太陽電池および太陽電池アセンブリ
【課題】容易に製造することができ、太陽電池アセンブリの製造工程が容易かつ経済的であることを可能にする太陽電池を提供する。
【解決手段】第1のp−n接合3が提供され、p−n接合3は基板4を第1ドーピングを有する前部および第2ドーピングを有する後部に分離し、さらなるp−n接合を含む前層が提供され、p−n接合は前層を第1ドーピングを有する前部および第2ドーピングを有する後部に分離し、前層の前部は基板4前部に向けられず、少なくとも1つの第1電気接点10が太陽電池前側に提供され、前層の前部に電気的に接続され太陽電池の後側に提供される少なくとも1つの第2電気接点304が、太陽電池の前側に提供される接点に電気的に接続され、第2電気接点304がグルーブ底部表面に配置され、第2電気接点304と接点との間の電気的接続が基板4の後部によって提供される、太陽電池。
【解決手段】第1のp−n接合3が提供され、p−n接合3は基板4を第1ドーピングを有する前部および第2ドーピングを有する後部に分離し、さらなるp−n接合を含む前層が提供され、p−n接合は前層を第1ドーピングを有する前部および第2ドーピングを有する後部に分離し、前層の前部は基板4前部に向けられず、少なくとも1つの第1電気接点10が太陽電池前側に提供され、前層の前部に電気的に接続され太陽電池の後側に提供される少なくとも1つの第2電気接点304が、太陽電池の前側に提供される接点に電気的に接続され、第2電気接点304がグルーブ底部表面に配置され、第2電気接点304と接点との間の電気的接続が基板4の後部によって提供される、太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前段に記載された太陽電池に関する。本発明は、そのような太陽電池の太陽電池アセンブリおよび太陽電池アセンブリの製造方法にさらに関する。
【0002】
本発明は、前面に双方の極性の電気接点を備え、光電池アセンブリ内部へのこの種の複数の太陽電池の空間配置に関して改善された構造特徴を有する太陽電池を製造するための新規の効率的な方法、並びにこの配置で可能になる自動化された製造フローに関する。本発明は、主に宇宙利用のための太陽電池および太陽電池アセンブリに重点を置くが、それに限定されず、本発明の特徴は従来技術との比較において明らかになるだろう。
【背景技術】
【0003】
宇宙での発電のために、電流効率が25〜30%の間であるIII−V族半導体に基づく多接合太陽電池が使用されている。将来的には、適合された構造によってさらなる効率の増加が起こり得る。
【0004】
従来の3接合(TJ)太陽電池の断面が図1に示される。垂直方向の寸法は原寸に比例しておらず、横方向において太陽電池はさらに右側に延びている。
【0005】
そのような3接合太陽電池構造において、3つのp−n接合1、2、3が互いの上に積層され、接合を構成する半導体材料のバンドギャップが電池の上部から下部に向けて減少するようにする。典型的には80から150μmの厚みを有するゲルマニウムウェハ4は、電池の基板として働く。拡散によりウェハ前表面から数μmの、p−n接合3が形成される。ウェハ上に、2つ以上のp−n接合1、2をIII−V族半導体材料から成長させる。各p−n接合の間にトンネル接合が含まれることも以下において同様に、暗黙的に理解される。さらに、実際の装置では、例えば裏面電界層、バッファ層、リフレクタなどの機能を有する幾つかの追加層が含まれる。しかしながら、これらは本発明の枠組みに関連性がなく、したがって図1にもこれ以降にも言及されない。最も上部の電池層は、透明な窓層5によって表面が不動態化される。この構成において、3つのp−n接合は、電池表面から約10μmの深さの範囲に位置する。
【0006】
次いで電池の原型は通常円形であるゲルマニウムウェハから分離され、その上に接合をエピタキシャル成長させる。電池外周は、全ての3つのp−n接合を分離するのに十分に深い(例えばこの例では10μm)いわゆる「メサ」グルーブ6をエッチングすることにより画定される。次いで残りの電気的に不活性なゲルマニウムウェハはダイシング、すなわちカットライン7に沿って切断することにより機械的に分離される。
【0007】
その後、電気接点が電池に配置されなくてはならない。後側接点8は通常電池にオーミック接点を形成することができる任意の金属系で完全に金属化される。前側接点9が同様に製造される。しかしながら、光が前部から電池に入らなくてはならないという事実に起因して、前側接点は幅が狭いグリッドフィンガー100の形態で形作られ(図2)、これらは互いに接続され、最終的に外部電池接続に使用される多数の前側接点パッド10となる。典型的な配置が図2に示される。
【0008】
前側グリッドの下部には他のドーピングされた半導体層(いわゆるキャップ層11)が存在し、はんだ付けまたは溶接などの方法によって接点パッド10上に外部電気接続が取り付けられる間、主として電池をさらに保護するように働く。光の反射を最小化するために、反射防止コーティング12が電池の前側に堆積される。
【0009】
これらのエピタキシャル成長された電池200に関して、2つの電気的な電池の接点が異なる電池の表面に配置されることは即座に明らかであり、図3に示される。簡単のために、これ以降後側接点は(+)接点と示され、それに対して前側接点は(−)接点と示される。単一の電池の出力(上述の電池に関して例えば2.3Vのとき0.5A)は電源サブシステムの要求に適合しないので、図3に示されるように、出力電圧および電流を増加するためにこれらの電池は直列におよび並列に接続されなくてはならない。
【0010】
宇宙における太陽電池アレイの主な要素は、要求される50または100Vのバス電圧に関して、直列の典型的には30または60個の太陽電池の接続である。「ストリング」と呼ばれるこれらの要素の幾つかは、次いでその部位に逆流防止ダイオードを含みつつその端部において並列に接続され、約10Aの電流を運ぶ。
【0011】
ストリングは、一般的な絶縁基板201の上に配置される。ストリングの電気的に並列な接続とともに、これは光起電性アセンブリ(PVA)を形成する。宇宙用途の太陽電池アレイは、例えばカーボンファイバ表面板およびカプトン前側絶縁体を有するアルミニウムハニカムコアを備えるサンドイッチ型パネルである。これらの基板は、電池に対する熱膨張率の不一致が大きい。温度の変動が最大200℃である食(eclipse phase)の間、2つの電池の間のギャップ202は数10μm変化し、2つの電池の間の電気接続を曝露し、かなりの繰り返し応力をもたらす。これに対処するため、最新の技術では、2つの電池の間のギャップを繋ぐため、10〜20μmの厚みを有する銀(Ag)、金(Au)、銀めっきされたモリブデン(Mo)、銀めっきされたニッケル−コバルト鉄合金(例えば、「Kovar」という商品名で知られ、低い熱膨張係数を有する)などの金属ホイルを使用する。
【0012】
従来技術の実施形態における反対側の電気的電池接点で、電気的な直列接続は必然的に、1つの電池の前側接点パッド10から、隣接する電池の後側203へと実施されなくてはならない。熱的に誘起されたギャップ変化に起因して内部接続材料内部に誘起される応力を最小化するために、インターコネクタ204はS形状であり、電池の上方に大きく突き出す。
【0013】
この繋げる操作における他の重要な考察は、逆電圧に関する。ストリング内の個々の電池に関して操作条件が課せられてよく、ここで特定の電池が逆電圧に曝される。しかしながら、III−V族多接合電池は限られた逆電圧のみを許容し得る。このように各電池は、並列に接続された電池に対して反対の極性を有するダイオードによって、過剰な逆電圧から保護されなくてはならない。
【0014】
これを実行するには、例えば電池表面の一部に独立して反対の極性を有するダイオードを成長させるなど、幾つかの考え方がある。これらのダイオード構造の利点は、それらが容易に接続される、例えば隣接する前側接点パッドへの接続のみがなされなくてはならないことなど、である。これらのダイオードは、それらが成長する電池を保護する。この種のダイオードを有する電池は、本発明の枠組みにおける考察に関係して、さらなるダイオードを必要としないことが以下において明確になるので、さらには議論しない。
【0015】
これらのモノリス状に成長したダイオードの欠点は、電池製造の間、幾つかの追加の成長段階を必要とすることであり、これは電池を非常に高価にする。
【0016】
しばしば用いられる他のダイオードの考え方は、より容易に実施されるが、相互接続が複雑である。図2に示すような、好ましくは電池端部の、電池101の制限された領域は、全ての3つの接合を分離するメサグルーブエッチ6によって電気的に分離される。結果的にこの電池領域は、電池の残りの部分から電気的に分離され、電池の(+)極にのみ接続される。その上に金属接点102を堆積することによって、(−)接点が提供される。任意に、これらのダイオードp−n接合のうち幾つかが、ダイオード電圧を低減するために、エッチングにより除かれてよい。この方法で電池材料から形成されるダイオードが電池と同じ極性を有するという事実に起因して、ダイオードはそれが配置される電池を保護することができない。むしろ、電気接続は、ダイオード102の前側接点から隣接する電池の後側206への他のS形状インターコネクタ205により作られなくてはならない。
【0017】
宇宙における電池の放射線損傷を限定するために、全ての活性電池およびダイオード領域は保護されるべきである。通常100μmの厚みを有するセリウムをドープされたカバーガラス207が使用される。これらは、電池の前側に透明なシリコーン接着剤208で結合される。他のシリコーン接着剤209が、基板201上部に電池を結合するのに使用される。この光起電性アセンブリ(PVA)構造に基づいて、製造フローがサブアセンブリを製造する様々な段階を含まなくてはならず、完全に自動化することが困難であることが当業者には自明である。
【0018】
通常ダイオードおよび電池のインターコネクタは、まず電池に溶接される。次いで、カバーガラスが電池上に結合され、カバー一体型電池(CIC)を形成する。これらの段階は、通常完全に自動化される。その後CICは、下方を向いたカバーガラスと共に、適切な溶接プレート上に配置されなくてはならず、かつダイオードおよび電力インターコネクタは適切な電池の後側に配列されなくてはならず、これは面倒な手作業の工程である。ダイオードおよび電力インターコネクタは異なる電池の後側に行くことに注意されたい。次いで、全ての後側相互接続は、再度自動的に、例えば溶接によって、実行される。
【0019】
全ての後続の製造段階は、次いで再度手作業で実施される。このように作られた電池のストリングは、それを一時的な移送プレートに固定することによって、再度裏返される。次いでそれは前側のカバーガラスと共に、横置き法の間ストリングを支持する、接着ホイル上に配置される。横置きのために、室温硬化シリコーン接着剤が、例えばスクリーン印刷によって、電池の後側に塗布され、これは明確に定義された接着剤の厚みを確実にする。接着の粘度時間曲線の適切な範囲内で、ストリングは支持構造体の上に配置される。硬化の間、適切な方法で電池を包みかつこの領域から気体を抜くことによって、圧力が電池に印加される。接着剤の完全な硬化の後、自己接着ホイルはCICの前側から取り除かれる。
【0020】
この方法が非常に複雑であり、時間を消費し、手作業で実施されなくてはならない幾つかの段階を必要とすることは自明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第3,527,619号明細書
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Journal of Applied Physics,100,023714,2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、本発明の目的は、容易に製造することができ、太陽電池アセンブリの製造工程が容易かつ経済的であることを可能にする太陽電池を提供することである。太陽電池アセンブリとの用語は、複数の太陽電池またはCIC(すなわちインターコネクタおよびカバーガラスを備えた太陽電池)の空間的な配列を示す。
【課題を解決するための手段】
【0024】
太陽電池に関する本発明の第1の目的は、請求項1の特徴を備えた太陽電池によって達成される。
【0025】
第2電気接点の接点が太陽電池の前側に向くように、請求項1の特徴部の特徴によるグルーブの底部表面上の基板の後部を通って第2電気接点に電気的に接続される電気的な接点を配置することは、太陽電池の前側から接近可能な双方の極性の接点を作り、そのような本発明の太陽電池の太陽電池アレイの製造工程の間、接点結合段階が太陽電池を裏返すことなく実行されることを可能にする。これは、製造工程の間に処理する段階を低減し、結果的に太陽電池アセンブリの製造工程を短縮する。さらに、太陽電池アセンブリ中の太陽電池の双方の極性の接点は前側から接近可能であり、太陽電池アセンブリ中の単一の太陽電池の試験および修理を非常に容易にする。
【0026】
好ましい実施形態において、p−n接合を含む少なくとも1つの中間層が、前記基板と前記前層との間に提供され、ここで前記p−n接合は少なくとも1つの中間層を、前記第1ドーピングを有する前部および前記第2ドーピングを有する後部に分離し、前記中間層前部は前記基板前部には向けられない。そのような多層太陽電池はより効率的である。
【0027】
好ましくは、前記グルーブは太陽電池の横側に提供され、それが横側に開くことができるようにもする。この実施形態は、太陽電池の横方向の接触を可能にする。
【0028】
さらに好ましい実施形態では、前層の前面が少なくとも部分的に反射防止コーティングを備える。さらに、またはその代わりに、グルーブの前記底面は、少なくとも部分的に反射防止コーティングを有し、前記第2電気接点の接点パッドの周りに提供される。これらの反射防止コーティングは、光の反射を最小化するために提供される。
