太陽電池付電子時計
【課題】文字板の見切り径の制約を無くしてモデルバリエーションを広げることができ、コストも低減できる太陽電池付電子時計を提供すること。
【解決手段】太陽電池付電子時計1は、太陽電池4と、文字板5と、太陽電池4の裏面に固定された太陽電池保持部材45と、太陽電池保持部材45の裏面に配置される地板20とを備える。地板20は、太陽電池保持部材45に対向する対向面に形成されたフック部25、26、27を備える。太陽電池保持部材45は、地板20に対向する対向面に形成されてフック部25、26、27を配置可能な案内穴46、47、48を備える。案内穴46、47、48内にフック部25、26、27を配置した状態で、地板20に対して太陽電池保持部材45を回転して案内穴46、47、48の周縁をフック部25、26、27に係止する。
【解決手段】太陽電池付電子時計1は、太陽電池4と、文字板5と、太陽電池4の裏面に固定された太陽電池保持部材45と、太陽電池保持部材45の裏面に配置される地板20とを備える。地板20は、太陽電池保持部材45に対向する対向面に形成されたフック部25、26、27を備える。太陽電池保持部材45は、地板20に対向する対向面に形成されてフック部25、26、27を配置可能な案内穴46、47、48を備える。案内穴46、47、48内にフック部25、26、27を配置した状態で、地板20に対して太陽電池保持部材45を回転して案内穴46、47、48の周縁をフック部25、26、27に係止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池付電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池を備える時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この時計では、ムーブメントの周囲に設けられた回路支持台に、金属板の周縁に形成されたフック部を係合させ、前記金属板に両面テープで太陽電池を貼り付けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第00/03310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記時計では、前記フック部が形成された金属板は、太陽電池の外周よりも外側まで延出されており、金属板の周縁のフック部が太陽電池の外周から突出して露出する。
このため、文字板側から前記フック部が透けて見えてしまい、外観意匠が低下するという問題がある。また、前記フック部を被覆するために、文字板上にダイヤルリング等の見切り材を配置してフック部を隠した場合、文字板の見切り径が小さくなり、時計のモデルバリエーションを広げることができないという問題があった。
さらに、太陽電池のサイズを前記金属板よりも小さくすると金属板が見えてしまうため、太陽電池のサイズを前記金属板と同程度の大きさに設定する必要がある。このため、ムーブメントサイズが異なる様々な時計に適用する場合、太陽電池のサイズもムーブメントサイズに応じて設定しなければならない。このため、様々なサイズの太陽電池を製造しなければならず、コストが増大するという問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、文字板の見切り径の制約を無くしてモデルバリエーションを広げることができ、コストも低減できる太陽電池付電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の太陽電池付電子時計は、太陽電池と、前記太陽電池の時計表側に配置された透光性の文字板と、前記太陽電池の裏面に固定された太陽電池保持部材と、前記太陽電池保持部材の裏面に配置される地板とを備え、前記太陽電池保持部材および地板の互いに対向する対向面の一方にはフック部が形成され、他方には前記フック部を配置可能に形成された案内穴が形成され、前記案内穴内に前記フック部を配置した状態で、前記地板に対して前記太陽電池保持部材を回転して前記案内穴の周縁を前記フック部に係止させることで、前記太陽電池保持部材が前記地板に固定されることを特徴とする。
【0007】
本発明の太陽電池付電子時計では、太陽電池の裏面に固定された太陽電池保持部材と、地板との互いに対向する対向面の一方にフック部を設け、他方に案内穴を設けている。フック部および案内穴を対向面に形成しているので、フック部および案内穴の係止位置を太陽電池の中心付近に設けることができ、太陽電池の外周側にフック部を突出させる必要がない。
【0008】
また、太陽電池の固定を、地板つまりムーブメントの中心付近で行えるので、ムーブメントのサイズ内で太陽電池のサイズを自在に設定できる。このため、ムーブメントのサイズが異なる場合でも、太陽電池のサイズは必要な発電量に基づいて最小限の大きさに設定できる。従って、太陽電池のサイズを、ムーブメントのサイズに合わせて大きくする必要が無く、太陽電池のコストも低減できる。
さらに、フック部を案内穴に配置して太陽電池保持部材を回転させてフック部に案内穴の周縁を係止させることで、太陽電池保持部材と地板とを固定しているので、これらを固定するためのねじ等の接続部品を不要にできる。このため、太陽電池を地板にねじで固定する場合に比べて、部品数を少なくできてコストを低減でき、地板の裏面側に配置される部品との干渉も考慮する必要が無いため、地球環境に与える負荷がより少ない太陽電池付電子時計を容易に設計できる。
【0009】
本発明の太陽電池付電子時計では、前記太陽電池保持部材は、前記太陽電池の裏面に接着剤または粘着テープで固定されることが好ましい。
太陽電池と太陽電池保持部材とを、ねじ等の接続部品を用いて固定すると、太陽電池の表面に接続部品が露出し、この接続部品は文字板側から視認できるため、時計の外観を低下させてしまう。
これに対して、太陽電池と太陽電池保持部材とを接着剤または粘着テープで固定すれば、太陽電池の表面に露出する部品が無いため、時計の外観低下を防止できる。
【0010】
本発明の太陽電池付電子時計では、前記太陽電池保持部材は、前記地板に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備えることが好ましい。
【0011】
地板に形成された位置決め突起と太陽電池保持部材に設けられた位置決め部とを係合させているので、太陽電池保持部材が地板に対して前記案内穴およびフック部の係止方向と逆方向に回転して前記案内穴がフック部から外れることを防止できる。また、太陽電池保持部材が太陽電池の外周から突出することがなく、文字板から透けて見えることもない。このため、太陽電池保持部材を被覆するための見切り材を配置する必要が無く、見切り径の制約も無くすことができる。よって、文字板のサイズや見切り径のサイズの自由度が高まり、太陽電池付電子時計を腕時計として構成する場合、見切り径の大きなビッグサイズの腕時計から見切り径の小さな女性用の腕時計まで、モデルバリエーションの自由度を高めることができる。
【0012】
本発明の太陽電池付電子時計は、ムーブメントの外周に沿って設けられたリング部材を備え、前記太陽電池保持部材は、前記リング部材に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備えることが好ましい。
【0013】
ここで、ムーブメントの外周に沿って設けられるリング部材としては、文字板を支持する文字板受けリング部材を例示できる。
本発明では、リング部材に位置決め突起を形成し、この位置決め突起に係合する位置決め部を太陽電池保持部材に形成している。このため、太陽電池保持部材が地板に対して前記案内穴およびフック部の係止方向と逆方向に回転して前記案内穴がフック部から外れることを防止できる。
