説明

太陽電池セル接続体の製造方法

【課題】加熱ヘッドで直接加熱、加圧することで起こる熱衝撃および加圧の力学的ダメージにより、太陽電池セルのシリコン基板が割れることを抑制しうる接続体の製造方法、および前記方法により製造された接続体を含む太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池セルのシリコン基板上に形成されている銀含有電極配線と銅成分を有する導電配線とが、導電粒子と有機バインダーをと含む熱硬化性接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、流体を吹き付けて加熱することにより前記接着剤を硬化させて接続することを特徴とする接続体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池セルの銀含有電極配線と銅成分を有する導電配線が接着剤にて接続された接続体の製造方法および該接続体を含む太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルがその表面電極に電気的に接続された配線部材を介して直列及び/または並列に接続された構造を有している。一般的には、太陽電池セルの表面電極には、銀を含有したペーストが用いられ、配線部材(タブ線等)には銅成分を主体とした材料が用いられている。
この太陽電池モジュールを作製する際、太陽電池セルの表面電極と配線部材(タブ線)との接続には、従来、はんだが用いられてきた。はんだは、導通性、固着強度等の接続信頼性に優れ、安価で汎用性があることから広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
一方、特許文献2には、はんだの体積収縮により太陽電池セルのシリコン基板が割れるのを防ぐ観点で、導電性接着フィルムを用いて配線を接続する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−21660号公報
【特許文献2】特開2008−300403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような、はんだ付けで接続する接続方法では、はんだの収縮による太陽電池セルのシリコン基板割れや、屋外でのはんだ腐食による電気的接続不良の課題があった。
また、特許文献2のような導電フィルムによる接続法を用いた場合、はんだの収縮によるシリコン基板割れは抑制できるものの、金属の加熱ヘッドなどで直接加熱、加圧するため、直接加熱の熱衝撃および加圧の力学的ダメージにより、シリコン基板割れが起こるという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、はんだの収縮や、加熱ヘッドで直接加熱、加圧することで起こる熱衝撃および加圧の力学的ダメージによる、太陽電池セルのシリコン基板割れを抑制しうる接続体の製造方法、およびその方法を用いて作成された接続体を含む太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、流体を吹き付けて加熱することで熱硬化性接着剤を硬化させて接続する接続体の製造方法を用いることで、前記課題を解決できること見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1)太陽電池セルのシリコン基板上に形成されている銀含有電極配線と銅成分を有する導電配線とが、導電粒子と有機バインダーをと含む熱硬化性接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、流体を吹き付けて加熱することにより前記接着剤を硬化させて接続することを特徴とする接続体の製造方法。
(2)流体を接着剤に吹き付ける際に、接着剤を0.1gf/mm以上100gf/mm以下で加圧することを特徴とする(1)に記載の接続体の製造方法。
(3)(1)または(2)のいずれかに記載の製造方法によって製造された接続体を含む太陽電池モジュール。
【発明の効果】
【0006】
本発明の接続体の製造方法によれば、はんだの収縮や、加熱ヘッドで直接加熱、加圧することで起こる熱衝撃および加圧の力学的ダメージによる、太陽電池セルのシリコン基板割れを抑制しうる接続体の製造方法、およびその方法を用いて作成された接続体を含む太陽電池モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明を実施するための最良の形態(以下、実態の形態と略記する)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形して実施することができる。
本実施の形態の太陽電池モジュールは、太陽電池セルの銀含有電極配線と銅成分を有する導電配線とが、有機バインダーと導電粒子とを含む接着剤に流体を吹き付けて加熱、硬化することにより接続された接続体を有し、好ましくは前記接続体により太陽電池セルが直列及び/または並列に接続された構造となっているものである。
【0008】
本実施の形態では、接続する際に、熱硬化性接着剤に対して流体を吹き付けて加熱することで硬化させる。