【0029】
好ましくは、前記太陽電池はIII−V族3接合太陽電池であり、前記基板はゲルマニウムウェハである。
【0030】
カバーガラスが前層の前面に提供され、前記カバーガラスが第2電気接点の位置に切り欠きを備え、カットアウトが電気接点の接点パッドと好ましくは同じサイズを有するとき、特に有利である。太陽電池が宇宙で使用されるとき、このカバーガラスの提供により、電池の放射による損傷は限定される。
【0031】
太陽電池アセンブリに関する本発明の目的は、太陽電池が太陽電池の列を形成するとき、請求項7の特徴による少なくとも2つの相互接続可能な太陽電池のアセンブリの場合にその代わりに、太陽電池が太陽電池のアレイを形成するとき、請求項8の特徴を備える少なくとも3つの相互接続太陽電池の太陽電池アセンブリによって、達成される。
【0032】
第1のアセンブリ(請求項7に記載される)によれば、各太陽電池の、各々、第1および第2の電気接点の第1および第2電気接点パッドは、太陽電池が太陽電池の列を形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッドが隣接する太陽電池の第2電気接点パッドの近傍に配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッドが前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッドの近傍に配置されることが可能なように配置される。
【0033】
その代わりに第2のアセンブリ(請求項8に記載される)によれば、各太陽電池の、各々、第1および第2の電気接点の第1および第2電気接点パッドは、太陽電池が太陽電池のアレイを形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッドが隣接する太陽電池の第2電気接点パッドの近傍に配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッドが前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッドの近傍に配置されることが可能なように配置される。
【0034】
どちらの場合においても、第1太陽電池の各第1電気接点パッドを隣接する太陽電池の隣接する第2電気接点パッドに接続するために、および第1太陽電池の各第2電気接点パッドを隣接する太陽電池の隣接する第1電気接点パッドに接続するために、インターコネクタが提供され、各インターコネクタのサイズはインターコネクタの要素が前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面から突き出さないようにする。
【0035】
全てその前側から接近可能であり、また各インターコネクタのサイズが、インターコネクタの要素が前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面から突き出さないようにするようなものである、この太陽電池の電気接点の第1および第2接点パッドの特定の提供は、全ての太陽電池アレイ製造および洗浄段階の間、電池から電池インターコネクタが機械的損傷から完全に保護される、太陽電池アセンブリをもたらす。
【0036】
好ましい実施形態において、前記インターコネクタは、U形状またはW形状構造で形成される。そのような曲がったインターコネクタは、熱による伸長の補償を可能にする。
【0037】
好ましくは、各インターコネクタは複数のグリッドフィンガーを含み、その各々は関連する電気接点パッドに個別に接触される。各グリッドフィンガーは関連する接点パッドに別個に接続されるので、このタイプのコネクタは断線に対する余剰性を提供する。
【0038】
好ましくは、前層の前面にカバーガラスが提供される太陽電池アセンブリにおいて、各インターコネクタはインターコネクタの前面を覆うカバー部材を備える。この特徴は、イオンスラスタからのイオンエロージョン(スパッタリング)からコネクタ領域も保護する。
【0039】
カバー部材が柔軟なやり方でインターコネクタに取り付けられるとき、非常に有利である。これは、電池が熱膨張する場合の、カバー部材およびインターコネクタの相対的な横方向の動きを可能にする。
【0040】
本発明による他の好ましい太陽電池アセンブリにおいて、カバーガラスは各太陽電池の前層の前面に提供され、前記カバーガラスの前面は第2電気接点パッドの1つを収容するグルーブに隣接するカバーガラスの側壁の金属化された部分に接続される導電性コーティングを備え、前記金属化された部分は前記第1電気接点パッドに電気的に接続される。この実施形態は、カバーガラスの導電性コーティングを接地する容易かつ安全な方法を提供する。
【0041】
好ましくは、インターコネクタの自由端は、太陽電池の前側に向かって曲げられ(例えば上方に曲がる)、インターコネクタが前記電気接点パッドに固定されるとき、インターコネクタの屈曲部分は側壁の金属化部分に電気的に接触する。インターコネクタの屈曲部分がその自由端においてグリッドフィンガーを備えて形成されるときも、有利である。この構造は、少なくとも1つのグリッドフィンガーが金属化部分と接触する必要があるので、余剰性を提供する。曲がった部分は、肘のような曲げ領域内に一体的に形成され、屈曲部分のグリッドフィンガーを接続し、そのように提供された場合には、提供されたグリッドフィンガーは接点パッドと接触する。
【0042】
太陽電池アセンブリの製造方法に関する目的は、請求項16に記載の方法で実現される。この方法は以下の段階を含む。
a) 太陽電池を準備する段階、
b) 太陽電池の接着剤の後側の、少なくとも、全ての前側接点パッドの下部の位置に、好ましくは加硫シリコーン接着剤、を塗布する段階、
c) 太陽電池を、その後側を支持構造体の上に置いて配置する段階、
d) 太陽電池が配置された支持構造体上に熱および/または圧力を与えることによって、接着剤を硬化する段階、
e) 段階c)において配置された他の太陽電池でa)からd)の段階を繰り返して、相互接続される、関連する接点パッドが互いに近くに配置されるようにする段階、
f) 関連する接点パッドを接続するために、インターコネクタを配置し、溶接する段階、
g) 所定の数の太陽電池が支持構造体に取り付けられ、電気的に相互接続されるまで、段階e)およびf)を繰り返す段階。
【0043】
太陽電池アセンブリのためのこの発明的な製造方法は、太陽電池アセンブリの迅速かつ信頼性が高い自動化製造を可能にする。
【0044】
段階d)を2つのサブ段階に分け、
d1) 全ての前側接点パッド位置の下部の位置で、接着剤をまず硬化する段階、
d2) その後、残りの接着位置で接着剤を硬化する段階、
段階d1)および段階d2)の間の太陽電池の機械的および/または電気的一体性を試験する追加の段階を提供することによって、太陽電池が支持構造体に完全に固定される前に、試験段階を実施することが可能になる。残りの接着部分において接着剤は硬化されておらずしたがって未だ柔軟であるため、試験された太陽電池において欠陥が検知された場合、太陽電池は容易に取り除かれ、他の太陽電池で置き換えることができる。
【0045】
段階g)の後、カバーガラスが複数の太陽電池の上に配置され、支持構造体および/または太陽電池に取り付けられるとき、さらに有利である。この方法の段階は、太陽電池アセンブリが宇宙利用のために提供されるとき、好ましくは実施される。
【0046】
本発明は、これ以降図面と関連して例示によって記述される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来技術の3接合太陽電池を通る断面図を示す。
【図2】太陽電池上の前側グリッドのレイアウトの上面図を示す。
【図3】宇宙での使用のために個々の電池を光起電力アセンブリに相互接続する、従来技術の例を示す。
【図4】本発明による太陽電池を通る断面図を示す。
【図5】図4の太陽電池およびカバーガラスの上面図を示す。
【図6】溶接工具との接触位置における図4の太陽電池を通る詳細な断面図を示す。
【図7】本発明による太陽電池アレイの相互作用形状の例を示す。
【図8】本発明による太陽電池アレイのイオンエロージョン保護されたインターコネクタを示す。
【図9】導電的にコーティングされたカバーガラスの接地の例を示す。
【図10】本発明による太陽電池に関して可能である太陽電池アセンブリの電池修理工程の説明である。
【図11】本発明による太陽電池アセンブリの自動化ストリング製造工程の例を示す。
【図12】本発明による太陽電池アセンブリの一段階一体化工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図4に示される太陽電池Cは、前面4’および後面4”を有する半導体基板4で作られる。第1のp−n接合3は、基板4の前面4’に近い基板4内に提供される。p−n接合3により、基板は第1のドーピングnを有する前部および第2のドーピングpを有する後部に分けられる。
【0049】
図4はこの発明による太陽電池Cの提案された方法を示し、電池前側の後側接点8の接点304を定める。接点304は、基板4の後部303を介して、ゲルマニウム基板4の高い導電性を利用することによって、後側接点8に電気的に接続される。図面は原寸どおりではなく、図4に示される太陽電池Cは説明のみを目的とする。本発明はこの特定の電池タイプまたは構造に一切限定されない。図1および2に示される従来の太陽電池と類似する特徴を有する本発明による太陽電池Cの特徴には同じ参照番号が割り当てられ、それらの説明に関しては図1および2の説明が参照される。
【0050】
p−n接合1を含む前層1’は基板4の前面に提供され、p−n接合により、前層1’は第1のドーピングnを有する前部および第2のドーピングpを有する後部に分けられる。前層の前部は基板の前部306に向けられない。
【0051】
p−n接合2を含む中間層2’が前記基板4と前記前層1’との間に提供される。p−n接合により、中間層2’は第1のドーピングnを有する前部および第2のドーピングpを有する後部に分けられる。中間層の前部は基板の前部に向けられない。
【0052】
第1の電気接点9がグリッドフィンガーの形態で太陽電池Cの前側C’に提供され、前層1’の前部に電気的に接続される。これらのグリッドフィンガー接点は、太陽電池Cの前面の横側に配置される複数の接点パッド10に接続される。
【0053】
後述のように太陽電池Cの前側C’と接近可能な形態であるように、接点304を形成する第2の電気接点パッド304’が提供される。これら第2の電気接点パッド304’は基板4の後部303に電気的に接続される。第2の電気接点パッド304’は、太陽電池Cの前側C’に開口し、基板4の後部303に延びる、グルーブ305の底部表面に配置される。グルーブ305は、電池Cの横側7’にも開口する。
【0054】
第2の、後側接点パッド304’に関して接点グルーブ305を提供するために、エピタキシは301において約10μmエッチングされ、それに対して接点304の接点パッド304’に関する接点パッド領域302を形成するグルーブ305の幅は100倍大きい。残りのウェハの高さ7は、100μmのオーダーである。
【0055】
この発明の第1の要素は、そこに既に存在する(−)接点パッド10の隣に、同様に電池前側C’上の位置300において独立した(+)接点304を定めるための効率的な方法を含む。言い換えれば、従来技術において電池後側に存在する接点は前側C’に移動される。これは、pドープされたゲルマニウムウェハ自身の導電性によって、図4に示されるように実行される。接点の極性および図4における関連するドーピング(pまたはn)は単なる例示である。当然ながら反対の極性も同様に実施可能である。
【0056】
十分に大きな領域302(例えば8×1.2mm2)の上で、全エピタキシはエッチングされ、ゲルマニウム基板4のpドープされた後部303まで、高さ301のグルーブ305を形成する。電池端部においてメサグルーブ6を規定するために、または一体化されたダイオードを独立させるために使用されたのと同じエッチング法をここでも使用することができる。次いで、金属接点パッド304’がゲルマニウム基板4のpドープされた後部303上に堆積され、外部電池コネクタの接点パッドとして働く。
【0057】
典型的には、同じオーミック接点パッドシステムが、(pドープされたゲルマニウムと相互作用する)電池後側接点8に関して、(例えばnドープされたGa(In)Asベースキャップ層と相互作用する)電池前側接点9および接点パッド10に関して使用される。したがって、双方の前側接点も電池前側のステップに堆積することができる。最新技術の3接合電池のゲルマニウム基板はかなり高度にドープされ、10mΩcm範囲の特定の抵抗をもたらす(C.G.Zimmermann,Journal of Applied Physics,100,023714,2006)。ゲルマニウムウェハの厚みを140μm、各々7mm2の領域を有する3つの(+)接点パッド304’を仮定すると、ゲルマニウムウェハを通るこの電流経路の抵抗Rは以下に等しい。
R = 10mΩcm*140μm/(3*7mm2) = 0.7mΩ
【0058】
典型的な電池電流である約0.5Aにおいて、これは1mV未満の無視できる電圧損失をもたらす。結果的にゲルマニウム基板の高い導電性は、この構造の主な特徴として、電池の後部接点8に関して(+)前側接点304を定めるのに利用される。
【0059】
従来技術の他の方法、例えばより高い抵抗を有するSiウェハを備えるSi太陽電池は、前側接点を定めるために電池端においてさらなる導電部材を必要とする。とりわけ、これは米国特許第3,527,619号明細書に示される。p−n接合を含む電池エミッタは同様に従来法においてエッチングされるが、このエッチングの唯一の目的は、周囲を包まれた導電性表面と電池端部との間のさらなる絶縁層の必要性を回避することである。このエッチングが無いと、この従来法において電池は電池端において短絡するだろう。
