって流入できるようにし、それによって、前記2つの最も外側の垂直チャネル内にあった空気を排出する。同時に、前記各BFFMの下流面の濡れレベルは垂直方向に向かって濡れ続け、各環状アウトレットチャネル25に隣接する付近の前記各BFFMの下流面を濡らすようになる。環状アウトレットチャネル25を流れる空気のせいで、環状アウトレットチャネル25の最上部の流路断面積は、環状アウトレットチャネル25内に正圧を発生させるほど十分に小さくないため、前記各BFFMが垂直方向に濡れ続けるにつれ、体液が垂直チャネル22と環状アウトレットチャネル25の最上部に流入し始めることになる。垂直チャネル22、22a、及び環状アウトレットチャネル25に流入した体液は、BFFD100の各アウトレット27、27aに流入し、その後チューブ82に流入して血液受容バッグ99の方へ流れ、チューブ82aに流入して血液受容バッグ99aの方へ流れる。体液がアウトレット27、27aに流入し始めるので、第1及び第2のBFFMは垂直方向に濡れ続けることになる。従って、環状アウトレットチャネル25とアウトレット27、27aを通過する初期の流れは、最初は空気であり、その後空気と体液の混合物になり、最後に体液のみになり、チューブ82及び82aに流入する初期の流れは、最初は空気であり、その後体液と空気の部分が交互したものになり、最後に体液のみになる。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、前記BFFMを通過する体液の流れは、前記BFFMの表面積全体にわたって均一になり、前記BFFMの表面積全体で体液の濾過が行われるため、それによって前記BFFMを最も効率良く利用し得る。本発明は、図5で図示する暗渠フィルタに制限されるわけではない。例えば、特許文献2、又は特許文献3、又は特許文献1で開示されている暗渠フィルタのいずれかを本発明で使用することもできる。また、BFFMに対して十分な支持を提供し、且つBFFMの下流と各アウトレットとの間に流体流れ手段を提供するような任意の他の種類の暗渠フィルタを使用することもできる。
【0030】
チューブクランプ95が開放された後に発生し得る第2の状態では、BFFD100は、上述の第1の状態で説明したように濡れることにより、初期流量(即ち、各BFFMが濡れた状態になる前の流量)は、第1の状態で説明したような流量である。しかし、各BFFMが体液でいったん濡れた状態になると、第1及び第2のBFFMを通過する流量を合わせた量が、インレット5を介してチャンバ13に流入する体液の流量を上回るように、前記各BFFMを通過する流量が増加することがある。この場合、体液は、まずチャンバ13の底部から最上部に向かって満たされ、次にBFFMが濡れた後、チャンバ13内の液面がチャンバ13の最上部より下方のレベルまで降下する。このため、前記BFFMがいったん濡れた状態になると、前記BFFMのチャンバ13内液面最上部より下方の部分を通過する体液の流量は、前記BFFMのチャンバ13内液面最上部より上方の部分を通過する体液の流量よりも多いため、前記BFFMの前記液面より上方の部分は適切に利用されない。BFFD100が血液又は血液製剤から白血球を分離するために使用される場合、BFFMの白血球除去能力は、上述の第1の状態のときと比較して、第2の状態では減少し得る。このため、第2の状態では、血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤は、第1の状態の下で濾過された血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤よりも、より多くの白血球を含み得る。第2の状態は、図2で図示するように第1のアウトレット27及び第2のアウトレット27aに流量制限部を追加することによって調整することができる。図2では、流量制限部は、長くて直径の小さいアウトレットとして図示されている。流量制限部は、第1及び第2のBFFM、従ってアウトレット27、27aを通過する体液の流量を合わせた量が、インレット5を介してチャンバ13に流入する体液の流量以下となるようにサイズが決定される。流量制限部は、各BFFMの下流のどの位置にでも配置することができる。例えば、第1の流量制限部は、アウトレット27と第1の血液受容バッグ99との間のチューブ82内に配置することができ、第2の流量制限部は、アウトレット27aと第2の血液受容バッグ99aとの間のチューブ82a内に配置することができる。或いは、チューブ82及びチューブ82aの全部又は一部が、チューブ81及びチューブ81aよりも小さい内径を有するようにし、第1及び第2のBFFMの下流にそれぞれ制限部を形成することもできる。流量制限部は、前述した理由と同じ理由により、片面式BFFDにおいてBFFMの下流に使用することもできる。特許文献2又は特許文献3で開示されている片面式装置のいずれかにおいてBFFMの下流に流量制限部を追加することができる。
【0031】
チューブクランプ95が開放された後に発生し得る第3の状態では、上流チャンバ13の容量が十分に大きい場合、上流チャンバ13内の液面が上流チャンバ13の最上部に到達する前に、上流チャンバ13内の液面より下方のBFFMを通過する液体と前記液面より上方の毛細管による濡れとの組み合わせによって前記BFFMが濡れるため、それによって前記BFFMから空気をパージする。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、上流チャンバ13内の前記液面より上方の空気は、上流チャンバ13内に閉じ込められる。なぜならば、BFFMが濡れたことにより、上流チャンバ13からこの空気をパージすることができないからである。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、前記BFFMのチャンバ13内液面最上部より下方の部分を通過する体液の流量は、前記BFFMのチャンバ13内液面最上部より上方の部分を通過する体液の流量よりも多いため、前記BFFMの前記液面より上方の部分は適切に利用されない。