説明

天井装置

【課題】光拡散用ガラス繊維シートを用いた照明カバーに通気パネルを並設しても天井の見栄えがよく、しかも、通気パネルの施工性を向上させて錆の心配もなくす。
【解決手段】照明用フレーム枠13に光拡散用ガラス繊維シート14を張設して照明カバー12を構成し、空調用フレーム枠24にガラス繊維原反をフッ素樹脂で目止めしたガラス繊維織物25を張設して通気パネル22を構成することで、照明カバー12と通気パネル22の素材が同じガラス繊維となるため、照明部10と空調部20と並設しても見た目の統一感が図れて天井の見栄えがよい。しかも、ガラス繊維織物25は軽く施工性がよく、錆の心配もない。また、ガラス繊維織物25の通気度を25〜250cm/cm/Secとすることで、室内から空調部20の内部を隠しながら空調装置から送られてきた空調エアを適切に室内に送り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明機能と空調機能とを兼ね備える天井装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ギャラリーやエントランスなどでは、天井面に取り付けた多数の蛍光管が視認されない柔らかい面照明が望まれており、特に近年では、天井面の広範囲に亘って全面一体型照明として機能する照明装置が求められている。この要求に対し、特許文献1では、矩形状の金属製フレーム枠にガラス繊維織物を主体とする透光性の光拡散用ガラス繊維シートを張って照明カバーとすることが提案されている。
【0003】
一方、このような天井面には、照明装置の他に、空調装置からダクトを介して送られてきた空気を天井内のチャンバから室内に送り出す通気パネルが取り付けられているが、この通気パネルは、不燃性が要求されることから、特許文献2に示すように、鋼板などの金属で作られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4359967号公報
【特許文献2】特開平11−237108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、天井に、全面一体型照明として機能する特許文献1に記載の照明カバーと特許文献2に記載の鋼板製の通気パネルとを並設すると、照明カバーと通気パネルの素材が異なるため、統一感がなく見栄えが悪くなるという問題がある。また、この通気パネルは鋼板製であることから、重く施工性が悪いという問題があり、しかも、湿度の影響や経年劣化などで錆びる虞があり、更に見栄えが悪くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、光拡散用ガラス繊維シートを用いた照明カバーに通気パネルを並設しても天井の見栄えがよく、しかも、通気パネルの施工性が向上して錆の心配もなくなる天井装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る天井装置は、光源と、光源の下方に配置されて開口を有する矩形の照明用フレーム枠に、ガラス繊維束が織成されたガラス繊維原反に樹脂シートが積層された光拡散用ガラス繊維シートが光源と反対側の開口に取り付けられた照明カバーと、を備える照明部と、空調エアが導入される導入口と、照明カバーに隣接されて導入口の下方に配置される通気パネルと、を備える空調部と、を有し、通気パネルは、開口を有する矩形の空調用フレーム枠にガラス繊維織物が導入口と反対側の開口に取り付けられており、ガラス繊維織物は、ガラス繊維束が織成されたガラス繊維原反が当該ガラス繊維原反全体に対して15重量%以上かつ35重量%以下のフッ素樹脂で目止めされて、通気度が25cm/cm/Sec以上かつ250cm/cm/Sec以下であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る天井装置によれば、通気パネルにガラス繊維織物を用いることで、不燃性の条件を充足しながら、軽量化により施工性を向上させることができるとともに、錆の心配がなくなる。しかも、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維原反を15重量%以上かつ40重量%以下の不燃性を有するフッ素樹脂で目止めすることで、経糸と緯糸とのズレによるガラス繊維織物の変形を防止しつつ目抜き構造として通気性を確保することができ、通気度を25cm/cm/Sec以上かつ250cm/cm/Sec以下とすることで、室内から空調部の内部を隠しながら空調装置から送られてきた空調エアを適切に室内に送り出すことができる。また、照明カバーと通気パネルとは同じガラス繊維を用いているため、異質な素材で構成した場合に比べて、照明カバーと通気パネルを並設しても見た目の統一感が図れて天井の見栄えがよい。更に、通気パネルの空調用フレーム枠に対するガラス繊維織物の取り付けは、照明カバーの照明用フレーム枠に対する光拡散用ガラス繊維シートの取り付けと同様の方法で行うことができるため、施工効率が向上する。
