説明

太陽電池カバーガラス用コート層及びその製造方法

【課題】 簡便な手法で太陽電池モジュール集光効率を向上させる。
【解決手段】 太陽電池モジュールの保護層に直接接着し、かつ大気と直接接触している状態で用いられる太陽電池用含フッ素コート層であって、該太陽電池用含フッ素コート層のフッ素含有量が5重量%以上であることを特徴とする太陽電池用含フッ素コート層。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池のカバーガラス等に、簡便な手法で単層の低屈折性有機薄膜層を施し、太陽光の集光能力を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の要因である炭酸ガス排出の削減、さらには化石燃料枯渇問題に対処するために太陽光発電が脚光を浴びており、その発電効率を上げる技術開発が活発に行われている。発電効率を上げるために、発電素子自体の光電変換率の向上は不可欠であるが、太陽電池の集光効率の向上も重要である。
【0003】
集光効率の向上には、太陽電池発電モジュールの保護層の材質改良によりその効果が期待される。なお、該保護層には、主にガラス材が用いられ、該ガラス保護層は、カバーガラスと一般的に呼ばれている。
【0004】
集光効率向上を実現する手法として、例えば、カバーガラス上に高屈折率膜の層と低屈折膜の層とからなる多層膜が、従来、作製されているが、多層膜を作製するため製造に多大な時間を要し、また、各薄膜の厚みも反射率に大きな影響を及ぼすことがあった。一方、カバーガラス上に、低反射膜形成用塗布液を塗布した後、焼成して低反射膜を形成する技術にあっては、焼成工程において薄膜を完全に焼成して低反射膜を形成させるが、薄膜は焼成が進むにつれて結晶化し、緻密になることから完全に焼成させた薄膜は気孔率が低くなり、屈折率が高くなるため、集光効率の改善された太陽電池発電モジュールの保護層を得ることは容易ではなかった。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)このため、低コストで簡便に作製できる太陽電池発電モジュールの保護層の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−332313号公報
【特許文献2】特開2004−292194号公報
【特許文献3】特開2008−260654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡便な手法で太陽電池モジュール集光効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、以下の(1)〜(9)のとおりである。
【0008】
(1)太陽電池モジュールの保護層に直接接着し、かつ大気と直接接触している状態で用いられる太陽電池用含フッ素コート層であって、該太陽電池用含フッ素コート層のフッ素含有量が5重量%以上であることを特徴とする太陽電池用含フッ素コート層。
【0009】
(2)前記太陽電池用含フッ素コート層が、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物および/またはアクリレート化合物、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体及び有機溶剤に溶解または分散させた含フッ素ポリマー及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜したものであることを特徴とする(1)に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0010】
(3)前記太陽電池用含フッ素コート層が、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体および/またはメタクリル酸誘導体、有機溶剤に溶解または分散させた含フッ素ポリマー及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜したものあることを特徴とする(1)に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0011】
(4)前記含フッ素ポリマーが、
式(1)、
【0012】
【化1】