BFFD100が血液又は血液製剤から白血球を分離するために使用される場合、BFFMの白血球除去能力は、上述の第1の状態のときと比較して、第3の状態では減少し得る。このため、第3の状態では、血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤は、第1の状態の下で濾過された血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤よりも、より多くの白血球を含み得る。第3の状態は、上流チャンバ13の容量を小さくすることによって調整することができる。図4を参照すると、インレット5を通過する体液の流れを制限しないように、インレット5の断面積を十分に大きくする場合、ハウジングインレットハーフ1の内面10aの幅(即ち、フィルタシール面7とフィルタシール面7aとの間の距離)を十分に広くする必要がある。この場合、上流チャンバ13の容量は、図6で図示するように、ハウジングインレットハーフ1aの内壁10にバッフル12を追加することによって最小限にすることができる。バッフル12は、内壁10の一方の側から、内壁10のもう一方の側へ延在している。バッフル12は、図6で図示するように、その第1の面9上に配置されたフィルタ支持リブ15、及びその第2の面9a上に配置されたフィルタ支持リブ15aを含み得る。ハウジングインレットハーフ1aは、ハウジングインレットハーフ1aにバッフル12を追加し、インレット5aの断面積が図1で図示するチューブ81aの内側の断面積以上となるようにインレット5aの断面積を大きくし、内壁10aの幅を広くしたことを除いて、ハウジングインレットハーフ1と同じである。しかし、バッフル12及びフィルタ支持リブ15、15aによって或る体積が占有されるために、ハウジングインレットハーフ1aの上流チャンバ13の容量は、ハウジングインレットハーフ1の上流チャンバ13の容量よりも小さい。バッフル12の最上部より上方及び底部より下方のそれぞれにギャップ14、14aがあるため、バッフル12は、上流チャンバ13を2つの別個に分離されたチャンバに隔絶させるような隔壁として機能しない。2つのギャップの断面積を合わせた大きさは、上流チャンバ13を2つの別個に分離されたチャンバに隔絶させないような十分な大きさを有する。各ギャップの断面積は、バッフルの中心を通り、且つフィルタシール面7及びフィルタシール面7aと平行な平面において測定されるギャップの断面積として定義される。バッフル12をハウジングインレットハーフに追加する唯一の目的は、上流チャンバ13の容量を減少し、2つのBFFMを適切に分離させておくための手段を提供するフィルタ支持リブ15、15aを追加することである。フィルタ支持リブは、フィルタ支持ピンのアレイ、又は他の手段と置換することができる。図6で図示するバッフルは、その上方に第1のギャップを有し、その下方に第2のギャップを有しているが、バッフルが上流チャンバ13を2つの別個に分離されたチャンバに隔絶させるような隔壁として機能しないよう1つのギャップをバッフルの上方又は下方又は両者の間のどこかに配置するだけでも良い。前記ギャップは、開口と呼ばれることもあり得る。
【0032】
チューブクランプ95が開放された後に発生し得る第4の状態では、第1及び第2のBFFMの初期流量を合わせた量がインレット5に流入する体液の流量を上回る場合、上流チャンバ13内の液面が上流チャンバ13の最上部に到達する前に、上流チャンバ13内の液面より下方のBFFMを通過する液体と前記液面より上方の毛細管による濡れとの組み合わせによって前記BFFMが濡れるため、それによって前記BFFMから空気をパージする。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、上流チャンバ13内の前記液面より上方の空気は、上流チャンバ13内に閉じ込められる。なぜならば、BFFMが濡れたことにより、上流チャンバ13からこの空気をパージすることができないからである。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、前記BFFMのチャンバ13内液面最上部より下方の部分を通過する体液の流量は、前記BFFMのチャンバ13内液面最上部より上方の部分を通過する体液の流量よりも多いため、前記BFFMの前記液面より上方の部分は適切に利用されない。BFFM100が血液又は血液製剤から白血球を分離するために使用される場合、BFFMの白血球除去能力は、上述の第1の状態のときと比較して、第4の状態では減少し得る。このため、第4の状態では、血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤は、第1の状態の下で濾過された血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤よりも、より多くの白血球を含み得る。第4の状態は、前記BFFMを通過する初期流量を減少することによって、前記BFFMの表面積を減少することによって、又は前記BFFMを通過するための抵抗を増加することによって、若しくはこれらを組み合わせて実施することによって調整することができる。或いは、前記BFFMの下流に流量制限部(例えば、図2で図示するアウトレット27、27a内の流量制限部など)を追加することにより、第4の状態を調整することができる。流量制限部を追加することにより、BFFMの表面積を減少させる必要がなくなるため、それによって濾過生成物の白血球除去に悪影響を及ぼすことなく、濾過血液又は濾過血液製剤の総スループットをより大きくすることができる。
【0033】
