説明

太陽光発電システム

【課題】船舶に搭載され、かつ船内の発電機および陸上の電源のいずれとも正常に連系運転を行なうことのできる太陽光発電システムを提供する。
【解決手段】太陽光発電システム1は、太陽光を受光して発電する発電部62と、発電部62で発生した電力を船舶の電力系統に出力するパワーコンディショナ58とを備え、船舶の電力系統に連系する。パワーコンディショナ58は、電力系統における電圧または周波数の変動に基づいて、発電部62が単独運転になったことを検出するための第1の単独運転検出手段と、船舶に搭載された発電機10,14および太陽光発電システム1の電力系統への連系時には、第1の単独運転検出手段を無効とし、かつ、発電機10,14の連系/非連系を示す信号に基づいて、発電部62が単独運転となったことを検出するための第2の単独運転検出手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽光発電システムに関し、より特定的には、船舶などの移動体に搭載され、該移動体の電力系統に連系する太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶などの移動体においては、ディーゼル機関等の発電用機関の大型化、台数増大による環境への影響を配慮して、給電設備に太陽光発電を利用したものがある。
【0003】
たとえば特開2002−315195号公報(特許文献1)には、主発電機により発電された電力が給電される船舶の主給電系統に太陽光発電装置が組み込まれ、特定の電力負荷が接続される特定の分電盤に、主発電機からの電力と太陽光発電装置からの電力とが並列に接続されて供給されることを特徴とする船舶用太陽光発電利用給電設備が開示される。この特許文献1の給電設備では、太陽光発電装置の発電電力を常時全て利用することで、主給電系統の主発電機の発電負荷が減じられるため、ディーゼル機関等の燃料消費が低減する。また、太陽光発電装置の発電電力が不足するときには、主給電系統からの給電によって自動的に補われるため、電力負荷側に支障が生じることがない。
【0004】
また、環境に配慮した船舶への給電システムとして、近年では、船舶の接岸停泊時には、船舶の発電機を止めて陸上から給電することが行なわれている。たとえば特開2008−178228号公報(特許文献2)では、船内の発電機からの給電から陸上の電力に切換える場合には、船内の発電機の電源と陸上からの供給される電源とで電圧、周波数および位相を合わせて(すなわち、同期調整をして)切換えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−315195号公報
【特許文献2】特開2008−178228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太陽光発電システムは、一般に、太陽電池と、太陽電池からの発電電力を集電する接続箱と、接続箱と電力系統(商用電力系統)との間に配置されるパワーコンディショナとを含んで構成される。パワーコンディショナは、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換するためのインバータを備えており、太陽電池で発電された直流電力を交流電力に変換し、商用電力系統に連系して並列運転を行なっている。
【0007】
ここで、パワーコンディショナは、停電等で商用電力系統に異常がある場合には、インバータが単独で運転する状態(単独運転)を回避するために、太陽光発電システム側で速やかに単独運転を検出して、電力変換を停止させる手段がとられている(単独運転検出機能)。太陽光発電は、日照条件による発電電力の不足分を商用電力系統が補完することで安定した運転が可能であり、かつ、無効電力を供給できないことから、商用電力系統が停電した場合には即座にパワーコンディショナの出力を停止させる必要があるためである。
【0008】
このような単独運転を検出するための手法としては、受動的方式と能動的方式とがある。一般的に受動的方式には、系統の電圧位相の急変を検出する電圧位相跳躍検出方式などがある。電力系統に連系するパワーコンディショナは、常時力率(皮相電力に対する有効電力の比)が1.0近傍で運転されるため、電圧と電流とが略同位相であって有効電力のみを供給するところ、単独運転状態では、負荷の力率(船舶の場合は、約0.8)がパワーコンディショナの力率になるため、電圧位相が急変してしまう。このときの電圧位相の急変を検出するのが、電圧位相跳躍検出方式である。
【0009】
一方、能動的方式には、出力電圧に周波数バイアスを周期的に与える周波数シフト方式などがある。周波数シフト方式は、系統周波数に対して一定周期でパワーコンディショナの出力周波数をシフトさせ、系統周波数に変化があればシフト方向を固定し、系統周波数の変化が一定時間以上継続すれば、インバータの単独運転状態と判断して、ゲートブロックおよび連系リレーを解列する制御方式である。
【0010】
ここで、上述したように、太陽光発電システムを船舶の給電設備に利用する場合には、船舶の電力系統に発電機および太陽光発電装置を連系して、発電機および太陽光発電装置を常時並列運転させることになる。この場合においても、停電等で発電機に異常が生じたときには、太陽光発電システム側で単独運転を検出して、速やかにパワーコンディショナの出力を停止させる必要がある。
【0011】
しかしながら、上記のパワーコンディショナは、負荷の力率の変動および周波数の変動が極めて小さい商用電力系統との連系をベースとして、単独運転検出機能についての仕様が設定されている。その一方で、船舶の電力系統は、発電機容量が小さいために、商用電力系統と比較して負荷の力率の変動が大きく、周波数の変動も大きくなってしまう。その結果、商用電力系統に向けられた単独運転検出機能をそのまま適用すると、負荷の力率や周波数の変動を受けて、パワーコンディショナの出力が頻繁に停止するおそれがある。