【0060】
典型的には前側接点9における前側金属化と同じ厚みを有して接点パッド位置において同じ性質を有するようにする、後側接点8における後側金属化は、さらなるオーミック損失が耐えられる量に依存して、さらに厚みが減じられてよい。(+)接点領域302における反射防止コーティング12は任意である。
【0061】
(+)接点パッド位置の空間的配置に関連して、完全な柔軟性が存在する。非長方形電池(例えばトリミングされた角を有する電池)において、トリミングされた角の領域は、接点パッドまたは溶接パッドの好ましい位置であってよい。これらの位置において、接点パッドに関してそれ自身では太陽電池に適さない円形のウェハ領域部を使用する可能性があり、結果的にさらなる電池領域における損失を最小化する。
【0062】
図5において、カバーガラス403の適合されたレイアウトとともに、電池前側のさらなる(+)接点400、401の空間的配置が示される。
【0063】
3つの(−)接点パッド10および一体化ダイオード102を備えた8×4cm2のサイズの3接合電池の(+)接点400の従来の配置が図5に説明される。隣接する電池のダイオードの相互接続に関して、第4の(+)接点401が必要とされる。10mm2の活性電池領域が7mm2の接点パッドにエッチングされたと仮定すると(これは接点パッド金属から開口p−n接合までの十分な距離を確保する)、電池前側の(+)接点の配置に起因して1.3%の電池領域が失われる。当然ながら、水平な収集グリッドライン100は、任意であるダイオード接点401に関して必要とされる接点パッド周囲(402参照)に成形されなくてはならない。
【0064】
カバーガラス403はこのトップコンタクト太陽電池構造体に適合され、この電池がなおも最新式の逐次製造フローに適用可能であるようにする。従来技術の説明で既に概略述べたように、宇宙の放射線環境を耐えるために電池はカバーガラスによって保護されなくてはならない。例えば、多量の低エネルギープロトンで特徴付けられる静止軌道において、たとえもしも最小の電池領域が覆われないままになっていたとしても、電池は数週間のうちに深刻な損傷に耐えなくてはならないだろう。したがって、全活性電池領域並びに一体化ダイオードは、電池が宇宙で使用されるよう設計されるとき、トップコンタクト太陽電池のまさしく端部まで覆われなくてはならない。しかしながら、この要求は前部の(+)接点には適用されない。これらの位置には活性電池領域が存在しないので、これらは全く覆われない状態であってよい。
【0065】
したがって、トップコンタクト電池構造体と併せた基本的なカバーガラスのレイアウトが、(+)接点パッド400、401と位置およびサイズにおいて完全に整合するさらなる切り欠き404を備える標準カバーガラス構造と一致する。
【0066】
図6において、太陽電池を通る拡大された詳細断面図が示され、(+)接点位置におけるカバーガラスが説明される。カバーガラス403は、405において活性電池領域406を完全に覆い、粒子放射からの活性電池の完全な保護を確実にする。前述された標準製造フローにおける場合と同様に、インターコネクタは(−)接点にまず接続される。次いで、カバーガラス403が透明なシリコーン接着剤208で結合される。切り欠き404は(+)接点パッド周囲に広い空間(例えば電極407を溶接するための)を残し、(+)インターコネクタ408の溶接がカバーガラスを結合した後に実施できるようにする。
【0067】
このように、トップまたはフロントコンタクト電池およびそれに続くトップまたはフロントコンタクト太陽電池カバーガラスユニット(CIC)は、最新の製造フローに適合され、これも本発明の一部である光起電性アセンブリ(PVA)の様々な構造、測定、および製造上の特徴を可能にする。
【0068】
図7は本発明によるフロントコンタクト太陽電池に利用可能な相互接続の形状の例を示す。寸法は原寸どおりではない。電池から電池の距離501は、典型的には電池の高さと比較して5−10倍大きい。
【0069】
2つの隣接する電池の接点パッド304’および10の高さ((+)接点に関してエッチングされたエピタキシ500の高さによってのみ異なる)はほぼ等しいので、S形状の内部接続ループはもはや必要ない。熱膨張ループの形状は、内部電池ギャップ501(すなわち、ストリング構成中の2つの隣接する電池の間の距離)および電池の高さ502によって画定される空間にむしろ制限され得る。提案される形状の例としては、図7に示すようなU形状インターコネクタ構造503またはW形状インターコネクタ構造504がある。他の形状が可能であり、これは全て太陽電池502の高さより上に全く要素を持たないという事実によって特徴付けられる。このように、太陽電池アレイの全ての製造および洗浄段階の間、電池から電池へのインターコネクタ503、504は完全に曲げなどの機械的損傷から保護される。幾つかのインターコネクタの概念は、もしもそれらの設計された形状が変形していない場合に多数の熱サイクルに耐えることができる、かなり柔軟で薄い金属ホイルを使用するものであるため、これは重要な利点である。形状の予想外の変化は、インターコネクタの寿命を著しく低減する応力集中点を生じさせる。本発明による完全に保護された形状は、多数の熱サイクルを要求する活動に関して、形状が影響を受けやすい相互接続材料を使用可能にする可能性を有する。
【0070】
インターコネクタ503、504の端部505が電池の開口p−n接合506と接触しないように配慮されなくてはならない。したがって、インターコネクタの端部は任意に上方に90°曲げられてよく(507に示される)、インターコネクタはカバーガラス403によって停止され、結果的に、図4の例のように接点304を収容するグルーブ500’の側壁から離れるので、これはインターコネクタがp−n接合506に接触する可能性を低減する。
【0071】
この太陽電池アセンブリ構造で、たとえ高度なアセンブリ段階であっても、例えばストリング内部で、または光起電力アセンブリ上で、2つの隣接する電池上で適切な(+)接点上に測定電極を配置することによって、個々の太陽電池並びに個々のダイオードが電気的に容易に測定可能であることは、当業者には即座に自明である。対照的にこれは、全ての前側接点が覆われ、かつ後側接点が接近不可能である、標準的な従来技術の構造において不可能である。
【0072】
さらに重要な考察は、太陽電池アレイ中の太陽電池と、例えば衛星の姿勢制御に使用されるイオンスラスタによって放出されたエネルギーイオンとの相互作用である。典型的には、100eV前後のエネルギーを有するキセノンイオンが、太陽電池の内部パネルに入射する。そのような状態に対するアレイの耐性は、とりわけ太陽電池インターコネクタ上で起こるエロージョンにより決定される。それらの障害は電気ネットワークを分断し、ストリング全体の損失をもたらす。上述のように電池間ギャップにインターコネクタを収容することによって、キセノンイオンに対する形態係数が大幅に低減され、結果的にスパッタリングにより材料の容認しがたいエロージョンをもたらすキセノンイオンの臨界照射の値が増加する。
【0073】
図8に記載されるように、インターコネクタ503が取り付けられた後、開口(+)接点パッド304’上に、例えばシリコーン接着剤601によって、追加のカバーガラス部品600を結合することによって、さらなる保護が可能である。このカバーガラス部品は、電池間ギャップ501内部に延び、エネルギーイオンから下部のインターコネクタ503を保護する。アレイの製造温度を越える、軌道における動作温度に起因する電池間ギャップ501の収縮は、柔軟なカバーガラス接着剤601および(+)接点の内部端上のギャップ603によって吸収される。
【0074】
インターコネクタ503および接点パッド304’の接続点604、例えば溶接部分、がカバーガラスの下部に位置するので、インターコネクタのエネルギー的に関連性がある部分が保護される。この追加のカバーガラス部品の寸法が小さい(これは例えば8×2mmのインターコネクタの全幅を覆うと理解される)ことに起因して、結合工程は、もしもそれが自動化された方法で実施される場合、最も便利である。
【0075】
特定の太陽電池アレイ構造において、カバーガラスの前側は、図9に示されるような導電性コーティング700を備えなくてはならない。最新のカバーガラス構造において、この導電性コーティングはカバーガラス側701上の金属化領域に接続される。この発明的な例の電池構造は、もしも金属化された領域が(+)接点周囲のカバーガラスの切り欠き内に位置する場合、これらのカバーガラスの非常に容易な接地方法を提供する。その根拠は、図7に関して記述された90°屈曲を有するインターコネクタである。垂直部703は、NuSil CV2646またはNuSil CV1500という商品名で入手可能なものなどの導電性シリコーン接着剤704によって、金属化されたカバーガラス端701に接続される。
【0076】
インターコネクタは通常連続シートでは構成されず、むしろ個々のグリッドフィンガー705からなり、これは余剰性の理由から接点位置706において接点パッドに別個に接触される。90°屈曲707の領域において、個々のフィンガー708において再度終了する前に、インターコネクタは提案される構造において再度連続的なものとなる。インターコネクタフィンガーの垂直部において個々のフィンガー709の間の空間は、導電性接着剤が金属化ガラスと接触することを可能にし、その一方で90°屈曲707の領域の連続部は、接着剤の接触を防ぎ、結果的に開口p−n接合506を短くする。
【0077】
(+)接点が前にある太陽電池アセンブリ構造体は、電池の損傷に起因して太陽電池ストリング内部で太陽電池が交換されなくてはならない場合、さらにより良い修理法を提供するという利点を有する。ストリング中の太陽電池は、シリコーン接着剤800でカーボンファイバ支持構造体801に結合される。1つの太陽電池802に対する損傷の場合、この太陽電池は取り除かれなくてはならず、新しいものと交換される。従来技術において、これは交換する太陽電池のインターコネクタを太陽電池アセンブリの2つの隣接する太陽電池のインターコネクタに溶接することによってのみ実現することができる。この修理方法が新しい構造体でなお使用できる一方で、トップコンタクト太陽電池は、インターコネクタが修理方法に全く影響されない、改良された修理方法の可能性を有する。これは、従来技術とは対照的に、その疲労挙動が変化されないという利点を有する。
【0078】
太陽電池および太陽電池アセンブリの発明的な構造によって可能となったこの修理法が、図10に説明される。インターコネクタ803が、805に示されるように接点パッド304’から元々の接触部604を分離することによって、電池804の(+)接点から左方に取り除かれる。この場合、接点パッド304’が損傷を受けない(すなわち、全ての損傷がもはや必要のないインターコネクタ803に含まれる)ように注意を要する。太陽電池802の代わりに新たな太陽電池が構造体に結合されたら、そのインターコネクタは少し離れた位置806において電池804の接点パッド304’に再度溶接される。
【0079】
太陽電池808の右方へのインターコネクタ807は、809に示されるように、同様の方法で電池802の接点パッド304’から取り除かれる。しかしながら、この場合、元々の接点領域604を分離する間、全ての損傷がインターコネクタ807ではなく接点パッド304’に含まれるように注意が払われる。太陽電池802の位置において新たな太陽電池が結合されると、インターコネクタ807は少し離れた位置810において交換する電池の接点パッド304’に溶接される。
【0080】
このように、左側のインターコネクタ803および右側のインターコネクタ807の電気的に活性な部分は修理工程において完全に影響を受けないままである。修理法の要件は、シリコーン接着剤800が、接触(例えば溶接)動作の間電池を支持するために、太陽電池802および太陽電池804の各々の接点パッドの位置の下部に存在することのみである。
【0081】
前述したように、CICを裏返す必要があり、かつインターコネクタが各々後側の位置に配置されなくてはならないので、単一のCICのストリング内への相互接続は従来技術において完全に自動化することが困難である。本発明の枠組みにおいて、CICは、適切なグルーブ901または同様の固定によって正確な電池位置が示された、適切な位置決めプレート900上に直接配置することができる。
【0082】
図11に説明されるように、CIC902は横方向に配置される。ストリング形態の太陽電池アレイ内の次のCIC903は、その位置に自動的に配置され(矢印904)、これはそのインターコネクタ905をCIC902の正確な溶接パッド位置906に同時に配置する。CIC902のダイオードインターコネクタ907は、CIC903の配置の間、邪魔にならないところに(矢印908)一時的に移動されなくてはならない。これは、圧縮空気(ノズル909)またはダイオードインターコネクタ907を上方に曲げる任意の他の装置によって、容易に実現され得る。そして例えば溶接電極910での溶接によるCICの接触も自動的に実施することができる。
【0083】
溶接電極910は、カメラに基づく方法を用いて(マシンビジョン)、インターコネクタの位置を自動的に微細に調節するよう(矢印911)さらに働くことができる。次いで位置決めホイルがストリング上部に配置され、さらなる太陽電池アレイ製造工程が継続される。
【0084】
最後に、トップコンタクト太陽電池は、例えば図12に示されるようなカーボンファイバ/ハニカムパネルなどの支持構造体1000上に直接的に、自動化された製造順序により一段階で、太陽電池アレイを一体化する可能性を開く。
【0085】