図1から図5を参照すると、BFFD100内の第1及び第2の流体流路から全ての空気がパージされると、体液の入った血液供給バッグ98が空になるまで、体液は、BFFD100のインレット5からBFFD100の第1のアウトレット27に至る第1の流体流路を通過し、且つチューブ82を介して第1の血液受容バッグ99に流入し続け、BFFD100のインレット5からBFFD100の第2のアウトレット27aに至る第2の流体流路を通過し、且つチューブ82aを介して第2の血液受容バッグ99aに流入し続ける。図2で図示するように流量制限部をアウトレット27、27aに追加することにより、第1及び第2のBFFMを通過する体液の流れが釣り合うようになり、従って両方のBFFMが適切に利用され、血液受容バッグ99及び血液受容バッグ99a内の濾過体液を同じ質のものにし得る。血液供給バッグ98が空になると、血液供給バッグ98はつぶれるため、チューブ81の先端を事実上密閉し、それによって体液の流れがチューブに流入するのを防止する。第1の血液受容バッグ99及び第2の血液受容バッグ99aが、BFFD100よりも十分に低い位置に配置される場合、第1及び第2のBFFMの下流の圧力は、負圧であり得る。血液供給バッグ98がつぶれて、第1及び第2の流体流路を通過する体液の流れが止まると、第1のBFFMと第2のBFFMとの間の差圧はゼロになるので、従って上流チャンバ13内の圧力、チューブ81aの内部の圧力、並びにDDD50のアウトレット55、側面ポート56及びチャンバ63内の圧力は、負圧になる。フレキシブルなダイヤフラム53の外面66は、DDD50のインレット57を介して大気圧であるため、吸引力(即ち、負圧)により、体液をDDD50の側面ポート56、DDD50のアウトレット55、チューブ81a、及び上流チャンバ13から自動的に排出させ、BFFM、BFFD100のアウトレット27、27a、チューブ82、82aを介して血液受容バッグ99、99aに流入させる。前記吸引力により、フレキシブルなダイヤフラム53は自動的につぶれ、DDD50のチャンバ63内にあった空気により、BFFMの上流から排出される体液を排出することになる。DDD50のチャンバ63の容量が排出される体液の量に等しいかそれ以上であるならば、前述したように全ての体液が自動的に排出される。DDD50のチャンバ63の容量が排出される体液の量を上回る場合、フレキシブルなダイヤフラム53は部分的につぶれるのみである。濾過サイクルが終了したとき、BFFM内、並びに第1及び第2のハウジングアウトレットハーフの暗渠フィルタ構造内、並びにチューブ82、82a内に体液が残る。DDD50は、体液濾過システム1000の自動排出手段として使用されているが、特許文献2又は特許文献3で開示されている自動排出手段のいずれかを含む任意の他の自動排出手段を使用することもできる。或いは、自動排出手段を使用しないこともあり、その場合、血液供給バッグ98が空になった後、上流チャンバの排出は行われない。
【0034】
片面式BFFDであって、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記流体流路を横断するように配置されたBFFMとを備える片面式BFFDは、前記BFFMの下流に流量制限部を追加することによって利益を得られる。例えば、片面式BFFDが体液から白血球を分離するために使用される場合、BFFMを通過する体液の初期流量は、最初のうちは多く、前記BFFMが詰まるにつれて減少する。前記初期流量が多すぎる場合、前記BFFMの白血球除去能力は減少することがあり、その結果、濾過された体液の単位体積当たりの白血球は、前記BFFMの詰まりにより流量が減少した後よりも、初期の方が体液から除去される数が少なくなる。この場合、前記BFFMの下流に制限部を用いて前記BFFDを通過する体液の流れを制限することにより、濾過サイクル全体を通して、前記BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって白血球除去率を向上させる。この場合、片面式BFFDは、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記流体流路を横断するように配置されたBFFMと、前記BFFMの下流に配置された流量制限部とを有し、前記流体流路は、前記流量制限部を通過する。
【0035】
片面式BFFDであって、1つのインレット105と、1つのアウトレット127と、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ上流チャンバ113を含む前記流体流路を横断するように配置されたBFFM118とを備える、図8で図示するBFFD300のような片面式BFFDは、BFFM118の下流に流量制限部を追加することによって利益を得られる。BFFD300は、図1で図示する体液濾過システム1000のBFFD100と置換することができる。その場合、1つの血液受容バッグがアウトレット127に接続される。チューブクランプ95が開放されたとき、上流チャンバ113の容量が十分に小さく、且つBFFM118の初期流量がインレット105に流入する体液の流量を上回らない場合、BFFD200の上流チャンバ113は、底部から上部に向かって体液で迅速に満たされる。上流チャンバ113が底部から上部に向かって満たされるにつれ、上流チャンバ113内の初期空気は、上流チャンバ113内を満たす体液によって排出される。前記排出された空気は、強制的にBFFM118を通過し、アウトレット127に送出される。しかし、BFFM118が体液でいったん濡れた状態になると、BFFM118を通過する流量が増加することがあるため、BFFM118を通過する流量は、インレット105を介してチャンバ113に流入する体液の流量を上回る。この場合、体液は初期にチャンバ113を底部から上部に向かって満たし、その後前記BFFMが濡れた後に、チャンバ113内の液面がチャンバ113の最上部より下方のレベルまで降下する。このため、前記BFFMがいったん濡れた状態になると、前記BFFMのチャンバ113内液面最上部より下方の部分を通過する体液の流量は、前記BFFMのチャンバ113内液面最上部より上方の部分を通過する体液の流量よりも多いため、前記BFFMの前記液面より上方の部分は適切に利用されない。