説明

太陽電池モジュール、その製造方法およびその設置方法

【課題】 過酷な環境条件で太陽電池セルの脱落を防止する。
【解決手段】 本発明のある実施形態の太陽電池モジュール1000は、可撓性を有する太陽電池セル10、透光性の耐熱繊維シート20、および内部押さえ部材100を備えている。耐熱繊維シートは、太陽電池セルの受光面16の少なくともその一部を覆い、太陽電池セルに重なっている。内部押さえ部材は、太陽電池セルの非発電表面14において、太陽電池セル10と耐熱繊維シート20とを互いに留めており、太陽電池モジュール1000は熱可塑性樹脂30により封止されている。本発明の別の実施形態においては、外部押さえ部材200による太陽電池モジュール2000の設置手法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池モジュール、その製造方法およびその設置方法に関する。さらに詳細には本発明は、可撓性を有する太陽電池セルとガラス繊維不織布を採用する太陽電池モジュール、その製造方法およびその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池モジュールを備える太陽光発電システムが広く用いられている。太陽電池モジュールでは、耐候性を確保するために、例えば保護フィルムと封止材などにより太陽電池セルが封止されている。このような太陽電池セルの中には可撓性を備えるものも知られている。可撓性の太陽電池セルは、典型的には、樹脂フィルム基板や金属薄板による可撓性基板に、光電変換層として薄膜半導体層を形成して作製される。
【0003】
可撓性を有する太陽電池セルは、一例として、その外光を受ける受光面と、その受光面とは逆の背面との両面に保護フィルムを配置して、封止材とともにラミネートして作製されるフレキシブル太陽電池モジュールとして製品化される。別例として、可撓性を有する太陽電池セルは、受光面に保護フィルムを配置し、背面には、例えばガルバリウム鋼板などの金属板を配置した鋼板一体型の太陽電池モジュールとしても製品化される。いずれの太陽電池モジュールも、屋外の設置対象物に取り付けられた状態において、十分な耐候性を備えるように作製される。これらの太陽電池モジュールは、ガラス基板などの重量が増加しやすい部材を含む太陽電池モジュールに比べ、フレキシブルである性質(可撓性)や軽量である性質を活かすことにより、広汎な用途に適用することが可能となる。
【0004】
特許文献1(特開平6−85300号公報)には、太陽電池の受光面の表面被覆として、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマ−)とクレーンガラス(ガラス繊維不織布)を積層し、その上に光入射側の表面層としてテフゼル(フッ素樹脂フィルム)を積層し表面被覆層とすることが開示されている(特許文献1、段落0005)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−85300号公報、例えば段落0005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、太陽電池セルの受光面にガラス繊維不織布が配置されるため、耐候性のみならず、耐スクラッチ性などの点において、設置作業時や設置後における太陽電池モジュールの耐久性をも向上させることが可能となる。本願の発明者はこのようなガラス繊維不織布などの透光性を有する耐熱繊維シートの機能に注目した。具体的には、可撓性の太陽電池セルを備える可撓性太陽電池モジュールや鋼板一体型太陽電池モジュールを作製する際に、耐熱繊維シートをその受光面側に配置してラミネートする構造について検討を重ねた。その結果、可撓性の太陽電池セルに単に耐熱繊維シートを採用するのみではいくつかの問題点が避けがたく、未だ改良の余地があることに気づいた。
【0007】
第1の問題点は、太陽電池モジュールの耐久性を高めるためにガラス繊維不織布などの耐熱繊維シートを太陽電池セルに重ねて配置しても、その耐熱繊維シートが本来有する性質は常に十分に活かされるとは限らないことである。典型的には、作製された後の可撓性太陽電池モジュールや鋼板一体型太陽電池モジュールを過酷な環境においた場合、太陽電池モジュールがラミネートされた構造それ自体を維持できないことがある。極端に過酷な環境として例えば高温の環境に太陽電池モジュールを曝す、ラミネートの封止材である熱可塑性樹脂が融解してしまい、一体化されている太陽電池モジュールの各層が剥離する場合もある。具体的条件によっては、ガラス繊維不織布などの耐熱繊維シートが太陽電池モジュールから脱離することさえあり得る。そうなると、耐熱繊維シートはもはや太陽電池モジュールの一体性を確保する機能を失ってしまう。
【0008】
第2の問題点は、太陽電池モジュールの製造時のガラス繊維不織布と太陽電池セルのラミネート処理において、互いの位置ずれが生じうることである。これは、わずかな割合のみ生じるものの、量産の段階においては良品率の低下として顕在化しかねない。
【0009】
本発明は、係る問題点のうちの少なくともいくつかを解決する太陽電池モジュール、その製造方法、およびその設置方法を提供することにより、太陽光発電システムの普及に貢献するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を吟味した結果、本願の発明者は、本出願において押さえ部材と呼ぶ追加の部材を採用することにより上記問題点のいずれかが解決されることを見出し、本発明を創出するに至った。押さえ部材は、典型的には、二つのタイプを採用することができる。第1のタイプは、太陽電池モジュールの内側に設けられて保護フィルムと熱可塑性樹脂により封止される部材であり、本出願において内部押さえ部材と呼ぶものである。第2のタイプは、太陽電池モジュールの保護フィルムよりも外側に設けられる押さえ部材であり、本出願において外部押さえ部材と呼ぶものである。両タイプとも、過酷な環境下において耐熱繊維シートを太陽電池セルにむけて留める機能を持ち、太陽電池モジュールの一体性を高める作用を果たす。
【0011】
すなわち、内部押さえ部材を採用する本発明のある態様においては、可撓性を有する太陽電池セルと、該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を覆って該太陽電池セルに重ねられた透光性の耐熱繊維シートと、該太陽電池セルの非発電表面の少なくとも一部において該太陽電池セルおよび前記耐熱繊維シートを互いに留める内部押さえ部材と、該耐熱繊維シートおよび該内部押さえ部材が位置する前記太陽電池セルの前記受光面の少なくとも一部を覆う保護フィルムと、該太陽電池セルの前記受光面と該保護フィルムとの間に配置され、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材とともに前記太陽電池セルを封止している封止材である熱可塑性樹脂とを備える太陽電池モジュールが提供される。
【0012】
また、本発明のある態様においては、太陽電池モジュールの製造方法も提供される。すなわち、可撓性を有する太陽電池セルと透光性の耐熱繊維シートとを、該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を該耐熱繊維シートにより覆うように重ねる第1配置工程と、前記太陽電池セルおよび該耐熱繊維シートを、該太陽電池セルの非発電表面の少なくとも一部において内部押さえ部材により互いに留める固定工程と、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材が位置する前記太陽電池セルの前記受光面の少なくとも一部を保護フィルムにより覆うことにより、前記太陽電池セルの前記受光面と該保護フィルムの間のいずれかの位置に封止材となる熱可塑性樹脂が配置された、前記太陽電池セルと前記耐熱繊維シートと前記保護フィルムとをこの順に含む積み重ね体を準備する第2配置工程と、前記熱可塑性樹脂が溶融または軟化する条件にて該積み重ね体を加熱プレスすることにより、前記熱可塑性樹脂により、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材とともに前記太陽電池セルを封止するラミネート工程とを含む太陽電池モジュールの製造方法が提供される。
