説明

太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置

【課題】本発明は、わざわざ光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能な太陽追尾方法に関する。
【解決手段】この太陽追尾方法は、(A)太陽電池装置の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置における電力素子の切替を常に合わせて、短絡電流測定装置で短絡電流の測定と記録をし、直接に短絡電流測定装置で短絡電流の測定と記録をし、又は最大電力追尾制御装置の電力測定装置で出力電力の測定と記録をするステップと、(B)記録された短絡電流又は出力電力の極大値を算出するステップと、(C)モータ駆動装置の駆動で、太陽電池装置をこの短絡電流又は出力電力の極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置に関し、特に、わざわざ光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正、且つ精密な初期取付けをしなくても、太陽の位置を常に追尾可能な太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、従来の太陽光発電システムにおいて、集光型太陽光発電システム(Concentrated Photovoltaic、CPV)は、光学素子を介して日光を太陽電池に集中し、太陽電池の使用面積を減少させ、発電コストを低下させることができる。しかしながら、集光型太陽光発電システムが入射光の角度に非常に敏感である。高集光システム(集光率が500倍を超える)の太陽電池の面積が、更に小さくなることで、集光モジュールの許容できる追尾装置の偏差角もそれに伴って急減するため、追尾装置の精度が、一層重要になる。日光を太陽電池に正確に集中させるために、太陽追尾装置に従って集光モジュールの光軸を太陽の真向かいにすることを必要とする。
【0003】
一般に、集光型太陽光発電システムにおいて、太陽追尾装置を動作させるには、センサが取付けることを必要とする。太陽追尾センサは、一般に、複数のセンサ素子を異なる位置に取付けること、及び陰影で、センサの受光を不均一にして、大きさの異なる電圧出力を発生し、その電圧の大きさによって最強光線の方位を判定する。市販の光センサ素子としては、例えば、光伝導体、光ダイオード、光トランジスタ、太陽電池等のような様々な種類があり、前記光センサ素子は、主に、太陽がセンサに照射する太陽光の強度によって、対応する短絡電流を取得できる。太陽光の強度が大きいほど、短絡電流も大きくなる。また、前記短絡電流を、電圧の形式で出力する。
【0004】
従来の太陽追尾システム装置の外観模式図である図1を参照する。そのうち、従来の太陽追尾システム装置は、集光型太陽電池システム(CPV)であって、太陽電池装置11と、姿勢制御装置12と、光学センサ装置13と、姿勢制御装置12、光学センサ装置13に別々に結合されるプロセッサ装置14と、を備える。そのうち、姿勢制御装置12は、太陽電池装置11の姿勢(方位角及び仰角を含む)を変えるための、方位角制御ユニット121及び仰角制御ユニット122を有する。
【0005】
従来の太陽追尾システム装置が動作する場合、光学センサ装置13は、自体に照射される光の強度を常に検知し、プロセッサ装置14は、光学センサ装置13の検知結果に基づいて、モータ駆動装置で姿勢制御装置12におけるモータを駆動して、太陽電池装置11及び光学センサ装置13の姿勢を調整する。しかしながら、光学センサ装置を取付ける時に行う初期校正は、太陽電池装置11が太陽の真向かいになる場合、光学センサ装置13に含まれる4つの(又は、複数の)光学センサの出力電圧又は電流を完全に同一にさせる必要があるため、相当長い時間がかかる。
【0006】
また、従来の太陽追尾システム装置が一定時間動作した後、その機械構造が風に吹かれ、雨に打たれることで損傷、緩み又は変形になることは避けられない。そのせいで、光学センサ装置13と太陽電池装置11との間の相対的な位置関係が変わったり、光学センサ装置13に含まれる光学センサが長時間な日照で老化になった場合、光学センサ装置13が最大照度の光源を検知しても(例えば、太陽の位置を追尾している)、太陽電池装置11が実際的に最大照度の光源を受入可能な姿勢に位置していない。これは、従来の太陽追尾システム装置の発電効率が、取り付けた直後と比べて、顕著に低下することの原因となる。
【0007】
このため、業界では、従来の太陽追尾システム装置の光学センサ装置13と太陽電池装置11との間の相対的な位置関係を初期設定の状態に復帰させるように、その機械構造を定期に校正する必要がある。しかしながら、それは、従来の太陽電池システムの維持費の増加及び維持員の悩みの原因となる。
【0008】
一方、内容が複雑な太陽公式を利用して太陽の位置を推算して、推算する太陽の位置に応じて太陽電池装置の姿勢を調整する従来の太陽追尾システム装置もある。しかしながら、この推算による追尾方式を成功させるために、高精度な起動位置が要求される。もし起動位置がずれたら、後の推算する位置も当然ずれる。このため、この従来の太陽追尾システム装置は、高精度で初期取付けを行い、且つその設置位置も高精度で測位しなければならなくて、取付け費用を増加させてしまう。
【0009】
そのため、業界では、わざわざ光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正、且つ精密な初期取付けをしなくても、太陽の位置を常に追尾可能な太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置を望んでいる。
【0010】
また、従来の太陽光発電システムには、一般に、最大の出力電力を達成するための最大電力点追尾(maximum power point tracking;MPPT)装置が取り付けている。前記最大電力点追尾装置は、昇圧回路又は昇降圧回路を含む。太陽電池モジュールが多様な照度及び負荷におけて、光電変換された後、常に最大電力出力を発生できるために、電圧と電流の測定、又は電力の測定で得るフィードバック(feedback)信号で、昇圧回路又は昇降圧回路における電力トランジスタの切替を制御しなければならない。また、太陽光発電システムが太陽の真向かいにある場合、その電池モジュールの短絡電流又は電力出力も極大値である。
【発明の概要】
【0011】
本発明の主要な目的は、太陽追尾システム装置が、わざわざ光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能な太陽追尾方法を提供することにある。
【0012】
本発明のまた他の目的は、高精度な初期取付け、光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能な太陽追尾システム装置を提供することにある。
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の太陽追尾方法は、太陽電池装置、姿勢制御装置、短絡電流測定装置、少なくとも電力素子を有する最大電力追尾制御装置、モータ駆動装置及びプロセッサ装置(マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラPLC、又はコンピュータであってよい)を含む太陽追尾システム装置に適用されて、(A)モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を変え、太陽電池装置の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置の電力素子の切替を常に合わせて、短絡電流測定装置で太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をするステップと、(B)プロセッサ装置で、記録された各短絡電流中の極大値を算出するステップと、(C)モータ駆動装置の駆動で姿勢制御装置が太陽電池装置を短絡電流極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。
【0014】
本発明の太陽追尾方法は、太陽電池装置、姿勢制御装置、短絡電流測定装置、モータ駆動装置及びプロセッサ装置(マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラPLC、又はコンピュータであってよい)を含む太陽追尾システム装置に適用されて、(A)モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を変え、太陽電池装置の姿勢が変わった場合、直接に短絡電流測定装置で太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をするステップと、(B)プロセッサ装置で、記録された各短絡電流中の極大値を算出するステップと、(C)モータ駆動装置の駆動で姿勢制御装置が太陽電池装置を短絡電流極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。
【0015】
