説明

好酸球性食道炎を処置する方法

本発明はEEの処置に関する。より具体的には、本発明は、皮膚経路を通じてEEを処置する新たな方法に関する。特に、本発明の方法は、被験者の皮膚に、組成物を含む皮膚パッチ装置を、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む。本発明は、また、皮膚パッチ装置及び被験者において好酸球性食道炎を処置するための組成物の製造における皮膚パッチ装置の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は好酸球性食道炎(EE)の処置に関する。より具体的には、本発明は、皮膚経路を通じてEEを処置する新たな方法に関する。特に、本発明の方法は、被験者の皮膚に、組成物を含む皮膚パッチ装置を、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む。本発明は、また、皮膚パッチ装置及び被験者において好酸球性食道炎を処置するための組成物の製造における皮膚パッチ装置の使用に関する。
【0002】
発明の背景
好酸球性食道炎(EE)は、好酸球を伴う食道の浸潤により特徴付けられる(1)。EEは、米国、スイス、及びオーストラリアにおける研究に基づくと、流行が増加している(2)。例えば、フィラデルフィア小児病院では1994年の2例から2003年の72例に35倍増加している(3)。
【0003】
EEの症状は胃食道逆流を示唆する症状として記載されており、胃食道逆流疾患(GERD)の薬物療法に応答しない。EEの他の症状は、特に若年成人における嚥下障害及び幼児における発達不全を含む(4)。自然経過は未知である。しかし、いくつか試験で、無処置疾患での潜在的な進行が示唆される。Noel et al(5)は、年齢対主訴の遡及試験において、最も若い小児における摂食困難(年齢の中央値2.0歳)、より年長の小児における嘔吐(年齢の中央値8.1歳)、青年における腹痛(年齢の中央値12.0歳)、ならびに成人における嚥下障害(年齢の中央値13.4歳)及び食物圧入(年齢の中央値16.8歳)を見出した。この遡及データの1つの可能な分析は、無処置疾患の自然経過としての小児における摂食困難から成人における狭窄及び食物圧入までの症状の緩徐進行及び潜在的悪化である。成人集団において、Straumann et al(6)は、30人の成人でのそれらの11年間の追跡において疾患における寛解を見出さなかった。
【0004】
EEの原因はアレルギーに関連する。大多数の患者が、食物及び空中アレルゲン過敏症(皮膚プリックテスト応答、RAST結果、又は両方により定義される)の証拠を有する;しかし、少数だけが食物アナフィラキシーの病歴を有しており、古典的なIgE媒介性のマスト細胞/好塩基球の活性化と比較して、異なる機構を示している。EEに関与する免疫機構は依然として不明である。IL5及びエオタキシンは腸粘膜への好酸球の移動を増強することが立証されている。このように、EEにおける免疫応答は、食物アレルゲン及び環境アレルゲンの両方に応答した、Th2関連サイトカインの増強された産生により特徴付けられる。EE及びアトピー性皮膚炎(AD)は共通の特徴(好酸球浸潤、好酸球脱顆粒、及び扁平上皮細胞過形成を含む)を共有しており、共通の病原性機構が機能的でありうることを示唆する。
【0005】
EEは、広範囲の上皮過形成に関連付けられる食道粘膜における高レベルの好酸球(>20−24好酸球/高倍率視野)の出現により定義される。好酸球は上部食道及び下部食道の両方に位置付けられる。また、EEを伴う患者からの食道組織では、基底層過形成及び乳頭状伸展を伴う肥厚粘膜が実証される。EEは食道運動不全に関連付けられてきた。運動障害の原因は不明である。しかし、好酸球の活性化及び脱顆粒が可能性のある原因として仮定されてきた。エックス線撮影試験及び内視鏡試験では、多くの知見(狭搾、粘膜輪、潰瘍、白っぽい丘疹、及びポリープを含む)が示されている。
【0006】
EEの判定は、皮膚プリックテスト又はRASTのいずれかを用いて食物及び空中アレルゲン感作を探す拡張アレルギー評価及びGERDの除外、ならびに食道における好酸球の他の原因を含む。最近の試験では、遅延皮膚パッチテストを用いた食物タンパク質感作の評価によって、皮膚プリックテスト単独と比較して、食物アレルギーの識別が増加させることが示唆されている。注目すべきは、GERDの存在が、EE又は食物アレルギーの診断を除外せず、これらの患者における食物アレルギー評価の重要性を実証する。
【0007】
プリック皮膚テスト及びアトピーパッチテストの使用によりEE集団において特定される最も一般的な食物は、牛乳、卵、小麦、大豆、及びピーナッツである。
【0008】
EE発症に関与する最も一般的な空中アレルゲンは、花粉及びチリダニ(HDM)である。
【0009】
