天板付き家具
【課題】簡単な構造により床面の不陸を吸収することができ、平面視におけるベースに対する天板の相対位置、相対角度を簡単且つ円滑に変更することができる天板付き家具を提供する。
【解決手段】所定方向に延伸するベース2と、ベース2の延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体4と、一端部を支持体4に水平旋回可能に支持され且つ他端部を脚体6に支持された天板5とを備え、支持体4と天板5との間に、床面Fの不陸によって支持体4に対して天板5が傾いた場合に不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体を設けた。
【解決手段】所定方向に延伸するベース2と、ベース2の延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体4と、一端部を支持体4に水平旋回可能に支持され且つ他端部を脚体6に支持された天板5とを備え、支持体4と天板5との間に、床面Fの不陸によって支持体4に対して天板5が傾いた場合に不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付き家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィス等において使用態様や業務内容等その時々に応じた最適なワークスタイルを実現させるべく、出願人は、所定方向に延伸するベースと、当該ベースに延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体と、一端部が支持体に水平旋回可能に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板とを備えた天板付き家具を開発した(下記非特許文献1参照)。
【0003】
このような天板付き家具は、支持体をベースの延伸方向に沿って平行移動させることによって、この支持体に支持された天板をベースに対して平行移動させることができ、また、天板を支持体に対して旋回移動させることによって、ベースに対する天板の平面視上の相対角度を変更することができ、使用者(ワーカー)自身が、ベースに対する天板の相対位置、相対角度を簡単且つスピーディに変更することが可能となり、使用態様や業務内容等に応じた最適なワークスタイルを実現できる。
【非特許文献1】「2007年度版コクヨ総合カタログファニチャー編」、コクヨ株式会社他、2006年12月発行、P.52〜55に示されているデスク
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような天板付き家具は、床面上に設置した状態において脚体に設けたアジャスタを操作することにより天板のレベル調整を行うことができる一方で、支持体が、支持体と天板との相対角度変化を許容しない状態で天板を支持しているものであれば、脚体のキャスタを床面上に滑らせながら天板を支持体とともにベースの延伸方向に沿って平行移動させた場合や、天板を支持体に対して旋回移動させた場合に、床面の不陸を吸収できず、これら移動作業をスムーズに行うことができないという不具合や、支持体と天板との接合部位に両部材を変形させ得るような無理な力が作用するおそれもある。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、簡単な構造により床面の不陸を吸収することができる天板付き家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の天板付き家具は、所定方向に延伸するベースと、当該ベースの延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体と、一端部が前記支持体に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体を具備してなることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、天板を支持体とともにベースに対して平行移動させる過程又は平行移動させた前後において、床面の不陸によって天板が支持体に対して傾いた場合であっても、その不陸の量(大きさ)、換言すれば天板の傾いた角度分だけ弾性体が弾性変形することによって不陸を吸収するため、簡単な構造でありながら、支持体が天板を両部材の相対角度変化を許容しない状態で支持している態様であれば生じ得る不具合、すなわち、床面の不陸を吸収できず、ベースに対する天板の平行移動をスムーズに行うことができないという不具合や、支持体と天板との接合部位に両部材を変形させ得るような無理な力が作用するという不具合を悉く解消することができる。しかも、弾性体の弾性変形及び弾性復帰力により、支持体に対する天板の激しい相対角度変化や瞬間的な相対角度変化にも対応することができ、実用性に優れたものとなる。
【0008】
また、本発明の天板付き家具は、ベースと、当該ベースに支持された支持体と、一端部が前記支持体に水平旋回可能に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体とを具備してなることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、天板を支持体に対して旋回移動させる過程又は旋回移動させた前後において、床面の不陸によって天板が支持体に対して傾いた場合であっても、天板の傾いた角度分だけ弾性体が弾性変形することによって不陸を吸収するため、簡単な構造でありながら、ベースに対する天板の旋回移動をスムーズに行うことができるとともに、支持体と天板との接合部位に両部材を変形させ得るような無理な力が作用することを回避することができる。しかも、弾性体の弾性変形及び弾性復帰力により、支持体に対する天板の激しい相対角度変化や早い相対角度変化にも対応することができ、実用性に優れたものとなる。
【0010】
特に、前記弾性体が概略面板状のものであれば、支持体に対する天板の傾斜角度に応じて面全体が変形することによりさらなる追従性の向上を図ることができるとともに、天板自身の荷重、又は天板に掛かる荷重を面で受けることになるため、天板の支持状態も安定したものとなる。
【0011】
好適な実施態様としては、前記支持体と前記天板との間に、前記支持体に対して前記天板を水平旋回させるための旋回機構を設けるとともに、前記支持体に前記旋回機構を支持する旋回機構受け部を設け、前記弾性体を前記旋回機構と前記旋回機構受け部との間に介在させている態様が挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、支持体と天板との間に弾性体を介在させるという簡単な構造により床面の不陸を好適に吸収することができ、ベースに対する天板の平面視上の相対位置変更又は/及び相対角度変更を簡単且つ円滑に行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
本実施形態に係る天板付き家具1は、図1及び図2に示すように、水平方向に延伸するベース2と、ベース2を支持するベース支持体3と、ベース2に沿ってスライド移動自在に支持された支持体4と、支持体4に一端部を支持させた天板5と、天板5の他端部を支持し床面F上に接地する脚体6とを備えたものである。なお、図1は、このようなデスク1を2台連設して形成したオフィス構成システムを示すものであり、各デスク1のベース2に、天板5とは異なる他の天板5Xを支持させている。この天板5Xは、前記支持体4とは異なる別の支持体4Xにのみ支持された片持ちタイプのものであり、ベース2に対してスライド移動不能なものである。なお、図2は、図1のx―x線断面を模式的に示す図である。
【0015】
ベース2は、図1〜図4等に示すように、略直線状に延伸する概略四角柱状のものである。ベース2のうち長手方向に沿って相互に対向する一対の起立面部2Aに、支持体4の移動を案内するレール溝21、22を設けている。本実施形態では、各起立面部2Aに、その高さ方向に所定ピッチ離間し且つ相互に平行をなしてベース2の長手方向に沿って延伸する上方側レール溝21、下方側レール溝22を形成している。
【0016】