【0013】
一方、外部押さえ部材を採用する本発明のある態様においては、可撓性を有する太陽電池セルと、該太陽電池セルの受光面の側に配置されている保護フィルムと、前記太陽電池セルおよび該保護フィルムの間を埋める封止材である熱可塑性樹脂とを備え、前記太陽電池セルの配置されない領域である非セル部を有する太陽電池モジュールであって、前記受光面の少なくとも一部を覆って前記太陽電池セルに重ねられるとともに、前記非セル部の少なくとも一部に延びている透光性の耐熱繊維シートをさらに備え、前記非セル部のうちの前記耐熱繊維シートが延びている部分を保持する外部押さえ部材により設置対象物に取り付けられている太陽電池モジュールが提供される。
【0014】
また、本発明のある態様においては、太陽電池モジュールの設置方法も提供される。すなわち、可撓性を有する太陽電池セルと、該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を覆って該太陽電池セルに重ねられた透光性の耐熱繊維シートと、前記受光面の側に配置されている保護フィルムと、前記太陽電池セルおよび該保護フィルムの間を埋める封止材である熱可塑性樹脂とを備えており、該太陽電池セルの配置されない領域である非セル部の少なくとも一部に前記耐熱繊維シートが延びている太陽電池モジュールを準備する工程と、前記非セル部のうちの前記耐熱繊維シートが延びている部分を外部押さえ部材に保持させることにより、該太陽電池モジュールを設置対象物に取り付ける取付工程とを含む太陽電池モジュールの設置方法が提供される。
【0015】
そして本発明のある態様においては、内部押さえ部材と外部押さえ部材の双方を採用する構成も提供される。すなわち、本発明のある態様においては、可撓性を有する太陽電池セルと、該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を覆って該太陽電池セルに積み重ねられた透光性の耐熱繊維シートと、該太陽電池セルの非発電表面の少なくとも一部において該太陽電池セルおよび該耐熱繊維シートを互いに留める内部押さえ部材と、該太陽電池セルの前記受光面の側に配置されており、該太陽電池セルの該受光面の少なくとも一部を、前記耐熱繊維シートおよび該内部押さえ部材とともに覆う保護フィルムと、該太陽電池セルの前記受光面と該保護フィルムとの間に配置され、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材とともに前記太陽電池セルを封止している封止材である熱可塑性樹脂とを備え、前記太陽電池セルの配置されない領域である非セル部を有しており、前記耐熱繊維シートは該非セル部の少なくとも一部に延びているものであり、該非セル部のうちの前記耐熱繊維シートが延びている部分を保持する外部押さえ部材により設置対象物に取り付けられている太陽電池モジュールが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明のいずれかの態様においては、押さえ部材を用いることによって過酷な条件にお太陽電池セルの脱離を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のある実施形態における内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールの一部分解斜視図である。
【図2】本発明のある実施形態における内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールの概略断面図である。
【図3】本発明のある実施形態において内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールの製造工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明のある実施形態おける製造工程の各段階の太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図である。
【図5】本発明のある実施形態における内部押さえ部材のいくつかの例示構造を示す斜視図である。
【図6】本発明のある実施形態における内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールのいくつかの例示構造を示す概略断面図である。
【図7】本発明のある実施形態において提供される太陽電池モジュールが設置対象物に取り付けられている様子を概略構成により示す一部分解斜視図である。
【図8】本発明のある実施形態における外部押さえ部材により設置された太陽電池モジュールの一部を示す概略断面図である。
【図9】本発明のある実施形態において、内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールが外部押さえ部材により設置対象物に取り付けられている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る太陽電池モジュール、その製造方法および設置方法の実施形態を図面に基づいて説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。また、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。
【0019】
<第1実施形態>
[1 内部押さえ部材を利用する太陽電池モジュール]
[1−1 太陽電池モジュールの構造]
図1および図2は、それぞれ、本実施形態の太陽電池モジュールにおける内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールの一部分解斜視図、および、内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールの概略断面図である。本実施形態の太陽電池モジュール1000は、典型的には概して長尺状に形成された可撓性を有する太陽電池セル10を備えている。太陽電池セル10の受光面16は、少なくともその一部が透光性の耐熱繊維シート20により覆われ、耐熱繊維シート20が太陽電池セル10に重なるようになっている。太陽電池セル10の全表面は、発電のために光を受光するか、発電した電力を取り出すかの少なくともいずれかの動作(発電動作)のための領域である発電領域12と、発電の動作とは直接関係しない非発電表面14とに分けることができる。また、太陽電池モジュール1000には、太陽電池セル10および耐熱繊維シート20を互いに留める内部押さえ部材100が備わっている。内部押さえ部材100が太陽電池セル10および耐熱繊維シート20を留めている位置は、非発電表面14の少なくとも一部である。なお、非発電表面14とは、太陽電池セル10の表面のうち発電とは関連しない範囲をいう。非発電表面14には、図1に示したように、受光面16のうちの発電領域12以外の表面領域のみならず、太陽電池セル10の具体的構造によっては、背面18の一部または全部が含まれている。つまり、非発電表面14は、太陽電池セル10の表面のうち、他の物体を配置しても発電動作を阻害することの無い任意の表面領域ともいえる。図2に示す太陽電池セル10においては、背面18の全部は、受光面16の周縁部とともにこの非発電表面14をなしている。