【0012】
特に、上述した受動的方式および能動的方式のいずれにおいても、船内の電動機の始動/停止時や発電機の投入/遮断時に生じる過渡的な電圧の位相および周波数の変動にパワーコンディショナが追従できず、誤動作する可能性が高くなる。なお、それぞれの方式において単独運転を検出するための閾値を設定可能な最大レベルに変更したとしても、船舶特有の位相および周波数の変動による誤動作を確実に抑制することは困難である。
【0013】
また、パワーコンディショナは、電力系統の安定度を確保するための保護機能として、上述した単独運転検出機能に加えて、周波数変動保護機能を有している。商用電力系統と連系するパワーコンディショナにおいては、商用電力系統の状態を常時監視し、商用電力系統の電圧および周波数が予め定められた許容範囲を超えて変動することを検出したときには、インバータの出力を停止させることにより、需要家に供給される電力の品質の維持を図っている。
【0014】
しかしながら、上述したように、船舶の電力系統は、商用電力系統と比較して電圧および周波数の変動が大きいことから、商用電力系統に向けて設定された上記の許容範囲に従って電圧および周波数の変動を検出すると、誤検出によって頻繁にインバータが停止してしまう可能性がある。
【0015】
太陽光発電システムを船舶の給電設備に利用するとともに、船舶の接岸停泊時においては、陸上からの給電を可能とするためには、太陽光発電装置および船内の発電機の連系時、および太陽光発電装置および陸上の電源の連系時のいずれにおいても、上述した単独運転検出機能および周波数変動保護機能が正常に実行される必要がある。
【0016】
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、船舶に搭載され、かつ船内の発電機と正常に連系運転を行なうことのできる太陽光発電システムを提供することである。
【0017】
この発明の別の目的は、船舶に搭載され、船内の発電機および陸上の電源のいずれとも正常に連系運転を行なうことのできる太陽光発電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明のある局面に従う太陽光発電システムは、発電機および電力系統を搭載した移動体に搭載され、電力系統に連系する太陽光発電システムである。移動体は、電力系統への発電機の連系/非連系を示す第1の信号を発生するための第1の信号発生手段を含む。太陽光発電システムは、太陽光を受光して発電する発電部と、発電部で発生した電力を電力系統に出力するパワーコンディショナとを備える。パワーコンディショナは、電力系統における電圧または周波数の変動に基づいて、発電部が単独運転になったことを検出するための第1の単独運転検出手段と、発電機および太陽光発電システムの電力系統への連系時には、第1の単独運転検出手段を無効とし、かつ、第1の信号に基づいて、発電部が単独運転となったことを検出するための第2の単独運転検出手段とを含む。
【0019】
好ましくは、パワーコンディショナは、第1の信号の入力を受付けるための信号入力手段をさらに含む。第2の単独運転検出手段は、信号入力手段に発電機の連系を示す第1の信号が入力されたときに、第1の単独運転検出手段を無効とする。
【0020】
好ましくは、第1の単独運転検出手段は、外部電源および太陽光発電システムの電力系統への連系時には、電力系統における電圧または周波数の変動に基づいて、発電部が単独運転になったことを検出する。
【0021】
好ましくは、パワーコンディショナは、外部電源および太陽光発電システムの電力系統への連系時には、電力系統の電圧または周波数の変動が第1の設定範囲を超えたことにより、電力系統への出力を停止するための第1の保護手段と、発電機および太陽光発電システムの電力系統への連系時には、電力系統の電圧または周波数の変動が第1の設定範囲よりも広い第2の設定範囲を超えたことにより、電力系統への出力を停止するための第2の保護手段とをさらに含む。
【0022】
好ましくは、外部電源は、電力系統への外部電源の連系/非連系を示す第2の信号を発生するための第2の信号発生手段を含む。パワーコンディショナは、第1および第2の信号の入力を受付けるための信号入力手段と、信号入力手段に入力される第1および第2の信号に基づいて、第1の保護手段および第2の保護手段のいずれか一方を有効とするための切換手段とをさらに含む。
【0023】
好ましくは、切換手段は、信号入力手段に、少なくとも発電機の連系を示す第1の信号が入力されているときには、第2の保護手段を有効とする。
【0024】
好ましくは、第1の信号は、発電機を電力系統から遮断する遮断器の開閉状態を示す信号を含む。
【0025】
好ましくは、遮断器の開閉状態を示す信号は、遮断器の補助接点信号を含む。
好ましくは、第1の信号は、発電機を電力系統から遮断する遮断器の開閉状態を示す信号を含む。第2の信号は、外部電源を電力系統から遮断する遮断器の開閉状態を示す信号を含む。
【0026】
