天井用目地装置
【課題】 本発明は目地部が狭くなるような地震の揺れ動き時には、目地天井カバーの遊端部である先端部を上方へ案内できるようにして、確実で、かつスムーズに目地天井カバーを回動移動させることができ、損傷を防止するとともに、目地天井カバーの先端部、近傍部位の天井材にでも、安全にダウンライト等を設置することが可能な天井用目地装置を得るにある。
【解決手段】 左右の建物の一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜するように、該一方の建物躯体に取付けられた傾斜プレートと、天井材と対応する部位の他方の建物の目地部側の壁面に該天井材間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するように取付けられた目地天井カバーと、この目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆と、目地天井カバーの先端部に取付けられた、該目地天井カバーの先端部が上方へ回動する時に、傾斜プレート上を移動する移動部材とで天井用目地装置を構成している。
【解決手段】 左右の建物の一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜するように、該一方の建物躯体に取付けられた傾斜プレートと、天井材と対応する部位の他方の建物の目地部側の壁面に該天井材間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するように取付けられた目地天井カバーと、この目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆と、目地天井カバーの先端部に取付けられた、該目地天井カバーの先端部が上方へ回動する時に、傾斜プレート上を移動する移動部材とで天井用目地装置を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の目地部の天井部分を覆う天井用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の天井用目地装置は天井目地部を覆う目地天井カバーを、目地部が地震で狭くなると、押し上げ杆で目地天井カバーを上方へ持ち上げ、天井材との衝突を防止するものが使用されている。
【0003】
しかしながら、このような天井用目地装置は目地天井カバーの先端部側を押し上げ杆に係合できるようにするとともに、後端部を上下移動可能に取付けなければならず、構造が複雑になり、かつ目地天井カバーを目地部が狭くなる時に、目地天井カバーの先端部と後端部とに加わる自重のバランスで上方へ移動させるため、スムーズに移動させることができず、かつ目地天井カバーを損傷しやすいという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3688510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地部が狭くなるような地震の揺れ動き時には、目地天井カバーの遊端部である先端部を上方へ案内できるようにして、確実で、かつスムーズに目地天井カバーを回動移動させることができ、損傷を防止するとともに、目地天井カバーの先端部、近傍部位の天井材にでも、安全にダウンライト等を設置することが可能な天井用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
【0007】
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜するように、該一方の建物躯体に取付けられた傾斜プレートと、前記天井材と対応する部位の他方の建物の目地部側の壁面に該天井材間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するように取付けられた目地天井カバーと、この目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆と、前記目地天井カバーの先端部に取付けられた、該目地天井カバーの先端部が上方へ回動する時に、前記傾斜プレート上を移動する移動部材とで天井用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震で目地部が狭くなると、目地天井カバーの先端部を傾斜プレートに沿って、上方へ回動させることができる。
したがって、目地天井カバーをスムーズに、先端部を上方へ回動させることができるとともに、該上方への回動によって目地天井カバーが損傷するのを効率よく防止することができる。
(2)前記(1)によって、目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆を用いているので、目地天井カバーが上方へ回動しても、目地天井カバーの自重によって自動的に元の状態へ戻すことができる。
(3)前記(1) によって、一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜する傾斜プレートを用いているので、一方の建物の目地部側の天井材の近傍にダウンライト等を取付けても、目地天井カバーの動作に関係なく、安全に取付けることができる。
(4)前記(1)により、目地天井カバーの幅寸法を目地部の幅寸法と同じ寸法に設定することができ、左右の建物の揺れ動きを目地部の幅寸法に設定することができる。
(5)請求項2は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、目地天井カバーをよりスムーズに上方へ回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の底面図。