【0013】
式(2)、
【0014】
【化2】

【0015】
又は式(3)、
【0016】
【化3】

【0017】
で示される環状構造を有する含フッ素ポリマーおよび/またはテトラフルオロエチレン10〜50モル部、ヘキサフルオロプロピレン0〜50モル部、ビニリデンフルオライド90〜10モル部、およびビニルフルオライド10〜100モル部のモノマーの共重合体であることを特徴とする(2)または(3)に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0018】
(5)前記含フッ素ポリマーが、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物および/またはアクリレート化合物からなるポリマーであることを特徴とする(2)または(3)に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0019】
(6)前記太陽電池用含フッ素コート層が、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基、メタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜したものであることを特徴とする(1)に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0020】
(7)さらにフュームドシリカを含むことを特徴とする(1)もしくは(6)のいずれか1項に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0021】
(8)前記炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物が、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートおよびまたは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートであることを特徴とする(2)又は(5)ないし(7)に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【0022】
(9)(2)、(7)または(8)に記載の低屈折率薄膜組成物を薄膜に形成し、光を照射して硬化させることを特徴とする太陽電池用含フッ素コート層の製造方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、簡便な手法で低屈折率薄膜組成物を太陽電池モジュールの保護層に薄膜コーティングでき、太陽電池の集光効率を向上させ、発電効率を向上することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明では、太陽電池モジュールの保護層に直接接着し、かつ大気と直接接触している状態で用いられる太陽電池用含フッ素コート層でることを特徴とする太陽電池用含フッ素コート層が得られ、その単層のコート層により太陽電池の集光効率が改善できる。以下に、当該フッ素コート層ついて説明する。
【0025】
本発明で得られるフッ素コート層は、特に制限されるものではないが、合成石英ガラス、石英ガラス、ボロシリケートガラス、ソーダライムガラスなどのガラス材の他、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、ポリフマル酸エステル、非晶性ポリアリレート、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース、ポリシクロオレフィン等の透明樹脂材を太陽電池モジュールの保護層とした際に用いることができる。
【0026】
本発明では、該太陽電池用含フッ素コート層のフッ素含有量が5重量%以上であれば効果が発現される。本発明にでは、太陽電池用含フッ素コート層が、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物および/またはアクリレート化合物、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体及び有機溶剤に溶解または分散させた含フッ素ポリマー及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜することにより得ることができる。例えば、1〜90重量部の炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物および/またはアクリレート化合物、1〜50重量部のフッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体及び有機溶剤に溶解または分散させた0.1〜50重量部の含フッ素ポリマー及び0.1〜20重量部の光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜することにより該太陽電池用含フッ素コート層を得ることができる。
【0027】
また本発明では、該太陽電池用含フッ素コート層を、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体および/またはメタクリル酸誘導体、有機溶剤に溶解または分散させた含フッ素ポリマー及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜することにより得ることができる。例えば、1〜50重量部のフッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体および/またはメタクリル酸誘導体、有機溶剤に溶解または分散させた0.1〜50重量部の含フッ素ポリマー及び0.1〜20重量部の光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜することにより該太陽電池用含フッ素コート層を得ることができる。
【0028】
ここで、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物およびまたはアクリレート化合物とは、特に制限されるものではないが、CF3 (CF2)8CH22CCH=CH2、CF3(CF2)8CH22CC(CH)=CH2、HCF2(CF2)7(CH2)22CCH=CH2、HCF2(CF2)7(CH2)22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)7CH22CCH=CH2、CF3(CF2)7CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)6CH22CCH=CH2、CF3(CF2)6CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)5CH22CCH=CH2、CF3(CF2)5CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)4CH22CCH=CH2、CF3(CF2)4CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)3CH22CCH=CH2、CF3(CF2)3CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)2CH22CCH=CH2、CF3(CF2)2CH22CC(CH)=CH2、(CF33CCH22CCH=CH2、(CF33CCH22CC(CH)=CH2、(CF32CFCH22CCH=CH2、(CF32CFCH22CC(CH)=CH2、CF3CF2CH(CF3 )O2CCH=CH2、CF3CF2CH(CF3 )O2CC(CH)=CH2、CF3CF2CH22CCH=CH2、CF3CF2CH22CC(CH)=CH2、CF3CF3CHO2CCH=CH2、CF3 CF3CHO2CC(CH)=CH2、H2CFCH22CCH=CH2、H2CFCH22CC(CH)=CH2、HCF2CH22CCH=CH2、HCF2CH22CC(CH)=CH2、CF3CH22CCH=CH2、CF3CH22CC(CH)=CH2、などが例示され、単独あるいは二種以上混合して用いることができ、特に、CF3CH22CCH=CH2、CF3CH22CC(CH)=CH2の使用が好ましい。
【0029】
また、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体および/またはメタクリル酸誘導体とは、CH22CC(CH)=CH2、CH22CCH=CH2や、新中村化学工業(株)や日本化薬(株)などで製造販売されている、CH=C(CH)O2C(CHO)COC(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)COC(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)3COC(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)4COC(CH)=CH、CH=CHO2C(CHO)4COCH=CH、CH=CHO2C(CHO)6COCH=CH、CH=CHO2C(CHO)9COCH=CH、CH=CHO2C(CHO)10COCH=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)9COC(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)14COC(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)23COC(CH)=CH、CH=C(CH)O2CCHC(CHCHCO2C(CH)=CH、CH=CHO2CCHC(CHCHCO2CH=CHCH=C(CH)O2CCHCH(OH)CHCO2C(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CH9CO2C(CH)=CH、CH=C(CH)O2C(CHO)(CC(CH)(CHO)COC(CH)=CH(m+n=2〜30)、CH=CHO2C(CHO)(CC(CH)(CHO)COCCH=CH(m+n=2〜30)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、CH=C(CH)O2C(CHC(C)(CHCC(CH)=CH)CH)OCC(CH)=CH、CH=CHO2C(CHC(C)(CHCCH=CH)CH)OCCH=CH、CH=CHO2C(CHC(CHCCH=CHCH)OCCH=CH、CH=CHO2C(CHC(CHCCH=CHCH)OCHC(CH(CHCCH=CH、や(株)トクシキ、新中村工業(株)あるいは日本化薬(株)で販売されているウレタン骨格を有するウレタンジメタクリレート化合物やウレタンジアクリレート化合物、あるいは昭和電工(株)で販売されているイソシアネートモノマーであるカレンズ・シリーズから誘導されるウレタンジメタクリレート化合物やウレタンジアクリレート化合物あるいは、ウレタンメタクリレートアクリレートなどなどが例示され、これらを単独あるいは二種以上混合して用いることができる。
【0030】
本発明で用いられる、含フッ素ポリマーとは、式(1)、
【0031】
【化4】

