太陽電池を用いた光通信システム及び受信装置
【課題】 太陽電池を有する受信装置のデータ通信のための構成を簡素化する。
【解決手段】 光源を有する送信装置3と、光を電気に変換する太陽電池13を有しこの太陽電池13によって発電された電気を駆動電源とする受信装置2とを備え、送信装置3は、光源を用いてデジタルデータを光信号に変換して送信し、受信装置2は、太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて光信号をデジタルデータに変換する。これによって光通信が実現され、受信装置に従来のように、無線通信のためだけに用いられる無線通信装置を設ける必要がない。
【解決手段】 光源を有する送信装置3と、光を電気に変換する太陽電池13を有しこの太陽電池13によって発電された電気を駆動電源とする受信装置2とを備え、送信装置3は、光源を用いてデジタルデータを光信号に変換して送信し、受信装置2は、太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて光信号をデジタルデータに変換する。これによって光通信が実現され、受信装置に従来のように、無線通信のためだけに用いられる無線通信装置を設ける必要がない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を用いた光通信システム及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗の商品陳列棚には、陳列されている商品に対応した棚札がセットされており、陳列されている商品の商品名、単価、規格(量)、特売表示等の商品データを顧客が容易に確認できるようになっている。一般に、このような棚札としては紙製等のカード式のものが用いられており、商品に関する商品名、単価等の商品データはプリンタによって印刷されている。
【0003】
しかしながら、このような棚札によれば、例えば翌日から単価等を変更する場合には、閉店後、店員が変更する商品に対応した棚札を新しい棚札と交換する作業を行わなければならず、交換する数が多い場合は多大な労力と時間を費やすことになる。また、時間帯を設定してその時間帯だけ特売するような場合には商品数が多いと対処できないことになる。さらに、季節毎に商品の陳列位置を大幅に変更する場合にも大量の棚札の交換作業が発生するので、同様の問題が発生する。
【0004】
そこで、このような問題に対処すべく、棚札として電子棚札を用い商品データを電子的に書き換えることができる電子棚札システムが開発され、使用されるようになってきている。
【0005】
電子棚札システムで使用される電子棚札は、単価など表示する液晶表示器、ホスト装置からデータを受信するデータ受信部、太陽電池などから構成されている。この電子棚札は、太陽電池が発電する電気を電源として駆動し、ホスト装置から赤外線通信などの無線通信で受信した信号に基づいて、液晶表示器に表示する単価を変更する。
【0006】
電子棚札に対して単価変更の信号を送信するホスト装置としては、例えば、店舗のバックヤードなどに設置されるホストコンピュータがある。この場合には、売り場の天井などには、ホストコンピュータに接続された無線通信装置が複数設置され、ホストコンピュータは、これらの無線通信装置を介して電子棚札と無線通信を実行する。
【0007】
ホスト装置の別例としては、ハンディターミナルがある(例えば、特許文献1参照)。ハンディターミナルは、バーコード化された商品コードを光学的に読み取るスキャナ、キーボード、無線通信装置などから構成されている。ハンディターミナルは、無線通信装置によって電子棚札と無線通信を実行する。
【0008】
【特許文献1】特開2001−109956公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来の電子棚札システムでは、電子棚札とホスト装置との無線通信を実現させるために、電子棚札には、無線通信のためだけに用いられる受信装置が必要であり、構成が複雑になるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、太陽電池を有する受信装置のデータ通信のための構成を簡素化することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光通信システムは、光源を有する送信装置と、光を電気に変換する太陽電池を有しこの太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする受信装置と、を備え、前記送信装置は、前記光源を用いてデジタルデータを光信号に変換して送信する送信手段を有し、前記受信装置は、前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段を有する。
【0012】
本発明の受信装置は、光を電気に変換する太陽電池と、前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段と、を備え、前記太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽電池を有する受信装置のデータ通信のための構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、太陽電池を用いた光通信システムとして、スーパーマーケットなどの店舗で用いられる電子棚札システムへの適用例を示す。
【0015】
[システム概要]
図1は本実施の形態の電子棚札システム1を概略的に示すシステム構成図である。図1に示すように、電子棚札システム1は、商品の単価などの商品データを表示する受信装置である複数の電子棚札2、この電子棚札2に商品データを送信する送信装置であるハンディターミナル3、ハンディターミナル3に商品データを配信するホスト装置であるストアコンピュータ4などから構成されている。ハンディターミナル3の個数は、1個でもよいし複数ででもよい。この電子棚札システム1は、概略的には、ハンディターミナル3から射出した光に応じて、電子棚札2が備える後述する太陽電池13が発電する電気量が変化するのを利用して、ハンディターミナル3と電子棚札2とで光通信を実行するものである。
【0016】
[電子棚札2]