なお、ベース2の上面部2Bには、図示しないオプション部材を移動案内するレール溝23を設けている。
【0017】
これら各レール溝21、22、23は、それぞれベース2の一端から他端に亘って形成されている。また、ベース2の両端部にはそれぞれエンドキャップ2Cを着脱可能に装着している(図1参照、なお、図1以外の図面(図3等)ではエンドキャップ2Cを取り外した状態のベース2を示している)。
【0018】
ベース支持体3は、図1に示すように、各ベース2の両端部をそれぞれ支持するものである。
【0019】
支持体4は、図2及び図5等に示すように、天板5を支持する支持体本体41と、前記レール溝21、22に沿ってスライド移動可能なスライド装置42とを備えたものである。なお、以下の説明において、支持体4におけるベース2側を後方とし、反ベース2側を前方とする。また、図5に示すx―x線は、図1に示すx―x線と略重複し得るものであり、図1に示すx―x線断面の模式図である図2は、図5に示すx―x線断面の模式図でもある。
【0020】
支持体本体41は、天板5の一端部側の所定領域を下方から支持し得るものである。本実施形態に係る支持体本体41は、一対の対向フレーム41aと、各対向フレーム41aのうち反ベース2側の端部同士を接続する単一の前フレーム41bと、各対向フレーム41aのうちベース2側の端部同士を、後述するベースカバー体425を介して接続する単一の後フレーム41cとを備えてなり、これら各フレーム41a、41b、41cを一体的に剛結したフレーム構造体である。また、対をなす対向フレーム41a間に前中間フレーム41d、後中間フレーム41eを一体的に剛結している。
【0021】
スライド装置42は、図3〜図5等に示すように、スライダベース421と、上方側レール溝21の開口側起立壁21aに添接し得る上方側転動体422と、下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに添接し得る下方側転動体423と、上方側レール溝21の内壁のうち底壁21bに添接し得る補助転動体424とを備えている。これら各補助転動体422、423、424はそれぞれスライダベース421に保持されている。
【0022】
スライダベース421は、ベース2の起立面2Aに対向し得る起立片421aと、起立片421aの上縁部、下縁部からそれぞれ後方(ベース2側)に向かって延びる上片421b及び下片421cとを備えたものである。
【0023】
また、スライダベース421の両端部近傍部位にベースカバー体425を設けている。各ベースカバー体425は、スライド装置42、ひいては支持体4全体がレール溝21、22の長手方向に直交する方向に抜け落ちることを防止する抜止体426をも被覆し得るものである。抜止体426は、スライダベース421の両端部近傍部位に設けられ、上方側レール溝21、下方側レール溝22に挿入可能な第1抜止部426a(図3参照)、第2抜止部426b(図4参照)を先端部に有するものである。そして、この抜止体426のうち、第1抜止部426a、第2抜止部426b以外の略全部位がベースカバー体425に被覆されている。
【0024】
上方側転動体422及びは、図3及び図5に示すように、スライダベース421のうち上片421bの両端部近傍に鉛直軸回りに転動可能に設けたものである。
【0025】
下方側転動体423は、図3及び図4に示すように、スライダベース421のうち下片421cの両端部近傍に鉛直軸回りに転動可能に設けたものである。
【0026】
補助転動体424は、図3及び図5に示すように、スライダベース421のうち上片421bの両端部近傍に水平軸回りに転動可能に設けたものである。
【0027】
本実施形態では、これら各転動体422、423、424が、それぞれ各レール溝21、22内に設けた添接板を介して各レール溝21、22の各壁21a、22b、21bに添接するように設定している。
【0028】
また、本実施形態に係る支持体4は、各転動体422、423、424の転動動作を規制し得るブレーキ体44を備えている。
【0029】
ブレーキ体44は、図4〜図6(図6は図5のy領域拡大図である)に示すように、上面部及び下面部に対をなすテーパ面441、442を設け、先端部に向かって漸次高さ寸法が小さくなるように設定したものである。このブレーキ体44は、ベース2の長手方向に沿って延伸する帯状のものであり、本実施形態では、弾性を有する素材(例えばクロロプレンを主体とする合成ゴム)から成形している。ブレーキ体44は、図4に示すように、テーパ面441、442をくさび作用によって下方側レール溝22に圧接可能な圧接位置(44A)と、図7に示すように、テーパ面441、442を下方側レール溝22に圧接させない非圧接位置(44B)との間で移動可能なものである。
【0030】
そして、本実施形態に係る支持体4は、ブレーキ体44を圧接位置(44A)に位置付けてベース2に対するスライド移動を規制する移動規制状態(45A)と、ブレーキ体44を非圧接位置(44B)に位置付けてベース2に対するスライド移動を許容する移動許容状態(45B)との間で切替可能な切替機構45を備えている。
【0031】
切替機構45は、図3〜図5等に示すように、ブレーキ体44を保持した状態で、支持体本体41及びスライド装置42に対して、ベース2の長手方向(支持体4のスライド方向)に略直交する方向に相対移動可能なブレーキ体保持部451と、ブレーキ体保持部451を移動させる操作を行うための操作レバー452とを備えたものである。
【0032】
ブレーキ体保持部451は、相対的にベース2側に配される後リンク4511と、相対的に反ベース2側に配される前リンク4512とを相互に組み付けたものであり、後リンク4511の後端部(ベース2側の端部)にブレーキ体44を保持するものである。
【0033】
後リンク4511は、図6等に示すように、底面部4511aと、底面部4511aの後端部を上方に屈曲させ、ブレーキ体44が添接可能な添接片4511bと、底面部4511aの両側縁部からそれぞれ起立し上端部を前方に延伸させた一対の対向起立片4511cとを備えたものである。また、底面部4511aに形成した前後方向に延びる長孔4511dに下方から挿入したボルトB1を、前記スライダベース421の下片421cに形成したネジ孔に螺合することによって、後リンク4511と、スライダベース421とを相互に組み付けている(図5参照)。そして、後リンク4511が長孔4511dの開口寸法内でスライド装置42に対して相対移動し得るように設定している。
【0034】
ブレーキ体保持部451は、さらに、ブレーキ体44の先端部に添接可能な当て板4513を備え、後リンク4511の添接片4511bと、当て板4513との間にブレーキ体44を挟持した状態で、当て板4513及びブレーキ体44にそれぞれ形成した貫通孔に挿入したボルトB2を添接片4511bのネジ孔に螺合することにより、このブレーキ体保持部451にブレーキ体44を一体的に取り付けている(図4参照)。なお、前記スライダベース421の下片421cのうち左右巾方向中央部位に、これら後リンク4511の先端部、ブレーキ体44及び当て板4513との干渉を回避するための切欠421eを形成している(図4参照)。
【0035】
一方、前リンク4512は、上面部4512aと、上面部4512aの後端部側の両側縁部から垂下させて、後リンク4511の対向起立片4511cの上端部と接続可能な接続片4512bと、上面部4512aの中央部位の両側縁部から垂下し、支持体本体41の前中間フレーム41dと後中間フレーム41eとの間に架け渡されたガイドレール461にガイドされ得る被ガイド片4512cとを備えたものである。上面部4512aの中央部位には、後述する旋回機構7及び旋回機構受け部43との干渉を回避するための開口部4512dを形成している(図5参照)。また、各接続片4512bの内向面にそれぞれ板ナット4512eを溶接等により固着し、この板ナット4512eに、後リンク4511の対向起立片4511c側から差し込んだボルトB3を螺着することにより、後リンク4511と前リンク4512とを一体的に組み付けている。
【0036】
