説明

姿勢判別装置

【課題】被測定者が悪い姿勢をとると、被測定者に対して姿勢が悪いことを報知することが可能な姿勢判別装置を提供する。
【解決手段】姿勢情報測定器1a,1bは、それぞれ、被測定者Aが履く左右の靴に配設され、装着部位に加わる加速度を測定する加速度センサ3a,3bと、装着部位の磁気方位を測定する磁気方位センサ4a,4bと、無線通信部5a,5bとを備える。また姿勢情報測定器1aは、加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aの測定データと、無線通信部5aが姿勢情報測定器1bから受信した加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bの測定データとをそれぞれ比較し、両センサ3a,3bの測定データが所定の閾値以上ずれるか、或いは、両センサ4a,4bの測定データが所定の閾値以上ずれると報知命令を出力する比較機能部11と、報知命令が入力されると被測定者に対して報知動作を行う報知部6aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者の姿勢を判別する姿勢判別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体に装着される器体の内部に、人体の体動を検知する検知手段と、所定時間における検知信号の変動平均を演算する第1の演算手段と、変動平均或いは変動平均の積分値より運動強度値を演算若しくは所定時間以上の時間における変動平均の時間平均値或いは変動平均の時間積分値により運動強度を演算する第2の演算手段と、演算により求めた運動強度値を記憶する記憶手段とを備えた活動量計が提供されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−204446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の活動量計では、被測定者が行った運動強度を測定することは可能であるが、被測定者の姿勢を判断する機能は備えていなかった。
【0004】
近年、健康や美容に対する関心が高まっており、着座時の姿勢や立ち姿を綺麗にしたいという願望をもつ人が増えている。着座時の姿勢や立ち姿が悪いと、内蔵に悪影響を与えたり、腰痛や肩こりなどの原因にもなるため、着座時の姿勢や立ち姿を良くすることが望ましいが、着座時の姿勢や立ち姿に常に気を付けて生活するのは難しく、良い姿勢を保ち続けることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、被測定者が悪い姿勢をとると、被測定者に対して姿勢が悪いことを報知することが可能な姿勢判別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、それぞれ被測定者の体の互いに異なる部位の姿勢情報を同種の物理量としてそれぞれ測定する第1および第2の姿勢情報測定手段と、被測定者の姿勢の変化に応じて、第1の姿勢情報測定手段が求めた姿勢情報と第2の姿勢情報測定手段が求めた姿勢情報とが所定のしきい値以上ずれると、報知命令を出力する比較手段と、比較手段から報知命令が入力されると被測定者に対して報知動作を行う報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、第1の姿勢情報測定手段は被測定者の一方の足に装着されるとともに、第2の姿勢情報測定手段は被測定者の他方の足に装着され、第1および第2の姿勢情報測定手段は、それぞれ、姿勢情報として装着部位に加わる加速度と装着部位の磁気方位とを測定し、報知手段は、比較手段から報知命令が入力されると、被測定者が足を組んでいることを報知することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、第1の姿勢情報測定手段は被測定者の背中の上部に装着されるとともに、第2の姿勢情報測定手段は被測定者の背中の中部から下部にかけての所定部位に装着され、第1および第2の姿勢情報測定手段は姿勢情報として装着部位に加わる加速度を測定しており、報知手段は、比較手段から報知命令が入力されると、被測定者の背中が曲がっていると報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、第1および第2の姿勢情報測定手段は、それぞれ、被測定者の体の互いに異なる部位の姿勢情報を測定しており、被測定者の姿勢の変化に応じて、第1および第2の