【図4】図2の4−4線に沿う断面図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の目地天井カバーの説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態の目地部が狭くなるように揺れ動いた動作説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の目地部が広くなるように揺れ動いた動作説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の左右の建物が異なる前後方向に揺れ動いた動作説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の目地天井カバー吊り下げ杆の動作説明図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の目地部が狭くなる時の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の建物3、3の天井部分の目地部を覆う本発明の天井用目地装置で、この天井用目地装置1は一方の建物3の天井躯体3aに複数個の吊り束4や複数個の吊りボルト5で取付けられた天井材6の目地部側の先端部より、上部が後方へほぼ45度傾斜するように、該一方の建物3の天井躯体3aや吊り束4に取付けられた傾斜プレート7と、前記天井材6と対応する部位の他方の建物3の目地部側の壁面8に、該天井材6間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するようにヒンジ部材9で取付けられた目地天井カバー10と、この目地天井カバー10をほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバー10の上方への回動が可能な複数個のチェン11を用いた目地天井カバー吊り下げ杆12と、前記目地天井カバー10の先端部に取付けられた、該目地天井カバー10の先端部が上方へ回動する時に、前記傾斜プレート7上を移動する移送部材13と、前記目地部側の天井材6の先端部の底面に固定された、前記目地天井カバー10の先端部との間を覆うカバー体14とで構成されている。
【0013】
前記移動部材13は目地天井カバー10が目地天井カバー吊り下げ杆12で吊り下げられ、ほぼ水平状態になっている状態で、先端部に取付けられたローラ15が前記目地天井カバー10を取付けているヒンジ部材9の支点部位よりも上部の位置の前記傾斜プレート7に支持され、該傾斜プレート7を前記ローラ15が上方へ少し移動した状態で、前記目地天井カバー10の先端部の下部に位置する部分の曲面部16が傾斜プレート7に当接するように形成されている。
【0014】
上記構成の天井用目地装置1は通常時には図1ないし図3に示すように、左右の建物3、3間の天井目地部2は天井材6、カバー体14および目地天井カバー10で覆われた状態となっている。
【0015】
地震で左右の建物3、3が揺れ動き、目地部2が狭くなると、図6に示すように、目地部2が狭くなると目地天井カバー10の先端部が一方の建物3方向へ押し付けられた状態で、ヒンジ部材9の支点部位よりも上部にローラ15が位置しているため、目地天井カバー10はスムーズに先端部が上方へ回動、かつ、移動部材13の先端部のローラ15は傾斜プレート7に当接した状態でスムーズに上方へ移動した後、曲面部16が傾斜プレート7に当接して上方へスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0016】
この時、傾斜プレート7とは目地天井カバー10の先端部に取付けられた移動部材13のローラ15と曲面部16とが当接するだけで、目地天井カバー10にキズが付いたりする損傷を確実に防止できる。
【0017】
揺れ動きが停止し、元の状態の戻ると、目地天井カバー10の自重によって目地天井カバー10がほぼ水平状態になったところで、目地天井カバー吊り下げ杆12で停止されるため、該目地天井カバー10の先端部と天井材6の先端部との間の隙間17をカバー体14で覆った、元の状態へ自動的に戻る。
【0018】
地震で左右の建物3、3が揺れ動き、目地部2が広くなると、図7に示すように、目地天井カバー10は目地天井カバー吊り下げ杆12によってほぼ水平状態を保って、目地天井カバー10は一方の建物3より離れるように他方の建物3と一体になって移動して、その揺れ動きを吸収するとともに、揺れ動きが停止すると自動的に元の状態へ戻る。
【0019】
地震により左右の建物3、3が異なる前後方向に揺れ動いた場合、図8に示すように傾斜プレート7と目地天井カバー10とが異なる前後方向に移動するが、接触している部分はローラ15部分であるので、スムーズに前後方向にスライド移動させることができる。
【0020】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図9ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、リンク18を用いた目地天井カバー吊り下げ杆12Aを用いた点で、このような目地天井カバー吊り下げ杆12Aを用いて構成した天井用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0022】
