説明

契約支援サーバ、契約支援システム及び契約支援システムの制御方法

【課題】契約を締結するための手続きの効率化を図る。
【解決手段】契約支援サーバ200を提供する。契約支援サーバ200は、運転免許証を撮像して得た確認データD1を携帯電話機100から受信可能であり、各々が締結すべき契約内容に関連して事前に用意された複数の申込データD2を管理する。また、契約支援サーバ200は、確認データD1を受信する受信部240と、複数の申込データD2を記憶する記憶部220と、受信した確認データD1に対応する申込データD2を記憶部220から読み出す読出処理と、受信した申込データD2と読み出された申込データD2とに基づいて、締結すべき契約の条件及び内容を示す契約データを生成する生成処理を実行する情報処理部210とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約支援サーバとその制御方法と契約支援システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車保険契約などの契約を締結する際には、保険会社は、被保険者の運転免許証などの確認書類を用いて、契約の条件及び内容を確認した上で契約を締結する。この締結のための手続きとしては、特許文献1の記載のように、確認書類を貼り付けた申込書が、申込者から保険会社へ、ファクシミリ又は郵送などの紙を用いる手段によって渡され、渡された紙を保険会社の従業員が目視して、又は渡された紙からOCRによって読み取られた文字を保険会社の従業員が目視して上記の確認を行う、というものが一般的である。このような手続きの効率化に寄与しうる技術としては、特許文献2及び3に記載のシステムが挙げられる。これらのシステムでは、コンピュータネットワーク経由での画像データの送受信によって手続きが進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−348302号公報
【特許文献2】特開2008−234291号公報
【特許文献3】特開2009−238151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、上記の確認作業において保険会社の従業員による目視が不可欠であり、契約を締結するための手続きの効率が悪い。また、特許文献2には、保険会社の従業員による目視を排除するための構成が記載されていない。つまり、契約を締結するための手続きの効率化を達成する技術は提案されていない。なお、特許文献3に記載のシステムは、保険契約の見積りを簡易に取得するためのシステムであり、契約を締結するための手続きの効率化を図るものではない。
そこで、本発明は、契約を締結するための手続きの効率化を解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の契約支援サーバは、少なくとも契約を締結するために確認が必要な書類を撮像して得た第1データを携帯端末から受信可能であり、各々が締結すべき契約内容に関連して事前に用意された複数の第2データを管理する契約支援サーバであって、前記第1データを受信する受信部と、前記複数の第2データを記憶する記憶部と、受信した前記第1データに対応する前記第2データを前記記憶部から読み出す読出処理と、受信した前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成する生成処理を実行する情報処理部とを備える。
契約を締結するために確認が必要な書類は、例えば、運転免許証などの確認書類である。締結すべき契約内容に関連して事前に用意された第2データは、例えば、契約の締結を申し込む申込書に記載された情報を示す申込データである。携帯端末は、例えば携帯電話機である。
この契約支援サーバによれば、例えば確認書類に由来する第1データと、例えば申込書に由来する第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データが生成されるから、人の目視による確認作業を排除することができる。また、携帯端末を用いることができるから、場所を選ぶことなく、効率的に契約手続きを行うことができる。よって、この契約支援サーバによれば、契約を締結するための手続きが効率化される。
【0006】
上記の契約支援サーバにおいて、前記携帯端末は、前記第1データと契約を識別する識別情報とを送信し、前記受信部は、前記第1データと前記識別情報を受信し、前記記憶部は、前記複数の第2データを前記識別情報と対応付けて記憶しており、前記情報処理部は、前記読出処理において、受信した前記識別情報に対応する前記第2データを前記記憶部から読み出し、前記生成処理において、前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成するようにしてもよい(態様1)。
態様1では、情報処理部は、第1データを送信する携帯端末からの識別情報に対応付けられた第2データを読み出せばよい。つまり、態様1によれば、第1データに確実に対応する第2データを容易に特定することができる。
なお、識別情報は、識別情報が記載された紙を撮像して得られた情報であってもよいし、手入力されたものであってもよい。識別情報の典型例は、数字や文字で表される識別番号(例えば証券番号)であるが、QRコードなどの記号、あるいは、数字、文字、及び記号の組み合わせも「識別情報」に含まれる。
【0007】
第1態様において、前記情報処理部は、前記読出処理において、前記識別情報に対応する前記第2データが記憶されておらず読み出すことが不能な場合、対応する前記第2データが登録されていない旨を前記携帯端末に返信する第1エラー処理(例えば図7のS253及びS254)を実行するようにしてもよい。この態様によれば、第2データが登録されていないことを携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。
【0008】
態様1において、前記第1データは契約の条件を示しており、前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データの示す契約の条件と、前記第1データの示す契約の条件が不一致である場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信する第2エラー処理(例えば図7のS260)を実行するようにしてもよい。
「利用者にとって有利」とは、典型的には、保険料が安くなる場合や、付帯するサービスが向上する場合が該当するほか、保険料が同じで保険金が高くなる場合などが該当する。
前述のように、第2データは、例えば、契約の締結を申し込む申込書に記載された情報を示す申込データである。したがって、第2データの示す契約の条件は、利用者が予期している条件と考えられる。よって、第2データの示す契約の条件よりも利用者にとって不利な条件の契約が締結されると、利用者が予期せぬ不利益を被る虞がある。しかし、この態様によれば、第2データの示す契約の条件と第1データの示す契約の条件が不一致である場合には契約データが生成されないから、利用者が予期せぬ不利益を被る事態を回避することができる。また、この態様によれば、第2データの示す契約の条件と第1データの示す契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は契約の条件を満たすように第2データを変更することを促すメッセージを携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。
【0009】
態様1において、前記第1データは契約の条件を示しており、前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データの示す契約の条件よりも前記第1データの示す契約の条件が利用者にとって有利な場合、前記第1データを用いて前記契約データを生成し、前記第2データの示す契約の条件よりも前記第1データの示す契約の条件が利用者にとって不利な場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信する第3エラー処理(例えば図7のS263)を実行するようにしてもよい。
この態様によれば、利用者が予期せぬ不利益を被る事態を回避することができるとともに、第2データの示す契約の条件と第1データの示す契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は契約の条件を満たすように第2データを変更することを促すメッセージを携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。加えて、この態様によれば、第2データの示す契約の条件と第1データの示す契約の条件が不一致である場合にも契約データが生成されうるから、契約を締結するための手続きが更に効率化される。なお、前記第1データを用いて前記契約データを生成する場合、携帯端末の使用者へ前記第1データを用いて前記契約データを生成するか否かを通知し、携帯端末の使用者に前記契約データを生成するか否かを選択させるようにしてもよい。
【0010】