姿勢情報測定手段により測定された姿勢情報が所定のしきい値以上ずれると、比較手段が報知命令を出力し、報知手段により報知動作を行わせているので、被測定者に対して姿勢の変化を知らしめることができ、その結果被測定者に対して良い姿勢を保つよう促すことができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、第1および第2の姿勢情報測定手段により、それぞれ、被測定者の左右の足に加わる加速度およびその磁気方位を測定しており、両者の測定結果が所定のしきい値以上ずれると比較手段は被測定者が足を組んでいると判断して、報知手段による報知動作を行わせているので、被測定者に対して足を組んでいることを知らしめて、良い姿勢を保つよう促すことができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、第1および第2の姿勢情報測定手段により、それぞれ、被測定者の背中の上部の装着部位にかかる加速度と、被測定者の背中の中部から下部にかけての所定部位にかかる加速度とが検出され、両者の測定結果が所定のしきい値以上ずれると比較手段は被測定者の背中が曲がっていると判断して、報知手段による報知動作を行わせているので、被測定者に対して背中が曲がっていることを知らしめて、良い姿勢を保つよう促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1乃至図4に基づいて説明する。本実施形態の姿勢判別装置は、図2および図3に示すように被測定者Aが履く左右の靴30a,30bの前部に配設された姿勢情報測定器1a,1bを備える。姿勢情報測定器1a,1bはそれぞれシート状に形成され、靴30a,30bの靴底に敷いて使用される。
【0014】
一方の姿勢情報測定器1aは、図1(a)の概略ブロック図に示すように、例えばマイクロコンピュータにより構成される演算処理部2aと、装着部位に加わる加速度を測定する加速度センサ3aと、装着部位の磁気方位を検出する磁気方位センサ4aと、他方の姿勢情報測定器1b或いはパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する。)PCとの間で例えば赤外線通信やブルートゥースなどの通信方式により近距離の無線通信を行う無線通信部5aと、例えばブザー音や音声メッセージを出力することによって報知動作を行う報知部6aと、RAMおよびROMからなる記憶部7aと、電池を電源として内部回路に動作電源を供給する電源回路部8aと、演算処理部2aに時刻情報を与える計時部9aとを主要な構成として備えている。また演算処理部2aは、当該測定器1aで測定された姿勢情報と、姿勢情報測定器1bで測定された姿勢情報とを比較する比較機能部11を備えている。
【0015】
また、他方の姿勢情報測定器1bは、図1(b)の概略ブロック図に示すように、例えばマイクロコンピュータにより構成される演算処理部2bと、装着部位に加わる加速度を測定する加速度センサ3bと、装着部位の磁気方位を検出する磁気方位センサ4bと、姿勢情報測定器1aとの間で例えば赤外線通信やブルートゥースなどの通信方式により近距離の無線通信を行う無線通信部5bと、RAMおよびROMからなる記憶部7bと、電池を電源として内部回路に動作電源を供給する電源回路部8bと、演算処理部2bに時刻情報を与える計時部9bとを主要な構成として備えている。
【0016】
ここで、一方の姿勢情報測定器1aは右足用の靴30aに、他方の姿勢情報測定器1bは左足用の靴30bにそれぞれ配設されているので、各々の姿勢情報測定器1a,1bによって、被測定者の体の互いに異なる部位の姿勢情報を同種の物理量として測定することができる。ここに、一方の姿勢情報測定器1aの備える加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aにより第1の姿勢情報測定手段が構成され、他方の姿勢情報測定器1bの備える加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bにより第2の姿勢情報測定手段が構成される。
【0017】
次に本実施形態の姿勢判別装置による姿勢の判別動作について説明を行う。姿勢情報測定器1aの演算処理部2aでは、計時部9aから入力される時刻情報をもとに、所定の測定周期が経過する毎に、姿勢情報の取り込み処理を行っており、加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aから測定データを取り込み、両センサ3a,3bの測定データを記憶部7aに記憶させるとともに、無線通信部5aから姿勢情報測定器1bに対して測定データの送信要求を送出する。