このように、後リンク4511と前リンク4512とを一体的に組み付けてなるブレーキ体保持部451は、全体として比較的大型な構造体となり、このようなブレーキ体保持部451は、図5及び図8に示すように、相対的にベース2側に位置付けられる第1保持位置(451A)と、相対的に反ベース2側に位置付けられる第2保持位置(451B)との間で略直線的な移動軌跡に沿って往復動するものとなる。そして、ブレーキ体保持部451が第1保持位置(451A)に位置付けられている場合、ブレーキ体44が前記圧接位置(44A)に位置付けられ(図4〜図6参照)、ブレーキ体保持部451が第2保持位置(451B)に位置付けられている場合、ブレーキ体44は前記非圧接位置(44B)に位置付けられる(図7〜図9参照)。
【0037】
操作レバー452は、図5及び図8に示すように、ブレーキ体保持部451の前端部近傍に設けられ、操作端4521に対して所定の操作力を付与することによって、ブレーキ体44を圧接位置(44A)に位置付けた場合にとるロック位置(452A)と、ブレーキ体44を非圧接位置(44B)に位置付けた場合にとる非ロック位置(452B)との間で移動可能なものである。
【0038】
各操作レバー452は、反操作端である基端部4522を、前リンク4512の反ベース2側の左右巾方向中央部位に設けたナット体N1にボルトB4を螺合する(図3参照)とともに、基端部4522から所定距離離間させた部位に形成した屈曲部4523に挿入したボルトB5を、前記支持体本体41の前フレーム41bに一体的に設けた操作レバー受け部41fのナット体N2に螺合したものである(図3参照)。各操作レバー452は、基端部4522同士が相互に厚み方向に重なり合うように、基端部4522と屈曲部4523との境界部位近傍に段部4524を設けている。そして、各操作レバー452の基端部4522にそれぞれ長孔452aを形成し、これら長孔452aに挿入した共通のボルトB4をブレーキ体保持部451に設けたナット体N1に螺合し、何れか一方の操作端4521に操作力を付与すると、各操作レバー452が屈曲部4523に設けたボルトB5を支点に回動し、ブレーキ体保持部451の進退動作と共にボルトB4が長孔452aにガイドされながら進退動作するように設定している。なお、操作端4521に、他の部位よりも下方に延出させ、使用者の指が引っ掛け可能な引っ掛け部を有する操作端カバー452cを取り付けている。
【0039】
また、本実施形態に係る支持体4は、ブレーキ体44を圧接位置(44A)に向かって付勢する付勢手段たるバネ48と、切替機構45を移動規制状態(45A)から移動許容状態(45B)に切り替えた場合に、バネ48の付勢力に抗してブレーキ体44を非圧接位置(44B)に保持するための非圧接位置保持手段49とを備えている。
【0040】
バネ48は、一端部を、ブレーキ体保持部451のうち底面部4511aの前端部から上方に起立する立ち上がり片4511eの両側端部に形成した第1引っ掛け孔4511fに引っ掛けるとともに、他端部を、スライダベース421のうち前記立ち上がり片4511eの両端部にそれぞれ対向する部位に形成した第2引っ掛け孔421fに引っ掛けたものである。
【0041】
非圧接位置保持手段49は、図3及び図5に示すように、ブレーキ体保持部451と支持体本体41との間に設けたラッチ装置491を用いたものである。ラッチ装置491は、ブレーキ体保持部451の前リンク4512のうち、前記上面部4512aの下向面に、ラッチ保持板491cを介して設けられ内部に第1係合対象部、第2係合対象部(図示省略)を有するハウジング491bと、支持体本体41のうち前中間フレーム41dに設けられ、ハウジング491b内に挿入して第1係合対象部又は第2係合対象部に係合可能なラッチ爪491aとを備えたものである。本実施形態では、ラッチ装置491として、いわゆるプッシュラッチ装置を適用している。
【0042】
このような支持体4を備えたデスク1は、支持体4をベース2に対してスライド移動させることによって、支持体4に支持された天板5もベース2に対して相対移動させることが可能である。
【0043】
すなわち、ベース2に対する天板5の相対位置を変更する場合には、使用者は、前記ロック位置(452A)にある各操作レバー452のうち、何れか一方の操作レバー452の操作端4521に指を掛けて、手前(使用者側)に引く操作力を付与して切替機構45を移動規制状態(45A)から移動許容状態(45B)に切り替える。すると、各操作レバー452の基端部4522に接続されたブレーキ体保持部451が、前記被ガイド片4512cをガイドレール本体461bに案内させながら第1保持位置(451A)から第2保持位置(451B)へ移動する。その結果、図7〜図9に示すように、ブレーキ体保持部451に保持されたブレーキ体44が非圧接位置(44B)に位置付けられる。この状態で、前記非圧接位置保持手段49のラッチ装置491により、ブレーキ体保持部451が前記バネ48の付勢力に抗して第2保持位置(451B)に保持される。
【0044】
このようにして、切替機構45を移動規制状態(45A)から移動許容状態(45B)に切り替えることにより、レール溝21、22に添接させた転動体232、233、236の転動動作が許容され、支持体4と共に天板5をベース2に対して平行移動させることが可能となる。
【0045】
他方、切替機構45を移動許容状態(45B)から移動規制状態(45A)に切り替えて、ベース2に対する支持体4及び天板5のスライド移動を規制する場合、使用者は、前記非ロック位置(452B)にある各操作レバー452のうち、何れか一方の操作レバー452の操作端4521に指を掛けて、手前(使用者側)に引く操作力を付与する。この操作により、ラッチ装置491のラッチ爪491aの係合状態が一旦解除され、バネ48の弾性復帰力により、ブレーキ体保持部451が、前記被ガイド片4512cをガイドレール本体461bに案内させながら第2保持位置(451B)から第1保持位置(451A)へ移動する。その結果、図4〜図6に示すように、ブレーキ体保持部451に保持されたブレーキ体44が圧接位置(44A)に位置付けられ、ベース2に対する支持体4、ひいては天板5のスライド移動が規制される。
【0046】
このようにして、切替機構45を移動許容状態(45B)から移動規制状態(45A)に切り替えることにより、ベース2に対する支持体4、ひいては天板5の平行移動を規制することが可能となる。
【0047】
天板5は、図2及び図5等に示すように、支持体4に水平旋回可能に支持された例えば平面視略ひょうたん形(中央部が括れた楕円形状)をなすものであり、本実施形態では比較的大型のものを適用している。天板5の最大長手寸法をベース2の長手寸法と略同一又は若干小さく設定している。この天板5と支持体4との間に旋回機構7を設けている(図3参照)。
【0048】
旋回機構7は、いわゆるスラストベアリングを用いたものである。本実施形態では、天板5側に配される第1ベアリング要素71と、支持体4側に配される第2ベアリング要素72と、これらベアリング要素71、72間に介在させた図示しない回転台とを備えたものを適用している。そして回転台の回転動作を利用して支持体4に対する天板5の旋回移動を可能にしている。支持体4には、旋回機構7を支持する旋回機構受け部43を設けている。なお、第1ベアリング要素71、第2ベアリング要素72はそれぞれ図示しないボルトによってそれぞれ天板5、旋回機構受け部43に取り付けられている。また、図5及び図8では旋回機構7を省略している。
【0049】
旋回機構受け部43は、前記支持体本体41の前中間フレーム41dと後中間フレーム41eとの間に架け渡したものであり、平板状の旋回機構受け部本体431と、旋回機構受け部本体431の前縁部、後縁部からそれぞれ起立させ且つ上端部を前中間フレーム41d、後中間フレーム41eの各上面部に載置し得る方向に屈曲させた一対の引っ掛け片432と、旋回機構受け部本体431の両側端縁からそれぞれ起立させた起立片433とを備えたものである。そして、各引っ掛け片432を前中間フレーム41d、後中間フレーム41eの各上面部に載置した状態でボルトB6、B7によって固定している。この旋回機構受け部43は、支持体本体41の一部としても機能し、旋回機構7を介して天板5を支持している。
【0050】