特定食物抗原の回避の試みが、しばしば、アトピー性EEを伴う患者について示される。不満足である又は実際的に困難である場合(患者が多くのアレルゲンに感作される場合)、成分配合からなる食事が提唱される。興味深いことに、成分栄養食は高頻度で症状を改善し、原発性EE(アレルギー又は非アレルギーサブタイプ)を伴う患者における食道生検標本中の好酸球の数を低下させることが示されている。成分栄養食を受けている患者は、適切なカロリー補給を達成するために胃瘻管の留置を高頻度で要求する。グルココルチコイド(全身又は局所)も使用されており、満足な結果を伴う。全身ステロイドを急性増悪のために使用するのに対し、局所ステロイドを使用し、長期制御を提供する。非対照非盲検試験において、局所フルチカゾンが、上部食道及び下部食道において好酸球及びCD8+細胞のレベルを減少させることが示されている。しかし、局所フルチカゾンを用いて処置された一部の患者が食道カンジダ症を有したことが報告されている。
【0010】
EEが、アレルギー性喘息のための処置と同様の長期処置を要求するように見える。EEの自然経過は広範囲に追跡されていないが、EEを伴う小児が、食道狭窄の長期病歴を伴う親を有することは珍しいことではない。実際に、一部の症例において、そのような親からの食道生検スライドの検査によって、EEの長期存在が明らかになる。このように、慢性EEは、未処置のまま放置された場合、進行性の食道瘢痕及び機能障害に発展しうる可能性が高い。バレット食道炎を有するリスクは、特に共存するEE及びGERDを伴う患者において、決定されていないが、しかし、確実に懸念される。また、EEを伴う患者は、他の形態の消化器疾患の発生についてリスクが増加している。このように、内視鏡検査による胃腸管全体のルーチンサーベイランスが正当化される。
【0011】
このように、EEは、小児、青年、及び若年成人において増加頻度を伴って出現する重度の食道疾患である。それは、現在、食物回避及びコルチコイドにより処置される。
【0012】
皮下免疫療法(SCIT)を用いて報告された有望な結果にもかかわらず、この方法は、高レベルの重篤な副作用又は有害事象(AE)のため、食物アレルギーにおいてはもはや使用されない。著者は、現在、増加経口用量及び可変タイムスケジュール(1週間から少なくとも1年又はそれ以上まで)又は舌下技術(SLIT)を使用した経口経路、即ち、特異的経口寛容誘導(SOTI)又は経口免疫療法(OIT)を好む。これらの方法は有望であり、それらの効力は既に立証されている。しかし、EEにおいて、経口経路はテストされていない。また、それは、食道粘膜とアレルゲンの接触に起因するEEの悪化を起こしうる。
【0013】
結果的に、安全であり、効率的であり、及び、患者により十分に許容されるEE処置のための新たな方法についての必要性がある。
【0014】
発明の概要
本発明は、EEを処置する新たな方法を提供する。より具体的には、本発明は、初めて、EEの効率的な免疫療法を皮膚経路を通じて達成することができることを示す。本発明は、本発明の皮膚パッチ装置の適用が、食道における好酸球の非常に実質的な減少ならびにEEの他の組織学的パターンの減少を誘発することを示す。
【0015】
特に、本発明は、被験者において好酸球性食道炎を処置する方法に関し、被験者の皮膚に、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置を、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む。
【0016】
より具体的には、本発明は、組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下での皮膚上での装置の適用により被験者において好酸球性食道炎を処置するための組成物の製造における、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置の使用に関する。本発明の好ましい実施態様において、前記物質は、アレルゲン、好ましくは、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニ、又はそれらの組み合わせより選択される食物アレルゲン又は呼吸アレルゲンである。
【0017】
本発明の別の実施態様は、乾燥形態で、静電力を通じてパッチに接着させる、被験者において好酸球性食道炎を処置するための、皮膚反応を起こす物質を含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【0018】
本発明の別の特定の実施態様は、好酸球性食道炎を処置するための組成物の製造における、上に定義する密封皮膚パッチ装置の使用に関する。
【0019】
本発明の別の好ましい実施態様は、アレルギーである被験者において好酸球性食道炎のリスクを予防又は低下する方法に関し、前記方法は、被験者の皮膚に、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置を、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む。
【0020】
本発明は、また、アレルギーの被験者の食道又は腸において好酸球浸潤を減少させる方法に関し、前記方法は、被験者の皮膚に、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置を、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む。
【0021】