図2は電子棚札2を示す正面図である。電子棚札2は、商品が陳列される陳列棚(図示せず)において商品の陳列部に対応した位置に取り付けられ、対応する商品の単価データなどの商品データを表示するものである。電子棚札2は、矩形形状の筐体11を有している。そして、電子棚札2は、この筐体11に、単価データなどの商品データを表示する表示器である液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)12、太陽電池13を備えている。また、筐体11の下部には、商品の商品名やバーコードが印字された商品データカード14が貼付されている。このバーコードは、商品コードをバーコード化したものである。なお、表示器として、本実施の形態においては液晶ディスプレイ12を用いたが、LED表示器やEL表示器等であっても良い。また、モノクロ表示でもカラー表示でも良い。
【0017】
太陽電池13は、受けた光を電気に変換する発電装置であり、その構造は周知であるので説明は省略する。電子棚札2は、この太陽電池13が発電した電気によって駆動する構成である。即ち、太陽電池13が電子棚札2の駆動電源となっている。
【0018】
図3は電子棚札2の回路構成を示す回路図である。電子棚札2は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)、コンピュータプログラムなどの固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)、各種データを書き換え自在に記憶しワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)21を備えており、このマイコン21が各部を駆動制御する。
【0019】
このマイコン21には、バスライン22を介して、液晶ディスプレイ12を駆動する表示コントローラ23が接続されている。さらに、マイコン21には、書き換え自在な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などから構成される不揮発性メモリ部24もバスライン22を介して接続されている。この不揮発性メモリ部24には、液晶ディスプレイ12に表示する単価などのデータがデジタルデータで記憶される単価記憶エリア(図示せず)が形成されている。
【0020】
このマイコン21には、太陽電池13に接続されたデータ受信回路25が接続されている。データ受信回路25には、コンパレータ26が設けられている。コンパレータ26のプラス入力端子26aは、抵抗27を介して太陽電池13の一方の出力端子13aに接続されるとともに、抵抗28を介して太陽電池13の他方の出力端子13bに接続されている。コンパレータ26のマイナス入力端子26bは、抵抗29を介して太陽電池13の一方の出力端子13aに接続されるとともに、抵抗30を介して太陽電池13の他方の出力端子13bに接続されている。さらに、コンパレータ26のマイナス入力端子26bは、コンデンサ31を介して太陽電池13の他方の出力端子13bに接続されている。コンパレータ26の出力端子26cは、マイコン21の割り込み端子21a及びデータ受信端子21bに接続されている。
【0021】
このデータ受信回路25では、太陽電池13に当たる光の量が変化し太陽電池13が発電する電気量である発電電圧が変化すると、回路中の電圧に変化が生じる。例えば太陽電池13に対して店舗内に設置された照明装置(図示せず)から一定の光が当たっている状態で、太陽電池13にパルス状の光信号を射出すると、図4に示すように、太陽電池13の出力電圧(発電電圧)a(図3におけるaで示す部分の電圧)は、パルス状に変化する。コンパレータ26のマイナス入力端子26bには、太陽電池13の出力電圧aが抵抗29,30に分圧されるとともにコンデンサ31に蓄えられるので、太陽電池13の出力電圧aがリファレンス電圧b(図3におけるbで示す部分の電圧)となって信号として入力される。このとき、コンパレータ26のプラス入力端子26aには、太陽電池13の出力電圧aが抵抗27,28により分圧された電圧c(図3におけるcで示す部分の電圧)がパルス状のまま信号として入力される。そして、コンパレータ26では、これらの入力電圧b,c(信号)が比較されて、出力電圧aの変化がパルス電圧(パルス信号)d(図3におけるdで示す部分の電圧)としてマイコン21に出力される。マイコン21は、このパルス電圧dをデジタルデータ、つまり、「1」及び「0」の組み合わせのデータ列に変換して記憶する。ここに、受信手段の機能が実行される。
【0022】
[ハンディターミナル3]
図5はハンディターミナル3を示す斜視図である。図5に示すように、ハンディターミナル3の本体ケース41の上面には、液晶ディスプレイ42と、キーボード43とが順に設けられている。キーボード43は、ファンクションキー43a、テンキー43b、送信キー43cなどを備えている。また、本体ケース41には、光学読取装置であるバーコードスキャナ44(図6参照)が内蔵され、本体ケース41の下面の先端部には、バーコード読取窓45が形成されている。ここで、バーコードスキャナ44は、光源であるLED(Light Emitting Diode)アレイ46(図6参照)を備え、このLEDアレイ46からバーコードに光を射出し、反射した光をCCD(Charge Coupled Device :図6参照)47で受光して読み取るものである。このハンディターミナル3は、可搬性を有する大きさに形成されている。
【0023】
図6はハンディターミナル3の電装系を示すブロック図である。ハンディターミナル3は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)、コンピュータプログラムなどの固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)、各種データを書き換え自在に記憶しワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)51を備えており、このマイコン51が各部を駆動制御する。
【0024】
このマイコン51には、バスライン52を介して、液晶ディスプレイ42を駆動する表示コントローラ53、キーボード43からの信号を出力するキーボードコントローラ54、バーコードスキャナ44のCCD47やLEDアレイ46などを駆動するスキャナコントローラ55が接続されている。さらに、マイコン51には、ストアコンピュータ4との間の無線通信を司る通信手段である無線インタフェース56、書き換え自在な不揮発性メモリであるEEPROMなどから構成される記憶部である不揮発性メモリ部57もバスライン52を介して接続されている。不揮発性メモリ部57には、例えばストアコンピュータ4から配信される後述する商品マスタファイルがデジタルデータで記憶される。