【0032】
式(2)、
【0033】
【化5】

【0034】
式(3)、
【0035】
【化6】

【0036】
で示される環状構造を有する含フッ素ポリマーおよび/またはテトラフルオロエチレン10〜50モル部、ヘキサフルオロプロピレン0〜50モル部、ビニリデンフルオライド90〜10モル部、およびビニルフルオライド10〜100モル部のモノマーの共重合体である。本発明の含フッ素ポリマーは有機溶剤に可溶または分散可能である。本発明で用いられる含フッ素ポリマーとして、例えば、市販品のテフロンAFシリーズ(デュポン社製)、フルオンシリーズ(旭硝子社製)、ハイフロンシリーズ(ソルベイ・ソレクシス社製)、サイトップ(旭硝子社製)、THVシリーズ(住友スリーエム社製)、ネオフロンシリーズ(ダイキン社製)、カイナーシリーズ(アルケマ社製)、テドラーシリーズ(デュポン社製)、ダイニオンシリーズ(ダイニオン社製)などを単独あるいは二種以上用いることができる。また、これらフッ素ポリマーを溶解あるいは分散させる有機溶媒としては、CF3CH2OH、F(CF22CH2OH、(CF32CHOH、F(CF23CH2OH、F(CF2425OH、H(CF22CH2OH、H(CF23CH2OH、H(CF24CH2OHなどのフッ素アルコール系溶剤、パーフルオロベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライドなどの含フッ素芳香族系溶剤、CF4(HFC−14)、CHClF2(HCFC−22)、CHF3(HFC−23)、CH2CF2(HFC−32)、CF3CF3(PFC−116)、CF2ClCFCl2(CFC−113)、C3HClF5(HCFC−225)、CH2FCF3(HFC−134a)、CH3CF3(HFC−143a)、CH3CHF2(HFC−152a)、CH3CCl2F(HCFC−141b)、CH3CClF2(HCFC−142b)、C48(PFC−C318)などのフルオロカーボン系溶剤などが例示され、更に、例えば、キシレン、トルエン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール、酢酸ジエチレングリコールなどのエステル系溶剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホン酸エステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度3〜100)などが例示され、単独あるいは二種以上混合して用いることができる。なお、これらのうち、溶解能、塗膜外観、貯蔵安定性の点から前記各種のフッ素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が好ましく、特にメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、セロソルブアセテート、酢酸ブチル、酢酸エチル、パーフルオロベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライド、HCFC−225、CFC−113、HFC−134a、HFC−143a、HFC−142bの単独あるいは二種以上混合した使用が好ましい。
【0037】
また更に、本発明で用いられる含フッ素ポリマーとして、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物およびまたはアクリレート化合物からなるポリマーを用いる事ができ、CF3 (CF2)8CH22CCH=CH2、CF3(CF2)8CH22CC(CH)=CH2、HCF2(CF2)7(CH2)22CCH=CH2、HCF2(CF2)7(CH2)22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)7CH22CCH=CH2、CF3(CF2)7CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)6CH22CCH=CH2、CF3(CF2)6CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)5CH22CCH=CH2、CF3(CF2)5CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)4CH22CCH=CH2、CF3(CF2)4CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)3CH22CCH=CH2、CF3(CF2)3CH22CC(CH)=CH2、CF3(CF2)2CH22CCH=CH2、CF3(CF2)2CH22CC(CH)=CH2、(CF33CCH22CCH=CH2、(CF33CCH22CC(CH)=CH2、(CF32CFCH22CCH=CH2、(CF32CFCH22CC(CH)=CH2、CF3CF2CH(CF3 )O2CCH=CH2、CF3CF2CH(CF3 )O2CC(CH)=CH2、CF3CF2CH22CCH=CH2、CF3CF2CH22CC(CH)=CH2、CF3CF3CHO2CCH=CH2、CF3 CF3CHO2CC(CH)=CH2、H2CFCH22CCH=CH2、H2CFCH22CC(CH)=CH2、HCF2CH22CCH=CH2、HCF2CH22CC(CH)=CH2、CF3CH22CCH=CH2、CF3CH22CC(CH)=CH2、などを一種または複数混合し、熱重合などによって得られるポリマーが例示される。
【0038】
また、本発明では、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体、及び光重合開始剤に光を照射することにより、当該太陽電池用含フッ素コート層を得ることもできる。例えば、1〜90重量部の炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物と、1〜50重量部のフッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体と、0.01〜10重量部のフュームドシリカと、0.1〜20重量部の光重合開始剤からなる組成物に光照射し、該太陽電池用含フッ素コート層を得ることができる。
【0039】
本発明で用いられる炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物としては、特に、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートおよびまたは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートが好適である。
【0040】
本発明では、上記の構成成分に0.01〜10重量%のフュームドシリカを更に用いることより、光硬化中の状態が安定し光硬化後の薄膜の性能が向上する。本発明で用いることができるフュームドシリカは、一次粒子の平均径が1〜100nmで、比評面積が10〜1000m/gのもので、特に好ましくは、一次粒子の平均径が3〜50nmで、比評面積が40〜400m/gである。例えば、エボニック社製のフュームドシリカであれば、R202、R805、R812、R812S、RX200、RY200,R972、R972CF,90G、200V,200CF、200FAD、300CF等を用いることが出来る。なお、本発明ではヒュームドシリカとともに、微粒子状の酸化チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナなども用いることが出来る。
【0041】
本発明では、上記手法により低屈折率薄膜組成物を薄膜に形成し、光を照射して硬化させることにより、目的とする太陽電池用含フッ素コート層を得ることができる。本発明で光を照射しコート層を形成される際に用いられる光重合開始剤は、特に制限されるものではないが、IRGACURE651、IRGACURE184、DAROCUR1173、IRGACURE2959、IRGACURE127、IIRGACURE907、IIRGACURE369、IIRGACURE379、DAROCUR TPO、IRGACURE819、IRGACURE784、IRGACURE OXE1、IRGACURE OXE2、IRGACURE754等のチバガイギー社製のものやBASF社製のLucirin TPO、Lucirin TPO−Lを単独あるいは二種以上混合して使用できる。