本発明は、また、好ましくは乾燥形態で、好ましくは静電力を通じてパッチに接着させる、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニのアレルゲンより選択される少なくとも2つのアレルゲンの組み合わせを含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、皮膚処置の間でのマウス血清中の特異的IgEレベルの進化を示すグラフである。NT:感作未処置マウス、EPIT:感作処置マウス、C:対照マウス。平均値をμg.ml-1±SDで示す/表す。
【図2】図2は、皮膚処置の間でのマウス血清中の特異的IgG2aレベルの進化を示すグラフである。NT:感作未処置マウス、EPIT:感作処置マウス、C:対照マウス。平均値をμg.ml-1±SDで示す/表す。
【図3】図3は、感作マウスの食道の視野を示す図である。矢印は着色された好酸球を示す。
【図4】図4は、1群当たりの好酸球の定量化を示すグラフである(NT、EPIT、及びC)。結果を1mm2当たりの好酸球の平均±SDとして表す。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明は、皮膚免疫療法により被験者においてEEを処置するための方法に関する。
【0024】
特に、本発明の方法は、被験者においてEEを処置する方法に関し、前記方法は、被験者の皮膚に、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置を、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む。
【0025】
本発明は、有利には、そのような方法が、食道に限定されず、腸の他の部分、例えば、空腸、胃、及び結腸などでも、好酸球浸潤の実質的な減少を起こすことを示す。
【0026】
より具体的には、本発明は、被験者において好酸球性食道炎を処置するための組成物の製造における、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置の使用に関する。
【0027】
特定の実施態様において、前記被験者は、食物アレルゲン又は空中アレルゲンに対する過敏症/アレルギーに苦しむ。特定の実施態様において、被験者は、いくつかの食物アレルゲン及び/又は空中アレルゲンにアレルギーである。
【0028】
本発明の好ましい実施態様において、被験者は、食物アレルゲン及び/又は呼吸アレルゲンの組み合わせにより誘発されるEEを有する。
【0029】
特定の実施態様において、本発明の物質は、EEに関与する最も頻度の高いアレルゲンの組み合わせである。
【0030】
別の実施態様において、本発明は、いくつかの(例、少なくとも2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)アレルゲンを、1つ又は複数のパッチ装置を介して、別々に、連続的に、又は同時に皮膚に適用する方法に関する。
【0031】
本発明の別の特定の目的は、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニより選択される1つ又は複数のアレルゲン、好ましくはいくつかのアレルゲンの組み合わせを含むパッチに関する。
【0032】
特定の実施態様において、本発明は、組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下での皮膚上での装置の適用による被験者における好酸球性食道炎の処置における使用ための、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置に関する。
【0033】
さらなる特定の実施態様において、アレルゲンは静電力を通じてパッチに維持され、それにおいて、前記パッチは、被験者の皮膚に、前記組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用される。
【0034】
本発明のさらなる実施態様は、EEを処置するための組成物の製造における、上に記載する密封パッチ装置の使用にある。
【0035】
本発明の別の特定の目的は、被験者においてEEを処置する際での使用のための、好ましくは乾燥形態で、好ましくは静電力を通じてパッチに接着させる、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニのアレルゲンより選択される1つ又は好ましくは少なくとも2つのアレルゲンの組み合わせを含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【0036】
本発明の別の特定の目的は、好ましくは乾燥形態で、好ましくは静電力を通じてパッチに接着させる、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニのアレルゲンより選択される少なくとも3つのアレルゲンの組み合わせを含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【0037】