【0025】
[ストアコンピュータ4]
図7はストアコンピュータ4の電装系を示すブロック図である。ストアコンピュータ4は、CPU、ROM、RAM等で構成されるマイコン61を有し、このマイコンにバスライン62を介して接続された通信手段である無線インタフェース63から、ハンディターミナル3との間で相互に無線通信を実行し得るように構成されている。
【0026】
また、マイコン61にはバスライン62及びI/O機器制御部64を介して、キーボード65、表示器66及びHDD(Hard Disk Drive)67が接続されている。HDD67には、マイコン61のCPUを動作させる制御プログラムの他、商品マスタファイル等が格納されている。商品マスタファイルは、商品コードに、商品名や単価などの商品データを対応付けして記憶するものである。
【0027】
[各種処理]
次に、電子棚札システム1の各マイコン21,51,61がコンピュータプログラムに従って実行する各種の処理を店員の操作手順とともに説明する。
【0028】
図8はストアコンピュータ4とハンディターミナル3との間で行われる単価データ配信処理を示すフローチャートである。
【0029】
電子棚札2の液晶ディスプレイ12に表示されている商品の単価を変更する際には、店員は、ストアコンピュータ4において、キーボード65操作によりHDD67に記憶されている商品マスタファイルの価格データを変更し、単価データの配信操作を実行する。
【0030】
図8に示すように、ストアコンピュータ4は、店員のキーボード65操作により、HDD67に記憶されている商品マスタファイルの単価データが変更され、単価データの配信操作がなされたならば、HDD67に記憶されている単価データを含む商品マスタファイルをハンディターミナル3に対して無線インタフェース63を用いて無線送信する(ステップS1)。
【0031】
ハンディターミナル3では、ストアコンピュータ4から商品マスタファイルを受信したならば(ステップS11のY)、受信した商品マスタファイルを不揮発性メモリ部57に記憶する(ステップS12:記憶手段)。このとき、既に、商品マスタファイルが存在している場合には、上書き記憶する。このようにして、ストアコンピュータ4からハンディターミナル3に、商品の単価データが配信される。
【0032】
図9はハンディターミナル3における単価変更処理を示すフローチャートである。
【0033】
次に、店員は、ハンディターミナル3を手に取り、電子棚札2の商品データカード14に印字されたバーコードに対するバーコードスキャナ44によるスキャニング操作を行う。
【0034】
図9に示すように、ハンディターミナル3では、上述した店員による操作によりバーコードスキャナ44による商品コードの読取入力が有った場合には(ステップS21のY)、不揮発性メモリ部57に記憶されている商品マスタファイルを検索して、入力された商品コードによって特定される商品の単価データなどを取得する(ステップS22:取得手段)。そして、取得した単価データなどを液晶ディスプレイ42に表示する(ステップS23)。
【0035】
店員は、液晶ディスプレイ42に表示された商品の単価などを確認した後、バーコードスキャナ44のLEDアレイ46から射出される光が電子棚札2の太陽電池13に当たるように、ハンディターミナル3を電子棚札2に近づけてかざす。そして、キーボード43の送信キー43cを押下する。
【0036】
店員によりキーボード43の送信キー43cが押下されたならば(ステップS24のY)、単価データ送信処理を実行し、電子棚札2に対して商品の単価データを光通信により送信する(ステップS25:送信手段)。このステップS25における単価データ送信処理を図10に基づいて説明する。図10に示すように、単価データ送信処理では、ステップS22で取得したデジタルデータである商品コードを構成するデジタル値に応じてLEDアレイ46の点灯を制御する。具体的には、デジタルデータは、デジタル値(「1」及び「0」)のデータ列によって構成されているので、データ列の最初のデジタル値から順次以下の処理を実行する。デジタル値が「1」の場合には(ステップS31のY)、LEDアレイ46を規定時間点灯させ(ステップS32)、デジタル値が「1」ではなく「0」の場合には(ステップS31のN)、LEDアレイ46を規定時間消灯させる(ステップS34)。デジタルデータがデータ列の最後のものでなく送信データが未だ有る場合には(ステップS33のN)、ステップS31に戻り、デジタル値のデータ列のうち、次のデータ値に対してステップS31以下の処理を同様に実行する。このような処理によってデジタルデータを構成する各デジタル値毎にLEDアレイ46の点灯又は消灯がなされ、これにより、デジタルデータである商品コードがパルス状の光信号に変換されて送信される。
【0037】
図11は電子棚札2における単価変更処理を示すフローチャートである。
【0038】
電子棚札2では、ハンディターミナル3からパルス状の光信号を受信したならば(ステップS41のY)、この光信号を元のデジタルデータである単価データに変換し、不揮発性メモリ部24の単価記憶エリアに記憶させる(ステップS42)。単価記憶エリアに、単価データが既に記憶されている場合には、上書き記憶させる。なお、パルス状の光信号のデジタル信号への変換方法は、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
【0039】
そして、単価記憶エリアに記憶させた単価データを液晶ディスプレイ12に数字で表示させ(ステップS43:表示手段)、光信号の受信に成功し変換が完了した旨を報知するために、液晶ディスプレイ12に表示させた単価データを規定回点滅させる(ステップS44:報知手段)。この点滅が終了すると、通常の表示状態に戻る。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態では、デジタルデータは、商品データであり、受信装置は、情報を表示する表示器である液晶ディスプレイ12と、光信号を変換したデジタルデータに基づいて商品データを液晶ディスプレイに表示する表示手段とを有する電子棚札2である。そして、この電子棚札2は、駆動電源として有する太陽電池13を用いて送信装置であるハンディターミナル3からの光信号を受信して光通信を実行するので、通信のためだけの装置である無線通信装置を必要とする従来の受信装置に比べて、電子棚札2のデータ通信のための構成が簡素化される。