【0009】
更に、照明部と空調部とを仕切る仕切部材が設けられており、仕切部材は、透光性を有し、通気パネルのガラス繊維織物は、全光線透過率が40%以上であることが好ましい。このように、仕切部材を設けることで、空調エアの流路と光源とを分離することができるため、光源の熱に影響されることなく空調を行うことができる。そして、この仕切部材を透光性とすることで、光源から出射された光を通気パネルのガラス繊維織物に照射させることができ、このガラス繊維織物の全光線透過率を40%以上とすることで、ガラス繊維織物を十分な照度で発光させることができる。これにより、より広範囲に亘って全面一体型照明として機能させることができる。
【0010】
また、仕切部材は、ガラス繊維織物に樹脂を含浸させてシート状に形成したガラス繊維補強樹脂シートで、全光線透過率が40%以上であることが好ましい。このように、仕切部材にガラス繊維補強樹脂シートを用いることで、不燃性の条件を充足しながら、軽量化により施工性を向上させることができ、しかも、その全光線透過率を40%以上とすることで、通気パネルのガラス繊維織物を十分に発光させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光拡散用ガラス繊維シートを用いた照明カバーに通気パネルを並設しても天井の見栄えがよく、しかも、通気パネルの施工性が向上して錆の心配もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る天井装置を示す概略斜視図である。
【図2】実施形態に係る天井装置の断面図である。
【図3】図2に示したIII−III線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る天井装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、実施形態に係る天井装置を示す概略斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る天井装置1は、ギャラリーやエントランス等の広い天井面に複数個配列されて、照明機能と空調機能とを兼ね備えるものである。
【0015】
図2は、本実施形態に係る天井装置の断面図であり、図3は、図2に示したIII−III線断面図である。図2及び図3に示すように、天井装置1は、1つの照明部10と2つの空調部20とが設けられるケース3が、図示しない建物躯体に吊り下げられた吊下ボルト2に固定されることで、天井面に配置されている。
【0016】
ケース3は、亜鉛メッキ鋼板やアルミ等の一般的な金属材が用いられて、下面に開口を有する箱状に形成されている。
【0017】
照明部10は、ケース3の天井面に着脱可能に複数本配列された蛍光管などの光源11と、光源11の下方に配置されて光源11から出射された光を拡散して面照明として機能する照明カバー12と、を備えている。この照明カバー12は、開口を有する矩形の照明用フレーム枠13と、照明用フレーム枠13に取り付けられる光拡散用ガラス繊維シート14と、を備えている。
【0018】
照明用フレーム枠13は、光拡散用ガラス繊維シート14を保持するものであり、例えば亜鉛メッキ鋼板やアルミ等の一般的な金属材が用いられる。照明用フレーム枠13は、ケース3の天井面から吊り下げられた図示しない固定枠に対して開閉可能に取り付けられており、この固定枠に対して開閉することで、光源11の取替えや、光拡散用ガラス繊維シート14の取替えなどが可能となっている。
【0019】
光拡散用ガラス繊維シート14は、ガラス繊維束で構成される経糸と緯糸とで織成したガラス繊維原反を樹脂で目止めし、この目止めしたガラス繊維原反の一方面側に樹脂シートを積層したものである。目止めの樹脂及び樹脂シートは、不燃性及び防汚性の観点からフッ素樹脂又はシリコン樹脂であることが好ましく、後述する通気パネル22のガラス繊維織物25との見た目の統一感を図る観点からフッ素樹脂であることが更に好ましい。この光拡散用ガラス繊維シート14としては、例えば、日東紡績株式会社製のライトシェードに用いられているW1800G213などがある。