また、リング部材は、ムーブメントの外周つまり地板の外周側に配置されているので、太陽電池保持部材の位置決め部を、太陽電池の外周近くに配置することができる。このため、太陽電池の外周側から前記位置決め部をピンセットなどでつまんで位置決め突起に対して容易に着脱でき、作業効率を向上できる。
【0014】
この際、前記太陽電池保持部材は、前記フック部または案内穴が形成された本体部と、前記本体部から放射状に延出された複数本の腕部とを備え、少なくとも1本以上の前記腕部の先端には、前記位置決め部が形成されていることが好ましい。
【0015】
太陽電池保持部材において、リング部材に形成された位置決め突起に係合する位置決め部を形成する場合、太陽電池保持部材を太陽電池とほぼ同じ大きさの円板で構成し、その外周部分に前記位置決め部を形成することもできる。
これに対し、本発明のように、太陽電池保持部材を本体部および腕部で構成すれば、直径が同じ円板で太陽電池保持部材を構成した場合に比べて、太陽電池保持部材を軽量化できる。さらに、腕部が傘の骨のように補強材として機能するため、フィルム製の基材を用いたフィルムソーラーを太陽電池として利用できる。
【0016】
本発明の太陽電池付電子時計では、前記地板の表面には円環状の暦車が配置され、前記太陽電池保持部材は、前記暦車の時計厚さ方向の位置決め機能を備えることが好ましい。
【0017】
太陽電池を保持する部品と暦車を断面的つまり時計厚さ方向に位置決めする部品を兼用するため、部品点数を減らすことができ、組み込み手順も減らすことができるため、コストを低減できる。
また、太陽電池保持部材と暦車の位置決め用の部品との両方を設ける場合に比べて、ムーブメントの厚さ寸法を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る太陽電池付電子時計の分解斜視図。
【図2】前記太陽電池付電子時計の要部を示す縦断面図。
【図3】前記太陽電池付電子時計の太陽電池保持部材を示す平面図。
【図4】前記太陽電池保持部材のムーブメントへの取付手順を説明する図。
【図5】前記太陽電池保持部材のムーブメントへの取付手順を説明する図。
【図6】前記太陽電池保持部材のムーブメントへの取付手順を説明する図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る太陽電池付電子時計の要部を示す平面図。
【図8】第2実施形態に係る太陽電池付電子時計の要部を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔太陽電池付時計の概略構成〕
図1は、第1実施形態に係る太陽電池付電子時計1の時計本体10の分解斜視図である。
太陽電池付電子時計1は、時計本体10と、時計本体10を収容する図示略の外装ケースとで概略構成され、利用者が腕に装着して使用する腕時計タイプとされている。
【0020】
〔時計本体の構成〕
時計本体10は、図1に示すように、ムーブメント2と、文字板受けリング部材3と、太陽電池4と、太陽電池4の表側に配置される透光性の文字板5とを備える。なお、ムーブメント2は、図2にも示すように、地板20、回路基板、ステッピングモーター、駆動輪列等が組み込まれた一般的な構成を採用しているため、説明を簡略する。また、外装ケースも一般的な構成であるため、説明を省略する。
【0021】
〔地板の構成〕
地板20の上面には、暦車である日車21が配置されている。日車21の内周面には駆動歯211が形成されている。
地板20には、前記日車21の内周面(駆動歯211)をガイドするガイド部221、222、223が突出して形成されている。また、地板20の上面において日車21の内周側には、日車21の駆動歯211に噛み合って回転する日回し車23や、日回し車23で日車21が1ピッチ分回転された際に、その回転後の位置を規制する日ジャンパー24が設けられている。
【0022】
さらに、地板20の上面において日車21の内周側には、太陽電池4を固定するための3つのフック部25、26、27が形成されている。
フック部25は、図2にも示すように、ガイド部221に隣接して設けられ、地板20から立設された立上部251と、立上部251から側方に延長された延長部252とを備える。従って、地板20の上面と、延長部252との間には太陽電池4を係止するための凹部が形成されている。他のフック部26,27もフック部25と同様に、立上部および延長部を備えて構成されている。
また、ガイド部222、223には、位置決め突起28がそれぞれ突設されている。
【0023】
〔文字板受けリング部材の構成〕
文字板受けリング部材3は、非透光性の材料(たとえば合成樹脂)により円環状に形成され、後述する太陽電池4と同系色に着色されている。そして、図1および図2に示すように、文字板受けリング部材3の表面側には、文字板受けリング部材3の内周面に沿って形成され、文字板受けリング部材3の上面30よりも一段低く形成された太陽電池支持面31が形成されている。
また、文字板受けリング部材3は、その平面中心を挟んで対向する二箇所に、図示しない支持フック部が形成されている。この支持フック部が、ムーブメント2の裏面側に係合し、文字板受けリング部材3はムーブメント2を保持する。
【0024】
文字板受けリング部材3の上面30には、図1に示すように、文字板受けリング部材3の中心を挟んで、互いに対向配置された2つの第1文字板固定部33、および互いに対向配置された2つの第2文字板固定部34が設けられている。
第1文字板固定部33は、前記上面30から文字板5側に突出して形成された略角柱状の係合突起によって構成されている。
第2文字板固定部34は、前記上面30から文字板5側に突出して形成された円柱状の係合突起によって構成されている。
【0025】
〔太陽電池の構成〕
太陽電池4は、図1に示すように、平面視略円形状の基材41と、基材41の表面側に形成された太陽電池の受光部42とを備えている。
基材41は、合成樹脂製のフィルムなどの絶縁材で構成されている。受光部42は、前記基材41の表面上に、金属電極層、半導体層、絶縁層、配線電極層、透光性の封止樹脂層などを積層することによって構成されている。この受光部42は、3つの領域に分割されて形成されている。すなわち、太陽電池4の表面には扇形状の3つの受光部42が形成されている。そして、本実施形態では、3つの受光部42の出力を直列接続することで発電電圧を向上させている。
【0026】
太陽電池4は、文字板5を透過した太陽光が受光部42に当たることで発電を行い、受光部42で発電された電力は、コイルばね等からなる図示略の導通部材を介してムーブメント2に設けられた二次電池29に充電され、この二次電池29の出力で回路基板等が駆動される。
【0027】
〔太陽電池保持部材の構成〕
太陽電池4の裏面には、太陽電池保持部材45が固定されている。太陽電池保持部材45は、ステンレス板で構成され、略円板状に形成されている。そして、太陽電池保持部材45は、太陽電池4の基材41に、接着剤や粘着テープによって貼り付けられている。
この太陽電池保持部材45は、太陽電池4よりも小さなサイズに形成されており、太陽電池4の基材41で全体が被覆されている。このため、太陽電池保持部材45は、太陽電池4から露出することがなく、文字板5側から視認されることがない。
【0028】
また、太陽電池保持部材45は、地板20に取り付けられた際に、日車21の駆動歯211の上方(文字板5側)に配置されて日車21が文字板5側に移動しないように位置決めする機能も備えている。すなわち、太陽電池保持部材45は、日車21の断面方向(時計厚さ方向)の位置決めを行う日車押さえと同様に機能する。
【0029】
太陽電池保持部材45は、図3にも示すように、前記フック部25、26、27に対応する3つの案内穴46、47、48を備える。なお、案内穴48は、太陽電池保持部材45の外周に連通した溝形状とされている。