なお、前記目地天井カバー吊り下げ杆12Aは中央枢支ピン19で枢支されたリンク部材20、20と、このリンク部材20の先端部に枢支ピン21で枢支された他方の建物3の壁面8に固定された取付金具22と、前記リンク部材20の下端部に枢支ピン23で枢支された目地天井カバー10の先端部寄りの上面に固定された取付金具24とからなり、目地部2が狭くなるように揺れ動く時の移動部材13が傾斜プレート7に沿って上方へ移動することにより、中央枢支ピン19部分が下方に位置して、折りたたまれるように構成されている。
【0023】
なお、、前記目地天井カバー吊り下げ杆12Aは目地天井カバー10の先端部が上方に回動すると中央枢支ピン19部分が下方に回動位置するものについて説明したが、本発明はこれに限らず、目地天井カバー10が水平状態で、への字状態で停止するように中央枢支ピン19近傍のリンク部材20の端部に他方のリンク部材20に当接するストッパーを備えた目地天井カバー吊り下げ杆を用いても同様な作用効果が得られる。
【0024】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、目地天井カバー10の先端下部に固定された曲面部材16Aと、目地天井カバー10の先端部の上面に取付けられたローラ15が設けられた先端部が上方へ突出し、傾斜プレート7と当接する複数個のローラ支持アーム25とで構成した移動部材13Aを用いた点で、このような移動部材13Aを用いて構成した天井用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の目地部の天井部分を覆う天井用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0026】
1、1A、1B:天井用目地装置、
2:目地部、 3:建物、
3a:天井躯体、 4:吊り束、
5:吊りボルト、 6:天井材、
7:傾斜プレート、 8:壁面、
9:ヒンジ部材、 10:目地天井カバー、
11:チェン、
12、12A:目地天井カバー吊り下げ杆、
13、13A:移動部材、 14:カバー体、
15:ローラ、 16:曲面部、
16A:曲面部材、 17:隙間、
18:リンク、 19:中央枢支ピン、
20:リンク部材、 21:枢支ピン、
22:取付金具、 23:枢支ピン、
24:取付金具、 25:ローラ支持アーム。
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の目地部の天井部分を覆う天井用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の天井用目地装置は天井目地部を覆う目地天井カバーを、目地部が地震で狭くなると、押し上げ杆で目地天井カバーを上方へ持ち上げ、天井材との衝突を防止するものが使用されている。
【0003】
しかしながら、このような天井用目地装置は目地天井カバーの先端部側を押し上げ杆に係合できるようにするとともに、後端部を上下移動可能に取付けなければならず、構造が複雑になり、かつ目地天井カバーを目地部が狭くなる時に、目地天井カバーの先端部と後端部とに加わる自重のバランスで上方へ移動させるため、スムーズに移動させることができず、かつ目地天井カバーを損傷しやすいという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3688510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地部が狭くなるような地震の揺れ動き時には、目地天井カバーの遊端部である先端部を上方へ案内できるようにして、確実で、かつスムーズに目地天井カバーを回動移動させることができ、損傷を防止するとともに、目地天井カバーの先端部、近傍部位の天井材にでも、安全にダウンライト等を設置することが可能な天井用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
【0007】
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜するように、該一方の建物躯体に取付けられた傾斜プレートと、前記天井材と対応する部位の他方の建物の目地部側の壁面に該天井材間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するように取付けられた目地天井カバーと、この目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆と、前記目地天井カバーの先端部に取付けられた、該目地天井カバーの先端部が上方へ回動する時に、前記傾斜プレート上を移動する移動部材とで天井用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震で目地部が狭くなると、目地天井カバーの先端部を傾斜プレートに沿って、上方へ回動させることができる。
したがって、目地天井カバーをスムーズに、先端部を上方へ回動させることができるとともに、該上方への回動によって目地天井カバーが損傷するのを効率よく防止することができる。
(2)前記(1)によって、目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆を用いているので、目地天井カバーが上方へ回動しても、目地天井カバーの自重によって自動的に元の状態へ戻すことができる。
(3)前記(1) によって、一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜する傾斜プレートを用いているので、一方の建物の目地部側の天井材の近傍にダウンライト等を取付けても、目地天井カバーの動作に関係なく、安全に取付けることができる。
(4)前記(1)により、目地天井カバーの幅寸法を目地部の幅寸法と同じ寸法に設定することができ、左右の建物の揺れ動きを目地部の幅寸法に設定することができる。