態様1において、前記第1データは契約の内容を示しており、前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データよりも前記第1データの示す契約の内容を優先させて、前記契約データを生成するようにしてもよい(態様2)。態様2によれば、第2データの示す契約の内容と第1データの示す契約の内容が不一致であっても契約データの生成は中止されないから、契約を締結するための手続きが更に効率化される。また、態様2によれば、第1データの示す契約の内容については、第2データに関わらず、第1データの示す契約の内容に基づいて契約データが生成されるから、第2データが示すべき契約の内容(例えば申込書に記載すべき情報)を削減することができる。これは、契約を締結するための手続きの効率化に寄与する。また、一般に、第2データ(例えば申込書)よりも第1データ(例えば運転免許証)の示す契約の内容の方が正確であるから、態様2によれば、より正確な内容の契約を締結することができる。
【0011】
態様2において、前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データよりも前記第1データの示す契約の内容を優先させて前記契約データを生成した場合、優先させた前記第1データの内容を前記携帯端末に送信する変更通知処理を実行するようにしてもよい。この態様によれば、締結された契約の内容と利用者が予期していた契約の内容との相違を携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。
【0012】
上記の各態様において、前記第1データを格納する格納部を備え、前記情報処理部は、所定の周期で前記格納部から前記第1データを取得して、前記読出処理及び前記生成処理を実行するようにしてもよい。この態様によれば、第1データが格納部へ格納された後に当該第1データに対応する第2データが記憶部に記憶された場合にも、確実に、読出処理及び生成処理を実行することができる。
【0013】
上記の各態様において、前記第1データは前記携帯端末において撮像データを変換した文字データであるか、前記第1データは撮像データであり、前記情報処理部は、受信した前記第1データを文字データに変換する変換処理を前記読出処理及び前記生成処理の前に実行するようにしてもよい。第1データが文字データの場合には、通信量を削減することができる。第1データが撮像データ場合には、携帯端末におけるデータ処理を軽減することができる。
【0014】
上記の各態様において、前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、前記第1データには優良運転者情報が含まれるようにしてもよい。確認書類としては運転免許証が一般的である。また、自動車保険契約としては、被保険者が優良運転者であるか否かに応じて条件が変わるものが多い。よって、この態様によれば、多くの自動車保険契約について、締結の手続きの効率化を図ることができる。
【0015】
前述の課題を解決するために、本発明の契約支援システムは、上記の各態様の契約支援サーバと、前記契約支援サーバとの間で通信を実行し、前記第1データを送信する携帯端末とを備える。この契約支援システムによれば、備える契約支援サーバにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0016】
前述の課題を解決するために、本発明の契約支援サーバの制御方法は、契約を締結するために確認が必要な書類を撮像して得た第1データと契約を識別する識別情報とを携帯端末から受信可能であり、各々が締結すべき契約内容に関連して事前に用意された複数の第2データを記憶部に記憶して管理する契約支援サーバの制御方法であって、受信した前記識別情報に対応する前記第2データを前記記憶部から読み出し、受信した前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成する(態様3)。
この制御方法によれば、契約支援サーバにおいて、例えば確認書類に由来する第1データと、例えば申込書に由来する第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データが生成されるから、人の目視による確認作業を排除することができる。また、携帯端末を用いることができるから、場所を選ぶことなく、効率的に契約手続きを行うことができる。よって、契約を締結するための手続きが効率化される。
【0017】
態様3において、前記契約は自動車保険に関するものであり、前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、前記第1データには、優良運転者情報が含まれており、前記複数の第2データの各々には、優良運転者情報が含まれており、前記契約データを生成する処理において、前記第2データに含まれる優良運転者情報と、前記第1データに含まれる優良運転者情報とが不一致である場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信するようにしてもよい。
【0018】
この態様によれば、第2データに含まれる優良運転者情報と第1データに含まれる優良運転者情報とが不一致である場合には契約データが生成されないから、利用者が予期せぬ不利益を被る事態を回避することができる。また、この態様によれば、契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は契約の条件を満たすように第2データを変更することを促すメッセージを携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。また、この態様によれば、多くの自動車保険契約について、締結の手続きの効率化を図ることができる。
【0019】
態様3において、前記契約は自動車保険に関するものであり、前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、前記第1データには、優良運転者情報が含まれており、前記複数の第2データの各々には、優良運転者情報が含まれており、前記契約データを生成する処理において、前記第2データに含まれる優良運転者情報が優良運転者でないことを示し、前記第1データに含まれる優良運転者情報が優良運転者であることを示す場合、前記第1データを用いて前記契約データを生成し、前記第2データに含まれる優良運転者情報が優良運転者であることを示し、前記第1データに含まれる優良運転者情報が優良運転者でないことを示す場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信するようにしてもよい。
【0020】
この態様によれば、利用者が予期せぬ不利益を被る事態を回避することができるとともに、契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は契約の条件を満たすように第2データを変更することを促すメッセージを携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。加えて、この態様によれば、第2データに含まれる優良運転者情報と、第1データに含まれる優良運転者情報とが不一致である場合にも契約データが生成されうるから、契約を締結するための手続きが更に効率化される。また、この態様によれば、多くの自動車保険契約について、締結の手続きの効率化を図ることができる。
【0021】
態様3において、前記契約は自動車保険に関するものであり、前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、前記第1データには、住所情報が含まれており、前記契約データを生成する処理において、前記第2データの示す住所情報と前記第1データに含まれる住所情報とが不一致の場合、前記第2データの住所情報よりも前記第1データの住所情報を優先させて、前記契約データを生成するようにしてもよい。
この態様によれば、第2データの示す住所情報と第1データに含まれる住所情報とが不一致の場合であっても契約データの生成は中止されないから、契約を締結するための手続きが更に効率化される。また、この態様によれば、住所情報については、第2データに関わらず、第1データの示す住所情報に基づいて契約データが生成されるから、第2データが示すべき契約の内容(例えば申込書に記載すべき情報)から住所情報を削ることができる。これは、契約を締結するための手続きの効率化に寄与する。また、一般に、第2データ(例えば申込書)よりも第1データ(運転免許証)の示す契約の内容の方が正確であるから、この態様によれば、より正確な内容の契約を締結することができる。また、この態様によれば、多くの自動車保険契約について、締結の手続きの効率化を図ることができる。
【0022】
この態様において、前記契約データを生成する処理において、前記第2データよりも前記第1データの示す契約の内容を優先させて前記契約データを生成した場合、優先させた前記第1データの内容を前記携帯端末に送信するようにしてもよい。この態様によれば、締結された契約の内容と利用者が予期していた契約の内容との相違を携帯端末の使用者へ簡単に通知することができる。
【0023】
本発明は、以上の各態様に係る契約支援サーバとしてコンピュータを機能させるためのプログラムとしても特定される。本発明のプログラムは、契約を締結するために確認が必要な書類を撮像して得た第1データと契約を識別する識別情報とを携帯端末から受信可能であり、各々が締結すべき契約内容に関連して事前に用意された複数の第2データを記憶部に記憶して管理する契約支援サーバに、受信した前記識別情報に対応する前記第2データを前記記憶部から読み出す読出処理と、受信した前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成する生成処理とを実行させる。以上のプログラムによれば、本発明に係る契約支援サーバと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1〜第6実施形態に係る契約支援システム10の構成を示すブロック図である。