【0041】
また、本実施の形態では、送信装置は、光源であるLEDアレイ46を有しこのLEDアレイ46からコードシンボル化された商品コードに向けて射出した光の反射を利用して当該商品コードを読み取る光学読取装置であるバーコードスキャナ44と、商品コードと商品データとを対応付けてデジタルデータで記憶する記憶部である不揮発性メモリ部57と、バーコードスキャナ44によって読み取った商品コードに対応させて不揮発性メモリ部57に記憶されている商品データを取得する取得手段と、を備え、送信手段は、取得した商品データ(本実施の形態では単価データ)を光信号に変換して送信するものである。そして、このハンディターミナル3は、バーコードスキャナ44が有するLEDアレイ46を用いて受信装置である電子棚札2へ光信号を送信して光通信を実行するので、LEDアレイ46が光通信の光源に兼用されている。よって、通信のためだけの装置である無線通信装置を必要とする従来のデータ送信装置に比べて、ハンディターミナル3の構造が簡素化される。
【0042】
また、本実施の形態においては、商品コードと商品データとを対応付けて記憶したホスト装置であるストアコンピュータ4と、このストアコンピュータ4と送信装置であるハンディターミナル3とのデータ通信を可能とする通信手段である無線インタフェース56,63と、ハンディターミナル3に設けられ、データ通信によってストアコンピュータ4から受信した商品コードと商品データとを対応付けて記憶部である不揮発性メモリ部57に記憶させる記憶手段と、を備えることにより、複数のハンディターミナル3が記憶しているデータを、一つのストアコンピュータ4からデータ送信を行うことにより、一斉に変更することができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、受信装置である電子棚札2に設けられ光信号の受信が完了したことを報知する報知手段を備えることにより、操作者(店員)がデータ通信の完了を確認することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、太陽電池13を用いた光通信システムとして、受信装置に電子棚札2を適用した電子棚札システム1を例に説明したが、これに限られるものではなく、太陽電池を有する受信装置と、光源を有する送信装置との組み合わせで任意のシステムを構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態の電子棚札システムを概略的に示すシステム構成図である。
【図2】電子棚札を示す正面図である。
【図3】電子棚札の回路構成を示す回路図である。
【図4】電子棚札における各種電圧のタイムチャートである。
【図5】ハンディターミナルを示す斜視図である。
【図6】ハンディターミナルの電装系を示すブロック図である。
【図7】ストアコンピュータの電装系を示すブロック図である。
【図8】単価データ配信処理を示すフローチャートである。
【図9】ハンディターミナルにおける単価変更処理を示すフローチャートである。
【図10】単価データ送信処理を示すフローチャートである。
【図11】電子棚札における単価変更処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 電子棚札システム(太陽電池を用いた光通信システム)
2 電子棚札(受信装置)
3 ハンディターミナル(送信装置)
4 ストアコンピュータ(ホスト装置)
12 液晶ディスプレイ(表示器)
13 太陽電池
44 バーコードスキャナ(光学読取装置)
46 LEDアレイ(光源)
56 無線インタフェース(通信手段)
57 不揮発性メモリ部(記憶部)
63 無線インタフェース(通信手段)
ステップS12 記憶手段
ステップS22 取得手段
ステップS25 送信手段
ステップS43 表示手段
ステップS44 報知手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を用いた光通信システム及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗の商品陳列棚には、陳列されている商品に対応した棚札がセットされており、陳列されている商品の商品名、単価、規格(量)、特売表示等の商品データを顧客が容易に確認できるようになっている。一般に、このような棚札としては紙製等のカード式のものが用いられており、商品に関する商品名、単価等の商品データはプリンタによって印刷されている。
【0003】
しかしながら、このような棚札によれば、例えば翌日から単価等を変更する場合には、閉店後、店員が変更する商品に対応した棚札を新しい棚札と交換する作業を行わなければならず、交換する数が多い場合は多大な労力と時間を費やすことになる。また、時間帯を設定してその時間帯だけ特売するような場合には商品数が多いと対処できないことになる。さらに、季節毎に商品の陳列位置を大幅に変更する場合にも大量の棚札の交換作業が発生するので、同様の問題が発生する。
【0004】
そこで、このような問題に対処すべく、棚札として電子棚札を用い商品データを電子的に書き換えることができる電子棚札システムが開発され、使用されるようになってきている。
【0005】
電子棚札システムで使用される電子棚札は、単価など表示する液晶表示器、ホスト装置からデータを受信するデータ受信部、太陽電池などから構成されている。この電子棚札は、太陽電池が発電する電気を電源として駆動し、ホスト装置から赤外線通信などの無線通信で受信した信号に基づいて、液晶表示器に表示する単価を変更する。
【0006】
電子棚札に対して単価変更の信号を送信するホスト装置としては、例えば、店舗のバックヤードなどに設置されるホストコンピュータがある。この場合には、売り場の天井などには、ホストコンピュータに接続された無線通信装置が複数設置され、ホストコンピュータは、これらの無線通信装置を介して電子棚札と無線通信を実行する。
【0007】
ホスト装置の別例としては、ハンディターミナルがある(例えば、特許文献1参照)。ハンディターミナルは、バーコード化された商品コードを光学的に読み取るスキャナ、キーボード、無線通信装置などから構成されている。ハンディターミナルは、無線通信装置によって電子棚札と無線通信を実行する。