【0018】
一方、姿勢情報測定器1bでは演算処理部2bが無線通信部5bの受信状態を常時監視している。無線通信部5bが姿勢情報測定器1aからのデータ送信要求を受信して演算処理部2bに出力すると、演算処理部2bが、当該データ送信要求に基づいて加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bから測定データを取り込み、取り込んだ測定データを記憶部7bに記憶させるとともに、両センサ3b,4bの測定データを無線通信部5bから要求元の姿勢情報測定器1aに返送させる。
【0019】
この時、測定データを要求した姿勢情報測定器1aでは、無線通信部5aが姿勢情報測定器1bからの測定データを受信し、演算処理部2aが、無線通信部5aの受信した加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bの測定データを記憶部7aに記憶させる。そして、演算処理部2aの比較機能部11が、記憶部7aから読み出した加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aの測定データを、それぞれ、加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bの測定データと比較し、加速度センサ3a,3bの測定データのズレが所定のしきい値以上になるか、或いは、磁気方位センサ4a,4bの測定データのズレが所定のしきい値以上になると報知命令を報知部6aに出力し、報知部6aからブザー音や音声メッセージを出力させることによって、リアルタイムで報知動作を行わせる。
【0020】
ここにおいて、被測定者Aが正しい姿勢で着座したり、立っている場合は、図4(a)に示すように右足用の靴30aが右側、左足用の靴30bが左側に揃えて配置され、また靴30a,30bの靴先の方向Da,Dbも略同じになるので、右足用の姿勢情報測定器1aの加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aで測定される測定データと、左足用の姿勢情報測定器1bの加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bで測定される測定データとは略同じ値になる。したがって、比較機能部11により右足用の靴30aに設けたセンサ3a,4aの測定データと、左足用の靴30bに設けたセンサ3a,4aの測定データとを比較すると、両者のズレは所定のしきい値よりも小さくなるので、演算処理部2aでは報知動作を行うことはない。
【0021】
一方、図4(b)に示すように、被測定者Aが左足を下、右足を上にした状態で足を組んで座っている場合、鉛直上方から見ると、靴30aの靴先の方向Daは靴30bの靴先の方向Dbに対して斜めに交差するため、磁気方位センサ4aの測定データと磁気方位センサ4bの測定データとのズレが正しい姿勢に比べて大きくなる。また床面に接している左足用の靴30bは靴先が略水平方向を向くのに対して、空中に浮いている右足用の靴30aは靴先が水平面よりも上側または下側を向いているため、加速度センサ3aの測定データと加速度センサ3bの測定データとのズレが正しい姿勢に比べて大きくなる。したがって、足を組んだ際に発生する加速度センサ3a,3bのズレ、或いは、磁気方位センサ4a,4bのズレよりも小さい値に上記委しきい値を設定しておけば、足を組んだ状態では、加速度センサ3a,3bのズレ、或いは、磁気方位センサ4a,4bのズレがしきい値以上になるので、比較機能部11から報知部6aに報知命令が出力され、報知部6aにより報知動作が行われる。
【0022】
而して、本実施形態の姿勢判別装置によれば、姿勢情報測定器1a,1bは、それぞれ、被測定者Aの体の互いに異なる部位の姿勢情報を測定しており、被測定者Aの姿勢の変化に応じて、姿勢情報測定器1a,1bにより測定された姿勢情報が所定のしきい値以上ずれると、比較機能部11が報知命令を出力し、報知部6aまたは活動量計20により報知動作を行わせているので、被測定者Aに対して姿勢の変化を知らしめることができ、その結果被測定者Aに対して良い姿勢を保つよう促すことができる。また本実施形態では、被測定者Aが例えば足を組むなどして、被測定者Aの姿勢が正しい姿勢から変化すると、その変化を比較機能部11により検知して、報知部6aが報知動作を行っているので、被測定者Aに対して姿勢の変化を知らしめることができ、被測定者Aに正しい姿勢を保つよう促すことができる。また本実施形態では比較機能部11により、被測定者Aが足を組んでいると判断された場合に、報知部6aが報知動作を行っているので、被測定者Aに対して足を組んでいることを知らしめて、良い姿勢を保つよう促すことができる。