これらの案内穴46、47、48は、図4に示すように、各フック部25、26、27をその穴内に配置可能に形成されている。すなわち、案内穴46、47、48の形成位置や、大きさは、前記フック部25、26、27に応じて設定されている。
【0030】
また、図2にも示すように、太陽電池保持部材45の中心部451に対して、折曲部452を介して連続する外周部453は、折曲部452が折り曲げられていることにより、高さ位置(時計厚さ方向の位置)が中心部451よりも文字板5側に近い位置とされている。この外周部453が、日車21の駆動歯211の上方に配置され、日車21の位置決めを行っている。
【0031】
各案内穴46、47、48に面する中心部451部分には、前記フック部25、26、27に係止される係止部461、471、481が形成されている。これらの係止部461、471、481は、中心部451よりもムーブメント2側に一段低く形成されている。
【0032】
案内穴47、48には、外周部453から延長された位置決め部472、482が形成されている。位置決め部472、482は、前記位置決め突起28に係合する穴473、483が形成されている。
そして、太陽電池保持部材45は、前記外周部453の部分で前記太陽電池4の基材41に接着されている。
【0033】
〔文字板の構成〕
文字板5は、透光性の材料により、図1、2に示すように、太陽電池4の受光部42全体を覆う大きさに形成されている。なお、文字板5は、少なくとも受光部42全体を覆う大きさであればよく、前記文字板受けリング部材3よりも大きく形成してもよい。
この文字板5は、外周端縁から径方向に延出する4つの延出部51と、各延出部51に平面視コ字状に切り欠き形成される2つの第1係合部52、および平面視半円形状に切り欠き形成される2つの第2係合部53とを備える。
文字板5は、少なくとも延出部51が、文字板受けリング部材3の上面30に載置されることで、文字板受けリング部材3に支持される。
第1係合部52は第1文字板固定部33に嵌合され、第2係合部53は第2文字板固定部34に嵌合する。これにより、文字板5は、文字板受けリング部材3に対して周方向に位置決め固定される。
【0034】
〔時計本体の組み立て〕
次に、図1、4〜6を参照して、時計本体10の組み立て方法について説明する。
まず、文字板受けリング部材3でムーブメント2を保持する。この際、ムーブメント2の上方から文字板受けリング部材3をはめ込むとともに、文字板受けリング部材3の支持フック部をムーブメント2の底面に引っ掛けるようにして支持する。また、時計ケースのサイズに応じて、ムーブメント2に図示略の中枠を取り付ける。
【0035】
次に、太陽電池4を以下の手順でムーブメント2に取り付ける。まず、図4に示すように、太陽電池4を二次電池29に導通させる2つの導通ばね7を地板20の穴に配置してから、太陽電池4の裏面に接着された太陽電池保持部材45の案内穴46、47、48内に、前記フック部25、26、27を配置する。
次に、太陽電池保持部材45を太陽電池4ととともに、ムーブメント2に対して時計回りに回転させ、図5に示すように、係止部461、471、481を、フック部25、26、27に係止させる。これにより、太陽電池4および太陽電池保持部材45が地板20に取り付けられて、時計厚さ方向に位置決めされる。
また、太陽電池保持部材45の位置決め部472、482の穴473、483を、位置決め突起28に係合し、太陽電池保持部材45を回転方向に位置決めする。
この際、前記導通ばね7は、太陽電池4の裏面に形成された電極に接触して太陽電池4と導通する。
【0036】
以上の手順により、図6に示すように、太陽電池4および太陽電池保持部材45が、ムーブメント2に固定される。
以上により、太陽電池4および太陽電池保持部材45は、位置決め部472、482の穴473、483が位置決め突起28に係合することで、文字板受けリング部材3の周方向に対して位置決めされる。
【0037】
次に、文字板5を太陽電池4の表面側から文字板受けリング部材3に保持させる。すなわち、第1係合部52を文字板受けリング部材3の第1文字板固定部33に嵌合させ、第2係合部53を第2文字板固定部34に嵌合する。これにより、文字板5は、文字板受けリング部材3の上面30上に載置されて厚み方向に対して位置決めされる。さらに、文字板5は、各係合部52、53が、各文字板固定部33、34に嵌合することで、文字板受けリング部材3の周方向に対して位置決めされる。
以上により、時計本体10が組み立てられる。
【0038】
上述した本実施形態に係る太陽電池付電子時計1によれば、以下の効果を奏する。
(1)ムーブメント2の地板20の上面にフック部25、26、27を形成し、太陽電池4の裏面に接着した太陽電池保持部材45に、係止部461、471、481を有する案内穴46、47、48を形成し、前記フック部25、26、27に係止部461、471、481を係止させて、太陽電池4をムーブメント2に取り付けている。
このため、従来のように、太陽電池保持部材45の外周にフック部を設ける必要がないため、フック部が太陽電池4の外周から突出することがなく、文字板5から透けて見えることもない。従って、太陽電池保持部材45を被覆するための見切り材を配置する必要が無く、見切り径の制約も無くすことができる。よって、文字板5のサイズや見切り径のサイズの自由度が高まり、太陽電池付電子時計1を腕時計として構成する場合、見切り径の大きなビッグサイズの腕時計から見切り径の小さな女性用の腕時計まで、モデルバリエーションの自由度を高めることができる。
【0039】
(2)太陽電池4の固定を、地板20つまりムーブメント2の中心付近で行えるので、ムーブメント2のサイズ内で太陽電池4のサイズを自在に設定できる。このため、ムーブメント2のサイズが異なる場合でも、太陽電池4のサイズは必要な発電量に基づいて最小限の大きさに設定できる。従って、太陽電池4のサイズを、ムーブメント2のサイズに合わせて大きくする必要が無く、太陽電池4のコストも低減できる。
さらに、太陽電池保持部材45と地板20との固定は、フック部25、26、27を案内穴46、47、48に配置して太陽電池保持部材45を回転させ、フック部25、26、27に案内穴46、47、48の周縁の係止部461、471、481を係止させているので、別途ねじ等の接続部品で固定する必要がない。このため、太陽電池4を地板20にねじで固定する場合に比べて、部品数を少なくできてコストを低減でき、地板20の裏面側に配置される部品との干渉も考慮する必要が無いため太陽電池付電子時計1を容易に設計できる。
【0040】
(3)太陽電池4および文字板5を、間隔をあけることなく積層して配置できるので、たとえば、太陽電池4および文字板5間に太陽電池押さえを設けて固定する構造を採用する場合に比べて、太陽電池付電子時計1を薄型化でき、日車21の奥目感も緩和できる。
【0041】
(4)太陽電池4および太陽電池保持部材45を、接着剤や粘着テープを用いて固定しているので、ねじ等の接続部品を用いて固定する場合に比べて、接続部品が太陽電池4の表面に露出することがなく、太陽電池付電子時計1の外観低下を防止できる。
【0042】
(5)太陽電池保持部材45は、日車21を断面的つまり時計厚さ方向に位置決めする部品を兼用するため、部品点数を減らすことができ、組み込み手順も減らすことができるため、コストを低減できる。また、太陽電池保持部材45と日車21の位置決め用の部品との両方を設ける場合に比べて、ムーブメント2の厚さ寸法を小さくできる。
【0043】
(6)太陽電池4の裏面に接着した太陽電池保持部材45は、ステンレス等の金属製で構成できるので、太陽電池4を地板20に取り付ける機能だけでなく、太陽電池4自体の強度を高めるためにも機能する。従って、太陽電池4の基材41として合成樹脂製のフィルムなどを用いることもでき、太陽電池4の薄型化や低コスト化を実現できる。
【0044】