【0020】
受光面16は、太陽電池セル10の面のうち、外光hνを受光し電力を生成ずる発電領域12が存在する面である。太陽電池セル10は概して平板状の形状を有しており、典型的な実施構成においては、受光面はその平板状形状の厚みをなす二つの主面の一方とされる。本出願の図面においては、この受光面を紙面の上方に向け描いている。そして、その受光面16は保護フィルム40により覆われている。ここで、受光面16に位置している耐熱繊維シート20および内部押さえ部材100も、受光面16を覆う保護フィルム40により覆われている。そして、太陽電池セル10の受光面16と保護フィルム40との間には、封止材である熱可塑性樹脂30が配置されている。熱可塑性樹脂30は、耐熱繊維シート20および内部押さえ部材100とともに太陽電池セル10を封止することにより、太陽電池モジュール1000をなす構成部品を一体化させている。
【0021】
図2に明示するように、本実施形態の典型的な太陽電池モジュールである太陽電池モジュール1000においては、太陽電池セル10の受光面16とは逆の側である背面18側も、保護フィルム42により覆われている。このため、太陽電池モジュール1000において、保護フィルム40と保護フィルム42の間に存在する耐熱繊維シート20と太陽電池セル10、そして内部押さえ部材100は、熱可塑性樹脂30により封止されている。その結果、通常使用時において、外界からの水分の侵入が防止されるなど、屋外使用に耐える高い耐候性が実現されている。なお、耐熱繊維シート20は、典型的にはガラス繊維不織布であり、そのガラス繊維一本一本の隙間には熱可塑性樹脂30が含浸されている。また、熱可塑性樹脂30は典型的には、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)やオレフィン系樹脂であり、保護フィルム40は、ETFEなどの高耐久性のフィルムである。少なくとも、受光面16側に配置されるこれらの樹脂またはフィルムは、透光性を有している。このため、図2の上方から入射する太陽光などの外光hνは、減衰されたり散乱されたりすることが殆どないまま耐熱繊維シート20を透過して受光面16に到達する。最も典型的な太陽電池モジュール1000の設置態様は、設置対象物(図示しない)の外面に、受光面16の面を外側に向け取り付ける、というものである。
【0022】
内部押さえ部材100は、耐熱繊維シート20の図2における上面の周縁部から、太陽電池セル10の背面18に延び、太陽電池セル10の周縁部において、耐熱繊維シート20と太陽電池セル10を互いに留めている。この位置は非発電表面14の少なくとも一部である。別の典型例となる内部押さえ部材100としては、例えば太陽電池セル10の背面18において発電領域12にまで延びているような形状とすることもできる。
【0023】
太陽電池モジュール1000は、全体としてみると耐熱繊維シート20により補強された多層構造の繊維強化シートにもなっている。しかも、太陽電池モジュール1000を設置する向きにおいて耐熱繊維シート20は太陽電池セル10からみて外面側に位置する。このため、通常使用時において、耐熱繊維シート20は、例えばスクラッチなどの外力から受光面16を保護する機能を発揮する。
【0024】
そして、仮に極端な環境条件となって高熱に曝され、熱可塑性樹脂30が軟化したり融解したりした場合であっても、太陽電池モジュール1000は、内部押さえ部材100を採用しない構成の太陽電池モジュールに比べて高い一体性を示す。これは、内部押さえ部材100によって、耐熱繊維シート20が端部から剥離したり、耐熱繊維シート20が端面からめくれあがったりすることが抑制されるためである。端部からの剥離が防げれば、耐熱繊維シート20の全体が太陽電池モジュール1000から脱離することを効果的に防止することが可能となる。また脱離を完全に防止することができないほどに過酷な環境条件の場合であっても、内部押さえ部材100は、少なくとも、耐熱繊維シート20が脱離して太陽電池セル10が脱離等するまでの時間を延長する作用をもつ。
【0025】
[1−2 製造工程]
次に、太陽電池モジュール1000の製造工程について説明する。
図3および図4は、それぞれ、本実施形態において内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールの製造工程を示すフローチャート、および、製造工程の各段階の太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図である。太陽電池モジュール1000の製造工程は、太陽電池セルから製品形態である太陽電池モジュールを製造する工程である。例えば、図3に示すように、太陽電池セル10が製造される(S102)。その場合、例えば可撓性または可曲性の基板であるポリイミドフィルムなどの樹脂フィルム基板やステンレスなどの金属薄板などを採用する。そして、その基板を利用し、シリコンやシリコンゲルマニウムなどの半導体による光電変換層(図示しない)を、必要な電極(図示しない)などとともに受光面16に形成する。また、太陽電池セル10は、製造された太陽電池セル10を採用することもできる。図4(a)は、このときの様子を断面により示している。
【0026】
次に、本出願において第1配置工程S104と呼ぶ工程を実施する。第1配置工程S104は、太陽電池セル10と耐熱繊維シート20を、太陽電池セル10の受光面16の少なくとも一部を耐熱繊維シート20により覆うように重ねる工程である。図4(b)に示すように、耐熱繊維シート20としては、封止材となる熱可塑性樹脂30と同一の材質とあらかじめ複合化されたガラス繊維不織布(以下、プリプレグという)を採用することができる。なお、本出願全般において、耐熱繊維シート20が太陽電池セル10を覆ったり重ねたりする態様は、必ずしも太陽電池セル10の受光面16のすべてに拡がり覆うものに限らない。これは、「少なくとも一部」などと明示しない場合も含めてのものである。本出願全般に、覆ったり重ねたりする態様は、例えば受光面16のうちの少なくとも一部のみを覆う態様も含んでいる。さらに、重ねる動作、覆う動作、重なった状態および覆われた態様は、いずれも、明示された要素が直接接触している場合も、逆に何らかの層が介在している場合も含んでいる。
【0027】
続いて行なわれるのは固定工程S106である。固定工程S106は、図4(c)に示すように、太陽電池セル10および耐熱繊維シート20を、内部押さえ部材100により互いに留める工程である。内部押さえ部材100が配置されるのは太陽電池セル10の受光面16のうちの、少なくとも非発電表面14の一部である。固定工程S106により、太陽電池セル10と耐熱繊維シート20とを含み、内部押さえ部材100によりこれらが互いに留められている中間積み重ね体1000S1が準備される。
【0028】
さらに、第2配置工程S108を実施する。第2配置工程S108では、中間積み重ね体1000S1において、太陽電池セル10の受光面16の側を覆うように保護フィルム40を配置する。この際、受光面16は耐熱繊維シート20および内部押さえ部材100も覆うように配置する。加えて、内部押さえ部材100の受光面16と耐熱繊維シート20間のいずれかの位置には、熱可塑性樹脂30の封止材シート34を配置しておく。図4(d)においては、封止材シート34を保護フィルム40の直下に配置している。また、典型的な内部押さえ部材100の構成である保護フィルム42を配置する構成(図2)においては、第2配置工程S108において、背面18側にも保護フィルム42と封止材シート36を配置しておく。こうして、太陽電池セル10と耐熱繊維シート20と保護フィルム40とをこの順に含む積み重ね体1000S2が準備される。なお、実施の際には、保護フィルム40と封止材シート34は、別体とされてそれぞれの積層される面に図示しない接着層が形成されていることもある。さらには、保護フィルム40と封止材シート34とが互いに一体化されている場合もある。これらの事情は保護フィルム42と封止材シート36についても同様である。