【0020】
そして、照明カバー12は、光源11の反対側から光拡散用ガラス繊維シート14が照明用フレーム枠13の外側面に巻き込まれることにより、光拡散用ガラス繊維シート14が照明用フレーム枠13における光源11と反対側の開口に張設されている。このため、室内側からは、照明カバー12の光拡散用ガラス繊維シート14のみが見え、照明用フレーム枠13が見えないようになっている。
【0021】
空調部20は、ケース3における照明部10の両側に配置されており、ケース3に形成された空調エアの導入口21と、照明カバー12に隣接されて導入口21の下方に配置される通気パネル22と、照明部10と空調部20とを仕切る仕切部材23と、を備えている。
【0022】
導入口21は、図示しない空調装置から図示しないダクトを介して送られてきた空調エアをケース3内に導入するものであり、空調部20を形成するケース3の側壁や天壁に形成されている。
【0023】
通気パネル22は、室内から空調部20内部を隠しつつ、導入口21からケース3内に導入された空調エアを室内に送り出すものであり、開口を有する矩形の空調用フレーム枠24と、この空調用フレーム枠24に取り付けられるガラス繊維織物25と、を備えている。
【0024】
空調用フレーム枠24は、ガラス繊維織物25を保持するものであり、例えば亜鉛メッキ鋼板やアルミ等の一般的な金属材が用いられる。空調用フレーム枠24は、ケース3の天井面から吊り下げられた図示しない固定枠に対して開閉可能に取り付けられており、この固定枠に対して開閉することで、仕切部材23の取替えや、ガラス繊維織物25の取替えなどが可能となっている。
【0025】
ガラス繊維織物25は、ガラス繊維束で構成される経糸と緯糸とを織成したガラス繊維原反がフッ素樹脂で目止めされた目抜き構造の織物である。ガラス繊維原反の目止めは、例えば、経糸及び緯糸のガラス繊維束にフッ素樹脂を含浸させることで行ってもよく、経糸及び緯糸のガラス繊維束の表面にフッ素樹脂を覆うことで行ってもよい。
【0026】
ガラス繊維織物25の通気度は、室内に空調エアを適切に送り出すために、25cm/cm/Sec以上かつ250cm/cm/Sec以下であることが好ましく、30cm/cm/Sec以上かつ220cm/cm/Sec以下であることが更に好ましく、40cm/cm/Sec以上かつ200cm/cm/Sec以下であることが特に好ましい。通気度は、25cm/cm/Secより小さいと通気性が悪くなり十分な空調効果が得られなくなり、250cm/cm/Secより大きいと室内から空調部20の内部が見えてしまい見栄えが悪い。
【0027】
通気度を25〜250cm/cm/Secとするためには、目止めを行うフッ素樹脂の割合、空隙率、1m当たりの原反重量、1m当たりの製品重量、厚さ、織密度を以下のように設定することが好ましい。なお、原反は、フッ素樹脂で目止めされていないガラス繊維原反を示し、製品は、ガラス繊維原反がフッ素樹脂で目止めされたガラス繊維織物25を示している。
【0028】
目止めを行うフッ素樹脂の割合は、ガラス繊維原反全体に対して15重量%以上かつ40重量%以下であることが好ましく、20重量%以上かつ35重量%以下であることが更に好ましい。このフッ素樹脂の割合は、15重量%より小さいと十分な目止めが行えなくなり、40重量%より大きいとフッ素樹脂がガラス繊維織物25の目抜き部分(間隙)を埋めてしまい25cm/cm/Sec以上の通気度を確保することが困難になる。
【0029】
空隙率は、2%以上かつ35%以下であることが好ましく、3%以上かつ30%以下であることが更に好ましく、4%以上かつ25%以下であることが特に好ましい。空隙率は、2%より小さいと25cm/cm/Sec以上の通気度を確保することが困難になり、35%より大きいと室内から空調部20の内部が見えてしまい見栄えが悪い。
【0030】
1m当たりの原反重量は、120g/m以上かつ390g/m以下とすることが好ましく、140g/m以上かつ370g/m以下とすることが更に好ましい。
【0031】
1m当たりの製品重量は、150g/m以上かつ600g/m以下とすることが好ましく、190g/m以上かつ550g/m以下とすることが更に好ましい。
【0032】
厚さは、0.10mm以上かつ1.00mm以下であることが好ましく、0.13mm以上かつ0.80mm以下であることが更に好ましく、0.15mm以上かつ0.75mm以下であることが特に好ましい。
【0033】