BFFD300が血液又は血液製剤から白血球を分離するために使用される場合、BFFMの白血球除去能力は、濾過サイクルを通して上流チャンバが満たされている場合と比較して減少し得る。このため、血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤は、濾過された血液又は血液製剤が含むはずの白血球よりも、より多くの白血球を含み得る。前記問題は、図8で図示するようにアウトレット127に流量制限部を追加することによって調整することができる。図8では、流量制限部は、長くて直径の小さいアウトレットとして図示されている。流量制限部は、前記BFFM、従ってアウトレット127を通過する体液の流量が、インレット105を介してチャンバ113に流入する体液の流量以下となるようにサイズが決定される。流量制限部は、前記BFFMの下流のどの位置にでも配置することができる。例えば、流量制限部は、アウトレット127と血液受容バッグとの間のチューブ82内に配置することができる。或いは、チューブ82の全部又は一部が、チューブ81及びチューブ81aよりも小さい内径を有するようにし、前記BFFMの下流に制限部を形成することもできる。
【0036】
片面式BFFDのチューブクランプ95が開放された後に発生し得る第2の状態では、BFFM118の初期流量がインレット105に流入する体液の流量を上回る場合、上流チャンバ113内の液面が上流チャンバ113の最上部に到達する前に、上流チャンバ113内液面より下方のBFFMを通過する液体と前記液面より上方の毛細管による濡れとの組み合わせによってBFFMが濡れるため、それによって前記BFFMから空気をパージする。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、上流チャンバ113内の前記液面より上方の空気は、上流チャンバ内に閉じ込められる。なぜならば、BFFMが濡れたことにより、上流チャンバ113からこの空気をパージすることができないからである。前記BFFMがいったん濡れた状態になると、前記BFFMのチャンバ113内液面最上部より下方の部分を通過する体液の流量は、前記BFFMのチャンバ113内液面最上部より上方の部分を通過する体液の流量よりも多いため、前記BFFMの前記液面より上方の部分は適切に利用されない。BFFD300が血液又は血液製剤から白血球を分離するために使用される場合、この第2の状態におけるBFFMの白血球除去能力は減少し得る。このため、この第2の状態では、血液受容バッグ内の濾過された血液又は血液製剤は、所望するよりも多くの白血球を含み得る。この第2の状態は、前記BFFMを通過する初期流量を減少することによって、前記BFFMの表面積を減少することによって、又は前記BFFMの通過するための抵抗を増加することによって、若しくはこれらを組み合わせて実施することによって調整することができる。或いは、前記BFFMの下流に流量制限部(例えば、図8で図示するのアウトレット127内の流量制限部など)を追加することにより、第2の状態を調整することができる。流量制限部を追加した場合、BFFMの表面積を減少させる必要がなくなるため、それによって濾過生成物の白血球除去率を低下させることなく、濾過された血液又は血液製剤の総スループットをより大きくすることができる。
【0037】
両面式BFFDであって、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMとを備える、隔壁のない両面式BFFDは、前記第1及び第2のBFFMの下流に流量制限部を追加することによって利益を得られる。例えば、そのような両面式BFFDが体液から白血球を分離するために使用される場合、BFFMを通過する体液の初期流量は、最初のうちは多く、前記BFFMが詰まるにつれて減少する。前記初期流量が多すぎる場合、前記BFFMの白血球除去能力は減少することがあり、その結果、濾過された体液の単位体積当たりの白血球は、前記BFFMの詰まりにより前記BFFMを通過する流量が減少した後よりも、初期の方が体液から除去される数が少なくなる。この場合、前記両BFFMの下流に制限部を用いて前記BFFDを通過する体液の流れを制限することにより、濾過サイクル全体を通して、前記BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって白血球除去率を向上させる。この場合、隔壁のない両面式BFFDは、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMと、第1及び第2のBFFMの両者の下流に配置された流量制限部とを有し、前記第1及び第2の流体流路は、前記流量制限部を通過する。
【0038】
両面式BFFDであって、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMとを有する、隔壁を備える両面式BFFD(例えば、特許文献1及び特許文献2で開示されているもの)は、第1及び第2のBFFMの下流に流量制限部を追加することによって利益を得られる。例えば、そのような両面式BFFDが体液から白血球を分離するために使用される場合、BFFMを通過する体液の初期流量は、最初のうちは多く、BFFMが詰まるにつれて減少する。前記初期流量が多すぎる場合、前記BFFMの白血球除去能力は減少することがあり、その結果、濾過された体液の単位体積当たりの白血球は、前記BFFMの詰まりにより前記BFFMを通過する流量が減少した後よりも、初期の方が体液から除去される数が少なくなる。この場合、前記両BFFMの下流に制限部を用いて前記BFFDを通過する体液の流れを制限することにより、濾過サイクル全体を通して、前記BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって白血球除去率を向上させる。この場合、隔壁を備える両面式BFFDは、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMと、第1及び第2のBFFMの両者の下流に配置された流量制限部とを有し、前記第1及び第2の流体流路は、前記流量制限部を通過する。