【0042】
光硬化を促進するため、例えば、ベンゾフェノン等のケトン化合物、ローズベンガル等の色素や、フルオレン、ピレン、あるいはフラーレン等の共役系化合物を光増感剤として、光開始剤に対して重量比で0.05〜3倍量を光開始剤と併用いることが可能である。
【0043】
また、本発明における光硬化で、光開始剤に加熱によりラジカルを発生する熱開始剤を、光開始剤に対して重量比で0.05〜3倍量を併用、あるいは光開始剤と光増感剤を併用することも出来る。熱開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)やジメチル−2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物、ケトンパーオキサイドやパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネートなどの化合物またはその誘導体が好ましく、市販品では、日油株式会社製パーロイルO、パーロイルL、パーロイルS、パーオクタO、パーロイルSA、パーヘキサ250、パーヘキシルO、ナイパーPMB、パーブチルO、ナイパーBMT、ナイパーBW、パーブチルIB、パーヘキサMC、パーヘキサTMH、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーテトラA、パーヘキシルI、パーブチルMA、パーブチル355、パーブチルL、パーヘキサ25MT、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキシルZ、パーヘキサV、パーブチルP、パークミルD、パーヘキシルD、パーヘキサ25B、パーブチルD、パーメンタH、パーヘキシン25Bなどが例示できる。
本発明では、フルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物や、含フッ素ポリマーなどの含フッ素化合物は、主に得られたコート層の屈折率が下がり、得られる太陽電池用含フッ素コート層が集光効率の向上に寄与する。また、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体や、ヒュームドシリカなどのフッ素を含まない化合物は、得られた該コート層の硬度や耐擦過性の向上あるいは基材への接着性を向上させる。
【0044】
本発明の光硬化で用いるランプとしては、高圧水銀灯、定圧水銀灯、タリウムランプ、インジウムランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LED,白色LED、ハリソン東芝ラィティング社製のエキシマランプ、フュージョン社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Dバルブ、Vバルブ、Qバルブ、Mバルブ等が挙げられるが、太陽光の使用も可能である。硬化反応が進みにくい場合は、光照射を酸素非存在下で実施することが望ましい。酸素存在下では酸素阻害のためフィルム表面のべたつきがなかなか取れず、開始剤の添加量の増加が必要となる場合もある。なお、酸素非存在下での硬化方法としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス等の雰囲気で行うことが挙げられる。
【0045】
以下に記載した実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0046】
光量計は、EIT社製のUV POWER PUCKを用いた。得られたコート層の厚みは、屈折率は、日本分光社製のM−150で測定した。得られたコート層の厚みは、テクロック社製のPG−20で測定した。鉛筆硬度は、コーテック社製のKT−VF2391で測定した。光硬化の判定は、タックフリーテスト(指触テスト)に基づいて行った。すなわち、光照射により得られたコート層のタック(べたつき)が取れるまでの時間を硬化時間とした。光硬化は、大気下で、信和製作所社製の白板ガラス(50mmx50mmx1.0mm)上で行った。硬化コート層の集光効率は、島津製作所社製のUV−1700を用い、サンプル光路側にコート層が形成された白板ガラスを固定し、リファレンス光路側に未コートの白板ガラスを固定し、1100nmから280nmの波長範囲を測定した。
【0047】
(実施例1)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを9.0g、新中村工業社製のA−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラスの片面に塗布し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。
そのコート層の膜厚は8μmで、鉛筆硬度は、5Hで、屈折率は、1.44であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.5%増加した。
【0048】
(実施例2)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを9.0g、新中村工業社製のA−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg、和光純薬社製のアゾビスブチロニトリルを70mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラスの片面に塗布し、フュージョン社のHバルブで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は8μmで、鉛筆硬度は、5Hで、屈折率は、1.44であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.5%増加した。
【0049】
(実施例3)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを9.0g、新中村工業社製のA−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を100mg、IRGACURE754を100mg、和光純薬社製のアゾビスブチロニトリルを70mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラスの片面に塗布し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀灯で約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は8μmで、鉛筆硬度は、5Hで、屈折率は、1.44であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.5%増加した。
【0050】
(実施例4)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを9.0g、新中村工業社製のA−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg、エボニック社製のR202(ジメチルシリコンオイル処理のフュームドシリカ)を5mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラスの片面に塗布し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は10μmで、鉛筆硬度は、5Hで、屈折率は、1.44であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.5%増加した。
【0051】
(実施例5)