本発明の別の特定の目的は、好ましくは乾燥形態で、好ましくは静電力を通じてパッチに接着させる、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニのアレルゲンより選択される少なくとも4つのアレルゲンの組み合わせを含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【0038】
本発明の別の特定の目的は、好ましくは乾燥形態で、好ましくは静電力を通じてパッチに接着させる、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニのアレルゲンより選択される5つ又はそれ以上のアレルゲンの組み合わせを含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【0039】
特定の実施態様において、本発明は、EEを処置するための、乾燥形態で、アレルゲンを含む密封皮膚パッチ装置に関する。
【0040】
本発明は、EEを処置するための新たな皮膚免疫療法の方法を提供し、それは、前記被験者に、裏当てを含む皮膚パッチ装置を用いて皮膚経路を介して組成物を(反復)投与することを含み、前記裏当ての周辺を適応させて、皮膚を用いて密閉チェンバーを作製し、それにおいて、裏当ては、チェンバー内のその皮膚に向いた側上に、皮膚へのパッチ装置の適用後に前記被験者における皮膚反応を減少させるために十分な用量で前記の1つ又は複数のタンパク質を持ち、前記組成物は、皮膚へのパッチ装置の適用後に裏当てから除去され、その後、皮膚経路を介して被験者に送達され、前記投与は、反復時に、皮膚反応の進行性の減少に導く。
【0041】
別の局面において、本発明は、また、被験者においてEEを処置するためのアレルゲンの組成物の製造における、裏当てを含む皮膚パッチ装置の使用に関し、前記裏当ての周辺を適応させて、皮膚を用いて密閉チェンバーを作製し、それにおいて、裏当ては、チェンバー内のその皮膚に向いた側上にアレルゲンを持つ。
【0042】
特定の局面において、本発明において、裏当ては、以下:牛乳、卵、ピーナッツ、小麦、大豆のアレルゲンのタンパク質抽出物の組み合わせを持つ。
【0043】
特定の局面において、本発明において、裏当ては、牛乳及び小麦のタンパク質抽出物の組み合わせを持つ。
【0044】
本発明を、任意の被験者、例えば、動物又はヒト被験者、特に任意のヒト被験者(小児及び成人を含む)において使用してもよい。
【0045】
本発明の免疫療法の方法は、特定のパッチ装置を使用した皮膚経路を介した被験者へのアレルゲン組成物の投与を含み、腸における好酸球浸潤の減少に導く。
【0046】
本明細書において使用する通り、用語「皮膚経路」は、皮膚上でのこのアレルゲンの適用による、被験者へのアレルゲンの投与を意味する。皮膚経路は、針、シリンジ、あるいは穿孔するための又は表皮の表層の完全性を変化させるための任意の他の手段の使用を要求しない。アレルゲンは、アレルゲンが表皮の角質層中に浸透することを可能にするための十分な期間にわたり及び条件下で皮膚と接触して維持される。反復及び/又は長期の皮膚適用時、アレルゲンはランゲルハンス細胞及び皮膚の樹状細胞を活性化し、それらのリンパ節への移動及び免疫細胞の活性化に導く。
【0047】
用語「処置する」は、患者における腸粘膜での好酸球浸潤の低下を含み、それにより、EEの消失に導く。特定の実施態様において、処置は予防的であり、被験者において、特にアレルギーの被験者においてEEの発症又は発生を低下又は予防することを目的とする。そのような予防的処置は、一般的に、EEの症状の前での又はその初期段階での装置の反復適用を含む。
【0048】
別の実施態様において、処置は根治的であり、疾患の進行を低下又は阻害すること、あるいはその退行を起こすことを目的とする。
【0049】
好ましい実施態様において、アレルゲンは、食物アレルゲン及び呼吸アレルゲンより選択される。
【0050】
好ましい実施態様において、アレルゲン組成物は、1つ又は複数のタンパク質を含む。
【0051】
特定の実施態様において、アレルゲン組成物は、液体形態(例えば粒子の溶液又は分散など)である。その場合において、効果的な皮膚投与は、アレルゲンが表皮の角質層中に浸透することを可能にするために、アレルゲン組成物の液相から皮膚へのアレルゲンの移動により確実になる。特定の実施態様において、アレルゲン組成物の液相からのアレルゲンの移動は、密閉チェンバー内に形成される凝縮(例、蒸散の結果として)を通じたアレルゲンの拡散により確実になる。
【0052】
別の実施態様において、アレルゲン組成物は、乾燥形態、特に、例えば、凍結乾燥により得られる粒子状形態である。特に乾燥形態のタンパク質の使用が有利である。実際に、そのような粒子状アレルゲンを、装置の裏当てに直接的に付着させて、それにより、任意の化学的相互作用又はこれらのタンパク質の免疫原性を妨げうる任意の反応を回避しうる。さらに、粒子の使用は、適したパッケージ中に物質を保存することを許し、即時調製を行う必要がもはや全くなくなる。この場合において、パッチの裏当て上に保持されるアレルゲンの皮膚投与は、密閉チェンバー内に形成される凝集中でのこれらのアレルゲンの溶解により確実になりうる。
【0053】
アレルゲン組成物は、さらに、追加成分(例えばアジュバントなど)を含みうる。