(7)文字板受けリング部材3の表面側の色を、太陽電池4の色と同系色にしたので、太陽電池4および文字板受けリング部材3の色調を合わせることができる。このため、文字板受けリング部材3に対する色調の差によって、太陽電池4の外形が文字板5から透けて見えることを防止でき、時計の文字板5を見た際の外観を向上できる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7,8を用いて説明する。
第2実施形態の太陽電池付電子時計1Aは、図7に示す太陽電池保持部材45Aを備えている。太陽電池保持部材45Aは、本体部450と、前記本体部450から放射状に延出された複数本の腕部49とを備える。
【0046】
本体部450は、前記第1実施形態の太陽電池保持部材45と同様の構成を備える。
すなわち、本体部450は、中心部451、折曲部452、外周部453を備える。また、本体部450には、案内穴46、47、48、係止部461、471、481が形成されている。
従って、前記案内穴46、47、48の係止部461、471、481は、前記第1実施形態と同じく、地板20のフック部25、26、27に係止する。従って、太陽電池保持部材45Aは、フック部25、26、27および係止部461、471、481を利用して地板20に取り付けられる点は、前記第1実施形態と同一である。一方、太陽電池保持部材45Aは、回転方向の位置決めを地板20ではなく、地板20の外周側に設けられた文字板受けリング部材3に係合させることで行っている点で、第1実施形態と相違する。
【0047】
腕部49は、本体部450の外周部453から放射状に延出されている。これらの腕部49の先端は、前記太陽電池4の外周位置、具体的には基材41の外周縁まで延長されている。このため、フィルム製の基材41を用いたフィルムソーラーである太陽電池4は、前記腕部49が傘の骨のように補強材として機能する。
また、腕部49のうち、対向する位置に配置された2本の腕部49には、文字板受けリング部材3に形成された位置決め突起35に係合する位置決め部491が形成されている。すなわち、第2実施形態では、地板20ではなく文字板受けリング部材3に位置決め突起35が形成され、この位置決め突起35に腕部49の位置決め部491を係合させることで、太陽電池保持部材45Aの回転方向の位置決めを行っている。
【0048】
このような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、太陽電池保持部材45Aは、太陽電池4の外周まで延長された腕部49を備えているので、腕部49によって太陽電池4を補強することができる。
さらに、太陽電池4の外周まで延長された腕部49に、文字板受けリング部材3に形成された位置決め突起35に係合する位置決め部491が設けられているので、位置決め部491をピンセットなどでつまんで太陽電池保持部材45Aを容易に着脱できる。このため、太陽電池4および太陽電池保持部材45Aを、地板20や文字板受けリング部材3に対して着脱する時の作業効率も向上できる。
さらに、太陽電池保持部材45Aでは、本体部450の外周側に、必要最小限の腕部49のみを配置すればよいので、腕部49の先端間の直径を有する円板で太陽電池保持部材を形成した場合に比べて太陽電池保持部材45Aを軽量化できる。
【0049】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、円環状の文字板受けリング部材3を用いていたが、平面矩形枠状の文字板受けリング部材を用いてもよい。このような文字板受けリング部材を用いれば、文字板や時計ケースが角型のモデルを構成できる。
【0050】
前記実施形態では、地板20側にフック部25、26、27を形成し、太陽電池保持部材45,45A側に案内穴46、47、48を形成していたが、逆に地板20側に案内穴を形成し、太陽電池保持部材45、45A側にフック部を形成してもよい。
【0051】
前記実施形態では、太陽電池保持部材45,45Aを、接着剤や粘着テープで太陽電池4の裏面に固定していたが、他の固定方法で固定してもよい。たとえば、太陽電池4の基材41が金属板の場合には、太陽電池保持部材45,45Aをカシメ等で固定してもよい。
【0052】
また、前記実施形態では、太陽電池保持部材45,45Aは、日車21の時計厚さ方向の位置決め部材を兼用していたが、日車21の時計厚さ方向の位置決めは他の部品で行ってもよい。
【0053】
前記実施形態では、文字板受けリング部材3の色が太陽電池4の色と同系色であったが、これらが異なる色であってもよい。特に、ダイヤルリング等の見切り材によって文字板受けリング部材3の露出面が被覆される場合には、文字板受けリング部材3の色を太陽電池4に合わせる必要は無い。
前記実施形態では、本発明に係る時計として、腕時計タイプの時計を例示して説明したが、これに限らず、壁掛け時計等、他のタイプの時計であってもよい。
【0054】
前記第2実施形態では、太陽電池保持部材45Aを、本体部450と、前記本体部450から放射状に延出された複数本の腕部49とを備える構成としていたが、地板20への取付構造と、文字板受けリング部材3に対して回転方向の位置決めを行う構造とを備える他の構成であってもよい。たとえば、太陽電池保持部材を、一枚の円形状の板や、渦巻状の板などで構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1,1A…太陽電池付電子時計、2…ムーブメント、3…文字板受けリング部材、4…太陽電池、5…文字板、10…時計本体、20…地板、21…日車(暦車)、25,26,27…フック部、28,35…位置決め突起、41…基材、42…受光部、44…係合溝、45,45A…太陽電池保持部材、46,47,48…案内穴、49…腕部、251…立上部、252…延長部、450…本体部、451…中心部、452…折曲部、453…外周部、461,471,481…係止部、472,482,491…位置決め部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池付電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池を備える時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この時計では、ムーブメントの周囲に設けられた回路支持台に、金属板の周縁に形成されたフック部を係合させ、前記金属板に両面テープで太陽電池を貼り付けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第00/03310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記時計では、前記フック部が形成された金属板は、太陽電池の外周よりも外側まで延出されており、金属板の周縁のフック部が太陽電池の外周から突出して露出する。
このため、文字板側から前記フック部が透けて見えてしまい、外観意匠が低下するという問題がある。また、前記フック部を被覆するために、文字板上にダイヤルリング等の見切り材を配置してフック部を隠した場合、文字板の見切り径が小さくなり、時計のモデルバリエーションを広げることができないという問題があった。