この製造フローにおいて、シリコーン接着剤は、好ましくはディスペンサ1002を用いる分配法によって、まず個々の太陽電池1001の後側に配置される。典型的には宇宙用の太陽電池アレイにおいて使用される室温加硫シリコーン接着剤(RTV)を用いたこの方法は、接着剤の粘度が時間に従って変化し、大面積太陽電池アレイパネル上での最後のストリングと比較した最初のストリングの配置の間非常に幅広い接着条件をもたらすので、大きなパネルに適用することが困難である。しかしながら、単一の太陽電池に適用される際これらの問題は起こらない。
【0086】
接着剤パターン1003は任意の形状を有することができるが、ここでの有利な要件は、接着剤が全ての前側接点パッド位置1004の下部に存在することである。太陽電池1001は、上下裏返され、構造体1000上に自動的に配置され、適切な装置(例えば金属スタンプ1005)が圧力並びに温度を与えることによって下部の接着剤を硬化する。典型的な条件は、1分未満かつ1bar未満の圧力に関してT<100℃である。
【0087】
パネル上に2つの太陽電池が存在するとすぐに、太陽電池の間にインターコネクタ1006が配置され、例えば溶接電極1007によって、接点パッドに溶接される。最終的に、カバーガラス1008は、例えばディスペンサ1009で接着剤がその上部に塗布された後に再度、電池に結合される。結果的に接着剤は、同様に分配法によって塗布されてよいが、太陽電池の活性領域内の連続層として塗布されなくてはならず、また伝送損失を最小化するためにボイドを含まないようにしなくてはならない。特に、この製造法は、同じ大面積のカバーガラスを用いて速やかに複数の電池1010を覆うことを可能にする。
【0088】
任意に、前側接点パッド下部の接着領域1004のみがまず硬化されてよい。続いて最も近くにある隣接太陽電池に対する相互接続1006が実施される。反対の極性を有する2つの前側接点パッド上に接点プローブを配置することによって、太陽電池およびダイオードの機械的かつ電気的一体性のチェックが、例えばエレクトロルミネッセンスイメージングおよび光I−V測定によって、実施される。次いで残りの接着剤1003のみがその後硬化される。これは、例えば溶接操作によって生じる電池の損傷が検知された場合、電池を容易に取り除くことができるという利点を有する。
【0089】
結果的に、本発明はトップコンタクト太陽電池を提供する。従来技術では元々電池の後側に存在する電気接点の提供が、電池前側で行われる。この発明的な方法は、互いの上に積層された幾つかのp−n接合、および十分な機械的安定性および導電性を有する底部の接合を有する、全ての多接合太陽電池に適する。後側接点は、底部p−n接合のエミッタを含む全てのp−n接合の局在化領域をエッチングすることによって定められる。底部電池の基部はオーミック接点を備え、電池の後側から前側の間に導電性経路を定める。
【0090】
トップコンタクト太陽電池は、電池の前側に提供される後側ドーピングの接点周囲に切り欠きを有するカバーガラスを備えることができる。
【0091】
一体化されたカバーおよびインターコネクタを備えるこれらの太陽電池で、従来技術の光起電力アセンブリ製造工程と両立可能な製造工程(本発明による太陽電池に関して既存の装置も使用することができる)で、太陽電池アセンブリを製造することができる。
【0092】
請求項および説明中の参照番号は本発明のよりよい理解のためにのみ提供され、請求項によってのみ規定される本発明の範囲を制限するべきではない。
【符号の説明】
【0093】
1,2,3 p−n接合
4 半導体基板
8 第2電気接点
9 第1電気接点
10 第1電気接点パッド
12 反射防止コーティング
304 第2電気接点
305 グルーブ
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前段に記載された太陽電池に関する。本発明は、そのような太陽電池の太陽電池アセンブリおよび太陽電池アセンブリの製造方法にさらに関する。
【0002】
本発明は、前面に双方の極性の電気接点を備え、光電池アセンブリ内部へのこの種の複数の太陽電池の空間配置に関して改善された構造特徴を有する太陽電池を製造するための新規の効率的な方法、並びにこの配置で可能になる自動化された製造フローに関する。本発明は、主に宇宙利用のための太陽電池および太陽電池アセンブリに重点を置くが、それに限定されず、本発明の特徴は従来技術との比較において明らかになるだろう。
【背景技術】
【0003】
宇宙での発電のために、電流効率が25〜30%の間であるIII−V族半導体に基づく多接合太陽電池が使用されている。将来的には、適合された構造によってさらなる効率の増加が起こり得る。
【0004】
従来の3接合(TJ)太陽電池の断面が図1に示される。垂直方向の寸法は原寸に比例しておらず、横方向において太陽電池はさらに右側に延びている。
【0005】
そのような3接合太陽電池構造において、3つのp−n接合1、2、3が互いの上に積層され、接合を構成する半導体材料のバンドギャップが電池の上部から下部に向けて減少するようにする。典型的には80から150μmの厚みを有するゲルマニウムウェハ4は、電池の基板として働く。拡散によりウェハ前表面から数μmの、p−n接合3が形成される。ウェハ上に、2つ以上のp−n接合1、2をIII−V族半導体材料から成長させる。各p−n接合の間にトンネル接合が含まれることも以下において同様に、暗黙的に理解される。さらに、実際の装置では、例えば裏面電界層、バッファ層、リフレクタなどの機能を有する幾つかの追加層が含まれる。しかしながら、これらは本発明の枠組みに関連性がなく、したがって図1にもこれ以降にも言及されない。最も上部の電池層は、透明な窓層5によって表面が不動態化される。この構成において、3つのp−n接合は、電池表面から約10μmの深さの範囲に位置する。
【0006】
次いで電池の原型は通常円形であるゲルマニウムウェハから分離され、その上に接合をエピタキシャル成長させる。電池外周は、全ての3つのp−n接合を分離するのに十分に深い(例えばこの例では10μm)いわゆる「メサ」グルーブ6をエッチングすることにより画定される。次いで残りの電気的に不活性なゲルマニウムウェハはダイシング、すなわちカットライン7に沿って切断することにより機械的に分離される。
【0007】
その後、電気接点が電池に配置されなくてはならない。後側接点8は通常電池にオーミック接点を形成することができる任意の金属系で完全に金属化される。前側接点9が同様に製造される。しかしながら、光が前部から電池に入らなくてはならないという事実に起因して、前側接点は幅が狭いグリッドフィンガー100の形態で形作られ(図2)、これらは互いに接続され、最終的に外部電池接続に使用される多数の前側接点パッド10となる。典型的な配置が図2に示される。
【0008】
前側グリッドの下部には他のドーピングされた半導体層(いわゆるキャップ層11)が存在し、はんだ付けまたは溶接などの方法によって接点パッド10上に外部電気接続が取り付けられる間、主として電池をさらに保護するように働く。光の反射を最小化するために、反射防止コーティング12が電池の前側に堆積される。
【0009】
これらのエピタキシャル成長された電池200に関して、2つの電気的な電池の接点が異なる電池の表面に配置されることは即座に明らかであり、図3に示される。簡単のために、これ以降後側接点は(+)接点と示され、それに対して前側接点は(−)接点と示される。単一の電池の出力(上述の電池に関して例えば2.3Vのとき0.5A)は電源サブシステムの要求に適合しないので、図3に示されるように、出力電圧および電流を増加するためにこれらの電池は直列におよび並列に接続されなくてはならない。
【0010】
宇宙における太陽電池アレイの主な要素は、要求される50または100Vのバス電圧に関して、直列の典型的には30または60個の太陽電池の接続である。「ストリング」と呼ばれるこれらの要素の幾つかは、次いでその部位に逆流防止ダイオードを含みつつその端部において並列に接続され、約10Aの電流を運ぶ。
【0011】
ストリングは、一般的な絶縁基板201の上に配置される。ストリングの電気的に並列な接続とともに、これは光起電性アセンブリ(PVA)を形成する。宇宙用途の太陽電池アレイは、例えばカーボンファイバ表面板およびカプトン前側絶縁体を有するアルミニウムハニカムコアを備えるサンドイッチ型パネルである。これらの基板は、電池に対する熱膨張率の不一致が大きい。温度の変動が最大200℃である食(eclipse phase)の間、2つの電池の間のギャップ202は数10μm変化し、2つの電池の間の電気接続を曝露し、かなりの繰り返し応力をもたらす。これに対処するため、最新の技術では、2つの電池の間のギャップを繋ぐため、10〜20μmの厚みを有する銀(Ag)、金(Au)、銀めっきされたモリブデン(Mo)、銀めっきされたニッケル−コバルト鉄合金(例えば、「Kovar」という商品名で知られ、低い熱膨張係数を有する)などの金属ホイルを使用する。
【0012】
従来技術の実施形態における反対側の電気的電池接点で、電気的な直列接続は必然的に、1つの電池の前側接点パッド10から、隣接する電池の後側203へと実施されなくてはならない。熱的に誘起されたギャップ変化に起因して内部接続材料内部に誘起される応力を最小化するために、インターコネクタ204はS形状であり、電池の上方に大きく突き出す。
【0013】
この繋げる操作における他の重要な考察は、逆電圧に関する。ストリング内の個々の電池に関して操作条件が課せられてよく、ここで特定の電池が逆電圧に曝される。しかしながら、III−V族多接合電池は限られた逆電圧のみを許容し得る。このように各電池は、並列に接続された電池に対して反対の極性を有するダイオードによって、過剰な逆電圧から保護されなくてはならない。
【0014】
これを実行するには、例えば電池表面の一部に独立して反対の極性を有するダイオードを成長させるなど、幾つかの考え方がある。これらのダイオード構造の利点は、それらが容易に接続される、例えば隣接する前側接点パッドへの接続のみがなされなくてはならないことなど、である。これらのダイオードは、それらが成長する電池を保護する。この種のダイオードを有する電池は、本発明の枠組みにおける考察に関係して、さらなるダイオードを必要としないことが以下において明確になるので、さらには議論しない。
【0015】
これらのモノリス状に成長したダイオードの欠点は、電池製造の間、幾つかの追加の成長段階を必要とすることであり、これは電池を非常に高価にする。
【0016】
しばしば用いられる他のダイオードの考え方は、より容易に実施されるが、相互接続が複雑である。図2に示すような、好ましくは電池端部の、電池101の制限された領域は、全ての3つの接合を分離するメサグルーブエッチ6によって電気的に分離される。結果的にこの電池領域は、電池の残りの部分から電気的に分離され、電池の(+)極にのみ接続される。その上に金属接点102を堆積することによって、(−)接点が提供される。任意に、これらのダイオードp−n接合のうち幾つかが、ダイオード電圧を低減するために、エッチングにより除かれてよい。この方法で電池材料から形成されるダイオードが電池と同じ極性を有するという事実に起因して、ダイオードはそれが配置される電池を保護することができない。むしろ、電気接続は、ダイオード102の前側接点から隣接する電池の後側206への他のS形状インターコネクタ205により作られなくてはならない。
【0017】
宇宙における電池の放射線損傷を限定するために、全ての活性電池およびダイオード領域は保護されるべきである。通常100μmの厚みを有するセリウムをドープされたカバーガラス207が使用される。これらは、電池の前側に透明なシリコーン接着剤208で結合される。他のシリコーン接着剤209が、基板201上部に電池を結合するのに使用される。この光起電性アセンブリ(PVA)構造に基づいて、製造フローがサブアセンブリを製造する様々な段階を含まなくてはならず、完全に自動化することが困難であることが当業者には自明である。
【0018】
通常ダイオードおよび電池のインターコネクタは、まず電池に溶接される。次いで、カバーガラスが電池上に結合され、カバー一体型電池(CIC)を形成する。これらの段階は、通常完全に自動化される。その後CICは、下方を向いたカバーガラスと共に、適切な溶接プレート上に配置されなくてはならず、かつダイオードおよび電力インターコネクタは適切な電池の後側に配列されなくてはならず、これは面倒な手作業の工程である。ダイオードおよび電力インターコネクタは異なる電池の後側に行くことに注意されたい。次いで、全ての後側相互接続は、再度自動的に、例えば溶接によって、実行される。
【0019】
全ての後続の製造段階は、次いで再度手作業で実施される。このように作られた電池のストリングは、それを一時的な移送プレートに固定することによって、再度裏返される。次いでそれは前側のカバーガラスと共に、横置き法の間ストリングを支持する、接着ホイル上に配置される。横置きのために、室温硬化シリコーン接着剤が、例えばスクリーン印刷によって、電池の後側に塗布され、これは明確に定義された接着剤の厚みを確実にする。接着の粘度時間曲線の適切な範囲内で、ストリングは支持構造体の上に配置される。硬化の間、適切な方法で電池を包みかつこの領域から気体を抜くことによって、圧力が電池に印加される。接着剤の完全な硬化の後、自己接着ホイルはCICの前側から取り除かれる。
【0020】
この方法が非常に複雑であり、時間を消費し、手作業で実施されなくてはならない幾つかの段階を必要とすることは自明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第3,527,619号明細書