天板5の他端部を支持する脚体6は、脚本体61と、脚本体61の下端部に設けた移動体62(図示例ではキャスタ)とを備えたものである。そして、脚体6にアジャスタ機能を設け、天板5のレベル調整を行えるようにしている。また、脚体6は、移動体62の移動をロックするためのロック手段(図示省略)を備え、このロック手段を利用して移動体62の移動をロックすることにより、支持体4に対する天板5の旋回を規制し得るようにしている。
【0051】
しかして、本実施形態に係るデスク1は、図3及び図8等に示すように、支持体4と天板5との間、より具体的には旋回機構受け部43と旋回機構7との間に、脚体6の移動体62が接地する床面Fの不陸により天板5が支持体4に対して傾いた場合、換言すれば支持体4に対する天板5の側面視上の相対角度が変化した場合に、不陸の量(大きさ)に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収する弾性体8を設けている。
【0052】
弾性体8は、支持体4のうち旋回機構受け部43に支持され、所定の厚み寸法を有する概略面板状のものである。本実施形態では、弾性体8として、例えばクロロプレンを主体とする合成ゴムから成形した7ミリ厚のものを適用している。この弾性体8は、その平面視寸法(平面視形状)を、旋回機構受け部43の旋回機構受け部本体431に載置した状態で旋回機構受け部43の引っ掛け片432及び起立片433との間に隙間が形成される寸法(形状)に設定したものであり、この隙間によって変形代を確保している。本実施形態の弾性体8は、コーナー部にアールを設けた平面視略正方形状をなしている。また、弾性体8の平面視における中央部を、天板5の旋回中心、つまり旋回機構7の回転台の回転中心と略一致させている。弾性体8の上面部は、旋回機構7のうち前記支持体側ベアリング要素72の下面部と略密着している。なお、弾性体8の中央部位に旋回機構8の一部を収容するための開口部8aを形成するとともに、各コーナー部近傍に、旋回機構受け部43に対する弾性体8の相対位置を位置決めるための位置決め用部8bを形成している。本実施形態では位置決め部8bとして貫通孔を適用している。
【0053】
このような弾性体8を支持体4と天板5との間に介在させたデスク1は、天板5を支持体4とともにベース2に対して平行移動させる過程又は平行移動させた前後、或いは天板5を支持体4に対して旋回移動させる過程又は旋回移動させた前後において、床面Fの不陸により天板5が支持体4に対して傾いた場合、図10及び図11に示すように、弾性体8が、天板5の傾き具合に応じて押し広げられるように弾性変形し、不陸を吸収する。また、天旋5が支持体4に対して傾いた姿勢から通常姿勢であるレベル姿勢に戻った場合(使用者自身が脚体6のアジャスタ機能を利用してレベル姿勢に戻した場合も含む)、弾性体8は弾性復帰して元の形状に戻る。
【0054】
このように、本実施形態に係るデスク1は、支持体4と天板5との間に、床面Fの不陸によって、天板5が支持体4に対して傾動した場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体8を設けているため、極めて簡単な構造でありながら、脚体6の下端部が接地する床面Fの不陸を好適に吸収し、ベース2に対する天板5の平行移動及び支持体4に対する天板5の旋回移動をスムーズに行うことができるとともに、支持体4と天板5との接合部位に両部材4、5を変形させ得るような無理な力が作用することを回避できる。しかも、弾性体8が不陸の量に対応した分だけ弾性変形するものであり、またその弾性復帰力により、支持体4に対する天板5の激しく早い相対角度変化にも柔軟に対応することができ、追従性に優れたものとなる。
【0055】
加えて、弾性体8が概略面板状のものであるため、支持体4に対する天板5の傾斜角度に応じて面板状の弾性体8全体が3次元的に変形することによりさらなる追従性の向上を図ることができるとともに、天板5を支持する領域を有効に稼ぐことができ、天板5の支持状態も安定したものとなる。
【0056】
さらに、支持体4と天板5との間に、支持体4に対して天板5を水平旋回させるための旋回機構7を設けるとともに、支持体4に旋回機構7を支持する旋回機構受け部43を設け、弾性体8を旋回機構7と旋回機構受け部43との間に介在させているため、特に天板5を支持体4に対して旋回移動させる過程又はその旋回移動させた前後において床面Fの不陸により天板5が支持体4に対して傾いた場合であっても、弾性体8の弾性変形によりその不陸を好適に吸収することができる。
【0057】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0058】
例えば、支持体と天板との間に弾性体を複数設けても構わない。また、弾性体として、面板状のものでなく、ブロック状、又は短冊状のものを適用してもよい。弾性体の平面視形状を円形や菱形等、種々の形状に設定してもよい。角柱状や円柱状をなす弾性体を用いても構わない。厚み寸法や素材も適宜変更しても構わない。
【0059】
さらに、弾性体として、バネを適用してもよい。
【0060】
また、天板が支持体とともにベースに対して平行移動可能なものである場合には、天板が支持体に対して旋回移動不能なものであってもよく、天板が支持体に対して旋回移動可能なものである場合には、天板がベースに対して平行移動不能なものであってもよい。
【0061】
脚体として、下端部に移動体を設けていないものを適用してもよい。この場合、天板を移動させるには、脚体の下端が床面から浮上する位置まで天板を持ち上げた状態で移動させればよい。天板を持ち上げることによって天板が支持体に対して傾くが、この傾斜角度に応じて弾性体が弾性変形することにより、天板と支持体との間に無理な力が作用することを回避できる。
【0062】
また、天板として、平面視形状が、円形状の、楕円形、多角形状、L字状、T字状、矩形状(正方形状含む)、或いは一端部側が多角形状をなし他端部側が部分円弧状をなすもの等、種々の形状のものを適用してもよい。
【0063】
また、本発明に係る支持体と、天板とを備えた天板付き家具としては、前記実施形態で示したデスクの他に、ダイニング等で使用可能なテーブルが挙げられる。
【0064】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスクの全体概略図。
【図2】図1におけるx―x線断面を一部省略して示す図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】図3のさらに要部拡大図。
【図5】同実施形態に係るデスクを一部省略して示す平面図。
【図6】図5のy領域拡大図。
【図7】同実施形態においてブレーキ体を非圧接位置に位置付けた状態を図4に対応させて示す図。
【図8】同実施形態においてブレーキ体を非圧接位置に位置付けた状態を図5に対応させて示す図。
【図9】同実施形態においてブレーキ体を非圧接位置に位置付けた状態を図6に対応させて示す図。
【図10】同実施形態において弾性体によって不陸を吸収している状態を図2に対向させて示す図。
【図11】作用説明図。
【符号の説明】
【0066】
1…天板付き家具(デスク)
2…ベース
4…支持体
43…旋回機構受け部
5…天板
6…脚体
7…旋回機構
8…弾性体
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付き家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィス等において使用態様や業務内容等その時々に応じた最適なワークスタイルを実現させるべく、出願人は、所定方向に延伸するベースと、当該ベースに延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体と、一端部が支持体に水平旋回可能に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板とを備えた天板付き家具を開発した(下記非特許文献1参照)。
【0003】
このような天板付き家具は、支持体をベースの延伸方向に沿って平行移動させることによって、この支持体に支持された天板をベースに対して平行移動させることができ、また、天板を支持体に対して旋回移動させることによって、ベースに対する天板の平面視上の相対角度を変更することができ、使用者(ワーカー)自身が、ベースに対する天板の相対位置、相対角度を簡単且つスピーディに変更することが可能となり、使用態様や業務内容等に応じた最適なワークスタイルを実現できる。