【0023】
また姿勢情報測定器1aの演算処理部1aでは、毎日予め設定された時刻がくると、記憶部7aに記憶させた測定データを無線通信部5aからパソコンPCに送信させており、パソコンPCにおいて、1日の姿勢の変化などの詳細な解析を行うことができる。
【0024】
(実施形態2)
上述の実施形態1では姿勢情報測定器1a,1bを左右の靴30a,30b内に取り付けているのに対して、本実施形態では図5(a)(b)に示すように被測定者Aが着る上着31の背中部分の上部に一方の姿勢情報測定器1aを取り付けるとともに、上着31の背中部分の中部から下部にかけての所定位置に他方の姿勢情報測定器1bを取り付けている。
【0025】
姿勢情報測定器1a,1bの構成は実施形態1と同様であるので、その説明は省略し、本実施形態による姿勢の判別動作について以下に説明を行う。姿勢情報測定器1aの演算処理部2aでは、計時部9aから入力される時刻情報をもとに、所定の測定周期が経過する毎に、姿勢情報の取り込み処理を行っており、加速度センサ3aから測定データを取り込み、加速度センサ3aの測定データを記憶部7aに記憶させるとともに、無線通信部5aから姿勢情報測定器1bに対して測定データの送信要求を送出する。
【0026】
一方、姿勢情報測定器1bでは演算処理部2bが無線通信部5bの受信状態を常時監視している。無線通信部5bが姿勢情報測定器1aからのデータ送信要求を受信して演算処理部2bに出力すると、演算処理部2bが、当該データ送信要求に基づいて加速度センサ3bから測定データを取り込み、取り込んだ測定データを記憶部7bに記憶させるとともに、加速度センサ3bの測定データを無線通信部5bから要求元の姿勢情報測定器1aに返送させる。
【0027】
この時、測定データを要求した姿勢情報測定器1aでは、無線通信部5aが姿勢情報測定器1bからの測定データを受信し、演算処理部2aが、無線通信部5aの受信した加速度センサ3bの測定データを記憶部7aに記憶させる。そして、演算処理部2aの比較機能部11が、記憶部7aから読み出した加速度センサ3aの測定データを、加速度センサ3bの測定データと比較し、加速度センサ3a,3bの測定データのズレが所定のしきい値以上になると報知命令を報知部6aに出力し、報知部6aからブザー音や音声メッセージを出力させることによって、リアルタイムで報知動作を行わせる。
【0028】
而して、本実施形態の姿勢判別装置によれば、姿勢情報測定器1a,1bは、それぞれ、被測定者Aの体の互いに異なる部位の姿勢情報を測定しており、被測定者Aの姿勢の変化に応じて、姿勢情報測定器1a,1bにより測定された姿勢情報が所定のしきい値以上ずれると、比較機能部11が報知命令を出力し、報知部6aまたは活動量計20により報知動作を行わせているので、被測定者Aに対して姿勢の変化を知らしめることができ、その結果被測定者Aに対して良い姿勢を保つよう促すことができる。また本実施形態では、被測定者Aが例えば足を組むなどして、被測定者Aの姿勢が正しい姿勢から変化すると、その変化を比較機能部11により検知して、報知部6aが報知動作を行っているので、被測定者Aに対して姿勢の変化を知らしめることができ、被測定者Aに正しい姿勢を保つよう促すことができる。また本実施形態では比較機能部11により、被測定者Aの背中の上部の装着部位にかかる加速度と、被測定者Aの背中の中部から下部にかけての所定部位にかかる加速度とを比較し、両者の測定結果が所定のしきい値以上ずれると比較機能部11は被測定者Aの背中が曲がっていると判断して、報知部6aや活動量計20による報知動作を行わせているので、被測定者Aに対して背中が曲がっていることを知らしめて、良い姿勢を保つよう促すことができる。
【0029】
なお本実施形態においても、姿勢情報測定器1aの演算処理部1aは、毎日予め設定された時刻がくると、記憶部7aに記憶させた測定データを無線通信部5aからパソコンPCに送信させており、パソコンPCにおいて、1日の姿勢の変化などの詳細な解析を行うことができる。