【0029】
最後に、ラミネート工程S110を実施する。ラミネート工程S110は、積み重ね体1000S2を加熱プレスする工程である。この加熱プレスは、熱可塑性樹脂シート32、封止材シート34および36の熱可塑性樹脂30が溶融または軟化する条件にて行なわれ、典型的には、積み重ね体1000S2を加熱可能なプレートに載置し、その全体を覆うブランケットシート50をかぶせ、プレートを加熱しながらブランケットシート50内を脱気することによって行なわれる(図4(e))。熱可塑性樹脂30により、耐熱繊維シート20および内部押さえ部材100とともに太陽電池セル10が封止される。この際、熱可塑性樹脂シート32(存在する場合)、封止材シート34および36の熱可塑性樹脂30が一体になって、保護フィルム40から保護フィルム42までの間の空隙を埋める。最後に冷却すると、一体化された太陽電池モジュール1000が製造される。
【0030】
[1−3 内部押さえ部材]
次に、本実施形態の太陽電池モジュールに採用することができる内部押さえ部材について説明する。
【0031】
[1−3−1 典型例]
図5は、本実施形態における内部押さえ部材のいくつかの例示構造を示す斜視図である。このうち図5(a)は、内部押さえ部材100の典型的な実施構成である長尺押さえ部材102である。長尺押さえ部材102は、例えばETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)などの難燃性の樹脂フィルムテープを、図5(a)に示す様に、テープの長手方向に沿って二つ折りに折り曲げたものや、図1および2に示したように、3つ折に折り曲げて作られる。長尺押さえ部材102は、図1に示したように、その長手方向を太陽電池モジュール1000の長手方向に向け、またその折り曲げた稜線を幅方向の端部に向けて配置される。そして長尺押さえ部材102は、固定工程S106の段階で、耐熱繊維シート20と太陽電池セル10を互いに留めるように配置されている。なお、長尺押さえ部材102は、折り曲げた内側面の上側内側面102Aの一部が耐熱繊維シート20の上面に、また、下側内側面102Bが太陽電池セル10の背面18に接触している。長尺押さえ部材102が例えば上記ETFE等の樹脂フィルムテープである場合には、長尺押さえ部材102には、太陽電池モジュール1000の耐候性を高める作用を期待することもできる。
【0032】
図5(b)は、長尺押さえ部材102と同様の二つ折り形状であるが、長手方向に短いテープにより作製された短尺押さえ部材104である。短尺押さえ部材104は、複数片を用いて耐熱繊維シート20と太陽電池セル10とを留めるために用いられる。
【0033】
図5(c)は、折り曲げではないシート体により作られた打ち抜き押さえ部材106である。シート体には、ベース部106Bに設けられた切り込み106Aによって舌状部106Lが形成される。この舌状部106Lは、ベース部106Bの面から引き起こされ、耐熱繊維シート20と太陽電池セル10を互いに留めるために用いられる。
【0034】
なお、長尺押さえ部材102、短尺押さえ部材104、打ち抜き押さえ部材106は、上述したETFE等の樹脂フィルム意外にも、金属テープ、金属ホイルなどによって作製することも好ましい。
【0035】
図5(d)は、内部押さえ部材100の別の典型例であり、ステープル針に類似の穿孔押さえ部材108である。穿孔押さえ部材108は、通常のステープル針と同様に、鋼線、ステンレス線などの材質により作製されており、太陽電池セル10の非発電表面14に位置する耐熱繊維シート20と太陽電池セル10を開いた状態で二つの足部によってともに貫通し、これらをクリンチすることによって耐熱繊維シート20と太陽電池セル10を互いに留める。穿孔押さえ部材108は、図5(d)に示すように、太陽電池モジュール1000の長手方向に沿う向きに平行に向けて配置されたり、また、太陽電池モジュール1000の幅方向に沿う向きに平行に向けて配置されたりする(図示しない)。
【0036】
[1−3−2 具体的構成の選択指針]
上述した内部押さえ部材100は、長尺押さえ部材102、短尺押さえ部材104、打ち抜き押さえ部材106、穿孔押さえ部材108のいずれの形態を取る場合であっても、材質、形状、サイズ、配置などの具体的構造は、適切な試作や試験を経て選択される。内部押さえ部材100に期待する一つの機能は、過酷な環境、特に、熱可塑性樹脂30が融解または軟化する程度の温度環境において、耐熱繊維シート20を太陽電池セル10に対し留めておくことにある。また、内部押さえ部材100に期待する別の機能は、製造段階の、特にラミネート工程S110における耐熱繊維シート20と太陽電池セル10の位置ずれを極小化することにある。
【0037】
[1−3−2−1 材質の選択指針]
このため、内部押さえ部材100の材質は、熱可塑性樹脂30の耐熱性よりも高い耐熱性を示す材質のうち、耐熱繊維シート20または太陽電池セル10のいずれかの耐熱性と同程度またはそれ以上の耐熱性を示す種々の材質から選択される。その一例が上述したETFEであり、その他、ポリイミドフィルム等の耐熱性が高い各種の樹脂、ガラス繊維不織布やガラス繊維織物のシートなどが選ばれる。さらに、上述した金属テープ、金属箔、金属薄板、金属ワイアなどの材質も好適である。このような材質の選択は、長尺押さえ部材102、短尺押さえ部材104、打ち抜き押さえ部材106、穿孔押さえ部材108のすべてにおいて適宜選択される。
【0038】
[1−3−2−2 形状・サイズの選択指針]
内部押さえ部材100の形状やサイズも、熱可塑性樹脂30が融解または軟化する程度の温度環境において、耐熱繊維シート20を太陽電池セル10に対し留めておくことが可能かどうかにより適宜決定される。例えば、上述した二つ折りまたは三つ折りのテープにおいては、耐熱繊維シート20や太陽電池セル10と接触する部分の面積、摩擦、係止状態などが十分かどうかに応じ適宜調整される。短尺押さえ部材104の場合も同様である。さらに、切り込み106Aのような切り込みまたは開口部を有する場合、その切り込みの形状は、図5(c)に示したような形状以外にも調整される。たとえば、直線の組合せ以外にも、波形や、曲線やのこぎり刃状などとする。また、舌状部106Lの連結部106Cと先端部106Tの幅を、先端部106Tが連結部106Cよりも幅広となるような形状とすれば、耐熱繊維シート20と打ち抜き押さえ部材106との間の係止作用を高めることが可能となる。さらに、図5(d)に示した穿孔押さえ部材108のクリンチの向きが調整されたりする。これら以外にも任意の手法により、耐熱繊維シート20を太陽電池セル10に対し直接連結することにより、これらを互いに留めることが有効である。その手法は、非限定的な例として、クリップにより留めること、耐熱性のある糸により縫合すること、封止材よりも融点の高いホットメルト接着剤により接着すること、を含んでいる。
【0039】
[1−3−2−3 配置の選択指針]
