太陽電池モジュールの製造方法
【課題】配線基板にアライメントマークを設けることなく、太陽電池セルをアライメントして、確実に配線基板の配線と太陽電池セルの電極が接続されるように配線基板上に太陽電池セルを設置することを可能にする。
【解決手段】基材上に配線を設けて形成した配線基板と、この配線基板の配線上に設置して電気的に接続される複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールを製造する方法であって、配線基板の配線上に太陽電池セルを設置する際に、太陽電池モジュールを形成する配線基板のモジュール領域の画像を取得し、この画像からモジュール領域の中心位置を求め、このモジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うようにした。
【解決手段】基材上に配線を設けて形成した配線基板と、この配線基板の配線上に設置して電気的に接続される複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールを製造する方法であって、配線基板の配線上に太陽電池セルを設置する際に、太陽電池モジュールを形成する配線基板のモジュール領域の画像を取得し、この画像からモジュール領域の中心位置を求め、このモジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に配線基板上に多数の太陽電池セルを設置することにより多数の太陽電池セルを電気的に接続した太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽エネルギーを利用して発電を行う太陽光発電の開発、普及が急速に進められている。そして、従来、太陽光発電に用いる太陽電池モジュールは、受光側に配設されたガラス基板などの透光性基板と、裏面側に配設された耐候性フィルムなどの絶縁層と、透光性基板と絶縁層の間に配設された多数の太陽電池セルと、透光性基板と絶縁層の間に配設され、多数の太陽電池セルを封止する封止層(封止材)とを備えて構成されている。また、太陽電池セルは、例えば単結晶または多結晶のシリコン基板の受光面である表面側にマイナス電極(n型半導体電極)、裏面側にプラス電極(p型半導体電極)を設けた両面電極型太陽電池セルが主流となっている。
【0003】
一方、両面電極型太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールは、多数の太陽電池セルを接続する配線材(インターコネクタ)を太陽電池セルの表面側から裏面側に回り込ませて配線することが必要になる。また、配線材が太陽電池セルの受光面上に重なって配設される。このため、太陽電池モジュールの製造時の配線作業に多大な労力を要するなどの問題があった。また、シリコン基板ひいては太陽電池セルの薄型化が進んでおり、配線作業によってセル割れが発生する問題もあった。
【0004】
これに対し、シリコン基板の裏面にマイナス電極とプラス電極の両電極を設けた裏面電極型太陽電池セル(バックコンタクト方式の太陽電池セル)が提案されている。そして、この裏面電極型太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールは、多数の太陽電池セルをそれぞれ配線基板の配線上に設置(実装)することにより電気的に接続することができる。このため、従来の配線作業を不要にして太陽電池セルを電気的に接続することができる。
【0005】
また、このような裏面電極型の太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールを製造する際には、例えばライン上を流して搬送された配線基板の配線パターンに対し、太陽電池セルを搬送して所定位置、所定方向にアライメント(位置決め)する。次に、配線基板の配線パターン上にアライメントした太陽電池セルを順次設置し、半田などを用いて固定し、配線基板の配線と太陽電池セルの電極とを電気的に接続する。次に、配線基板と多数の太陽電池セルを封止材で封止し、さらに端部ボックス、外枠などを取り付けることにより太陽電池モジュールの製造が完了する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
また、太陽電池セルをアライメントする際には、予め配線基板にスリットなどのアライメントマークを設けておき、太陽電池セルを搬送するとともにアライメントマークの位置を光学センサなどで検知して、このアライメントマークの位置を基準に太陽電池セルのアライメントを行うようにしている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
【0007】
なお、特許文献1では、図12に示すように、太陽電池モジュールの製造が完了した段階で(太陽電池モジュールを組み立てた後に)所定の検査を行い、所定の基準を満たしていない太陽電池モジュールを不良品として廃棄し、基準を満たした太陽電池モジュールのみを完成品として出荷するようにしている。このため、効率が悪く、無駄が多くなり、製造歩留まりが低くなってしまう。これに対し、特許文献2では、図13に示すように、アライメントを行い、太陽電池セルを配線基板の配線上に設置した段階で検査を行うようにし、製造歩留まりを向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−340362号公報
【特許文献2】特開2009−182244号公報
【特許文献3】特開2009−224597号公報
【特許文献4】特開2009−88145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、従来の太陽電池モジュールの製造方法のように、配線基板にスリットなどのアライメントマークを設け、アライメントマークの位置を基準に太陽電池セルのアライメントを行う場合には、光学センサでアライメントマークの位置を検知(特定)し、この特定したアライメントマークの位置と配線基板の設計データ(図面データ)から、太陽電池セルを設置する配線基板上のセル設置領域を求めている(特定している)。
【0010】
しかしながら、配線基板は、製造時の加熱などにより伸び(変形)が生じている場合があり、上記のようにアライメントマークの位置と配線基板の設計データからセル設置領域を特定すると、配線基板の変形に起因してアライメントの位置にずれが生じてしまう。このため、配線基板の配線と太陽電池セルの電極がずれた状態で太陽電池セルが設置されてしまう場合があった。そして、アライメント位置のずれに起因して、検査時に所定の基準を満たしていない太陽電池セル(太陽電池モジュール)が検出され、製造歩留まりが低下するという問題があった。また、アライメントマークを別途設ける手間などにより、コストが増大する。
【0011】
さらに、従来、配線基板は、主にそのデザイン的な面から黒色が好まれており、スリットなどのアライメントマークを設けると、このアライメントマークを通じてバックシートなどの白色、アルミ面などが露出してしまう。このため、太陽電池モジュールのデザインを損なうという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、配線基板にアライメントマークを設けることなく、太陽電池セルをアライメントして、確実に配線基板の配線と太陽電池セルの電極が接続されるように配線基板上に太陽電池セルを設置することを可能にする太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0014】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、基材上に配線を設けて形成した配線基板と、該配線基板の配線上に設置して電気的に接続される複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールを製造する方法であって、前記配線基板の配線上に前記太陽電池セルを設置する際に、太陽電池モジュールを形成する前記配線基板のモジュール領域の画像を取得し、該画像から前記モジュール領域の中心位置を求め、該モジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記配線基板の設計データと、前記配線基板のモジュール領域の画像から求めた前記配線基板のモジュール領域の形状データとを対比して、前記モジュール領域の中心位置を基準にした前記配線基板の変形率を求め、前記配線基板の変形率に基づいて、前記太陽電池セルを設置する前記配線基板のセル設置領域の中心位置を求め、前記配線基板のセル設置領域の中心位置と前記太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うことが望ましい。