本発明の太陽追尾の方法は、太陽電池装置、姿勢制御装置、少なくとも電力素子及び電流、電圧又は電力測定装置を有する最大電力追尾制御装置、モータ駆動装置及びプロセッサ装置(マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラPLC、又はコンピュータであってよい)を含む太陽追尾システム装置に適用されて、(A)モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を変え、太陽電池装置の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置における電流、電圧又は電力測定装置で太陽電池装置が出力する電力の測定と記録をするステップと、(B)プロセッサ装置で、記録された各電力を計算または比較して、各電力の極大値を取得するステップと、(C)モータ駆動装置で姿勢制御装置が太陽電池装置の姿勢を電力極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。
【0016】
前記目的を達成するために、本発明の太陽追尾システム装置は、複数の太陽電池セルを有する太陽電池装置と、太陽電池装置の姿勢を制御するように、太陽電池装置と組み合わせられる姿勢制御装置と、太陽電池装置の短絡電流を測定するように、太陽電池装置に結合される短絡電流測定装置と、太陽電池装置の最大電力を追尾するように、太陽電池装置に結合される最大電力追尾制御装置と、姿勢制御装置におけるモータを駆動するように、姿勢制御装置と組み合わせられ、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を変えるモータ駆動装置と、短絡電流測定装置、最大電力追尾制御装置及びモータ駆動装置に結合されるプロセッサ装置(マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラPLC、又はコンピュータであってよい)と、を備える。そのうち、太陽電池装置が動作する場合、プロセッサ装置は、モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を変え、太陽電池装置の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置の電力素子の切替を常に合わせて、短絡電流測定装置で太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をし、プロセッサ装置は、記録された各短絡電流中の極大値を算出し、更に、モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する。
【0017】
本発明の太陽追尾システム装置は、複数の太陽電池セルを有する太陽電池装置と、太陽電池装置の姿勢を制御するように、太陽電池装置と組み合わせられる姿勢制御装置と、太陽電池装置の短絡電流を測定するように、太陽電池装置に結合される短絡電流測定装置と、姿勢制御装置におけるモータを駆動するように、姿勢制御装置と組み合わせられ、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を変えるモータ駆動装置と、短絡電流測定装置及びモータ駆動装置に結合されるプロセッサ装置(マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラPLC、又はコンピュータであってよい)と、を備える。そのうち、太陽電池装置が動作する場合、プロセッサ装置は、モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を変え、太陽電池装置の姿勢が変わった場合、短絡電流測定装置で直接に太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をし、プロセッサ装置は、記録された各短絡電流中の極大値を算出し、更に、モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する。
【0018】
本発明の太陽追尾システム装置は、複数の太陽電池セルを有する太陽電池装置と、太陽電池装置の姿勢を制御するように、太陽電池装置と組み合わせられる姿勢制御装置と、太陽電池装置の最大電力を追尾するように、太陽電池装置に結合され、少なくとも電力素子及び電流、電圧又は電力測定装置を有する最大電力追尾制御装置と、姿勢制御装置におけるモータを駆動するように、姿勢制御装置と組み合わせられ、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を変えるモータ駆動装置と、最大電力追尾制御装置及びモータ駆動装置に結合されるプロセッサ装置(マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラPLC、又はコンピュータであってよい)と、を備える。そのうち、太陽電池装置が動作する場合、プロセッサ装置は、モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を変え、最大電力追尾制御装置における電流、電圧又は電力測定装置で太陽電池装置が出力する電力の測定と記録をし、プロセッサ装置は、記録された各電力を計算又は比較して、各電力の極大値を取得する、更に、モータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置の姿勢を電力極大値に対応する姿勢に調整する。
【0019】
そのため、太陽電池装置に照射する光線の照度が一旦変わると、太陽電池装置の短絡電流の数値が対応的に変わったり(即ち、その短絡電流の数値は、太陽電池装置の受け入れる光線の照度の数値に対応する)、または最大電力追尾制御装置における電流、電圧又は電力測定装置の測定する電力が対応的に変わったりする(即ち、その短絡電流の数値は、太陽電池装置の受け入れる光線の照度の数値に対応する)ため、本発明の太陽追尾方法は、適用する太陽追尾システム装置の太陽電池装置の短絡電流の数値の変化、又は最大電力追尾制御装置における電力の数値の変化を監視制御することに基づいて、プロセッサ装置がモータ駆動装置で姿勢制御装置におけるモータを駆動して太陽電池装置を短絡電流極大値又は電力極大値の姿勢に対応する姿勢になるまで変えさせる。
【0020】
また、一般的に、この短絡電流極大値又は電力極大値に対応する姿勢は、前記太陽追尾システム装置の太陽電池装置が最大照度の太陽光源を受入可能な姿勢である。従って、本発明の太陽追尾方法は、適用する太陽追尾システム装置を、太陽の位置を常に追尾させ、また太陽電池装置を、最大照度の太陽光源を受入可能な姿勢に常に維持することができる。つまり、本発明の太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置は、わざわざ光学センサの特別な取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能である。
【0021】
一方、前記のように、本発明の太陽追尾システム装置は、確実に、その太陽電池装置を、最大照度の太陽光源を受入可能な姿勢に常に維持することができる。従って、本発明の太陽追尾システム装置は、わざわざ精密な初期取付け、光学センサの特別な取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能である。
【0022】
しかしながら、一般的に、太陽追尾システム装置が動作する場合、太陽電池装置の出力電流を直接に測定すれば、出力電流が負荷の大きさによって変わるため、この出力電流の数値に対する記録によって、太陽電池装置(即ち、それに含まれる、集光型太陽電池セル又は高集光型太陽電池セルのような複数の太陽電池セル)が、太陽の真向かいにあるかどうか(即ち、太陽の位置を追尾してあるか)は、判定できない。
【0023】
そのため、本発明の技術特徴は、主に、太陽電池装置が動作する場合に実行すべき最大電力追尾プログラムを利用し、且つこの最大電力追尾プログラムを実行する場合に少なくとも1つのトランジスタを利用して電圧昇降を行うべき原理に従い、太陽電池装置及び最大電力追尾制御装置に結合される短絡電流測定装置によって、最大電力追尾制御装置の電力素子が切替る時にて、太陽電池装置の短絡電流を適時に測定することにある。このようにして、太陽の位置を追尾する目的を達成できるだけでなく、負荷より出力される出力電流の数値及び太陽電池装置の発電効率に影響を与えることもない。一般的に、前記電力素子としては、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、電力トランジスタ、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等であってよい。
【0024】
本発明の技術のまた他の特徴は、主に、太陽電池装置が動作する場合、短絡電流測定装置における電力素子が切替る時にて、太陽電池装置の短絡電流を適時に測定することにある。前記電力素子は、常時開回路の状態にあり、短絡電流を測定する時のみ切替を行い、その切替頻度は、例えば、毎秒1000回以上のように相当速く、電力素子が閉回路となる短時間で、太陽電池装置の短絡電流を測定する。このようにして、太陽の位置を追尾する目的を達成できるだけでなく、且つ負荷より出力される出力電流の数値及び太陽電池装置の発電効率に影響を与えることもほとんどない。一般的に、前記電力素子としては、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、電力トランジスタ、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等であってよい。
【0025】
本発明の技術のまた他の特徴は、主に、太陽電池装置が動作する場合に実行すべき最大電力追尾プログラムを利用すること、且つこの最大電力追尾プログラムを実行する場合に太陽電池装置の電力を測定すべきである。このようにして、太陽の位置を追尾する目的を達成できるだけでなく、負荷より出力される出力電流の数値及び太陽電池装置の発電効率に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