内部押さえ部材100の配置は、図1に示したように、概して長尺状である太陽電池モジュール1000の形状に合わせて、その長尺方向に沿った向きに連続して(長尺押さえ部材102である場合)または分散させて(短尺押さえ部材104である場合)配置される。一つの太陽電池モジュール1000において、太陽電池セル10が例えば2列以上配置されている場合には、2列以上の太陽電池セル10に渡して、また、各列の太陽電池セル10毎に耐熱繊維シート20を配置することができる。これらの場合に耐熱繊維シート20は、典型的には、各列の太陽電池セル10の幅方向両端に、太陽電池セル10の長尺方向に沿って配置される。
【0040】
[1−3−2−4 種類の異なる内部押さえ部材の組合せ]
そして、内部押さえ部材100は、上述した各例を始め各種の態様の物を組み合わせて用いることも可能である。例えば長尺押さえ部材102や短尺押さえ部材104に穿孔押さえ部材108を組み合わせることにより、より確実に耐熱繊維シート20と太陽電池セル10とを互いに留めることも可能となる。
【0041】
[1−3−3 複数片の内部押さえ部材]
ここで、特に内部押さえ部材100が、短尺押さえ部材104や穿孔押さえ部材108である場合に例示されるように、複数片に分かれて用いられる場合には、その配置は耐熱繊維シート20や太陽電池セル10の具体的な構成に合わせて配置される。実際の太陽電池モジュールにおいては、一つの太陽電池モジュールに対して耐熱繊維シートや太陽電池セルが複数葉に分かれている場合がある。太陽電池モジュールが複数片の内部押さえ部材と、並べて配置されている複数葉の耐熱繊維シートとを備えていることがある。つまり、太陽電池セルは、複数葉の耐熱繊維シートの少なくとも2葉に渡って延びている。この場合、複数片の内部押さえ部材100は、複数葉の耐耐熱繊維シートの各葉を、耐熱繊維シート1葉あたり少なくとも1カ所において太陽電池セルに留めているように構成すると好適である。
【0042】
同様に、上述した2列以上に配置された太陽電池セルを有する太陽電池モジュールや、長手方向に分かれた複数葉の太陽電池セルが採用される場合がある。この場合、耐熱繊維シートが、複数葉の太陽電池セルの少なくとも2葉の受光面に渡って延びている。このときには、複数片の内部押さえ部材を、複数葉の太陽電池セルの各葉の非発電表面を、太陽電池セルの1葉あたり少なくとも1カ所において、耐熱繊維シートに留めているように構成すると好適である。
【0043】
これらの好適な構成においては、内部押さえ部材100として採用する部材のサイズを最小限の大きさとすることにより、作製工程の簡略化、太陽電池モジュールの軽量化、および太陽電池モジュール1000の可撓性へ内部押さえ部材100の及ぼす影響の極小化といった利点が得られる。
【0044】
[1−3−4 内部押さえ部材の他のバリエーション]
さらには、内部押さえ部材の構成は、非限定的な例として示した上記各形状以外にも、耐熱繊維シート20と太陽電池セル10とを互いに留める作用を発揮しうる部材とすることができる。例えば耐熱繊維シート20と太陽電池セル10とを縫合して留めるために用いられる耐熱性を有する糸、耐熱繊維シート20と太陽電池セル10とを互いに接着するために用いられる熱可塑性樹脂30より耐熱性を有する接着剤や粘着剤といった部材も、本実施形態の内部押さえ部材の具体例に含まれている。
【0045】
なお、内部押さえ部材の材質、形状、配置、の選択の際には、特に太陽電池モジュールの可撓性を阻害しないために、内部押さえ部材の材質を可撓性のものとすることもある。ただし、内部押さえ部材が可撓性を有することが太陽電池モジュール1000全体を可撓性とするために必須というわけではない。内部押さえ部材のサイズや配置を工夫することにより、可撓性を示すとはいえない材質により内部押さえ部材を作製しても、太陽電池モジュール1000の実質的な可撓性を確保することが可能だからである。
【0046】
[1−4 耐熱繊維シート]
太陽電池モジュール1000に採用される耐熱繊維シートは、典型的には、ガラス繊維不織布である。ガラス繊維不織布は、製造時の第1配置工程S104におけるハンドリングの容易性などの観点から、上述したプリプレグとして耐熱繊維シート20が熱可塑性樹脂シート32にあらかじめ複合化されている半製品を用いることもある。ただし、本出願における耐熱繊維シートは、必ずしもガラス繊維不織布である必要は無い。熱可塑性樹脂30が融解または軟化する状況で太陽電池セル10の脱落を防止することが可能な任意の材質のシート体を耐熱繊維シートとして採用することができる。耐熱繊維シート20の典型例には、ガラス繊維不織布のシートの他、ガラス繊維織物のシートや、熱可塑性樹脂30よりも耐熱性に優れた繊維の不織布または織物のシート、難燃性の繊維の不織布または織物のシートなどを採用することができる。これらの繊維は、ガラスのような無機材料にかぎられず、有機材料であってもよい。なお、耐熱繊維シートが透光性を有すると、発電領域12を含む受光面16の全領域に耐熱繊維シートを重ねても、太陽電池セル10の発電機能を阻害しにくくなる。
【0047】
[1−5 太陽電池モジュールの構造]
次に、内部押さえ部材100を採用する場合の太陽電池モジュールの構造例について説明する。図6は、本実施形態における内部押さえ部材を備える太陽電池モジュールのいくつかの例示構造を示す概略断面図である。
【0048】
既に説明した太陽電池モジュール1000(図1、図2)では、太陽電池モジュール1000が可撓性を有するように構成されていた。図6(a)は太陽電池モジュール1000の当該構成である。これに対し、本実施形態の太陽電池モジュールは図6(b)に示すように、鋼板70に一体化された太陽電池セル10を有する太陽電池モジュール1100も含んでいる。つまり、可撓性のある太陽電池セル10が採用されていても、太陽電池モジュール全体が典型的な可撓性を示すものには限定されない。なお、鋼板70は、図示するように、例えば曲げ成形したリブ部72、当接部74および折り返し部76を有している場合がある。そして太陽電池モジュール1100は、この鋼板70のいずれかの部分を任意の取付手段によって設置対象物(図示しない)である建物の屋根部材などに取り付けられている。
【0049】
図6(c)および(d)には、太陽電池モジュール1000または太陽電池モジュール1100の場合において、耐熱繊維シート20の平面構成のバリエーションを例示している。ここでは、1葉の太陽電池セル10が含まれている太陽電池モジュールにおいて、耐熱繊維シート20が太陽電池セル10にどのように重ねて配置されるかを受光面16側からみた平面図により示している。一例としては、図6(c)に示すように、複数葉の耐熱繊維シート20が互いに隣接して配置されている。このような構成でさらに複数片の短尺押さえ部材104を採用する場合には、耐熱繊維シート20の1葉あたり少なくとも1カ所に配置されるように、例えば隣接している耐熱繊維シート20にまたがって短尺押さえ部材104が配置される。また、必ずしも耐熱繊維シート20は、太陽電池セル10の非発電表面14のうちのすべてを覆う必要は無い。例えば、ある間隔をおいて離されて並べられた図6(d)のような耐熱繊維シート20を採用することによって耐熱繊維シート20により太陽電池セル10の脱離を防止する作用を発揮することも可能である。この場合の内部押さえ部材100としては、例えば短尺押さえ部材104のように複数片に分けられたものや、穿孔押さえ部材108のように直接耐熱繊維シート20の各葉と太陽電池セル10との両者を互いに接触させて綴じることによって留める構成のものが好適である。
【0050】
図6(c)および(d)の例示構成のように、内部押さえ部材100は、発電領域12に入射する光を遮らないようにするために、典型的には例えば太陽電池セル10の幅方向の両端近傍の非発電表面14に配置される。これ以外にも、太陽電池セル10の発電領域12が、1葉の太陽電池セル10の中で複数の領域に分かれているなどの構成のために非発電表面14が例えば太陽電池セル10の長手方向に沿って中央部に延びている場合には、内部押さえ部材100を太陽電池セル10その中央部に配置しても支障は無い。