【0054】
実施態様において、本発明において使用される組成物は、任意のアジュバントを伴わず製剤化される。
【0055】
別の実施態様において、本発明において使用されるアレルゲン組成物は、アジュバントを含む、又は、アジュバントを伴って適用される。本発明の文脈内で、アジュバントは、特定抗原との組み合わせで使用された場合、抗原特異的免疫応答を活性化、加速、長期化、又は増強するように作用する任意の物質を指定する。組成物アレルゲンとの組み合わせで使用することができるアジュバント化合物は、無機塩(例えばリン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、及び水酸化アルミニウムなど)を含む。免疫刺激DNA又はRNA(例えばCpGオリゴヌクレオチドなど);タンパク質(例えば抗体又はToll様受容体結合タンパク質など);サポニン(例、QS21);サイトカイン;ムラミルジペプチド誘導体;LPS;MPL及び誘導体(3D−MPLを含む);GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子);イミキモド;コロイド粒子;完全又は不完全フロイントアジュバント;Ribiアジュバント又は細菌毒素、例、コレラ毒素又はエンテロトキシン(LT)。ここから本発明の方法において使用される皮膚パッチ装置は、好ましくは、裏当てを含み、前記裏当ての周辺を適応させて、皮膚を用いて密閉チェンバーを作製する。この裏当ては、チェンバー内のその皮膚に向いた側上に、皮膚反応性を減少させるために使用される組成物を持つ。
【0056】
好ましくは、裏当ての周辺は接着特性を有し、皮膚を用いて密閉チェンバーを作製するための気密ジョイントを形成する。
【0057】
特定の実施態様において、組成物アレルゲンは、静電力及び/又はファンデルワールス力を用いて裏当て上に維持される。この実施態様は、組成物アレルゲンが固形形態又は乾燥形態(例、粒子)である場合に特に適する(アレルゲンが液体形態である場合、それは間接的にも使用されうる)。
【0058】
本発明の文脈内で、用語「静電力」は、一般的に、任意の非共有結合力(電荷を含む)を指定する。用語「ファンデルワールス力」は、裏当ての表面と固形アレルゲンの間に作製される非共有結合力を指定し、3種類:永久双極子力、誘起双極子力、及びロンドン−ファンデルワールス力でありうる。静電力及びファンデルワールス力は、別々に又は一緒に作用しうる。
【0059】
この点において、好ましい実施態様において、パッチ装置は静電裏当てを含む。本明細書において使用する通り、表現「静電裏当て」は、静電荷を蓄積する及び/又はファンデルワールス力を生成する(例えば、摩擦、加熱、又はイオン化による)、ならびにそのような電荷を保存することが可能な材料で作られた任意の裏当てを指す。静電裏当ては、典型的には、空間電荷を伴う表面を含み、それは均一に分散する又は分散しないことがある。裏当ての表面の片面又は他面に現れる電荷は、前記裏当てを構成する材料、及び電荷を作製するために使用される方法に依存して、正又は負でありうる。全ての場合において、裏当ての表面にわたり分布する正電荷又は負電荷は、導電又は非導電材料上に引力を起こし、それにより、アレルゲンの維持を可能にする。粒子はイオン化してもよく、それにより、粒子と裏当ての間に同じ型の静電気の引力を起こす。
【0060】
静電裏当てを提供するために適した材料の例は、ガラス又はセルロースプラスチック(CA、CP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、特にポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、及びフルオロポリマー(例えばPTFE)からなる群より選ばれるポリマーである。先行するリストは、決して限定しない。
【0061】
裏当ての裏は、ラベルを用いて覆ってもよく、それは適用直前に剥がしてもよい。このラベルは、例えば、裏当てが少なくとも部分的に半透明である場合、組成物アレルゲンを暗所に保存することを可能にする。
【0062】
表面と粒子の間の力の強度は、水分の存在に起因する薄い水膜の存在により増強又は低減することができる。一般的に、パッチは乾燥した場所で作り、保存する。水分は、活性成分の保存を可能にするだけ十分に低くなくてはならない。水分率を、最高接着力を得るために、調節することができる。上に考察する通り、静電裏当ての使用は、アレルゲンが乾燥形態、例えば、粒子の形態である場合に特に有利である。さらに、粒子サイズは当業者により調整され、静電力及び/又はファンデルワールス力の効率を改善し、粒子を支持体上に維持してもよい。
【0063】
特定の実施態様において、パッチは、ポリマー裏当て又は金属コーティングポリマー裏当てを含み、組成物アレルゲンの粒子は、ファンデルワールス力を本質的に用いて裏当て上に維持される。好ましくは、ファンデルワールス力により支持体上に粒子を維持するために、粒子の平均サイズは60マイクロメートルより低い。別の実施態様において、アレルゲンは、裏当て上の接着コーティングを用いて、裏当て上に維持される。裏当ては、接着材料を用いて完全に又は部分的にだけ覆うことができる。異なる密封裏当て、例えば、アルミニウムを用いてコーティングされたポリエチレン膜又はPET膜、あるいは、接着層(アクリル、シリコーンなど)を用いたPE、PVC、又はPETフォームなどを使用することができる。