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Journal of Applied Physics,100,023714,2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、本発明の目的は、容易に製造することができ、太陽電池アセンブリの製造工程が容易かつ経済的であることを可能にする太陽電池を提供することである。太陽電池アセンブリとの用語は、複数の太陽電池またはCIC(すなわちインターコネクタおよびカバーガラスを備えた太陽電池)の空間的な配列を示す。
【課題を解決するための手段】
【0024】
太陽電池に関する本発明の第1の目的は、請求項1の特徴を備えた太陽電池によって達成される。
【0025】
第2電気接点の接点が太陽電池の前側に向くように、請求項1の特徴部の特徴によるグルーブの底部表面上の基板の後部を通って第2電気接点に電気的に接続される電気的な接点を配置することは、太陽電池の前側から接近可能な双方の極性の接点を作り、そのような本発明の太陽電池の太陽電池アレイの製造工程の間、接点結合段階が太陽電池を裏返すことなく実行されることを可能にする。これは、製造工程の間に処理する段階を低減し、結果的に太陽電池アセンブリの製造工程を短縮する。さらに、太陽電池アセンブリ中の太陽電池の双方の極性の接点は前側から接近可能であり、太陽電池アセンブリ中の単一の太陽電池の試験および修理を非常に容易にする。
【0026】
好ましい実施形態において、p−n接合を含む少なくとも1つの中間層が、前記基板と前記前層との間に提供され、ここで前記p−n接合は少なくとも1つの中間層を、前記第1ドーピングを有する前部および前記第2ドーピングを有する後部に分離し、前記中間層前部は前記基板前部には向けられない。そのような多層太陽電池はより効率的である。
【0027】
好ましくは、前記グルーブは太陽電池の横側に提供され、それが横側に開くことができるようにもする。この実施形態は、太陽電池の横方向の接触を可能にする。
【0028】
さらに好ましい実施形態では、前層の前面が少なくとも部分的に反射防止コーティングを備える。さらに、またはその代わりに、グルーブの前記底面は、少なくとも部分的に反射防止コーティングを有し、前記第2電気接点の接点パッドの周りに提供される。これらの反射防止コーティングは、光の反射を最小化するために提供される。
【0029】
好ましくは、前記太陽電池はIII−V族3接合太陽電池であり、前記基板はゲルマニウムウェハである。
【0030】
カバーガラスが前層の前面に提供され、前記カバーガラスが第2電気接点の位置に切り欠きを備え、カットアウトが電気接点の接点パッドと好ましくは同じサイズを有するとき、特に有利である。太陽電池が宇宙で使用されるとき、このカバーガラスの提供により、電池の放射による損傷は限定される。
【0031】
太陽電池アセンブリに関する本発明の目的は、太陽電池が太陽電池の列を形成するとき、請求項7の特徴による少なくとも2つの相互接続可能な太陽電池のアセンブリの場合にその代わりに、太陽電池が太陽電池のアレイを形成するとき、請求項8の特徴を備える少なくとも3つの相互接続太陽電池の太陽電池アセンブリによって、達成される。
【0032】
第1のアセンブリ(請求項7に記載される)によれば、各太陽電池の、各々、第1および第2の電気接点の第1および第2電気接点パッドは、太陽電池が太陽電池の列を形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッドが隣接する太陽電池の第2電気接点パッドの近傍に配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッドが前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッドの近傍に配置されることが可能なように配置される。
【0033】
その代わりに第2のアセンブリ(請求項8に記載される)によれば、各太陽電池の、各々、第1および第2の電気接点の第1および第2電気接点パッドは、太陽電池が太陽電池のアレイを形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッドが隣接する太陽電池の第2電気接点パッドの近傍に配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッドが前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッドの近傍に配置されることが可能なように配置される。
【0034】
どちらの場合においても、第1太陽電池の各第1電気接点パッドを隣接する太陽電池の隣接する第2電気接点パッドに接続するために、および第1太陽電池の各第2電気接点パッドを隣接する太陽電池の隣接する第1電気接点パッドに接続するために、インターコネクタが提供され、各インターコネクタのサイズはインターコネクタの要素が前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面から突き出さないようにする。
【0035】
全てその前側から接近可能であり、また各インターコネクタのサイズが、インターコネクタの要素が前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面から突き出さないようにするようなものである、この太陽電池の電気接点の第1および第2接点パッドの特定の提供は、全ての太陽電池アレイ製造および洗浄段階の間、電池から電池インターコネクタが機械的損傷から完全に保護される、太陽電池アセンブリをもたらす。
【0036】
好ましい実施形態において、前記インターコネクタは、U形状またはW形状構造で形成される。そのような曲がったインターコネクタは、熱による伸長の補償を可能にする。
【0037】
好ましくは、各インターコネクタは複数のグリッドフィンガーを含み、その各々は関連する電気接点パッドに個別に接触される。各グリッドフィンガーは関連する接点パッドに別個に接続されるので、このタイプのコネクタは断線に対する余剰性を提供する。
【0038】
好ましくは、前層の前面にカバーガラスが提供される太陽電池アセンブリにおいて、各インターコネクタはインターコネクタの前面を覆うカバー部材を備える。この特徴は、イオンスラスタからのイオンエロージョン(スパッタリング)からコネクタ領域も保護する。
【0039】
カバー部材が柔軟なやり方でインターコネクタに取り付けられるとき、非常に有利である。これは、電池が熱膨張する場合の、カバー部材およびインターコネクタの相対的な横方向の動きを可能にする。
【0040】
本発明による他の好ましい太陽電池アセンブリにおいて、カバーガラスは各太陽電池の前層の前面に提供され、前記カバーガラスの前面は第2電気接点パッドの1つを収容するグルーブに隣接するカバーガラスの側壁の金属化された部分に接続される導電性コーティングを備え、前記金属化された部分は前記第1電気接点パッドに電気的に接続される。この実施形態は、カバーガラスの導電性コーティングを接地する容易かつ安全な方法を提供する。
【0041】
好ましくは、インターコネクタの自由端は、太陽電池の前側に向かって曲げられ(例えば上方に曲がる)、インターコネクタが前記電気接点パッドに固定されるとき、インターコネクタの屈曲部分は側壁の金属化部分に電気的に接触する。インターコネクタの屈曲部分がその自由端においてグリッドフィンガーを備えて形成されるときも、有利である。この構造は、少なくとも1つのグリッドフィンガーが金属化部分と接触する必要があるので、余剰性を提供する。曲がった部分は、肘のような曲げ領域内に一体的に形成され、屈曲部分のグリッドフィンガーを接続し、そのように提供された場合には、提供されたグリッドフィンガーは接点パッドと接触する。
【0042】
太陽電池アセンブリの製造方法に関する目的は、請求項16に記載の方法で実現される。この方法は以下の段階を含む。
a) 太陽電池を準備する段階、
b) 太陽電池の接着剤の後側の、少なくとも、全ての前側接点パッドの下部の位置に、好ましくは加硫シリコーン接着剤、を塗布する段階、
c) 太陽電池を、その後側を支持構造体の上に置いて配置する段階、
d) 太陽電池が配置された支持構造体上に熱および/または圧力を与えることによって、接着剤を硬化する段階、
e) 段階c)において配置された他の太陽電池でa)からd)の段階を繰り返して、相互接続される、関連する接点パッドが互いに近くに配置されるようにする段階、
f) 関連する接点パッドを接続するために、インターコネクタを配置し、溶接する段階、
g) 所定の数の太陽電池が支持構造体に取り付けられ、電気的に相互接続されるまで、段階e)およびf)を繰り返す段階。
【0043】
太陽電池アセンブリのためのこの発明的な製造方法は、太陽電池アセンブリの迅速かつ信頼性が高い自動化製造を可能にする。
【0044】
段階d)を2つのサブ段階に分け、
d1) 全ての前側接点パッド位置の下部の位置で、接着剤をまず硬化する段階、
d2) その後、残りの接着位置で接着剤を硬化する段階、
段階d1)および段階d2)の間の太陽電池の機械的および/または電気的一体性を試験する追加の段階を提供することによって、太陽電池が支持構造体に完全に固定される前に、試験段階を実施することが可能になる。残りの接着部分において接着剤は硬化されておらずしたがって未だ柔軟であるため、試験された太陽電池において欠陥が検知された場合、太陽電池は容易に取り除かれ、他の太陽電池で置き換えることができる。
【0045】
段階g)の後、カバーガラスが複数の太陽電池の上に配置され、支持構造体および/または太陽電池に取り付けられるとき、さらに有利である。この方法の段階は、太陽電池アセンブリが宇宙利用のために提供されるとき、好ましくは実施される。
【0046】
本発明は、これ以降図面と関連して例示によって記述される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来技術の3接合太陽電池を通る断面図を示す。
【図2】太陽電池上の前側グリッドのレイアウトの上面図を示す。
【図3】宇宙での使用のために個々の電池を光起電力アセンブリに相互接続する、従来技術の例を示す。
【図4】本発明による太陽電池を通る断面図を示す。
【図5】図4の太陽電池およびカバーガラスの上面図を示す。
【図6】溶接工具との接触位置における図4の太陽電池を通る詳細な断面図を示す。
【図7】本発明による太陽電池アレイの相互作用形状の例を示す。
【図8】本発明による太陽電池アレイのイオンエロージョン保護されたインターコネクタを示す。
【図9】導電的にコーティングされたカバーガラスの接地の例を示す。
【図10】本発明による太陽電池に関して可能である太陽電池アセンブリの電池修理工程の説明である。
【図11】本発明による太陽電池アセンブリの自動化ストリング製造工程の例を示す。
【図12】本発明による太陽電池アセンブリの一段階一体化工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図4に示される太陽電池Cは、前面4’および後面4”を有する半導体基板4で作られる。第1のp−n接合3は、基板4の前面4’に近い基板4内に提供される。p−n接合3により、基板は第1のドーピングnを有する前部および第2のドーピングpを有する後部に分けられる。
【0049】
図4はこの発明による太陽電池Cの提案された方法を示し、電池前側の後側接点8の接点304を定める。接点304は、基板4の後部303を介して、ゲルマニウム基板4の高い導電性を利用することによって、後側接点8に電気的に接続される。図面は原寸どおりではなく、図4に示される太陽電池Cは説明のみを目的とする。本発明はこの特定の電池タイプまたは構造に一切限定されない。図1および2に示される従来の太陽電池と類似する特徴を有する本発明による太陽電池Cの特徴には同じ参照番号が割り当てられ、それらの説明に関しては図1および2の説明が参照される。
【0050】
p−n接合1を含む前層1’は基板4の前面に提供され、p−n接合により、前層1’は第1のドーピングnを有する前部および第2のドーピングpを有する後部に分けられる。前層の前部は基板の前部306に向けられない。
【0051】
p−n接合2を含む中間層2’が前記基板4と前記前層1’との間に提供される。p−n接合により、中間層2’は第1のドーピングnを有する前部および第2のドーピングpを有する後部に分けられる。中間層の前部は基板の前部に向けられない。
【0052】
第1の電気接点9がグリッドフィンガーの形態で太陽電池Cの前側C’に提供され、前層1’の前部に電気的に接続される。これらのグリッドフィンガー接点は、太陽電池Cの前面の横側に配置される複数の接点パッド10に接続される。
【0053】
後述のように太陽電池Cの前側C’と接近可能な形態であるように、接点304を形成する第2の電気接点パッド304’が提供される。これら第2の電気接点パッド304’は基板4の後部303に電気的に接続される。第2の電気接点パッド304’は、太陽電池Cの前側C’に開口し、基板4の後部303に延びる、グルーブ305の底部表面に配置される。グルーブ305は、電池Cの横側7’にも開口する。
【0054】
第2の、後側接点パッド304’に関して接点グルーブ305を提供するために、エピタキシは301において約10μmエッチングされ、それに対して接点304の接点パッド304’に関する接点パッド領域302を形成するグルーブ305の幅は100倍大きい。残りのウェハの高さ7は、100μmのオーダーである。
【0055】
この発明の第1の要素は、そこに既に存在する(−)接点パッド10の隣に、同様に電池前側C’上の位置300において独立した(+)接点304を定めるための効率的な方法を含む。言い換えれば、従来技術において電池後側に存在する接点は前側C’に移動される。これは、pドープされたゲルマニウムウェハ自身の導電性によって、図4に示されるように実行される。接点の極性および図4における関連するドーピング(pまたはn)は単なる例示である。当然ながら反対の極性も同様に実施可能である。