【非特許文献1】「2007年度版コクヨ総合カタログファニチャー編」、コクヨ株式会社他、2006年12月発行、P.52〜55に示されているデスク
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような天板付き家具は、床面上に設置した状態において脚体に設けたアジャスタを操作することにより天板のレベル調整を行うことができる一方で、支持体が、支持体と天板との相対角度変化を許容しない状態で天板を支持しているものであれば、脚体のキャスタを床面上に滑らせながら天板を支持体とともにベースの延伸方向に沿って平行移動させた場合や、天板を支持体に対して旋回移動させた場合に、床面の不陸を吸収できず、これら移動作業をスムーズに行うことができないという不具合や、支持体と天板との接合部位に両部材を変形させ得るような無理な力が作用するおそれもある。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、簡単な構造により床面の不陸を吸収することができる天板付き家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の天板付き家具は、所定方向に延伸するベースと、当該ベースの延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体と、一端部が前記支持体に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体を具備してなることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、天板を支持体とともにベースに対して平行移動させる過程又は平行移動させた前後において、床面の不陸によって天板が支持体に対して傾いた場合であっても、その不陸の量(大きさ)、換言すれば天板の傾いた角度分だけ弾性体が弾性変形することによって不陸を吸収するため、簡単な構造でありながら、支持体が天板を両部材の相対角度変化を許容しない状態で支持している態様であれば生じ得る不具合、すなわち、床面の不陸を吸収できず、ベースに対する天板の平行移動をスムーズに行うことができないという不具合や、支持体と天板との接合部位に両部材を変形させ得るような無理な力が作用するという不具合を悉く解消することができる。しかも、弾性体の弾性変形及び弾性復帰力により、支持体に対する天板の激しい相対角度変化や瞬間的な相対角度変化にも対応することができ、実用性に優れたものとなる。
【0008】
また、本発明の天板付き家具は、ベースと、当該ベースに支持された支持体と、一端部が前記支持体に水平旋回可能に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体とを具備してなることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、天板を支持体に対して旋回移動させる過程又は旋回移動させた前後において、床面の不陸によって天板が支持体に対して傾いた場合であっても、天板の傾いた角度分だけ弾性体が弾性変形することによって不陸を吸収するため、簡単な構造でありながら、ベースに対する天板の旋回移動をスムーズに行うことができるとともに、支持体と天板との接合部位に両部材を変形させ得るような無理な力が作用することを回避することができる。しかも、弾性体の弾性変形及び弾性復帰力により、支持体に対する天板の激しい相対角度変化や早い相対角度変化にも対応することができ、実用性に優れたものとなる。
【0010】
特に、前記弾性体が概略面板状のものであれば、支持体に対する天板の傾斜角度に応じて面全体が変形することによりさらなる追従性の向上を図ることができるとともに、天板自身の荷重、又は天板に掛かる荷重を面で受けることになるため、天板の支持状態も安定したものとなる。
【0011】
好適な実施態様としては、前記支持体と前記天板との間に、前記支持体に対して前記天板を水平旋回させるための旋回機構を設けるとともに、前記支持体に前記旋回機構を支持する旋回機構受け部を設け、前記弾性体を前記旋回機構と前記旋回機構受け部との間に介在させている態様が挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、支持体と天板との間に弾性体を介在させるという簡単な構造により床面の不陸を好適に吸収することができ、ベースに対する天板の平面視上の相対位置変更又は/及び相対角度変更を簡単且つ円滑に行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
本実施形態に係る天板付き家具1は、図1及び図2に示すように、水平方向に延伸するベース2と、ベース2を支持するベース支持体3と、ベース2に沿ってスライド移動自在に支持された支持体4と、支持体4に一端部を支持させた天板5と、天板5の他端部を支持し床面F上に接地する脚体6とを備えたものである。なお、図1は、このようなデスク1を2台連設して形成したオフィス構成システムを示すものであり、各デスク1のベース2に、天板5とは異なる他の天板5Xを支持させている。この天板5Xは、前記支持体4とは異なる別の支持体4Xにのみ支持された片持ちタイプのものであり、ベース2に対してスライド移動不能なものである。なお、図2は、図1のx―x線断面を模式的に示す図である。
【0015】
ベース2は、図1〜図4等に示すように、略直線状に延伸する概略四角柱状のものである。ベース2のうち長手方向に沿って相互に対向する一対の起立面部2Aに、支持体4の移動を案内するレール溝21、22を設けている。本実施形態では、各起立面部2Aに、その高さ方向に所定ピッチ離間し且つ相互に平行をなしてベース2の長手方向に沿って延伸する上方側レール溝21、下方側レール溝22を形成している。
【0016】
なお、ベース2の上面部2Bには、図示しないオプション部材を移動案内するレール溝23を設けている。
【0017】
これら各レール溝21、22、23は、それぞれベース2の一端から他端に亘って形成されている。また、ベース2の両端部にはそれぞれエンドキャップ2Cを着脱可能に装着している(図1参照、なお、図1以外の図面(図3等)ではエンドキャップ2Cを取り外した状態のベース2を示している)。
【0018】
ベース支持体3は、図1に示すように、各ベース2の両端部をそれぞれ支持するものである。
【0019】
支持体4は、図2及び図5等に示すように、天板5を支持する支持体本体41と、前記レール溝21、22に沿ってスライド移動可能なスライド装置42とを備えたものである。なお、以下の説明において、支持体4におけるベース2側を後方とし、反ベース2側を前方とする。また、図5に示すx―x線は、図1に示すx―x線と略重複し得るものであり、図1に示すx―x線断面の模式図である図2は、図5に示すx―x線断面の模式図でもある。
【0020】
支持体本体41は、天板5の一端部側の所定領域を下方から支持し得るものである。本実施形態に係る支持体本体41は、一対の対向フレーム41aと、各対向フレーム41aのうち反ベース2側の端部同士を接続する単一の前フレーム41bと、各対向フレーム41aのうちベース2側の端部同士を、後述するベースカバー体425を介して接続する単一の後フレーム41cとを備えてなり、これら各フレーム41a、41b、41cを一体的に剛結したフレーム構造体である。また、対をなす対向フレーム41a間に前中間フレーム41d、後中間フレーム41eを一体的に剛結している。
【0021】
スライド装置42は、図3〜図5等に示すように、スライダベース421と、上方側レール溝21の開口側起立壁21aに添接し得る上方側転動体422と、下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに添接し得る下方側転動体423と、上方側レール溝21の内壁のうち底壁21bに添接し得る補助転動体424とを備えている。これら各補助転動体422、423、424はそれぞれスライダベース421に保持されている。