【0051】
<第2実施形態>
[2 外部押さえ部材を利用する太陽電池モジュール]
本発明は外部押さえ部材と呼ぶ部材を用いる太陽電池モジュールを採用する第2実施形態として実施することも可能である。以下、図8および図8を参照し、また必要に応じて第1実施形態として説明した要素も適宜参照して説明する。
【0052】
[2−1 太陽電池モジュールの構造]
図7は、本発明の第2実施形態において提供される太陽電池モジュール2000が設置対象物に取り付けられている様子を概略構成により示す一部分解斜視図である。図7には、外部押さえ部材の例示構成も拡大して示している。さらに、図8は、本発明のある実施形態における外部押さえ部材により設置された太陽電池モジュールの一部を示す概略断面図である。
【0053】
図7には、二つの太陽電池モジュール2000が一つの設置対象物90に取り付けられている様子を示している。設置対象物90は、典型的には建物の外壁や屋根板などである。図7に示す太陽電池モジュール2000は、典型的な構成として、複数葉の耐熱繊維シート20を含み、背面18の側に配置する鋼板70と一体化されたている。
【0054】
[2−2 外部押さえ部材]
太陽電池モジュール2000は、可撓性を有する太陽電池セル10と、太陽電池セル10の受光面の側に配置されている保護フィルム40と、太陽電池セル10および保護フィルム40の間を埋める封止材である熱可塑性樹脂30とを備えている。ここで、太陽電池モジュール2000には、太陽電池セル10の配置されない領域である非セル部2010が設けられている。太陽電池モジュール2000は透光性の耐熱繊維シート20をさらに備えている。この耐熱繊維シート20は、受光面16の少なくとも一部を覆って太陽電池セル10に重ねられるとともに非セル部2010の少なくとも一部に延びて延出周縁22をなしている。そして太陽電池モジュール2000は、非セル部2010のうちの耐熱繊維シート20が延びている部分である延出周縁22を保持する外部押さえ部材200により、設置対象物90に取り付けられている。
【0055】
外部押さえ部材200は、典型的には、金属片を曲げ加工して作製された金具であり、その片側で太陽電池モジュール2000を保持する片側押さえ部材202と、その両側で太陽電池モジュール2000を保持する両側押さえ部材204といった変形が可能である。また、外部押さえ部材200の取付ピッチPは、例えば複数葉の耐熱繊維シート20が採用得されている場合には、耐熱繊維シート20の各葉を少なくとも1カ所押さえるように決定される。具体的なサイズにより示すと、例えばピッチPは50cmとされる。典型的な外部押さえ部材200は、図8に示す片側押さえ部材202のように構成されている。
【0056】
図8に示すように、典型的な太陽電池モジュール2000は、太陽電池セル10の受光面16逆の背面18の側に鋼板70を備えている。そして、保護フィルム40および耐熱繊維シート20は、少なくとも非セル部2010において熱可塑性樹脂30により鋼板70にラミネートされたものである。太陽電池モジュール2000は、外部押さえ部材200により非セル部2010を鋼板70ととともに保持して設置対象物90に取り付けられている。そして、鋼板70は、曲げ成形したリブ部72、当接部74および折り返し部76を有している。
【0057】
片側押さえ部材202は、太陽電池モジュール2000の端部において、非セル部2010のリブ部72、当接部74および折り返し部76の形状に合わせ、保持部212と中間部222が形成されている。そして片側押さえ部材202には、設置対象物90に対して太陽電池モジュール2000を固定可能とするための、貫通孔232を設けた取付部242が設けられている。貫通孔232を通して適当な固定手段252により設置対象物90に対して固定される。片側押さえ部材202の各部の形状は、この固定手段252による設置対象物90への固定力によって、太陽電池モジュール2000の非セル部2010において保持部212が保護フィルム40の表面に摩擦係合している。この摩擦係合により、十分な保持強度にて太陽電池モジュール2000が設置対象物90に取り付けられるように片側押さえ部材202は設計されている。両側押さえ部材204も類似の構成に作製されている。
【0058】
上述したように太陽電池モジュール2000の典型的な取り付けの態様は、非セル部2010に延びている耐熱繊維シート20のうちの少なくとも一部である延出周縁22を外部押さえ部材200が保持することによって行なわれる。この際、図8に例示したように、鋼板70の面のうちの、太陽電池セル10が配置された面と同一の面において保持部212が太陽電池モジュール2000を保持している構成を取ることができる。ただし、外部押さえ部材200により保持される位置は他の位置とすることもできる点には留意されたい。例えば、図8に例示した太陽電池モジュール2000においては、片側押さえ部材202の具体的形状を変形させて、耐熱繊維シート20が延びている非セル部2010であるリブ部72、当接部74、折り返し部76のいずれかを保持することにより、外部押さえ部材200により設置対象物90に対して太陽電池モジュール2000を取り付ける任意の構成が本実施形態に含まれている。そして、これらのいずれの態様においても、片側押さえ部材202により保持されるのが非セル部2010であることから、太陽電池モジュール10に強い応力は作用しない。しかも、片側押さえ部材202により保持されるのが延出周縁22でもあるため、片側押さえ部材202による耐熱繊維シート20の保持作用が十分に発揮される。なお、ここでの保持のための具体的態様としては、上述した摩擦係合の他、任意の保持手法を採用することができる。
【0059】
再び図7に戻り、複数片の外部押さえ部材200を採用する場合の例示の太陽電池モジュール2000の構成についてさらに説明する。太陽電池モジュール2000は、第1実施形態において図6(C)を参照して説明したように、並べて配置されている複数葉の耐熱繊維シート20を備えている。太陽電池セル10は、複数葉の耐熱繊維シート20の少なくとも2葉に渡って延びて重ねられている。そして、複数片の外部押さえ部材200は、非セル部2010のうち複数葉の耐熱繊維シート20の各葉が延びる部分を、耐熱繊維シート1葉あたり少なくとも1カ所において保持している。こうして、太陽電池モジュール2000は設置対象物90に取り付けられている。
【0060】
したがって、片側押さえ部材202や両側押さえ部材204の各片は、例えば、第1実施形態の太陽電池モジュール1000に関連して図6(c)に示した内部押さえ部材100と同様に、隣接して配置されている複数葉の耐熱繊維シートにまたがって片側押さえ部材202や両側押さえ部材204が配置されている。このように外部押さえ部材200が配置されることによって、熱可塑性樹脂が融解または軟化するような環境下において、耐熱繊維シートの各葉の脱離につながる端部からの剥離を防止することが可能となる。
【0061】
さらに、本実施形態の太陽電池モジュール2000においては、並べて配置されている複数葉の太陽電池セルを備える構成とすることもできる(図示しない)。この場合、耐熱繊維シートは、複数葉の太陽電池セル10の少なくとも2葉の受光面16に渡って延びて重ねられており、複数片の外部押さえ部材により、非セル部非セル部の耐熱繊維シートが延びる部分を、太陽電池セルの1葉あたり少なくとも1カ所において保持している。こうして太陽電池モジュール2000が設置対象物90に取り付けられている。
【0062】
[2−3 設置方法]