好ましくは、遮断器の開閉状態を示す信号は、遮断器の補助接点信号を含む。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、船舶に搭載された太陽光発電システムは、船内の発電機および陸上の電源のいずれとも正常に連系運転を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施の形態による太陽光発電システムが適用される移動体の電力系統を説明する概略ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態に従うパワーコンディショナの概略構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に従うパワーコンディショナの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に従うパワーコンディショナの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施の形態に従うパワーコンディショナの動作を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態に従うパワーコンディショナの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0030】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態による太陽光発電システムが適用される移動体の電力系統を説明する概略ブロック図である。
【0031】
図1を参照して、この発明の実施の形態に従う移動体は、代表的に船舶であり、後述するように船舶の電力系統の電源として、発電機10,14と、太陽光発電システム1とを搭載し、これらを並列運転させることによって負荷20に電力を供給する。
【0032】
さらに、船舶は、船舶の接岸停泊時においては、発電機10,14の運転を停止させて、陸上の商用電源(以下、「陸上電源」とも記す)70からの給電が可能である。この場合、外部電源である陸上電源に太陽光発電システム1を連系して、陸上電源70および太陽光発電装置50を並列運転させることにより負荷20に電力を供給する。すなわち、この発明の実施の形態に従う太陽光発電システム1は、船内の発電機10,14との連系運転を行なうモードと、陸上電源70との連系運転を行なうモードとを切換えることが可能である。
【0033】
図1において、船舶の電力系統は、電源としての発電機10,14および太陽光発電システム1と、主配電盤40と、船内の照明および電子機器等の負荷20と、推進補機負荷30とを備える。
【0034】
主配電盤40では、発電機10,14は、遮断器12,16を介して主配線(母線)42に接続されている。主配電盤40は、発電機10,14が発電した電力を主配線42を通じて受電し、受電した電力を負荷20および推進補機負荷30に配電する。
【0035】
推進補機負荷30は、たとえばバウスラスタからなる。バウスラスタとは、船体の船首部の水面下となる部分に配設され、左右舷方向に推力を発生することによって船体の向きを変えさせるものである。
【0036】
負荷20は、配線24および遮断器22を介して主配線42に接続される。推進補機負荷30は、電力回線34および遮断器32を介して主配線42に接続される。電力回線34上には、昇圧用変圧器36が設けられている。遮断器22,32および遮断器12,16は、主配電盤40内に配置されている。
【0037】
船舶は、陸上電源70からの電力を受電するシステムとして、陸上電源70からの電力を供給するための電力回線76をさらに備える。電力回線76は、遮断器72を介して主配線42に接続される。電力回線76上には、電力回線76の電力を遮断するための受電用配電盤78と、変圧器74とが設けられている。
【0038】
以上の構成において、船内の発電機10,14による給電から陸上電源70による給電に切換える場合には、発電機10,14から供給される電力と陸上電源70から供給される電力との間で、電圧、周波数および位相を一致させる、いわゆる同期調整が行なわれる。そして、同期調整を行なった後に、陸上電源70からの給電に切換えられる。切換え後は、陸上電源70からの電力が受電用配電盤78、変圧器74および遮断器72を介して主配線42に供給される。
【0039】
太陽光発電システム1は、船舶に搭載され、船舶の電力系統に連系される。太陽光発電システム1は、図1に示すように、太陽光発電装置50を、電力配線54および遮断器52を介して主配線42に接続することにより構成される。
【0040】
太陽光発電装置50は、パネル状の太陽電池62と、太陽電池62が発電した電力を集電する接続箱60と、太陽電池62が発電した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ58と、パワーコンディショナ58からの交流電力を、主配電盤40の使用電圧に変換するための変圧器56とを含む。
【0041】
この発明の実施の形態に従う太陽光発電システム1において、パワーコンディショナ58は、太陽電池62で発電した直流電力を交流電力に変換して船舶の電力系統に供給する。このとき、パワーコンディショナ58は、船内の発電機10,14からの給電時には、太陽光発電装置50を発電機10,14と連系させる。この場合、発電機10,14および太陽光発電装置50が常時並列運転して負荷20,30に電力を供給する。また、陸上電源70からの給電時には、パワーコンディショナ58は、太陽光発電装置50を陸上電源70と連系させる。この場合、陸上電源70および太陽光発電装置50が常時並列運転して負荷20に電力を供給する。すなわち、パワーコンディショナ58は、発電機10,14および陸上電源70のいずれとも連系することができる。
【0042】
(パワーコンディショナの構成)
以下に、この発明の実施の形態に従うパワーコンディショナ58の構成を、図面を参照して説明する。
【0043】
図2は、この発明の実施の形態に従うパワーコンディショナ58の概略構成図である。
図2を参照して、パワーコンディショナ58は、太陽電池62が発電した直流電力を交流電力に変換するインバータ580と、インバータ580の運転/停止を制御するための制御回路582とを含む。
【0044】
制御回路582は、代表的に、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶部と、入出力インターフェイス部と主体として構成される。そして、制御回路582は、予めROMなどに格納されたプログラムをCPUがRAMに読み出して実行することによって、インバータ580の運転/停止を制御する。