【図2】契約支援システム10で用いられる申込書の一部を例示する図である。
【図3】契約支援システム10で用いられる運転免許証を例示する図である。
【図4】本発明の第1実施形態における携帯電話機100と契約支援サーバ200との間の通信に係る処理のフローチャートである。
【図5】同実施形態における撮像の様子を示す図である。
【図6】同実施形態における文字データの内容を例示する模式図である。
【図7】同実施形態における確認締結処理のフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態における撮像の様子を示す図である。
【図9】同実施形態におけるデータ送信処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態におけるデータ受信処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態におけるデータ送信処理及びデータ受信処理のフローチャートである。
【図12】同実施形態の変形例(変形例1)におけるデータ送信処理及びデータ受信処理のフローチャートである。
【図13】同実施形態の変形例(変形例2)におけるデータ受信処理のフローチャートである。
【図14】本発明の第5実施形態における文字データの内容を例示する模式図である。
【図15】同実施形態における確認締結処理のフローチャートである。
【図16】本発明の第6実施形態における文字データの内容を例示する模式図である。
【図17】同実施形態における確認締結処理のフローチャートである。
【図18】同実施形態の変形例(変形例17)における確認締結処理のフローチャートである。
【図19】本発明に係る変形例19におけるデータ送信処理の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<各実施形態に共通の構成>
図1は、本発明の第1〜第6実施形態に係る契約支援システム10の構成を示すブロック図である。契約支援システム10は、自動車保険契約を締結するためのコンピュータシステムであり、1又は複数の携帯電話機100と、1つの契約支援サーバ200と、1又は複数の端末300と、1つの契約管理サーバ400とを備える。契約支援サーバ200は、無線区間を包含する通信網(例えばインターネット)を介して、携帯電話機100、端末300、契約管理サーバ400と通信可能である。
【0026】
携帯電話機100は、保険契約の手続きを代理する代理店の従業員に携帯される電話機であり、情報処理部110、記憶部120、送信部130、受信部140、撮像部150、表示部160及び操作部170を備える。情報処理部110は、各種の情報を処理するCPU(中央処理装置)であり、後述の第1プログラムを実行することにより、各種の処理を実行することができる。つまり、携帯電話機100は、コンピュータシステムでもある。
【0027】
記憶部120は、データを書き換え可能に記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)で構成される。図示を略すが、記憶部120には、携帯電話機100の各部を制御するための第1プログラムと、携帯電話機100の電子メールアドレスと、契約支援サーバ200の電子メールアドレスとが記憶される。なお、第1プログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態や、通信網を介した配信の形態で提供されうる。
【0028】
送信部130は、情報処理部110から供給されたデータを無線信号に変換して通信網の無線区間へ送出する。受信部140は、通信網の無線区間から到来した無線信号をデータに変換して情報処理部110へ供給する。つまり、情報処理部110は、無線区間との間での無線信号の授受により、契約支援サーバ200へデータ(電子メール)を送信したり、契約支援サーバ200から携帯電話機100へのメッセージ(電子メール)を受信したりすることができる。
【0029】
撮像部150は、情報処理部110に制御されるカメラであり、携帯電話機100外の撮像領域内の光景を撮像して撮像データ(画像データ)を生成し、情報処理部110へ供給する。つまり、情報処理部110は、撮像領域に係る撮像データを取得する撮像処理を実行することができる。なお、得られた撮像データは、記憶部120に記憶されることなく、情報処理部110へ供給した後、自動的に消去されるようにしてもよい。また、携帯電話機100の使用者が、撮像データを情報処理部110へ供給した後、手動で消去してもよい。
【0030】
表示部160は、例えば液晶ディスプレイであり、情報処理部110から供給された画像データで示される画像を表示する。なお、表示部160に変えて、情報を報知する任意の報知部を採用してもよい。操作部170は、例えば複数のボタンを備え、これらのボタンの操作に応じた信号を情報処理部110へ供給する。携帯電話機100の使用者は、操作部170を操作することで、各種の指示を携帯電話機100に入力することができる。
【0031】
契約支援サーバ200は、保険契約の手続きを支援するサービスを提供するコンピュータシステムであり、保険会社に配置され、情報処理部210、記憶部220、送信部230及び受信部240を備える。情報処理部210は、各種の情報を処理するCPU(中央処理装置)であり、後述の第2プログラムを実行することにより、各種の処理を実行することができる。
【0032】
記憶部220は、データを書き換え可能に記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えばハードディスクで構成される。記憶部220には、契約支援サーバ200の各部を制御するための第2プログラムと、携帯電話機100の電子メールアドレスと、契約支援サーバ200の電子メールアドレスとが記憶される。第2プログラムは、前述の第1プログラムと同様の形態で提供されうる。また、記憶部220の記憶領域には、後述の確認データD1が格納される格納部221と、後述の申込データ(第2データ)D2が格納される申込DB(データベース)222が確保される。
【0033】
送信部230は、情報処理部210から供給されたデータを信号に変換して通信網へ送出する。受信部240は、通信網から到来した信号をデータに変換して情報処理部210へ供給する。つまり、情報処理部210は、通信網との間での信号の授受により、携帯電話機100へメッセージ(電子メール)を送信したり、携帯電話機100から契約支援サーバ200へのデータ(電子メール)を受信したり、端末300へデータを送信したり、端末300から契約支援サーバ200へのデータを受信したり、契約管理サーバ400へデータを送信したりすることができる。
【0034】
端末300は、一般的なパーソナルコンピュータシステムであり、保険会社に配置され、キーボードなどの操作部310と、液晶ディスプレイなどの表示部320とを備え、通信網との間での信号の授受により、契約支援サーバ200との間でデータを送受信することができる。保険会社の従業員は、操作部310を用いて端末300を操作することにより、自動車保険契約の締結を申込む申込者(利用者)から提出された自動車保険契約申込書(以降、「申込書」と称する)に記載された情報を端末300に入力して申込データD2を生成させたり、生成した申込データD2を契約支援サーバ200へ送信させたり、契約支援サーバ200から受信した契約データで示される情報を表示部320に表示させたりすることができる。契約データは、締結された自動車保険契約の条件及び内容を示すデータである。
【0035】
契約管理サーバ400は、契約データを管理するサービスを提供するコンピュータシステムであり、保険会社に配置され、契約データが格納される契約DB410を有する。契約管理サーバ400は、通信網を介して契約支援サーバ200から契約データを受信し、契約DB410に格納することができる。保険会社の従業員は、契約管理サーバ400を直接的に、又は図示しない端末から通信網を介して間接的に操作することにより、契約管理サーバ400によって提供されるサービスを受けることができる。
【0036】
図2は、契約支援システム10で用いられる申込書の一部を例示する図である。この図に示すように、申込書には、「証券番号」や、被保険者の「住所」、「氏名」、「生年月日」、「免許証色」などの項目名が並んでおり、各項目名の近くに当該項目の内容の記載欄が設けられている。申込者は、これらの記載欄への情報の記載が完了した申込書を代理店の従業員に提出することにより、自動車保険契約の締結を申込む。なお、申込者と被保険者とは同一であってもよい。さらに、申込書は、申込者が保険会社に提出して申込を行ってもよい。
【0037】
申込書に記載される情報は、証券番号と申込情報とに分かれる。証券番号は、自動車保険証券を識別する番号であり、自動車保険契約の締結時までに保険会社によって付与され、自動車保険契約を識別する識別情報として用いられる。例えば、図2の申込書によって締結される自動車保険契約は、「A23456789」という証券番号によって識別される。申込情報は、具体的には、被保険者の住所情報、氏名情報、生年月日情報、免許証色情報などである。前述の申込データD2は、これらの申込情報を包含するデータであり、自動車保険契約の条件及び内容を示す。なお、申込情報はもちろん、証券番号も、申込前に記載される。
【0038】