織密度は、経糸及び緯糸ともに、15本/25mm以上かつ40本/25mmであることが好ましく、20本/25mm以上かつ35本/25mmであることが更に好ましい。
【0034】
なお、織構造は、特に制限されるものでは無いが、平織又は模紗織が好ましい。なお、模紗織の場合は、経糸及び緯糸がともに3本1組の織構造であることが好ましい。ガラス繊維織物25を構成する経糸及び緯糸の番手は、上記の各条件によって適宜設定されるが、60tex以上かつ170tex以下であることが好ましく、65tex以上かつ160tex以下であることが更に好ましく、75tex以上かつ150tex以下であることが特に好ましい。
【0035】
そして、通気パネル22は、導入口21の反対側からガラス繊維織物25が空調用フレーム枠24の外側面に巻き込まれることにより、ガラス繊維織物25が空調用フレーム枠24における導入口21と反対側の開口に張設されている。これにより、室内側からは、通気パネル22のガラス繊維織物25のみが見えて空調用フレーム枠24が見えなくなるため、たとえ空調用フレーム枠24が錆びても、この錆を室内側から隠すことができる。
【0036】
仕切部材23は、照明部10と空調部20とを仕切ることで、空調部20の空間内に導入口21から導入された空調エアを溜め込ませるチャンバを形成し、導入口21から導入された空調エアの圧力をチャンバ内で均一化して室内に送り出すものである。
【0037】
仕切部材23は、通気性がなく、又は、通気性がないと同視できる程度の通気性を有する。そして、この仕切部材23は、ケース3の天井に延設されたチャネル26と通気パネル22の照明カバー12側端縁とに張設されて、ケース3の全幅(図3における左右方向の幅)を覆っており、照明部10と空調部20との間の空気の出入りを遮断している。これにより、空調エアの流路と光源11とを分離することができるため、光源11から発生する熱により空調エアの温度が変動するのを防止することができる。
【0038】
また、仕切部材23は、透光性を有しており、不燃性の観点からガラスが好ましく、軽量性の観点からアクリルが好ましく、不燃性及び軽量性の観点からガラス繊維織物に樹脂を含浸させてシート状に形成したガラス繊維補強樹脂シートが好ましい。これにより、仕切部材23は、光源11から出射された光を透過させるため、光源11から出射された光が通気パネル22のガラス繊維織物25に照射されてガラス繊維織物25が発光する。
【0039】
仕切部材23の全光線透過率は、40%以上であることが好ましく、60%以上であることが更に好ましく、80%であることが特に好ましい。仕切部材23の全光線透過率は、40%より小さいとガラス繊維織物25の発光光量が小さくなり全面一体型照明として機能が不十分となる。また、ガラス繊維織物25の全光線透過率は、40%以上であることが好ましく、50%以上であることが更に好ましい。なお、仕切部材23を透過した光によるガラス繊維織物25の発光光量は照明計画などにより適宜設定されるが、通気パネル22を全面一体型照明として機能させるために、仕切部材23とガラス繊維織物25とを合わせた全光線透過率は16%以上であることが好ましい。
【0040】
このように、本実施形態に係る天井装置1によれば、通気パネル22にガラス繊維織物25を用いることで、不燃性の条件を充足しながら、軽量化により施工性を向上させることができるとともに、錆の心配がなくなる。しかも、ガラス繊維織物25を構成するガラス繊維原反を15重量%以上かつ40重量%以下の不燃性を有するフッ素樹脂で目止めすることで、経糸と緯糸とのズレによるガラス繊維織物25の変形を防止しつつ、目抜き構造として通気性を確保することができ、通気度を25cm/cm/Sec以上かつ250cm/cm/Sec以下とすることで、室内から空調部20の内部を隠しながら空調装置から送られてきた空調エアを適切に室内に送り出すことができる。また、照明カバー12と通気パネル22とは同じガラス繊維を用いるとともにガラス繊維束を同じフッ素樹脂で目止しているため、異質な素材で構成した場合に比べて、照明カバー12と通気パネル22を並設しても見た目の統一感が図れて天井の見栄えがよい。更に、通気パネル22の空調用フレーム枠24に対するガラス繊維織物25の取り付けは、照明カバー12の照明用フレーム枠13に対する光拡散用ガラス繊維シート14の取り付けと同様にビス止め等の一般的な取り付け方法で行うことができるため、施工効率が向上する。
【0041】