【0064】
粒子状形態の物質を、噴霧乾燥プロセス、例えばエレクトロスプレープロセスなどを用いて、裏当て上に負荷することができる(国際特許出願WO 2009/095591に記載される通り)。エレクトロスプレー装置では高電圧を使用して、微細エアロゾル中に液体を分散する。溶媒中に溶解されたアレルゲンを、次に、パッチ裏当て上に粉砕し、そこで溶媒が蒸発し、粒子形態のアレルゲンが残る。溶媒は、例えば、所望の蒸発時間に従って、水又はエタノールでありうる。他の溶媒が当業者により選ばれうる。パッチ裏当て上に物質を適用するためのこの型のプロセスによって、ナノサイズ及びモノサイズの粒子を許し、裏当て上に規則的で均一な粒子の分配を伴う。この技術を、任意の型のパッチ、例えば、絶縁ポリマー、ドープポリマー、又は導電層を伴って回収されたポリマーを含む裏当てを伴うパッチなどに適応する。好ましくは、裏当ては導電材料を含む。
【0065】
別の実施態様において、裏当ての周辺は、乾燥した親水性ポリマーで覆われ、湿った皮膚との接触により接着性ヒドロゲル膜を形成することが可能である(国際特許出願WO 2009/050403に記載される通り)。この実施態様において、皮膚は、パッチの適用前に湿らせなければならない。ヒドロゲルを湿らせた皮膚と接触させた際、ポリマー粒子は液体を吸収し、接着性になり、それにより、パッチを皮膚に適用した際に密閉チェンバーを作製する。そのようなヒドロゲルの例は、ポリビニルピロリドン、Naのポリアクリル酸、コポリマーエーテルメチルビニル、及び無水マレイン酸を含む。
【0066】
別の特定の実施態様において、液体組成物アレルゲンは、吸収材料のリザーバー中のパッチの支持体上に保持される。組成物は、アレルゲン溶液中又はアレルゲンの分散中、例えば、グリセリン中にありうる。吸着材料は、例えば、酢酸セルロースで作ることができる。
【0067】
裏当ては、構成材料に依存して、硬性又は軟性でありうる、親水性でありうる又は親水性ではない、及び半透明でありうる又は半透明ではない。ガラスの場合において、支持体は、プラスチックのシートをガラスに結合させることにより破損耐性に作られうる。
【0068】
一実施態様において、パッチの裏当ては透明ゾーンを含み、必ずしもパッチを移動させる必要なく、炎症反応の直接的な観察及び制御を可能にする。適した透明材料は、ポリエチレン膜、ポリエステル(ポリエチレン−テレフタレート)膜、ポリカーボネート及び全ての透明又は半透明の生体適合性膜又は材料を含む。
【0069】
特定の実施態様において、アレルゲンを持つ裏当ての部分は、皮膚と直接的に接触しない。この実施態様において、裏当て、裏当ての周辺、及びに皮膚により定義されるチェンバーの高さは、0.1mm〜1mmの範囲である。
【0070】
本発明の方法は、典型的には、本発明の装置の被験者への反復適用(上に開示する通り)を含み、被験者における皮膚反応の進行の減少に導く。
【0071】
アレルゲンの特定用量ならびに適用の数及び接触の持続期間は、被験者、アレルゲン調製物の性質、使用されるパッチ装置の型などに依存して、当業者により適応されることができる。
【0072】
各々のパッチ上での組成物アレルゲンの量は、典型的には、パッチ表面の0.1〜1000μg/cm2の範囲、好ましくはパッチ表面の20〜500μg/cm2の範囲、より好ましくはパッチ表面の20〜200μg/cm2の範囲である。パッチ表面は、1cm2〜10cm2の範囲、好ましくは1cm2〜5cm2の範囲である。
【0073】
適用のために、パッチ装置を、任意の前処置を伴わず、直接的に皮膚に、好ましくは、身体の無毛部分上に適用してもよい。あるいは、皮膚を、装置の適用前に処置し、パッチ装置と接触する部位で、角質層を破壊し、毛を除去し、又は、単純に皮膚の水和を起こしてもよい。
【0074】
実験セクションに開示する通り、本発明の方法は、被験者の腸粘膜において好酸球の進行性の減少をもたらす。
【0075】
本発明は、また、被験者においてEEを予防又は処置するための組成物の製造における、上に記載する皮膚パッチ装置の使用に関する。
【0076】
以下の実施例を、例示の目的のために、限定のためではなく示す。
【0077】
実施例
方法
試験デザイン
好酸球性食道炎(EE)を処置するためのEPITの実行可能性及び効力を、ピーナッツに感作されたマウスのモデルにおいて評価した。感作の期間後、動物を2群に分けた:処置されない(NT群)及び8週間の全持続期間にわたり、さらに記載される(EPIT)皮膚送達システム(EDS)を皮膚に使用することにより毎週処置される。対照群(C)は、また、未感作動物を用いて構成された。血液を、実験の開始時及び終了時での分析(ピーナッツアレルゲンを用いた経口攻撃後の組織学的分析と一緒に)のために試料採取した。
【0078】
動物及びタンパク質抽出物