【0030】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図6〜図9に基づいて説明する。上述の実施形態1、2では姿勢情報測定器1aの演算処理部2aが姿勢の悪化を検出すると、報知部6aによりリアルタイムで報知動作を行わせているが、本実施形態では、例えば被測定者Aが携帯して被測定者Aの活動量を測定する活動量計に報知信号を送信して、活動量計に報知信号を蓄積させることによって、被測定者が活動量計に蓄積された報知信号を後から確認するようにしても良い。
【0031】
図7は活動量計20の外観図であり、活動量計20は、扁平な直方体状の器体29に図6に示す回路構成要素を内蔵したもので、器体29の前面には後述する表示部26や入寮操作部24を構成する操作釦が配置されている。そして、活動量計29の器体29は、図9に示すようにベルト(図示せず)などを用いて被測定者Aの腰に装着して使用される。
【0032】
器体29に内蔵される回路構成要素としては、例えば3軸の加速度センサ21と、この加速度センサ21の出力信号をA/D変換して得た測定データをもとに、当該活動量計20を装着した被測定者の運動状態(運動強度)を演算する演算処理部22と、時刻データを演算処理部22に与える計時部23と、入力操作部24と、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリからなり、加速度センサ21の測定データや演算処理部22の演算結果や個人の属性データなどを記憶するための記憶部25と、例えば液晶表示器からなる表示部26と、外部との間で例えば赤外線通信やブルートゥースなどの通信方式により近距離の無線通信を行う無線通信部27と、電池BTを電源として各回路要素の動作に必要な所定の電圧を得る定電圧回路28とを備えている。
【0033】
入力操作部24は、当該活動量計20の動作モードを運動強度測定モード、データ設定モード等に切り替えるモード切替操作や、表示部26に表示される表示画面でのカーソル操作や確認操作、或いは、データ設定モードにおいて運動強度の算出に用いる個人の属性データ(例えば年齢、性別、身長、体重、目的、健康状態(既往症歴)、地域)を入力するデータ入力操作に用いられる。ここにおいて、入力操作部24により測定モードを運動強度測定モード又は体動測定モードの何れかに切り替える測定モード切替部が構成される。
【0034】
運動強度演算部としての演算処理部22は、活動量計20に予め組み込まれたプログラムに基づいて、例えば運動強度(METs)や使用者が歩いた歩数や消費カロリーなどを算出するためのデータ処理を行うものであり、入力操作部24を用いてデータ設定モードに切り替えられると、表示部26の表示を制御してデータ入力画面を表示させ、当該データ入力画面において、上記属性データの入力を使用者に促すためのガイダンスなどを表示させ、入力操作部24を用いて属性データが入力されると、入力データを記憶部25に書き込み、以後の演算処理では記憶部25から読み込んだ属性データを運動強度などの活動量の演算に使用するようになっている。
【0035】
また演算処理部22の動作モードが、入力操作部24を用いて運動強度測定モードに切り替えられると、演算処理部22は、加速度センサ21から測定データを取り込む取込周期を活動量の測定に必要な周期(例えば16〜32Hz)に設定し、当該取込周期が経過する毎に加速度センサ21から取り込んだ加速度の検出データに基づいて、運動強度(METs)の算出処理や歩数を求める処理などを行うとともに、活動量(運動強度や歩数など)の算出結果を記憶部25に書き込む処理を行い、且つ、算出結果を表示部26にリアルタイムで表示する。
【0036】
次に本実施形態の姿勢判別装置による姿勢の判別動作について説明を行う。姿勢情報測定器1aの演算処理部2aは、実施形態1又は2と同様、所定の測定周期が経過する毎に、姿勢情報の取り込み処理を行っており、加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aから測定データを取り込み、両センサ3a,3bの測定データを記憶部7aに記憶させるとともに、無線通信部5aから姿勢情報測定器1bに対して測定データの送信要求を送出する。
【0037】
姿勢情報測定器1bでは演算処理部2bが無線通信部5bの受信状態を常時監視している。無線通信部5bが姿勢情報測定器1aからのデータ送信要求を受信して演算処理部2bに出力すると、演算処理部2bが、当該データ送信要求に基づいて加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bから測定データを取り込み、取り込んだ測定データを記憶部7bに記憶させるとともに、両センサ3b,4bの測定データを無線通信部5bから要求元の姿勢情報測定器1aに返送させる。