大阪有機工業社製の2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを9.0g、日本化薬社製のKAYARAD−R684(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラスの片面に塗布し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は9μmで、鉛筆硬度は、5Hで、屈折率は、1.43であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.6%増加した。
【0052】
(実施例6)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを9.0g、新中村工業社製のNK−NOD(1,9−ノナンジオールジメタクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg、エボニック社製のR202(ジメチルシリコンオイル処理のフュームドシリカ)を5mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラスの片面に塗布し、フュージョン社のHバルブで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。その薄膜のコート層は10μmで、鉛筆硬度は、Hで、屈折率は、1.44であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.5%増加した。
【0053】
(実施例7)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートをPolyer Journal誌の1994年、10巻、1118〜1123ページに記載の合成法により得たポリ2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを9.0g、新中村工業社製のA−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を1.0gを混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラス板(50mmx40mmx0.1mm)上にスポイトで54.3mg移し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は10μmで、鉛筆硬度は、3Hで、屈折率は、1.42であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.7%増加した。
【0054】
(実施例8)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートをPolyer Journal誌の1994年、10巻、1118〜1123ページに記載の合成法により得たポリ2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを9.0g、新中村工業社製のA−TMM−3L(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg、エボニック社製のR202(ジメチルシリコンオイル処理のフュームドシリカ)を5mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラス板(50mmx40mmx0.1mm)上にスポイトで54.3mg移し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は10μmで、鉛筆硬度は、3Hで、屈折率は、1.42であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.7%増加した。
【0055】
(実施例9)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート4.5gと、東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートをPolyer Journal誌の1994年、10巻、1118〜1123ページに記載の合成法により得たポリ2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを4.5g、新中村工業社製のA−TMM−3L(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mgを混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラス板(50mmx40mmx0.1mm)上にスポイトで54.3mg移し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は10μmで、鉛筆硬度は、3Hで、屈折率は、1.42であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.6%増加した。
【0056】
(実施例10)
東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート4.5gと、東ソー・エフテック社製の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートをPolyer Journal誌の1994年、10巻、1118〜1123ページに記載の合成法により得たポリ2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを4.5g、新中村工業社製のA−TMM−3L(ペンタエリスリトールトリアクリレート)を1.0g、チバガイギー社製のIRGACURE184を200mg、エボニック社製のR202(ジメチルシリコンオイル処理のフュームドシリカ)を5mg混合し、目視にて均一になるまで攪拌した。その溶液の一部をガラス板(50mmx40mmx0.1mm)上にスポイトで54.3mg移し、ハリソン東芝ライティング社の高圧水銀ランプで約1秒間(320nm〜390nm、500mJ/cm)、そのガラス板上の組成物を照射したところ、べたつきのない透明なコート層が得られた。そのコート層の膜厚は11μmで、鉛筆硬度は、3Hで、屈折率は、1.42であった。1100nm〜450nmの波長範囲で、集光効率は、1.6%増加した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
太陽電池の集光効率を向上させるコート層として用いることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールの保護層に直接接着し、かつ大気と直接接触している状態で用いられる太陽電池用含フッ素コート層であって、該太陽電池用含フッ素コート層のフッ素含有量が5重量%以上であることを特徴とする太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項2】
前記太陽電池用含フッ素コート層が、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物および/またはアクリレート化合物、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体及び有機溶剤に溶解または分散させた含フッ素ポリマー及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜したものであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項3】
前記太陽電池用含フッ素コート層が、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体および/またはメタクリル酸誘導体、有機溶剤に溶解または分散させた含フッ素ポリマー及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜したものあることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項4】
前記含フッ素ポリマーが、
式(1)、
【化1】