【0039】
両面式BFFDであって、1つのインレットと、2つのアウトレットと、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記2つのアウトレットの内の第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMとを有する、隔壁を備える両面式BFFD(例えば、特許文献5で開示されているもの)は、第1及び第2のBFFMの下流に流量制限部を追加することによって利益が得られる。例えば、そのような両面式BFFDが体液から白血球を分離するために使用される場合、BFFMを通過する体液の初期流量は、最初のうちは多く、前記BFFMが詰まるにつれて減少する。前記初期流量が多すぎる場合、前記BFFMの白血球除去能力は減少することがあり、その結果、濾過された体液の単位体積当たりの白血球は、前記BFFMの詰まりにより前記BFFMを通過する流量が減少した後よりも、初期の方が体液から除去される数が少なくなる。この場合、前記両BFFMの下流に制限部を用いて前記BFFDを通過する体液の流れを制限することにより、濾過サイクル全体を通して、前記BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって白血球除去率を向上させる。この場合、隔壁を備える両面式BFFDは、1つのインレットと、第1及び第2のアウトレットと、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMと、第1及び第2のBFFMの両者の下流に配置された流量制限部とを有し、前記第1の流体流路は、前記第1の流量制限部を通過し、前記第2の流体流路は、前記第2の流量制限部を通過する。
【0040】
両面式BFFDであって、2つのインレットと、1つのアウトレットと、前記2つのインレットの内の第1のインレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記第1のインレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記2つのインレットの内の第2のインレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記第2のインレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMとを有する、隔壁を備える両面式BFFD(例えば、特許文献5で開示されているもの)は、第1及び第2のBFFMの下流に流量制限部を追加することによって利益を得られる。例えば、そのような両面式BFFDが体液から白血球を分離するために使用される場合、BFFMを通過する体液の初期流量は、最初のうちは多く、前記BFFMが詰まるにつれて減少する。前記初期流量が多すぎる場合、前記BFFMの白血球除去能力は減少することがあり、その結果、濾過された体液の単位体積当たりの白血球は、前記BFFMの詰まりにより前記BFFMを通過する流量が減少した後よりも、初期の方が体液から除去される数が少なくなる。この場合、前記両BFFMの下流に制限部を用いて前記BFFDを通過する体液の流れを制限することにより、濾過サイクル全体を通して前記BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって白血球除去率を向上させる。この場合、隔壁を備える両面式BFFDは、2つのインレットと、1つのアウトレットと、前記2つのインレットの内の第1のインレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記第1のインレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記2つのインレットの内の第2のインレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記第2のインレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMと、前記第1及び第2のBFFMの両者の下流に配置された流量制限部とを有し、前記第1及び第2の流体流路は、前記流量制限部を通過する。或いは、前記BFFDは、前記第1のBFFMの下流側と前記アウトレットとの間に配置された第1の流量制限部と、前記第2のBFFMの下流側と前記アウトレットとの間に配置された第2の流量制限部とを備えることができる。
【0041】
両面式BFFDであって、2つのインレットと、2つのアウトレットと、前記2つのインレットの内の第1のインレットと前記2つのアウトレットの内の第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記第1のインレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記2つのインレットの内の第2のインレットと前記2つのアウトレットの内の第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記第2のインレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMとを有し、且つ前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とを互いに隔絶するような隔壁を備える両面式BFFD(例えば、特許文献2及び特許文献3で開示されているもの)は、前記第1のBFFMの下流に第1の流量制限部を追加し、第2のBFFMの下流に第2の流量制限部を追加することによって利益が得られる。