下記図面の簡単な説明は、本発明の前記または他の目的、特徴、メリット、実施例をより分かりやすくするためのものである。
【0027】
【図1】従来の太陽追尾システム装置の外観模式図である。
【図2】一定の温度環境において、太陽電池装置の出力電流と電圧との関係を示す模式図である;
【図3A】本発明の実施例における太陽追尾方法のフローの模式図である。
【図3B】本発明の実施例における太陽追尾方法のフローの模式図である。
【図3C】本発明の実施例における太陽追尾方法のフローの模式図である。
【図4A】図3Aに示した太陽追尾方法を対応的に適用する太陽追尾システム装置のブロック模式図である。
【図4B】図3Bに示した太陽追尾方法を対応的に適用する太陽追尾システム装置のブロック模式図である。
【図4C】図3Cに示した太陽追尾方法を対応的に適用する太陽追尾システム装置のブロック模式図である。
【図5】本発明の太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置の太陽電池装置、短絡電流測定装置及び最大電力追尾制御装置の結合関係と構成を示す模式図である。
【図6】本発明の太陽追尾方法のステップAの従う捜索ルールのフローの模式図である。
【図7】図6に示した捜索ルールを実行した後、続けて実行する狭い範囲の捜索のフローの模式図である。
【図8】本発明の太陽追尾システム装置の外観模式図である。
【図9】本発明の太陽追尾システム装置の太陽電池装置、短絡電流測定装置及び最大電力追尾制御装置の結合関係と構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
太陽電池システムに適用される一般的な最大電力点追尾(MPPT)技術において、電流測定装置及び電圧測定装置によって電流及び電圧を測定して、更に、その電力を算出する必要がある。しかしながら、その測定する電流は、インダクタを流れる短絡電流である。そのインダクタを流れる短絡電流が、太陽の日照強度及び太陽追跡の角度偏差と、一定の比例関係になっているとはいえ、その短絡電流の数値が、負荷と直流‐直流コンバータ(DC‐DC converter)に含まれるトランジスタ切替PWMのduty cycleの影響で変動することもある。そのため、一般的な最大電力追尾技術で測定するインダクタを流れる短絡電流を、太陽角度の追尾(即ち、太陽の位置を追尾すること)に用いることはできない。
【0029】
しかしながら、本発明の太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置において、太陽位置の追尾の根拠となる短絡電流(短絡電流測定装置によるもの)は、太陽電池装置の両端を直接に短絡させることによって、測定する短絡電流である。従って、この短絡電流が、如何なるインダクタを流れることはない。そのため、本発明の太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置において、この短絡電流は、太陽電池装置の受入れた太陽光照度及び太陽追跡の角度偏差しかと一定の比例関係にならないため、太陽角度の追尾(即ち、太陽の位置を追尾すること)に用いることができる。また、本発明の太陽追尾方法及び太陽追尾システム装置において、太陽位置の追尾の根拠となる電力は、最大電力追尾制御装置における電流、電圧又は電力測定装置より測定する電力である。前記電力は、太陽光照度及び太陽追跡の角度偏差と一定の比例関係になるため、太陽角度の追尾(即ち、太陽の位置を追尾すること)に用いることもできる。
【0030】
一定の温度環境において、太陽電池装置の出力電流と電圧との関係を示す模式図である図2を参照する。そのうち、図2に示した異なる曲線のそれぞれは、日照強度が異なる状況における、太陽電池装置の出力電流と電圧との関係を表し、それぞれの日照強度の大きさは、A>B>C>Dである。また、電圧が0点における各曲線の電流数値は、即ち各曲線(異なる日照強度に対応する)の短絡電流の数値である。
【0031】
従って、図2より、一旦日照照度(例えば、太陽からの光線)が変わる(例えば、低下する)と、太陽電池装置の短絡電流は、対応的に変わることが容易に判明できる。例えば、曲線Aの電圧がゼロになる点から、曲線Cの電圧がゼロになる点まで移動する。即ち、太陽電池装置の短絡電流の数値と日照照度の大きさは、正比例関係にある。つまり、一旦測定する短絡電流の数値が極大値を呈すると、この場合の太陽電池装置の姿勢は、最大日照強度を受入可能な姿勢である。一般的に、この姿勢は、太陽の位置の真向かいにある姿勢である。そのため、本発明の太陽追尾方法及び本発明の太陽追尾システム装置は、確かに太陽電池装置の各短絡電流の数値を記録して短絡電流極大値を探し出すことによって、太陽の位置を常に追尾可能である。
【0032】
本発明の異なる実施例における太陽追尾方法のフローの模式図である図3A〜図3Cと、それぞれ図3A〜図3Cに示した太陽追尾方法を対応的に適用する太陽追尾システム装置のブロック模式図である図4A〜図4Cと、を参照する。
【0033】
図3Aに示した実施例による太陽追尾方法は、
(A)モータ駆動装置を駆動することで、姿勢制御装置におけるモータを駆動して、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を変え、且つ太陽電池装置の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置の電力素子の切替に常に合わせて、短絡電流測定装置によってこの太陽電池装置の短絡電流を測定して記録するステップと、
(B)プロセッサ装置によって、記録された各短絡電流中の極大値を算出するステップと、
(C)モータ駆動装置を駆動することで、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢をこの短絡電流極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。
【0034】
また、図4Aに示すように、図3Aに示す太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置は、太陽電池装置41と、姿勢制御装置42と、短絡電流測定装置43と、最大電力追尾制御装置44と、モータ駆動装置45と、プロセッサ装置46と、を備える。また、最大電力追尾制御装置44は、少なくとも電力素子445を有する。
【0035】
一方、図5は、本発明の太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置の太陽電池装置、短絡電流測定装置及び最大電力追尾制御装置の結合関係と構成を示す模式図である。そのうち、短絡電流測定装置43は、少なくとも第1の切替電力素子431及び電流検知回路ユニット432を有する。最大電力追尾制御装置44は、少なくともインダクタ442、キャパシタ443、ダイオード444及び第2の切替電力素子445を有する昇降圧調整回路ユニット441を含む。
【0036】
本実施例において、短絡電流測定装置43及び最大電力追尾制御装置44は、それぞれ太陽電池装置41に結合される。なお、最大電力追尾制御装置44は、出力電流を負荷48に出力するように、別にインバータ(inverter)47及び負荷48に結合される。本発明の太陽追尾方法が動作する場合、短絡電流測定装置43の第1の切替電力素子431及び最大電力追尾制御装置44の第2の切替電力素子445は、交替で太陽電池装置41の短絡電流を測定したり、太陽電池装置41の最大電力を追尾するように、導通状態を交替で呈する。つまり、本発明の太陽追尾方法が動作する場合、太陽電池装置41がもともと実行すべき最大電力追尾制御する昇降圧プログラムに合わせて、最大電力追尾制御プログラムによる昇降圧実行の間隔(即ち、第2の切替電力素子445が開回路の非導通状態となる場合)で、太陽電池装置41の短絡電流を測定する(即ち、第1の切替電力素子431が導通の閉回路状態となる場合)。
【0037】
一方、本発明の太陽追尾方法が動作する場合、短絡電流測定装置43の電流検知回路ユニット432は、抵抗法、ホール素子法又はCT法によって太陽電池装置41の短絡電流を測定する。そのうち、抵抗法は、被測定電流を極小の抵抗として直列接続して、抵抗両端の電位差を測定することを原理とする一般慣用の方式である。そして、回路学の基本公式V=IRより、抵抗が一定である場合、電圧は電流と正比例をなすことが判明でき、この関係式より電流値が求められる。そのメリットとしては、使いやすくて、交流電流及び直流電流に適用可能であり、欠点としては、電流と絶縁しにくく、出力電圧が小さく、挿入損失が大きいことである。
【0038】
また、CT法の原理は、被測定導線を磁気回路から通過させ、Iが磁気回路に磁場Bを発生させ、また、磁場Bが磁気回路上のコイルに感応電流を発生させてから、前記抵抗法によってこの感応電流を測定することである。こうやって、抵抗法によってこの感応電流を測定すれば、抵抗の直列連続でIに影響を与えることはない、そのメリットとしては、利用範囲が広く、絶縁可能で、出力電圧が大きいことである。ホール素子法は、CT法に類似するような、被測定電流が磁気回路に磁場を発生させる検知方式であり、その磁気回路に隙間があり、且つ隙間にホール素子を入れて発生した磁場がホール素子にホール電圧を発生させ、更に、被測定電流値を取得する。
【0039】
図3Bに示す実施例による太陽追尾方法は、(A)モータ駆動装置を駆動することで、姿勢制御装置におけるモータを駆動して、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を変え、且つ太陽電池装置の姿勢が変わった場合、短絡電流測定装置によって太陽電池装置の短絡電流を直接に測定して記録する(最大電力追尾制御装置の電力素子の切替との関連性はなく、即ち、最大電力追尾制御装置に結合されない)ステップと、(B)プロセッサ装置によって、記録された各短絡電流中の極大値を算出するステップと、(C)モータ駆動装置を駆動することで、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を短絡電流極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。