【0008】
【特許文献1】特開2001−109956公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来の電子棚札システムでは、電子棚札とホスト装置との無線通信を実現させるために、電子棚札には、無線通信のためだけに用いられる受信装置が必要であり、構成が複雑になるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、太陽電池を有する受信装置のデータ通信のための構成を簡素化することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光通信システムは、光源を有する送信装置と、光を電気に変換する太陽電池を有しこの太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする受信装置と、を備え、前記送信装置は、前記光源を用いてデジタルデータを光信号に変換して送信する送信手段を有し、前記受信装置は、前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段を有する。
【0012】
本発明の受信装置は、光を電気に変換する太陽電池と、前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段と、を備え、前記太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽電池を有する受信装置のデータ通信のための構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、太陽電池を用いた光通信システムとして、スーパーマーケットなどの店舗で用いられる電子棚札システムへの適用例を示す。
【0015】
[システム概要]
図1は本実施の形態の電子棚札システム1を概略的に示すシステム構成図である。図1に示すように、電子棚札システム1は、商品の単価などの商品データを表示する受信装置である複数の電子棚札2、この電子棚札2に商品データを送信する送信装置であるハンディターミナル3、ハンディターミナル3に商品データを配信するホスト装置であるストアコンピュータ4などから構成されている。ハンディターミナル3の個数は、1個でもよいし複数ででもよい。この電子棚札システム1は、概略的には、ハンディターミナル3から射出した光に応じて、電子棚札2が備える後述する太陽電池13が発電する電気量が変化するのを利用して、ハンディターミナル3と電子棚札2とで光通信を実行するものである。
【0016】
[電子棚札2]
図2は電子棚札2を示す正面図である。電子棚札2は、商品が陳列される陳列棚(図示せず)において商品の陳列部に対応した位置に取り付けられ、対応する商品の単価データなどの商品データを表示するものである。電子棚札2は、矩形形状の筐体11を有している。そして、電子棚札2は、この筐体11に、単価データなどの商品データを表示する表示器である液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)12、太陽電池13を備えている。また、筐体11の下部には、商品の商品名やバーコードが印字された商品データカード14が貼付されている。このバーコードは、商品コードをバーコード化したものである。なお、表示器として、本実施の形態においては液晶ディスプレイ12を用いたが、LED表示器やEL表示器等であっても良い。また、モノクロ表示でもカラー表示でも良い。
【0017】
太陽電池13は、受けた光を電気に変換する発電装置であり、その構造は周知であるので説明は省略する。電子棚札2は、この太陽電池13が発電した電気によって駆動する構成である。即ち、太陽電池13が電子棚札2の駆動電源となっている。
【0018】
図3は電子棚札2の回路構成を示す回路図である。電子棚札2は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)、コンピュータプログラムなどの固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)、各種データを書き換え自在に記憶しワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)21を備えており、このマイコン21が各部を駆動制御する。
【0019】
このマイコン21には、バスライン22を介して、液晶ディスプレイ12を駆動する表示コントローラ23が接続されている。さらに、マイコン21には、書き換え自在な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などから構成される不揮発性メモリ部24もバスライン22を介して接続されている。この不揮発性メモリ部24には、液晶ディスプレイ12に表示する単価などのデータがデジタルデータで記憶される単価記憶エリア(図示せず)が形成されている。
【0020】
このマイコン21には、太陽電池13に接続されたデータ受信回路25が接続されている。データ受信回路25には、コンパレータ26が設けられている。コンパレータ26のプラス入力端子26aは、抵抗27を介して太陽電池13の一方の出力端子13aに接続されるとともに、抵抗28を介して太陽電池13の他方の出力端子13bに接続されている。コンパレータ26のマイナス入力端子26bは、抵抗29を介して太陽電池13の一方の出力端子13aに接続されるとともに、抵抗30を介して太陽電池13の他方の出力端子13bに接続されている。さらに、コンパレータ26のマイナス入力端子26bは、コンデンサ31を介して太陽電池13の他方の出力端子13bに接続されている。コンパレータ26の出力端子26cは、マイコン21の割り込み端子21a及びデータ受信端子21bに接続されている。
【0021】