流体を吹き付けて加熱することで、加熱ヘッド等で直接加熱した場合に比べ接着剤が急激に加熱されず、熱衝撃を小さくすることができる。また、接着剤のみでなく銀含有電極配線やシリコン基板も同時に加熱され、それらの温度差が小さくなるため、この点でもシリコン基板への熱衝撃を小さくすることができる。このことで、シリコン基板の割れを抑制できる。
【0009】
流体には液体、気体のどちらでも用いることができるが、加熱後の流体の除去が容易であることから気体であることが好ましい。気体としては、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、水蒸気などの単独あるいは混合ガスを使用できるが、作業雰囲気のガス組成を均一にするため空気を用いることが好ましい。また、流体を加熱する方法は、ヒーター加熱や赤外線加熱など、公知の加熱方法を用いることができる。
【0010】
流体の温度は接着剤に用いる有機バインダーの硬化温度を超える温度が好ましい。一般的な有機バインダーにおいては80℃以上320℃以下であることが好ましく、120℃以上280℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下がさらに好ましい。吹き付け温度が80℃以上であることで、一般的な有機バインダーを十分に硬化することができる。吹き付け温度が320℃以下であることで、シリコン基板が熱膨張により割れることを抑制することができる。流体を吹き付ける時間は、1秒以上50秒以下であることが好ましく、5秒以上45秒以下であることがより好ましく、8秒以上40秒以下であることがさらに好ましい。吹き付け時間が1秒以上であることで、接着剤が十分に加熱され、かつ加熱を均一化することができる。吹き付け時間が50秒以下であることで、シリコン基板が過熱され熱ダメージを受けることを低減することができる。
【0011】
一般的に、接着剤に流体を吹き付ける際は、ノズルを用いて吹き付ける。ノズルは複数個用いることが均一に接着剤を硬化させる観点で好ましい。接着剤に流体を吹き付ける方向は、接着剤に対して垂直や水平、斜めでもとくに制限されないが、銅成分を有する導体配線に対する角度なども勘案し、接着剤に多量の流体が当たる角度が好ましい。
ノズルより流体を吹き付ける場合、流体の量はノズル一個あたり1cc/秒以上1000cc/秒以下であることが好ましく、10cc/秒以上800cc/秒以下であることがより好ましく、さらに、100cc/秒以上500cc/秒以下であることがさらに好ましい。流体の量が1cc/秒以上であることで、加熱を均一化することができる。流体の量が1000cc/秒以下であることで、接続に必要な部位以外の部分を過熱することを防止できる。
【0012】
流体を接着剤に吹き付ける際に、銅成分を有する導体配線やシリコン基板上の銀含有電極配線、およびシリコン基板自体にも同時に吹き付けて導体配線を暖めるよう流体の流路を制御することが、接着剤を加熱硬化させやすくする観点および接着剤とシリコン基板との温度差を少なくする観点から好ましい。また流体での加熱とは別に、銀含有電極配線が形成されているシリコン基板自体をホットプレートなどで加熱しておくこともできる。このとき、シリコン基板への熱衝撃を小さくする観点から、シリコン基板を吹き付ける流体の温度と近い温度に加熱しておくことが好ましい。
【0013】
また、本実施の形態の接続法では、流体を吹き付ける際に、銅成分の導体配線を所定の位置で接続させるため、銅成分を有する導体配線をピンや金具で軽く押さえておくことが好ましい。このとき、押さえる圧力は0.1gf/mm以上100gf/mm以下の圧力であることが好ましく、1.0gf/mm以上80gf/mm以下であることがより好ましく、5gf/mm以上50gf/mm以下であることがさらに好ましい。押さえる圧力が0.1gf/mm以上であることで、銅成分を有する導体配線がずれることなく、所定の位置で接続できる。押さえる圧力が100gf/mm以下であることで、過剰な圧力による銅成分を有する導体配線の変形およびシリコン基板の割れを抑制できる。
【0014】
本実施の形態における接着剤の導電粒子には、平均粒子径1μm〜50μmの粒子を用いることができる。また、粒子形状は、球や擬球、非球でもとくに制限されない。また、粒子径が混合していてもよい。
上記接着剤中の導電粒子の含有量は0.01体積%以上50体積%以下が好ましく、0.1体積%以上40体積%以下がより好ましく、5体積%以上30体積%以下がさらに好ましい。導電粒子の含有量が0.01体積%以上であることで、安定な導通を得ることができる。導電粒子の含有量が50体積%以下であることで、導電粒子のみが急激に加熱されることによりシリコン基板に熱衝撃が加わることを防止できる。また、粒子によるバインダーの排除性が向上し、導電粒子が十分接触することで安定した接続をすることができる。
導電粒子としては、銅、銀、金、アルミ、チタン、スズ、鉛、ニッケルなどの金属単体の粒子、それらの金属の合金粒子、プラスチック、金属、セラミックスなどを核とする粒子で導電性を持たせるために、銅、銀、金、アルミ、チタン、スズ、鉛、ニッケルなどの金属およびそれらの金属の合金をコーティングもしくはメッキしたもの等が好ましい。これらの導電粒子は1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
【0015】