代理店の従業員に提出された申込書は、保険会社に提出される。保険会社の従業員は、端末300を操作して、提出された申込書に記載された証券番号及び申込情報を入力し、入力した証券番号と生成された申込データD2(申込情報)とを契約支援サーバ200へ送信させる。送信された証券番号および申込データD2は、契約支援サーバ200の情報処理部210により受信され、互いに対応付けられて申込DB222に格納される。
【0039】
ところで、保険会社は、自動車保険契約の締結に先立って、申込書とは別の書類を確認する必要がある。この確認にかかる手続きと、その後の契約締結に至るまでの手続きとの効率化が各実施形態の目的である。自動車保険契約を締結するために確認が必要な書類(以降、「確認書類」と称する)は、典型的には被保険者の運転免許証である。
【0040】
図3は、優良運転者の運転免許証を例示する図である。図3に示すように、運転免許証には、運転者の氏名(日本 興太郎)、住所(東京都千代田区霞ヶ関3−7−3)、生年月日(昭和35年8月1日)、運転免許証の有効期限(平成25年9月1日)が所定の様式で記載されている。有効期限を示す文字列の背景色(免許証色)は、優良運転者の場合にはゴールド(金色)、非優良運転者の場合にはブルー(青色)又はグリーン(緑色)である。また、優良運転者の運転免許証には、優良運転者であることを示す文字列「優良」が所定の様式で記載されている。
【0041】
<第1実施形態>
第1実施形態では、携帯電話機100の情報処理部110は、撮像部150から供給された撮像データをOCR(Optical Character Recognition)によって文字データに変換することができる。また、第1実施形態では、確認書類は被保険者の運転免許証であり、運転免許証は証券番号とともに撮像される。以降、運転免許証を確認する際の契約支援システム10の動作について説明する。
【0042】
図4は、第1実施形態における携帯電話機100と契約支援サーバ200との間の通信に係る処理のフローチャートである。図4に示すように、第1実施形態では、携帯電話機100の情報処理部110がデータ送信処理とメッセージ受信処理とを実行し、契約支援サーバ200の情報処理部210がデータ受信処理とメッセージ送信処理とを実行する。
【0043】
データ送信処理は、運転免許証に係るデータを契約支援サーバ200へ送信する処理であり、代理店の従業員が操作部170を操作して携帯電話機100に特定の指示を入力すると開始する。特定の指示の入力は、図5に例示するように、運転免許証と申込書に記載された証券番号とが撮像領域内に収まるように運転免許証と申込書と携帯電話機100とを配置してから行われる。
【0044】
特定の指示が入力されると、情報処理部110は、まず撮像処理を実行する(S101)。これにより、撮像部150から情報処理部110へ、運転免許証の撮像データと申込書に記載された証券番号の撮像データとを包含する撮像データが供給される。次に情報処理部110は、この撮像データをOCRによって文字データに変換する変換処理を実行する(S102)。
【0045】
図6は、第1実施形態における文字データの内容を例示する模式図である。図6に示すように、文字データは、情報を項目毎に文字で示すデータであり、証券番号と確認データ(第1データ)D1とを包含する。確認データD1は、運転免許証に記載された情報のうち、自動車保険契約の締結時の確認において必要な情報を含むデータである。
【0046】
つまり、変換処理では、運転免許証に記載された情報のうち、自動車保険契約の締結時の確認において必要な情報のみが選択されて変換される。この選択が可能なのは、運転免許証のどこに何が記載されているかが予め判明しているからである。なお、運転免許証に記載された総ての情報を変換し、変換後の情報のうち、自動車保険契約の締結時の確認において必要な情報のみを選択して確認データD1を生成するようにしてもよい。
【0047】
図4において、次に情報処理部110は、こうして得られた文字データを契約支援サーバ200へ送信する(S103)。契約支援サーバ200の情報処理部210は、携帯電話機100からの文字データが到来する度、データ受信処理を実行する。具体的には、情報処理部210は、携帯電話機100から到来したデータを受信し(S201)、受信したデータに含まれている確認データD1と証券番号とを互いに対応付けて格納部221に格納する(S202)。
【0048】
また、携帯電話機100の情報処理部110は、契約支援サーバ200からのメッセージが到来する度、メッセージ受信処理を実行する。具体的には、情報処理部110は、到来したメッセージを受信し(S151)、メッセージの受信を代理店の従業員に通知する(S152)。この通知では、メッセージを受信した旨の画像が表示部160に表示される。情報処理部210が如何なる契機で如何なるメッセージを送信するかについては、次に説明する通りである。
【0049】
図7は、第1実施形態における確認締結処理のフローチャートである。この確認締結処理は、確認の上で自動車保険契約を締結する処理であり、情報処理部210によって、格納部221に格納された確認データD1毎に、一定の時間間隔(例えば1日)で実行される。ある確認データD1を「対象確認データD1」としたとき、対象確認データD1に係る確認締結処理では、情報処理部210は、まず、対象確認データD1に対応する申込データD2(以降、「対象申込データD2」と称する)を申込DB222から読み出す読出処理を実行する。
【0050】
読出処理において、情報処理部210は、まず、対象申込データD2の取得処理を行う(S251)。具体的には、対象確認データD1に対応付けられた証券番号と同じ証券番号に対応付けられた申込データD2(対象申込データD2)の申込DB222からの読み出しを試行する。この試行は、対象申込データD2が申込DB222に格納されている場合には成功し、格納されていない場合には失敗する。次に情報処理部210は、この試行が成功したか否か、すなわち対象申込データD2を取得できたか否かを判定する(S252)。
【0051】
この判定結果が否定の場合、すなわち対象申込データD2が申込DB222に格納されていない場合には、情報処理部210は、対象確認データD1の受信から所定時間(例えば1週間)が経過したか否かを判定する(S253)。この判定の結果が否定の場合には、読出処理及び確認締結処理も終了する。一方、この判定の結果が肯定の場合、情報処理部210は、第1エラー処理を行う。第1エラー処理において、情報処理部210は、申込書の提出を促すメッセージを、対象確認データD1の送信元の携帯電話機100へ返信する(S254)。そして、第1エラー処理、読出処理及び確認締結処理が終了する。メッセージの宛先の携帯電話機100では、前述のメッセージ受信処理が行われる。
【0052】
なお、申込書の提出を促すメッセージに代えて、該当する申込データD2が登録されていないことを示すメッセージを送信するようにしてもよい。ただし、どちらのメッセージであっても、代理店の従業員が該当する自動車保険契約を特定することができる情報(例えば証券番号)を包含したメッセージでなければならない。これは、確認締結処理において送信される他のメッセージにもあてはまる。
【0053】
対象申込データD2を取得できた場合(S252:YES)、情報処理部210は、対象確認データD1と対象申込データD2とに基づいて、締結すべき契約の条件及び内容を示す契約データを生成する生成処理を実行する。生成処理では、情報処理部210は、まず、対象申込データD2と対象確認データD1とに基づいて、取得した申込情報(以降、「対象申込情報」と称する)に含まれる氏名情報と対象確認データD1が示す氏名情報とが一致しているか否かを判定する(S255)。
【0054】
この判定の結果が否定の場合、すなわち両氏名情報が不一致の場合には、情報処理部210は、運転免許証に記載された氏名情報と該当する申込書(以降、「対象申込書」と称する)に記載された被保険者の氏名情報とが不一致であることを示すメッセージを、対象確認データD1の送信元の携帯電話機100へ返信する(S256)。これで、生成処理及び確認締結処理が終了する。
【0055】
このメッセージを視認した代理店の従業員は、対象確認データD1と対象申込データD2とのどちらが誤っているかを調べ、対象申込データD2を申込DB222から削除し、被保険者の氏名情報を訂正した申込書を提出する作業か、対象確認データD1を格納部221から削除し、正しい運転免許証に係る文字データを携帯電話機100から契約支援サーバ200へ送信する作業を行う。
【0056】
一方、両氏名情報が一致している場合(S255:YES)、情報処理部210は、対象確認データD1に基づいて、本日が運転免許証の有効期限内の日であるか否かを判定する(S257)。この判定の結果が否定の場合には、情報処理部210は、有効期限を過ぎた確認書類であることを示すメッセージを、対象確認データD1の送信元の携帯電話機100へ返信する(S258)。これで、生成処理及び確認締結処理が終了する。なお、両氏名が合致しているか否かの判定(S255)と、本日が運転免許証の有効期限内の日であるか否かの判定(S257)との順序は任意である。
【0057】
ところで、第1実施形態では、被保険者の優良運転者情報(優良運転者/非優良運転者)が異なると、保険金は同じでも保険料は異なる。例えば、保険金が同じでも、被保険者が優良運転者の場合には保険料が安くなり、被保険者が非優良運転者の場合には保険料が高くなる。また、被保険者が属する年齢層が異なると、保険金は同じでも保険料は異なる。このように、第1実施形態では、被保険者の優良運転者情報と被保険者が属する年齢層とは、それぞれ、自動車保険契約の条件(権利及び義務)を示している。以降の説明では、適宜、被保険者の優良運転者情報を「運転者条件」と称し、被保険者が属する年齢層を「年齢条件」と称する。