【0040】
図4Bに示す太陽追尾システム装置は、図3Bに示す太陽追尾方法に対応する。図4Bにおける太陽追尾システム装置は、最大電力追尾制御装置44を含まず、太陽電池装置41と、姿勢制御装置42と、短絡電流測定装置43と、モータ駆動装置45と、プロセッサ装置46と、を備える。短絡電流測定装置を、図4Aの実施例のように、最大電力追尾制御装置44に結合する必要はない。そのうち、短絡電流測定装置43は、少なくとも図5に示すような第1の切替電力素子431及び電流検知回路ユニット432を有する。本実施例において、短絡電流測定装置43は、太陽電池装置41に結合され、電力素子は、普段開回路の状態にあり、本発明の太陽追尾方法が動作する場合のみ切替を行い、その切替頻度は、例えば、毎秒1000回以上のように相当速く、電力素子が閉回路となる短時間で、太陽電池装置の短絡電流を測定する。
【0041】
図3Cに示す実施例による太陽追尾方法は、(A)モータ駆動装置を駆動することで、姿勢制御装置におけるモータを駆動して、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を変え、且つ太陽電池装置の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置における電流、電圧又は電力測定装置によって太陽電池装置より出力された電力を測定して記録する(一般に、電力を測定したり計算するように、まず電圧及び電流を測定する)ステップと、(B)プロセッサ装置によって記録された各電力中の極大値を算出したり比較して取得するステップと、(C)モータ駆動装置を駆動することで、姿勢制御装置によって太陽電池装置の姿勢を電力極大値に対応する姿勢に調整するステップと、を備える。
【0042】
図4Cに示す太陽追尾システム装置は、図3Cに示す太陽追尾方法に対応する。図4Cにおける太陽追尾システム装置に、短絡電流測定装置を設置しなくてよい。その太陽追尾システム装置は、太陽電池装置41と、姿勢制御装置42と、最大電力追尾制御装置44と、モータ駆動装置45と、プロセッサ装置46と、を備える。最大電力追尾制御装置44は、昇圧回路又は昇降圧回路であってよい。そのうち、最大電力追尾制御装置44は、電力を測定したり計算するための電流、電圧又は電力測定装置を含む(一般に、電力を測定したり計算するように、まず電圧及び電流を測定する)。
【0043】
また、前記本発明の太陽追尾方法のステップ(A)において、捜索ルールに基づいて、方位角及び仰角を含む太陽電池装置41の姿勢を変える。ある場合には、この捜索ルールは、例えば、ファジィアルゴリズム、アントアルゴリズム、タグチアルゴリズム又は遺伝的アルゴリズム等のような従来の人工知能アルゴリズムであってよいが、それに限定されなく、ここで詳しく説明しない。しかしながら、図6に示すように、一般的に、本発明の太陽追尾方法のステップ(A)で使われている捜索ルールは、
(A1)この太陽電池装置の仰角を固定角度に調整するステップと、
(A2)この太陽電池装置の方位角を、固定角度から次第にまた他の固定角度まで増加するように調整するステップと、
(A3)この太陽電池装置の方位角を、この短絡電流極大値又は電力極大値に対応する方位角に調整するステップと、
(A4)この太陽電池装置の仰角を、負角から次第に正角まで増加するように調整するステップ
(A5)この太陽電池装置の仰角をこの短絡電流極大値又は電力極大値に対応する仰角に調整するステップと、を含んでよい。
【0044】
そのうち、前記太陽電池装置の仰角の調整可能範囲は、姿勢制御装置に含まれる少なくとも1つのリミットスイッチの設置位置次第である。また、太陽電池装置の方位角の調整可能範囲は、姿勢制御装置に含まれる少なくとも1つのリミットスイッチの設置位置次第である。
【0045】
例として言えば、早朝に本発明の太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置を起動したばかりの場合、太陽の初期位置に関する情報を取得していないため、本発明の太陽追尾方法で太陽の現在の位置を追尾できる(即ち、太陽追尾システム装置の太陽電池装置を、太陽の真向かいにする)まで、まず広範囲の捜索を実行する必要がある。
【0046】
この場合、前記捜索ルールのステップ(A1)によって、太陽電池装置の仰角は、固定角度(例えば、45度の角)に調整され、45度の角は、リミットスイッチ(例えば、仰角リミットスイッチ)次第である。そして、太陽電池装置の方位角を、固定角度(例えば、0度の角)から次第にまた他の固定角度(例えば、360度の角)まで増加するように時計方向へ移動させ、つまり、ステップ(A2)を実行する。同様に、前記の0度の角及び360度の角もまた他のリミットスイッチ(例えば、方位角リミットスイッチ)次第である。しかしながら、他の適用環境では、太陽電池装置の方位角を、固定角度(例えば、360度の角)から次第にまた他の固定角度(例えば、0度の角)まで減少するように反時計方向へ移動させてもよいことは、注意すべきである。
【0047】
次いで、太陽電池装置の方位角を、前記方位角が変わる過程において記録した各短絡電流又は電力の数値によって短絡電流極大値又は電力極大値に対応する方位角に調整し、この場合、太陽電池装置の姿勢の方位角は、一時固定され、つまり、ステップ(A3)を実行する。
【0048】
その後、更に、太陽電池装置の仰角を、負角(例えば、−80度の角)から次第に正角(例えば、+80度の角)まで増加するように調整し、つまり、ステップ(A4)を実行し、なお、+80度の角及び−80度の角も、リミットスイッチ(例えば、仰角リミットスイッチ)次第である。しかしながら、他の適用環境では、太陽電池装置の仰角を、例えば、正角(例えば、+80度の角)から次第に負角(例えば、−80度の角)まで減少するような別の方式で変えてもよいことは、注意すべきである。なお、前記「正角」及び「負角」は、前記「+80度の角」及び「−80度の角」に限定されなく、例えば、「+85度の角」又は「−20度の角」等のような、如何なる適宜な角度値であってもよい。
【0049】
最後、太陽電池装置の仰角を、前記仰角が変わる過程において記録した各短絡電流又は電力の数値によって、短絡電流極大値又は電力極大値に対応する仰角に調整し、この場合、太陽電池装置の姿勢の仰角は、一時固定され、つまり、ステップ(A5)を実行する。
【0050】
この場合、太陽電池装置の姿勢(方位角及び仰角)は、ほぼ確定され、即ち、太陽電池装置は、既に太陽のほぼ真向かいにある姿勢となっている。
【0051】
この具体的な実施例において、前記方位角(例えば、0度の角及び360度の角)及び仰角の度数(例えば、45度の角、+80度の角、−80度の角)というのは、いずれも基準姿勢に相対するものであることは、注意すべきである。また、この基準姿勢として、前記方位角及び仰角の何れも、0度の角に設定される。なお、この基準姿勢は、使用者よりその好みによって、例えば、リミットスイッチの数及び設置位置のようなハードウェアに合わせて、自由に設定されてよい。
【0052】
しかしながら、図7に示すように、太陽の位置をより精確に追尾する(太陽電池装置を精確に太陽の真向かいにする)ように、本発明の太陽追尾方法では、
(A6)太陽電池装置の方位角を時計方向へ移動させ、且つ太陽電池装置の方位角が変わった場合、短絡電流又は電力の数値が低下したかどうかを検出するステップと、
(A7)太陽電池装置の方位角を反時計方向へ移動させ、且つ太陽電池装置の方位角が変わった場合、短絡電流又は電力の数値が低下したかどうかを検出するステップと、
(A8)太陽電池装置の方位角を、この短絡電流極大値又は電力極大値に対応するまた他の方位角に調整するステップと、
(A9)太陽電池装置の仰角を負角の方向へ移動させ、且つ太陽電池装置の仰角が変わった場合、短絡電流又は電力の数値が低下したかどうかを検出するステップと、
(A10)太陽電池装置の仰角を正角の方向へ移動させ、且つ太陽電池装置の仰角が変わった場合、短絡電流又は電力の数値が低下したかどうかを検出するステップと、
(A11)太陽電池装置の仰角を、この短絡電流極大値又は電力極大値に対応するまた他の仰角に調整するステップと、
を含むまた他の狭い範囲の捜索を実行する。
【0053】
前記のように、広範囲の捜索を実行した後、太陽電池装置は、既に太陽のほぼ真向かいにある姿勢となっているため、太陽電池装置の方位角(仰角)がどのように変化しても、太陽電池装置の短絡電流又は電力数値が、低下することが当然である(太陽電池装置の最大日照強度を受入可能な姿勢から離れたため)。しかしながら、一般に、広範囲の捜索を実行するには、空間全体(360度の方位角及び160度の仰角を有する)を捜索する必要があるため、広範囲の捜索で必要以上の時間をかからないように、広範囲の捜索を行う場合の短絡電流測定装置又は電力測定装置の分解能を、低いレベルに設定する。
【0054】
しかしながら、短絡電流測定装置又は電力測定装置の分解能が低いレベルに設定されているため、本発明の太陽追尾方法では、太陽電池装置のある姿勢を、最大日照強度を受入可能な姿勢と誤判することもある。そのため、太陽追尾の正確度と所要時間のバランスを取るように、本発明の太陽追尾方法は、図7に示すステップ(A6)〜ステップ(A11)のような狭い範囲の捜索を更に備える。この場合、捜索しようとする範囲が狭く、最大限でも±5度角であるため、短絡電流測定装置又は電力測定装置の分解能を最高レベルに設定しても、所要時間が依然として許容範囲内にある。従って、狭い範囲の捜索を実行した後、太陽電池装置は、太陽の精確な真向かいである位置になり、即ち、本発明の太陽追尾方法は、太陽の位置をより精確に追尾できる。