【0045】
制御回路582に入力される情報の一例として、図2には、船内の発電機10,14を電力系統から遮断する遮断器12,16の補助接点からの補助接点信号と、陸上電源70を電力系統から遮断する遮断器72の補助接点からの補助接点信号とを例示する。
【0046】
また、制御回路582は、電力系統の安定度を確保するための保護機能として、単独運転検出機能と、周波数変動保護機能とを有する。単独運転検出機能とは、太陽光発電装置50と並列運転する他の電源(発電機10,14または陸上電源70)の停電時におけるインバータ580の単独運転を検出して、パワーコンディショナ58(インバータ580)の出力を停止させる機能である。周波数変動保護機能とは、船舶の電力系統の電圧および周波数が所定の許容範囲を超えて変動したことを検出して、パワーコンディショナ58の出力を停止させる機能である。
【0047】
(単独運転検出機能)
単独運転検出機能としては、上述したように、受動的方式(電圧位相跳躍検出方式など)と能動的方式(周波数シフト方式など)とがあり、これらの方式のいずれか一方、またはこれらの方式の組合せによって単独運転を検出する手法が、従来より採用されている。かかる手法は、商用電力系統に連系させるパワーコンディショナの標準機能として、パワーコンディショナに装備されている。
【0048】
しかしながら、このような受動的方式または能動的方式を用いた単独運転検出機能は、負荷の力率の変動および周波数の変動が極めて小さい商用電力系統との連系をベースとして、その仕様が設定されている。そのため、商用電力系統と比較して力率および周波数の変動が大きい船舶の電力系統に対して上記の単独運転検出機能をそのまま適用すると、誤って単独運転を検出するといった誤動作が生じていまい、頻繁にパワーコンディショナ58が停止するおそれがある。
【0049】
このような船舶特有の力率および周波数の変動による誤動作を防止するために、制御回路582は、太陽光発電装置50および発電機10,14の連系時には、受動的方式または能動的方式を用いた単独運転検出機能を無効とする。そして、制御回路582は、以下に示す手法によって、インバータ580の単独運転を検出する。
【0050】
具体的には、制御回路582は、発電機10,14と主配線42との間にそれぞれ配された遮断器12,16から、各遮断器の開閉状態を示す信号を受ける。制御回路582はさらに、陸上電源70と主配線42との間に配された遮断器72から、遮断器72の開閉状態を示す信号を受ける。
【0051】
ここで、遮断器12,16は、電流を開閉する主接点と、主接点に連動する補助接点120とを有している。補助接点120は、主接点が閉じたときに閉路し、主接点が開かれたときに開路するa接点(投入接点)と、主接点が閉じたときに開路し、主接点が開かれたときに閉路するb接点(遮断接点)とが含まれる。
【0052】
制御回路582は、遮断器12,16の開閉状態を示す信号として、各遮断器の補助接点120のa接点信号を受ける。a接点信号は、遮断器12,16が開かれたとき、すなわち、発電機10,14が電力系統から解列されたときにL(論理ロー)レベルとなり、遮断器12,16が閉じられたとき、すなわち発電機10,14が電力系統に連系したときにH(論理ハイ)レベルとなる信号である。したがって、制御回路582は、a接点信号に基づいて、発電機10,14が連系しているか否かを判断することができる。
【0053】
以下では、発電機用遮断器12,16のa接点信号のように、発電機10,14の連系/非連系を示す信号を総じて「発電機連系信号」とも称する。発電機連系信号は、a接点信号に限定されるものではなく、たとえば、発電機10,14と主配線42とを結ぶ電力配線上に設けられた電流センサ(図示せず)から発せられるようにしてもよい。
【0054】
遮断器72は、電流を開閉する主接点と、主接点に連動する補助接点720とを有している。制御回路582は、遮断器72の開閉状態を示す信号として、遮断器72の補助接点(a接点とする)720のa接点信号を受ける。a接点信号は、遮断器72が開かれたとき、すなわち、陸上電源70が電力系統から解列されたときにLレベルとなり、遮断器72が閉じられたとき、すなわち陸上電源70が電力系統に連系したときにHレベルとなる信号である。したがって、制御回路582は、a接点信号に基づいて、陸上電源70が連系しているか否かを判断することができる。
【0055】
以下では、陸上電源用遮断器72のa接点信号のように、陸上電源70の連系/非連系を示す信号を総じて「陸上電源連系信号」とも称する。なお、陸上電源連系信号は、a接点信号に限定されるものではなく、たとえば、電力回線76に設けられた電流センサ(図示せず)から発せられるようにしてもよい。
【0056】
制御回路582は、太陽光発電装置50および発電機10,14の連系時には、遮断器12,16の補助接点120から入力される発電機連系信号に基づいて、インバータ580の単独運転を検出する。具体的には、制御回路582は、発電機連系信号がHレベルのときには、発電機10,14が電力系統に連系され、発電機10,14およびインバータ580が並列運転していると判断する。一方、発電機連系信号がLレベルのときには、発電機10,14が電力系統から解列され、インバータ580が単独運転していると判断する。
【0057】
そして、制御回路582は、インバータ580の単独運転を検出すると、インバータ580の電力変換を停止するための制御指令を生成して、インバータ580へ出力する。これにより、インバータ580の出力を停止させる。
【0058】
(周波数変動保護機能)
商用電力系統と連系するパワーコンディショナにおいては、需要家に供給される電力の品質を維持する観点から、商用電力系統の状態を監視し、商用電力系統の電圧および周波数が予め定められた許容範囲を超えて変動することを検出したときには、インバータの出力を停止させることが行なわれている。