【0058】
本日が運転免許証の有効期限内の日である場合(S257:YES)、情報処理部210は、対象申込データD2と対象確認データD1とに基づいて、対象確認データD1が示す生年月日が、対象申込データD2に由来する年齢条件を満たすか否かを判定する(S259)。すなわち、被保険者の運転免許証に記載された生年月日から定まる年齢条件と、被保険者について対象申込書に記載された生年月日から定まる年齢条件とが一致するか否かを判定する。
【0059】
この判定の結果が否定の場合、情報処理部210は、第2エラー処理を行う。第2エラー処理では、情報処理部210は、年齢条件を満たす申込書の提出を促すメッセージ(年齢条件を満たすように対象申込データD2を変更することを促すメッセージ)を、対象確認データD1の送信元の携帯電話機100へ返信する(S260)。これで、第2エラー処理、生成処理及び確認締結処理が終了する。なお、このメッセージに代えて、対象申込書に由来する年齢条件と運転免許証に由来する年齢条件とが不一致であることを示すメッセージを送信するようにしてもよい。
【0060】
対象確認データD1が示す生年月日が、対象申込データD2に由来する年齢条件を満たす場合には(S259:YES)、情報処理部210は、対象確認データD1に基づいて、被保険者が優良運転者であるか否かを判定する(S261)。この判定の結果が否定の場合、情報処理部210は、対象申込書に記載された免許証色から定まる優良運転者情報が優良運転者であることを示しているか否かを判定する(S262)。
【0061】
この判定の結果が肯定の場合、すなわち実際の免許証色がブルー又はグリーンであるにも関わらず対象申込書に記載された免許証色がゴールドの場合、情報処理部210は、第3エラー処理を行う。つまり、対象申込データD2の示す運転者条件よりも対象確認データD1の示す運転者条件が申込者にとって不利な場合には、第3エラー処理が行われる。
【0062】
第3エラー処理では、情報処理部210は、運転者条件を満たす申込書の提出を促すメッセージ(運転者条件を満たすように対象申込データD2を変更することを促すメッセージ)を、対象確認データD1の送信元の携帯電話機100へ返信する(S263)。これで、第3エラー処理、生成処理及び確認締結処理が終了する。なお、このメッセージに変えて、対象申込書に由来する優良運転者情報と運転免許証に由来する優良運転者情報とが不一致であることを示すメッセージを送信するようにしてもよい。
【0063】
対象申込書に記載された免許証色から定まる優良運転者情報が優良運転者であることを示していない場合(S262:NO)、すなわち実際の免許証色がブルー又はグリーンであり、対象申込書に記載された免許証色がブルー又はグリーンの場合には、情報処理部210は契約締結処理を行う(S264)。この契約締結処理は、被保険者が優良運転者である場合(S261:YES)にも行われる。なお、年齢条件を満たすか否かの判定(S259)と、優良運転者であるか否かの判定(S261)との順序は任意である。
【0064】
契約締結処理では、情報処理部210は、まず、対象申込データD2と対象確認データD1とに基づいて、対象申込書に係る自動車保険契約の条件及び内容を示す契約データを生成することにより、この自動車保険契約を締結する。具体的には、申込書の項目毎に、対象申込書に由来する情報と運転免許証に由来する情報とを比較し、この比較の結果(一致/不一致)に基づいて両情報のどちらかを選択し、選択した情報を用いて契約データを生成する。
【0065】
上記の選択では、情報処理部210は、両情報が一致の場合には対象申込書に由来する情報を選択し、両情報が不一致の場合には運転免許証に由来する情報を選択する。例えば、対象申込書に由来する被保険者の住所情報と、運転免許証に由来する被保険者の住所情報とが不一致の場合には、運転免許証に由来する被保険者の住所情報が選択される。つまり、情報処理部210は、契約締結処理において、対象申込データD2よりも対象確認データD1を優先して契約データを生成する。これは、一般に、申込書の記載よりも運転免許証(公文書)の記載の方が正確だからである。
【0066】
ただし、生成処理として、如何なる場合にも対象確認データD1を優先して契約データを生成する処理を採用すると、申込者が予期せぬ不利益を被る場合がある。具体的には、対象申込書に由来する条件よりも利用者にとって不利な条件の自動車保険契約が締結される場合である。例えば、対象申込書に由来する被保険者の優良運転者情報が優良運転者であることを示し、運転免許証に由来する被保険者の優良運転者情報が非優良運転者であることを示す場合に、運転免許証に由来する被保険者の優良運転者情報(非優良運転者)を選択して契約データを生成すると、対象申込書の記載内容に基づいて申込者が想定していた保険料よりも高い保険料の自動車保険契約が締結されてしまう。
【0067】
しかし、図7のステップS261からの分岐を追えば明らかなように、第1実施形態では、対象申込書に由来する運転者条件と運転免許証に由来する運転者条件とが不一致の場合、かつ、対象申込書に由来する運転者条件よりも運転免許証に由来する運転者条件が申込者にとって有利でない場合には、契約締結処理は行われず、第3エラー処理が行われる。つまり、対象申込書に由来する運転者条件と運転免許証に由来する運転者条件とが一致の場合、又は対象申込書に由来する運転者条件よりも運転免許証に由来する運転者条件が申込者にとって有利な場合に限り、契約締結処理が行われる。
また、図7のステップS259からの分岐を追えば明らかなように、第1実施形態では、対象申込書に由来する被保険者の生年月日情報で示される年齢条件と、運転免許証に由来する被保険者の生年月日情報で示される年齢条件とが不一致の場合には、契約締結処理は行われず、第2エラー処理が行われる。
よって、第1実施形態によれば、対象申込書に由来する条件よりも利用者にとって不利な条件の自動車保険契約が締結される虞がない。なお、運転者条件の取り扱いと同様に年齢条件を取り扱うようにしてもよい。すなわち、対象申込書に由来する年齢条件と運転免許証に由来する年齢条件とが一致の場合、又は対象申込書に由来する年齢条件よりも運転免許証に由来する年齢条件が申込者にとって有利な場合に限って契約締結処理が行われるようにしてもよい。
【0068】
次に情報処理部210は、生成した契約データを端末300及び契約管理サーバ400へ送信する。この契約データは、契約管理サーバ400に受信されて契約DB410に格納される。また、この契約データは、端末300に受信される。これにより、端末300では、当該契約データで示される情報を表示することが可能となる。つまり、端末300を使用する保険会社の従業員は、新たに締結された自動車保険契約に関する情報を遅滞なく簡単に知ることができる。これは自動車保険証券の発送業務の効率化に寄与する。
【0069】
次に情報処理部210は、格納部221から対象確認データD1を削除するとともに、申込DB222から対象申込データD2を削除する。これにより、契約締結処理が終了する。なお、対象確認データD1及び対象申込データD2は、記憶部220の記憶領域のうち、格納部221でも申込DB222でもない記憶領域に退避される。これは、対象確認データD1及び対象申込データD2を事後に参照することができるようにするための措置である。
【0070】
次に情報処理部210は、締結した自動車保険契約の条件及び内容を代理店の従業員に通知する内容通知処理を行う(S265)。具体的には、第1に、生成した契約データを対象確認データD1の送信元の携帯電話機100へ返信する。第2に、契約締結処理において対象申込データD2よりも対象確認データD1を優先して当該契約データを生成したか否か、すなわち対象申込書の記載内容から定まる契約条件及び契約内容を変更して自動車保険契約を締結したか否かを示すデータを当該携帯電話機100へ返信する。第3に、契約締結処理において対象申込データD2よりも対象確認データD1を優先して当該契約データを生成した場合には、優先させた対象確認データD1の内容(例えば、運転免許証に由来する優良運転者情報)を示すデータを当該携帯電話機100へ返信する変更通知処理を行う。そして、内容通知処理が終了すると、生成処理及び確認締結処理も終了する。
【0071】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態を変形して得られる実施形態である。第2実施形態では、図8に示すように、運転免許証が単独で撮像され、証券番号が撮像されない。また、第2実施形態では、携帯電話機100におけるデータ送信処理として、第1実施形態におけるデータ送信処理とは一部が異なるデータ送信処理が採用されている。
【0072】
図9は、第2実施形態におけるデータ送信処理のフローチャートである。図9に示すように、第2実施形態におけるデータ送信処理では、撮像データをOCRによって文字データに変換する変換処理(S102)と、文字データを契約支援サーバ200へ送信する処理(S103)との間に、証券番号の入力処理(S104)が介挿されている。この処理では、代理店の従業員が、操作部170を操作して証券番号を携帯電話機100に入力する。つまり、携帯電話機100の情報処理部110が、操作部170からの信号に基づいて、図6の証券番号を取得する。
【0073】
前述のように、第2実施形態では運転免許証が単独で撮像されるから、変換処理(S102)によって得られるのは、図6の確認データD1である。つまり、証券番号が不足している。しかし、上述のように、証券番号の入力処理(S104)により、この不足が補われ、確認データD1と証券番号とを包含する文字データが得られる。そして、この文字データが契約支援サーバ200へ送信される(S103)。