【0016】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、アライメントを行う前に予め前記太陽電池セルと前記配線基板の検査を行い、アライメントして前記太陽電池セルを前記配線基板上に設置した後に、固定材によって前記太陽電池セルを前記配線基板に固定することが望ましい。
【0017】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記固定材が、接着テープ、粘着テープ、接着剤及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
【0018】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記固定材が、透明樹脂及び紫外線硬化樹脂の少なくとも一方からなることが望ましい。
【0019】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記太陽電池セルの受光面と前記太陽電池セルを設置する前記配線基板の表面を連結するように前記固定材を設けることがより望ましい。
【0020】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記太陽電池セルの電極と前記配線基板の配線とを直接接触させた状態で、前記太陽電池セルと前記配線基板を封止材によって封止することがさらに望ましい。
【0021】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記封止材が、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の透明樹脂を含むことがより望ましい。
【0022】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記配線基板には、前記基材の一方の表面から他方の表面に貫通する貫通孔が形成されていることが望ましい。
【0023】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記太陽電池セルが裏面電極型太陽電池セルであることが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、配線基板のモジュール領域の画像からモジュール領域の中心位置を求め、このモジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うことにより、実際の配線基板の画像に基づいてアライメントの位置を求めることができる。このため、従来のアライメントマークを用いてアライメントを行う場合と比較し、確実に配線基板の配線上に太陽電池セルの電極を配置して太陽電池セルを設置することが可能になる。
【0025】
そして、従来と比較し、スリットなどのアライメントマークが不要になるため、配線基板のデザインを損なうことがなく、太陽電池モジュールの製造歩留まりを向上させることが可能になるとともに製造コストの低減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの配線基板を示す平面図であり、配線基板のモジュール領域及び中心位置を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、セル設置領域の中心位置と太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うことを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、配線基板のモジュール領域にアライメント用モジュール枠をセットしている状態を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、アライメント用モジュール枠に太陽電池セルを補給している状態を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、検査を行っている状態を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る太陽電池セルの変形例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る太陽電池セルの変形例を示す図である。
【図11】セル設置領域の中心位置と円形電極を備えた太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うことを示す図である。
【図12】従来の太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【図13】従来の太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1から図8を参照し、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法について説明する。
【0028】
はじめに、本実施形態の太陽電池モジュールAは、図1に示すように、受光面A1側に配置された透光性基板1と、裏面A2側に配置された配線基板2と、透光性基板1と配線基板2の間に配置された多数(複数)の太陽電池セル3と、太陽電池セル3(と配線基板2)を封止する封止材4と、太陽電池モジュールAで発生した電流を外部に取り出すための端部ボックス5と、アルミニウム枠などの枠体6とを備えて構成されている。
【0029】
透光性基板1は、ガラス基板、透明樹脂基板などであり、透光性樹脂基板である場合には、樹脂として、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどを用いて形成される。
【0030】
太陽電池セル3は、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、化合物型、色素増感型などの太陽電池セルである。また、本実施形態の太陽電池セル3は、裏面3aにプラス電極(p型電極)7とマイナス電極(n型電極)8を備えた裏面電極型太陽電池セルである。
【0031】
そして、この太陽電池セル3は、太陽電池セル3の電極7、8と配線基板2の配線10とを直接接触させた状態で封止材4により封止されている。本実施形態の封止材4は、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の透明樹脂を含むものである。このような封止材4を用いることで好適に太陽電池セル3を封止することができる。
【0032】
なお、太陽電池セル3は、封止用フィルム(封止)で挟み込み、加熱加圧を行って封止されてもよく、この場合、封止用フィルムとしては、例えば、EVAフィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂フィルムなどが用いられる。
【0033】
配線基板2は、絶縁性材料からなる基材11と、基材11の一方の面に設けられた配線(配線パターン)10と、基材11の他方の面に設けられたバックシート(バリア層)12とを備えて構成されている。
【0034】
また、本実施形態の基材11は、例えば、繊維及び樹脂を含有する複合材料からなり、繊維として、ガラスクロス、ガラス不織布、紙などを用い、樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いて形成されている。
【0035】
配線10は、電気抵抗が低い材料、例えば、銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などを用いて形成されている。なお、導電性高分子を使用して形成されていてもよい。
【0036】
バックシート(バリア層)12は、空気透過を調整する層であり、耐候性、絶縁性などに優れ、長期信頼性を有する材料、例えば、フッ素樹脂フィルム、低オリゴマー・耐熱ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、シリカ(SiO2)蒸着フィルム、アルミニウム箔などを用いて形成されている。