【0059】
このときの系統の電圧および周波数の許容範囲は、一般的に、電圧および周波数の定格値に対する百分率で表される。そして、電圧および周波数の少なくとも一方が、所定時間、許容範囲を超えて変動する場合には、電力供給を停止すべく、インバータの出力を停止させる。なお、商用電力系統においては、許容範囲はたとえば(±3%,2秒)に設定されている。
【0060】
しかしながら、上述したように、船舶の電力系統は、商用電力系統と比較して電圧および周波数の変動が大きいことから、商用電力系統に向けて設定された上記の許容範囲に従って電圧および周波数の変動を検出すると、誤検出によって頻繁にインバータが停止してしまう可能性がある。
【0061】
このような船舶特有の電圧および周波数の変動による誤動作を防止するために、制御回路582は、上記の商用電力系統の許容範囲とは異なる許容範囲を別途設けておき、太陽光発電装置50および発電機10,14の連系時には、この別途設けた許容範囲に従って電圧および周波数の変動を監視する。
【0062】
ここで、太陽光発電装置50および発電機10,14の連系時における許容範囲は、上記の商用電力系統の許容範囲(±3%,2秒)よりも広くなるように設定される(たとえば、(±6%,6秒))。なお、以下の説明では、これら2つの許容範囲を区別するために、商用電力系統の許容範囲(±3%,2秒)を「標準設定範囲」とも記し、発電機10,14との連系時の許容範囲(±6%,6秒)を「発電機連系用設定範囲」とも記す。
【0063】
図3は、この発明の実施の形態1に従うパワーコンディショナ58の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0064】
図3を参照して、発電機10,14が運転を開始してから運転を停止するまでの期間(時刻t1〜t3)において、パワーコンディショナ58は、太陽光発電装置50を発電機10,14と連系させる。具体的には、時刻t1において発電機連系信号である遮断器12,16のa接点信号がLレベルからHレベルに変化すると、パワーコンディショナ58の制御回路582は、発電機10,14が船舶の電力系統に連系したと判断し、インバータ580の電力変換を開始するための制御指令を生成してインバータ580へ出力する。これにより、時刻t2において、発電機10,14およびインバータ580の並列運転が開始する。制御回路582は、時刻t3において発電機連系信号がHレベルからLレベルに変化すると、発電機10,14が船舶の電力系統から解列したと判断し、インバータ580の電力変換を停止するための制御指令を生成してインバータ580へ出力する。これにより、時刻t3にてインバータ580の出力が停止する。
【0065】
制御回路582は、発電機10,14およびインバータ580が並列運転する期間(時刻t2〜t3)において、受動的方式または能動的方式を用いた単独運転検出機能(標準機能)を無効とする。そして、制御回路582は、上述した方法によって、発電機連系信号に基づいてインバータ580の単独運転を検出する。
【0066】
また、制御回路582は、この発電機10,14およびインバータ580が並列運転する期間において、周波数変動保護機能として、発電機連系用設定範囲(±6%,6秒)に従って電力系統の電圧および周波数の変動を監視する。
【0067】
このように、本実施の形態においては、太陽光発電装置50が船内の発電機10,14と連系しているときには、パワーコンディショナ58は、受動的方式または能動的方式に基づく単独運転検出機能を無効とするとともに、発電機連系信号に基づいてインバータ580の単独運転を検出する。また、パワーコンディショナ58は、標準設定範囲よりも広くなるように設定された発電機連系用設定範囲に従って、周波数変動保護機能を実行する。これにより、船舶特有の力率および周波数の変動に対して、パワーコンディショナ58が誤動作によって停止するのを防止することができる。
【0068】
[実施の形態2]
この発明の実施の形態に従う太陽光発電システム1は、上述したように、船内の発電機10,14との連系運転を行なうモードと、陸上電源70との連系運転を行なうモードとを切換えることが可能である。本実施の形態2では、これら2つのモードを切換える際のパワーコンディショナ58の動作について、図面を参照して説明する。
【0069】
図4は、この発明の実施の形態2に従うパワーコンディショナ58の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0070】
図4を参照して、発電機10,14が運転を開始してから運転を停止するまでの期間(時刻t1〜t4)において、パワーコンディショナ58は、太陽光発電装置50を発電機10,14と連系させる。また、陸上電源70が運転を開始してから運転を停止するまでの期間(時刻t3〜t6)において、パワーコンディショナ58は、太陽光発電装置50を陸上電源70と連系させる。
【0071】
具体的には、時刻t1において発電機連系信号である遮断器12,16のa接点信号がLレベルからHレベルに変化すると、パワーコンディショナ58の制御回路582は、発電機10,14が船舶の電力系統に連系したと判断し、インバータ580の電力変換を開始するための制御指令を生成してインバータ580へ出力する。これにより、時刻t2において、発電機10,14およびインバータ580の並列運転が開始する。
【0072】
制御回路582は、時刻t3において陸上電源連系信号である遮断器72のa接点信号がLレベルからHレベルに変化すると、陸上電源70が電力系統に連系したと判断する。さらに、時刻t4において発電機連系信号がHレベルからLレベルに変化すると、制御回路582は、発電機10,14が電力系統から解列したと判断する。この時刻t4において、陸上電源70およびインバータ580の並列運転が開始する。