【0074】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態を変形して得られる実施形態である。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、運転免許証が単独で撮像され、証券番号が撮像されない。ただし、第2実施形態では、携帯電話機100におけるデータ送信処理として、第1実施形態におけるデータ送信処理と同じデータ送信処理が採用されている。したがって、証券番号を包含せず、確認データD1を包含する文字データが、契約支援サーバ200へ送信されることになる。そこで、第3実施形態では、契約支援サーバ200におけるデータ受信処理として、第1実施形態におけるデータ受信処理とは一部が異なるデータ受信処理を採用している。
【0075】
図10は、第3実施形態におけるデータ受信処理のフローチャートである。このデータ受信処理では、到来したデータ(確認データD1)を受信する処理(S201)と、確認データD1と証券番号とを互いに対応付けてデータを格納部221に格納する処理(S202)との間に、証券番号を取得する処理(S203)が介挿されている。この処理では、契約支援サーバ200の情報処理部210が、申込DB222において、受信した確認データD1に含まれる情報(例えば、氏名情報、住所情報及び生年月日情報)を検索キーとした検索を行い、この確認データD1に対応する申込データD2を特定する。そして、特定した申込データD2に対応付けられた証券番号を申込DB222から読み出す。
【0076】
前述のように、携帯電話機100から到来するデータは確認データD1である。つまり、証券番号が不足している。しかし、上述のように、証券番号を取得する処理(S203)により、この不足が補われ、確認データD1と証券番号とが得られる。そして、得られた確認データD1及び証券番号が互いに対応付けられて格納部221に格納される(S202)。
【0077】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態を変形して得られる実施形態である。第4実施形態では、第1実施形態と同様に、証券番号とともに運転免許証が撮像される(図5参照)。第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、撮像データをOCRによって文字データに変換する変換処理が、携帯電話機100ではなく、契約支援サーバ200において行われる点と、確認データD1ではなく運転免許証の撮像データが第1データとなる点のみである。
【0078】
図11は、第4実施形態におけるデータ送信処理及びデータ受信処理のフローチャートである。図11に示すように、第4実施形態におけるデータ送信処理では、撮像領域に係る撮像データを取得する撮像処理(S101)と、データを契約支援サーバ200へ送信する処理(S103)との間に、撮像データをOCRによって文字データに変換する変換処理(図4のS102)が存在しない。したがって、文字データではなく、運転免許証の撮像データ(第1データ)と証券番号の撮像データとを包含する撮像データが、契約支援サーバ200へ送信されることになる。
【0079】
第4実施形態におけるデータ受信処理は、携帯電話機100からの撮像データが到来する度に実行される。また、このデータ受信処理では、到来したデータ(撮像データ)を受信する処理(S201)と、確認データD1と証券番号とを対応付けて格納部221に格納する処理(S202)との間に、受信されたデータをOCRによって文字データに変換する変換処理(S204)が介挿されている。この変換処理が図4の変換処理(S102)と異なる点は、受信されたデータを変換対象とする点のみである。第4実施形態では、ステップS202において撮像データが受信されるから、この変換処理(S204)によって確認データD1及び証券番号が得られ、得られた確認データD1及び証券番号が互いに対応付けられて格納部221に格納される(S202)。
【0080】
なお、受信された撮像データは、自動車保険契約の締結後も、記憶部220の記憶領域のうち、格納部221でも申込DB222でもない記憶領域に、対応する確認データD1及び申込データD2とともに記憶される。これは、撮像データを事後に参照することができるようにするための措置である。
【0081】
また、第1実施形態から第2実施形態への変形と同様の変形を第4実施形態に施してもよい。こうして得られる変形例1におけるデータ送信処理及びデータ受信処理のフローチャートは、図12に示すものとなる。また、第1実施形態から第3実施形態への変形と同様の変形を第4実施形態に施してもよい。こうして得られる変形例2におけるデータ受信処理のフローチャートは、図13に示すものとなる。
【0082】
<第5実施形態>
第5実施形態は、第1実施形態を変形して得られる実施形態である。第5実施形態が第1実施形態と異なる点は、確認書類として、被保険者の運転免許証ではなく、被保険者の健康保険証を用いる点のみである。
【0083】
図14は、第5実施形態における文字データの内容を例示する模式図である。図14に示すように、第5実施形態における確認データD1は、健康保険証に記載された情報のうち、自動車保険契約の締結時の確認において必要な情報を包含する。図6と図14とを対比すれば明らかなように、第5実施形態における確認データD1には、優良運転者情報が包含されていない。そこで、第5実施形態では、確認締結処理として、第1実施形態における確認締結処理とは一部が異なる確認締結処理を採用している。
【0084】
図15は、第5実施形態における確認締結処理のフローチャートである。図7と図15とを対比すれば明らかなように、第5実施形態における確認締結処理では、ステップS261〜S263が削除されている。つまり、運転者条件に基づく分岐が存在せず、契約支援サーバ200の情報処理部210は、被保険者の健康保険証に記載された生年月日から定まる年齢条件と、被保険者について対象申込書に記載された生年月日から定まる年齢条件とが一致する場合には(S259:YES)、無条件に契約締結処理(S264)を行う。つまり、常に、対象申込書に由来する運転者条件で自動車保険契約が締結される。
【0085】
なお、第1実施形態から第2実施形態への変形と同様の変形を第5実施形態に施してもよい(変形例3)。また、第1実施形態から第3実施形態への変形と同様の変形を第5実施形態に施してもよい(変形例4)。また、第1実施形態から第4実施形態への変形と同様の変形を第5実施形態に施してもよい(変形例5)。
【0086】
<第6実施形態>
第6実施形態は、第1実施形態を変形して得られる実施形態である。第6実施形態が第1実施形態と異なる点は、確認書類として、被保険者の運転免許証ではなく、被保険者の所有車両の車検証を用いる点のみである。
【0087】
図16は、第6実施形態における文字データの内容を例示する模式図である。図16に示すように、第6実施形態における確認データD1は、車検証に記載された情報のうち、自動車保険契約の締結時の確認において必要な情報を包含する。図6と図16とを対比すれば明らかなように、第6実施形態における確認データD1には、優良生年月日情報及び運転者情報が包含されていない。そこで、第6実施形態では、確認締結処理として、第1実施形態における確認締結処理とは一部が異なる確認締結処理を採用している。
【0088】
図17は、第6実施形態における確認締結処理のフローチャートである。図7と図17とを対比すれば明らかなように、第6実施形態における確認締結処理では、ステップS259〜S263が削除されている。つまり、年齢条件及び運転者条件に基づく分岐が存在せず、契約支援サーバ200の情報処理部210は、対象申込データD2で示される氏名情報と対象確認データD1で示す氏名情報とが一致し(S255:YES)、かつ、本日が車検証の車検満了日前の日である場合には(S257:YES)、無条件に契約締結処理(S264)を行う。
【0089】
なお、第6実施形態を変形し、確認データD1が車両登録番号などの車両登録情報を含むようにし、契約締結処理(S264)において、車検証に由来する車両登録情報を優先して選択するようにしてもよい(変形例6)。また、第6実施形態を変形し、確認書類として、被保険者の所有車両の車検証ではなく、申込者のクレジットカードを用いるようにし、契約締結処理(S264)において、クレジットカードに由来するクレジットカード番号などの情報を優先して選択するようにしてもよい(変形例7)。
【0090】
また、第1実施形態から第2実施形態への変形と同様の変形を第6実施形態、変形例6及び変形例7に施してもよい(変形例8)。また、第1実施形態から第3実施形態への変形と同様の変形を第6実施形態、変形例6及び変形例7に施してもよい(変形例9)。また、第1実施形態から第4実施形態への変形と同様の変形を第6実施形態、変形例6及び変形例7に施してもよい(変形例10)。
【0091】
<その他の変形例>
上述した第1〜第6実施形態及び変形例1〜10は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下に例示する任意の2以上の形態は適宜に併合されうる。
【0092】
(1)変形例11
被保険者の運転免許証を確認書類とする第1〜第4実施形態及び変形例1〜2において、確認書類を変更することなく(被保険者の運転免許証としたまま)、図15と同様の確認締結処理を採用してもよい。この場合には、常に、対象申込書に由来する運転者条件で自動車保険契約が締結されることになる。
