説明

太陽エネルギー貯蔵熱ダム

【課題】太陽エネルギーを大地に熱エネルギーにして溜め込む熱ダムを施工しやすく、修理管理しやすくする。地中深くに埋めてしまう、底面の部分が、施工、維持管理とも非常に難しい。
【解決手段】斜面と垂直面だけで構成し、底面の部分をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽エネルギー貯蔵用の大地利用熱ダムの形状に関する。
【背景技術】
【0002】
当出願人による熱ダムは立方体や円柱のような形状に大地を断熱壁で囲むということを想定していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地中深くにある底面にあたる部分の施工工事が大変であり、造ったあとの修理等に関しては、実際上不可能に近いものがあった。また大地からくる重圧も大きく、断熱壁もつぶされないよう大きな強度が要求されていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
対向する2つの斜面状に掘り込み、下部で連結する形にすると、底面にあたる部分がなくなる。三角柱を横倒しにし、とがった部分を下にして、地中に埋めたような形である。鋼材の板も、大きくなると自重でしなるため、これは円柱を半分に切り取って埋めたような形でも、同じである。
【発明の効果】
【0005】
施工、修理、管理が極めて容易、建設コストも大幅に下がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
三角形の一辺の長さが50m、横の長さも50m程度のもので説明する。断熱壁を構成する2枚の鉄板の間隔は、人が滑り込める最小の間隔の約30cm。多数の箇所で、間伐材丸太を30cmの長さに切ったもので保持する。ここを金属にすると、熱が逃げやすい。この強度は土からかかる重量を十分支えきれる強さにする。斜面が急であるとこの重量は大幅に下がる。両端の垂直壁の部分は流動性のある液体のような土壌でない場合、ほとんど力がかからないが、念のため同様に造る。丸太の支えは鉄板に何らかの形状の突起物をつければ簡単に出来る。
鉄板の間の空間には、断熱材を施工、又は真空状態にする。アルミシートなどの反射材も入れる。これは隙間全体に入れる必要はない。間隔30cmとしたのは、横になって人が入れるようにするためで、本来なら数cmでも構わないからである。
工事の人や、ロボット、工具、資材等は、すべてロープで吊ってすべり入れる。
熱ダムの形状は半球、四角錐などもあるが、すこし造りづらい。
人が入り込む必要なく作ることの出来る、斜面の長さ10m未満程度の熱ダムの場合は、幅10cmほどに斜め穴を土が崩れてこない程度の幅と角度で掘り、順次補強枠、断熱材などを、滑りいれるようにして作ることが出来る。ブル1日でほれるような大きさの場合における斜面壁の利点は、断熱材などの出し入れが、後から簡単に出来ると言うことにとどまる。
熱ダムを造るのに、全体を掘り起こすという方法は、例えば地表部分が3m四方のものが1日のブルで出来るとしても、30m四方になっただけで、1000日もかかってしまうと言うことになり、きわめて不利である。大容積のほとんどには全く手をつけず、境界面だけの施工と言うことが、大規模の場合、いかに経済的に重要かこれで認識できると思う。
断熱壁内側にかなりの隙間を設ける場合、そこを利用して、熱気や、蒸気を送り、暖めると言う方法も、考えられるが多少の難点がある。地中の熱交換は左右から斜めに掘り込んで、最下部で連通させた多数の小トンネル内を空気を循環させることで行うと良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大地の一定部分を、人工的断熱層で、熱的に遮断する方法において、地中の部分が斜面、垂直面の断熱壁だけで構成されていることを特徴とする太陽エネルギー貯蔵用の熱ダム。

【公開番号】特開2010−249489(P2010−249489A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119245(P2009−119245)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(599003198)
【Fターム(参考)】