説明

天井クレーン

【課題】荷の積載量及び昇降距離に影響されない荷の振れ止めを可能にして作業効率の向上と自動化を達成するとともに荷の吊り上げ上限が制限されることのない天井クレーンを提供する。
【解決手段】走行機構23、横行機構24、巻上機構25を有する天井クレーンにおいて、巻上機構25の滑車252で吊られた荷の振れを止める振れ止め機構26を備え、この記振れ止め機構26を、横行機構24に回転可能に設けられた補巻胴261と、補巻胴261に巻取り及び巻出し可能に巻回され巻出し端が滑車252に連結された金属板材からなる振れ止め用帯状体262と、滑車252の昇降に連動させて補巻胴261を振れ止め用帯状体262の巻取り及び巻出し方向に駆動する補巻モータ263とから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械や部品等の荷を吊り上げて移動する天井クレーンに関し、さらに詳しくは、クレーンで吊られた荷の振れを止めることにより、作業効率の向上と自動化を達成できるクレーン振れ止め機構を有する天井クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の天井クレーンについて、図1及び図2を参照して説明する。
天井クレーン10は、建物の天井空間に設備されるもので、図1及び図2に示すように、一対の走行レール11(図1及び図2では一方のみを示す)、ガータレール12、走行機構13、横行機構14及び巻上機構15等を含んで構成される。
一対の走行レール11は、ガータレール12の長さに相当する距離をおいて、建物の柱の床面から同一の高さ位置に水平かつ平行に支持部材16を介して配設されている。
ガータレール12は一対の走行レール12間に走行レール12と直角に差し渡し状態に配置され、その両端は走行機構13を介して一対の走行レール12上に移動可能に載置されている。
走行機構13は、ガータレール12、横行機構14及び巻上機構15を含むクレーン全体が走行レール12上を走行させるもので、走行レール12上を転動する複数の走行車輪131と、この走行車輪131の半数を駆動する走行モータ132とを備える。
横行機構14は、巻上機構15をガータレール12に沿って移動させるもので、ガータレール12上を転動する複数の横行車輪141を有する横行本体142と、横行車輪141の半数を駆動する横行モータ143とを備える。
巻上機構15は、荷を保持する吊り具151を有する滑車152と、滑車152の昇降に用いるロープ153と、横行本体142に回転可能に装着され、ロープ153が巻出し及び巻取り可能に巻回された主巻胴154と、この主巻胴154をロープの巻出し及び巻取り方向に回転する主巻モータ155とを備える。また、ロープ153の巻出し端153aは横行本体142に連結されている。
【0003】
上記構成の天井クレーン10において、ガータレール12と横行機構14及び巻上機構15を含むクレーン全体は走行モータ132により走行レール12上を図2の左右方向に移動される。また、巻上機構15を含む横行機構14は横行モータ143により図2の前後方向に移動される。また、吊り具151を含む滑車152は主巻モータ155による主巻胴154の巻取り及び巻戻し動作により昇降される。
したがって、このような従来の天井クレーン10では、上記の移動時に、ロープ153を介して吊り下げられた吊り具151を含む滑車152に図2に示す主巻胴30を支点にして振れが起こり、吊り荷も振れてしまう。
【0004】
上記のような天井クレーンにおいて吊り荷の振れを防止方法する最も典型的な手法は、作業員が吊り荷の移動速度をコントロールすることによって行われてきた。また、最近では上記手法に代えて、センサーで吊り荷の振れ角、振れ速度を検出し、コンピュータで吊り荷の移動速度を演算する速度制御により吊り荷の振れを防止する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、荷の重量、重心の変化、また、風による外乱等により、吊り荷の移動速度を制御するだけでは荷の振れ止めに限界がある。
そのため、物理的に荷の振れを止める方法が考えられてきた。そのひとつは、伸び縮みするアンテナのようなマストを用いた振れ防止方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
もうひとつは、ジャバラ状パンタグラフを用いた振れ防止方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平6−92593号公報
【特許文献2】特開平5−209966号公報