【0022】
スライダベース421は、ベース2の起立面2Aに対向し得る起立片421aと、起立片421aの上縁部、下縁部からそれぞれ後方(ベース2側)に向かって延びる上片421b及び下片421cとを備えたものである。
【0023】
また、スライダベース421の両端部近傍部位にベースカバー体425を設けている。各ベースカバー体425は、スライド装置42、ひいては支持体4全体がレール溝21、22の長手方向に直交する方向に抜け落ちることを防止する抜止体426をも被覆し得るものである。抜止体426は、スライダベース421の両端部近傍部位に設けられ、上方側レール溝21、下方側レール溝22に挿入可能な第1抜止部426a(図3参照)、第2抜止部426b(図4参照)を先端部に有するものである。そして、この抜止体426のうち、第1抜止部426a、第2抜止部426b以外の略全部位がベースカバー体425に被覆されている。
【0024】
上方側転動体422及びは、図3及び図5に示すように、スライダベース421のうち上片421bの両端部近傍に鉛直軸回りに転動可能に設けたものである。
【0025】
下方側転動体423は、図3及び図4に示すように、スライダベース421のうち下片421cの両端部近傍に鉛直軸回りに転動可能に設けたものである。
【0026】
補助転動体424は、図3及び図5に示すように、スライダベース421のうち上片421bの両端部近傍に水平軸回りに転動可能に設けたものである。
【0027】
本実施形態では、これら各転動体422、423、424が、それぞれ各レール溝21、22内に設けた添接板を介して各レール溝21、22の各壁21a、22b、21bに添接するように設定している。
【0028】
また、本実施形態に係る支持体4は、各転動体422、423、424の転動動作を規制し得るブレーキ体44を備えている。
【0029】
ブレーキ体44は、図4〜図6(図6は図5のy領域拡大図である)に示すように、上面部及び下面部に対をなすテーパ面441、442を設け、先端部に向かって漸次高さ寸法が小さくなるように設定したものである。このブレーキ体44は、ベース2の長手方向に沿って延伸する帯状のものであり、本実施形態では、弾性を有する素材(例えばクロロプレンを主体とする合成ゴム)から成形している。ブレーキ体44は、図4に示すように、テーパ面441、442をくさび作用によって下方側レール溝22に圧接可能な圧接位置(44A)と、図7に示すように、テーパ面441、442を下方側レール溝22に圧接させない非圧接位置(44B)との間で移動可能なものである。
【0030】
そして、本実施形態に係る支持体4は、ブレーキ体44を圧接位置(44A)に位置付けてベース2に対するスライド移動を規制する移動規制状態(45A)と、ブレーキ体44を非圧接位置(44B)に位置付けてベース2に対するスライド移動を許容する移動許容状態(45B)との間で切替可能な切替機構45を備えている。
【0031】
切替機構45は、図3〜図5等に示すように、ブレーキ体44を保持した状態で、支持体本体41及びスライド装置42に対して、ベース2の長手方向(支持体4のスライド方向)に略直交する方向に相対移動可能なブレーキ体保持部451と、ブレーキ体保持部451を移動させる操作を行うための操作レバー452とを備えたものである。
【0032】
ブレーキ体保持部451は、相対的にベース2側に配される後リンク4511と、相対的に反ベース2側に配される前リンク4512とを相互に組み付けたものであり、後リンク4511の後端部(ベース2側の端部)にブレーキ体44を保持するものである。
【0033】
後リンク4511は、図6等に示すように、底面部4511aと、底面部4511aの後端部を上方に屈曲させ、ブレーキ体44が添接可能な添接片4511bと、底面部4511aの両側縁部からそれぞれ起立し上端部を前方に延伸させた一対の対向起立片4511cとを備えたものである。また、底面部4511aに形成した前後方向に延びる長孔4511dに下方から挿入したボルトB1を、前記スライダベース421の下片421cに形成したネジ孔に螺合することによって、後リンク4511と、スライダベース421とを相互に組み付けている(図5参照)。そして、後リンク4511が長孔4511dの開口寸法内でスライド装置42に対して相対移動し得るように設定している。
【0034】
ブレーキ体保持部451は、さらに、ブレーキ体44の先端部に添接可能な当て板4513を備え、後リンク4511の添接片4511bと、当て板4513との間にブレーキ体44を挟持した状態で、当て板4513及びブレーキ体44にそれぞれ形成した貫通孔に挿入したボルトB2を添接片4511bのネジ孔に螺合することにより、このブレーキ体保持部451にブレーキ体44を一体的に取り付けている(図4参照)。なお、前記スライダベース421の下片421cのうち左右巾方向中央部位に、これら後リンク4511の先端部、ブレーキ体44及び当て板4513との干渉を回避するための切欠421eを形成している(図4参照)。
【0035】
一方、前リンク4512は、上面部4512aと、上面部4512aの後端部側の両側縁部から垂下させて、後リンク4511の対向起立片4511cの上端部と接続可能な接続片4512bと、上面部4512aの中央部位の両側縁部から垂下し、支持体本体41の前中間フレーム41dと後中間フレーム41eとの間に架け渡されたガイドレール461にガイドされ得る被ガイド片4512cとを備えたものである。上面部4512aの中央部位には、後述する旋回機構7及び旋回機構受け部43との干渉を回避するための開口部4512dを形成している(図5参照)。また、各接続片4512bの内向面にそれぞれ板ナット4512eを溶接等により固着し、この板ナット4512eに、後リンク4511の対向起立片4511c側から差し込んだボルトB3を螺着することにより、後リンク4511と前リンク4512とを一体的に組み付けている。
【0036】
このように、後リンク4511と前リンク4512とを一体的に組み付けてなるブレーキ体保持部451は、全体として比較的大型な構造体となり、このようなブレーキ体保持部451は、図5及び図8に示すように、相対的にベース2側に位置付けられる第1保持位置(451A)と、相対的に反ベース2側に位置付けられる第2保持位置(451B)との間で略直線的な移動軌跡に沿って往復動するものとなる。そして、ブレーキ体保持部451が第1保持位置(451A)に位置付けられている場合、ブレーキ体44が前記圧接位置(44A)に位置付けられ(図4〜図6参照)、ブレーキ体保持部451が第2保持位置(451B)に位置付けられている場合、ブレーキ体44は前記非圧接位置(44B)に位置付けられる(図7〜図9参照)。
【0037】
操作レバー452は、図5及び図8に示すように、ブレーキ体保持部451の前端部近傍に設けられ、操作端4521に対して所定の操作力を付与することによって、ブレーキ体44を圧接位置(44A)に位置付けた場合にとるロック位置(452A)と、ブレーキ体44を非圧接位置(44B)に位置付けた場合にとる非ロック位置(452B)との間で移動可能なものである。
【0038】
各操作レバー452は、反操作端である基端部4522を、前リンク4512の反ベース2側の左右巾方向中央部位に設けたナット体N1にボルトB4を螺合する(図3参照)とともに、基端部4522から所定距離離間させた部位に形成した屈曲部4523に挿入したボルトB5を、前記支持体本体41の前フレーム41bに一体的に設けた操作レバー受け部41fのナット体N2に螺合したものである(図3参照)。各操作レバー452は、基端部4522同士が相互に厚み方向に重なり合うように、基端部4522と屈曲部4523との境界部位近傍に段部4524を設けている。そして、各操作レバー452の基端部4522にそれぞれ長孔452aを形成し、これら長孔452aに挿入した共通のボルトB4をブレーキ体保持部451に設けたナット体N1に螺合し、何れか一方の操作端4521に操作力を付与すると、各操作レバー452が屈曲部4523に設けたボルトB5を支点に回動し、ブレーキ体保持部451の進退動作と共にボルトB4が長孔452aにガイドされながら進退動作するように設定している。なお、操作端4521に、他の部位よりも下方に延出させ、使用者の指が引っ掛け可能な引っ掛け部を有する操作端カバー452cを取り付けている。