このデータ受信回路25では、太陽電池13に当たる光の量が変化し太陽電池13が発電する電気量である発電電圧が変化すると、回路中の電圧に変化が生じる。例えば太陽電池13に対して店舗内に設置された照明装置(図示せず)から一定の光が当たっている状態で、太陽電池13にパルス状の光信号を射出すると、図4に示すように、太陽電池13の出力電圧(発電電圧)a(図3におけるaで示す部分の電圧)は、パルス状に変化する。コンパレータ26のマイナス入力端子26bには、太陽電池13の出力電圧aが抵抗29,30に分圧されるとともにコンデンサ31に蓄えられるので、太陽電池13の出力電圧aがリファレンス電圧b(図3におけるbで示す部分の電圧)となって信号として入力される。このとき、コンパレータ26のプラス入力端子26aには、太陽電池13の出力電圧aが抵抗27,28により分圧された電圧c(図3におけるcで示す部分の電圧)がパルス状のまま信号として入力される。そして、コンパレータ26では、これらの入力電圧b,c(信号)が比較されて、出力電圧aの変化がパルス電圧(パルス信号)d(図3におけるdで示す部分の電圧)としてマイコン21に出力される。マイコン21は、このパルス電圧dをデジタルデータ、つまり、「1」及び「0」の組み合わせのデータ列に変換して記憶する。ここに、受信手段の機能が実行される。
【0022】
[ハンディターミナル3]
図5はハンディターミナル3を示す斜視図である。図5に示すように、ハンディターミナル3の本体ケース41の上面には、液晶ディスプレイ42と、キーボード43とが順に設けられている。キーボード43は、ファンクションキー43a、テンキー43b、送信キー43cなどを備えている。また、本体ケース41には、光学読取装置であるバーコードスキャナ44(図6参照)が内蔵され、本体ケース41の下面の先端部には、バーコード読取窓45が形成されている。ここで、バーコードスキャナ44は、光源であるLED(Light Emitting Diode)アレイ46(図6参照)を備え、このLEDアレイ46からバーコードに光を射出し、反射した光をCCD(Charge Coupled Device :図6参照)47で受光して読み取るものである。このハンディターミナル3は、可搬性を有する大きさに形成されている。
【0023】
図6はハンディターミナル3の電装系を示すブロック図である。ハンディターミナル3は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)、コンピュータプログラムなどの固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)、各種データを書き換え自在に記憶しワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)51を備えており、このマイコン51が各部を駆動制御する。
【0024】
このマイコン51には、バスライン52を介して、液晶ディスプレイ42を駆動する表示コントローラ53、キーボード43からの信号を出力するキーボードコントローラ54、バーコードスキャナ44のCCD47やLEDアレイ46などを駆動するスキャナコントローラ55が接続されている。さらに、マイコン51には、ストアコンピュータ4との間の無線通信を司る通信手段である無線インタフェース56、書き換え自在な不揮発性メモリであるEEPROMなどから構成される記憶部である不揮発性メモリ部57もバスライン52を介して接続されている。不揮発性メモリ部57には、例えばストアコンピュータ4から配信される後述する商品マスタファイルがデジタルデータで記憶される。
【0025】
[ストアコンピュータ4]
図7はストアコンピュータ4の電装系を示すブロック図である。ストアコンピュータ4は、CPU、ROM、RAM等で構成されるマイコン61を有し、このマイコンにバスライン62を介して接続された通信手段である無線インタフェース63から、ハンディターミナル3との間で相互に無線通信を実行し得るように構成されている。
【0026】
また、マイコン61にはバスライン62及びI/O機器制御部64を介して、キーボード65、表示器66及びHDD(Hard Disk Drive)67が接続されている。HDD67には、マイコン61のCPUを動作させる制御プログラムの他、商品マスタファイル等が格納されている。商品マスタファイルは、商品コードに、商品名や単価などの商品データを対応付けして記憶するものである。
【0027】
[各種処理]
次に、電子棚札システム1の各マイコン21,51,61がコンピュータプログラムに従って実行する各種の処理を店員の操作手順とともに説明する。
【0028】
図8はストアコンピュータ4とハンディターミナル3との間で行われる単価データ配信処理を示すフローチャートである。
【0029】
電子棚札2の液晶ディスプレイ12に表示されている商品の単価を変更する際には、店員は、ストアコンピュータ4において、キーボード65操作によりHDD67に記憶されている商品マスタファイルの価格データを変更し、単価データの配信操作を実行する。
【0030】
図8に示すように、ストアコンピュータ4は、店員のキーボード65操作により、HDD67に記憶されている商品マスタファイルの単価データが変更され、単価データの配信操作がなされたならば、HDD67に記憶されている単価データを含む商品マスタファイルをハンディターミナル3に対して無線インタフェース63を用いて無線送信する(ステップS1)。
【0031】
ハンディターミナル3では、ストアコンピュータ4から商品マスタファイルを受信したならば(ステップS11のY)、受信した商品マスタファイルを不揮発性メモリ部57に記憶する(ステップS12:記憶手段)。このとき、既に、商品マスタファイルが存在している場合には、上書き記憶する。このようにして、ストアコンピュータ4からハンディターミナル3に、商品の単価データが配信される。
【0032】
図9はハンディターミナル3における単価変更処理を示すフローチャートである。
【0033】
次に、店員は、ハンディターミナル3を手に取り、電子棚札2の商品データカード14に印字されたバーコードに対するバーコードスキャナ44によるスキャニング操作を行う。
【0034】
図9に示すように、ハンディターミナル3では、上述した店員による操作によりバーコードスキャナ44による商品コードの読取入力が有った場合には(ステップS21のY)、不揮発性メモリ部57に記憶されている商品マスタファイルを検索して、入力された商品コードによって特定される商品の単価データなどを取得する(ステップS22:取得手段)。そして、取得した単価データなどを液晶ディスプレイ42に表示する(ステップS23)。
【0035】
店員は、液晶ディスプレイ42に表示された商品の単価などを確認した後、バーコードスキャナ44のLEDアレイ46から射出される光が電子棚札2の太陽電池13に当たるように、ハンディターミナル3を電子棚札2に近づけてかざす。そして、キーボード43の送信キー43cを押下する。