【特許文献3】特開平7−89689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献3に記載した天井クレーン10の振れ止め装置は、図6(b)に示すように、吊り具151付きの滑車152を含む巻上機構をガータレール12に沿って移動する横行機構14の横行本体142と滑車152のブラケットとの間をジャバラ状パンタグラフ17により連結し、ジャバラ状パンタグラフ17の伸縮作用でクレーンの振れを防止するものであるため、吊り荷の昇降距離が長くなると振れ止め機構自体が大型化及び重量化していまい、その結果、荷の積載量に影響を及ぼし、天井クレーンには不向きとなり、しかも、ジャバラ状パンタグラフが縮んだ時のスペースにより吊り上げの上限が制限されるという問題がある。
また、前記特許文献2に記載した天井クレーン10の振れ止め装置は、図6(c)に示すように、吊り具151付きの滑車152を含む巻上機構をガータレール12に沿って移動する横行機構14の横行本体142と滑車152のブラケット156との間を巻上機構15による滑車152の昇降に連動して伸縮する複数のマスト18により連結し、マスト18の伸縮作用でクレーンの振れを防止するものであるため、吊り荷の昇降距離が長くなると振れ止め機構自体が大型化及び重量化していまい、その結果、荷の積載量に影響を及ぼし、天井クレーンには不向きとなり、しかも、マスト18が縮んだ時のスペースにより吊り上げの上限が制限されるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、荷の積載量及び昇降距離に影響されない荷の振れ止めを可能にして作業効率の向上と自動化を達成するとともに荷の吊り上げ上限が制限されることのない天井クレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、天井クレーンであって、平行に配設された一対の走行レールと、平面視した場合に前記走行レールと直交する方向に延在し前記一対の走行レール上に掛け渡されるガータレールと、前記ガータレールを前記走行レールに沿って移動させる走行機構と、前記ガータレールに該ガータレールに沿い移動可能に設けられた横行機構と、前記横行機構に設けられフック付き滑車を有する巻上機構と、前記巻上機構の前記フック付き滑車で吊られた荷の振れを止める振れ止め機構とを備え、前記振れ止め機構は、前記横行機構に回転可能に装着された補巻胴と、前記補巻胴に巻取り及び巻出し可能に巻回され巻出し端が前記滑車に連結された金属板材からなる振れ止め用帯状体と、前記滑車の昇降に連動させて前記補巻胴を前記振れ止め用帯状体の巻取り及び巻出し方向に駆動する補巻モータとから構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の天井クレーンにおいて、前記振れ止め用帯状体の巻出し端は、前記振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状に形成されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の天井クレーンにおいて、前記振れ止め用帯状体の巻出し端に、前記振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状の部材が連結され、この部材により、前記振れ止め用帯状体の巻出し端は、前記振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状に形成され、前記部材が前記滑車に連結されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の天井クレーンにおいて、前記巻上機構は、前記滑車の昇降に用いるロープと、前記横行機構に回転可能に装着され前記ロープを巻出し及び巻取り可能に巻回する主巻胴と、前記主巻胴を前記ロープの巻出し及び巻取り方向に駆動する主巻モータとから構成され、前記ロープと前記振れ止め用帯状体と前記横行機構が、前記主巻胴と前記滑車との間を結ぶ前記ロープのラインを第1の辺とし、前記補巻胴と前記滑車との間を結ぶ前記振れ止め用帯状体のラインを第2の辺とし、前記主巻胴と前記補巻胴との間を結ぶラインを第3の辺とした場合、前記第1、第2、第3の辺を3辺とした三角形が形成されるように構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の天井クレーンにおいて、前記振れ止め用帯状体は、弾性変形可能で可撓な薄い厚さの弾性材料で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の天井クレーンにおいては、巻上機構で吊られた荷の振れを止める振れ止め機構を、横行機構に回転可能に装着された補巻胴と、補巻胴に巻取り及び巻出し可能に巻回され巻出し端が滑車に連結された金属製の振れ止め用帯状体と、滑車の昇降に連動させて補巻胴を振れ止め用帯状体の巻取り及び巻出し方向に駆動する補巻モータとから構成したので、ロープと振れ止め用帯状体と横行機構が三角形の3辺を形成することができる。このため、物理的に吊り荷の振れを防止することが可能になり、作業効率の向上と自動化を達成することができる。しかも、振れ止め機構の重さ、抵抗が荷の積載量に影響することがなく、吊り上げの上限が振れ止め機構により制限されることもない。