【0055】
その後、時間が経つにつれて、太陽の位置が次第に変わる(空で移動する)ため、所定の時間間隔ごとに(例えば、1分間〜10分間)、及び/又は測定した最大短絡電流又は電力極大値がある比例まで低下した後(例えば、95%まで低下した)、太陽の位置を改めて追尾する必要がある。このため、本発明の太陽追尾方法は、所定の時間間隔の後、太陽電池装置の姿勢を捜索ルールによって変えるステップ(D)を更に備えてよい。また、太陽電池装置の姿勢が変わった場合、短絡電流測定装置でこの太陽電池装置の短絡電流を常に測定して記録することで、再び太陽電池装置の姿勢をこの短絡電流極大値に対応するまた他の姿勢に調整させる。又は、電力測定装置でこの最大電力追尾装置の電力を常に測定して記録することで、再び太陽電池装置の姿勢をこの電力極大値に対応するまた他の姿勢に調整させる。
【0056】
また、本実施例において、前記所定の時間間隔は、3〜10分間であってよい。なお、太陽の位置をより即時的に追尾する必要がある場合、この所定の時間間隔を1分間又は1分間以内に短縮してもよい。また、狭い範囲の捜索を実行する過程中、本発明の太陽追尾方法の根拠となる捜索ルールは、摂動観測法又は人工知能アルゴリズムであってよく、それは実際の要求次第である。
【0057】
本発明の太陽追尾システム装置の外観模式図である図8に示すように、本発明の太陽追尾システム装置は、太陽電池装置81と、姿勢制御装置82と、短絡電流測定装置83と、最大電力追尾制御装置84と、モータ駆動装置85と、プロセッサ装置86と、を備える。また、太陽電池装置81は、複数の太陽電池セル811を有し、姿勢制御装置82は、太陽電池装置81の姿勢を制御するように、太陽電池装置81と組み合わせられる。一方、短絡電流測定装置83は、太陽電池装置81の短絡電流を測定するように、太陽電池装置81に結合され、最大電力追尾制御装置84は、太陽電池装置81の最大電力を追尾するように、太陽電池装置81に結合される。なお、モータ駆動装置85は、姿勢制御装置82を駆動して太陽電池装置81の姿勢を変えるように、姿勢制御装置82と組み合わせられ、プロセッサ装置86は、短絡電流測定装置83、最大電力追尾制御装置84、モータ駆動装置85に結合される。
【0058】
本発明の太陽電池装置が動作する場合、前記プロセッサ装置86は、モータ駆動装置85を駆動することで、姿勢制御装置82におけるモータを駆動して、この姿勢制御装置82によって太陽電池装置81の姿勢を変える。また、太陽電池装置81の姿勢が変わった場合、最大電力追尾制御装置84の電力素子845の切替に常に合わせて、短絡電流測定装置83によって太陽電池装置81の短絡電流を測定して記録する。次いで、プロセッサ装置86は、記録された各短絡電流中の極大値を算出して、更に、モータ駆動装置85を駆動することで、姿勢制御装置82によって太陽電池装置81の姿勢をこの短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する。
【0059】
本発明のまた他の実施例において、短絡電流測定装置83は、最大電力追尾制御装置84に結合されなく、電力素子831は、本発明の太陽追尾方法が動作する場合のみ切替を行い、その切替頻度は、例えば、毎秒1000回以上のように相当速く、電力素子が閉回路となる短時間で、太陽電池装置の短絡電流を測定して、姿勢制御装置82によって太陽電池装置81の姿勢をこの短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する。
【0060】
本発明のまた一つの実施例において、太陽追尾システム装置は、短絡電流測定装置を必要とせず、太陽電池装置81と、姿勢制御装置82と、最大電力追尾制御装置84と、モータ駆動装置85と、プロセッサ装置86と、を備える。最大電力装置84は、昇圧回路又は昇降圧回路であってよく、図8に示した回路に限定されない。最大電力追尾制御装置84は、電力を測定したり計算するための電流、電圧又は電力測定装置を含み、姿勢制御装置82によって太陽電池装置81の姿勢を電力極大値に対応する姿勢に調整する。
【0061】
しかし、ある適用環境において、本発明の太陽追尾システム装置は、異なる姿勢である場合の太陽電池装置81の各短絡電流数値をそれに保存するための、プロセッサ装置86に結合されるメモリ(例えば、DRAM、図に示さず)を更に備えてよい。このようにして、本発明の太陽追尾システム装置は、太陽追尾プログラムを実行できる以外、更に、一定の時間期間(例えば、1日又は一週間)内の全ての各短絡電流又は電力数値の記録を取り出して、後の分析に用いることができる。
【0062】
本実施例において、本発明の太陽追尾システム装置の太陽電池装置に含まれる複数の太陽電池セル811は、一般の太陽電池セル(PV)又は集光型太陽電池セル(CPV)又は高集光型太陽電池セル(HCPV)であってよく、且つ姿勢制御装置82は、方位角制御ユニット821及び仰角制御ユニット822を有し、この方位角制御ユニット821及び仰角制御ユニット822は、主に、太陽電池装置81の姿勢(方位角及び仰角を含む)を制御するための、モータ(直流モータ、交流同期モータ、又はステッピングモータであってよい)及びその減速機構を含む。一方、方位角制御ユニット821の移動行程を制御するように、姿勢制御装置82は、方位角リミットスイッチ823を更に含む。また、仰角制御ユニット822の移動行程を制御するように、姿勢制御装置82は、仰角リミットスイッチ824を更に含む。
【0063】
また、図9に示すように、本発明の太陽追尾システム装置において、短絡電流測定装置83は、少なくとも第1の切替電力素子831及び電流検知回路ユニット832を有し、最大電力追尾制御装置84は、少なくともインダクタ842、キャパシタ843、ダイオード844及び第2の切替電力素子845を有する昇降圧調整回路ユニット841を含む。
【0064】
また、太陽電池装置81、短絡電流測定装置83及び最大電力追尾制御装置84は、図9に示したような結合方式によって互いに結合される。即ち、短絡電流測定装置83及び最大電力追尾制御装置84は、それぞれ太陽電池装置81に結合される。しかしながら、ある適用環境においては、短絡電流測定装置83及び最大電力追尾制御装置84が検知回路モジュールに整合されてから(図に示さず)、更に、太陽電池装置81に結合されてもよい。なお、最大電力追尾制御装置84は、出力電流を負荷88に出力するように、インバータ(inverter)87及び負荷88に結合される。
【0065】
本発明の太陽追尾システム装置が太陽追尾を実行する場合、短絡電流測定装置83の第1の切替電力素子831及び最大電力追尾制御装置84の第2の切替電力素子845は、交替で太陽電池装置81の短絡電流を測定したり、太陽電池装置81の最大電力を追尾するように、導通状態を交替で呈する。つまり、本発明の太陽追尾システム装置が太陽追尾を実行する場合、太陽電池装置81がもともと実行すべき最大電力追尾制御の昇降圧プログラムに合わせて、最大電力追尾制御プログラムの昇降圧実行の間隔(即ち、第2の切替電力素子445が開回路の非導通状態となる場合)で、太陽電池装置41の短絡電流を測定する(即ち、第1の切替電力素子431が導通の閉回路状態となる場合)。また、本実施例において、第1の切替電力素子831及び第2の切替電力素子845は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、電力トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)であってよい。
【0066】
本発明また他の実施例において、図9に示す短絡電流測定装置83の第1の切替電力素子831は、最大電力追尾制御装置84の第2の切替電力素子845に結合されない。短絡電流を測定しようとする場合、短絡電流測定装置83の第1の切替電力素子831が閉回路となる短時間で、太陽電池装置の短絡電流を測定し、姿勢制御装置82によって太陽電池装置81の姿勢を短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する。
【0067】
本発明のまた一つの実施例において、図9に示す短絡電流測定装置83を設置しなくてよい。最大電力追尾制御装置84は、図9に示す回路に限定されなく、昇圧回路又は昇降圧回路であってよい。最大電力追尾制御装置84は、電力を測定したり計算するための電流、電圧又は電力測定装置を含み、姿勢制御装置82によって太陽電池装置81の姿勢を電力極大値に対応する姿勢に調整する。
【0068】
一方、本発明の太陽追尾システム装置が太陽追尾を実行する場合、短絡電流測定装置83の電流検知回路ユニット832は、抵抗法、ホール素子法又はCT法によって太陽電池装置81の短絡電流を測定する。そのうち、抵抗法は、被測定電流を極小の抵抗として直列接続して、抵抗両端の電位差を測定することを原理とする一般慣用の方式である。そして、回路学の基本公式V=IRより、抵抗が一定である場合、電圧は電流と正比例をなすことが判明でき、この関係式より電流値が求められる。そのメリットとしては、使いやすくて、交流電流及び直流電流に適用可能であり、欠点としては、電流と絶縁しにくく、出力電圧が小さく、挿入損失が大きいことである。
【0069】