【0073】
なお、発電機10,14による給電から陸上電源70による給電に切換えるときには、所定期間(時刻t3〜t4)発電機10,14および陸上電源70がともに電力系統に連系される。この所定期間において、発電機10,14から供給される電力と陸上電源70から供給される電力との同期調整が行なわれる。
【0074】
同様に、陸上電源70による給電から発電機10,14による給電に切換えるときにおいても、所定時間(時刻t5〜t6)発電機10,14および陸上電源70が電力系統に連系される。
【0075】
制御回路582は、発電機10,14およびインバータ580が並列運転する期間(時刻t2〜t4)において、受動的方式または能動的方式を用いた単独運転検出機能(標準機能)を無効とする。そして、制御回路582は、上述した方法によって、発電機連系信号に基づいてインバータ580の単独運転を検出する。
【0076】
このとき、制御回路582は、発電機10,14が停止した時刻t4から一定期間(図中のΔt)が経過するまで、引き続き単独運転検出機能(標準機能)を無効とする。発電機10,14を解列したときに生じる過渡的な力率および周波数の変動を、インバータ580の単独運転と誤って検出するのを防止するためである。
【0077】
また、制御回路582は、発電機10,14およびインバータ580が並列運転する期間(時刻t2〜t4)において、周波数変動保護機能として、発電機連系用設定範囲(±6%,6秒)に従って電力系統の電圧および周波数の変動を監視する。
【0078】
時刻t4において陸上電源70およびインバータ580の並列運転が開始すると、制御回路582は、周波数変動保護機能として、標準設定範囲(±3%,2秒)に従って電力系統の電圧および周波数の変動を監視する。制御回路582は、さらに、時刻t4から一定期間Δtが経過した時点で、受動的方式または能動的方式を用いた単独運転検出機能(標準機能)を有効とする。したがって、太陽光発電装置50および陸上電源70の連系時には、商用電力系統との連系時における標準機能によって、インバータ580の単独運転が検出されるとともに、周波数変動保護機能が実行される。
【0079】
このように、本実施の形態においては、太陽光発電装置50が船内の発電機10,14と連系しているとき、および太陽光発電装置50が陸上電源70と連系しているときのいずれにおいても、パワーコンディショナ58は、誤動作を起こすことなく、単独運転検出機能および周波数変動保護機能を正常に実行することができる。
【0080】
以上の処理は、図5および図6のような処理フローにまとめることができる。
(フローチャート)
図5および図6は、この発明の実施の形態に従うパワーコンディショナ58の動作を説明するフローチャートである。なお、図5および図6に示すフローチャートは、制御回路582(図2)が記憶部において予め格納したプログラムを実行することで実現できる。
【0081】
図5を参照して、制御回路582は、太陽電池62(図1)が発電を開始したか否かを判断する(ステップS01)。太陽電池62が発電を開始していない場合(ステップS01においてNOの場合)には、制御回路582は、インバータ580(図2)を停止させるための制御指令を生成することにより、パワーコンディショナ(以下、単に「パワコン」とも記す)58の出力を停止させる(ステップS03)。
【0082】
これに対して、太陽電池62が発電を開始した場合(ステップS01においてYESの場合)には、制御回路582は、インバータ580の電力変換を開始させるための制御指令を生成して、インバータ580へ出力する。これにより、パワーコンディショナ58が出力を開始する(ステップS02)。
【0083】
次に、制御回路582は、制御回路582に入力された外部信号が、どのような信号であるかを判断する(ステップS04)。外部信号が陸上電源連系信号のみである場合には、制御回路582は、太陽光発電装置50および陸上電源70が連系していると判断して、単独運転検出機能(ステップS05〜S11)および周波数変動保護機能(ステップS12〜S17)を実行する。
【0084】
詳細には、制御回路582は、単独運転検出機能(標準機能)を有効とする(ステップS05)。したがって、制御回路582は、受動的方式または能動的方式を用いて、陸上電源70が船内の電力系統に連系しているか否かを判断する(ステップS06)。陸上電源70が電力系統に連系している場合(ステップS06において正常の場合)には、処理はステップS06に戻される。
【0085】
一方、陸上電源70が停電等によって電力系統に連系していない場合(ステップS06において異常の場合)には、制御回路582は、インバータ580の単独運転を検出する(ステップS07)。そして、制御回路582は、インバータ580を停止させるための制御指令を生成することにより、パワーコンディショナ58の出力を停止させる(ステップS08)。
【0086】
制御回路582は、パワーコンディショナ58の停止期間中において、受動的方式または能動的方式を用いて、陸上電源70が船内の電力系統に連系しているか否かを判断する(ステップS09)。陸上電源70が停電の継続によって電力系統に連系していない場合(ステップS09において停電継続の場合)には、処理はステップS09に戻される。
【0087】
一方、陸上電源70が電圧復帰等によって再び電力系統に連系した場合(ステップS09において電圧復帰の場合)には、制御回路582は、内蔵するタイマを作動して電圧復帰継続時間を計時する(ステップS10)。そして、電圧復帰継続時間が所定の時間を超えたときには、制御回路582は、インバータ580の電力変換を開始させるための制御指令を生成して、インバータ580へ出力する。これにより、パワーコンディショナ58は出力を再開する(ステップS11)。