また、本発明によれば、振れ止め用帯状体の巻出し端が、振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状に形成されているため、補巻胴から巻出される振れ止め用帯状体の巻出し部分は上記巻出し端の形状に倣って円弧状に弾性変形される。これにより、巻出し部分の曲げ剛性が高められ、帯状体の座屈を防止できるとともに、吊り荷の振れを止める部材として機能し、より強固な三角形を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
図3は本発明の一実施の形態における天井クレーンを走行方向から見た一部の概略正面図、図4は図3に示す天井クレーンの概略側面図、図5は本発明の一実施の形態における天井クレーンの振れ止め機構の概略構成図である。
【0012】
天井クレーン20は、建物の天井空間に設備されるもので、図3および図4に示すように、一対の走行レール21(図3及び図4では一方のみを示す)、ガータレール22、走行機構23、横行機構24、巻上機構25及び振れ止め機構26等を含んで構成される。
一対の走行レール21は、ガータレール22の長さに相当する距離をおいて、建物の柱の床面から同一の高さ位置に水平かつ平行に支持部材27を介して配設されている。
ガータレール22は一対の走行レール22間に走行レール22と直角に差し渡し状態に配置され、その両端は走行機構23を介して一対の走行レール22上に移動可能に載置されている。
走行機構23は、ガータレール22、横行機構24及び巻上機構25を含むクレーン全体が走行レール22上を走行させるもので、走行レール22上を転動する複数の走行車輪231と、この走行車輪231の半数を駆動する走行モータ232とを備える。
横行機構24は、巻上機構25をガータレール22に沿って移動させるもので、ガータレール22上を転動する複数の横行車輪241を有する横行本体242と、横行車輪241の半数を駆動する横行モータ243とを備える。
巻上機構25は、荷を保持するフック251を有する滑車252と、滑車252の昇降に用いるワイヤロープ253と、横行本体242に回転可能に装着され、ワイヤロープ253が巻出し及び巻取り可能に巻回された主巻胴254と、この主巻胴254をワイヤロープ253の巻出し及び巻取り方向に回転する主巻モータ255とを備える。また、ワイヤロープ253の巻出し端253aは横行本体242に連結されている。
【0013】
振れ止め機構26は、巻上機構25にフック251を介して懸吊された荷の振れを止めるもので、図3及び図4に示すように、巻上機構25の主巻胴254からガータレール22の長手方向に離間した横行本体242の箇所に回転可能に装着された補巻胴261を有し、この補巻胴261には振れ止め用帯状体262が巻取り及び巻出し可能に巻回されている。また、補巻胴261は横行本体242に装着された補巻モータ263により駆動される。補巻モータ263は主巻モータ255に同期して制御される構成になっている。
振れ止め用帯状体262は、弾性変形可能で可撓な薄い厚さの弾性材料で形成されている。このような材料として、ステンレスや鋼等の金属製板材が挙げられる。
振れ止め用帯状体262の巻出し端262aに、図5に示すように、振れ止め用帯状体262の幅方向の断面が円弧状の部材264が連結され、この部材264により、振れ止め用帯状体262の巻出し端262aは、振れ止め用帯状体262の幅方向の断面が円弧状に形成される。そして、部材264に設けた二又部264aはピン265により滑車252に揺動可能に連結されている。
また、ワイヤロープ253と振れ止め用帯状体262と横行本体242が、主巻胴254と滑車252との間を結ぶワイヤロープ253のラインを第1の辺とし、補巻胴261と滑車252との間を結ぶ振れ止め用帯状体262のラインを第2の辺とし、主巻胴254と補巻胴261との間を結ぶ横行本体242のラインを第3の辺とした場合、この第1、第2、第3の辺を3辺とした三角形T(図7(a)参照)が形成されるように構成されている。
【0014】
上記のように構成の天井クレーン20において、ガータレール22と横行機構24及び巻上機構25を含むクレーン全体は走行モータ232により走行レール22上を図4の左右方向に移動される。また、巻上機構25を含む横行機構24は横行モータ243により図4の前後方向に移動される。また、フック251を含む滑車252は主巻モータ255による主巻胴254の巻取り及び巻戻し動作により昇降される。