また、CT法の原理は、被測定導線を磁気回路から通過させ、Iが磁気回路に磁場Bを発生させ、また、磁場Bが磁気回路上のコイルに感応電流を発生させてから、前記抵抗法によってこの感応電流を測定することである。こうやって、抵抗法によってこの感応電流を測定すれば、抵抗の並列でIに影響を与えることはない、そのメリットとしては、利用範囲が広く、絶縁可能で、出力電圧が大きいことである。ホール素子法も、CT法に類似するような、被測定電流が磁気回路に磁場を発生させる検知方式であり、その磁気回路に隙間があり、且つ隙間にホール素子を入れて発生した磁場がホール素子にホール電圧を発生させ、更に、被測定電流値を取得する。
【0070】
なお、本発明の太陽追尾システム装置が太陽追尾を実行する場合、方位角及び仰角を含む太陽電池装置81の姿勢を、捜索ルールによって変える。且つある場合には、この捜索ルールは、例えば、ファジィアルゴリズム、アントアルゴリズム、タグチアルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムのような人工知能アルゴリズムであってよいが、それに限定されない。人工知能アルゴリズムのそれぞれの詳細なステップに関しては、業界に広く熟知されているため、ここで詳しく説明しない。
【0071】
また、従来の光学センサ装置を取付ける場合、相当長い時間をかかって初期校正を行う必要がある。これに対して、本発明の光学センサの初期パラメーターの校正、また一定時間利用した後で光学センサのパラメーターの再校正は、プロセッサ装置が短絡電流法又は電力法を利用して最大電力出力の角度を追尾する時、ついでに記録した光学センサに関する仰角及び方位角の差動数値を参考できる。また、まず従来の光学センサによる太陽追跡方法で太陽追跡機構の粗位置決めを行ってから、本発明の太陽追尾システム方法で太陽追跡機構の精密位置決めを行うように、本発明の太陽追尾システム方法を、従来の光学センサによる太陽追跡方法に組み合わせてもよい。
【0072】
太陽電池パネルが黒雲に覆われる場合、太陽電池のP‐V出力特性曲線の全体は低下し、即ち、出力電流又は電力に対する黒雲覆いによる影響は、可なり厳しいである。そのため、本発明の太陽追尾方法によって測定した電流又は電力が固定値より低いことは、太陽電池パネルが黒雲に覆われること、又は悪天候を表し、この場合は、太陽追跡の動作を一時中止し、一旦、測定した電流又は電力が前記固定値より高いと、太陽追跡の動作を回復する。また、本発明の太陽追尾システム方法を、従来の太陽軌道公式法に合わせてもよい、ただし位置決めの精度を高くなる必要がないため、簡単な太陽軌道公式しか利用しない、よって高レベルのプロセッサを利用しなくてもよい。太陽追跡を行う場合、まず従来の太陽軌道公式法によって太陽追跡機構に対して粗位置決めを行ってから、本発明の太陽追尾システム方法によって太陽追跡機構の精密位置決めを行う。又は、測定した電流又は電力が固定値より低いことは、太陽電池パネルが黒雲に覆われること、又は悪天候を表し、この場合は、短絡電流法又は電力法による太陽追跡の動作を一時中止し、代わりに太陽軌道公式法による太陽追跡を行って、一旦、測定した電流又は電力が前記固定値より高いと、短絡電流法又は電力法による太陽追跡の動作を回復する。
【0073】
以上述べたところをまとめると、太陽電池装置に照射する光線の照度が一旦変わると、太陽電池装置の短絡電流の数値又は最大電力追尾制御装置の測定する電力の数値も対応的に変わる(即ち、その短絡電流又は電力の数値は、太陽電池装置の受入れる光線の照度の数値に対応する)ので、本発明の太陽追尾方法は、本発明の太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置の太陽電池装置の短絡電流の数値、又は最大電力追尾制御装置より測定された電力の数値の変化を監視制御することで、その姿勢制御装置によってその太陽電池装置の姿勢を短絡電流極大値又は電力極大値の姿勢に対応するようになるまで、変えるように、そのプロセッサ装置がそのモータ駆動装置を対応的に駆動するようにする。
【0074】
また、一般的に、この短絡電流極大値又は電力極大値に対応する姿勢は、前記太陽追尾システム装置の太陽電池装置が最大照度の太陽光源を受入可能な姿勢である。従って、本発明の太陽追尾方法によれば、本発明の太陽追尾方法を適用する太陽追尾システム装置が、太陽の位置を常に追尾可能となり、その太陽電池装置を、最大照度の太陽光源を受入可能な姿勢に常にとることができる。つまり、本発明の太陽追尾方法を適用した太陽追尾システム装置は、わざわざ光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能である。
【0075】
一方、前記のように、本発明の太陽追尾システム装置は、確実に、その太陽電池装置を、最大照度の太陽光源を受入可能な姿勢に常にとることができる。従って、本発明の太陽追尾システム装置は、わざわざ精密な初期取付け、光学センサの取付け、太陽軌道の公式の計算、更に、その機械構造の定期的な校正をしなくても、太陽の位置を常に追尾可能である。
【0076】
前記具体的な実施例は、説明しやすくように例示されたものに限り、本発明の主張する権利範囲は、前記具体的な実施例に限定されなく、特許請求の範囲の記載を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0077】
11、41、81 太陽電池装置、12、42、82 姿勢制御装置、13 光学センサ装置、14、46、86 プロセッサ装置、43、83 短絡電流測定装置、44、84 最大電力追尾制御装置、45、85 モータ駆動装置、47、87 インバータ、48、88 負荷、121、821 方位角制御ユニット、122、822 仰角制御ユニット、431 第1の切替電力素子、432 電流検知回路ユニット、441、841 昇降圧調整回路ユニット、442、842 インダクタ、443、843 キャパシタ、444、844 ダイオード、445、845 第2の切替電力素子、811 太陽電池セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池装置、姿勢制御装置、短絡電流測定装置、少なくとも電力素子を有する最大電力追尾制御装置、モータ駆動装置及びプロセッサ装置を含む太陽追尾システム装置に適用されて、
(A)前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置の姿勢を変え、前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記最大電力追尾制御装置の電力素子の切替に常に合わせて、前記短絡電流測定装置で前記太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をするステップと、
(B)前記プロセッサ装置で、記録された各短絡電流中の極大値を算出するステップと、
(C)前記モータ駆動装置の駆動で前記姿勢制御装置が前記太陽電池装置を前記短絡電流極大値に対応する姿勢に調整するステップと
を備える太陽追尾方法。
【請求項2】
前記短絡電流測定装置は、少なくとも第1の切替電力素子及び電流検知回路ユニットを有する請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項3】
前記最大電力追尾制御装置は、少なくともインダクタ、キャパシタ、ダイオード及び第2の切替電力素子を有する昇降圧調整回路ユニットを含む請求項2に記載の太陽追尾方法。
【請求項4】
前記第1の切替電力素子及び前記第2の切替電力素子は、交替で前記太陽電池装置の短絡電流を測定したり、前記太陽電池装置の最大電力を追尾するように、導通状態を交替で呈する請求項3に記載の太陽追尾方法。
【請求項5】
ステップ(A)において、方位角及び仰角を含む前記太陽電池装置の姿勢を、捜索ルールによって変える請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項6】
前記捜索ルールは、人工知能アルゴリズムである請求項5に記載の太陽追尾方法。
【請求項7】
前記人工知能アルゴリズムは、ファジィアルゴリズム、アントアルゴリズム、タグチアルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムであってよい請求項6に記載の太陽追尾方法。
【請求項8】
前記捜索ルールは、
(A1)前記太陽電池装置の仰角を固定角度に調整するステップと、
(A2)前記太陽電池装置の方位角を、固定角度から次第にまた他の固定角度まで増加するように調整するステップと、
(A3)前記太陽電池装置の方位角を、前記短絡電流極大値に対応する方位角に調整するステップと、
(A4)前記太陽電池装置の仰角を、負角から次第に正角まで増加するように調整するステップと、
(A5)前記太陽電池装置の仰角を、前記短絡電流極大値に対応する仰角に調整するステップと、
を含む請求項5に記載の太陽追尾方法。
【請求項9】
前記太陽電池装置の仰角の調整可能範囲は、前記姿勢制御装置に含まれる少なくとも1つのリミットスイッチの設置位置次第である請求項8に記載の太陽追尾方法。
【請求項10】
前記太陽電池装置の方位角の調整可能範囲は、前記姿勢制御装置に含まれる少なくとも1つのリミットスイッチの設置位置次第である請求項8に記載の太陽追尾方法。
【請求項11】
前記太陽電池装置の短絡電流を、抵抗法によって測定できる請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項12】
前記太陽電池装置の短絡電流を、ホール素子法によって測定できる請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項13】
前記太陽電池装置の短絡電流を、CT法によって測定できる請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項14】
(A6)前記太陽電池装置の方位角を時計方向へ移動させ、且つ前記太陽電池装置の方位角が変わった場合、前記短絡電流の数値が低下したかどうかを検出するステップを更に備える請求項8に記載の太陽追尾方法。