【0088】
また、制御回路582は、周波数変動保護機能として、標準設定範囲(±3%,2秒)を有効とする(ステップS12)。制御回路582は、電力系統の電圧および周波数を監視し、電力系統の電圧および周波数の変動が標準設定範囲内であるか否かを判断する(ステップS13)。電力系統の電圧および周波数の変動が標準設定範囲内である場合(ステップS13においてYESの場合)には、処理はステップS13に戻される。
【0089】
一方、電力系統の電圧および周波数が標準設定範囲を超えて変動している場合(ステップS13においてNOの場合)には、制御回路582は、インバータ580を停止させるための制御指令を生成することにより、パワーコンディショナ58の出力を停止させる(ステップS14)。
【0090】
制御回路582は、パワーコンディショナ58の停止期間中において、電力系統の電圧および周波数の変動が標準設定範囲内であるか否かを判断する(ステップS15)。電力系統の電圧および周波数が標準設定範囲を超えて変動している場合(ステップS15においてNOの場合)には、異常が継続していると判断されて、処理はステップS15に戻される。
【0091】
一方、電力系統の電圧および周波数の変動が標準設定範囲内である場合(ステップS15においてYESの場合)には、制御回路582は、電力系統が正常に復帰したと判断し、タイマを作動して正常復帰継続時間を計時する(ステップS16)。そして、正常復帰継続時間が所定の時間を超えたときには、制御回路582は、インバータ580の電力変換を開始させるための制御指令を生成して、インバータ580へ出力する。これにより、パワーコンディショナ58は出力を再開する(ステップS17)。
【0092】
ステップS04において、外部信号が発電機連系信号のみ、または陸上電源連系信号および発電機連系信号の両方である場合には、制御回路582は、太陽光発電装置50および発電機10,14が連系していると判断して、単独運転検出機能(図6のステップS21〜S27)および周波数変動保護機能(図6のステップS28〜S33)を実行する。
【0093】
なお、ステップS04での外部信号が陸上電源連系信号および発電機連系信号の両方である場合とは、発電機10,14からの給電と陸上電源70からの給電とを切換える際に、発電機10,14から供給される電力と陸上電源70から供給される電力との同期調整が行なわれている状態(図4の時刻t3〜t4,時刻t5〜t6に相当)を示す。
【0094】
制御回路582は、単独運転検出機能(標準機能)を無効とし(ステップS21)、発電機連系信号に基づいて、発電機10,14が船内の電力系統に連系しているか否かを判断する。具体的には、制御回路582は、発電機用遮断器12,16から入力されるa接点信号に基づいて、遮断器12,16が開放されているか否かを判断する(ステップS22)。遮断器12,16が投入(閉路)されている場合(ステップS22においてNOの場合)には、処理はステップS22に戻される。
【0095】
一方、遮断器12,16が、手動または過電流等の異常により主接点が引き外されている(開放されている)場合(ステップS22においてYESの場合)には、制御回路582は、インバータ580の単独運転を検出する(ステップS23)。そして、制御回路582は、インバータ580を停止させるための制御指令を生成することにより、パワーコンディショナ58の出力を停止させる(ステップS24)。
【0096】
制御回路582は、パワーコンディショナ58の停止期間中において、発電機用遮断器12,16から入力されるa接点信号に基づいて、遮断器12,16が開放されているか否かを判断する(ステップS25)。遮断器12,16の開放が継続している場合(ステップS25においてNOの場合)には、処理はステップS25に戻される。
【0097】
一方、遮断器12,16が再投入されている場合(ステップS25においてYESの場合)には、制御回路582は、内蔵するタイマを作動して投入継続時間を計時する(ステップS26)。そして、投入継続時間が所定の時間を超えたときには、制御回路582は、インバータ580の電力変換を開始させるための制御指令を生成して、インバータ580へ出力する。これにより、パワーコンディショナ58は出力を再開する(ステップS27)。
【0098】
また、制御回路582は、周波数変動保護機能として、発電機連係用設定範囲(±6%,6秒)を有効とする(ステップS28)。制御回路582は、電力系統の電圧および周波数を監視し、電力系統の電圧および周波数の変動が発電機連系用設定範囲内であるか否かを判断する(ステップS29)。電力系統の電圧および周波数の変動が発電機連系用設定範囲内である場合(ステップS29においてYESの場合)には、処理はステップS29に戻される。
【0099】
一方、電力系統の電圧および周波数が発電機連系用設定範囲を超えて変動している場合(ステップS29においてNOの場合)には、制御回路582は、インバータ580を停止させるための制御指令を生成することにより、パワーコンディショナ58の出力を停止させる(ステップS30)。
【0100】
制御回路582は、パワーコンディショナ58の停止期間中において、電力系統の電圧および周波数の変動が発電機連系用設定範囲内であるか否かを判断する(ステップS31)。電力系統の電圧および周波数が発電機連系用設定範囲を超えて変動している場合(ステップS31においてNOの場合)には、異常が継続していると判断されて、処理はステップS31に戻される。
【0101】
一方、電力系統の電圧および周波数の変動が発電機連系用設定範囲内である場合(ステップS31においてYESの場合)には、制御回路582は、電力系統が正常に復帰したと判断し、タイマを作動して正常復帰継続時間を計時する(ステップS32)。そして、正常復帰継続時間が所定の時間を超えたときには、制御回路582は、インバータ580の電力変換を開始させるための制御指令を生成して、インバータ580へ出力する。これにより、パワーコンディショナ58は出力を再開する(ステップS33)。