(5)請求項2は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、目地天井カバーをよりスムーズに上方へ回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の底面図。
【図4】図2の4−4線に沿う断面図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の目地天井カバーの説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態の目地部が狭くなるように揺れ動いた動作説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の目地部が広くなるように揺れ動いた動作説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の左右の建物が異なる前後方向に揺れ動いた動作説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の目地天井カバー吊り下げ杆の動作説明図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の目地部が狭くなる時の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の建物3、3の天井部分の目地部を覆う本発明の天井用目地装置で、この天井用目地装置1は一方の建物3の天井躯体3aに複数個の吊り束4や複数個の吊りボルト5で取付けられた天井材6の目地部側の先端部より、上部が後方へほぼ45度傾斜するように、該一方の建物3の天井躯体3aや吊り束4に取付けられた傾斜プレート7と、前記天井材6と対応する部位の他方の建物3の目地部側の壁面8に、該天井材6間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するようにヒンジ部材9で取付けられた目地天井カバー10と、この目地天井カバー10をほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバー10の上方への回動が可能な複数個のチェン11を用いた目地天井カバー吊り下げ杆12と、前記目地天井カバー10の先端部に取付けられた、該目地天井カバー10の先端部が上方へ回動する時に、前記傾斜プレート7上を移動する移送部材13と、前記目地部側の天井材6の先端部の底面に固定された、前記目地天井カバー10の先端部との間を覆うカバー体14とで構成されている。
【0013】
前記移動部材13は目地天井カバー10が目地天井カバー吊り下げ杆12で吊り下げられ、ほぼ水平状態になっている状態で、先端部に取付けられたローラ15が前記目地天井カバー10を取付けているヒンジ部材9の支点部位よりも上部の位置の前記傾斜プレート7に支持され、該傾斜プレート7を前記ローラ15が上方へ少し移動した状態で、前記目地天井カバー10の先端部の下部に位置する部分の曲面部16が傾斜プレート7に当接するように形成されている。
【0014】
上記構成の天井用目地装置1は通常時には図1ないし図3に示すように、左右の建物3、3間の天井目地部2は天井材6、カバー体14および目地天井カバー10で覆われた状態となっている。
【0015】
地震で左右の建物3、3が揺れ動き、目地部2が狭くなると、図6に示すように、目地部2が狭くなると目地天井カバー10の先端部が一方の建物3方向へ押し付けられた状態で、ヒンジ部材9の支点部位よりも上部にローラ15が位置しているため、目地天井カバー10はスムーズに先端部が上方へ回動、かつ、移動部材13の先端部のローラ15は傾斜プレート7に当接した状態でスムーズに上方へ移動した後、曲面部16が傾斜プレート7に当接して上方へスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0016】
この時、傾斜プレート7とは目地天井カバー10の先端部に取付けられた移動部材13のローラ15と曲面部16とが当接するだけで、目地天井カバー10にキズが付いたりする損傷を確実に防止できる。
【0017】
揺れ動きが停止し、元の状態の戻ると、目地天井カバー10の自重によって目地天井カバー10がほぼ水平状態になったところで、目地天井カバー吊り下げ杆12で停止されるため、該目地天井カバー10の先端部と天井材6の先端部との間の隙間17をカバー体14で覆った、元の状態へ自動的に戻る。
【0018】
地震で左右の建物3、3が揺れ動き、目地部2が広くなると、図7に示すように、目地天井カバー10は目地天井カバー吊り下げ杆12によってほぼ水平状態を保って、目地天井カバー10は一方の建物3より離れるように他方の建物3と一体になって移動して、その揺れ動きを吸収するとともに、揺れ動きが停止すると自動的に元の状態へ戻る。
【0019】
地震により左右の建物3、3が異なる前後方向に揺れ動いた場合、図8に示すように傾斜プレート7と目地天井カバー10とが異なる前後方向に移動するが、接触している部分はローラ15部分であるので、スムーズに前後方向にスライド移動させることができる。
【0020】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図9ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、リンク18を用いた目地天井カバー吊り下げ杆12Aを用いた点で、このような目地天井カバー吊り下げ杆12Aを用いて構成した天井用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0022】