また、主巻モータ255が駆動すると、ワイヤロープ253が主巻胴254に巻取られ、あるいは主巻胴254から巻出されることにより滑車252を介してフック251が重力方向に上下する。それと同時に補巻モータ263が主巻モータ255に同期して駆動されることにより、振れ止め用帯状体262が滑車252の昇降動作に連動して補巻胴261に巻取られ、または補巻胴261から巻出される。このため、ワイヤロープ253を介して懸吊された滑車252は振れ止め用帯状体262を介して固定側である横行本体242で物理的に支持され、これにより、滑車252を含む荷の振れを止めることができる。
この時、ピン265を中心とする振れ止め用帯状体262と滑車252との角度が一定の範囲に保たれるように補巻モータ263の回転が制御される。これにより、滑車252を含む荷の振れが抑制される。
【0015】
すなわち、本実施の形態に示す天井クレーン20の振れ止め機構26では、巻上機構25の主巻胴254からガータレール22の長手方向に離間した横行本体242の箇所に回転可能に設けた補巻胴261に金属板材からなる振れ止め用帯状体262を巻取り及び巻出し可能に巻回し、この振れ止め用帯状体262の巻出し端262aは懸吊状態の滑車252に部材264を介して揺動可能に連結された構成になっているため、ワイヤロープ254と振れ止め用帯状体262と横行本体242が図7(a)に示すような三角形の3辺を形成することができる。これにより、ワイヤロープ253を介して懸吊された滑車252は振れ止め用帯状体262により固定側である横行本体242で物理的に支持されることになる。その結果、滑車252を含む吊り荷の振れを物理的に防止することが可能になり、作業効率の向上と自動化を容易に達成することができる。
これに対し、図7(b)に示すように、滑車71の昇降に用いるロープ72と横行本体73と滑車71とが四角形(S)の4辺を形成する天井クレーン70では、四角形(S)が平行四辺形に変形する振れを生じるため、好ましくない。
【0016】
また、振れ止め機構26の振れ止め用帯状体262を巻取り及び巻出し可能に巻回する補巻胴261は巻上機構25の主巻胴254からガータレール22の長手方向に離間した横行本体242の箇所に設けられ、そして、補巻胴261から巻出された振れ止め用帯状体262の巻出し端262aは巻上機構25の滑車252に揺動可能に連結された構成になっているため、補巻モータ263は滑車252と干渉しない位置に設置されているため、吊り上げの上限が振れ止め機構26により制限されることがない。その結果、本実施の形態では、図6(a)に示すように、図6(B),(c)に示す従来の天井クレーンに比較して、Aに相当する距離分、吊り上げの上限を拡大することができる。しかも、振れ止め機構26を構成する振れ止め用帯状体262の重さ、抵抗が荷の積載量に影響することもない。
また、本実施の形態では、振れ止め用帯状体262の巻出し端262aに、振れ止め用帯状体262の幅方向の断面が円弧状の部材264が連結され、この部材264により、振れ止め用帯状体262の巻出し端262aが、振れ止め用帯状体262の幅方向の断面が円弧状に形成されるようにしたので、補巻胴261から巻出される振れ止め用帯状体262の巻出し部分も上記巻出し端262aの形状に倣って、幅方向の断面が円弧状となる形状に弾性変形される。これにより、巻出し部分の曲げ剛性が高められ、巻出し部分の帯状体の座屈を防止できるとともに、吊り荷の振れを止める部材として機能し、より強固な三角形を形成することができる。
【0017】
本発明における走行機構23は、走行レール21に沿って移動可能な横行機構24を備えていればよく、図3に示すように、走行車輪231と走行モータ232を備える機構等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。ただし、走行機構23は走行速度制御及び位置制御機能を備えていることが必要である。
また、本発明における横行機構24は、巻上機構25をガータレールに沿って移動(横行)できる構成のものであればよく、図3及び図4に示すように、ガーダレール22と、ガーダレール22に沿って走行自在な横行本体242と、ガーダレール22に沿って移動可能に設けられた横行車輪241及び横行モータ243を備える機構に限定されるものではない。ただし、横行本体242の横行速度制御及び位置制御機能を備えていることが必要である。
また、本発明における巻上機構25は、荷を重力方向に昇降させる機構を備えていればよく、図3に示すように、荷を保持するフック付きの滑車252と、滑車252の昇降に用いるワイヤロープ253と、ワイヤロープ253の巻出し及び巻取りを行う主巻モータ255とを有する機構に限定されるものではない。ただし、滑車252の昇降速度制御及び位置制御機能を備えていることが必要である。
【0018】