【0036】
店員によりキーボード43の送信キー43cが押下されたならば(ステップS24のY)、単価データ送信処理を実行し、電子棚札2に対して商品の単価データを光通信により送信する(ステップS25:送信手段)。このステップS25における単価データ送信処理を図10に基づいて説明する。図10に示すように、単価データ送信処理では、ステップS22で取得したデジタルデータである商品コードを構成するデジタル値に応じてLEDアレイ46の点灯を制御する。具体的には、デジタルデータは、デジタル値(「1」及び「0」)のデータ列によって構成されているので、データ列の最初のデジタル値から順次以下の処理を実行する。デジタル値が「1」の場合には(ステップS31のY)、LEDアレイ46を規定時間点灯させ(ステップS32)、デジタル値が「1」ではなく「0」の場合には(ステップS31のN)、LEDアレイ46を規定時間消灯させる(ステップS34)。デジタルデータがデータ列の最後のものでなく送信データが未だ有る場合には(ステップS33のN)、ステップS31に戻り、デジタル値のデータ列のうち、次のデータ値に対してステップS31以下の処理を同様に実行する。このような処理によってデジタルデータを構成する各デジタル値毎にLEDアレイ46の点灯又は消灯がなされ、これにより、デジタルデータである商品コードがパルス状の光信号に変換されて送信される。
【0037】
図11は電子棚札2における単価変更処理を示すフローチャートである。
【0038】
電子棚札2では、ハンディターミナル3からパルス状の光信号を受信したならば(ステップS41のY)、この光信号を元のデジタルデータである単価データに変換し、不揮発性メモリ部24の単価記憶エリアに記憶させる(ステップS42)。単価記憶エリアに、単価データが既に記憶されている場合には、上書き記憶させる。なお、パルス状の光信号のデジタル信号への変換方法は、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
【0039】
そして、単価記憶エリアに記憶させた単価データを液晶ディスプレイ12に数字で表示させ(ステップS43:表示手段)、光信号の受信に成功し変換が完了した旨を報知するために、液晶ディスプレイ12に表示させた単価データを規定回点滅させる(ステップS44:報知手段)。この点滅が終了すると、通常の表示状態に戻る。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態では、デジタルデータは、商品データであり、受信装置は、情報を表示する表示器である液晶ディスプレイ12と、光信号を変換したデジタルデータに基づいて商品データを液晶ディスプレイに表示する表示手段とを有する電子棚札2である。そして、この電子棚札2は、駆動電源として有する太陽電池13を用いて送信装置であるハンディターミナル3からの光信号を受信して光通信を実行するので、通信のためだけの装置である無線通信装置を必要とする従来の受信装置に比べて、電子棚札2のデータ通信のための構成が簡素化される。
【0041】
また、本実施の形態では、送信装置は、光源であるLEDアレイ46を有しこのLEDアレイ46からコードシンボル化された商品コードに向けて射出した光の反射を利用して当該商品コードを読み取る光学読取装置であるバーコードスキャナ44と、商品コードと商品データとを対応付けてデジタルデータで記憶する記憶部である不揮発性メモリ部57と、バーコードスキャナ44によって読み取った商品コードに対応させて不揮発性メモリ部57に記憶されている商品データを取得する取得手段と、を備え、送信手段は、取得した商品データ(本実施の形態では単価データ)を光信号に変換して送信するものである。そして、このハンディターミナル3は、バーコードスキャナ44が有するLEDアレイ46を用いて受信装置である電子棚札2へ光信号を送信して光通信を実行するので、LEDアレイ46が光通信の光源に兼用されている。よって、通信のためだけの装置である無線通信装置を必要とする従来のデータ送信装置に比べて、ハンディターミナル3の構造が簡素化される。
【0042】
また、本実施の形態においては、商品コードと商品データとを対応付けて記憶したホスト装置であるストアコンピュータ4と、このストアコンピュータ4と送信装置であるハンディターミナル3とのデータ通信を可能とする通信手段である無線インタフェース56,63と、ハンディターミナル3に設けられ、データ通信によってストアコンピュータ4から受信した商品コードと商品データとを対応付けて記憶部である不揮発性メモリ部57に記憶させる記憶手段と、を備えることにより、複数のハンディターミナル3が記憶しているデータを、一つのストアコンピュータ4からデータ送信を行うことにより、一斉に変更することができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、受信装置である電子棚札2に設けられ光信号の受信が完了したことを報知する報知手段を備えることにより、操作者(店員)がデータ通信の完了を確認することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、太陽電池13を用いた光通信システムとして、受信装置に電子棚札2を適用した電子棚札システム1を例に説明したが、これに限られるものではなく、太陽電池を有する受信装置と、光源を有する送信装置との組み合わせで任意のシステムを構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態の電子棚札システムを概略的に示すシステム構成図である。
【図2】電子棚札を示す正面図である。
【図3】電子棚札の回路構成を示す回路図である。
【図4】電子棚札における各種電圧のタイムチャートである。
【図5】ハンディターミナルを示す斜視図である。
【図6】ハンディターミナルの電装系を示すブロック図である。
【図7】ストアコンピュータの電装系を示すブロック図である。
【図8】単価データ配信処理を示すフローチャートである。
【図9】ハンディターミナルにおける単価変更処理を示すフローチャートである。
【図10】単価データ送信処理を示すフローチャートである。
【図11】電子棚札における単価変更処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 電子棚札システム(太陽電池を用いた光通信システム)
2 電子棚札(受信装置)