式(2)、
【化2】

又は式(3)、
【化3】

で示される環状構造を有する含フッ素ポリマーおよび/またはテトラフルオロエチレン10〜50モル部、ヘキサフルオロプロピレン0〜50モル部、ビニリデンフルオライド90〜10モル部、およびビニルフルオライド10〜100モル部のモノマーの共重合体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項5】
前記含フッ素ポリマーが、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物および/またはアクリレート化合物からなるポリマーであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項6】
前記太陽電池用含フッ素コート層が、炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物、フッ素を含まない1〜5個のアクリロイル基、メタアクリロイル基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体及び光重合開始剤からなる低屈折率薄膜組成物を製膜したものであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項7】
さらにフュームドシリカを含むことを特徴とする請求項1もしくは請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項8】
前記炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含有するメタアクリレート化合物あるいはアクリレート化合物が、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートおよびまたは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートであることを特徴とする請求項2又は請求項5ないし請求項7に記載の太陽電池用含フッ素コート層。
【請求項9】
請求項2、請求項7または請求項8に記載の低屈折率薄膜組成物を薄膜に形成し、光を照射して硬化させることを特徴とする太陽電池用含フッ素コート層の製造方法。


【公開番号】特開2010−199143(P2010−199143A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39454(P2009−39454)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(591180358)東ソ−・エフテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】