さらに、太陽電池のサイズを前記金属板よりも小さくすると金属板が見えてしまうため、太陽電池のサイズを前記金属板と同程度の大きさに設定する必要がある。このため、ムーブメントサイズが異なる様々な時計に適用する場合、太陽電池のサイズもムーブメントサイズに応じて設定しなければならない。このため、様々なサイズの太陽電池を製造しなければならず、コストが増大するという問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、文字板の見切り径の制約を無くしてモデルバリエーションを広げることができ、コストも低減できる太陽電池付電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の太陽電池付電子時計は、太陽電池と、前記太陽電池の時計表側に配置された透光性の文字板と、前記太陽電池の裏面に固定された太陽電池保持部材と、前記太陽電池保持部材の裏面に配置される地板とを備え、前記太陽電池保持部材および地板の互いに対向する対向面の一方にはフック部が形成され、他方には前記フック部を配置可能に形成された案内穴が形成され、前記案内穴内に前記フック部を配置した状態で、前記地板に対して前記太陽電池保持部材を回転して前記案内穴の周縁を前記フック部に係止させることで、前記太陽電池保持部材が前記地板に固定されることを特徴とする。
【0007】
本発明の太陽電池付電子時計では、太陽電池の裏面に固定された太陽電池保持部材と、地板との互いに対向する対向面の一方にフック部を設け、他方に案内穴を設けている。フック部および案内穴を対向面に形成しているので、フック部および案内穴の係止位置を太陽電池の中心付近に設けることができ、太陽電池の外周側にフック部を突出させる必要がない。
【0008】
また、太陽電池の固定を、地板つまりムーブメントの中心付近で行えるので、ムーブメントのサイズ内で太陽電池のサイズを自在に設定できる。このため、ムーブメントのサイズが異なる場合でも、太陽電池のサイズは必要な発電量に基づいて最小限の大きさに設定できる。従って、太陽電池のサイズを、ムーブメントのサイズに合わせて大きくする必要が無く、太陽電池のコストも低減できる。
さらに、フック部を案内穴に配置して太陽電池保持部材を回転させてフック部に案内穴の周縁を係止させることで、太陽電池保持部材と地板とを固定しているので、これらを固定するためのねじ等の接続部品を不要にできる。このため、太陽電池を地板にねじで固定する場合に比べて、部品数を少なくできてコストを低減でき、地板の裏面側に配置される部品との干渉も考慮する必要が無いため、地球環境に与える負荷がより少ない太陽電池付電子時計を容易に設計できる。
【0009】
本発明の太陽電池付電子時計では、前記太陽電池保持部材は、前記太陽電池の裏面に接着剤または粘着テープで固定されることが好ましい。
太陽電池と太陽電池保持部材とを、ねじ等の接続部品を用いて固定すると、太陽電池の表面に接続部品が露出し、この接続部品は文字板側から視認できるため、時計の外観を低下させてしまう。
これに対して、太陽電池と太陽電池保持部材とを接着剤または粘着テープで固定すれば、太陽電池の表面に露出する部品が無いため、時計の外観低下を防止できる。
【0010】
本発明の太陽電池付電子時計では、前記太陽電池保持部材は、前記地板に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備えることが好ましい。
【0011】
地板に形成された位置決め突起と太陽電池保持部材に設けられた位置決め部とを係合させているので、太陽電池保持部材が地板に対して前記案内穴およびフック部の係止方向と逆方向に回転して前記案内穴がフック部から外れることを防止できる。また、太陽電池保持部材が太陽電池の外周から突出することがなく、文字板から透けて見えることもない。このため、太陽電池保持部材を被覆するための見切り材を配置する必要が無く、見切り径の制約も無くすことができる。よって、文字板のサイズや見切り径のサイズの自由度が高まり、太陽電池付電子時計を腕時計として構成する場合、見切り径の大きなビッグサイズの腕時計から見切り径の小さな女性用の腕時計まで、モデルバリエーションの自由度を高めることができる。
【0012】
本発明の太陽電池付電子時計は、ムーブメントの外周に沿って設けられたリング部材を備え、前記太陽電池保持部材は、前記リング部材に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備えることが好ましい。
【0013】
ここで、ムーブメントの外周に沿って設けられるリング部材としては、文字板を支持する文字板受けリング部材を例示できる。
本発明では、リング部材に位置決め突起を形成し、この位置決め突起に係合する位置決め部を太陽電池保持部材に形成している。このため、太陽電池保持部材が地板に対して前記案内穴およびフック部の係止方向と逆方向に回転して前記案内穴がフック部から外れることを防止できる。
また、リング部材は、ムーブメントの外周つまり地板の外周側に配置されているので、太陽電池保持部材の位置決め部を、太陽電池の外周近くに配置することができる。このため、太陽電池の外周側から前記位置決め部をピンセットなどでつまんで位置決め突起に対して容易に着脱でき、作業効率を向上できる。
【0014】
この際、前記太陽電池保持部材は、前記フック部または案内穴が形成された本体部と、前記本体部から放射状に延出された複数本の腕部とを備え、少なくとも1本以上の前記腕部の先端には、前記位置決め部が形成されていることが好ましい。
【0015】
太陽電池保持部材において、リング部材に形成された位置決め突起に係合する位置決め部を形成する場合、太陽電池保持部材を太陽電池とほぼ同じ大きさの円板で構成し、その外周部分に前記位置決め部を形成することもできる。
これに対し、本発明のように、太陽電池保持部材を本体部および腕部で構成すれば、直径が同じ円板で太陽電池保持部材を構成した場合に比べて、太陽電池保持部材を軽量化できる。さらに、腕部が傘の骨のように補強材として機能するため、フィルム製の基材を用いたフィルムソーラーを太陽電池として利用できる。
【0016】
本発明の太陽電池付電子時計では、前記地板の表面には円環状の暦車が配置され、前記太陽電池保持部材は、前記暦車の時計厚さ方向の位置決め機能を備えることが好ましい。
【0017】
太陽電池を保持する部品と暦車を断面的つまり時計厚さ方向に位置決めする部品を兼用するため、部品点数を減らすことができ、組み込み手順も減らすことができるため、コストを低減できる。
また、太陽電池保持部材と暦車の位置決め用の部品との両方を設ける場合に比べて、ムーブメントの厚さ寸法を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る太陽電池付電子時計の分解斜視図。
【図2】前記太陽電池付電子時計の要部を示す縦断面図。
【図3】前記太陽電池付電子時計の太陽電池保持部材を示す平面図。
【図4】前記太陽電池保持部材のムーブメントへの取付手順を説明する図。
【図5】前記太陽電池保持部材のムーブメントへの取付手順を説明する図。
【図6】前記太陽電池保持部材のムーブメントへの取付手順を説明する図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る太陽電池付電子時計の要部を示す平面図。
【図8】第2実施形態に係る太陽電池付電子時計の要部を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔太陽電池付時計の概略構成〕
図1は、第1実施形態に係る太陽電池付電子時計1の時計本体10の分解斜視図である。
太陽電池付電子時計1は、時計本体10と、時計本体10を収容する図示略の外装ケースとで概略構成され、利用者が腕に装着して使用する腕時計タイプとされている。
【0020】
〔時計本体の構成〕
時計本体10は、図1に示すように、ムーブメント2と、文字板受けリング部材3と、太陽電池4と、太陽電池4の表側に配置される透光性の文字板5とを備える。なお、ムーブメント2は、図2にも示すように、地板20、回路基板、ステッピングモーター、駆動輪列等が組み込まれた一般的な構成を採用しているため、説明を簡略する。また、外装ケースも一般的な構成であるため、説明を省略する。
【0021】
〔地板の構成〕
地板20の上面には、暦車である日車21が配置されている。日車21の内周面には駆動歯211が形成されている。