本実施の形態における接着剤の有機バインダーとしては、エポキシ、フェノキシ、アクリル、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、シリコーンなどの樹脂及び硬化剤を有する有機バインダーが好ましい。これらの樹脂は1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。さらに、接着力を向上させるため、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤、シリコーン粘着剤などをあわせて用いることができる。
【0016】
接続の際には、有機バインダーを硬化して用いる。硬化後の有機バインダーは20〜40℃における弾性率が0.1GPa〜4GPa程度であることが好ましい。
また、硬化後の有機バインダーの熱膨張係数は6ppm〜200ppm、吸水率が0.01〜5%であることが好ましく、基板によって使い分けることができる。
【0017】
有機バインダーの硬化方法としては、公知の熱硬化反応または重合開始反応を利用して硬化する方法を用いることができる。エポキシ樹脂を硬化させて用いる場合には、潜在性硬化剤を用いるのが好ましい。また、アニオン、カチオン、ラジカル重合を利用する場合には、重合開始剤、カチオン発生剤、アニオン発生剤など公知の材料を用いても良い。
【0018】
本実施の形態の接着剤の作成方法としては、例えば、導電粒子を溶剤に溶解させた有機バインダー中に分散させ、そこに必要に応じて、カップリング剤、増粘剤、消泡剤、密着助剤などを混ぜる。十分に混合し、導電粒子を分散させた後、必要に応じてペースト状のまま、あるいは分散液を塗膜、乾燥して、フィルム状にする。
ペースト状の場合には、適当な溶剤を必要に応じて加えて、銀含有電極配線上や銅成分を有する配線上に印刷やデイスペンサにより塗布して接続するのが好ましい。
フィルム状にする場合には接着剤のフィルムとして1μm〜100μm程度の厚みにして用いるのが好ましい。また、フィルムとして扱いやすくするためにポリエステルフィルムなどの多少の剛性を有するフレキシブルフィルム(カバーフィルム)上に塗工乾燥しておくことが好ましい。このとき、カバーフィルムで接着剤を挟んでおいてもよい。フィルム状の接着剤は、必要に応じて長さ数mから1000mの単位で作成することができる。
【実施例】
【0019】
次に実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体例に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】
表1の組成1、2、3、4に示す割合の接着剤組成物を50質量%の濃度でトルエン/酢酸エチル溶剤(混合比50/50)に溶解し、厚み50μmのPET上に塗布し、空気中で60℃10分間乾燥してトルエン/酢酸エチル溶剤をとばし、35μm厚みのフィルム状接着剤を作成した。また、組成5、組成6に示す割合の接着剤組成物を50質量%の濃度で酢酸エチル溶剤に溶解し、ペースト状接着剤を作成した。
【0021】
導電粒子は、下記のものを用いた。平均粒径は、レーザー回折型測定器HEROS&RODOS SR型によって測定した体積積算平均値とした。
A.銀/銅=10/100重量比の合金粉、平均粒径3μm
B.銀粉、平均粒径11μm
C.銅粉、平均粒径10μm
D.金メッキニッケル粉、平均粒径18μm
E.金メッキプラスチック粉、平均粒径5μm
【0022】
接着剤の有機バインダーの原料成分は下記のものを用いた。
a.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製 AER2600)
b.ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 RE−303S)
c.ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製 HP−4032D)
d.ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製 HP7200)
e.ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(インケム(株)製 PKHC)
f.ポリオール変性フェノキシ樹脂(インケム(株)製 PKHM301)
g.潜在性硬化剤(旭化成エポキシ(株)製 HX3932HPマイクロカプセル型イミダゾール(潜在性硬化剤))
h.シランカップリング剤(信越化学(株)製 KBM903)
i.シリコーン粘着剤(東レダウコーニング製 SD4560)
【0023】
【表1】

【0024】
<実施例1>
接着剤として組成1のフィルム状接着剤を、銅成分を有する導電配線(タブ線)として下記に示す銅導電配線1を用いて、以下の通り接続体を作成した。厚み200μmの結晶シリコン基板に厚み10μm、幅100μm、長さ15cmに印刷された銀含有電極配線上に、接着剤を軽く貼り付けた後、接着剤につけたPETフィルムをはがし接着剤だけにした。タブ線を接着剤のついた銀含有電極配線に位置合わせして両者を密着させ、温風の吹き付けにより接着剤を硬化させることで接続体を製造した。温風の吹き付けによる接着剤の硬化は以下のように行った。
【0025】
(温風の吹き付け)
5個のノズルより、ヒーターで加熱した空気を、銀含有電極配線が作製されているシリコン基板面に対して90度の角度で、接着剤の塗布面に均一に熱風が当たるように吹き付けた。