また、仕切部材23を設けることで、空調エアの流路と光源11とを分離することができるため、光源11の熱に影響されることなく空調を行うことができる。そして、この仕切部材23を透光性とすることで、光源11から出射された光を通気パネル22のガラス繊維織物25に照射させることができ、このガラス繊維織物25の全光線透過率を40%以上とすることで、ガラス繊維織物25を十分な照度で発光させることができる。これにより、より広範囲に亘って全面一体型照明として機能させることができる。
【0042】
また、仕切部材23にガラス繊維補強樹脂シートを用いることで、不燃性の条件を充足しながら、軽量化により施工性を向上させることができ、しかも、その全光線透過率を40%以上とすることで、通気パネル22のガラス繊維織物25を十分に発光させることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、仕切部材23を設けるものとして説明したが、光源11の熱が空調エアに影響しなければ、特に仕切部材23を設ける必要がない。
【0044】
また、上記実施形態において、仕切部材23は、透光性を有するものとして説明したが、通気パネル22のガラス繊維織物25を発光させる必要がなければ、透光性を有さないものとしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態において、仕切部材23は、通気性がないものとして説明したが、光源11の熱が空調エアに影響しない範囲で通気性があるものとしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態において、チャネル26は、仕切部材23とともにケース3の全幅を覆うものとして説明したが、空調エアの光源11による熱の影響が問題にならなければ、チャネル26を小型化したり穴を形成したりすることで、光源11から発生した熱を照明部10から空調部20に逃がすようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、照明用フレーム枠13及び空調用フレーム枠24は、ケース3の天井面から吊り下げられた図示しない固定枠に取り付けるものとして説明したが、どのような手段により取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…天井装置、2…吊下ボルト、3…ケース、10…照明部、11…光源、12…照明カバー、13…照明用フレーム枠、14…光拡散用ガラス繊維シート、20…空調部、21…導入口、22…通気パネル、23…仕切部材、24…空調用フレーム枠、25…ガラス繊維織物、26…チャネル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源の下方に配置されて開口を有する矩形の照明用フレーム枠に、ガラス繊維束が織成されたガラス繊維原反に樹脂シートが積層された光拡散用ガラス繊維シートが前記光源と反対側の開口に取り付けられた照明カバーと、を備える照明部と、
空調エアが導入される導入口と、前記照明カバーに隣接されて前記導入口の下方に配置される通気パネルと、を備える空調部と、
を有し、
前記通気パネルは、
開口を有する矩形の空調用フレーム枠にガラス繊維織物が前記導入口と反対側の開口に取り付けられており、
前記ガラス繊維織物は、ガラス繊維束が織成されたガラス繊維原反が当該ガラス繊維原反全体に対して15重量%以上かつ35重量%以下のフッ素樹脂で目止めされて、通気度が25cm/cm/Sec以上かつ250cm/cm/Sec以下であることを特徴とする、天井装置。
【請求項2】
前記照明部と前記空調部とを仕切る仕切部材が設けられており、
前記仕切部材は、透光性を有し、
前記通気パネルの前記ガラス繊維織物は、全光線透過率が40%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の天井装置。
【請求項3】
前記仕切部材は、ガラス繊維織物に樹脂を含浸させてシート状に形成したガラス繊維補強樹脂シートで、全光線透過率が40%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の天井装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−149396(P2012−149396A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7231(P2011−7231)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)