Charles River Laboratories(France)から購入した4週齢の雌BALB/cマウス(n=30)を、ピーナッツタンパク質に感作させた。ピーナッツタンパク質への感作のマウスモデルとしてのBALB/cマウスの使用が、Adel-Patient et al, 2005に記載された。このモデルは、IgEの微細な特異性及び攻撃時にアレルギーのヒトにおいて観察される症状を再現するはずである。全ての実験が、動物愛護に関するEuropean Community規則に従って、French Veterinary Servicesの許可92−305で実施された。
【0079】
使用されるピーナッツタンパク質抽出物(PPE)は、Greer laboratories(USA)から購入した。
【0080】
感作のプロトコール
20匹のBALB/cマウスが、10μgのコレラ毒素(CT)と混合した1mgのホモジナイズされたPPEを、1、6、12、18、24、30日目に、胃内の経管栄養を用いて受けた。血清を、後眼窩静脈叢から43日目に採取し、遠心し、サンプルを、さらなるアッセイまで−20℃で保存した。未感作マウスを同じ日に出血させた(n=10)。感作を、上に定義する生物学的パラメーターによりモニターした。
【0081】
処置のプロトコール(EPIT)
EPITを、8週間の間に週1回、以下の通りに実施した:
【0082】
マウスをケタミン及びキシラジンを用いて腹腔内に麻酔し、電気バリカン及び脱毛クリームを用いて剪毛した。1日後、100μgのPPEを含む溶液を用いて形成されたヒドロゲルを含む裏当てを伴う皮膚パッチ装置を(前記裏当ての周辺を適応させ、マウスの皮膚を用いて、密閉チェンバーを作製する)マウスの背中に置き、包帯により48時間にわたり維持した。
【0083】
血液サンプルを、血清学的応答を測定するために、EPITの間に2週間毎に及び処置の終了時(D98)に採取した。
【0084】
アレルゲン食物攻撃及び食道試料採取
処置の終了時に、マウスに、3連続日の間に、ほとんどピーナッツ種子だけを摂食させた。次に、標準食物を再導入し、マウスは、3連続日の間に、胃内投与により50mgのピーナッツパウダーを受けた。次に、マウスを殺して、食道を採取し、10%中性緩衝化ホルマリン中で固定し、パラフィン中に包埋し、5μm切片に切断した。スライドを調製し、Hemalun Eosin Safranを用いて着色した。
【0085】
組織学的分析(食道中の好酸球)
着色したスライドを、ECVP(European College of Veterinary Pathologists)により認定された解剖病理学者により盲検で分析した。最初の記述的解釈が各々のスライドについて行われた。次に、好酸球を6つの代表的な視野で定量化した。結果を、好酸球/mm2組織面積として表した。
【0086】
特異的IgE、IgG1、IgG2aの定量化
血液サンプルを、後眼窩静脈叢から免疫療法の前及びその間に採取し、血漿を、さらなる分析まで−30℃で保存した。
【0087】
定量的ELISA(FDA 2001ガイドラインを使用して検証された)を、特異的IgE、IgG1、及びIgG2aについて使用した。簡単には、マイクロタイタープレートを、PPE(濃度10μg/mlで作用する)を用いてコーティングした。各々の血清の100μlの連続希釈物を、1ウェル当たりに分注し、24時間にわたり4℃でインキュベートした。アルカリホスファターゼ(Serotec, England)を用いて標識された抗マウスIgG1又はIgG2a抗体をトレーサーとして使用した。試薬(pNPP)(Sigma, France)を酵素基質として使用した。特異的IgE、IgG1、及びIgG2aを、ピーナッツタンパク質の代わりに、抗マウスIgE、IgG1、又はIgG2a抗体(Serotec, England)を用いてコーティングされた固相(トレーサーと相補的である)を使用した同じ条件下で実施された全IgE、IgG1、又はIgG2aアッセイを用いて得られた濃度応答曲線を用いた比較により定量化した。マウス免疫グロブリンスタンダードをSerotecから得た。
【0088】
統計分析
Graph Pad Software(San Diego, USA)を統計分析のために使用した。血清学的データを、分散分析(ANOVA)及びダネット検定を使用して(処置マウスと対照を比較する場合)、又はANOVA及びテューキー検定を使用して(全群を互いに比較する場合)分析した。好酸球数については、データを平均±SDとして表した。異なる組のマウスを比較する統計的有意性を、t検定を使用して決定した。
【0089】
結果
血清学的応答
IgE及びIgG1:ピーナッツ感作は、特に、43日目の特異的IgEの産生により特徴付けられた(図1に示す通り)。EPIT後、特異的IgEは、EP群(0.139±0.01μg/ml)において、NT群(0.166±0.01μg/ml)と比較し、有意に減少した(p<0.05)。さらに、免疫療法の間に、特異的IgG1の修飾は観察されなかった(データ示さず)。
【0090】
IgG2a:特異的IgG2aは、8週間のEPIT後の処置マウス(図2)について、NTマウス(図2)と比較し、有意に増加した(それぞれ14.96±0.60対4.73±1.75μg/ml)(p<0.05)。
【0091】