温風の温度測定は、温風の経路上に、接着剤から1mm以内の距離になるように熱電対温度計の測定部位を設置して行った。このときに熱電対温度計が示す温度を温風の温度とし、表2に示す温度、時間になるよう温風を吹きつけた。
ノズルあたりの温風の吹き付け量は、20cc/秒とした。
【0026】
(接着剤の加圧)
温風を吹き付ける際に、15cm長の接続部分に直径5mmの円筒状の金属ピンを等間隔で20本設置し、シリンダー加圧力を用いてタブ線を圧することでタブ線の下側の接着剤を加圧した。
ピンの加圧力は、シリンダー加圧力をピン数×ピン面積(20×19.635mm=392.7mm)で割った値とし、表2に示す加圧力でタブ線を圧した。
【0027】
(性能試験)
このようにして得た接続体について、下記方法により性能試験を行った。その結果を表2に示す。
1.シリコン基板割れの有無
200μm厚シリコンセルの銀含有電極配線の両側5mm以内を、100倍の光学顕微鏡で検査し、長さ10μm以上かつ幅0.5μm以上のひび割れの数を計測した。
判定基準
◎:ひび割れ0本、○:ひび割れ1〜2本、×:ひび割れ3本以上
2.接続性能
日置9455型マルチメータを用いて、接続体の接続初期における、タブ線と銀含有電極配線間の抵抗を4端子法にて電流1μAで測定した。
判定基準
◎:R<30mΩ、○:30mΩ≦R<80mΩ、×:80mΩ≦R
【0028】
<実施例2〜4>
接着剤として表2に記載の各組成のフィルム状接着剤を、タブ線として表2に記載の各銅導電配線を用いて、実施例1と同様に接続体を作成し、性能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0029】
<実施例5、6>
接着剤として組成5、組成6のペースト状接着剤を、タブ線として銅導電配線1を用いて、以下の通り接続体を作成した。厚み200μmの結晶シリコン基板に厚み10μm、幅100μm、長さ15cmに印刷された銀含有電極配線上に、表2に記載の組成のペーストをディスペンサー、印刷などで銀含有電極配線上に塗布し、タブ線を接着剤のついた銀含有電極配線に位置合わせして両者を密着させ、実施例1と同様の温風の吹き付けにより接着剤を硬化して接続体を作成し、性能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0030】
<比較例1>
接着剤として組成1のフィルム状接着剤を、タブ線として銅導電配線1を用いて、以下の通り接続体を作成した。厚み200μmの結晶シリコン基板に厚み10μm、幅100μm、長さ15cmに印刷された銀含有電極配線上に、接着剤を軽く貼り付けた後、接着剤につけたPETフィルムもはがし接着剤だけにした。タブ線を接着剤のついた銀含有電極配線に位置合わせして両者を密着させ、タブ線の上から金属の加熱ヘッド(1.5mm×20cm長)により500gf/mmの圧力で180℃15秒間加熱加圧し、接着剤を硬化させた。実施例1と同様に接続体の性能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0031】
(銅を含有する配線(タブ線))
銅導電配線1:銅線(厚み200μm、幅1.5mm)にCu−Sn−Agコートしたもの
銅導電配線2:銅線(厚み100μm、幅2.0mm)にSn−Pbコートしたもの
銅導電配線3:銅線(厚み300μm、幅1.5mm)にSn−Agコートしたもの
銅導電配線4:銅線(厚み300μm、幅1.5mm)にSn−Ag―Bi―Inコートしたもの
【0032】
【表2】

【0033】
表2に示されるように、各実施例の製造方法により製造された接続体は、シリコン基板割れ防止性、接続性能に優れることが確認された。一方、比較例の製造方法により製造された接続体は、シリコン基板割れ防止性に劣っていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の製造方法を用いることで、太陽電池セルのシリコン基板割れを抑制しうる接続体の製造方法、および前記方法により製造された接続体を含む太陽電池モジュールを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池セルのシリコン基板上に形成されている銀含有電極配線と銅成分を有する導電配線とが、導電粒子と有機バインダーとを含む熱硬化性接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、流体を吹き付けて加熱することにより前記接着剤を硬化させて接続することを特徴とする接続体の製造方法。
【請求項2】
流体を接着剤に吹き付ける際に、接着剤を0.1gf/mm以上100gf/mm以下で加圧することを特徴とする請求項1に記載の接続体の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の製造方法によって製造された接続体を含む太陽電池モジュール。

【公開番号】特開2012−244007(P2012−244007A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113834(P2011−113834)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】