本発明の振れ止め機構26に用いられる振れ止め用帯状体262の材料としては、弾性、低コストの点でステンレス、鉄等の金属板材が好ましい。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明で用いられる振れ止め用帯状体262の幅は、広いほど振れ防止効果が向上するが、フック付きの滑車252の走行範囲と昇降範囲(重力方向)との兼ね合いから規格されるものである。また、本発明における振れ止め用帯状体262の厚さは、厚いほど剛性は高くなるが、湾曲し難くなる。また、厚くなるほど補巻胴261の外径が大きくなり、補巻モータ263の能力も向上させる必要がある。
また、本発明の振れ止め機構26は1個に限らず、2個ないしそれ以上あっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の天井クレーンを走行方向から見た一部の概略正面図である。
【図2】図1に示す天井クレーンの概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態における天井クレーンを走行方向から見た一部の概略正面図である。
【図4】図3に示す天井クレーンの概略側面図である。
【図5】本発明の実施の形態における天井クレーンに用いられる振れ止め機構の概略斜視図である。
【図6】本発明における天井クレーンと従来の天井クレーンとの吊り上げ上限の違いを示す説明図である。
【図7】本発明における天井クレーンと従来の天井クレーンとの振れが生じる構造であるか否かを示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
20……天井クレーン、21……走行レール、22……ガーダレール、23……走行機構、231……走行車輪、232……走行モータ、24……横行機構、241……横行車輪、242……横行本体、243……横行モータ、25……巻上機構、251……フック、252……滑車、253……ワイヤロープ、254……主巻胴、255……主巻モータ、26……振れ止め機構、261……補巻胴、262……振れ止め用帯状体、262a……巻出し端、263……補巻モータ、264……部材、264a……二又部、265……ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配設された一対の走行レールと、
平面視した場合に前記走行レールと直交する方向に延在し前記一対の走行レール上に掛け渡されるガータレールと、
前記ガータレールを前記走行レールに沿って移動させる走行機構と、
前記ガータレールに該ガータレールに沿い移動可能に設けられた横行機構と、
前記横行機構に設けられフック付き滑車を有する巻上機構と、
前記巻上機構の前記フック付き滑車で吊られた荷の振れを止める振れ止め機構とを備え、
前記振れ止め機構は、前記横行機構に回転可能に装着された補巻胴と、前記補巻胴に巻取り及び巻出し可能に巻回され巻出し端が前記滑車に連結された金属板材からなる振れ止め用帯状体と、前記滑車の昇降に連動させて前記補巻胴を前記振れ止め用帯状体の巻取り及び巻出し方向に駆動する補巻モータとから構成されている、
ことを特徴とする天井クレーン。
【請求項2】
前記振れ止め用帯状体の巻出し端は、前記振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状に形成されることを特徴とする請求項1記載の天井クレーン。
【請求項3】
前記振れ止め用帯状体の巻出し端に、前記振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状の部材が連結され、この部材により、前記振れ止め用帯状体の巻出し端は、前記振れ止め用帯状体の幅方向の断面が円弧状に形成され、前記部材が前記滑車に連結されていることを特徴とする請求項1記載の天井クレーン。
【請求項4】
前記巻上機構は、前記滑車の昇降に用いるロープと、前記横行機構に回転可能に装着され前記ロープを巻出し及び巻取り可能に巻回する主巻胴と、前記主巻胴を前記ロープの巻出し及び巻取り方向に駆動する主巻モータとから構成され、
前記主巻胴と前記滑車との間を結ぶ前記ロープのラインを第1の辺とし、前記補巻胴と前記滑車との間を結ぶ前記振れ止め用帯状体のラインを第2の辺とし、前記主巻胴と前記補巻胴との間を結ぶラインを第3の辺とした場合、前記第1、第2、第3の辺を3辺とした三角形が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の天井クレーン。
【請求項5】
前記振れ止め用帯状体は、弾性変形可能で可撓な薄い厚さの弾性材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の天井クレーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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