例えば、そのような両面式BFFDが1つ或いは2つの独立した体液供給源からの体液から白血球を分離するために使用される場合、第1及び第2のBFFMを通過する1つ或いは複数の体液の初期流量は、最初のうちは多く、前記BFFMが詰まるにつれて減少する。前記BFFMのどちらかを通過する初期流量が多すぎる場合、前記BFFMの白血球除去能力は減少することがあり、その結果、どちらかの流体流路を通過する1つ或いは複数の濾過された体液の単位体積当たりの白血球は、前記BFFMの詰まりにより前記BFFMを通過する流量が減少した後よりも、初期の方が体液から除去される数が少ない。この場合、前記第1のBFFMの下流に第1の流量制限部を用い、前記第2のBFFMの下流に第2の流量制限部を用いて前記BFFDの前記第1及び第2の流路を通過する1つ或いは複数の体液の流れを制限することにより、濾過サイクル全体を通して、前記両BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって前記両BFFMの白血球除去率を向上させる。この場合、第1の流体流路と第2の流体流路とを互いに隔絶するような隔壁を備える両面式BFFDは、第1のインレットと、第1のアウトレットと、前記第1のインレットと前記第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記第1のインレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、第2のインレットと第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記第2のインレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMと、前記第1のBFFMの下流に配置された第1の流量制限部と、前記第2のBFFMの下流に配置された第2の流量制限部とを有し、前記第1の流体流路は、前記第1の流量制限部を通過し、前記第2の流体流路は、前記第2の流量制限部を通過する。
【0042】
両面式BFFDであって、1つのインレットと、1つのアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第1の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された第1のBFFMと、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された第2のBFFMとを有する両面式BFFDは、隔壁を有しているか否かに関係なく、図7で図示するように、前記アウトレットの下流に2つの流量制限部を追加することによって利益を得られる。図7を参照して、両面式BFFD200は、隔壁を備えていても良いし、備えていなくても良い。BFFD200のアウトレットは、チューブ82bを介してT字管70のインレットと流体連通している。T字管70のサイドアーム70aは、チューブ82cを介して血液受容バッグ99のインレットと流体連通し、T字管70のサイドアーム70bは、チューブ82dを介して血液受容バッグ99aのインレットと流体連通している。第1の制限部はサイドアーム70a内又はチューブ82c内に備えることができ、第2の制限部はサイドアーム70b内又はチューブ82d内に備えることができる。前記第1及び第2の制限部がチューブ82bから流れる体液に対して等しい背圧を加える場合、前記2つの血液受容バッグ内に流入する濾過された体液の量は等しい。さらに、上述の例では、前記2つの制限部が前記BFFDを通過する体液の流れを制限し、それによって濾過サイクル全体を通して、BFFMを通過する流量がより均一になるようにし、それによって白血球除去率を向上させる。
【0043】
図5で図示する暗渠フィルタ構造が図1及び2で図示するBFFD100で使用されているが、BFFMに対して適切な支持を提供する任意の他の種類の暗渠フィルタ構造を使用することもできる。
【0044】
本発明を特定の好適な実施形態を用いて図示及び説明してきたが、当業者であれば本明細書中で開示及び教示される本発明の概念から逸脱することなく多様な変更又は変形をすることができることは明らかであろう。そのような変更及び変形は、本発明の概念の範囲内に含まれるものとする。上記説明した実施形態の様々な構造のあらゆる組み合わせは、本発明の概念の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液濾過装置であって、
インレット、第1のアウトレット、第2のアウトレット、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路、及び前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路を有し、且つ前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とが隔壁により実質的に互いに隔絶されることのないハウジングと、
前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第1の体液濾過媒体と、
前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体と、
前記第1の体液濾過媒体と前記第2の体液濾過媒体との間に空間を形成し、且つ前記第1の体液濾過媒体の前記上流面と前記第2の体液濾過媒体の前記上流面とが互いに対向するように画定された上流チャンバとを含むことを特徴とする体液濾過装置。
【請求項2】
前記第1の体液濾過媒体及び前記第2の体液濾過媒体は、体液から白血球を分離することができることを特徴とする請求項1に記載の体液濾過装置。
【請求項3】
前記第1の体液濾過媒体の下流に第1の流量制限部が配置され、前記第2の体液濾過媒体の下流に第2の流量制限部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の体液濾過装置。