3 ハンディターミナル(送信装置)
4 ストアコンピュータ(ホスト装置)
12 液晶ディスプレイ(表示器)
13 太陽電池
44 バーコードスキャナ(光学読取装置)
46 LEDアレイ(光源)
56 無線インタフェース(通信手段)
57 不揮発性メモリ部(記憶部)
63 無線インタフェース(通信手段)
ステップS12 記憶手段
ステップS22 取得手段
ステップS25 送信手段
ステップS43 表示手段
ステップS44 報知手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する送信装置と、
光を電気に変換する太陽電池を有しこの太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする受信装置と、
を備え、
前記送信装置は、前記光源を用いてデジタルデータを光信号に変換して送信する送信手段を有し、
前記受信装置は、前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段を有する太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項2】
前記デジタルデータは、商品データであり、
前記受信装置は、情報を表示する表示器と、前記光信号を変換した前記デジタルデータに基づいて商品データを前記表示器に表示する表示手段とを有する電子棚札である請求項1記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項3】
前記送信装置は、
前記光源を有しこの光源からコードシンボル化された商品コードに向けて射出した光の反射を利用して当該商品コードを読み取る光学読取装置と、
商品コードと商品データとを対応付けてデジタルデータで記憶する記憶部と、
前記光学読取装置によって読み取った前記商品コードに対応させて前記記憶部に記憶されている前記商品データを取得する取得手段と、
を備え、
前記送信手段は、取得した前記商品データを光信号に変換して送信する請求項2記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項4】
商品コードと商品データとを対応付けて記憶したホスト装置と、
このホスト装置と前記送信装置とのデータ通信を可能とする通信手段と、
前記送信装置に設けられ、データ通信によって前記ホスト装置から受信した前記商品コードと前記商品データとを対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶手段と、
を備える請求項3記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項5】
前記受信装置に設けられ光信号の受信が完了したことを報知する報知手段を備える請求項1ないし4の何れか一記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項6】
光を電気に変換する太陽電池と、
前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段と、
を備え、前記太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする受信装置。
【請求項1】
光源を有する送信装置と、
光を電気に変換する太陽電池を有しこの太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする受信装置と、
を備え、
前記送信装置は、前記光源を用いてデジタルデータを光信号に変換して送信する送信手段を有し、
前記受信装置は、前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段を有する太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項2】
前記デジタルデータは、商品データであり、
前記受信装置は、情報を表示する表示器と、前記光信号を変換した前記デジタルデータに基づいて商品データを前記表示器に表示する表示手段とを有する電子棚札である請求項1記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項3】
前記送信装置は、
前記光源を有しこの光源からコードシンボル化された商品コードに向けて射出した光の反射を利用して当該商品コードを読み取る光学読取装置と、
商品コードと商品データとを対応付けてデジタルデータで記憶する記憶部と、
前記光学読取装置によって読み取った前記商品コードに対応させて前記記憶部に記憶されている前記商品データを取得する取得手段と、
を備え、
前記送信手段は、取得した前記商品データを光信号に変換して送信する請求項2記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項4】
商品コードと商品データとを対応付けて記憶したホスト装置と、
このホスト装置と前記送信装置とのデータ通信を可能とする通信手段と、
前記送信装置に設けられ、データ通信によって前記ホスト装置から受信した前記商品コードと前記商品データとを対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶手段と、
を備える請求項3記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項5】
前記受信装置に設けられ光信号の受信が完了したことを報知する報知手段を備える請求項1ないし4の何れか一記載の太陽電池を用いた光通信システム。
【請求項6】
光を電気に変換する太陽電池と、
前記太陽電池が受信した光信号に応じて発電する電気量に基づいて前記光信号をデジタルデータに変換する受信手段と、
を備え、前記太陽電池によって発電された電気を駆動電源とする受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−33038(P2006−33038A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204491(P2004−204491)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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