地板20には、前記日車21の内周面(駆動歯211)をガイドするガイド部221、222、223が突出して形成されている。また、地板20の上面において日車21の内周側には、日車21の駆動歯211に噛み合って回転する日回し車23や、日回し車23で日車21が1ピッチ分回転された際に、その回転後の位置を規制する日ジャンパー24が設けられている。
【0022】
さらに、地板20の上面において日車21の内周側には、太陽電池4を固定するための3つのフック部25、26、27が形成されている。
フック部25は、図2にも示すように、ガイド部221に隣接して設けられ、地板20から立設された立上部251と、立上部251から側方に延長された延長部252とを備える。従って、地板20の上面と、延長部252との間には太陽電池4を係止するための凹部が形成されている。他のフック部26,27もフック部25と同様に、立上部および延長部を備えて構成されている。
また、ガイド部222、223には、位置決め突起28がそれぞれ突設されている。
【0023】
〔文字板受けリング部材の構成〕
文字板受けリング部材3は、非透光性の材料(たとえば合成樹脂)により円環状に形成され、後述する太陽電池4と同系色に着色されている。そして、図1および図2に示すように、文字板受けリング部材3の表面側には、文字板受けリング部材3の内周面に沿って形成され、文字板受けリング部材3の上面30よりも一段低く形成された太陽電池支持面31が形成されている。
また、文字板受けリング部材3は、その平面中心を挟んで対向する二箇所に、図示しない支持フック部が形成されている。この支持フック部が、ムーブメント2の裏面側に係合し、文字板受けリング部材3はムーブメント2を保持する。
【0024】
文字板受けリング部材3の上面30には、図1に示すように、文字板受けリング部材3の中心を挟んで、互いに対向配置された2つの第1文字板固定部33、および互いに対向配置された2つの第2文字板固定部34が設けられている。
第1文字板固定部33は、前記上面30から文字板5側に突出して形成された略角柱状の係合突起によって構成されている。
第2文字板固定部34は、前記上面30から文字板5側に突出して形成された円柱状の係合突起によって構成されている。
【0025】
〔太陽電池の構成〕
太陽電池4は、図1に示すように、平面視略円形状の基材41と、基材41の表面側に形成された太陽電池の受光部42とを備えている。
基材41は、合成樹脂製のフィルムなどの絶縁材で構成されている。受光部42は、前記基材41の表面上に、金属電極層、半導体層、絶縁層、配線電極層、透光性の封止樹脂層などを積層することによって構成されている。この受光部42は、3つの領域に分割されて形成されている。すなわち、太陽電池4の表面には扇形状の3つの受光部42が形成されている。そして、本実施形態では、3つの受光部42の出力を直列接続することで発電電圧を向上させている。
【0026】
太陽電池4は、文字板5を透過した太陽光が受光部42に当たることで発電を行い、受光部42で発電された電力は、コイルばね等からなる図示略の導通部材を介してムーブメント2に設けられた二次電池29に充電され、この二次電池29の出力で回路基板等が駆動される。
【0027】
〔太陽電池保持部材の構成〕
太陽電池4の裏面には、太陽電池保持部材45が固定されている。太陽電池保持部材45は、ステンレス板で構成され、略円板状に形成されている。そして、太陽電池保持部材45は、太陽電池4の基材41に、接着剤や粘着テープによって貼り付けられている。
この太陽電池保持部材45は、太陽電池4よりも小さなサイズに形成されており、太陽電池4の基材41で全体が被覆されている。このため、太陽電池保持部材45は、太陽電池4から露出することがなく、文字板5側から視認されることがない。
【0028】
また、太陽電池保持部材45は、地板20に取り付けられた際に、日車21の駆動歯211の上方(文字板5側)に配置されて日車21が文字板5側に移動しないように位置決めする機能も備えている。すなわち、太陽電池保持部材45は、日車21の断面方向(時計厚さ方向)の位置決めを行う日車押さえと同様に機能する。
【0029】
太陽電池保持部材45は、図3にも示すように、前記フック部25、26、27に対応する3つの案内穴46、47、48を備える。なお、案内穴48は、太陽電池保持部材45の外周に連通した溝形状とされている。
これらの案内穴46、47、48は、図4に示すように、各フック部25、26、27をその穴内に配置可能に形成されている。すなわち、案内穴46、47、48の形成位置や、大きさは、前記フック部25、26、27に応じて設定されている。
【0030】
また、図2にも示すように、太陽電池保持部材45の中心部451に対して、折曲部452を介して連続する外周部453は、折曲部452が折り曲げられていることにより、高さ位置(時計厚さ方向の位置)が中心部451よりも文字板5側に近い位置とされている。この外周部453が、日車21の駆動歯211の上方に配置され、日車21の位置決めを行っている。
【0031】
各案内穴46、47、48に面する中心部451部分には、前記フック部25、26、27に係止される係止部461、471、481が形成されている。これらの係止部461、471、481は、中心部451よりもムーブメント2側に一段低く形成されている。
【0032】
案内穴47、48には、外周部453から延長された位置決め部472、482が形成されている。位置決め部472、482は、前記位置決め突起28に係合する穴473、483が形成されている。
そして、太陽電池保持部材45は、前記外周部453の部分で前記太陽電池4の基材41に接着されている。
【0033】
〔文字板の構成〕
文字板5は、透光性の材料により、図1、2に示すように、太陽電池4の受光部42全体を覆う大きさに形成されている。なお、文字板5は、少なくとも受光部42全体を覆う大きさであればよく、前記文字板受けリング部材3よりも大きく形成してもよい。
この文字板5は、外周端縁から径方向に延出する4つの延出部51と、各延出部51に平面視コ字状に切り欠き形成される2つの第1係合部52、および平面視半円形状に切り欠き形成される2つの第2係合部53とを備える。
文字板5は、少なくとも延出部51が、文字板受けリング部材3の上面30に載置されることで、文字板受けリング部材3に支持される。
第1係合部52は第1文字板固定部33に嵌合され、第2係合部53は第2文字板固定部34に嵌合する。これにより、文字板5は、文字板受けリング部材3に対して周方向に位置決め固定される。
【0034】
〔時計本体の組み立て〕
次に、図1、4〜6を参照して、時計本体10の組み立て方法について説明する。
まず、文字板受けリング部材3でムーブメント2を保持する。この際、ムーブメント2の上方から文字板受けリング部材3をはめ込むとともに、文字板受けリング部材3の支持フック部をムーブメント2の底面に引っ掛けるようにして支持する。また、時計ケースのサイズに応じて、ムーブメント2に図示略の中枠を取り付ける。
【0035】
次に、太陽電池4を以下の手順でムーブメント2に取り付ける。まず、図4に示すように、太陽電池4を二次電池29に導通させる2つの導通ばね7を地板20の穴に配置してから、太陽電池4の裏面に接着された太陽電池保持部材45の案内穴46、47、48内に、前記フック部25、26、27を配置する。
次に、太陽電池保持部材45を太陽電池4ととともに、ムーブメント2に対して時計回りに回転させ、図5に示すように、係止部461、471、481を、フック部25、26、27に係止させる。これにより、太陽電池4および太陽電池保持部材45が地板20に取り付けられて、時計厚さ方向に位置決めされる。
また、太陽電池保持部材45の位置決め部472、482の穴473、483を、位置決め突起28に係合し、太陽電池保持部材45を回転方向に位置決めする。