【請求項15】
(A7)前記太陽電池装置の方位角を反時計方向へ移動させ、且つ前記太陽電池装置の方位角が変わった場合、前記短絡電流の数値が低下したかどうかを検出するステップを更に備える請求項14に記載の太陽追尾方法。
【請求項16】
(A8)前記太陽電池装置の方位角を、前記短絡電流極大値に対応するまた他の方位角に調整するステップを更に備える請求項15に記載の太陽追尾方法。
【請求項17】
(A9)前記太陽電池装置の仰角を負角の方向へ移動させ、且つ前記太陽電池装置の仰角が変わった場合、前記短絡電流の数値が低下したかどうかを検出するステップを更に備える請求項16に記載の太陽追尾方法。
【請求項18】
(A10)前記太陽電池装置の仰角を正角の方向へ移動させ、且つ前記太陽電池装置の仰角が変わった場合、前記短絡電流の数値が低下したかどうかを検出するステップを更に備える請求項17に記載の太陽追尾方法。
【請求項19】
(A11)前記太陽電池装置の仰角を、前記短絡電流極大値に対応するまた他の仰角に調整するステップを更に備える請求項18に記載の太陽追尾方法。
【請求項20】
(D)所定の時間間隔ごとに、及び/又は測定した最大短絡電流がある比例まで低下した後、前記太陽電池装置の姿勢を捜索ルールによって変え、且つ前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記短絡電流測定装置で前記太陽電池装置の短絡電流の測定と記録を常にして、再び前記太陽電池装置を前記短絡電流極大値に対応するまた他の姿勢に調整するステップを更に備える請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項21】
前記捜索ルールは、摂動観測法である請求項20に記載の太陽追尾方法。
【請求項22】
前記捜索ルールは、人工知能アルゴリズムである請求項20に記載の太陽追尾方法。
【請求項23】
前記所定の時間間隔は、5〜10分間である請求項20に記載の太陽追尾方法。
【請求項24】
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)を実行する前、前記太陽電池装置の姿勢を変えて大まかな位置を決めるための、光学センサによる太陽追跡方法を実行するステップを更に備え、更に、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)によって精密な位置を決める請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項25】
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)を実行する前、前記太陽電池装置の姿勢を変えて大まかな位置を決めるための、太陽軌道公式による太陽追跡方法を実行するステップを更に備え、また、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)によって精密な位置を決める請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項26】
ステップ(A)の後、測定した短絡電流が固定値より低いかどうかを判定するステップを更に備え、そのうち、測定した短絡電流が前記固定値より低い場合、
前記モータ駆動装置を駆動することを一時中止し、且つ前記太陽電池装置の短絡電流を続けて測定するステップと、
測定した短絡電流が前記固定値より高い場合、ステップ(B)、ステップ(C)を実行するように、前記モータ駆動装置を駆動することを回復するステップと、
を更に備える請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項27】
ステップ(A)の後、測定した短絡電流が固定値より低いかどうかを判定するステップを更に備え、そのうち、測定した短絡電流が前記固定値より低い場合、
太陽軌道公式による太陽追跡方法によって、前記モータ駆動装置を駆動し、且つ前記太陽電池装置の短絡電流を続けて測定するステップと、
測定した短絡電流が前記固定値より高い場合、ステップ(B)及びステップ(C)を実行するステップと、
を更に備える請求項1に記載の太陽追尾方法。
【請求項28】
複数の太陽電池セルを有する太陽電池装置と、
前記太陽電池装置の姿勢を制御するように、前記太陽電池装置と組み合わせられる姿勢制御装置と、
前記太陽電池装置の短絡電流を測定するように、前記太陽電池装置に結合される短絡電流測定装置と、
前記太陽電池装置の最大電力を追尾するように、前記太陽電池装置に結合される最大電力追尾制御装置と、
前記姿勢制御装置におけるモータを駆動し、前記姿勢制御装置によって前記太陽電池装置の姿勢を変えるように、前記姿勢制御装置と組み合わせられるモータ駆動装置と、
前記短絡電流測定装置、前記最大電力追尾制御装置、前記モータ駆動装置に結合されるプロセッサ装置と
を備え、
前記太陽電池装置が動作する場合、前記プロセッサ装置は、前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置の姿勢を変え、前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記最大電力追尾制御装置の電力素子の切替に常に合わせて、前記短絡電流測定装置で前記太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をし、前記プロセッサ装置は、記録された各短絡電流中の極大値を算出し、更に、前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置を前記短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する、
太陽追尾システム装置。
【請求項29】
前記太陽電池セルのそれぞれは、太陽電池セルである請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項30】
前記太陽電池セルのそれぞれは、集光型太陽電池セルである請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項31】
前記太陽電池セルのそれぞれは、高集光型太陽電池セルである請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項32】
前記姿勢制御装置は、方位角制御ユニット及び仰角制御ユニットを有し、前記方位角制御ユニット及び仰角制御ユニットは、それぞれ少なくともモータ(直流モータ、交流同期モータ、又はステッピングモータであってよい)及び減速機構を含む請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項33】
前記方位角制御ユニットの移動行程を制御するための少なくとも1つの方位角リミットスイッチを更に備える請求項32に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項34】
前記仰角制御ユニットの移動行程を制御するための少なくとも1つの仰角リミットスイッチを更に備える請求項32に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項35】
前記短絡電流測定装置は、少なくとも第1の切替電力素子及び電流検知回路ユニットを有する請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項36】
前記最大電力追尾制御装置は、少なくともインダクタ、キャパシタ、ダイオード及び第2の切替電力素子を有する昇降圧調整回路ユニットを含む請求項35に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項37】
前記第1の切替電力素子及び前記第2の切替電力素子は、交替で前記太陽電池装置の短絡電流を測定したり、前記太陽電池装置の最大電力を追尾するように、導通状態を交替で呈する請求項36に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項38】
前記第1の切替電力素子及び前記第2の切替電力素子は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、電力トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであってよい請求項36に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項39】
前記短絡電流測定装置及び前記最大電力追尾制御装置を、検知回路モジュールに整合する請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項40】
前記プロセッサ装置は、捜索ルールで前記モータ駆動装置を駆動して、前記姿勢制御装置で前記太陽電池装置を前記短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項41】
前記捜索ルールは、人工知能アルゴリズムである請求項40に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項42】
前記人工知能アルゴリズムは、ファジィアルゴリズム、アントアルゴリズム、タグチアルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムであってよい請求項40に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項43】