【請求項4】
前記第1の流量制限部が前記第1のアウトレット内に配置され、前記第2の流量制限部が前記第2のアウトレット内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の体液濾過装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記上流チャンバ内に、且つ前記第1の体液濾過媒体と前記第2の体液濾過媒体との間に配置されたバッフルを含み、
前記バッフルは、少なくとも1つの開口を備え、前記開口の断面積は、前記上流チャンバを2つの別個に分離されたチャンバに隔絶させないような大きさであり、前記バッフルにより前記上流チャンバの容量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の体液濾過装置。
【請求項6】
体液を処理するための方法であって、
体液をハウジングを備える濾過装置に流れ込ませるステップであって、前記ハウジングは、インレット、第1のアウトレット、第2のアウトレット、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に画定された第1の流体流路、及び前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路を有し、且つ前記ハウジングは、前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とが隔壁により実質的に互いに隔絶されることがない、該ステップと、
前記体液の一部を、上流面及び下流面を有する第1の体液濾過媒体を介して前記第1の流体流路に沿って流れさせるステップであって、前記第1の体液濾過媒体は、前記インレットと前記第1のアウトレットとの間に、且つ前記第1の流体流路を横断するように配置されている、該ステップと、
前記体液の別の一部を、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体を介して前記第2の流体流路に沿って流れさせるステップであって、前記第2の体液濾過媒体は、前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置されている、該ステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記第1の体液濾過媒体及び前記第2の体液濾過媒体は、体液から白血球を分離することができることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の体液濾過媒体の下流に第1の流量制限部が配置され、前記第2の体液濾過媒体の下流に第2の流量制限部が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記上流チャンバ内に、且つ前記第1の体液濾過媒体と前記第2の体液濾過媒体との間に配置されたバッフルを含み、
前記バッフルは、少なくとも1つの開口を備え、前記開口の断面積は、前記上流チャンバを2つの別個に分離されたチャンバに隔絶させないような大きさであり、前記バッフルにより前記上流チャンバの容量を減少させることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記バッフルは、その第1の面に少なくとも1つのフィルタ支持リブを備え、その第2の面に少なくとも1つのフィルタ支持リブを備えていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記インレットの上流に自動排出装置が配置され、
前記自動排出装置は、前記第1及び第2の流体流路を通過する流れが止まった後に、前記第1及び第2の体液濾過媒体の上流の前記体液を自動的に排出させることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
体液濾過システムであって、
血液供給バッグと、
前記血液供給バッグの下流に配置された体液濾過装置であって、前記体液濾過装置は、インレット、アウトレット、前記インレットと前記アウトレットとの間に画定された流体流路、及び前記インレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する体液濾過媒体を備える、該体液濾過装置と、
血液受容バッグと、
前記体液濾過装置の前記アウトレットと流体連通し、且つ前記血液受容バッグと流体連通する、或る長さのチューブと、
前記体液濾過媒体の下流に配置された流量制限部とを含むことを特徴とする体液濾過システム。
【請求項13】
前記流量制限部は、前記体液濾過装置内に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。
【請求項14】
前記流量制限部は、前記体液濾過装置の前記アウトレットの下流、且つ前記血液受容バッグの上流に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。
【請求項15】
前記体液濾過装置は、
第2のアウトレットと、
前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、
前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体とを更に含み、
前記体液濾過システムは、
第2の血液受容バッグと、
前記体液濾過装置の前記第2のアウトレットと流体連通し、且つ前記第2の血液受容バッグと流体連通する、第2の長さのチューブと、
前記第2の体液濾過媒体の下流に配置された第2の流量制限部とを更に含むことを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。
【請求項16】
前記体液濾過装置は、隔壁を更に含み、