【0056】
十分に大きな領域302(例えば8×1.2mm2)の上で、全エピタキシはエッチングされ、ゲルマニウム基板4のpドープされた後部303まで、高さ301のグルーブ305を形成する。電池端部においてメサグルーブ6を規定するために、または一体化されたダイオードを独立させるために使用されたのと同じエッチング法をここでも使用することができる。次いで、金属接点パッド304’がゲルマニウム基板4のpドープされた後部303上に堆積され、外部電池コネクタの接点パッドとして働く。
【0057】
典型的には、同じオーミック接点パッドシステムが、(pドープされたゲルマニウムと相互作用する)電池後側接点8に関して、(例えばnドープされたGa(In)Asベースキャップ層と相互作用する)電池前側接点9および接点パッド10に関して使用される。したがって、双方の前側接点も電池前側のステップに堆積することができる。最新技術の3接合電池のゲルマニウム基板はかなり高度にドープされ、10mΩcm範囲の特定の抵抗をもたらす(C.G.Zimmermann,Journal of Applied Physics,100,023714,2006)。ゲルマニウムウェハの厚みを140μm、各々7mm2の領域を有する3つの(+)接点パッド304’を仮定すると、ゲルマニウムウェハを通るこの電流経路の抵抗Rは以下に等しい。
R = 10mΩcm*140μm/(3*7mm2) = 0.7mΩ
【0058】
典型的な電池電流である約0.5Aにおいて、これは1mV未満の無視できる電圧損失をもたらす。結果的にゲルマニウム基板の高い導電性は、この構造の主な特徴として、電池の後部接点8に関して(+)前側接点304を定めるのに利用される。
【0059】
従来技術の他の方法、例えばより高い抵抗を有するSiウェハを備えるSi太陽電池は、前側接点を定めるために電池端においてさらなる導電部材を必要とする。とりわけ、これは米国特許第3,527,619号明細書に示される。p−n接合を含む電池エミッタは同様に従来法においてエッチングされるが、このエッチングの唯一の目的は、周囲を包まれた導電性表面と電池端部との間のさらなる絶縁層の必要性を回避することである。このエッチングが無いと、この従来法において電池は電池端において短絡するだろう。
【0060】
典型的には前側接点9における前側金属化と同じ厚みを有して接点パッド位置において同じ性質を有するようにする、後側接点8における後側金属化は、さらなるオーミック損失が耐えられる量に依存して、さらに厚みが減じられてよい。(+)接点領域302における反射防止コーティング12は任意である。
【0061】
(+)接点パッド位置の空間的配置に関連して、完全な柔軟性が存在する。非長方形電池(例えばトリミングされた角を有する電池)において、トリミングされた角の領域は、接点パッドまたは溶接パッドの好ましい位置であってよい。これらの位置において、接点パッドに関してそれ自身では太陽電池に適さない円形のウェハ領域部を使用する可能性があり、結果的にさらなる電池領域における損失を最小化する。
【0062】
図5において、カバーガラス403の適合されたレイアウトとともに、電池前側のさらなる(+)接点400、401の空間的配置が示される。
【0063】
3つの(−)接点パッド10および一体化ダイオード102を備えた8×4cm2のサイズの3接合電池の(+)接点400の従来の配置が図5に説明される。隣接する電池のダイオードの相互接続に関して、第4の(+)接点401が必要とされる。10mm2の活性電池領域が7mm2の接点パッドにエッチングされたと仮定すると(これは接点パッド金属から開口p−n接合までの十分な距離を確保する)、電池前側の(+)接点の配置に起因して1.3%の電池領域が失われる。当然ながら、水平な収集グリッドライン100は、任意であるダイオード接点401に関して必要とされる接点パッド周囲(402参照)に成形されなくてはならない。
【0064】
カバーガラス403はこのトップコンタクト太陽電池構造体に適合され、この電池がなおも最新式の逐次製造フローに適用可能であるようにする。従来技術の説明で既に概略述べたように、宇宙の放射線環境を耐えるために電池はカバーガラスによって保護されなくてはならない。例えば、多量の低エネルギープロトンで特徴付けられる静止軌道において、たとえもしも最小の電池領域が覆われないままになっていたとしても、電池は数週間のうちに深刻な損傷に耐えなくてはならないだろう。したがって、全活性電池領域並びに一体化ダイオードは、電池が宇宙で使用されるよう設計されるとき、トップコンタクト太陽電池のまさしく端部まで覆われなくてはならない。しかしながら、この要求は前部の(+)接点には適用されない。これらの位置には活性電池領域が存在しないので、これらは全く覆われない状態であってよい。
【0065】
したがって、トップコンタクト電池構造体と併せた基本的なカバーガラスのレイアウトが、(+)接点パッド400、401と位置およびサイズにおいて完全に整合するさらなる切り欠き404を備える標準カバーガラス構造と一致する。
【0066】
図6において、太陽電池を通る拡大された詳細断面図が示され、(+)接点位置におけるカバーガラスが説明される。カバーガラス403は、405において活性電池領域406を完全に覆い、粒子放射からの活性電池の完全な保護を確実にする。前述された標準製造フローにおける場合と同様に、インターコネクタは(−)接点にまず接続される。次いで、カバーガラス403が透明なシリコーン接着剤208で結合される。切り欠き404は(+)接点パッド周囲に広い空間(例えば電極407を溶接するための)を残し、(+)インターコネクタ408の溶接がカバーガラスを結合した後に実施できるようにする。
【0067】
このように、トップまたはフロントコンタクト電池およびそれに続くトップまたはフロントコンタクト太陽電池カバーガラスユニット(CIC)は、最新の製造フローに適合され、これも本発明の一部である光起電性アセンブリ(PVA)の様々な構造、測定、および製造上の特徴を可能にする。
【0068】
図7は本発明によるフロントコンタクト太陽電池に利用可能な相互接続の形状の例を示す。寸法は原寸どおりではない。電池から電池の距離501は、典型的には電池の高さと比較して5−10倍大きい。
【0069】
2つの隣接する電池の接点パッド304’および10の高さ((+)接点に関してエッチングされたエピタキシ500の高さによってのみ異なる)はほぼ等しいので、S形状の内部接続ループはもはや必要ない。熱膨張ループの形状は、内部電池ギャップ501(すなわち、ストリング構成中の2つの隣接する電池の間の距離)および電池の高さ502によって画定される空間にむしろ制限され得る。提案される形状の例としては、図7に示すようなU形状インターコネクタ構造503またはW形状インターコネクタ構造504がある。他の形状が可能であり、これは全て太陽電池502の高さより上に全く要素を持たないという事実によって特徴付けられる。このように、太陽電池アレイの全ての製造および洗浄段階の間、電池から電池へのインターコネクタ503、504は完全に曲げなどの機械的損傷から保護される。幾つかのインターコネクタの概念は、もしもそれらの設計された形状が変形していない場合に多数の熱サイクルに耐えることができる、かなり柔軟で薄い金属ホイルを使用するものであるため、これは重要な利点である。形状の予想外の変化は、インターコネクタの寿命を著しく低減する応力集中点を生じさせる。本発明による完全に保護された形状は、多数の熱サイクルを要求する活動に関して、形状が影響を受けやすい相互接続材料を使用可能にする可能性を有する。
【0070】
インターコネクタ503、504の端部505が電池の開口p−n接合506と接触しないように配慮されなくてはならない。したがって、インターコネクタの端部は任意に上方に90°曲げられてよく(507に示される)、インターコネクタはカバーガラス403によって停止され、結果的に、図4の例のように接点304を収容するグルーブ500’の側壁から離れるので、これはインターコネクタがp−n接合506に接触する可能性を低減する。
【0071】
この太陽電池アセンブリ構造で、たとえ高度なアセンブリ段階であっても、例えばストリング内部で、または光起電力アセンブリ上で、2つの隣接する電池上で適切な(+)接点上に測定電極を配置することによって、個々の太陽電池並びに個々のダイオードが電気的に容易に測定可能であることは、当業者には即座に自明である。対照的にこれは、全ての前側接点が覆われ、かつ後側接点が接近不可能である、標準的な従来技術の構造において不可能である。
【0072】
さらに重要な考察は、太陽電池アレイ中の太陽電池と、例えば衛星の姿勢制御に使用されるイオンスラスタによって放出されたエネルギーイオンとの相互作用である。典型的には、100eV前後のエネルギーを有するキセノンイオンが、太陽電池の内部パネルに入射する。そのような状態に対するアレイの耐性は、とりわけ太陽電池インターコネクタ上で起こるエロージョンにより決定される。それらの障害は電気ネットワークを分断し、ストリング全体の損失をもたらす。上述のように電池間ギャップにインターコネクタを収容することによって、キセノンイオンに対する形態係数が大幅に低減され、結果的にスパッタリングにより材料の容認しがたいエロージョンをもたらすキセノンイオンの臨界照射の値が増加する。
【0073】
図8に記載されるように、インターコネクタ503が取り付けられた後、開口(+)接点パッド304’上に、例えばシリコーン接着剤601によって、追加のカバーガラス部品600を結合することによって、さらなる保護が可能である。このカバーガラス部品は、電池間ギャップ501内部に延び、エネルギーイオンから下部のインターコネクタ503を保護する。アレイの製造温度を越える、軌道における動作温度に起因する電池間ギャップ501の収縮は、柔軟なカバーガラス接着剤601および(+)接点の内部端上のギャップ603によって吸収される。
【0074】
インターコネクタ503および接点パッド304’の接続点604、例えば溶接部分、がカバーガラスの下部に位置するので、インターコネクタのエネルギー的に関連性がある部分が保護される。この追加のカバーガラス部品の寸法が小さい(これは例えば8×2mmのインターコネクタの全幅を覆うと理解される)ことに起因して、結合工程は、もしもそれが自動化された方法で実施される場合、最も便利である。
【0075】
特定の太陽電池アレイ構造において、カバーガラスの前側は、図9に示されるような導電性コーティング700を備えなくてはならない。最新のカバーガラス構造において、この導電性コーティングはカバーガラス側701上の金属化領域に接続される。この発明的な例の電池構造は、もしも金属化された領域が(+)接点周囲のカバーガラスの切り欠き内に位置する場合、これらのカバーガラスの非常に容易な接地方法を提供する。その根拠は、図7に関して記述された90°屈曲を有するインターコネクタである。垂直部703は、NuSil CV2646またはNuSil CV1500という商品名で入手可能なものなどの導電性シリコーン接着剤704によって、金属化されたカバーガラス端701に接続される。
【0076】
インターコネクタは通常連続シートでは構成されず、むしろ個々のグリッドフィンガー705からなり、これは余剰性の理由から接点位置706において接点パッドに別個に接触される。90°屈曲707の領域において、個々のフィンガー708において再度終了する前に、インターコネクタは提案される構造において再度連続的なものとなる。インターコネクタフィンガーの垂直部において個々のフィンガー709の間の空間は、導電性接着剤が金属化ガラスと接触することを可能にし、その一方で90°屈曲707の領域の連続部は、接着剤の接触を防ぎ、結果的に開口p−n接合506を短くする。
【0077】
(+)接点が前にある太陽電池アセンブリ構造体は、電池の損傷に起因して太陽電池ストリング内部で太陽電池が交換されなくてはならない場合、さらにより良い修理法を提供するという利点を有する。ストリング中の太陽電池は、シリコーン接着剤800でカーボンファイバ支持構造体801に結合される。1つの太陽電池802に対する損傷の場合、この太陽電池は取り除かれなくてはならず、新しいものと交換される。従来技術において、これは交換する太陽電池のインターコネクタを太陽電池アセンブリの2つの隣接する太陽電池のインターコネクタに溶接することによってのみ実現することができる。この修理方法が新しい構造体でなお使用できる一方で、トップコンタクト太陽電池は、インターコネクタが修理方法に全く影響されない、改良された修理方法の可能性を有する。これは、従来技術とは対照的に、その疲労挙動が変化されないという利点を有する。
【0078】
太陽電池および太陽電池アセンブリの発明的な構造によって可能となったこの修理法が、図10に説明される。インターコネクタ803が、805に示されるように接点パッド304’から元々の接触部604を分離することによって、電池804の(+)接点から左方に取り除かれる。この場合、接点パッド304’が損傷を受けない(すなわち、全ての損傷がもはや必要のないインターコネクタ803に含まれる)ように注意を要する。太陽電池802の代わりに新たな太陽電池が構造体に結合されたら、そのインターコネクタは少し離れた位置806において電池804の接点パッド304’に再度溶接される。
【0079】
太陽電池808の右方へのインターコネクタ807は、809に示されるように、同様の方法で電池802の接点パッド304’から取り除かれる。しかしながら、この場合、元々の接点領域604を分離する間、全ての損傷がインターコネクタ807ではなく接点パッド304’に含まれるように注意が払われる。太陽電池802の位置において新たな太陽電池が結合されると、インターコネクタ807は少し離れた位置810において交換する電池の接点パッド304’に溶接される。