【0037】
上記構成からなる太陽電池モジュールAを製造する際には、太陽電池セル3と配線基板2の電気的特性の検査を予め実施しておく。そして、配線基板2に、封止材4、太陽電池セル3、透光性基板1を積層する。このとき、配線基板2に対して太陽電池セル3を位置決め(アライメント)して、確実に太陽電池セル3の電極7、8が配線基板2の配線10上に配されるように太陽電池セル3を設置(実装)する。次に、配線基板2/封止材4/太陽電池セル3/透光性基板1の積層体を加熱加圧する。この加熱加圧により、配線基板2、封止材4、太陽電池セル3、透光性基板1が密着し、多数の太陽電池セル3(太陽電池セル3同士)を配線10により電気的に接続した太陽電池モジュールAが得られる。また、最後に端部ボックス5、枠体6を取り付けて太陽電池モジュールAが製造される。
【0038】
一方、上記のように太陽電池モジュールAを製造する際には、例えばライン上を流して搬送された配線基板2の配線パターン(配線10)に対し、太陽電池セル3をロボットアームなどで保持しつつ搬送してアライメント(位置決め)を行う。そして、配線基板2の配線10上にアライメントした太陽電池セル3を順次設置してゆく。
【0039】
そして、本実施形態の太陽電池モジュールAの製造方法では、このように太陽電池セル3をアライメントして配線基板2の配線10上に設置する際、図2及び図3(a)に示すように、赤外線発光素子などの照明装置13で太陽電池モジュールAを形成する配線基板2のモジュール領域R1(モジュールサイズの配線基板2)を照明し、CCDカメラ14でモジュール領域R1の画像を取得する。これとともに、図4に示すように、取得した画像からモジュール領域R1の中心位置S1を求める。
【0040】
次に、図面上から予め算出した配線基板2の設計データ(図面データ)と、CCDカメラ14で取得した画像から求めたモジュール領域R1の形状データ(例えば外枠Mの位置データ)とを対比して、モジュール領域R1の中心位置S1を基準にした配線基板2の伸び率(変形率)を求める。そして、モジュール領域R1の中心位置S1と配線基板2の伸び率に基づいて、図5に示すように、太陽電池セル3を設置する配線基板2のセル設置領域R2の中心位置S2を求める(図2のステップ1)。
【0041】
なお、太陽電池セル3に対しても、図5に示すように、上記と同様に画像を取得し、図面上から算出した太陽電池セル3の設計データ(図面データ)と、画像から求めた形状データとを対比して、予め、その中心位置S3を求めておく。
【0042】
次に、図3(b)及び図6に示すように、照明装置15とCCDカメラ16で中心位置S1を認識したモジュール領域R1の配線基板2上にアライメント用モジュール枠17をセットする(図2のステップ2)。また、このアライメント用モジュール枠17をセットして大枠のセル位置を決めた後に、図3(c)及び図7に示すように、ロボットアーム18を用いてアライメント用モジュール枠17内に太陽電池セル3を補給する(図2のステップ3)。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、赤外線発光素子19で配線基板2のセル設置領域R2に赤外線光を照射するとともにCCDカメラ20でセル設置領域R2の画像を取得しながら、配線基板2のセル設置領域R2の中心位置S2と、アライメント用モジュール枠17内に補給した太陽電池セル3の中心位置S3が合うようにロボットアーム18でアライメントを行う(図2のステップ4)。このようにアライメント用モジュール枠17への太陽電池セル3の補給、アライメントを行った後に、図3(e)及び図5に示すように、太陽電池セル3を配線基板2に物理的に圧着させる(図2のステップ5)。このとき、例えば、太陽電池セル3を上方から押圧(加圧)して圧着させたり、真空吸着によって太陽電池セル3を配線基板2に圧着させる。
【0044】
そして、本実施形態では、図8に示すように、太陽電池セル3を配線基板2に圧着させた段階で検査を行う(図2のステップ5)。ここでは、順方向IV(電流−電圧)特性、逆方向IV(電流−電圧)特性、発熱(サーモ)特性、電極間導通特性、EL(Electro Luminessence)特性、PL(Photo Luminessence)特性の検査のうち、少なくとも一以上の検査を行うことが好ましい。
【0045】
順方向IV(電流−電圧)特性の検査は、暗状態(太陽電池セル3に光を照射していない状態)と明状態(太陽電池セル3に光を照射した状態)の2つの状態で行う。暗状態の太陽電池セル3の順方向IV特性は、例えば、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、順方向電圧を例えば−3V〜+1V程度で変化させながら印加し、電流値を測定する。この電流値の変化に基づいて評価を行う。
【0046】
明状態の太陽電池セル3の順方向IV特性は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、白色発光ダイオード等で太陽電池セル3の光感度領域にある波長の光を太陽電池セル3の受光面3b全体に照射し、暗状態と同様に電流値を測定し、評価を行う。
【0047】
逆方向IV(電流−電圧)特性の検査は、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、例えば+1V〜−20Vの逆方向電圧を印加し、電流値を測定して評価する。なお、漏れ電流を評価するために規定電圧(例えば−1V)での電流値を予め測定して記録しておくことが好ましい。
【0048】
発熱(サーモ)特性の検査は、例えば、逆方向電圧を印加し、太陽電池セル3内の発熱箇所をサーモビュアカメラで検出して評価する。逆方向電圧の最大電圧は太陽電池モジュールAの開放電圧(または太陽電池モジュールAの動作電圧)であることが好ましく、最大電流は太陽電池モジュールAの短絡電流(または太陽電池モジュールの動作電流)であることが好ましい。なお、本検査は、逆方向IV特性の検査と同時に行なうとよい。
【0049】
電極間導通特性の検査は、例えば、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、プローブ21、22間に所定の電圧を印加することによって抵抗値を測定する。これにより、短絡の有無を確認する。
【0050】
EL特性の検査は、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、太陽電池セル3の短絡電流相当の電流が太陽電池セル2に流れるように電圧を印加する。そして、微弱なバンド端発光を冷却CCDカメラで画像化して検査を行う。この検査では、発光具合により、太陽電池セル2のマイクロクラックの有無、太陽電池セル2の特性面内分布や電極7、8の接触に関する情報が得られる。
【0051】
PL特性の検査は、例えば、太陽電池セル3の半導体基板(シリコン基板)のバンド端に対応する波長の光を照射し、発光ピークの挙動を検査する。これにより、半導体基板の結晶欠陥等に関する情報が得られる。
【0052】
そして、このような検査を行って不良セルが見つかった場合には、図3(c’)に示すように、ロボットアーム18でこの不良セルを取り除き、新たな太陽電池セル3をアライメント用モジュール枠17に補給し(図2のステップ6)、上記と同様に配線基板2に圧着させ、再度検査を行う。すなわち、太陽電池セル3を配線基板2に固定し、封止する前に検査を行うため、不良セルを交換することができる。このため、太陽電池モジュールAを不良品として廃棄することが不要になり、従来のように太陽電池モジュールAを組み立てた後に検査を行う場合と比較し、製造歩留まりを向上させることができる。
【0053】
次に、検査完了後、太陽電池セル3を配線基板2に固定する(図2のステップ7)。このとき、本実施形態では、固定材によって太陽電池セル3の配線基板2への固定を行う。固定材としては、接着テープ、粘着テープ、接着剤及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。そして、太陽電池セル3の受光面3bから配線基板2の表面にかけて固定材を貼付あるいは塗布したり、太陽電池セル3の裏面3aと配線基板2の表面の間に固定材を設けるなどして、アライメントして設置した太陽電池セル3を配線基板2に確実に固定することができる。