なお、前記目地天井カバー吊り下げ杆12Aは中央枢支ピン19で枢支されたリンク部材20、20と、このリンク部材20の先端部に枢支ピン21で枢支された他方の建物3の壁面8に固定された取付金具22と、前記リンク部材20の下端部に枢支ピン23で枢支された目地天井カバー10の先端部寄りの上面に固定された取付金具24とからなり、目地部2が狭くなるように揺れ動く時の移動部材13が傾斜プレート7に沿って上方へ移動することにより、中央枢支ピン19部分が下方に位置して、折りたたまれるように構成されている。
【0023】
なお、、前記目地天井カバー吊り下げ杆12Aは目地天井カバー10の先端部が上方に回動すると中央枢支ピン19部分が下方に回動位置するものについて説明したが、本発明はこれに限らず、目地天井カバー10が水平状態で、への字状態で停止するように中央枢支ピン19近傍のリンク部材20の端部に他方のリンク部材20に当接するストッパーを備えた目地天井カバー吊り下げ杆を用いても同様な作用効果が得られる。
【0024】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、目地天井カバー10の先端下部に固定された曲面部材16Aと、目地天井カバー10の先端部の上面に取付けられたローラ15が設けられた先端部が上方へ突出し、傾斜プレート7と当接する複数個のローラ支持アーム25とで構成した移動部材13Aを用いた点で、このような移動部材13Aを用いて構成した天井用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の目地部の天井部分を覆う天井用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0026】
1、1A、1B:天井用目地装置、
2:目地部、 3:建物、
3a:天井躯体、 4:吊り束、
5:吊りボルト、 6:天井材、
7:傾斜プレート、 8:壁面、
9:ヒンジ部材、 10:目地天井カバー、
11:チェン、
12、12A:目地天井カバー吊り下げ杆、
13、13A:移動部材、 14:カバー体、
15:ローラ、 16:曲面部、
16A:曲面部材、 17:隙間、
18:リンク、 19:中央枢支ピン、
20:リンク部材、 21:枢支ピン、
22:取付金具、 23:枢支ピン、
24:取付金具、 25:ローラ支持アーム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目地部を介して設けられた左右の建物の一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜するように、該一方の建物躯体に取付けられた傾斜プレートと、前記天井材と対応する部位の他方の建物の目地部側の壁面に該天井材間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するように取付けられた目地天井カバーと、この目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆と、前記目地天井カバーの先端部に取付けられた、該目地天井カバーの先端部が上方へ回動する時に、前記傾斜プレート上を移動する移動部材とからなることを特徴とする天井用目地装置。
【請求項2】
傾斜プレートは一方の建物の天井部材に対して45度以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の天井用目地装置。
【請求項3】
移動部材は目地天井カバーの先端部に取付けられ、上部は該目地天井カバーの先端部の上部に位置する部位にローラが設けられ、目地天井カバーの先端部の下部の位置する部分が曲面部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の天井用目地装置。
【請求項1】
目地部を介して設けられた左右の建物の一方の建物の目地部側の天井材の先端部より上部が後方へ傾斜するように、該一方の建物躯体に取付けられた傾斜プレートと、前記天井材と対応する部位の他方の建物の目地部側の壁面に該天井材間の天井目地部を覆い、かつ先端部が上方へ回動するように取付けられた目地天井カバーと、この目地天井カバーをほぼ水平状態に保持でき、かつ該目地天井カバーの上方への回動が可能な目地天井カバー吊り下げ杆と、前記目地天井カバーの先端部に取付けられた、該目地天井カバーの先端部が上方へ回動する時に、前記傾斜プレート上を移動する移動部材とからなることを特徴とする天井用目地装置。
【請求項2】
傾斜プレートは一方の建物の天井部材に対して45度以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の天井用目地装置。
【請求項3】
移動部材は目地天井カバーの先端部に取付けられ、上部は該目地天井カバーの先端部の上部に位置する部位にローラが設けられ、目地天井カバーの先端部の下部の位置する部分が曲面部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の天井用目地装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−214360(P2011−214360A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85709(P2010−85709)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
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