前記電流検知回路ユニットは、前記太陽電池装置の短絡電流を抵抗法によって測定する請求項35に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項44】
前記電流検知回路ユニットは、前記太陽電池装置の短絡電流をホール素子法によって測定する請求項35に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項45】
前記電流検知回路ユニットは、前記太陽電池装置の短絡電流をCT法によって測定する請求項35に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項46】
異なる姿勢である場合の前記太陽電池装置の各短絡電流を、後の分析に用いるように保存するための、前記プロセッサ装置に結合されるメモリを更に備える請求項28に記載の太陽追尾システム装置。
【請求項47】
少なくとも太陽電池装置、姿勢制御装置、切替電力素子及び電流検知回路ユニットを有する短絡電流測定装置、モータ駆動装置及びプロセッサ装置を含む太陽追尾システム装置に適用されて、
(A)前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置の姿勢を変え、前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記短絡電流測定装置の切替電力素子が閉回路を形成する瞬間に前記太陽電池装置の短絡電流を測定して記録するステップと、
(B)前記プロセッサ装置によって、記録された各短絡電流中の極大値を算出するステップと、
(C)前記モータ駆動装置の駆動で前記姿勢制御装置が前記太陽電池装置を前記短絡電流極大値に対応する姿勢に調整するステップと
を備える太陽追尾方法。
【請求項48】
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)を実行する前、前記太陽電池装置の姿勢を変えて大まかな位置を決めるための、光学センサによる太陽追跡方法を実行するステップを更に備え、また、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)によって精密な位置を決める請求項47に記載の太陽追尾方法。
【請求項49】
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)を実行する前、前記太陽電池装置の姿勢を変えて大まかな位置を決めるための、太陽軌道公式による太陽追跡方法を実行するステップを更に備え、また、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)によって精密な位置を決める請求項47に記載の太陽追尾方法。
【請求項50】
ステップ(A)の後、測定した短絡電流が固定値より低いかどうかを判定するステップを更に備え、そのうち、測定した短絡電流が前記固定値より低い場合、
前記モータ駆動装置を駆動することを一時中止し、且つ前記太陽電池装置の短絡電流を続けて測定するステップと、
測定した短絡電流が前記固定値より高い場合、ステップ(B)、ステップ(C)を実行するように、前記モータ駆動装置を駆動することを回復するステップと、
を更に備える請求項47に記載の太陽追尾方法。
【請求項51】
ステップ(A)の後、測定した短絡電流が固定値より低いかどうかを判定するステップを更に備え、そのうち、測定した短絡電流が前記固定値より低い場合、
太陽軌道公式による太陽追跡方法によって、前記モータ駆動装置を駆動し、且つ前記太陽電池装置の短絡電流を続けて測定するステップと、
測定した短絡電流が前記固定値より高い場合、ステップ(B)及びステップ(C)を実行するステップと、
を更に備える請求項47に記載の太陽追尾方法。
【請求項52】
少なくとも太陽電池装置、姿勢制御装置、少なくとも電力素子及び電流、電圧又は電力測定装置を有する最大電力追尾制御装置、モータ駆動装置及びプロセッサ装置を含む太陽追尾システム装置に適用されるものであって、
(A)前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置の姿勢を変え、前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記最大電力追尾制御装置の前記電流、電圧又は電力測定装置で前記太陽電池装置が出力する電力の計算と記録、又は測定と記録をするステップと、
(B)前記プロセッサ装置で、記録された各電力を計算又は比較して、各電力の極大値を取得するステップと、
(C)前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置が前記太陽電池装置を前記電力極大値に対応する姿勢に調整するステップと
を備える太陽追尾方法。
【請求項53】
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)を実行する前、前記太陽電池装置の姿勢を変えて大まかな位置を決めるための、光学センサによる太陽追跡方法を実行するステップを更に備え、また、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)によって精密な位置を決める請求項52に記載の太陽追尾方法。
【請求項54】
ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)を実行する前、前記太陽電池装置の姿勢を変えて大まかな位置を決めるための、太陽軌道公式による太陽追跡方法を実行するステップを更に備え、また、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)によって精密な位置を決める請求項52に記載の太陽追尾方法。
【請求項55】
ステップ(A)の後、測定した電力が固定値より低いかどうかを判定するステップを更に備え、そのうち、測定した電力が前記固定値より低い場合、
前記モータ駆動装置を駆動することを一時中止し、且つ前記太陽電池装置の電力を続けて測定するステップと、
測定した電力が前記固定値より高い場合、ステップ(B)、ステップ(C)を実行するように、前記モータ駆動装置を駆動することを回復するステップと、
を更に備える請求項52に記載の太陽追尾方法。
【請求項56】
ステップ(A)の後、測定した電力が固定値より低いかどうかを判定するステップを更に備え、そのうち、測定した電力が前記固定値より低い場合、
太陽軌道公式による太陽追跡方法によって、前記モータ駆動装置を駆動し、且つ前記太陽電池装置の電力を続けて測定するステップと、
測定した電力が前記固定値より高い場合、ステップ(B)及びステップ(C)を実行するステップと、
を更に備える請求項52に記載の太陽追尾方法。
【請求項57】
複数の太陽電池セルを有する太陽電池装置と、
前記太陽電池装置の姿勢を制御するように、前記太陽電池装置と組み合わせられる姿勢制御装置と、
前記太陽電池装置の短絡電流を測定するように、前記太陽電池装置に結合され、切替電力素子及び電流検知回路ユニットを有する短絡電流測定装置と、
前記姿勢制御装置におけるモータを駆動し、前記姿勢制御装置によって前記太陽電池装置の姿勢を変えるように、前記姿勢制御装置と組み合わせられるモータ駆動装置と、
前記短絡電流測定装置及び前記モータ駆動装置に結合されるプロセッサ装置と
を備え、
前記太陽電池装置が動作する場合、前記プロセッサ装置は、前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置を変え、且つ前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記短絡電流測定装置の切替電力素子が閉回路を形成する瞬間に前記太陽電池装置の短絡電流の測定と記録をし、
前記プロセッサ装置は、記録された各短絡電流中の極大値を算出し、更に、前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置を前記短絡電流極大値に対応する姿勢に調整する、
太陽追尾システム装置。
【請求項58】
複数の太陽電池セルを有する太陽電池装置と、
前記太陽電池装置の姿勢を制御するように、前記太陽電池装置と組み合わせられる姿勢制御装置と、
前記太陽電池装置の最大電力を追尾するように、前記太陽電池装置に結合され、少なくとも電力素子及び電流、電圧又は電力測定装置を有する最大電力追尾制御装置と、
前記姿勢制御装置におけるモータを駆動し、前記姿勢制御装置によって前記太陽電池装置の姿勢を変えるように、前記姿勢制御装置と組み合わせられるモータ駆動装置と、
前記最大電力追尾制御装置及び前記モータ駆動装置に結合されるプロセッサ装置と
を備え、
前記太陽電池装置が動作する場合、前記プロセッサ装置は、前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置の姿勢を変え、且つ前記太陽電池装置の姿勢が変わった場合、前記最大電力追尾制御装置の電流、電圧又は電力測定装置で前記太陽電池装置が出力する電力の計算と測定をし、
前記プロセッサ装置は、記録された各電力中の極大値を算出して、前記モータ駆動装置で前記姿勢制御装置におけるモータを駆動して前記太陽電池装置を前記電力極大値に対応する姿勢に調整する、
太陽追尾システム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−156509(P2012−156509A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−14569(P2012−14569)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【出願人】(504007741)國立中央大學 (28)
【Fターム(参考)】