【0054】
また、固定材として透明樹脂及び紫外線硬化樹脂の少なくとも一方を塗布して太陽電池セル3を固定してもよい。なお、透明樹脂としては、例えば、太陽光に対して透明な従来公知の樹脂を用いればよく、封止材4と同一の材質の樹脂を用いることがより好ましい。また、紫外線硬化樹脂においても、従来公知の樹脂を用いればよく、必要に応じて、光重合開始剤及び/又は光増感剤等の添加剤を添加してもよい。そして、紫外線硬化樹脂を固定材として用いた場合には、紫外線を照射するまで太陽電池セル3の位置ずれを修正することが可能である。
【0055】
このように固定材によって太陽電池セル3を配線基板2に固定した段階で、図3(f)に示すように、封止材4及び透光性基板1を配設し、加熱加圧処理を施す(図2のステップ7)。これにより、太陽電池セル3が封止材4で封止されるとともに、透光性基板1と配線基板2と多数の太陽電池セル3と封止材4とが密着する。そして、端部ボックス5やアルミニウム製の枠体6を取り付けて、太陽電池モジュールAが完成する。
【0056】
したがって、本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法によれば、配線基板2のモジュール領域R1の画像からモジュール領域R1の中心位置S1を求め、このモジュール領域R1の中心位置S1を基準にしてアライメントを行うことにより、実際の配線基板2の画像に基づいてアライメントの位置を求めることができる。このため、従来のアライメントマークを用いてアライメントを行う場合と比較し、確実に配線基板2の配線10上に太陽電池セル3の電極7、8を配置して太陽電池セル3を設置することが可能になる。また、特にインラインでもアライメントをとることが可能になる。
【0057】
そして、従来と比較し、スリットなどのアライメントマークが不要になるため、配線基板2のデザインを損なうことがなく、太陽電池モジュールAの製造歩留まりを向上させることが可能になるとともに製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0058】
また、配線基板2の設計データと、配線基板2のモジュール領域R1の形状データとを対比し、モジュール領域R1の中心位置S1を基準にした配線基板2の伸び率(変形率)を求め、配線基板2の伸び率に基づいてセル設置領域R2の中心位置S2を求め、セル設置領域R2の中心位置S2と太陽電池セル3の中心位置S3を合わせてアライメントを行うことにより、配線基板2に加熱などにより変形が生じている場合であっても、確実に配線基板2の配線10上に太陽電池セル3の電極7、8を配置して好適に太陽電池セル3を設置することが可能になる。
【0059】
以上、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、配線基板2は、基板11上に配線10を設けて形成されていれば、特にその構成を限定する必要はない。
【0060】
また、配線基板2は、1枚1枚、モジュールサイズに個別に切り離しても、ロールでの供給でも(インラインでも、枚葉式でも)、本発明を適用することが可能である。
【0061】
また、本実施形態では、太陽電池セル3が裏面電極型太陽電池セルであるものとしたが、例えば図9に示すように、受光面3aである表面側に上部電極7、裏面に下部電極8を設けた両面電極型太陽電池セルであってもよく、この場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0062】
また、この場合には、図9に示すように、上部電極7を貫通させて下部側に引き回した太陽電池セル3の下部電極8側につらら形状の半田23を付着させておくと、配線基板2上の配線10とのコンタクトを取りやすくなる。裏面電極型太陽電池セル3であっても同様、図10に示すように、つらら形状の半田23を付着させておくと、同じく配線基板2上の配線10とのコンタクトを取りやすくなる。
【0063】
また、図11に示すように、円形の電極7、8を備えた太陽電池セル3であっても本実施形態同様に扱うことができる。すなわち、円形電極7、8にとらわれずに、図面及び取得画像(外形)から中心位置S3を算出し、セル設置領域R2の中心位置S2と太陽電池セル3の中心位置S3を合わせてアライメントを行えば、本実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0064】
また配線板2に、基材11の一方の表面から他方の表面に貫通する貫通孔を形成してもよい。この場合には、配線の形成面積が増え、配線デザインの自由度が増す効果がある。また、配線基板表面側を太陽電池セルとの接続に、配線基板裏面側を外部電極との接続に使用するなど、太陽電池モジュールの高密度実装化が可能となる効果がある。
【符号の説明】
【0065】
1 透光性基板
2 配線基板
3 太陽電池セル
3a 裏面
3b 表面(受光面)
4 封止材
5 端部ボックス
6 枠体
7 電極(プラス電極)
8 電極(マイナス電極)
10 配線(配線パターン)
11 基材
12 バックシート(バリア層)
13 照明装置
14 CCDカメラ
15 照明装置
16 CCDカメラ
17 アライメント用モジュール枠
18 ロボットアーム
19 赤外線発光素子
20 CCDカメラ
21 プローブ
22 プローブ
23 半田
A 太陽電池モジュール
A1 受光面
A2 裏面
M モジュール領域の外枠
R1 モジュール領域
R2 セル設置領域
S1 モジュール領域の中心位置
S2 セル設置領域の中心位置
S3 太陽電池セルの中心位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に配線基板上に多数の太陽電池セルを設置することにより多数の太陽電池セルを電気的に接続した太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽エネルギーを利用して発電を行う太陽光発電の開発、普及が急速に進められている。そして、従来、太陽光発電に用いる太陽電池モジュールは、受光側に配設されたガラス基板などの透光性基板と、裏面側に配設された耐候性フィルムなどの絶縁層と、透光性基板と絶縁層の間に配設された多数の太陽電池セルと、透光性基板と絶縁層の間に配設され、多数の太陽電池セルを封止する封止層(封止材)とを備えて構成されている。また、太陽電池セルは、例えば単結晶または多結晶のシリコン基板の受光面である表面側にマイナス電極(n型半導体電極)、裏面側にプラス電極(p型半導体電極)を設けた両面電極型太陽電池セルが主流となっている。
【0003】
一方、両面電極型太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールは、多数の太陽電池セルを接続する配線材(インターコネクタ)を太陽電池セルの表面側から裏面側に回り込ませて配線することが必要になる。また、配線材が太陽電池セルの受光面上に重なって配設される。このため、太陽電池モジュールの製造時の配線作業に多大な労力を要するなどの問題があった。また、シリコン基板ひいては太陽電池セルの薄型化が進んでおり、配線作業によってセル割れが発生する問題もあった。
【0004】
これに対し、シリコン基板の裏面にマイナス電極とプラス電極の両電極を設けた裏面電極型太陽電池セル(バックコンタクト方式の太陽電池セル)が提案されている。そして、この裏面電極型太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールは、多数の太陽電池セルをそれぞれ配線基板の配線上に設置(実装)することにより電気的に接続することができる。このため、従来の配線作業を不要にして太陽電池セルを電気的に接続することができる。
【0005】
また、このような裏面電極型の太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールを製造する際には、例えばライン上を流して搬送された配線基板の配線パターンに対し、太陽電池セルを搬送して所定位置、所定方向にアライメント(位置決め)する。次に、配線基板の配線パターン上にアライメントした太陽電池セルを順次設置し、半田などを用いて固定し、配線基板の配線と太陽電池セルの電極とを電気的に接続する。次に、配線基板と多数の太陽電池セルを封止材で封止し、さらに端部ボックス、外枠などを取り付けることにより太陽電池モジュールの製造が完了する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