【0039】
また、本実施形態に係る支持体4は、ブレーキ体44を圧接位置(44A)に向かって付勢する付勢手段たるバネ48と、切替機構45を移動規制状態(45A)から移動許容状態(45B)に切り替えた場合に、バネ48の付勢力に抗してブレーキ体44を非圧接位置(44B)に保持するための非圧接位置保持手段49とを備えている。
【0040】
バネ48は、一端部を、ブレーキ体保持部451のうち底面部4511aの前端部から上方に起立する立ち上がり片4511eの両側端部に形成した第1引っ掛け孔4511fに引っ掛けるとともに、他端部を、スライダベース421のうち前記立ち上がり片4511eの両端部にそれぞれ対向する部位に形成した第2引っ掛け孔421fに引っ掛けたものである。
【0041】
非圧接位置保持手段49は、図3及び図5に示すように、ブレーキ体保持部451と支持体本体41との間に設けたラッチ装置491を用いたものである。ラッチ装置491は、ブレーキ体保持部451の前リンク4512のうち、前記上面部4512aの下向面に、ラッチ保持板491cを介して設けられ内部に第1係合対象部、第2係合対象部(図示省略)を有するハウジング491bと、支持体本体41のうち前中間フレーム41dに設けられ、ハウジング491b内に挿入して第1係合対象部又は第2係合対象部に係合可能なラッチ爪491aとを備えたものである。本実施形態では、ラッチ装置491として、いわゆるプッシュラッチ装置を適用している。
【0042】
このような支持体4を備えたデスク1は、支持体4をベース2に対してスライド移動させることによって、支持体4に支持された天板5もベース2に対して相対移動させることが可能である。
【0043】
すなわち、ベース2に対する天板5の相対位置を変更する場合には、使用者は、前記ロック位置(452A)にある各操作レバー452のうち、何れか一方の操作レバー452の操作端4521に指を掛けて、手前(使用者側)に引く操作力を付与して切替機構45を移動規制状態(45A)から移動許容状態(45B)に切り替える。すると、各操作レバー452の基端部4522に接続されたブレーキ体保持部451が、前記被ガイド片4512cをガイドレール本体461bに案内させながら第1保持位置(451A)から第2保持位置(451B)へ移動する。その結果、図7〜図9に示すように、ブレーキ体保持部451に保持されたブレーキ体44が非圧接位置(44B)に位置付けられる。この状態で、前記非圧接位置保持手段49のラッチ装置491により、ブレーキ体保持部451が前記バネ48の付勢力に抗して第2保持位置(451B)に保持される。
【0044】
このようにして、切替機構45を移動規制状態(45A)から移動許容状態(45B)に切り替えることにより、レール溝21、22に添接させた転動体232、233、236の転動動作が許容され、支持体4と共に天板5をベース2に対して平行移動させることが可能となる。
【0045】
他方、切替機構45を移動許容状態(45B)から移動規制状態(45A)に切り替えて、ベース2に対する支持体4及び天板5のスライド移動を規制する場合、使用者は、前記非ロック位置(452B)にある各操作レバー452のうち、何れか一方の操作レバー452の操作端4521に指を掛けて、手前(使用者側)に引く操作力を付与する。この操作により、ラッチ装置491のラッチ爪491aの係合状態が一旦解除され、バネ48の弾性復帰力により、ブレーキ体保持部451が、前記被ガイド片4512cをガイドレール本体461bに案内させながら第2保持位置(451B)から第1保持位置(451A)へ移動する。その結果、図4〜図6に示すように、ブレーキ体保持部451に保持されたブレーキ体44が圧接位置(44A)に位置付けられ、ベース2に対する支持体4、ひいては天板5のスライド移動が規制される。
【0046】
このようにして、切替機構45を移動許容状態(45B)から移動規制状態(45A)に切り替えることにより、ベース2に対する支持体4、ひいては天板5の平行移動を規制することが可能となる。
【0047】
天板5は、図2及び図5等に示すように、支持体4に水平旋回可能に支持された例えば平面視略ひょうたん形(中央部が括れた楕円形状)をなすものであり、本実施形態では比較的大型のものを適用している。天板5の最大長手寸法をベース2の長手寸法と略同一又は若干小さく設定している。この天板5と支持体4との間に旋回機構7を設けている(図3参照)。
【0048】
旋回機構7は、いわゆるスラストベアリングを用いたものである。本実施形態では、天板5側に配される第1ベアリング要素71と、支持体4側に配される第2ベアリング要素72と、これらベアリング要素71、72間に介在させた図示しない回転台とを備えたものを適用している。そして回転台の回転動作を利用して支持体4に対する天板5の旋回移動を可能にしている。支持体4には、旋回機構7を支持する旋回機構受け部43を設けている。なお、第1ベアリング要素71、第2ベアリング要素72はそれぞれ図示しないボルトによってそれぞれ天板5、旋回機構受け部43に取り付けられている。また、図5及び図8では旋回機構7を省略している。
【0049】
旋回機構受け部43は、前記支持体本体41の前中間フレーム41dと後中間フレーム41eとの間に架け渡したものであり、平板状の旋回機構受け部本体431と、旋回機構受け部本体431の前縁部、後縁部からそれぞれ起立させ且つ上端部を前中間フレーム41d、後中間フレーム41eの各上面部に載置し得る方向に屈曲させた一対の引っ掛け片432と、旋回機構受け部本体431の両側端縁からそれぞれ起立させた起立片433とを備えたものである。そして、各引っ掛け片432を前中間フレーム41d、後中間フレーム41eの各上面部に載置した状態でボルトB6、B7によって固定している。この旋回機構受け部43は、支持体本体41の一部としても機能し、旋回機構7を介して天板5を支持している。
【0050】
天板5の他端部を支持する脚体6は、脚本体61と、脚本体61の下端部に設けた移動体62(図示例ではキャスタ)とを備えたものである。そして、脚体6にアジャスタ機能を設け、天板5のレベル調整を行えるようにしている。また、脚体6は、移動体62の移動をロックするためのロック手段(図示省略)を備え、このロック手段を利用して移動体62の移動をロックすることにより、支持体4に対する天板5の旋回を規制し得るようにしている。
【0051】
しかして、本実施形態に係るデスク1は、図3及び図8等に示すように、支持体4と天板5との間、より具体的には旋回機構受け部43と旋回機構7との間に、脚体6の移動体62が接地する床面Fの不陸により天板5が支持体4に対して傾いた場合、換言すれば支持体4に対する天板5の側面視上の相対角度が変化した場合に、不陸の量(大きさ)に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収する弾性体8を設けている。
【0052】
弾性体8は、支持体4のうち旋回機構受け部43に支持され、所定の厚み寸法を有する概略面板状のものである。本実施形態では、弾性体8として、例えばクロロプレンを主体とする合成ゴムから成形した7ミリ厚のものを適用している。この弾性体8は、その平面視寸法(平面視形状)を、旋回機構受け部43の旋回機構受け部本体431に載置した状態で旋回機構受け部43の引っ掛け片432及び起立片433との間に隙間が形成される寸法(形状)に設定したものであり、この隙間によって変形代を確保している。本実施形態の弾性体8は、コーナー部にアールを設けた平面視略正方形状をなしている。また、弾性体8の平面視における中央部を、天板5の旋回中心、つまり旋回機構7の回転台の回転中心と略一致させている。弾性体8の上面部は、旋回機構7のうち前記支持体側ベアリング要素72の下面部と略密着している。なお、弾性体8の中央部位に旋回機構8の一部を収容するための開口部8aを形成するとともに、各コーナー部近傍に、旋回機構受け部43に対する弾性体8の相対位置を位置決めるための位置決め用部8bを形成している。本実施形態では位置決め部8bとして貫通孔を適用している。
【0053】