この際、前記導通ばね7は、太陽電池4の裏面に形成された電極に接触して太陽電池4と導通する。
【0036】
以上の手順により、図6に示すように、太陽電池4および太陽電池保持部材45が、ムーブメント2に固定される。
以上により、太陽電池4および太陽電池保持部材45は、位置決め部472、482の穴473、483が位置決め突起28に係合することで、文字板受けリング部材3の周方向に対して位置決めされる。
【0037】
次に、文字板5を太陽電池4の表面側から文字板受けリング部材3に保持させる。すなわち、第1係合部52を文字板受けリング部材3の第1文字板固定部33に嵌合させ、第2係合部53を第2文字板固定部34に嵌合する。これにより、文字板5は、文字板受けリング部材3の上面30上に載置されて厚み方向に対して位置決めされる。さらに、文字板5は、各係合部52、53が、各文字板固定部33、34に嵌合することで、文字板受けリング部材3の周方向に対して位置決めされる。
以上により、時計本体10が組み立てられる。
【0038】
上述した本実施形態に係る太陽電池付電子時計1によれば、以下の効果を奏する。
(1)ムーブメント2の地板20の上面にフック部25、26、27を形成し、太陽電池4の裏面に接着した太陽電池保持部材45に、係止部461、471、481を有する案内穴46、47、48を形成し、前記フック部25、26、27に係止部461、471、481を係止させて、太陽電池4をムーブメント2に取り付けている。
このため、従来のように、太陽電池保持部材45の外周にフック部を設ける必要がないため、フック部が太陽電池4の外周から突出することがなく、文字板5から透けて見えることもない。従って、太陽電池保持部材45を被覆するための見切り材を配置する必要が無く、見切り径の制約も無くすことができる。よって、文字板5のサイズや見切り径のサイズの自由度が高まり、太陽電池付電子時計1を腕時計として構成する場合、見切り径の大きなビッグサイズの腕時計から見切り径の小さな女性用の腕時計まで、モデルバリエーションの自由度を高めることができる。
【0039】
(2)太陽電池4の固定を、地板20つまりムーブメント2の中心付近で行えるので、ムーブメント2のサイズ内で太陽電池4のサイズを自在に設定できる。このため、ムーブメント2のサイズが異なる場合でも、太陽電池4のサイズは必要な発電量に基づいて最小限の大きさに設定できる。従って、太陽電池4のサイズを、ムーブメント2のサイズに合わせて大きくする必要が無く、太陽電池4のコストも低減できる。
さらに、太陽電池保持部材45と地板20との固定は、フック部25、26、27を案内穴46、47、48に配置して太陽電池保持部材45を回転させ、フック部25、26、27に案内穴46、47、48の周縁の係止部461、471、481を係止させているので、別途ねじ等の接続部品で固定する必要がない。このため、太陽電池4を地板20にねじで固定する場合に比べて、部品数を少なくできてコストを低減でき、地板20の裏面側に配置される部品との干渉も考慮する必要が無いため太陽電池付電子時計1を容易に設計できる。
【0040】
(3)太陽電池4および文字板5を、間隔をあけることなく積層して配置できるので、たとえば、太陽電池4および文字板5間に太陽電池押さえを設けて固定する構造を採用する場合に比べて、太陽電池付電子時計1を薄型化でき、日車21の奥目感も緩和できる。
【0041】
(4)太陽電池4および太陽電池保持部材45を、接着剤や粘着テープを用いて固定しているので、ねじ等の接続部品を用いて固定する場合に比べて、接続部品が太陽電池4の表面に露出することがなく、太陽電池付電子時計1の外観低下を防止できる。
【0042】
(5)太陽電池保持部材45は、日車21を断面的つまり時計厚さ方向に位置決めする部品を兼用するため、部品点数を減らすことができ、組み込み手順も減らすことができるため、コストを低減できる。また、太陽電池保持部材45と日車21の位置決め用の部品との両方を設ける場合に比べて、ムーブメント2の厚さ寸法を小さくできる。
【0043】
(6)太陽電池4の裏面に接着した太陽電池保持部材45は、ステンレス等の金属製で構成できるので、太陽電池4を地板20に取り付ける機能だけでなく、太陽電池4自体の強度を高めるためにも機能する。従って、太陽電池4の基材41として合成樹脂製のフィルムなどを用いることもでき、太陽電池4の薄型化や低コスト化を実現できる。
【0044】
(7)文字板受けリング部材3の表面側の色を、太陽電池4の色と同系色にしたので、太陽電池4および文字板受けリング部材3の色調を合わせることができる。このため、文字板受けリング部材3に対する色調の差によって、太陽電池4の外形が文字板5から透けて見えることを防止でき、時計の文字板5を見た際の外観を向上できる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7,8を用いて説明する。
第2実施形態の太陽電池付電子時計1Aは、図7に示す太陽電池保持部材45Aを備えている。太陽電池保持部材45Aは、本体部450と、前記本体部450から放射状に延出された複数本の腕部49とを備える。
【0046】
本体部450は、前記第1実施形態の太陽電池保持部材45と同様の構成を備える。
すなわち、本体部450は、中心部451、折曲部452、外周部453を備える。また、本体部450には、案内穴46、47、48、係止部461、471、481が形成されている。
従って、前記案内穴46、47、48の係止部461、471、481は、前記第1実施形態と同じく、地板20のフック部25、26、27に係止する。従って、太陽電池保持部材45Aは、フック部25、26、27および係止部461、471、481を利用して地板20に取り付けられる点は、前記第1実施形態と同一である。一方、太陽電池保持部材45Aは、回転方向の位置決めを地板20ではなく、地板20の外周側に設けられた文字板受けリング部材3に係合させることで行っている点で、第1実施形態と相違する。
【0047】
腕部49は、本体部450の外周部453から放射状に延出されている。これらの腕部49の先端は、前記太陽電池4の外周位置、具体的には基材41の外周縁まで延長されている。このため、フィルム製の基材41を用いたフィルムソーラーである太陽電池4は、前記腕部49が傘の骨のように補強材として機能する。
また、腕部49のうち、対向する位置に配置された2本の腕部49には、文字板受けリング部材3に形成された位置決め突起35に係合する位置決め部491が形成されている。すなわち、第2実施形態では、地板20ではなく文字板受けリング部材3に位置決め突起35が形成され、この位置決め突起35に腕部49の位置決め部491を係合させることで、太陽電池保持部材45Aの回転方向の位置決めを行っている。
【0048】
このような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、太陽電池保持部材45Aは、太陽電池4の外周まで延長された腕部49を備えているので、腕部49によって太陽電池4を補強することができる。
さらに、太陽電池4の外周まで延長された腕部49に、文字板受けリング部材3に形成された位置決め突起35に係合する位置決め部491が設けられているので、位置決め部491をピンセットなどでつまんで太陽電池保持部材45Aを容易に着脱できる。このため、太陽電池4および太陽電池保持部材45Aを、地板20や文字板受けリング部材3に対して着脱する時の作業効率も向上できる。
さらに、太陽電池保持部材45Aでは、本体部450の外周側に、必要最小限の腕部49のみを配置すればよいので、腕部49の先端間の直径を有する円板で太陽電池保持部材を形成した場合に比べて太陽電池保持部材45Aを軽量化できる。