また、太陽電池セルをアライメントする際には、予め配線基板にスリットなどのアライメントマークを設けておき、太陽電池セルを搬送するとともにアライメントマークの位置を光学センサなどで検知して、このアライメントマークの位置を基準に太陽電池セルのアライメントを行うようにしている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
【0007】
なお、特許文献1では、図12に示すように、太陽電池モジュールの製造が完了した段階で(太陽電池モジュールを組み立てた後に)所定の検査を行い、所定の基準を満たしていない太陽電池モジュールを不良品として廃棄し、基準を満たした太陽電池モジュールのみを完成品として出荷するようにしている。このため、効率が悪く、無駄が多くなり、製造歩留まりが低くなってしまう。これに対し、特許文献2では、図13に示すように、アライメントを行い、太陽電池セルを配線基板の配線上に設置した段階で検査を行うようにし、製造歩留まりを向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−340362号公報
【特許文献2】特開2009−182244号公報
【特許文献3】特開2009−224597号公報
【特許文献4】特開2009−88145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、従来の太陽電池モジュールの製造方法のように、配線基板にスリットなどのアライメントマークを設け、アライメントマークの位置を基準に太陽電池セルのアライメントを行う場合には、光学センサでアライメントマークの位置を検知(特定)し、この特定したアライメントマークの位置と配線基板の設計データ(図面データ)から、太陽電池セルを設置する配線基板上のセル設置領域を求めている(特定している)。
【0010】
しかしながら、配線基板は、製造時の加熱などにより伸び(変形)が生じている場合があり、上記のようにアライメントマークの位置と配線基板の設計データからセル設置領域を特定すると、配線基板の変形に起因してアライメントの位置にずれが生じてしまう。このため、配線基板の配線と太陽電池セルの電極がずれた状態で太陽電池セルが設置されてしまう場合があった。そして、アライメント位置のずれに起因して、検査時に所定の基準を満たしていない太陽電池セル(太陽電池モジュール)が検出され、製造歩留まりが低下するという問題があった。また、アライメントマークを別途設ける手間などにより、コストが増大する。
【0011】
さらに、従来、配線基板は、主にそのデザイン的な面から黒色が好まれており、スリットなどのアライメントマークを設けると、このアライメントマークを通じてバックシートなどの白色、アルミ面などが露出してしまう。このため、太陽電池モジュールのデザインを損なうという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、配線基板にアライメントマークを設けることなく、太陽電池セルをアライメントして、確実に配線基板の配線と太陽電池セルの電極が接続されるように配線基板上に太陽電池セルを設置することを可能にする太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0014】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、基材上に配線を設けて形成した配線基板と、該配線基板の配線上に設置して電気的に接続される複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールを製造する方法であって、前記配線基板の配線上に前記太陽電池セルを設置する際に、太陽電池モジュールを形成する前記配線基板のモジュール領域の画像を取得し、該画像から前記モジュール領域の中心位置を求め、該モジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記配線基板の設計データと、前記配線基板のモジュール領域の画像から求めた前記配線基板のモジュール領域の形状データとを対比して、前記モジュール領域の中心位置を基準にした前記配線基板の変形率を求め、前記配線基板の変形率に基づいて、前記太陽電池セルを設置する前記配線基板のセル設置領域の中心位置を求め、前記配線基板のセル設置領域の中心位置と前記太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うことが望ましい。
【0016】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、アライメントを行う前に予め前記太陽電池セルと前記配線基板の検査を行い、アライメントして前記太陽電池セルを前記配線基板上に設置した後に、固定材によって前記太陽電池セルを前記配線基板に固定することが望ましい。
【0017】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記固定材が、接着テープ、粘着テープ、接着剤及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
【0018】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記固定材が、透明樹脂及び紫外線硬化樹脂の少なくとも一方からなることが望ましい。
【0019】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記太陽電池セルの受光面と前記太陽電池セルを設置する前記配線基板の表面を連結するように前記固定材を設けることがより望ましい。
【0020】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記太陽電池セルの電極と前記配線基板の配線とを直接接触させた状態で、前記太陽電池セルと前記配線基板を封止材によって封止することがさらに望ましい。
【0021】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記封止材が、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の透明樹脂を含むことがより望ましい。
【0022】
さらに、本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記配線基板には、前記基材の一方の表面から他方の表面に貫通する貫通孔が形成されていることが望ましい。
【0023】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記太陽電池セルが裏面電極型太陽電池セルであることが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、配線基板のモジュール領域の画像からモジュール領域の中心位置を求め、このモジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うことにより、実際の配線基板の画像に基づいてアライメントの位置を求めることができる。このため、従来のアライメントマークを用いてアライメントを行う場合と比較し、確実に配線基板の配線上に太陽電池セルの電極を配置して太陽電池セルを設置することが可能になる。
【0025】
そして、従来と比較し、スリットなどのアライメントマークが不要になるため、配線基板のデザインを損なうことがなく、太陽電池モジュールの製造歩留まりを向上させることが可能になるとともに製造コストの低減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの配線基板を示す平面図であり、配線基板のモジュール領域及び中心位置を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、セル設置領域の中心位置と太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うことを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、配線基板のモジュール領域にアライメント用モジュール枠をセットしている状態を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、アライメント用モジュール枠に太陽電池セルを補給している状態を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法において、検査を行っている状態を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る太陽電池セルの変形例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る太陽電池セルの変形例を示す図である。