本実施形態の太陽電池モジュール2000の設置方法は、準備した太陽電池モジュール2000を外部押さえ部材により設置対象物90に取り付ける取付工程を含んでいる。この太陽電池モジュール2000は、可撓性を有する太陽電池セル10と、透光性の耐熱繊維シート20と、保護フィルム40と、太陽電池セル10および保護フィルム40の間を埋める封止材である熱可塑性樹脂30とを備えている。耐熱繊維シート20は、太陽電池セル10の受光面16の少なくとも一部を覆って太陽電池セル10に重ねられている。また保護フィルム40は、受光面16の側に配置されている。そして、太陽電池セル10が配置されない領域である非セル部2010の少なくとも一部に耐熱繊維シート20が延びている。さらに、太陽電池モジュール2000を取り付けるために、非セル部2010のうちの耐熱繊維シート20が延びている部分を外部押さえ部材200が保持するように配置される。
【0063】
<第3実施形態>
[3 内部押さえ部材と外部押さえ部材の双方を利用する太陽電池モジュール]
本発明の実施形態は内部押さえ部材と外部押さえ部材の双方を利用する太陽電池モジュール3000である。以下、図9を参照し、必要に応じて第1および第2実施形態のために参照した図面を参照して説明する。
【0064】
[3−1 太陽電池モジュールの構造]
図9は、第3実施形態である太陽電池モジュール3000が設置対象物90に取り付けられている様子を示す断面図である。太陽電池モジュール3000は、概ね第2実施形態において説明した太陽電池モジュール2000と同様の概略構成を有している。つまり太陽電池モジュール3000は、可撓性を有する太陽電池セル10と保護フィルム40と封止材である熱可塑性樹脂30を含んでいる。耐熱繊維シート20は、太陽電池セル10の受光面の少なくとも一部を覆って太陽電池セル10に積み重ねられている。さらに熱可塑性樹脂30は、太陽電池セル10の受光面16と保護フィルム40との間に配置され、耐熱繊維シート20および内部押さえ部材100とともに太陽電池セル10を封止して、耐候性を確保している。
【0065】
太陽電池モジュール3000は、内部押さえ部材を含んでおり、この点において、太陽電池モジュール2000とは相異している。具体的には、太陽電池モジュール3000における内部押さえ部材は、例えば、太陽電池セル10の非発電表面14の少なくとも一部において太陽電池セル10および耐熱繊維シート20を互いに留めている穿孔押さえ部材108である。さらに、保護フィルム40は、太陽電池セル10の受光面16の側に配置されており、太陽電池セル10の受光面16の少なくとも一部を、耐熱繊維シート20および内部押さえ部材100とともに覆っている。これらの点において、太陽電池モジュール3000は第1実施形態として説明した太陽電池モジュール1000または1100と同様である。
【0066】
また、太陽電池モジュール3000は太陽電池セル10の配置されない領域である非セル部3010を有し、耐熱繊維シート20が非セル部3010の少なくとも一部にまで延びている。この点において太陽電池モジュール3000は太陽電池モジュール1000とは相異している。具体的には、耐熱繊維シート20の非セル部3010にまで延びた部分は延出周縁22をなしており、外部押さえ部材200がその延出周縁22を保持している。図9には外部押さえ部材200として太陽電池モジュール2000と同様の構成の片側押さえ部材202を描いている。また太陽電池モジュール3000が外部押さえ部材200により設置対象物90に取り付けられている様子は、図7に示した太陽電池モジュール2000と同様である。これらの点において、太陽電池モジュール3000は、第2実施形態として説明した太陽電池モジュール2000と同様である。
【0067】
なお、内部押さえ部材は、例えば穿孔押さえ部材108を採用することにより、延出周縁22に延びる部分を有している耐熱繊維シート20を太陽電池セル10に対して留めることが可能となる。また、鋼板70において、リブ部72、当接部74および折り返し部76の構成は第2実施形態の太陽電池モジュール2000の場合と同様である。さらに、外部押さえ部材200の実施構成である片側押さえ部材202や両側押さえ部材204も太陽電池モジュール2000に関して説明したものと同様である。また、太陽電池モジュール3000も、太陽電池モジュール2000と同様に、片側押さえ部材202や両側押さえ部材204を固定する固定手段252により設置対象物90に対して取り付けられる。
【0068】
[4 変形例]
上述した各実施形態において、いずれかの実施形態において言及している任意選択の変形は、他の実施形態においても適用することができる。例えば、耐熱繊維シート20を太陽電池セル10に対して留める際にこれらを互いに接触させて綴じることもできるのは、第3実施形態においても同様である。また、第2および第3実施形態における耐熱繊維シート20は、ガラス繊維不織布とすることができる。さらに、第2および第3実施形態における太陽電池セル10は、可撓性基板として樹脂フィルム基板や金属薄板を採用することも可能である。
【0069】
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の太陽電池モジュールやその製造方法および設置方法は、任意の太陽光発電システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1000、1100、2000、3000 太陽電池モジュール
2010、3010 非セル部
100 内部押さえ部材
102 長尺押さえ部材
102A 上側内側面
102B 下側内側面
104 短尺押さえ部材
106 打ち抜き押さえ部材
106A 切り込み
106B ベース部
106C 連結部
106L 舌状部
106T 先端部
108 穿孔押さえ部材
200 外部押さえ部材
202 片側押さえ部材
204 両側押さえ部材
212 保持部
222 中間部
232 貫通孔
242 取付部
252 固定手段
10 太陽電池セル
12 発電領域
14 非発電表面
16 受光面
18 背面
20 耐熱繊維シート
22 延出周縁
30 熱可塑性樹脂
32 熱可塑性樹脂シート、
34、36 封止材シート
40、42 保護フィルム
50 ブランケットシート
1000S1 中間積み重ね体
1000S2 積み重ね体
70 鋼板
72 リブ部
74 当接部
76 折り返し部
90 設置対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する太陽電池セルと、
該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を覆って該太陽電池セルに重ねられた透光性の耐熱繊維シートと、
該太陽電池セルの非発電表面の少なくとも一部において該太陽電池セルおよび前記耐熱繊維シートを互いに留める内部押さえ部材と、
該耐熱繊維シートおよび該内部押さえ部材が位置する前記太陽電池セルの前記受光面の少なくとも一部を覆う保護フィルムと、
該太陽電池セルの前記受光面と該保護フィルムとの間に配置され、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材とともに前記太陽電池セルを封止している封止材である熱可塑性樹脂と
を備える
太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記内部押さえ部材が可撓性を有している
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
並べて配置されている複数葉の耐熱繊維シートと、
複数片の内部押さえ部材と
を備えており、
前記太陽電池セルは、該複数葉の耐熱繊維シートの少なくとも2葉に渡って延びており、