このような弾性体8を支持体4と天板5との間に介在させたデスク1は、天板5を支持体4とともにベース2に対して平行移動させる過程又は平行移動させた前後、或いは天板5を支持体4に対して旋回移動させる過程又は旋回移動させた前後において、床面Fの不陸により天板5が支持体4に対して傾いた場合、図10及び図11に示すように、弾性体8が、天板5の傾き具合に応じて押し広げられるように弾性変形し、不陸を吸収する。また、天旋5が支持体4に対して傾いた姿勢から通常姿勢であるレベル姿勢に戻った場合(使用者自身が脚体6のアジャスタ機能を利用してレベル姿勢に戻した場合も含む)、弾性体8は弾性復帰して元の形状に戻る。
【0054】
このように、本実施形態に係るデスク1は、支持体4と天板5との間に、床面Fの不陸によって、天板5が支持体4に対して傾動した場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体8を設けているため、極めて簡単な構造でありながら、脚体6の下端部が接地する床面Fの不陸を好適に吸収し、ベース2に対する天板5の平行移動及び支持体4に対する天板5の旋回移動をスムーズに行うことができるとともに、支持体4と天板5との接合部位に両部材4、5を変形させ得るような無理な力が作用することを回避できる。しかも、弾性体8が不陸の量に対応した分だけ弾性変形するものであり、またその弾性復帰力により、支持体4に対する天板5の激しく早い相対角度変化にも柔軟に対応することができ、追従性に優れたものとなる。
【0055】
加えて、弾性体8が概略面板状のものであるため、支持体4に対する天板5の傾斜角度に応じて面板状の弾性体8全体が3次元的に変形することによりさらなる追従性の向上を図ることができるとともに、天板5を支持する領域を有効に稼ぐことができ、天板5の支持状態も安定したものとなる。
【0056】
さらに、支持体4と天板5との間に、支持体4に対して天板5を水平旋回させるための旋回機構7を設けるとともに、支持体4に旋回機構7を支持する旋回機構受け部43を設け、弾性体8を旋回機構7と旋回機構受け部43との間に介在させているため、特に天板5を支持体4に対して旋回移動させる過程又はその旋回移動させた前後において床面Fの不陸により天板5が支持体4に対して傾いた場合であっても、弾性体8の弾性変形によりその不陸を好適に吸収することができる。
【0057】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0058】
例えば、支持体と天板との間に弾性体を複数設けても構わない。また、弾性体として、面板状のものでなく、ブロック状、又は短冊状のものを適用してもよい。弾性体の平面視形状を円形や菱形等、種々の形状に設定してもよい。角柱状や円柱状をなす弾性体を用いても構わない。厚み寸法や素材も適宜変更しても構わない。
【0059】
さらに、弾性体として、バネを適用してもよい。
【0060】
また、天板が支持体とともにベースに対して平行移動可能なものである場合には、天板が支持体に対して旋回移動不能なものであってもよく、天板が支持体に対して旋回移動可能なものである場合には、天板がベースに対して平行移動不能なものであってもよい。
【0061】
脚体として、下端部に移動体を設けていないものを適用してもよい。この場合、天板を移動させるには、脚体の下端が床面から浮上する位置まで天板を持ち上げた状態で移動させればよい。天板を持ち上げることによって天板が支持体に対して傾くが、この傾斜角度に応じて弾性体が弾性変形することにより、天板と支持体との間に無理な力が作用することを回避できる。
【0062】
また、天板として、平面視形状が、円形状の、楕円形、多角形状、L字状、T字状、矩形状(正方形状含む)、或いは一端部側が多角形状をなし他端部側が部分円弧状をなすもの等、種々の形状のものを適用してもよい。
【0063】
また、本発明に係る支持体と、天板とを備えた天板付き家具としては、前記実施形態で示したデスクの他に、ダイニング等で使用可能なテーブルが挙げられる。
【0064】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスクの全体概略図。
【図2】図1におけるx―x線断面を一部省略して示す図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】図3のさらに要部拡大図。
【図5】同実施形態に係るデスクを一部省略して示す平面図。
【図6】図5のy領域拡大図。
【図7】同実施形態においてブレーキ体を非圧接位置に位置付けた状態を図4に対応させて示す図。
【図8】同実施形態においてブレーキ体を非圧接位置に位置付けた状態を図5に対応させて示す図。
【図9】同実施形態においてブレーキ体を非圧接位置に位置付けた状態を図6に対応させて示す図。
【図10】同実施形態において弾性体によって不陸を吸収している状態を図2に対向させて示す図。
【図11】作用説明図。
【符号の説明】
【0066】
1…天板付き家具(デスク)
2…ベース
4…支持体
43…旋回機構受け部
5…天板
6…脚体
7…旋回機構
8…弾性体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延伸するベースと、
当該ベースの延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体と、
一端部が前記支持体に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、
前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体とを具備してなることを特徴とする天板付き家具。
【請求項2】
ベースと、
当該ベースに支持された支持体と、
一端部が前記支持体に水平旋回可能に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、
前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体とを具備してなることを特徴とする天板付き家具。
【請求項3】
前記弾性体が概略面板状のものである請求項1又は2記載の天板付き家具。
【請求項4】
前記支持体と前記天板との間に、前記支持体に対して前記天板を水平旋回させるための旋回機構を設け、
前記支持体に前記旋回機構を支持する旋回機構受け部を設け、
前記弾性体を前記旋回機構と前記旋回機構受け部との間に介在させている請求項1、2又は3記載の天板付き家具。
【請求項1】
所定方向に延伸するベースと、
当該ベースの延伸方向に沿って平行移動自在に支持された支持体と、
一端部が前記支持体に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、
前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体とを具備してなることを特徴とする天板付き家具。
【請求項2】
ベースと、
当該ベースに支持された支持体と、
一端部が前記支持体に水平旋回可能に支持され且つ他端部が脚体に支持された天板と、
前記支持体と前記天板との間に設けられ、床面の不陸によって前記天板が前記支持体に対して傾いた場合に、不陸の量に対応した分だけ弾性変形することによって不陸を吸収可能な弾性体とを具備してなることを特徴とする天板付き家具。
【請求項3】
前記弾性体が概略面板状のものである請求項1又は2記載の天板付き家具。
【請求項4】
前記支持体と前記天板との間に、前記支持体に対して前記天板を水平旋回させるための旋回機構を設け、
前記支持体に前記旋回機構を支持する旋回機構受け部を設け、
前記弾性体を前記旋回機構と前記旋回機構受け部との間に介在させている請求項1、2又は3記載の天板付き家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−11338(P2009−11338A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172884(P2007−172884)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
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