【図11】セル設置領域の中心位置と円形電極を備えた太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うことを示す図である。
【図12】従来の太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【図13】従来の太陽電池モジュールの製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1から図8を参照し、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法について説明する。
【0028】
はじめに、本実施形態の太陽電池モジュールAは、図1に示すように、受光面A1側に配置された透光性基板1と、裏面A2側に配置された配線基板2と、透光性基板1と配線基板2の間に配置された多数(複数)の太陽電池セル3と、太陽電池セル3(と配線基板2)を封止する封止材4と、太陽電池モジュールAで発生した電流を外部に取り出すための端部ボックス5と、アルミニウム枠などの枠体6とを備えて構成されている。
【0029】
透光性基板1は、ガラス基板、透明樹脂基板などであり、透光性樹脂基板である場合には、樹脂として、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどを用いて形成される。
【0030】
太陽電池セル3は、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、化合物型、色素増感型などの太陽電池セルである。また、本実施形態の太陽電池セル3は、裏面3aにプラス電極(p型電極)7とマイナス電極(n型電極)8を備えた裏面電極型太陽電池セルである。
【0031】
そして、この太陽電池セル3は、太陽電池セル3の電極7、8と配線基板2の配線10とを直接接触させた状態で封止材4により封止されている。本実施形態の封止材4は、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の透明樹脂を含むものである。このような封止材4を用いることで好適に太陽電池セル3を封止することができる。
【0032】
なお、太陽電池セル3は、封止用フィルム(封止)で挟み込み、加熱加圧を行って封止されてもよく、この場合、封止用フィルムとしては、例えば、EVAフィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂フィルムなどが用いられる。
【0033】
配線基板2は、絶縁性材料からなる基材11と、基材11の一方の面に設けられた配線(配線パターン)10と、基材11の他方の面に設けられたバックシート(バリア層)12とを備えて構成されている。
【0034】
また、本実施形態の基材11は、例えば、繊維及び樹脂を含有する複合材料からなり、繊維として、ガラスクロス、ガラス不織布、紙などを用い、樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いて形成されている。
【0035】
配線10は、電気抵抗が低い材料、例えば、銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などを用いて形成されている。なお、導電性高分子を使用して形成されていてもよい。
【0036】
バックシート(バリア層)12は、空気透過を調整する層であり、耐候性、絶縁性などに優れ、長期信頼性を有する材料、例えば、フッ素樹脂フィルム、低オリゴマー・耐熱ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、シリカ(SiO2)蒸着フィルム、アルミニウム箔などを用いて形成されている。
【0037】
上記構成からなる太陽電池モジュールAを製造する際には、太陽電池セル3と配線基板2の電気的特性の検査を予め実施しておく。そして、配線基板2に、封止材4、太陽電池セル3、透光性基板1を積層する。このとき、配線基板2に対して太陽電池セル3を位置決め(アライメント)して、確実に太陽電池セル3の電極7、8が配線基板2の配線10上に配されるように太陽電池セル3を設置(実装)する。次に、配線基板2/封止材4/太陽電池セル3/透光性基板1の積層体を加熱加圧する。この加熱加圧により、配線基板2、封止材4、太陽電池セル3、透光性基板1が密着し、多数の太陽電池セル3(太陽電池セル3同士)を配線10により電気的に接続した太陽電池モジュールAが得られる。また、最後に端部ボックス5、枠体6を取り付けて太陽電池モジュールAが製造される。
【0038】
一方、上記のように太陽電池モジュールAを製造する際には、例えばライン上を流して搬送された配線基板2の配線パターン(配線10)に対し、太陽電池セル3をロボットアームなどで保持しつつ搬送してアライメント(位置決め)を行う。そして、配線基板2の配線10上にアライメントした太陽電池セル3を順次設置してゆく。
【0039】
そして、本実施形態の太陽電池モジュールAの製造方法では、このように太陽電池セル3をアライメントして配線基板2の配線10上に設置する際、図2及び図3(a)に示すように、赤外線発光素子などの照明装置13で太陽電池モジュールAを形成する配線基板2のモジュール領域R1(モジュールサイズの配線基板2)を照明し、CCDカメラ14でモジュール領域R1の画像を取得する。これとともに、図4に示すように、取得した画像からモジュール領域R1の中心位置S1を求める。
【0040】
次に、図面上から予め算出した配線基板2の設計データ(図面データ)と、CCDカメラ14で取得した画像から求めたモジュール領域R1の形状データ(例えば外枠Mの位置データ)とを対比して、モジュール領域R1の中心位置S1を基準にした配線基板2の伸び率(変形率)を求める。そして、モジュール領域R1の中心位置S1と配線基板2の伸び率に基づいて、図5に示すように、太陽電池セル3を設置する配線基板2のセル設置領域R2の中心位置S2を求める(図2のステップ1)。
【0041】
なお、太陽電池セル3に対しても、図5に示すように、上記と同様に画像を取得し、図面上から算出した太陽電池セル3の設計データ(図面データ)と、画像から求めた形状データとを対比して、予め、その中心位置S3を求めておく。
【0042】
次に、図3(b)及び図6に示すように、照明装置15とCCDカメラ16で中心位置S1を認識したモジュール領域R1の配線基板2上にアライメント用モジュール枠17をセットする(図2のステップ2)。また、このアライメント用モジュール枠17をセットして大枠のセル位置を決めた後に、図3(c)及び図7に示すように、ロボットアーム18を用いてアライメント用モジュール枠17内に太陽電池セル3を補給する(図2のステップ3)。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、赤外線発光素子19で配線基板2のセル設置領域R2に赤外線光を照射するとともにCCDカメラ20でセル設置領域R2の画像を取得しながら、配線基板2のセル設置領域R2の中心位置S2と、アライメント用モジュール枠17内に補給した太陽電池セル3の中心位置S3が合うようにロボットアーム18でアライメントを行う(図2のステップ4)。このようにアライメント用モジュール枠17への太陽電池セル3の補給、アライメントを行った後に、図3(e)及び図5に示すように、太陽電池セル3を配線基板2に物理的に圧着させる(図2のステップ5)。このとき、例えば、太陽電池セル3を上方から押圧(加圧)して圧着させたり、真空吸着によって太陽電池セル3を配線基板2に圧着させる。
【0044】