【0080】
このように、左側のインターコネクタ803および右側のインターコネクタ807の電気的に活性な部分は修理工程において完全に影響を受けないままである。修理法の要件は、シリコーン接着剤800が、接触(例えば溶接)動作の間電池を支持するために、太陽電池802および太陽電池804の各々の接点パッドの位置の下部に存在することのみである。
【0081】
前述したように、CICを裏返す必要があり、かつインターコネクタが各々後側の位置に配置されなくてはならないので、単一のCICのストリング内への相互接続は従来技術において完全に自動化することが困難である。本発明の枠組みにおいて、CICは、適切なグルーブ901または同様の固定によって正確な電池位置が示された、適切な位置決めプレート900上に直接配置することができる。
【0082】
図11に説明されるように、CIC902は横方向に配置される。ストリング形態の太陽電池アレイ内の次のCIC903は、その位置に自動的に配置され(矢印904)、これはそのインターコネクタ905をCIC902の正確な溶接パッド位置906に同時に配置する。CIC902のダイオードインターコネクタ907は、CIC903の配置の間、邪魔にならないところに(矢印908)一時的に移動されなくてはならない。これは、圧縮空気(ノズル909)またはダイオードインターコネクタ907を上方に曲げる任意の他の装置によって、容易に実現され得る。そして例えば溶接電極910での溶接によるCICの接触も自動的に実施することができる。
【0083】
溶接電極910は、カメラに基づく方法を用いて(マシンビジョン)、インターコネクタの位置を自動的に微細に調節するよう(矢印911)さらに働くことができる。次いで位置決めホイルがストリング上部に配置され、さらなる太陽電池アレイ製造工程が継続される。
【0084】
最後に、トップコンタクト太陽電池は、例えば図12に示されるようなカーボンファイバ/ハニカムパネルなどの支持構造体1000上に直接的に、自動化された製造順序により一段階で、太陽電池アレイを一体化する可能性を開く。
【0085】
この製造フローにおいて、シリコーン接着剤は、好ましくはディスペンサ1002を用いる分配法によって、まず個々の太陽電池1001の後側に配置される。典型的には宇宙用の太陽電池アレイにおいて使用される室温加硫シリコーン接着剤(RTV)を用いたこの方法は、接着剤の粘度が時間に従って変化し、大面積太陽電池アレイパネル上での最後のストリングと比較した最初のストリングの配置の間非常に幅広い接着条件をもたらすので、大きなパネルに適用することが困難である。しかしながら、単一の太陽電池に適用される際これらの問題は起こらない。
【0086】
接着剤パターン1003は任意の形状を有することができるが、ここでの有利な要件は、接着剤が全ての前側接点パッド位置1004の下部に存在することである。太陽電池1001は、上下裏返され、構造体1000上に自動的に配置され、適切な装置(例えば金属スタンプ1005)が圧力並びに温度を与えることによって下部の接着剤を硬化する。典型的な条件は、1分未満かつ1bar未満の圧力に関してT<100℃である。
【0087】
パネル上に2つの太陽電池が存在するとすぐに、太陽電池の間にインターコネクタ1006が配置され、例えば溶接電極1007によって、接点パッドに溶接される。最終的に、カバーガラス1008は、例えばディスペンサ1009で接着剤がその上部に塗布された後に再度、電池に結合される。結果的に接着剤は、同様に分配法によって塗布されてよいが、太陽電池の活性領域内の連続層として塗布されなくてはならず、また伝送損失を最小化するためにボイドを含まないようにしなくてはならない。特に、この製造法は、同じ大面積のカバーガラスを用いて速やかに複数の電池1010を覆うことを可能にする。
【0088】
任意に、前側接点パッド下部の接着領域1004のみがまず硬化されてよい。続いて最も近くにある隣接太陽電池に対する相互接続1006が実施される。反対の極性を有する2つの前側接点パッド上に接点プローブを配置することによって、太陽電池およびダイオードの機械的かつ電気的一体性のチェックが、例えばエレクトロルミネッセンスイメージングおよび光I−V測定によって、実施される。次いで残りの接着剤1003のみがその後硬化される。これは、例えば溶接操作によって生じる電池の損傷が検知された場合、電池を容易に取り除くことができるという利点を有する。
【0089】
結果的に、本発明はトップコンタクト太陽電池を提供する。従来技術では元々電池の後側に存在する電気接点の提供が、電池前側で行われる。この発明的な方法は、互いの上に積層された幾つかのp−n接合、および十分な機械的安定性および導電性を有する底部の接合を有する、全ての多接合太陽電池に適する。後側接点は、底部p−n接合のエミッタを含む全てのp−n接合の局在化領域をエッチングすることによって定められる。底部電池の基部はオーミック接点を備え、電池の後側から前側の間に導電性経路を定める。
【0090】
トップコンタクト太陽電池は、電池の前側に提供される後側ドーピングの接点周囲に切り欠きを有するカバーガラスを備えることができる。
【0091】
一体化されたカバーおよびインターコネクタを備えるこれらの太陽電池で、従来技術の光起電力アセンブリ製造工程と両立可能な製造工程(本発明による太陽電池に関して既存の装置も使用することができる)で、太陽電池アセンブリを製造することができる。
【0092】
請求項および説明中の参照番号は本発明のよりよい理解のためにのみ提供され、請求項によってのみ規定される本発明の範囲を制限するべきではない。
【符号の説明】
【0093】
1,2,3 p−n接合
4 半導体基板
8 第2電気接点
9 第1電気接点
10 第1電気接点パッド
12 反射防止コーティング
304 第2電気接点
305 グルーブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面(4’)および後面(4”)を有する半導体基板(4)を備えた太陽電池であって、
・第1のp−n接合(3)が、基板(4)中の、その前面(4’)の近くに提供され、前記p−n接合は基板を、第1ドーピングを有する前部(306)および第2ドーピングを有する後部(303)に分離し、
・さらなるp−n接合(1)を含む前層(1’)は基板(4)の前面(4’)に提供され、前記p−n接合は前層(1’)を、前記第1ドーピングを有する前部および前記第2ドーピングを有する後部に分離し、前記前層の前部は前記基板の前部(306)に向けられず、
・少なくとも1つの第1電気接点(9)が太陽電池の前側(C’)に提供され、前記前層(1’)の前部に電気的に接続され、
・太陽電池(C)の後側(C”)に提供される少なくとも1つの第2電気接点(8)が、太陽電池(C)の前側(C’)に提供される接点(304)に電気的に接続され、
・前記少なくとも1つの第2電気接点(304)が、太陽電池(C)の前側(C’)に開口し、基板(4)の後部(303)に延びるグルーブ(305)の底部表面に配置され、
・第2電気接点(8)と接点(304)との間の前記電気的接続が、基板(4)の後部(303)によって提供される、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
・p−n接合(2)を含む少なくとも1つの中間層(2’)が、前記基板(4)と前記前層(1’)との間に提供され、前記p−n接合(2)は少なくとも1つの中間層(2’)を、前記第1ドーピングを有する前部および前記第2ドーピングを有する後部に分離し、前記中間層前部は前記基板前部(306)に向けられないことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記グルーブ(305)が太陽電池(C)の横側(7’)に提供され、それが横側(7’)にも開口するようにすることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池。
【請求項4】
・前層(1’)の前面が少なくとも部分的に反射防止コーティング(12)を備え、
および/または
・グルーブ(305)の前記底部表面が、少なくとも部分的に反射防止コーティング(12’)を備えた前記第2電気接点(304)の接点パッド(304’)の周囲に提供されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項5】
・前記太陽電池がIII−V族3接合電池であり、前記基板(4)がゲルマニウムウェハであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項6】
・カバーガラス(403)が前層(1’)の前面に提供され、
・前記カバーガラス(403)が、第2電気接点(304)の位置に切り欠き(404)を備え、切り欠き(404)は好ましくは電気接点(304)の接点パッド(304’)と同じサイズを有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
・各太陽電池(C)の第1および第2電気接点(9,8)の第1および第2電気接点パッド(10、304’)が、各々、前記太陽電池が太陽電池の列を形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッド(10)が隣接する太陽電池の第2電気接点パッド(304’)の近くに配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッド(304’)が前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッド(10)の近くに配置されるように位置決めされ、
・インターコネクタ(503、504)が、前記第1太陽電池の各第1電気接点パッド(10)を前記隣接する太陽電池の隣接する第2電気接点パッド(304’)と接続するように、かつ前記第1太陽電池の各第2電気接点パッド(304’)を前記隣接する太陽電池の隣接する第1電気接点パッド(10)と接続するように、提供され、
・各インターコネクタ(503、504)のサイズは、インターコネクタの要素が、前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面(C’)から突き出さないようなものである、
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の太陽電池であって、少なくとも2つの相互接続可能な太陽電池の太陽電池アセンブリ。
【請求項8】
・各太陽電池の第1および第2電気接点の第1および第2電気接点パッドが、各々、前記太陽電池が太陽電池のアレイを形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッドが隣接する太陽電池の第2電気接点パッドの近くに配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッドが前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッドの近くに配置されるよう位置決めされ、
・インターコネクタが、前記第1太陽電池の各第1電気接点パッドを前記隣接する太陽電池の隣接する第2電気接点パッドと接続するように、かつ前記第1太陽電池の各第2電気接点パッドを前記隣接する太陽電池の隣接する第1電気接点パッドと接続するように、提供され、
・各インターコネクタのサイズは、インターコネクタの要素が、前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面から突き出さないようなものである、
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の太陽電池であって、少なくとも3つの相互接続可能な太陽電池の太陽電池アセンブリ。
【請求項9】
・前記インターコネクタがU形状(503)構造、またはW形状(504)構造で形成されることを特徴とする、請求項7または8に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項10】
前記インターコネクタ(503、504)の少なくとも1つの自由端が、関連する電気接点パッド(304’)から離れて上方に曲げられ、グルーブ(500’)の側壁から離れることを特徴とする、請求項7〜9の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項11】
・各インターコネクタ(702)が複数のグリッドフィンガー(705)を含み、その各々が別個に、関連する電気接点パッド(304’)と接触することを特徴とする、請求項7〜10の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項12】
カバーガラス(403)が前層の前面に提供され、
・各インターコネクタ(503、504)が、インターコネクタ(503、504)の前面を覆うカバー部品(600)を備えることを特徴とする、請求項7〜11の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項13】
カバー部品(600)が柔軟な方法でインターコネクタ(503、504)に取り付けられることを特徴とする、請求項12に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項14】
カバーガラス(403、1008)が各太陽電池(804、802、808、1010)の前層の前面に提供され、
・前記カバーガラス(403、1008)の前面が、第2電気接点パッドの1つ(304’)を収容するグルーブ(500’)に隣接するカバーガラス(403、1008)の側壁の金属化部分(701)に接続される導電性コーティング(700)を備え、