【0102】
上述の説明においては、発電機連系信号および陸上電源連系信号の代表例として、発電機用遮断器12,16の補助接点信号および陸上電源用遮断器72の補助接点信号について例示したが、本願発明は、発電機10,14の連系/非連系および陸上電源70の連系/非連系を示す信号であれば適用できることは自明である。
【0103】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
1 太陽光発電システム、10,14 発電機、12,16,22,32,52,72,80 遮断器、20 負荷、24 配線、30 推進補機負荷、34 電力回線、36 昇圧用変圧器、40 主配電盤、42 主配線、50 太陽光発電装置、54 電力配線、56,74 変圧器、58 パワーコンディショナ、60 接続箱、62 太陽電池、70 陸上電源、76 電力回線、78 受電用配電盤、120,720 補助接点、580 インバータ、582 制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機および電力系統を搭載した移動体に搭載され、前記電力系統に連系する太陽光発電システムであって、
前記移動体は、前記電力系統への前記発電機の連系/非連系を示す第1の信号を発生するための第1の信号発生手段を含み、
前記太陽光発電システムは、
太陽光を受光して発電する発電部と、
前記発電部で発生した電力を前記電力系統に出力するパワーコンディショナとを備え、
前記パワーコンディショナは、
前記電力系統における電圧または周波数の変動に基づいて、前記発電部が単独運転になったことを検出するための第1の単独運転検出手段と、
前記発電機および前記太陽光発電システムの前記電力系統への連系時には、前記第1の単独運転検出手段を無効とし、かつ、前記第1の信号に基づいて、前記発電部が単独運転となったことを検出するための第2の単独運転検出手段とを含む、太陽光発電システム。
【請求項2】
前記パワーコンディショナは、
前記第1の信号の入力を受付けるための信号入力手段をさらに含み、
前記第2の単独運転検出手段は、前記信号入力手段に前記発電機の連系を示す前記第1の信号が入力されたときに、前記第1の単独運転検出手段を無効とする、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記第1の単独運転検出手段は、外部電源および前記太陽光発電システムの前記電力系統への連系時には、前記電力系統における電圧または周波数の変動に基づいて、前記発電部が単独運転になったことを検出する、請求項2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記パワーコンディショナは、
外部電源および前記太陽光発電システムの前記電力系統への連系時には、前記電力系統の電圧または周波数の変動が第1の設定範囲を超えたことにより、前記電力系統への出力を停止するための第1の保護手段と、
前記発電機および前記太陽光発電システムの前記電力系統への連系時には、前記電力系統の電圧または周波数の変動が前記第1の設定範囲よりも広い第2の設定範囲を超えたことにより、前記電力系統への出力を停止するための第2の保護手段とをさらに含む、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
前記外部電源は、前記電力系統への前記外部電源の連系/非連系を示す第2の信号を発生するための第2の信号発生手段を含み、
前記パワーコンディショナは、
前記第1および第2の信号の入力を受付けるための信号入力手段と、
前記信号入力手段に入力される前記第1および第2の信号に基づいて、前記第1の保護手段および前記第2の保護手段のいずれか一方を有効とするための切換手段とをさらに含む、請求項4に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
前記切換手段は、前記信号入力手段に、少なくとも前記発電機の連系を示す前記第1の信号が入力されているときには、前記第2の保護手段を有効とする、請求項5に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記第1の信号は、前記発電機を前記電力系統から遮断する遮断器の開閉状態を示す信号を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
前記遮断器の開閉状態を示す信号は、前記遮断器の補助接点信号を含む、請求項7に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
前記第1の信号は、前記発電機を前記電力系統から遮断する遮断器の開閉状態を示す信号を含み、
前記第2の信号は、前記外部電源を前記電力系統から遮断する遮断器の開閉状態を示す信号を含む、請求項5または請求項6に記載の太陽光発電システム。
【請求項10】
前記遮断器の開閉状態を示す信号は、前記遮断器の補助接点信号を含む、請求項9に記載の太陽光発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−167000(P2011−167000A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28867(P2010−28867)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000180966)寺崎電気産業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】