そして、本実施形態では、図8に示すように、太陽電池セル3を配線基板2に圧着させた段階で検査を行う(図2のステップ5)。ここでは、順方向IV(電流−電圧)特性、逆方向IV(電流−電圧)特性、発熱(サーモ)特性、電極間導通特性、EL(Electro Luminessence)特性、PL(Photo Luminessence)特性の検査のうち、少なくとも一以上の検査を行うことが好ましい。
【0045】
順方向IV(電流−電圧)特性の検査は、暗状態(太陽電池セル3に光を照射していない状態)と明状態(太陽電池セル3に光を照射した状態)の2つの状態で行う。暗状態の太陽電池セル3の順方向IV特性は、例えば、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、順方向電圧を例えば−3V〜+1V程度で変化させながら印加し、電流値を測定する。この電流値の変化に基づいて評価を行う。
【0046】
明状態の太陽電池セル3の順方向IV特性は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、白色発光ダイオード等で太陽電池セル3の光感度領域にある波長の光を太陽電池セル3の受光面3b全体に照射し、暗状態と同様に電流値を測定し、評価を行う。
【0047】
逆方向IV(電流−電圧)特性の検査は、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、例えば+1V〜−20Vの逆方向電圧を印加し、電流値を測定して評価する。なお、漏れ電流を評価するために規定電圧(例えば−1V)での電流値を予め測定して記録しておくことが好ましい。
【0048】
発熱(サーモ)特性の検査は、例えば、逆方向電圧を印加し、太陽電池セル3内の発熱箇所をサーモビュアカメラで検出して評価する。逆方向電圧の最大電圧は太陽電池モジュールAの開放電圧(または太陽電池モジュールAの動作電圧)であることが好ましく、最大電流は太陽電池モジュールAの短絡電流(または太陽電池モジュールの動作電流)であることが好ましい。なお、本検査は、逆方向IV特性の検査と同時に行なうとよい。
【0049】
電極間導通特性の検査は、例えば、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、プローブ21、22間に所定の電圧を印加することによって抵抗値を測定する。これにより、短絡の有無を確認する。
【0050】
EL特性の検査は、太陽電池セル3のプラス電極7とマイナス電極8にそれぞれプローブ21、22を接触させ、太陽電池セル3の短絡電流相当の電流が太陽電池セル2に流れるように電圧を印加する。そして、微弱なバンド端発光を冷却CCDカメラで画像化して検査を行う。この検査では、発光具合により、太陽電池セル2のマイクロクラックの有無、太陽電池セル2の特性面内分布や電極7、8の接触に関する情報が得られる。
【0051】
PL特性の検査は、例えば、太陽電池セル3の半導体基板(シリコン基板)のバンド端に対応する波長の光を照射し、発光ピークの挙動を検査する。これにより、半導体基板の結晶欠陥等に関する情報が得られる。
【0052】
そして、このような検査を行って不良セルが見つかった場合には、図3(c’)に示すように、ロボットアーム18でこの不良セルを取り除き、新たな太陽電池セル3をアライメント用モジュール枠17に補給し(図2のステップ6)、上記と同様に配線基板2に圧着させ、再度検査を行う。すなわち、太陽電池セル3を配線基板2に固定し、封止する前に検査を行うため、不良セルを交換することができる。このため、太陽電池モジュールAを不良品として廃棄することが不要になり、従来のように太陽電池モジュールAを組み立てた後に検査を行う場合と比較し、製造歩留まりを向上させることができる。
【0053】
次に、検査完了後、太陽電池セル3を配線基板2に固定する(図2のステップ7)。このとき、本実施形態では、固定材によって太陽電池セル3の配線基板2への固定を行う。固定材としては、接着テープ、粘着テープ、接着剤及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。そして、太陽電池セル3の受光面3bから配線基板2の表面にかけて固定材を貼付あるいは塗布したり、太陽電池セル3の裏面3aと配線基板2の表面の間に固定材を設けるなどして、アライメントして設置した太陽電池セル3を配線基板2に確実に固定することができる。
【0054】
また、固定材として透明樹脂及び紫外線硬化樹脂の少なくとも一方を塗布して太陽電池セル3を固定してもよい。なお、透明樹脂としては、例えば、太陽光に対して透明な従来公知の樹脂を用いればよく、封止材4と同一の材質の樹脂を用いることがより好ましい。また、紫外線硬化樹脂においても、従来公知の樹脂を用いればよく、必要に応じて、光重合開始剤及び/又は光増感剤等の添加剤を添加してもよい。そして、紫外線硬化樹脂を固定材として用いた場合には、紫外線を照射するまで太陽電池セル3の位置ずれを修正することが可能である。
【0055】
このように固定材によって太陽電池セル3を配線基板2に固定した段階で、図3(f)に示すように、封止材4及び透光性基板1を配設し、加熱加圧処理を施す(図2のステップ7)。これにより、太陽電池セル3が封止材4で封止されるとともに、透光性基板1と配線基板2と多数の太陽電池セル3と封止材4とが密着する。そして、端部ボックス5やアルミニウム製の枠体6を取り付けて、太陽電池モジュールAが完成する。
【0056】
したがって、本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法によれば、配線基板2のモジュール領域R1の画像からモジュール領域R1の中心位置S1を求め、このモジュール領域R1の中心位置S1を基準にしてアライメントを行うことにより、実際の配線基板2の画像に基づいてアライメントの位置を求めることができる。このため、従来のアライメントマークを用いてアライメントを行う場合と比較し、確実に配線基板2の配線10上に太陽電池セル3の電極7、8を配置して太陽電池セル3を設置することが可能になる。また、特にインラインでもアライメントをとることが可能になる。
【0057】
そして、従来と比較し、スリットなどのアライメントマークが不要になるため、配線基板2のデザインを損なうことがなく、太陽電池モジュールAの製造歩留まりを向上させることが可能になるとともに製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0058】
また、配線基板2の設計データと、配線基板2のモジュール領域R1の形状データとを対比し、モジュール領域R1の中心位置S1を基準にした配線基板2の伸び率(変形率)を求め、配線基板2の伸び率に基づいてセル設置領域R2の中心位置S2を求め、セル設置領域R2の中心位置S2と太陽電池セル3の中心位置S3を合わせてアライメントを行うことにより、配線基板2に加熱などにより変形が生じている場合であっても、確実に配線基板2の配線10上に太陽電池セル3の電極7、8を配置して好適に太陽電池セル3を設置することが可能になる。
【0059】
以上、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、配線基板2は、基板11上に配線10を設けて形成されていれば、特にその構成を限定する必要はない。
【0060】
また、配線基板2は、1枚1枚、モジュールサイズに個別に切り離しても、ロールでの供給でも(インラインでも、枚葉式でも)、本発明を適用することが可能である。
【0061】
また、本実施形態では、太陽電池セル3が裏面電極型太陽電池セルであるものとしたが、例えば図9に示すように、受光面3aである表面側に上部電極7、裏面に下部電極8を設けた両面電極型太陽電池セルであってもよく、この場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0062】
また、この場合には、図9に示すように、上部電極7を貫通させて下部側に引き回した太陽電池セル3の下部電極8側につらら形状の半田23を付着させておくと、配線基板2上の配線10とのコンタクトを取りやすくなる。裏面電極型太陽電池セル3であっても同様、図10に示すように、つらら形状の半田23を付着させておくと、同じく配線基板2上の配線10とのコンタクトを取りやすくなる。
【0063】