・前記金属化部分(701)が前記第1電気接点パッド(304’)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項7〜13の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項15】
・インターコネクタ(702)の自由端が太陽電池前側に向かって曲げられ、
・インターコネクタ(702)が前記電気接点パッド(304’)に固定されるとき、インターコネクタ(702)の屈曲部分(703)が前記金属化部分(701)に電気的に接続し、
・屈曲部分(703)が、好ましくはその自由端においてグリッドフィンガー(708)を形成することを特徴とする、請求項14に記載の太陽電池。
【請求項16】
a) 太陽電池(1001)を準備する段階、
b) 太陽電池(1001)の後側の、少なくとも、全ての前側接点パッド位置(1004)の下部の位置に接着剤、好ましくは加硫シリコーン接着剤、を塗布する段階、
c) 太陽電池(C)を、その後側を支持構造体(1000)の上に置いて配置する段階、
d) 太陽電池(1001)が配置された支持構造体(1000)上に熱および/または圧力を与えることによって、接着剤を硬化する段階、
e) 段階c)において配置された他の太陽電池でa)からd)の段階を繰り返して、相互接続される、関連する接点パッドが互いに近くに配置されるようにする段階、
f) 関連する接点パッドを接続するために、インターコネクタ(1006)を配置し、溶接する段階、
g) 所定の数の太陽電池(1001)が支持構造体(1000)に取り付けられ、電気的に相互接続されるまで、段階e)およびf)を繰り返す段階、
を備える請求項7〜14の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリを製造する方法。
【請求項17】
段階d)が以下の2つのサブ段階に分けて実施されることを特徴とする、請求項16に記載の太陽電池アセンブリを製造する方法:
d1) 全ての前側接点パッド位置(1004)の下部の位置で、接着剤をまず硬化する段階、
d2) その後、残りの接着位置(1003)で接着剤を硬化する段階、
ここで、段階d1)および段階d2)の間に、太陽電池(1001)の機械的および/または電気的一体性を試験する追加の段階が実施される。
【請求項18】
段階g)の後、カバーガラス(1008)が複数(1010)の太陽電池(1001)の上に配置され、支持構造体(1000)および/または太陽電池(1001)に取り付けられることを特徴とする、請求項16または17に記載の光起電性電池アセンブリを製造する方法。
【請求項1】
前面(4’)および後面(4”)を有する半導体基板(4)を備えた太陽電池であって、
・第1のp−n接合(3)が、基板(4)中の、その前面(4’)の近くに提供され、前記p−n接合は基板を、第1ドーピングを有する前部(306)および第2ドーピングを有する後部(303)に分離し、
・さらなるp−n接合(1)を含む前層(1’)は基板(4)の前面(4’)に提供され、前記p−n接合は前層(1’)を、前記第1ドーピングを有する前部および前記第2ドーピングを有する後部に分離し、前記前層の前部は前記基板の前部(306)に向けられず、
・少なくとも1つの第1電気接点(9)が太陽電池の前側(C’)に提供され、前記前層(1’)の前部に電気的に接続され、
・太陽電池(C)の後側(C”)に提供される少なくとも1つの第2電気接点(8)が、太陽電池(C)の前側(C’)に提供される接点(304)に電気的に接続され、
・前記少なくとも1つの第2電気接点(304)が、太陽電池(C)の前側(C’)に開口し、基板(4)の後部(303)に延びるグルーブ(305)の底部表面に配置され、
・第2電気接点(8)と接点(304)との間の前記電気的接続が、基板(4)の後部(303)によって提供される、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
・p−n接合(2)を含む少なくとも1つの中間層(2’)が、前記基板(4)と前記前層(1’)との間に提供され、前記p−n接合(2)は少なくとも1つの中間層(2’)を、前記第1ドーピングを有する前部および前記第2ドーピングを有する後部に分離し、前記中間層前部は前記基板前部(306)に向けられないことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記グルーブ(305)が太陽電池(C)の横側(7’)に提供され、それが横側(7’)にも開口するようにすることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池。
【請求項4】
・前層(1’)の前面が少なくとも部分的に反射防止コーティング(12)を備え、
および/または
・グルーブ(305)の前記底部表面が、少なくとも部分的に反射防止コーティング(12’)を備えた前記第2電気接点(304)の接点パッド(304’)の周囲に提供されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項5】
・前記太陽電池がIII−V族3接合電池であり、前記基板(4)がゲルマニウムウェハであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項6】
・カバーガラス(403)が前層(1’)の前面に提供され、
・前記カバーガラス(403)が、第2電気接点(304)の位置に切り欠き(404)を備え、切り欠き(404)は好ましくは電気接点(304)の接点パッド(304’)と同じサイズを有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
・各太陽電池(C)の第1および第2電気接点(9,8)の第1および第2電気接点パッド(10、304’)が、各々、前記太陽電池が太陽電池の列を形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッド(10)が隣接する太陽電池の第2電気接点パッド(304’)の近くに配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッド(304’)が前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッド(10)の近くに配置されるように位置決めされ、
・インターコネクタ(503、504)が、前記第1太陽電池の各第1電気接点パッド(10)を前記隣接する太陽電池の隣接する第2電気接点パッド(304’)と接続するように、かつ前記第1太陽電池の各第2電気接点パッド(304’)を前記隣接する太陽電池の隣接する第1電気接点パッド(10)と接続するように、提供され、
・各インターコネクタ(503、504)のサイズは、インターコネクタの要素が、前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面(C’)から突き出さないようなものである、
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の太陽電池であって、少なくとも2つの相互接続可能な太陽電池の太陽電池アセンブリ。
【請求項8】
・各太陽電池の第1および第2電気接点の第1および第2電気接点パッドが、各々、前記太陽電池が太陽電池のアレイを形成するとき、第1太陽電池の第1電気接点パッドが隣接する太陽電池の第2電気接点パッドの近くに配置され、前記第1太陽電池の第2電気接点パッドが前記隣接する太陽電池の第1電気接点パッドの近くに配置されるよう位置決めされ、
・インターコネクタが、前記第1太陽電池の各第1電気接点パッドを前記隣接する太陽電池の隣接する第2電気接点パッドと接続するように、かつ前記第1太陽電池の各第2電気接点パッドを前記隣接する太陽電池の隣接する第1電気接点パッドと接続するように、提供され、
・各インターコネクタのサイズは、インターコネクタの要素が、前記インターコネクタによって接続される太陽電池の前面から突き出さないようなものである、
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の太陽電池であって、少なくとも3つの相互接続可能な太陽電池の太陽電池アセンブリ。
【請求項9】
・前記インターコネクタがU形状(503)構造、またはW形状(504)構造で形成されることを特徴とする、請求項7または8に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項10】
前記インターコネクタ(503、504)の少なくとも1つの自由端が、関連する電気接点パッド(304’)から離れて上方に曲げられ、グルーブ(500’)の側壁から離れることを特徴とする、請求項7〜9の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項11】
・各インターコネクタ(702)が複数のグリッドフィンガー(705)を含み、その各々が別個に、関連する電気接点パッド(304’)と接触することを特徴とする、請求項7〜10の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項12】
カバーガラス(403)が前層の前面に提供され、
・各インターコネクタ(503、504)が、インターコネクタ(503、504)の前面を覆うカバー部品(600)を備えることを特徴とする、請求項7〜11の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項13】
カバー部品(600)が柔軟な方法でインターコネクタ(503、504)に取り付けられることを特徴とする、請求項12に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項14】
カバーガラス(403、1008)が各太陽電池(804、802、808、1010)の前層の前面に提供され、
・前記カバーガラス(403、1008)の前面が、第2電気接点パッドの1つ(304’)を収容するグルーブ(500’)に隣接するカバーガラス(403、1008)の側壁の金属化部分(701)に接続される導電性コーティング(700)を備え、
・前記金属化部分(701)が前記第1電気接点パッド(304’)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項7〜13の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項15】
・インターコネクタ(702)の自由端が太陽電池前側に向かって曲げられ、
・インターコネクタ(702)が前記電気接点パッド(304’)に固定されるとき、インターコネクタ(702)の屈曲部分(703)が前記金属化部分(701)に電気的に接続し、
・屈曲部分(703)が、好ましくはその自由端においてグリッドフィンガー(708)を形成することを特徴とする、請求項14に記載の太陽電池。
【請求項16】
a) 太陽電池(1001)を準備する段階、
b) 太陽電池(1001)の後側の、少なくとも、全ての前側接点パッド位置(1004)の下部の位置に接着剤、好ましくは加硫シリコーン接着剤、を塗布する段階、
c) 太陽電池(C)を、その後側を支持構造体(1000)の上に置いて配置する段階、
d) 太陽電池(1001)が配置された支持構造体(1000)上に熱および/または圧力を与えることによって、接着剤を硬化する段階、
e) 段階c)において配置された他の太陽電池でa)からd)の段階を繰り返して、相互接続される、関連する接点パッドが互いに近くに配置されるようにする段階、
f) 関連する接点パッドを接続するために、インターコネクタ(1006)を配置し、溶接する段階、
g) 所定の数の太陽電池(1001)が支持構造体(1000)に取り付けられ、電気的に相互接続されるまで、段階e)およびf)を繰り返す段階、
を備える請求項7〜14の何れか一項に記載の太陽電池アセンブリを製造する方法。
【請求項17】
段階d)が以下の2つのサブ段階に分けて実施されることを特徴とする、請求項16に記載の太陽電池アセンブリを製造する方法:
d1) 全ての前側接点パッド位置(1004)の下部の位置で、接着剤をまず硬化する段階、
d2) その後、残りの接着位置(1003)で接着剤を硬化する段階、
ここで、段階d1)および段階d2)の間に、太陽電池(1001)の機械的および/または電気的一体性を試験する追加の段階が実施される。
【請求項18】
段階g)の後、カバーガラス(1008)が複数(1010)の太陽電池(1001)の上に配置され、支持構造体(1000)および/または太陽電池(1001)に取り付けられることを特徴とする、請求項16または17に記載の光起電性電池アセンブリを製造する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−30770(P2013−30770A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−155289(P2012−155289)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(500466717)アストリウム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155289(P2012−155289)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(500466717)アストリウム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (34)
【Fターム(参考)】
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