前記複数片の内部押さえ部材は、前記複数葉の耐熱繊維シートの各葉を、耐熱繊維シート1葉あたり少なくとも1カ所において前記太陽電池セルに留めているものである
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
並べて配置されている複数葉の太陽電池セルと、
複数片の内部押さえ部材と
を備えており、
前記耐熱繊維シートは、前記複数葉の太陽電池セルの少なくとも2葉の受光面に渡って延びており、
該複数片の内部押さえ部材は、前記複数葉の太陽電池セルの各葉の前記非発電表面を、太陽電池セル1葉あたり少なくとも1カ所において、前記耐熱繊維シートに留めているものである
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
可撓性を有する太陽電池セルと透光性の耐熱繊維シートとを、該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を該耐熱繊維シートにより覆うように重ねる第1配置工程と、
前記太陽電池セルおよび該耐熱繊維シートを、該太陽電池セルの非発電表面の少なくとも一部において内部押さえ部材により互いに留める固定工程と、
前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材が位置する前記太陽電池セルの前記受光面の少なくとも一部を保護フィルムにより覆うことにより、前記太陽電池セルの前記受光面と該保護フィルムの間のいずれかの位置に封止材となる熱可塑性樹脂が配置された、前記太陽電池セルと前記耐熱繊維シートと前記保護フィルムとをこの順に含む積み重ね体を準備する第2配置工程と、
前記熱可塑性樹脂が溶融または軟化する条件にて該積み重ね体を加熱プレスすることにより、前記熱可塑性樹脂により、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材とともに前記太陽電池セルを封止するラミネート工程と
を含む
太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記封止材である前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部が前記耐熱繊維シートにあらかじめ複合化されており、
前記第1配置工程は、熱可塑性樹脂に複合化された前記耐熱繊維シートを前記太陽電池セルに重ねる工程を含むものである
請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
可撓性を有する太陽電池セルと、該太陽電池セルの受光面の側に配置されている保護フィルムと、前記太陽電池セルおよび該保護フィルムの間を埋める封止材である熱可塑性樹脂とを備え、前記太陽電池セルの配置されない領域である非セル部を有する太陽電池モジュールであって、
前記受光面の少なくとも一部を覆って前記太陽電池セルに重ねられるとともに、前記非セル部の少なくとも一部に延びている透光性の耐熱繊維シートをさらに備え、
前記非セル部のうちの前記耐熱繊維シートが延びている部分を保持する外部押さえ部材により設置対象物に取り付けられている
太陽電池モジュール。
【請求項8】
並べて配置されている複数葉の耐熱繊維シートを備えており、
前記太陽電池セルは、該複数葉の耐熱繊維シートの少なくとも2葉に渡って延びて重ねられており、
複数片の外部押さえ部材により、前記非セル部のうち前記複数葉の耐熱繊維シートの各葉が延びる部分を、耐熱繊維シート1葉あたり少なくとも1カ所において保持して前記設置対象物に取り付けられている
請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
並べて配置されている複数葉の太陽電池セルを備えており、
前記耐熱繊維シートは、前記複数葉の太陽電池セルの少なくとも2葉の受光面に渡って延びて重ねられており、
複数片の外部押さえ部材により、前記非セル部のうち前記耐熱繊維シートが延びる部分を、太陽電池セル1葉あたり少なくとも1カ所において保持して前記設置対象物に取り付けられている
請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記太陽電池セルの前記受光面とは逆の背面側に鋼板を備えており、
前記保護フィルムおよび前記耐熱繊維シートは、少なくとも前記非セル部において、前記封止材である前記熱可塑性樹脂により前記鋼板にラミネートされたものであり、
前記外部押さえ部材により前記非セル部を前記鋼板ととともに保持して前記設置対象物に取り付けられている
請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
可撓性を有する太陽電池セルと、該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を覆って該太陽電池セルに重ねられた透光性の耐熱繊維シートと、前記受光面の側に配置されている保護フィルムと、前記太陽電池セルおよび該保護フィルムの間を埋める封止材である熱可塑性樹脂とを備えており、該太陽電池セルの配置されない領域である非セル部の少なくとも一部に前記耐熱繊維シートが延びている太陽電池モジュールを準備する工程と、
前記非セル部のうちの前記耐熱繊維シートが延びている部分を外部押さえ部材に保持させることにより、該太陽電池モジュールを設置対象物に取り付ける取付工程と
を含む
太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項12】
可撓性を有する太陽電池セルと、
該太陽電池セルの受光面の少なくとも一部を覆って該太陽電池セルに積み重ねられた透光性の耐熱繊維シートと、
該太陽電池セルの非発電表面の少なくとも一部において該太陽電池セルおよび該耐熱繊維シートを互いに留める内部押さえ部材と、
該太陽電池セルの前記受光面の側に配置されており、該太陽電池セルの該受光面の少なくとも一部を、前記耐熱繊維シートおよび該内部押さえ部材とともに覆う保護フィルムと、
該太陽電池セルの前記受光面と該保護フィルムとの間に配置され、前記耐熱繊維シートおよび前記内部押さえ部材とともに前記太陽電池セルを封止している封止材である熱可塑性樹脂と
を備え、
前記太陽電池セルの配置されない領域である非セル部を有しており、
前記耐熱繊維シートは該非セル部の少なくとも一部に延びているものであり、
該非セル部のうちの前記耐熱繊維シートが延びている部分を保持する外部押さえ部材により設置対象物に取り付けられている
太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記内部押さえ部材が前記太陽電池セルと前記耐熱繊維シートを互いに接触させている
請求項1または請求項12に記載の太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記耐熱繊維シートがガラス繊維不織布である
請求項1、請求項7、および請求項12のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項15】
前記太陽電池セルが可撓性樹脂フィルム基板を備えている
請求項1、請求項7、および請求項12のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−98469(P2013−98469A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242261(P2011−242261)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】