優性Th2プロファイルから均衡Th2/Th1プロファイルへの免疫偏向を確認するために、比率IgG1/IgG2aを各々の群について評価した。比率IgG1/ IgG2aはEP群についてだけ減少し(0.036から0.006)、NT群については減少せず(0.038から0.041)、より均衡したTh2/Th1プロファイルを得るために、Th1プロファイルの引き上げを示す。
【0092】
組織学的分析:好酸球の定量化
好酸球性食道炎は感作NTマウスにおいて誘導され(図3に例証する)、そこでは重要な数の好酸球を観察することができた。好酸球浸潤は、感作NTマウス(136±32個好酸球/mm2)において、対照マウス(7±3個好酸球/mm2)と比較し、有意に高かった(p<0.01)(図4)。
【0093】
皮膚処置によって、好酸球の数は平均値50±12個好酸球/mm2まで有意に減少した(p<0.05)(図4)。
【0094】
結論
優性Th2プロファイルから再均衡Th2/Th1プロファイルへの免疫偏向に導く皮膚処置は、ピーナッツに感作されたマウスの前臨床モデルにおいて好酸球性食道炎を予防するために効率的と思われる。
【0095】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下での皮膚上での装置の適用により被験者において好酸球性食道炎を処置するための組成物の製造における、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置の使用。
【請求項2】
皮膚パッチ装置の皮膚への適用が、被験者の食道及び腸において好酸球性食道炎の減少を起こす、請求項1記載の使用。
【請求項3】
被験者が、1つ又は複数の食物アレルゲン及び/又は空中アレルゲンに対するアレルギーに苦しむ、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
物質が、アレルゲン、好ましくは食物アレルゲン又は呼吸アレルゲン、あるいはそれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。
【請求項5】
アレルゲンが、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニより選択される、請求項4記載の使用。
【請求項6】
1を上回るアレルゲンが、1つ又は複数のパッチ装置を介して、別々にか、連続的にか、又は同時に皮膚に適用される、請求項1〜5のいずれか一項記載の使用。
【請求項7】
物質が乾燥形態である、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用。
【請求項8】
方法が、皮膚パッチ装置の繰り返し適用を含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の使用。
【請求項9】
組成物が、医薬的に許容可能な担体をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用。
【請求項10】
被験者における好酸球性食道炎の処置における使用ための、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む、皮膚パッチ装置。
【請求項11】
パッチ装置が、乾燥形態で、静電力を通じてパッチに接着させる、皮膚反応を起こす物質を含む組成物を含む密封皮膚パッチ装置である、請求項10記載のパッチ装置。
【請求項12】
牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニより選択される、1つ又は複数のアレルゲンを含む、請求項11記載のパッチ。
【請求項13】
アレルギーである被験者において好酸球性食道炎のリスクを予防又は低下する方法であって、被験者の皮膚に、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置を、該組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む、方法。
【請求項14】
アレルギーの被験者の食道又は腸において好酸球浸潤を減少させる方法であって、被験者の皮膚に、皮膚免疫反応を起こす物質を含む組成物を含む皮膚パッチ装置を、該組成物と皮膚の間での接触を可能にする条件下で適用することを含む、方法。
【請求項15】
好ましくは乾燥形態で、好ましくは静電力を通じてパッチに接着させる、牛乳、卵、小麦、大豆、ピーナッツ、花粉、及びイエダニのアレルゲンより選択される少なくとも2つのアレルゲンの組み合わせを含む組成物を含む、密封皮膚パッチ装置。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−503836(P2013−503836A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527343(P2012−527343)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063019
【国際公開番号】WO2011/026966
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(503330303)デベヴェ・テクノロジーズ (11)
【Fターム(参考)】