【0049】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、円環状の文字板受けリング部材3を用いていたが、平面矩形枠状の文字板受けリング部材を用いてもよい。このような文字板受けリング部材を用いれば、文字板や時計ケースが角型のモデルを構成できる。
【0050】
前記実施形態では、地板20側にフック部25、26、27を形成し、太陽電池保持部材45,45A側に案内穴46、47、48を形成していたが、逆に地板20側に案内穴を形成し、太陽電池保持部材45、45A側にフック部を形成してもよい。
【0051】
前記実施形態では、太陽電池保持部材45,45Aを、接着剤や粘着テープで太陽電池4の裏面に固定していたが、他の固定方法で固定してもよい。たとえば、太陽電池4の基材41が金属板の場合には、太陽電池保持部材45,45Aをカシメ等で固定してもよい。
【0052】
また、前記実施形態では、太陽電池保持部材45,45Aは、日車21の時計厚さ方向の位置決め部材を兼用していたが、日車21の時計厚さ方向の位置決めは他の部品で行ってもよい。
【0053】
前記実施形態では、文字板受けリング部材3の色が太陽電池4の色と同系色であったが、これらが異なる色であってもよい。特に、ダイヤルリング等の見切り材によって文字板受けリング部材3の露出面が被覆される場合には、文字板受けリング部材3の色を太陽電池4に合わせる必要は無い。
前記実施形態では、本発明に係る時計として、腕時計タイプの時計を例示して説明したが、これに限らず、壁掛け時計等、他のタイプの時計であってもよい。
【0054】
前記第2実施形態では、太陽電池保持部材45Aを、本体部450と、前記本体部450から放射状に延出された複数本の腕部49とを備える構成としていたが、地板20への取付構造と、文字板受けリング部材3に対して回転方向の位置決めを行う構造とを備える他の構成であってもよい。たとえば、太陽電池保持部材を、一枚の円形状の板や、渦巻状の板などで構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1,1A…太陽電池付電子時計、2…ムーブメント、3…文字板受けリング部材、4…太陽電池、5…文字板、10…時計本体、20…地板、21…日車(暦車)、25,26,27…フック部、28,35…位置決め突起、41…基材、42…受光部、44…係合溝、45,45A…太陽電池保持部材、46,47,48…案内穴、49…腕部、251…立上部、252…延長部、450…本体部、451…中心部、452…折曲部、453…外周部、461,471,481…係止部、472,482,491…位置決め部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と、
前記太陽電池の時計表側に配置された透光性の文字板と、
前記太陽電池の裏面に固定された太陽電池保持部材と、
前記太陽電池保持部材の裏面に配置される地板とを備え、
前記太陽電池保持部材および地板の互いに対向する対向面の一方にはフック部が形成され、他方には前記フック部を配置可能に形成された案内穴が形成され、
前記案内穴内に前記フック部を配置した状態で、前記地板に対して前記太陽電池保持部材を回転して前記案内穴の周縁を前記フック部に係止させることで、前記太陽電池保持部材が前記地板に固定される
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池付電子時計において、
前記太陽電池保持部材は、前記太陽電池の裏面に接着剤または粘着テープで固定される
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池付電子時計において、
前記太陽電池保持部材は、前記地板に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備える
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池付電子時計において、
ムーブメントの外周に沿って設けられたリング部材を備え、
前記太陽電池保持部材は、前記リング部材に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備える
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項5】
請求項4に記載の太陽電池付電子時計において、
前記太陽電池保持部材は、前記フック部または案内穴が形成された本体部と、前記本体部から放射状に延出された複数本の腕部とを備え、
少なくとも1本以上の前記腕部の先端には、前記位置決め部が形成されている
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の太陽電池付電子時計において、
前記地板の表面には円環状の暦車が配置され、
前記太陽電池保持部材は、前記暦車の時計厚さ方向の位置決め機能を備える
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項1】
太陽電池と、
前記太陽電池の時計表側に配置された透光性の文字板と、
前記太陽電池の裏面に固定された太陽電池保持部材と、
前記太陽電池保持部材の裏面に配置される地板とを備え、
前記太陽電池保持部材および地板の互いに対向する対向面の一方にはフック部が形成され、他方には前記フック部を配置可能に形成された案内穴が形成され、
前記案内穴内に前記フック部を配置した状態で、前記地板に対して前記太陽電池保持部材を回転して前記案内穴の周縁を前記フック部に係止させることで、前記太陽電池保持部材が前記地板に固定される
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池付電子時計において、
前記太陽電池保持部材は、前記太陽電池の裏面に接着剤または粘着テープで固定される
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池付電子時計において、
前記太陽電池保持部材は、前記地板に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備える
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池付電子時計において、
ムーブメントの外周に沿って設けられたリング部材を備え、
前記太陽電池保持部材は、前記リング部材に形成された位置決め突起に係合して回転方向の位置決めを行う位置決め部を備える
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項5】
請求項4に記載の太陽電池付電子時計において、
前記太陽電池保持部材は、前記フック部または案内穴が形成された本体部と、前記本体部から放射状に延出された複数本の腕部とを備え、
少なくとも1本以上の前記腕部の先端には、前記位置決め部が形成されている
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の太陽電池付電子時計において、
前記地板の表面には円環状の暦車が配置され、
前記太陽電池保持部材は、前記暦車の時計厚さ方向の位置決め機能を備える
ことを特徴とする太陽電池付電子時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−113738(P2013−113738A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260717(P2011−260717)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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