また、図11に示すように、円形の電極7、8を備えた太陽電池セル3であっても本実施形態同様に扱うことができる。すなわち、円形電極7、8にとらわれずに、図面及び取得画像(外形)から中心位置S3を算出し、セル設置領域R2の中心位置S2と太陽電池セル3の中心位置S3を合わせてアライメントを行えば、本実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0064】
また配線板2に、基材11の一方の表面から他方の表面に貫通する貫通孔を形成してもよい。この場合には、配線の形成面積が増え、配線デザインの自由度が増す効果がある。また、配線基板表面側を太陽電池セルとの接続に、配線基板裏面側を外部電極との接続に使用するなど、太陽電池モジュールの高密度実装化が可能となる効果がある。
【符号の説明】
【0065】
1 透光性基板
2 配線基板
3 太陽電池セル
3a 裏面
3b 表面(受光面)
4 封止材
5 端部ボックス
6 枠体
7 電極(プラス電極)
8 電極(マイナス電極)
10 配線(配線パターン)
11 基材
12 バックシート(バリア層)
13 照明装置
14 CCDカメラ
15 照明装置
16 CCDカメラ
17 アライメント用モジュール枠
18 ロボットアーム
19 赤外線発光素子
20 CCDカメラ
21 プローブ
22 プローブ
23 半田
A 太陽電池モジュール
A1 受光面
A2 裏面
M モジュール領域の外枠
R1 モジュール領域
R2 セル設置領域
S1 モジュール領域の中心位置
S2 セル設置領域の中心位置
S3 太陽電池セルの中心位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に配線を設けて形成した配線基板と、該配線基板の配線上に設置して電気的に接続される複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールを製造する方法であって、
前記配線基板の配線上に前記太陽電池セルを設置する際に、太陽電池モジュールを形成する前記配線基板のモジュール領域の画像を取得し、該画像から前記モジュール領域の中心位置を求め、該モジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うようにしたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記配線基板の設計データと、前記配線基板のモジュール領域の画像から求めた前記配線基板のモジュール領域の形状データとを対比して、前記モジュール領域の中心位置を基準にした前記配線基板の変形率を求め、
前記配線基板の変形率に基づいて、前記太陽電池セルを設置する前記配線基板のセル設置領域の中心位置を求め、
前記配線基板のセル設置領域の中心位置と前記太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うようにしたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
アライメントを行う前に予め前記太陽電池セルと前記配線基板の検査を行い、
アライメントして前記太陽電池セルを前記配線基板上に設置した後に、固定材によって前記太陽電池セルを前記配線基板に固定することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記固定材が、接着テープ、粘着テープ、接着剤及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記固定材が、透明樹脂及び紫外線硬化樹脂の少なくとも一方からなることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記太陽電池セルの受光面と前記太陽電池セルを設置する前記配線基板の表面を連結するように前記固定材を設けることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記太陽電池セルの電極と前記配線基板の配線とを直接接触させた状態で、前記太陽電池セルと前記配線基板を封止材によって封止することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記封止材が、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の透明樹脂を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記配線基板には、前記基材の一方の表面から他方の表面に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記太陽電池セルが裏面電極型太陽電池セルであることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項1】
基材上に配線を設けて形成した配線基板と、該配線基板の配線上に設置して電気的に接続される複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールを製造する方法であって、
前記配線基板の配線上に前記太陽電池セルを設置する際に、太陽電池モジュールを形成する前記配線基板のモジュール領域の画像を取得し、該画像から前記モジュール領域の中心位置を求め、該モジュール領域の中心位置を基準にしてアライメントを行うようにしたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記配線基板の設計データと、前記配線基板のモジュール領域の画像から求めた前記配線基板のモジュール領域の形状データとを対比して、前記モジュール領域の中心位置を基準にした前記配線基板の変形率を求め、
前記配線基板の変形率に基づいて、前記太陽電池セルを設置する前記配線基板のセル設置領域の中心位置を求め、
前記配線基板のセル設置領域の中心位置と前記太陽電池セルの中心位置を合わせてアライメントを行うようにしたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
アライメントを行う前に予め前記太陽電池セルと前記配線基板の検査を行い、
アライメントして前記太陽電池セルを前記配線基板上に設置した後に、固定材によって前記太陽電池セルを前記配線基板に固定することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記固定材が、接着テープ、粘着テープ、接着剤及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記固定材が、透明樹脂及び紫外線硬化樹脂の少なくとも一方からなることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記太陽電池セルの受光面と前記太陽電池セルを設置する前記配線基板の表面を連結するように前記固定材を設けることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記太陽電池セルの電極と前記配線基板の配線とを直接接触させた状態で、前記太陽電池セルと前記配線基板を封止材によって封止することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記封止材が、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の透明樹脂を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記配線基板には、前記基材の一方の表面から他方の表面に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記太陽電池セルが裏面電極型太陽電池セルであることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−159726(P2011−159726A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18975(P2010−18975)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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