【0093】
(2)変形例12
被保険者の運転免許証を確認書類とする第1〜第4実施形態及び変形例1〜2において、確認書類を変更することなく(被保険者の運転免許証としたまま)、図17と同様の確認締結処理を採用してもよい。この場合には、常に、対象申込書に由来する年齢条件及び運転者条件で自動車保険契約が締結されることになる。
【0094】
(3)変形例13
被保険者の健康保険証を確認書類とする第5実施形態及び変形例3〜5において、確認書類を変更することなく(被保険者の健康保険証としたまま)、図17と同様の確認締結処理を採用してもよい。この場合には、常に、対象申込書に由来する年齢条件で自動車保険契約が締結されることになる。
【0095】
(4)変形例14
確認締結処理において、対象確認データD1に対応する申込データD2を取得できなかった場合には(S252:NO)、即座に、申込書の提出を促すメッセージ、又は該当する申込データD2が登録されていないことを示すメッセージを送信するようにしてもよい。
【0096】
(5)変形例15
上述の各実施形態及び各変形例では、確認締結処理において、確認書類の有効期限が切れている場合には、毎日、有効期限を過ぎた確認書類であることを示すメッセージが送信されるが、このメッセージが送信される時間間隔を、一週間としてもよいし、任意に設定することができるようにしてもよい。
【0097】
(6)変形例16
携帯電話機100から契約支援サーバ200へ撮像データが送信されない形態を変形し、携帯電話機100から契約支援サーバ200へ撮像データが送信され、この撮像データが、自動車保険契約の締結後も、記憶部220の記憶領域のうち、格納部221でも申込DB222でもない記憶領域に、対応する確認データD1及び申込データD2とともに記憶されるようにしてもよい。
【0098】
(7)変形例17
確認締結処理が、格納部221への確認データD1の格納を契機として一度だけ実行されるようにしてもよい。この変形を第6実施形態に施した場合の確認締結処理のフローチャートを図18に示す。図18に示すように、この形態では、対象確認データD1に対応する申込データD2を取得できなかった場合には(S252:NO)、即座に、申込書の提出を促すメッセージ、又は該当する申込データD2が登録されていないことを示すメッセージが送信される(S254)。この形態には、携帯電話機100から契約支援サーバ200へ確認書類に係るデータが送信されてから契約締結処理が開始されるまでの時間が短くなるという利点がある。
なお、この形態において、携帯電話機100から契約支援サーバ200へ文字データではなく撮像データが送信される場合には、運転免許証の撮像データ(第1データ)を確認データD1として格納部221に格納し、この確認データD1に対応する申込データの取得処理(S251)の前に当該確認データD1に変換処理を施して文字データを得るようにしてもよい。
ところで、契約更改や他社からの乗り換えの場合には、情報が記載された申込書を代理店側で予め作成しておき、作成した申込書を申請者に渡すことが珍しくない。この場合、確認データD1が格納部221に格納される前に、当該確認データD1に対応する申込データD2を申込DB222に格納しておくことができる。しかし、そのような場合のみとは限らない。
確認データD1が格納部221に格納された後に当該確認データD1に対応する申込データD2が申込DB222に格納される場合、この形態では、契約支援サーバ200から携帯電話機100へ申込書の提出を促すメッセージが送信され、以降、何も起こらない。つまり、携帯電話機100は、確認データD1に対応する申込データD2が申込DB222に格納された後に、再び、確認データD1を契約支援サーバ200へ送信しなければならない。
裏を返せば、第1〜第6実施形態及び変形例1〜16には、確認データD1が格納部221に格納された後に当該確認データD1に対応する申込データD2が申込DB222に格納される場合でも、確認データD1を契約支援サーバ200へ再送信せずに済むという利点がある。
【0099】
(8)変形例18
代理店の従業員は、申込者に対して複数の契約パターンを提示する場合がある。この場合、代理店側で複数の契約パターンに対応した複数の申込書が印刷され、各々に対応する申込データD2が申込DB222に格納される。これらの申込データD2のうち実際に締結される自動車保険契約につながるものは一つだけであるから、これらの申込データD2は同一の証券番号を包含する。つまり、証券番号のみでは、申込データD2を特定することができない。
そこで、この場合に備え、証券番号と印刷連番とで自動車保険契約を識別するようにし、例えば、運転免許証を証券番号及び印刷連番とともに撮像するようにしてもよい。なお、印刷連番は、印刷された申込書を識別する一連の番号であり、申込書に記載される。もちろん、申込情報の取得処理(例えば図7のS251)において、同じ証券番号を示す申込データD2が複数の場合には、これらの申込データD2を端末300の表示部320に表示させ、保険会社の従業員が(代理店に問い合わせて)、これらの申込データD2から一つの申込データD2を対象申込データD2として選択するようにしてもよい。
【0100】
(9)変形例19
確認書類の数を複数としてもよい。例えば、確認書類として、被保険者の運転免許証と被保険者の所有車両の車検証とを用いるようにしてもよい。この場合には、運転免許証についての確認と車検証についての確認とが完了して初めて契約締結処理(例えば図7のS265)が行われることになる。確認書類の数を複数とする場合には、一つの携帯電話機100で複数の確認書類に係るデータを契約支援サーバ200へ送信できるようにすることが望ましい。
図19は、複数の確認書類に対応した携帯電話機100におけるデータ送信処理の一部を示すフローチャートである。このデータ送信処理は、第1実施形態におけるデータ送信処理を変形したものであり、撮像処理(S101)に先立って複数のフォームから一つのフォームを選択するフォーム選択処理(S105)を行うことと、撮像処理の後の変換処理(S106)における変換が選択されたフォームを用いた変換であることを特徴とする。
フォームは、対応する確認書類のどこに何がどのように記載されているかを示すデータであり、確認書類毎に予め用意されている。例えば、確認書類が運転免許証と車検証であれば、運転免許証のフォームと車検証のフォームとが予め用意されている。フォーム選択処理では、携帯電話機100の情報処理部210は、代理店の従業員の指示に従って、予め用意されたフォームのうち一つのフォームを選択することになる。
なお、代理店の従業員が指示するのではなく、撮像データに基づいてフォームを選択するようにしてもよい。この場合、フォーム選択処理は、撮像処理の前ではなく、撮像処理の後に行われる。そして、フォーム選択処理によって選択されたフォームを用いた変換が変換処理において行われる。この形態であれば、フォーム選択処理及び変換処理を契約支援サーバ200で行うことも可能である。
【0101】
(10)変形例20
証券番号を撮像する形態において、証券番号を確認書類とは別に撮像するようにしてもよい。つまり、確認書類と証券番号は必ずしも一度に撮像する必要は無く、2回に分けてそれぞれを撮像するようにしてもよい。
【0102】
(11)変形例21
証券番号に代えて、自動車保険契約を識別可能なQRコードを用いてもよい。つまり、自動車保険契約を識別可能であれば、如何なる情報を用いてもよい。
また、変換処理において、撮像データに含まれる色彩に関するデータについても文字データに変換するようにしてもよい。例えば、撮像データには、免許証色(ゴールド、ブルー又はグリーン)を示す色彩データも含まれており、変換処理によって得られる文字データに、この色彩データで示される色に対応する文字列(例えば、「ゴールド」、「ブルー」又は「グリーン」)を示すデータも含まれるようにしてもよい。この場合、被保険者が優良運転者であるか否かの判定(例えば、図7のS261)を、上述した各形態と同じく、運転免許証に記載されている文字列「優良」の有無に基づいて行うようにしてもよいし、上述した各形態とは異なり、変換処理によって得られた確認データD1に「ゴールド」を示すデータが含まれているか否かに基づいて行うようにしてもよい。また、この場合には、免許証色がブルーか否かの判定や、免許証色がグリーンかの判定も可能となる。
また、申込者や保険会社の従業員等の携帯電話機を携帯電話機100として用いるようにしてもよい。
また、申込者が携帯電話機100を操作して確認書類に係るデータや証券番号等のデータを送信するようにしてもよい。
また、契約支援サーバ200の情報処理部210が、契約締結処理(例えば図7のS264)において、確認データD1を用いて契約データを生成する場合に、確認データD1を用いて契約データを生成するか否かを問い合わせるメッセージを携帯電話機100へ送信し、このメッセージへの応答に基づいて契約データの生成の可否を決定するようにしてもよい。すなわち、携帯電話機100の使用者に、確認データD1を用いて契約データを生成するか否かを選択させるようにしてもよい。
また、携帯電話機100と契約支援サーバ200との通信方法は、電子メールによる通信方法には限定されず、様々な方法を用いることができる。
また、携帯電話機100に代えてPDAを用いてもよい。ただし、このPDAは、少なくとも撮像機能及び通信機能を備えている必要がある。つまり、少なくとも撮像機能及び通信機能を備えていれば、如何なる携帯端末を用いてもよい。
また、申込者が、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの通信機器を用いて、インターネット経由で、申込データD2を携帯電話機100へ送信する形態としてもよい。