前記隔壁は、前記隔壁の第1の側に配置された第1のアウトレットと、前記隔壁の第2の側に配置された第2のアウトレットとを備えていることを特徴とする請求項15に記載の体液濾過システム。
【請求項17】
前記体液濾過装置は、前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とを実質的に互いに隔絶させるような隔壁を有していないことを特徴とする請求項15に記載の体液濾過システム。
【請求項18】
前記体液濾過装置は、
第2のインレットと、
第2のアウトレットと、
前記第2のインレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、
前記第2のインレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体とを更に含み、
前記体液濾過システムは、
第2の血液受容バッグと、
前記体液濾過装置の前記第2のアウトレットと流体連通し、且つ前記第2の血液受容バッグと流体連通する、第2の長さのチューブと、
前記第2の体液濾過媒体の下流に配置された第2の流量制限部とを更に含むことを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。
【請求項19】
前記体液濾過装置は、前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とを互いに隔絶させるような隔壁を更に含み、それによって前記第1の流体流路と前記第2の流体流路が独立するようにしたことを特徴とする請求項18に記載の体液濾過システム。
【請求項20】
前記体液濾過装置は、
第2のアウトレットと、
前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、
前記インレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体と、
前記体液濾過装置の前記第2のアウトレットと流体連通し、且つ前記血液受容バッグと流体連通する、第2の長さのチューブと、
前記第2の体液濾過媒体の下流に配置された第2の流量制限部とを更に含むことを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。
【請求項21】
前記体液濾過装置は、隔壁を更に含み、
前記隔壁は、前記隔壁の第1の側に配置された第1のアウトレットと、前記隔壁の第2の側に配置された第2のアウトレットとを備えていることを特徴とする請求項20に記載の体液濾過システム。
【請求項22】
前記体液濾過装置は、前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とを実質的に互いに隔絶させるような隔壁を有していないことを特徴とする請求項20に記載の体液濾過システム。
【請求項23】
前記体液濾過装置は、
第2のインレットと、
第2のアウトレットと、
前記第2のインレットと前記第2のアウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、
前記第2のインレットと前記第2のアウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体と、
前記体液濾過装置の前記第2のアウトレットと流体連通し、且つ前記血液受容バッグと流体連通する、第2の長さのチューブと、
前記第2の体液濾過媒体の下流に配置された第2の流量制限部とを更に含むことを特徴とする請求項12の体液濾過システム。
【請求項24】
前記体液濾過装置は、前記第1の流体流路と前記第2の流体流路とを互いに隔絶させるような隔壁を更に含み、それによって前記第1の流体流路と前記第2の流体流路が独立するようにしたことを特徴とする請求項23に記載の体液濾過システム。
【請求項25】
前記体液濾過装置は、
第2のインレットと、
前記第2のインレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、
前記第2のインレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体とを更に含み、
前記流量制限部は、前記第1及び第2の体液濾過媒体の両者の下流に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。
【請求項26】
前記体液濾過装置は、
第2のインレットと、
前記第2のインレットと前記アウトレットとの間に画定された第2の流体流路と、
前記第2のインレットと前記アウトレットとの間に、且つ前記第2の流体流路を横断するように配置された、上流面及び下流面を有する第2の体液濾過媒体とを更に含み、
前記第1の流量制限部は、前記第1の体液濾過媒体の下流側と前記アウトレットとの間に配置され、第2の流量制限部は、前記第2の体液濾過媒体の下流側と前記アウトレットとの間に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の体液濾過システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−48962(P2013−48962A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270989(P2012−270989)
【出願日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【分割の表示】特願2009−550852(P2009−550852)の分割
【原出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(508157819)ヘメラス・メディカル・エルエルシー (5)
【氏名又は名称原語表記】HEMERUS MEDICAL, LLC
【住所又は居所原語表記】5000 Township Parkway, Saint Paul, MN 55110 (US)
【Fターム(参考)】