【0038】
この時、測定データを要求した姿勢情報測定器1aでは、無線通信部5aが姿勢情報測定器1bからの測定データを受信し、演算処理部2aが、無線通信部5aの受信した加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bの測定データを記憶部7aに記憶させる。そして、演算処理部2aの比較機能部11が、記憶部7aから読み出した加速度センサ3aおよび磁気方位センサ4aの測定データを、それぞれ、加速度センサ3bおよび磁気方位センサ4bの測定データと比較し、加速度センサ3a,3bの測定データのズレが所定のしきい値以上になるか、或いは、磁気方位センサ4a,4bの測定データのズレが所定のしきい値以上になると報知命令を報知部6aに出力し、報知部6aからブザー音や音声メッセージを出力させることによって、リアルタイムで報知動作を行わせる。また、この時同時に演算処理部2aは、無線通信部5aから活動量計20へ報知信号を送信させており、活動量計20の無線通信部27が報知信号を受信すると、演算処理部22が表示部26に姿勢の変化を示す表示を行うとともに、受信した報知信号を時刻情報とともに記憶部25に記憶させる。このように活動量計20の記憶部25には、姿勢情報測定器1aから送信された報知信号が時刻情報とともに格納されているので、被測定者Aが入力操作部24を操作して、記憶部25に記憶された報知信号とその受信時刻を表示部26に表示させることで、被測定者Aが活動量計20に蓄積された報知信号を後から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態1の姿勢判別装置を用いたシステムの概略的なブロック図である。
【図2】同上の姿勢判別装置の使用状態を説明する説明図である。
【図3】同上の姿勢判別装置を靴に取り付けた状態の説明図である。
【図4】(a)(b)は同上の姿勢判別装置による姿勢の判別方法を説明する説明図である。
【図5】(a)(b)は実施形態2の姿勢判別装置による姿勢の判別方法を説明する説明図である。
【図6】実施形態3の姿勢判別装置に用いる活動量計の概略的なブロック図である。
【図7】同上に用いる活動量計の正面図である。
【図8】同上の姿勢判別装置の使用状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1a,1b 姿勢情報測定器
3a,3b 加速度センサ
4a,4b 磁気方位センサ
5a,5b 無線通信部
6a 報知部
11 比較機能部
A 被測定者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ被測定者の体の互いに異なる部位の姿勢情報を同種の物理量としてそれぞれ測定する第1および第2の姿勢情報測定手段と、
被測定者の姿勢の変化に応じて、第1の姿勢情報測定手段が求めた姿勢情報と第2の姿勢情報測定手段が求めた姿勢情報とが所定のしきい値以上ずれると、報知命令を出力する比較手段と、
比較手段から報知命令が入力されると被測定者に対して報知動作を行う報知手段とを備えたことを特徴とする姿勢判別装置。
【請求項2】
前記第1の姿勢情報測定手段は被測定者の一方の足に装着されるとともに、前記第2の姿勢情報測定手段は被測定者の他方の足に装着され、第1および第2の姿勢情報測定手段は、それぞれ、前記姿勢情報として装着部位に加わる加速度と装着部位の磁気方位とを測定し、前記報知手段は、前記比較手段から報知命令が入力されると、被測定者が足を組んでいることを報知することを特徴とする請求項1記載の姿勢判別装置。
【請求項3】
前記第1の姿勢情報測定手段は被測定者の背中の上部に装着されるとともに、前記第2の姿勢情報測定手段は被測定者の背中の中部から下部にかけての所定部位に装着され、第1および第2の姿勢情報測定手段は前記姿勢情報として装着部位に加わる加速度を測定しており、前記報知手段は、前記比較手段から報知命令が入力されると、被測定者の背中が曲がっていると報知することを特徴とする請求項1記載の姿勢判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−142470(P2009−142470A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323052(P2007−323052)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】