また、自動車保険契約に代えて火災保険契約としてもよい。つまり、本発明は、任意の保険契約に適用可能であり、広くは、任意の契約に適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
10……契約支援システム、100……携帯電話機、200……契約支援サーバ、300……端末、400……契約管理サーバ、110……情報処理部、130……送信部、140……受信部、150……撮像部、160……表示部、210……情報処理部、220……記憶部、221……格納部、222……申込DB、230……送信部、300……端末、320……表示部、400……契約管理サーバ、410……契約DB、D1……確認データ、D2……申込データ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも契約を締結するために確認が必要な書類を撮像して得た第1データを携帯端末から受信可能であり、各々が締結すべき契約内容に関連して事前に用意された複数の第2データを管理する契約支援サーバであって、
前記第1データを受信する受信部と、
前記複数の第2データを記憶する記憶部と、
受信した前記第1データに対応する前記第2データを前記記憶部から読み出す読出処理と、受信した前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成する生成処理を実行する情報処理部とを備える、
ことを特徴とする契約支援サーバ。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記第1データと契約を識別する識別情報とを送信し、
前記受信部は、前記第1データと前記識別情報を受信し、
前記記憶部は、前記複数の第2データを前記識別情報と対応付けて記憶しており、
前記情報処理部は、
前記読出処理において、受信した前記識別情報に対応する前記第2データを前記記憶部から読み出し、
前記生成処理において、前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の契約支援サーバ。
【請求項3】
前記情報処理部は、前記読出処理において、前記識別情報に対応する前記第2データが記憶されておらず読み出すことが不能な場合、対応する前記第2データが登録されていない旨を前記携帯端末に返信するエラー処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の契約支援サーバ。
【請求項4】
前記第1データは契約の条件を示しており、
前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データの示す契約の条件と、前記第1データの示す契約の条件が不一致である場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信するエラー処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の契約支援サーバ。
【請求項5】
前記第1データは契約の条件を示しており、
前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データの示す契約の条件よりも前記第1データの示す契約の条件が利用者にとって有利な場合、前記第1データを用いて前記契約データを生成し、前記第2データの示す契約の条件よりも前記第1データの示す契約の条件が利用者にとって不利な場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信するエラー処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の契約支援サーバ。
【請求項6】
前記第1データは契約の内容を示しており、
前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データよりも前記第1データの示す契約の内容を優先させて、前記契約データを生成することを特徴とする請求項2に記載の契約支援サーバ。
【請求項7】
前記情報処理部は、前記生成処理において、前記第2データよりも前記第1データの示す契約の内容を優先させて前記契約データを生成した場合、優先させた前記第1データの内容を前記携帯端末に送信する変更通知処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の契約支援サーバ。
【請求項8】
前記第1データを格納する格納部を備え、
前記情報処理部は、所定の周期で前記格納部から前記第1データを取得して、前記読出処理及び前記生成処理を実行することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の契約支援サーバ。
【請求項9】
前記第1データは前記携帯端末において撮像データを変換した文字データであるか、前記第1データは撮像データであり、前記情報処理部は、受信した前記第1データを文字データに変換する変換処理を前記読出処理及び前記生成処理の前に実行することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の契約支援サーバ。
【請求項10】
前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、前記第1データには優良運転者情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の契約支援サーバ。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の契約支援サーバと、
前記契約支援サーバとの間で通信を実行し、前記第1データを送信する携帯端末と、
を備えた契約支援システム。
【請求項12】
契約を締結するために確認が必要な書類を撮像して得た第1データと契約を識別する識別情報とを携帯端末から受信可能であり、各々が締結すべき契約内容に関連して事前に用意された複数の第2データを記憶部に記憶して管理する契約支援サーバの制御方法であって、
受信した前記識別情報に対応する前記第2データを前記記憶部から読み出し、
受信した前記第1データと読み出された前記第2データとに基づいて、締結すべき契約内容を示す契約データを生成する、
ことを特徴とする契約支援サーバの制御方法。
【請求項13】
前記契約は自動車保険に関するものであり、
前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、
前記第1データには、優良運転者情報が含まれており、
前記複数の第2データの各々には、優良運転者情報が含まれており、
前記契約データを生成する処理において、前記第2データに含まれる優良運転者情報と、前記第1データに含まれる優良運転者情報とが不一致である場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信する、
ことを特徴とする請求項12に記載の契約支援サーバの制御方法。
【請求項14】
前記契約は自動車保険に関するものであり、
前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、
前記第1データには、優良運転者情報が含まれており、
前記複数の第2データの各々には、優良運転者情報が含まれており、
前記契約データを生成する処理において、前記第2データに含まれる優良運転者情報が優良運転者でないことを示し、前記第1データに含まれる優良運転者情報が優良運転者であることを示す場合、前記第1データを用いて前記契約データを生成し、前記第2データに含まれる優良運転者情報が優良運転者であることを示し、前記第1データに含まれる優良運転者情報が優良運転者でないことを示す場合、前記契約の条件が不一致であることを示すメッセージ又は前記契約の条件を満たすように前記第2データを変更することを促すメッセージを前記携帯端末に返信する、
ことを特徴とする請求項12に記載の契約支援サーバの制御方法。
【請求項15】
前記契約は自動車保険に関するものであり、
前記契約を締結するために確認が必要な書類は運転免許証であり、
前記第1データには、住所情報が含まれており、
前記契約データを生成する処理において、前記第2データの示す住所情報と前記第1データに含まれる住所情報とが不一致の場合、前記第2データの住所情報よりも前記第1データの住所情報を優先させて、前記契約データを生成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の契約支援サーバの制御方法。
【請求項16】
前記契約データを生成する処理において、前記第2データよりも前記第1データの示す契約の内容を優先させて前記契約データを生成した場合、優先させた前記第1データの内容を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする請求項15に記載の契約支援サーバの制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−164707(P2011−164707A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23443(P2010−23443)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(397009716)日本興亜損害保険株式会社 (8)
【Fターム(参考)】